JP3214770B2 - エポキシ樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物およびその用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良されたフェノール
アラルキル樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物として、注
型、積層、接着、成形、封止、複合材等の用途に適する
ものであり、より具体的に例示すれば、耐熱性、耐湿
性、接着性、機械的強度に優れた半導体封止用エポキシ
樹脂組成物、およびそれを用いて半導体素子を封止した
信頼性に優れる半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール系樹脂を耐熱性複合材用マト
リックス樹脂や耐熱性成形材料などに利用することは、
近年、ますます多種多様化され、工業的に重要になって
きている。これらの先端分野では、フェノール樹脂自体
に高度な性能が求められ、例えば、IC封止材分野で
は、エポキシ樹脂として、または、その硬化剤として利
用され、全体として、接着性、耐熱性、耐湿性等に高い
性能が求められている。従来、この分野のフェノール系
樹脂としては、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂とフェノールノボラック樹脂を硬化剤とする組み合
わせが主流であった。しかしながら、近年、電子部品の
プリント配線板への高密度実装化が進むにつれ、電子部
品は、従来のピン挿入型パッケージから、表面実装型の
パッケージが主流になってきている。IC、LSIなど
の表面実装型ICは、実装密度を高くし、実装高さを低
くするために、薄型、小型のパッケージになっており、
素子のパッケージに対する占有体積が大きくなり、パッ
ケージの肉厚は非常に薄くなってきた。さらに、これら
のパッケージは、従来のピン挿入型のものと実装が異な
っている。即ち、ピン挿入型パッケージは、ピンを配線
板に挿入した後、配線板裏面からハンダ付けを行うため
に、パッケージが直接高温にさらされることがなかっ
た。
【0003】しかし、表面実装型ICは、配線板表面に
仮止を行い、ハンダバスやリフロー装置などで処理され
るため、直接ハンダ付け温度にさらされる。現在、IC
パッケージを配線板に実装する場合、IRリフローによ
る方法が主流となっているが、この方法による適用温度
は215℃程度が一般的である。しかしながら、生産性
の改良に伴い、ハンダ付け温度は240℃〜265℃と
より高温度での処理が求められている。このような高温
度領域での使用においては、ベース樹脂の耐湿性や耐熱
性が極めて重要である。ベース樹脂のエポキシ樹脂組成
物では一般に耐湿性と耐熱性は相反する関係にある。即
ち、耐熱性を向上させるために架橋密度を増加させれば
吸湿性が大きくなり、吸湿性を下げるために架橋密度を
減少させれば耐熱性に問題が残る。現在、半導体封止用
材料で主流となっているフェノールノボラック構造で
は、耐熱性に優れている反面、吸湿性が大きいため、前
述したような高温での使用はパッケージが吸湿した場
合、ハンダ付け時に吸湿水分が急激に膨張し、パッケー
ジをクラックさせてしまう。現在、この現象が表面実装
型ICに係わる大きな問題となっている。
【0004】このような問題に対し、樹脂の構造自体を
改良する方法が幾つか試みられている。例えば、キシリ
レン結合を有するフェノールアラルキル樹脂の使用であ
る(特公平2−49329号公報、特公昭62−281
65号公報)。しかしながら、これらのフェノールアラ
ルキル樹脂を使用した封止材料ではノボラック構造に比
べて低吸湿化となる反面、耐熱性を表わすガラス転移温
度(Tg)は未だ低く、先端分野における要求性能を完
全に満たすものとはいい難い。即ち、240〜265℃
のハンダ付け温度ではパッケージのフクレ等の問題は解
消され得ない。このフェノールアラルキル樹脂の使用
は、特公昭62−28165号公報に記載されているよ
うに、耐クラック性や耐衝撃性に優れるために、耐熱性
を今以上に向上させれば、優れたIC封止材になりうる
ものと考えられ、又、期待もされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のようなフェノールアラルキル樹脂の問題点を解決する
こと、即ち、他の性能は維持しつつ、耐熱性を向上させ
るように改良されたエポキシ樹脂組成物の提供、および
これを用いた信頼性に優れる半導体装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した。その結果、フェノール
アラルキル樹脂の混合物組成からビスフェノール成分を
低減、もしくは、除いたものが、エポキシ樹脂硬化物の
耐熱性(Tg)を向上させるということを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、1)
(A)一般式(II)(化4)
【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を示す)で表さ
れるビフェニル型エポキシ化合物と、
【0007】(B)フェノールおよび/またはクレゾー
ル1モルに対して、一般式(I)(化5)
【化2】 (式中、Xはハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のア
ルコキシ基を示す)で表されるアラルキル化合物を0.
