JPH0597967A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JPH0597967A
JPH0597967A JP26184791A JP26184791A JPH0597967A JP H0597967 A JPH0597967 A JP H0597967A JP 26184791 A JP26184791 A JP 26184791A JP 26184791 A JP26184791 A JP 26184791A JP H0597967 A JPH0597967 A JP H0597967A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin
resin composition
epoxy
phenolic resin
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JP26184791A
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Shinji Ando
真司 安東
Yukio Fukui
幸雄 福井
Shigeru Iimuro
茂 飯室
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(1) (式中、nは0以上の整数を示し、Rはアルキル基、
、Xはハロゲン原子または水素原子を示す) で示されるフェノール系樹脂、および、該フェノール系
樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂を必須成分
とする樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂のエポキシ
基1モルに対し、該フェノール系樹脂のヒドロキシル基
が0.5〜1.5モルであるエポキシ樹脂組成物。 【効果】 該樹脂組成物は、弾性率、線膨張率および吸
水率が低く、かつ、優れた耐熱性を有する。さらに、優
れた耐半田クラック性を有するので半導体封止材として
用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂組成物に
関する。更に詳しくは、弾性率、線膨張率および吸水率
が低く、かつ、耐熱性および耐半田クラック性に優れた
エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスタ、I
C、LSIなどの半導体素子を封止する方法として、エ
ポキシ樹脂等を用いた、いわゆる樹脂封止法が広く行わ
れている。特に、エポキシ樹脂またはノボラック型フェ
ノール樹脂を主成分とする樹脂組成物が原料の低廉さ、
耐熱性、成形性、電気特性に優れているため、樹脂封止
法の主流となっている。
【0003】ところで、最近の半導体素子関連技術の進
歩は殊の外早く、しかも多様化しており、従来のエポキ
シ樹脂またはノボラック型フェノール樹脂を主成分とす
る樹脂組成物を封止材として用いる従来の方法では解決
し得ない種々の問題が生じている。
【0004】例えば、ICの高集積化に伴いチップサイ
ズが大型化し、逆にパッケージの形状は、表面実装化の
更なる伸長もあり、小型化、薄型化の傾向にある。すな
わち、大型のチップを小型で薄型のパッケージに封入す
る必要が生じ、この際、熱応力によりクラックが発生し
大きな問題となっている。
【0005】また、半田づけ工程においては、パッケー
ジそのものが200℃以上の高温に急激にさらされるこ
とにより、パッケージ内の水分が急激に膨張し、パッケ
ージ内にクラックを発生させ、半導体の信頼性を低下さ
せる原因となっている。
【0006】これらの問題を解決するために、種々のエ
ポキシ組成物が提案されているが、未だ充分な効果が得
られていない。
【0007】例えば、特開昭59−105018号公報
には硬化剤として、フェノールとアラルキルエーテルと
の重縮合物を用いた封止用樹脂組成物が提案されてい
る。しかし、この樹脂組成物は、低吸水率、低弾性率の
点では優れているものの、ガラス転移温度が低いため耐
熱性が劣り、耐半田クラック性の点では満足のいくもの
ではない。
【0008】また、特開昭61−168620号公報に
は、耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物が提案されてい
る。該組成物は、多官能性エポキシ樹脂を使用している
ため架橋密度が上がり、耐熱性が優れている。しかし、
吸水性が高くなり、特に半田づけ工程でクラックが発生
する頻度が高く満足のいくものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決することを課題とし、弾性率、線膨張率お
よび吸水率が低く、かつ、耐熱性および耐半田クラック
性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フェノー
ル系樹脂、および、該フェノール系樹脂をエポキシ化し
て得られるエポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂
組成物が上記の課題を解決するものであることを見出
し、本発明に到ったものである。
【0011】すなわち、本発明は、一般式(1)〔化
2〕
【0012】
【化2】 (式中、nは0以上の整数を示し、Rはアルキル基、X
