JPH069753A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物Info
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- JPH069753A JPH069753A JP16593792A JP16593792A JPH069753A JP H069753 A JPH069753 A JP H069753A JP 16593792 A JP16593792 A JP 16593792A JP 16593792 A JP16593792 A JP 16593792A JP H069753 A JPH069753 A JP H069753A
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- resin composition
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- phenol
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- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性、耐湿性及び作業性に優れたエポキシ
樹脂組成物を提供する。 【構成】 エポキシ樹脂組成物において、式(1)の6,
6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3' −テトラメチル−1,1'−
スピロビインダンとエピクロルヒドリンから得られるエ
ポキシ樹脂とフェノール性硬化剤を使用する。
樹脂組成物を提供する。 【構成】 エポキシ樹脂組成物において、式(1)の6,
6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3' −テトラメチル−1,1'−
スピロビインダンとエピクロルヒドリンから得られるエ
ポキシ樹脂とフェノール性硬化剤を使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なエポ
キシ樹脂組成物に関する。更に詳細には、耐熱性、耐湿
性、接着性、機械的性質等に優れる注型、積層、接着、
成形、封止、複合材等の用途に適したエポキシ樹脂組成
物に関するものであり、実際に利用されるものとして、
具体的には、半導体集積回路(IC)の封止用材料等が
挙げられる。
キシ樹脂組成物に関する。更に詳細には、耐熱性、耐湿
性、接着性、機械的性質等に優れる注型、積層、接着、
成形、封止、複合材等の用途に適したエポキシ樹脂組成
物に関するものであり、実際に利用されるものとして、
具体的には、半導体集積回路(IC)の封止用材料等が
挙げられる。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂あるいは硬化剤から
なる数多くのエポキシ樹脂組成物が、かかる用途に用い
られてきた。例えば、エポキシ樹脂の典型としては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビス
フェノールA〕から得られる液状ないし固形の各種エポ
キシ樹脂、ノボラツク樹脂から得られるエポキシ樹脂等
があり、また、高耐熱性エポキシ樹脂としては、4,4'−
ジアミノジフェニルメタン(MDA)から得られるエポ
キシ樹脂等がある。また、硬化剤の典型としては、ジエ
チレントリアミン、イソホロンジアミン、m−キシリレ
ンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノ
ジフェニルスルホン等の脂肪族または芳香族アミン化合
物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、無水マレイン酸等の酸無水物、フェノールノボ
ラック等のフェノール樹脂、ポリアミド、変性ポリアミ
ン類、イミダゾール類等がある。これらのエポキシ樹脂
および硬化剤は、各用途に合わせて、様々な組合せで、
さらには無機充填剤を加えて樹脂組成物として利用され
てきた。
なる数多くのエポキシ樹脂組成物が、かかる用途に用い
られてきた。例えば、エポキシ樹脂の典型としては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビス
フェノールA〕から得られる液状ないし固形の各種エポ
キシ樹脂、ノボラツク樹脂から得られるエポキシ樹脂等
があり、また、高耐熱性エポキシ樹脂としては、4,4'−
ジアミノジフェニルメタン(MDA)から得られるエポ
キシ樹脂等がある。また、硬化剤の典型としては、ジエ
チレントリアミン、イソホロンジアミン、m−キシリレ
ンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノ
ジフェニルスルホン等の脂肪族または芳香族アミン化合