1〜0.9モル比で反応させた樹脂組成物から、未反応
のフェノールおよび/またはクレゾールを留去させた
後、さらにビスフェノール成分を留去させて得られる、
残存ビスフェノール成分が10重量%以下で、軟化点3
0〜120℃、平均分子量550〜5000のフェノー
ルアラルキル樹脂を必須成分とする硬化剤とを、配合し
てなるエポキシ樹脂組成物。
【0008】2)前記1)項のエポキシ樹脂組成物にお
いて、成分(A)と(B)の合計量に対し、50重量%
以上の無機充填剤を配合してなる半導体封止用エポキシ
樹脂組成物、 3)前記1)〜2)項のいずれかに記載のエポキシ樹脂
組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
【0009】4)前記2)のエポキシ樹脂組成物を硬化
させて得られる硬化物により封止された半導体装置に関
するものである。
【0010】本発明のエポキシ樹脂組成物では、耐熱性
と耐湿性が共に優れ、耐衝撃性等の機械的強度にも優れ
るため、先端材料の耐熱性複合材用マトリックス樹脂に
好適であり、特に半導体封止材料では、従来、ハンダ耐
熱や実装装置におけるヒートサイクルで使用に耐えなか
ったものが問題なく使用できることから、信頼性の高い
樹脂封止装置が得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物
でその硬化剤に使用されるフェノールアラルキル樹脂が
何故耐熱性を向上させる効果を有するかは、はっきりと
断定できないが、エポキシ樹脂組成物で2官能成分の存
在は架橋構造の高次網状化を妨げる要因となり、この結
果としてガラス転移温度や機械強度が低下するものと考
えられている。特に、IC封止材用のエポキシ樹脂とし
て低吸湿性や低溶融粘度等で次世代の材料として期待さ
れている式(III)(化6)で表されるビフェノール型の
エポキシ樹脂や、式 (IV)(化6)で表されるナフタレ
ン型エポキシ樹脂では、硬化剤中のビスフェノール成分
の存在は高次網状化を妨げ、硬化不足の原因となる。
【0011】
【化6】 本発明で使用されるフェノールアラルキル樹脂では、こ
のような2官能成分を除去し、上記のようなエポキシ樹
脂に対しても高次網状化を達成できることから、耐熱性
や機械強度が向上する。又、本来その物が有している構
造由来の低吸湿性や耐酸化安定性は同等以上である。
【0012】つぎに、本発明で使用されるフェノールア
ラルキル樹脂の製造法について述べる。フェノールアラ
ルキル樹脂は、古くは、特公昭47−15111号公報
により開示され、その一部はザイロック樹脂(商品名)
として製造されている。上記方法で得られる樹脂には、
ビスフェノール成分を含むことが必然であり、その割合
は全体に対して10〜85重量%である。本発明で使用
されるフェノールアラルキル樹脂では、このビスフェノ
ール成分を真空蒸留により留去させる方法または抽出に
より除去させる方法が採られる。しかしながら、工業的
に可能な方法として真空蒸留により留去させる方法が、
特に選択される。この方法で好適なフェノールアラルキ
ル樹脂には、フェノール類としてフェノールおよび/ま
たはクレゾールが、クレゾールとしてはo−クレゾー
ル、p−クレゾール、m−クレゾールおよびこれらの混
合物が用いられる。このフェノール類1モルに対し、前
記式(I)で表されるアラルキル化合物を、0.1〜
0.9モル比使用して反応を行い、フェノールアラルキ
ル樹脂を得る。
【0013】この反応で使用される式(I)のアラルキ
ル化合物において、Xは塩素原子、臭素原子、フッ素原
子等のハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキ
シ基である。例えば、α,α’−ジヒドロキシ−o−キ
シレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,
α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジメト
キシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシ
レン、α,α’−ジエトキシ−o−キシレン、α,α’
−ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−
p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−o−キシ
レン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレン、
α,α’−ジイソプロポキシ−p−キシレン、α,α’