1、X2はハロゲン原子または水素原子を示す)で示され
るフェノール系樹脂、および、該フェノール系樹脂をエ
ポキシ化して得られるエポキシ樹脂を必須成分とする樹
脂組成物であって、該エポキシ樹脂のエポキシ基1モル
に対し、該フェノール系樹脂のヒドロキシル基が0.5
〜1.5モルであるエポキシ樹脂組成物である。
【0013】本発明のエポキシ樹脂組成物の最大の特徴
は、弾性率、線膨張率および吸水率が低く、かつ、優れ
た耐熱性を併せ持つ点である。これらの特性は、いずれ
も半導体封止用エポキシ樹脂組成物としては極めて重要
なものであり、従来これらの特性を全て併せ持つエポキ
シ樹脂組成物は知られていない。これはフェノール系樹
脂および該フェノール系樹脂をエポキシ化して得られる
エポキシ樹脂を必須成分とするエポキシ樹脂を用いるこ
とにより初めて可能となったものである。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記一般
式(1)で表されるフェノール系樹脂、および、該フェ
ノール系樹脂をエポキシ化して得られるエポキシ樹脂を
必須成分とするが、その他のフェノール樹脂、その他の
エポキシ樹脂、硬化促進剤、各種充填剤等を本発明の目
的を損なわない範囲であれば添加してもよい。
【0015】本発明に用いるフェノール系樹脂の製造法
としては、一般式(2)〔化3〕
【0016】
【化3】 (式中、R1、R2はそれぞれ独立に水酸基、ハロゲン原
子または炭素数1〜3の低級アルコキシ基を示し、X1
とX2はそれぞれ独立して水素原子、ハロ ゲン原子を
示す。)で表される2官能性芳香族化合物と、置換フェ
ノール性化合物を重縮合反応(架橋反応)させることに
より得られる。
【0017】上記一般式(2)で表される2官能性芳香
族化合物としては、α,α’−ジクロルキシレン、α,
α’−ジブロムキシレン等のα,α’−ジハロキシレ
ン、α,α’−ジメトキシキシレン、α,α’−ジエト
キシキシレン等のα,α’−ジアルコキシキシレン、キ
シリレングリコール等が挙げられる。これらの化合物
は、オルト、メタまたはパラ体の何れでもよい。また、
これらの化合物は単独でもよいし、2種以上の混合物と
して用いてもよい、さらに、上記の化合物の芳香核にフ
ッ素、塩素、臭素、または沃素等のハロゲン原子が結合
している化合物でも差し支えない。
【0018】置換フェノール性化合物としてはクレゾー
ル、エチルフェノール、プロピルフェノール、tert
−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、フェ
ニルフェノール等が挙げられる。これらの化合物は、オ
ルト、メタまたはパラ体の何れでもよい。また、これら
の化合物は単独でもよいし、2種以上の混合物として用
いてもよい、2官能性芳香族化合物に対する置換フェノ
ール性化合物のモル比は1.2〜20であり、好ましく
は1.3〜15である。モル比が1.2未満の場合は、
架橋反応が進みすぎ、数平均分子量が2000を超える
高分子量ポリマーとなりやすく、ゲル化することがあ
る。また、モル比が20を超える場合は、耐熱性が低下
して本発明の目的が達成できない。
【0019】上記の架橋反応は、酸性触媒の存在下で行
うことが好ましい。しかし、α,α’−ジハロキシレン
の場合は、無触媒でも架橋反応が進むことがある。
【0020】酸性触媒の例としては、塩酸、硫酸、リン
酸、ギ酸、蓚酸、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化第
2錫、塩化第2鉄、三フッ化ホウ素、塩化第2銅、硫酸
第2銅、硫酸銀、硫酸水素ナトリウム、メタンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、および炭素原子数が1〜
6個のアルキル基を有するジアルキル硫酸等が挙げられ
る。
【0021】ジアルキル硫酸の例としては、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸、ジイソプロピル硫酸などを挙げるこ
とができる。これらの酸性触媒は単独で用いても、2種
以上の混合物として用いてもよい。
【0022】酸性触媒の使用量には特に制限はないが、
2官能性芳香族化合物と置換フェノール性化合物の合計
量に対し、好ましくは0.0001〜10重量%であ
る。
【0023】架橋反応の温度は通常50〜250℃であ
り、好ましくは70〜200℃であり、反応時間は一般
に数分〜100時間である。
【0024】反応の進行に伴い生成するハロゲン化水
素、低級アルコール、水等は系外に排出する事が極めて
好ましい。
【0025】反応終了後、必要ならば過剰の置換フェノ
ール性化合物を減圧蒸留等により除去し、本発明に用い
るフェノール系樹脂を得る。
【0026】フェノール系樹脂は、上記一般式(1)に
おけるnが0以上の整数であるが、0〜20であること
が本発明の目的から好ましい。
【0027】本発明に用いるエポキシ樹脂は、上記のフ
ェノール系樹脂をエポキシ化することにより得られる。
エポキシ化する方法は公知の方法が適用できる。すなわ
ち、ハロゲン化水素アクセプターの存在下、40〜12
0℃の温度範囲において、フェノール系樹脂をエピハロ
ヒドリン、好ましくはエピクロルヒドリンを用いてエポ
キシ化する。
【0028】ハロゲン化水素アクセプターの例として