物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、無水マレイン酸等の酸無水物、フェノールノボ
ラック等のフェノール樹脂、ポリアミド、変性ポリアミ
ン類、イミダゾール類等がある。これらのエポキシ樹脂
および硬化剤は、各用途に合わせて、様々な組合せで、
さらには無機充填剤を加えて樹脂組成物として利用され
てきた。
【0003】しかしながら、これらのエポキシ樹脂や硬
化剤を用いて得られるエポキシ樹脂組成物は、性能的に
一長一短があり、各利用分野における技術の向上に伴っ
て必然的に要求される高い水準の性能を満足し得るもの
とは言い難く、耐熱性、耐湿性、機械的強度等の各性能
がバランス良く、しかも、高い水準にあるエポキシ樹脂
が求められる様になってきている。例えば、o−クレゾ
ールノボラックから得られるエポキシ樹脂とフェノール
ノボラックの組合せが多く用いられているが、この組合
せで得られるエポキシ樹脂組成物は、機械的強度は比較
的高い水準にあるものの、耐湿性の悪さに起因するクラ
ックの発生があり、また、近年の各産業の発達に伴う発
生熱量の増大に伴う耐熱性の不足等、最終的な製品の信
頼性に関わる問題が指摘されている。
化剤を用いて得られるエポキシ樹脂組成物は、性能的に
一長一短があり、各利用分野における技術の向上に伴っ
て必然的に要求される高い水準の性能を満足し得るもの
とは言い難く、耐熱性、耐湿性、機械的強度等の各性能
がバランス良く、しかも、高い水準にあるエポキシ樹脂
が求められる様になってきている。例えば、o−クレゾ
ールノボラックから得られるエポキシ樹脂とフェノール
ノボラックの組合せが多く用いられているが、この組合
せで得られるエポキシ樹脂組成物は、機械的強度は比較
的高い水準にあるものの、耐湿性の悪さに起因するクラ
ックの発生があり、また、近年の各産業の発達に伴う発
生熱量の増大に伴う耐熱性の不足等、最終的な製品の信
頼性に関わる問題が指摘されている。
【0004】この様な問題に対して、近年、エポキシ樹
脂組成物の耐熱性、耐湿性を向上させる目的で、幾つか
のエポキシ樹脂や硬化剤が提案されている。例えば、硬
化剤として、4,4'−ジアミノジフェニルメタンや4,4'−
ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いたり、あるい
は、エポキシ主剤としてそれらのエポキシ化物を用いる
ことにより、高耐熱性のエポキシ樹脂組成物を得てい
る。しかし、これらは構造的に耐湿性に劣るものとな
り、問題の解決にはなっていない。
脂組成物の耐熱性、耐湿性を向上させる目的で、幾つか
のエポキシ樹脂や硬化剤が提案されている。例えば、硬
化剤として、4,4'−ジアミノジフェニルメタンや4,4'−
ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いたり、あるい
は、エポキシ主剤としてそれらのエポキシ化物を用いる
ことにより、高耐熱性のエポキシ樹脂組成物を得てい
る。しかし、これらは構造的に耐湿性に劣るものとな
り、問題の解決にはなっていない。
【0005】一方、耐湿性に優れたものとして、ナフト
ールアラルキル樹脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂組成
物(特公昭48−10960 号公報) 、フェノールアラルキル
樹脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂組成物(特開昭59−
105018号公報)、フェノール−ジシクロペンタジエン樹
脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂組成物(特公平3−40
052 号公報) 等が見出されており、特に、ナフトールア
ラルキル樹脂およびフェノール−ジシクロペンタジエン
樹脂を硬化剤として得られるエポキシ樹脂組成物は、耐
熱性においても優れた性能を示すことが記載されてい
る。しかし、最終的に得られる樹脂組成物は、主剤とな
るエポキシ樹脂の持つ特性のため、耐熱性、耐湿性をは
じめとする諸性能についてなお満足できるものではなか
った。
ールアラルキル樹脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂組成
物(特公昭48−10960 号公報) 、フェノールアラルキル
樹脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂組成物(特開昭59−
105018号公報)、フェノール−ジシクロペンタジエン樹
脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂組成物(特公平3−40
052 号公報) 等が見出されており、特に、ナフトールア
ラルキル樹脂およびフェノール−ジシクロペンタジエン
樹脂を硬化剤として得られるエポキシ樹脂組成物は、耐
熱性においても優れた性能を示すことが記載されてい
る。しかし、最終的に得られる樹脂組成物は、主剤とな