−ジ−n−プロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−
n−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−ブト
キシ−p−キシレン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ
−p−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−p−キシ
レン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−
ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−p−キ
シレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’
−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−
キシレン、α,α’−ジフルオロ−o−キシレン、α,
α’−ジフルオロ−m−キシレン、α,α’−ジフルオ
ロ−p−キシレン、α,α’−ジヨード−o−キシレ
ン、α,α’−ジヨード−m−キシレン、α,α’−ジ
ヨード−p−キシレン等を挙げることができる。好適な
化合物としてはα,α’−ジメトキシ−p−キシレン、
α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジ
クロロ−p−キシレンが挙げられる。
【0014】この反応では、通常、酸触媒を使用する。
このような酸触媒としては、無機または有機の酸、例え
ば、塩酸、リン酸、硫酸等が挙げられる。また、塩化亜
鉛、塩化第二錫、メタンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ジエチル硫
酸、蓚酸、または、ゼオライト、イオン交換樹脂等の固
体酸も使用できる。このような酸触媒は、単独で使用す
るか、併用してもよい。酸触媒の使用量は、全原料の
0.001wt%〜5wt%の範囲である。また、式(1)
のアラルキル化合物でXがハロゲン原子の場合、特に触
媒を加えずとも反応は進行する。フェノール類とアラル
キル化合物を反応させる方法は、通常、無溶媒で行われ
るが、反応に関与しないような溶媒を用いることはなん
ら問題とならない。
【0015】反応温度は、通常、80〜200℃、好ま
しくは、110〜180℃であり、反応時間は、1〜1
5時間の範囲である。反応状態の観察は、高速液体クロ
マトグラフィー(GPC)によればよい。このようにし
て反応を終了した後、一般的には直ちに、未反応フェノ
ール類を留去させ、引き続き、ビスフェノール成分を除
去する工程が実施される。もし、反応系内に触媒成分が
残存する場合は、中和等によって触媒効力を失活させて
から、この工程を実施する方が良い。これは、樹脂組成
の解裂、再配列による高分子化を防止するのに役立つ。
このビスフェノール成分は下記式(V)(化7)で表さ
れる化合物であり、本発明のエポキシ樹脂組成物で所望
の性能を得るためには、フェノールアラルキル樹脂全体
の10wt%以下であり、特に、5wt%以下が好ましい。
【0016】
【化7】 (式中、Rは水素原子および/またはメチル基を示
す。)しかしながら、低分子量組成でビスフェノール成
分の割合が高いものでは、このビスフェノールの減少に
つれた性能向上が認められ、少しの効果を得るためであ
ればこの範囲以上で使用することは何ら差し支えない。
このようにして得られた本発明で使用されるフェノール
アラルキル樹脂は、軟化点範囲30〜120℃であり、
平均分子量範囲550〜5000である。
【0017】つぎに、エポキシ樹脂組成物および半導体
装置について述べる。本発明のエポキシ樹脂組成物で
は、硬化剤として前記のフェノールアラルキル樹脂を含
むフェノール樹脂を使用する。この場合、フェノールア
ラルキル樹脂の割合は硬化剤全体の15重量%以上、好
ましくは30重量%以上あればよく、その他は公知のエ
ポキシ樹脂用硬化剤を併用することができる。このよう
な併用される一般の硬化剤としては、例えば、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのフェノ
ール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒ
ド等を、酸性触媒下で縮合反応させて得られるノボラッ
ク型フェノール樹脂、ナフトール、フェニルフェノール
等のキシリレン結合によるアラルキル樹脂、フェノール