は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金
属水酸化物を挙げることができる。ハロゲン化水素アク
セプターはフェノール系樹脂とエピハロヒドリンとの加
熱された混合物に徐々に添加され、反応混合物のpHを
約6.5〜10に維持するようにするのが好適である。
【0029】エポキシ化反応に使用されるエピハロヒド
リンの割合はフェノール系樹脂のOH基含有量による
が、通常、該OH基1当量に対し、2.0〜30当量、
好ましくは2.0〜10当量の過剰量のエピハロヒドリ
ンが使用される。反応生成物から過剰のアクセプター物
質および副生する塩を除去する方法は、通常、水洗等の
手段によって行われる。
【0030】上述のように、本発明において用いるエポ
キシ樹脂は、ハロゲン化水素アクセプターの存在下で、
前記一般式(1)で示されるフェノール系樹脂をエピハ
ロヒドリンを用いてエポキシ化することにより得られる
エポキシ樹脂(以下、必須エポキシ樹脂という)である
が、この他、ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変
性フェノール樹脂、レゾール系フェノール樹脂等のグリ
シジルエーテル、ブタンジオール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグ
リシジルエーテル、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸のグリシジ
ルエステル、アニリン、イソシアヌール酸等の窒素原子
に結合した活性水素をグリシジル基で置換したもの、分
子内オレフィンをエポキシ化した脂環式エポキシ樹脂等
(以下、併用エポキシ樹脂という)を併用することも可
能である。
【0031】この併用エポキシ樹脂の使用量は、必須エ
ポキシ樹脂と併用エポキシ樹脂の合計量に対し、50重
量%未満であることが好ましい。50重量%以上である
と本発明のエポキシ樹脂組成物の最大の特徴である上記
の特性、すなわち、弾性率、線膨張率および吸水率が低
く、かつ、耐熱性に優れると言う特性が保てなくなるの
で好ましくない。
【0032】また、本発明においては、上記一般式
(1)で表されるフェノール系樹脂を硬化剤として用い
るが、その他、ノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン
変性フェノール樹脂またはレゾール系フェノール樹脂等
(以下、併用フェノール樹脂という)を併用することも
可能である。
【0033】これらの併用フェノール樹脂の使用しても
よい量は、本発明の構成成分であるフェノール系樹脂と
併用フェノール樹脂の合計量に対し、50重量%未満で
あることが好ましい。50重量%以上であると本発明の
エポキシ樹脂組成物の最大の特徴である上記の特性、す
なわち、弾性率、線膨張率および吸水率が低く、かつ、
耐熱性に優れると言う特性が保てなくなるので好ましく
ない。
【0034】これらの併用フェノール樹脂の軟化点が6
0〜120℃、OH基当量が90〜500の範囲が好ま
しく、さらに好ましくは軟化点が65〜100℃、OH
基当量が95〜400の範囲である。軟化点またはOH
基当量が、上記の範囲を外れる場合は、本発明のエポキ
シ樹脂組成物の特徴である上記の特性が保てなくなるた
め好ましくない。
【0035】これらの併用フェノール樹脂は、単独で併
用してもよいが、2種以上の混合物として併用してもか
まわない。
【0036】必須エポキシ樹脂と硬化剤であるフェノー
ル系樹脂の混合比は、該エポキシ樹脂のエポキシ基1モ
ルに対し、フェノール系樹脂のヒドロキシル基が0.5
〜1.5モルの範囲が好ましい。この範囲を外れると、
本発明のエポキシ樹脂組成物の特徴である上記の特性が
保てなくなるため好ましくない。
【0037】併用エポキシ樹脂および/または併用フェ
ノール樹脂を用いる場合は、それぞれ合計のエポキシ基
1モルに対し、合計のヒドロキシル基が0.5〜1.5
モルの範囲とすることがが好ましい。
【0038】本発明のエポキシ樹脂組成物には、硬化促
進剤としてエポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤樹脂であ
るフェノール系樹脂等のヒドロキシル基の反応を促進す
る化合物を用いることができる。
【0039】該硬化促進剤として、例えば、トリエチル
アミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミ
ン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリ
エチルアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシレン
ジアミン、ジメチルベンジルアミン等のアミン類、2−
メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1,2
−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2フェニルイミ
ダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフ
ィン、メチルジフェニルホスフィン、ブチルフェニルホ
スフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィ
ン、オクチルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホ
スフィノ)メタン等の有機ホスフィン類、テトラフェニ
ルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニル
ホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−
メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチ
ルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニ
ルボロン塩等が挙げられる。
【0040】その添加量はエポキシ樹脂に対し0.00
1重量%から5重量%が好ましい。添加量が0.001
重量%未満の場合はエポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤
樹脂のヒドロキシル基の反応に時間がかかりすぎるので
好ましくない。また、5重量%を越える場合は、本発明
のエポキシ樹脂組成物の特徴である上記の特性が保てな
くなるため好ましくない。
【0041】また、本発明には無機充填剤として、結晶
性シリカ、溶融シリカ、アルミナ、クレー、チタンホワ
イト、ジルコン、ホウ素、ベリリア、マグネシア、ジル
コニア、フォーステライト、ステアタイト、スピネル、
ムライト、チタニア、硫酸バリウム、石英ガラス、水酸
化アルミニウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪
素、アルミナ、ガラス繊維等を1種以上配合することが
できる。
【0042】さらに、本発明には必要に応じて、高級脂
肪酸、高級脂肪酸金属塩、エステル類、天然ワックス
類、合成ワックス類、酸アミド類、パラフィン等の離型
剤、ブロム化合物、アンチモン、リン等の難燃化剤、カ
ーボンブラック等の着色剤、エポキシシラン、アミノシ
ラン、ビニルシラン、アルキルシラン、有機チタネート
等のシランカップリング剤、その他、可撓性付与剤等の
添加剤を適宜配合してもよい。
【0043】上記の原材料を用いて本発明のエポキシ樹
脂組成物を製造する一般的な方法としては、所定の配合
量の原材料混合物をミキサー等によって充分混合したの
ち、熱ロール、押出機等によって混練し、冷却し、粉砕
する方法を挙げることができる。
【0044】また、本発明のエポキシ樹脂組成物を用い
て半導体を封止する方法としては、低圧トランスファー
成形法が一般的であるが、インジェクション成形、圧縮
成形、注型等の方法を採用する事もできる。
【0045】以上のようにして得られる本発明のエポキ
シ樹脂組成物は、弾性率、線膨張率および吸水率が低
く、かつ、優れた耐熱性を有するので、半導体の封止材
の他、塗料、積層材または接着剤等として用いることが
できる。
【0046】
【実施例】以下、製造例、実施例、比較例、試験例を示
して本発明をさらに詳細に説明する。
【0047】製造例1 撹拌機、温度計、分縮器、全縮器を備えた反応容器に、
α,α’−ジメトキシ−p−キシレン100g(0.6
0モル)、p−クレゾール95.2g(0.88モ
ル)、硫酸ジエチル0.10gを装入し、その混合溶液
を約140℃に保ちながら撹拌下に架橋反応を行った。
反応中に生成したメタノールはベント口より系外へ除去
した。約2時間反応させた後、未反応のp−クレゾール
を減圧蒸留により除去し、反応機内に残存する樹脂状生
成物を冷却し、薄赤色固体の樹脂を得た。この樹脂の軟
化点(JIS K−2548による)は95℃であっ
た。この樹脂を樹脂Aとする。
【0048】製造例2 製造例1で得た樹脂Aを50gとエピクロルヒドリン1
50gを混合し、攪拌機、温度計、ディーンスターク共
沸蒸留トラップ、滴下ロートを備えた反応容器に装入し
た。この混合物を攪拌しながら115〜119℃に昇温
した後、同温度で47%水酸化ナトリウム水溶液64g
を2時間で滴下し、留出した水は連続的に分離回収し、
エピクロルヒドリンの相は反応器に戻した。滴下終了後
留出水の除去により反応は終了する。この後過剰のエピ
クロルヒドリンを減圧蒸留し、反応生成物をメチルイソ
ブチルケトン200gに溶解し、塩化ナトリウム及び水
酸化ナトリウムをろ過した後、溶剤を減圧蒸留により留
去し、必須エポキシ樹脂を得た。エポキシ当量は265
g/eq、軟化点は78℃であった。この樹脂を樹脂B
とする。
【0049】製造例3 o−クレゾール87g(0.80モル)を用いた以外、
製造例1と同様にしてフェノール系樹脂を得た。この樹
脂の軟化点は93℃であった。この樹脂を樹脂Cとす
る。 製造例4 製造例3で得た樹脂Cを用いた以外、製造例2と同様に
してエポキシ樹脂を得た。この樹脂のエポキシ当量は2
60g/eq、軟化点は76℃であった。この樹脂を樹
脂Dとする。
【0050】実施例1 硬化剤樹脂として製造例1で製造した樹脂A、エポキシ
樹脂として製造例2で得た樹脂B、硬化促進剤としてト
リフェニルホスフィン(以下、TPPと言う)、充填剤
として溶融シリカ、離型剤としてカルナウバワックス、
着色剤としてカーボンブラック、カップリング剤として
グリシドキシプロピルトリメトキシシランを〔表1〕に
示す重量比で配合し、混練温度100℃〜110℃、混