るエポキシ樹脂の持つ特性のため、耐熱性、耐湿性をは
じめとする諸性能についてなお満足できるものではなか
った。
【0006】この主剤であるエポキシ樹脂を改良する試
みもなされている。例えば、前記のような低吸湿性を与
える骨格のフェノール樹脂を、エポキシ化して主剤とし
て用いる方法である。しかしながら、このようなエポキ
シ樹脂を使用する場合、例えば、半導体封止材用途で
は、多量の無機充填材等を混合させて用いるため、材料
の溶融粘度が高いと、使用し難いという欠点がある。前
述のエポキシ樹脂は一般に粘度が高目であり、封止材用
途では、更に低溶融粘度のものが望まれている。近年、
このような低溶融粘度を目的としたエポキシ樹脂も幾つ
か提案されている。例えば、式(4)で表されるビフェ
ノールタイプのエポキシ化物(特開平2−101761号公
報)、式(5)(化4)で表わされるジヒドロキシナフ
タレンのエポキシ化物(特開昭61−73719 号公報)等で
ある。
みもなされている。例えば、前記のような低吸湿性を与
える骨格のフェノール樹脂を、エポキシ化して主剤とし
て用いる方法である。しかしながら、このようなエポキ
シ樹脂を使用する場合、例えば、半導体封止材用途で
は、多量の無機充填材等を混合させて用いるため、材料
の溶融粘度が高いと、使用し難いという欠点がある。前
述のエポキシ樹脂は一般に粘度が高目であり、封止材用
途では、更に低溶融粘度のものが望まれている。近年、
このような低溶融粘度を目的としたエポキシ樹脂も幾つ
か提案されている。例えば、式(4)で表されるビフェ
ノールタイプのエポキシ化物(特開平2−101761号公
報)、式(5)(化4)で表わされるジヒドロキシナフ
タレンのエポキシ化物(特開昭61−73719 号公報)等で
ある。
【0007】
【化4】 しかしながら、これらのエポキシ化物は高価であり、ま
た、樹脂組成物における硬化特性等で未だ充分な効果が
得られていない。
た、樹脂組成物における硬化特性等で未だ充分な効果が
得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、各産
業分野の技術の発達、それに伴う要求性能のアップに応
え得る様な耐湿性、耐熱性、接着性、機械的強度等の性
能のバランスの優れたエポキシ樹脂組成物を提供するこ
とである。
業分野の技術の発達、それに伴う要求性能のアップに応
え得る様な耐湿性、耐熱性、接着性、機械的強度等の性
能のバランスの優れたエポキシ樹脂組成物を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに到
ったものである。すなわち、本発明は、エポキシ樹脂お
よび硬化剤から成るエポキシ樹脂組成物において、
(A)エポキシ樹脂として式(1)(化5)で表される
6,6'−ジヒドロキシ− 3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'
−スピロビインダンにエピクロルヒドリンを反応させて
得られるエポキシ樹脂、(B)硬化剤としてフェノール
性硬化剤を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物
に関するものである。
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに到
ったものである。すなわち、本発明は、エポキシ樹脂お
よび硬化剤から成るエポキシ樹脂組成物において、
(A)エポキシ樹脂として式(1)(化5)で表される
6,6'−ジヒドロキシ− 3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'
−スピロビインダンにエピクロルヒドリンを反応させて
得られるエポキシ樹脂、(B)硬化剤としてフェノール
性硬化剤を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物
に関するものである。
【0010】
【化5】 フェノール性硬化剤として、ノボラック型フェノール樹
脂、一般式(2)で表されるフェノール性アラルキル樹
脂または一般式(3)(化6)で表されるフェノール性
ジシクロペンタジエン樹脂等を用いる前記のエポキシ樹
脂組成物、
脂、一般式(2)で表されるフェノール性アラルキル樹
脂または一般式(3)(化6)で表されるフェノール性
ジシクロペンタジエン樹脂等を用いる前記のエポキシ樹
脂組成物、
【0011】
【化6】 (式中、Aはフェノール、o−クレゾール、m−クレゾ
ール、p−クレゾール、o−フェニルフェノール、p−
フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトー
ル、レゾルシン、ハイドロキノンまたはカテコールを示
し、m、nは各々0〜50の整数を示す)および無機充
填剤を含有する前記のエポキシ樹脂組成物に関するもの
である。
ール、p−クレゾール、o−フェニルフェノール、p−
フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトー
ル、レゾルシン、ハイドロキノンまたはカテコールを示
し、m、nは各々0〜50の整数を示す)および無機充
填剤を含有する前記のエポキシ樹脂組成物に関するもの
である。
【0012】本発明の主剤として用いるエポキシ樹脂
は、特開昭63−150270号公報に記載の方法、例えば、6,
6'−ジヒドロキシ− 3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−
スピロビインダンとエピクロルヒドリンを脱ハロゲン化
水素剤の存在下に反応させて得られるエポキシ化合物な
らびに低重合度のオリゴマーから成るものである。この
エポキシ樹脂は、分子内に剛直な脂環式構造を有し、結
晶性であることが特徴であり、また、その融点も低く、
融解時の溶融粘度が極めて小さいことが特徴として挙げ
られる。溶融流動性が不十分なエポキシ樹脂組成物は、
封止材用途に用いた場合、著しく作業性が劣り、また、
封止された半導体のリード線の断線等を起こすが、本発
明で用いるエポキシ樹脂は、これらの問題を解消するだ
けでなく、耐熱性向上や低吸水化は勿論のこと、従来か
ら強く要望されていた充填剤との "ねれ性" の向上、低
応力化のための充填剤使用量の増加等を可能にする。ま
た、本発明で用いるエポキシ樹脂の原料となる式(1)
で表される6,6'−ジヒドロキシ− 3,3,3',3'−テトラメ
チル−1,1'−スピロビインダンは、ビスフェノールAを
原料として収率よく製造できるため安価である(特開昭
62−10030 号公報) 。
は、特開昭63−150270号公報に記載の方法、例えば、6,
6'−ジヒドロキシ− 3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−
スピロビインダンとエピクロルヒドリンを脱ハロゲン化
水素剤の存在下に反応させて得られるエポキシ化合物な
らびに低重合度のオリゴマーから成るものである。この
エポキシ樹脂は、分子内に剛直な脂環式構造を有し、結
晶性であることが特徴であり、また、その融点も低く、
融解時の溶融粘度が極めて小さいことが特徴として挙げ
られる。溶融流動性が不十分なエポキシ樹脂組成物は、
封止材用途に用いた場合、著しく作業性が劣り、また、
封止された半導体のリード線の断線等を起こすが、本発
明で用いるエポキシ樹脂は、これらの問題を解消するだ
けでなく、耐熱性向上や低吸水化は勿論のこと、従来か
ら強く要望されていた充填剤との "ねれ性" の向上、低
応力化のための充填剤使用量の増加等を可能にする。ま
た、本発明で用いるエポキシ樹脂の原料となる式(1)
で表される6,6'−ジヒドロキシ− 3,3,3',3'−テトラメ
チル−1,1'−スピロビインダンは、ビスフェノールAを
原料として収率よく製造できるため安価である(特開昭
62−10030 号公報) 。
【0013】本発明においては、このエポキシ樹脂を用
いて耐熱性向上や低吸水化を達成した組成物を得るため
に、フェノール性硬化剤を使用する。このような硬化剤
としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、一般
式(2)で表されるフェノール性アラルキル樹脂または
一般式(3)で表されるフェノール性ジシクロペンタジ
エン樹脂である。
いて耐熱性向上や低吸水化を達成した組成物を得るため
に、フェノール性硬化剤を使用する。このような硬化剤
としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、一般
式(2)で表されるフェノール性アラルキル樹脂または
一般式(3)で表されるフェノール性ジシクロペンタジ
エン樹脂である。
【0014】一般式(2)で表されるフェノール性アラ
ルキル樹脂は、フェノール種としてフェノール、アルキ
ル置換フェノール、アリール置換フェノール、ナフトー
ル、二価フェノール類を用い、キシリレン結合を有する
樹脂である。これらは、特公昭47−13782 号公報、特開
昭63−238129号公報で開示された方法、例えば、α,α'
-ジアルコキシ-p- キシレンとフェノール化合物とを酸
触媒の存在下に反応させることによって得られる。好ま
しいフェノール種としては、フェノール、クレゾール
類、フェニルフェノール類、ナフトール類、レゾルシン
である。
ルキル樹脂は、フェノール種としてフェノール、アルキ
ル置換フェノール、アリール置換フェノール、ナフトー
ル、二価フェノール類を用い、キシリレン結合を有する
樹脂である。これらは、特公昭47−13782 号公報、特開
昭63−238129号公報で開示された方法、例えば、α,α'
-ジアルコキシ-p- キシレンとフェノール化合物とを酸
触媒の存在下に反応させることによって得られる。好ま
しいフェノール種としては、フェノール、クレゾール
類、フェニルフェノール類、ナフトール類、レゾルシン
である。
【0015】一般式(3)で表されるフェノール性ジシ
クロペンタジエン樹脂は、特開昭63−99224 号公報、特