−ジシクロペンタジエン樹脂などがあり、これらは単独
で、又は二種以上併用してもよい。
【0018】本発明において用いられるエポキシ樹脂と
しては、前記一般式(II)で表わされるビフェノールま
たは置換ビフェノールなどのジグリシジルエーテルであ
る。これらは併用することもできる。エポキシ化合物と
全硬化剤との当量比は特に限定はされないが、0.5〜
1.5が好ましい。
【0019】半導体封止用エポキシ樹脂組成物では、無
機充填剤(C)を必須成分として使用する。この無機充
填剤の使用量は全エポキシ樹脂組成物の50重量%以上
であるが、耐湿性や機械的強度向上の観点から70重量
%以上が特に好ましい。無機充填剤としては、シリカ、
アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイ
ト等の粉体、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維体が例
示される。これらの中で、熱膨張率と熱伝導率の点か
ら、結晶性シリカおよび/または溶融性シリカが好まし
い。更に、樹脂組成物の成形時の流動性を考えると、そ
の形状は球形、または球形と不定型の混合物が好まし
い。
【0020】本発明において、樹脂組成物を硬化させる
にあたっては、硬化促進剤を使用することが望ましい。
かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、
2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール等のイミダゾール類、トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等
のアミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類、
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテ
トラフェニルボロン類、1,8−ジアザ−ビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7およびその誘導体があ
る。これらの硬化促進剤は、単独で用いても、2種類以
上を併用してもよく、また、これらの硬化促進剤の配合
は、エポキシ化物またはエポキシ化合物および硬化剤の
合計量100重量部に対して0.01〜10重量部の範
囲で用いられる。
【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
機械的強度、耐熱性の点から各種の添加剤をも配合する
ことが望ましい。すなわち、樹脂と無機充填剤との接着
性向上の目的でカップリング剤を併用することが好まし
く、かかるカップリング剤としては、シラン系、チタネ
ート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等
のカップリング剤が使用できる。その中でも、シラン系
カップリング剤が好ましく、特にエポキシ樹脂と反応す
る官能基を有するシラン系カップリング剤が最も好まし
い。かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等を挙げることができ、これらを単独、あるいは併
用して使用することができる。これらのシラン系カップ
リング剤は、予め無機充填剤の表面に吸着あるいは反応
により固定化されているのが好ましい。
【0022】また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には、内部応力の低減のためにシリコーン化合物
を加えてもよい。このシリコーン化合物としては特開平
4−155940で開示されたような末端および分岐末
端にアミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基また
はシクロヘキセンオキサイド基を有するポリシロキサン
類が挙げられる。このようなシリコーン化合物の添加量
は全組成物に対して多くても5重量%であり、通常は
0.5〜3重量%の範囲である。更に、本発明の樹脂組
成物には、上記各成分の他、必要に応じて脂肪酸、脂肪
酸塩、ワックスなどの離型剤、ブロム化物、アンチモ
ン、リン等の難燃剤、カーボンブラック等の着色剤等を
配合し、混合、混練してIC封止用の成形材料とするこ
とができる。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導
体素子の封止を行う方法は、特に限定されるものではな
く、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法