練時間5分の条件でロール混練を行った。シート状の混
練物を冷却したのち、粉砕しエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0051】次に、該組成物を200kg/cm2、1
70℃において5分間圧縮成形するこ とにより所定の
形状の成形品を作製し、さらに、175℃で5時間ポス
トキュアーした。得られた成形品のガラス転移温度、線
膨張係数、曲げ弾性率、吸水率を評価した。
【0052】ガラス転移温度(単位:℃);理学電機製
TMA装置を用い成形品の温度−線膨張曲線から、その
屈曲点の温度をガラス転移温度とした。温度測定は常温
から250℃まで、昇温速度は2℃/分とした。
【0053】線膨張係数(単位:×10-5/℃);常温
からガラス転移温度までの値を求めた。
【0054】曲げ弾性率(単位:kg/mm2);島津
製作所製オートグラフを用い、4mm ×127mm×
10mmの成形品で、試験速度2mm/分、支点間距離
64mmで行った。
【0055】吸水率(単位:%);50mm×50mm
×2mmの成形品を100℃で24時間煮沸した後の重
量変化から求めた。得られた結果を〔表1〕に示す。
【0056】実施例2〜3、比較例1〜2 それぞれ〔表1〕に示す原料を用い、実施例1と同様に
して成形品を得、同様にして各特性を評価した。得られ
た結果を〔表1〕に示す。
【0057】
【表1】
【0058】試験例1〜3、比較試験例1〜2 実施例1〜3、比較例1〜2で製造したエポキシ樹脂組
成物をタブレット化し、低圧トランスファー成形にて、
175℃、70kg/cm2、120秒の条件で、半田
クラック試験用として6×6mmのチップを52pパッ
ケージに封止し、また半田耐湿試験用として3mm×6
mmのチップを16pSOPパッケージに封止した。
【0059】封止したテスト用素子について下記の半田
クラック試験及び半田耐湿試験を行った。
【0060】半田クラック試験;封止したテスト用素子
を85℃、85%RHの環境下で72時間放置し、その
後260℃の半田浴に10秒間浸した後、顕微鏡で外部
クラックを観察し、クラックが発生した素子の数を計数
した。
【0061】半田耐湿試験;封止したテスト用素子を8
5℃、85%RHの環境下で72時間放置し、その後2
60℃の半田浴に10秒間浸した後、プレッシャークッ
カー試験(125℃、100%RH)を行い回路のオー
プン不良率が50%となる時間を測定した。試験結果を
〔表2〕に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、弾性
率、線膨張率および吸水率が低く、かつ、優れた耐熱性
を併せ有する。さらに、優れた耐半田クラック性と半田
耐湿性を有するので半導体封止材として用いることがで
きる。また、上記の特性を生かして塗料用、積層用およ
び接着剤用等として広い分野において利用できるので、
産業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、nは0以上の整数を示し、Rはアルキル基、X
    1、X2はハロゲン原子または水素原子を示す)で示され
    るフェノール系樹脂、および、該フェノール系樹脂をエ
    ポキシ化して得られるエポキシ樹脂を必須成分とする樹
    脂組成物であって、該エポキシ樹脂のエポキシ基1モル
    に対し、該フェノール系樹脂のヒドロキシル基が0.5
    〜1.5モルであるエポキシ樹脂組成物。
JP26184791A 1991-10-09 1991-10-09 エポキシ樹脂組成物 Pending JPH0597967A (ja)

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JP26184791A Pending JPH0597967A (ja) 1991-10-09 1991-10-09 エポキシ樹脂組成物

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JP (1) JPH0597967A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7605213B2 (en) 2005-07-29 2009-10-20 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Semiconductor encapsulant of epoxy resin, phenolic resin, phosphine-quinone adduct and OH compound
US7671146B2 (en) 2006-03-07 2010-03-02 Sumitomo Bakelite Company, Ltd Epoxy resin composition for encapsulating semiconductor and semiconductor device
US7741388B2 (en) 2004-11-02 2010-06-22 Sumitomo Bakelite Company, Ltd. Epoxy resin composition and semiconductor device

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