によって行うことができる。このような方法によって得
られる半導体装置は、ハンダ浸漬時における優れた耐ク
ラック性を有し、高集積度ICとして長期に亘る使用で
安定であり、そのため高信頼性が得られる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 参考例1 攪拌器、温度計およびディーンスターク共沸トラップを
装着した反応容器に、α,α’−ジメトキシ−p−キシ
レン332g(2モル)、フェノール940g(10モ
ル)およびメタンスルホン酸2.6gを装入し、その混
合溶液を140〜160℃に保ちながら攪拌を続けた。
反応中、生成するメタノールは、順次トラップより系外
へ除去した。3時間でメタノールの発生が無くなり縮合
が完了した。次に、このままアスピレーターの減圧下
で、未反応のフェノールを留去させてビスフェノール成
分を53.2wt%含むフェノールアラルキル樹脂−
A、508gを得た。高速液体クロマトグラフィー(G
PC)による組成を図1−a(図1)に示す。図中、ピ
ーク(a)はビスフェノール成分を示す。ついで、この
溶融状態にある樹脂液254gを蒸留フラスコに装入し
て、真空度2mmHgでビスフェノール成分の留去を行
った。このビスフェノール成分は前記式(IV)におい
て、Rが水素であり、留去温度は232〜234℃で、
収量は129.6gであった。残査の樹脂はビスフェノ
ール成分を2.5wt%含むフェノールアラルキル樹脂
−Bで、収量は117gであった。GPCによる組成を
図1−b(図1)に示す。図中、ピーク(a)はビスフ
ェノール成分を示す。この樹脂の軟化点は62℃であ
り、平均分子量は690であった。
【0024】製造例1 o−クレゾール636g(6モル)に対してα,α’−
ジヒドロキシ−p−キシレン272g(2モル)および
蓚酸4.5gを用い、参考例1と同様に反応を行った。
未反応のo−クレゾールを除去した樹脂はビスフェノー
ル成分32.8wt%含む樹脂−Aであり、収量520
gであった。この樹脂260gから真空度2mmHg、
留出温度235〜239℃で前記式(IV)のRがメチル
基であるビスフェノール成分81.3gを除去し、ビス
フェノール成分を1.2wt%含む樹脂−Bを得た。収
量は175.5gで、軟化点は74℃、平均分子量は8
80であった。
【0025】
【0026】製造例2 攪拌器、温度計およびディーンスターク共沸トラップを
装着した反応容器に、フェノール564g(6モル)お
よびジエチル硫酸1gを装入し、昇温して内温を140
〜145℃の範囲に保った。ついで、α,α’−ジメト
キシ−p−キシレン332g(2モル)を2時間かけて
滴下、装入した。途中、生成するメタノールは、順次ト
ラップより系外へ除去した。滴下終了後、同温度範囲
で、2時間熟成を行って反応を終了した。次に、この反
応溶液に、5%水酸化バリウムの8水和物メタノール溶
液40gを滴下し、系内の酸成分を中和した。引き続
き、アスピレーターの減圧下で、未反応のフェノールを
蒸留回収して、ビスフェノール成分を32.8wt%含
むフェノールアラルキル樹脂−A、482gを得た。こ
の樹脂180gから参考例1と同じ条件で、ビスフェノ
ール成分49.2gを留去させ、ビスフェノール成分を
6.1wt%含むフェノールアラルキル樹脂−B、12
9gを得た。軟化点は74.5℃で、平均分子量は10
80であった。また、同様に、フェノールアラルキル樹
脂−A、180gからビスフェノール成分44.1gを
留去させ、ビスフェノール成分を9.2wt%含むフェ
ノールアラルキル樹脂−C、133gを得た。軟化点は
70℃で、平均分子量は1030であった。
【0027】実施例1〜3 エポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂(商品名 Y
X−4000H、(株)油化シエルエポキシ製)を用
い、硬化剤として製造例1〜2で得られたフェノールア
ラルキル樹脂−B、−C、無機充填剤として球形溶融シ
リカ(ハリミックS−CO、(株)マイクロン製)と不
定形溶融シリカ(ヒューズレックスRD−8、(株)龍
森製)の50/50(重量比)の混合物、その他の添加
物を、表−1(表1)に示す配合(重量部)で加え、温
度100℃のミキシングロール機で3分間混練を行って
エポキシ樹脂組成物を得た。この組成物を注型加工し、
得られた硬化物の物性を測定した。物性測定用の試験片
はトランスファー成形(180℃、30kg/cm
3min)により成形し、表−1に示す条件で後硬化を
行った。また、上記エポキシ樹脂組成物を用いて、フラ
ットパッケージ型半導体装置用リードフレームの素子搭
載部に半導体素子(10mm×10mm角)を搭載した
後、トランスファー成形(180℃、30kg/c
、3min)により半導体装置を得た。この半導体
装置について、V.P.Sテストを行った。結果を表−
1に示した。
【0028】比較例1〜2 硬化剤として製造例1〜2のビスフェノール成分を含有
するフェノールアラルキル樹脂−Aを使用した以外は、
実施例と同様にして、エポキシ樹脂組成物および半導体
装置を得た。これらの評価結果は表−1に示した。
【0029】なお、各種物性等の試験方法は以下の通り
である。 ・ガラス転移温度:TMA法(島津、TMA−DRW
DT−30で測定) ・曲げ強度、弾性率:JIS K−6911 ・煮沸吸水率:100℃で沸騰水中で2時間煮沸後の重
量増加を測定 ・V.P.Sテスト:試験用の半導体装置を65℃、9
5%の恒温恒湿槽に、168時間放置した後、直ちに2
40℃のフロナート液(住友スリーエム製、FC−7
0)に投入し、パッケージ樹脂にクラックまたはフクレ
が発生した半導体の数を数えた。試験値は分数で示し、
分子は外観の不良が認められた半導体装置の数、分母は
試験に供した半導体装置の数である。
【0030】また、試験に供した添加剤およびエポキシ
化物、硬化剤は以下の通りである。 ・C11Z:ウンデシルイミダゾール(四国ファインケ
ミカル製) ・無機充填剤:球形溶融シリカ(ハリミックS−CO、
(株)マイクロン製)50重量部と不定型溶融シリカ
(ヒューズレックスRD−8、(株)龍森製)50重量
部の混合物 ・シランカップリング剤:(SZ?6083、東レダウコー
ニングシリコーン製) ・YX−4000H:ビフェニル型エポキシ樹脂、
(株)油化シエルエポキシ製、エポキシ当量190g/
eq
【0031】
【表1】
【0032】
【0033】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明のエポキ
シ樹脂組成物で、硬化剤のフェノールアラルキル樹脂か
らビスフェノール成分を除去または低減することによ
り、耐湿性をたもちながら、ガラス転移温度の上昇が認
められる。この結果、半導体封止材として用いた場合、
耐ハンダ性が向上し、信頼性に優れた装置を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1−aは参考例1のフェノールアラルキル樹
脂−AのGPCチャート図1−bは樹脂Aからビスフェ
ノール成分を留去させたフェノールアラルキル樹脂−B
のGPCチャート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 23/31 (56)参考文献 特開 平5−166974(JP,A) 特開 平4−48759(JP,A) 特開 平4−103619(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/24 C08G 59/62 C08L 63/02 H01L 23/29

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(II)(化1) 【化1】 (式中、R は水素原子またはメチル基を示す)で表さ
    れるビフェニル型エポキシ化合物と、 (B)フェノールおよび/またはクレゾール1モルに対
    して、一般式(I)(化2) 【化2】 (式中、Xはハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のア
    ルコキシ基を示す)で表されるアラルキル化合物を0.
    1〜0.9モル比で反応させた樹脂組成物から、未反応
    のフェノールおよび/またはクレゾールを留去させた
    後、さらにビスフェノール成分を留去させて得られる、
    残存ビスフェノール成分が10重量%以下で、軟化点3
    0〜120℃、平均分子量550〜5000のフェノー
    ルアラルキル樹脂を必須成分とする硬化剤とを、配合し
    てなるエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエポキシ樹脂組成物におい
    て、成分(A)と(B)の合計量に対し、50重量%以
    上の無機充填剤を配合してなる半導体封止用エポキシ樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のエポキシ樹脂組成物を硬
    化させて得られる硬化物により封止された半導体装置。
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