願平2−291872号公報で開示された方法、例えば、ジシ
クロペンタジエンとフェノール化合物を酸触媒の存在下
に反応させることによって製造される。フェノール種と
しては、前記フェノール性アラルキル樹脂の場合と同様
である。これらのフェノール性硬化剤は、二種以上を併
用してもよく、また、他の別種の硬化剤と併用してもよ
い。
クロペンタジエン樹脂は、特開昭63−99224 号公報、特
願平2−291872号公報で開示された方法、例えば、ジシ
クロペンタジエンとフェノール化合物を酸触媒の存在下
に反応させることによって製造される。フェノール種と
しては、前記フェノール性アラルキル樹脂の場合と同様
である。これらのフェノール性硬化剤は、二種以上を併
用してもよく、また、他の別種の硬化剤と併用してもよ
い。
【0016】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
前記式(1)の化合物から得られるエポキシ樹脂ととも
に、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラ
ツク型、フェノール性アラルキル樹脂等のエポキシ樹脂
を併用することもできる。これらの他のエポキシ樹脂の
配合割合は、使用目的に応じて、全エポキシ樹脂成分
中、50%以下に設定するのが好適である。これらエポキ
シ樹脂と前記フェノール性硬化剤との配合比は、通常、
エポキシ基1当量当り、硬化剤の官能基が 0.5〜 1.5当
量となるように配合するのが好ましい。
前記式(1)の化合物から得られるエポキシ樹脂ととも
に、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラ
ツク型、フェノール性アラルキル樹脂等のエポキシ樹脂
を併用することもできる。これらの他のエポキシ樹脂の
配合割合は、使用目的に応じて、全エポキシ樹脂成分
中、50%以下に設定するのが好適である。これらエポキ
シ樹脂と前記フェノール性硬化剤との配合比は、通常、
エポキシ基1当量当り、硬化剤の官能基が 0.5〜 1.5当
量となるように配合するのが好ましい。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに、
無機充填剤を配合して用いることができる。使用される
無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、窒化硅素、炭
化硅素、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、
マイカ、クレー、チタンホワイト等の粉体、ガラス繊
維、カーボン繊維等の繊維体が例示される。これらの中
で、熱膨張率と熱伝導率の点から、結晶性シリカおよび
/または溶融性シリカが好ましい。更に、樹脂組成物の
成形時の流動性を考えると、その形状は球形、または球
形と不定型の混合物が好ましい。無機充填剤の配合量
は、エポキシ樹脂および硬化剤の総重量に対して 100〜
900重量%であることが必要であり、好ましくは 200〜
600重量%である。
無機充填剤を配合して用いることができる。使用される
無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、窒化硅素、炭
化硅素、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、
マイカ、クレー、チタンホワイト等の粉体、ガラス繊
維、カーボン繊維等の繊維体が例示される。これらの中
で、熱膨張率と熱伝導率の点から、結晶性シリカおよび
/または溶融性シリカが好ましい。更に、樹脂組成物の
成形時の流動性を考えると、その形状は球形、または球
形と不定型の混合物が好ましい。無機充填剤の配合量
は、エポキシ樹脂および硬化剤の総重量に対して 100〜
900重量%であることが必要であり、好ましくは 200〜
600重量%である。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
機械的強度、耐熱性の点から、各種の添加剤を配合する
こともできる。例えば、樹脂と無機充填剤との接着性向
上の目的で、カップリング剤を併用することが好まし
く、かかるカップリング剤としては、シラン系、チタネ
ート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等
のカップリング剤が使用できる。中でも、シラン系カッ
プリング剤が好ましく、特にエポキシ樹脂と反応する官
能基を有するシラン系カップリング剤が最も好ましい。
かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2
−( 3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を
挙げることができる。これらは単独で、あるいは併用し
て使用することができる。これらのシラン系カップリン
グ剤は、予め無機充填剤の表面に吸着あるいは反応によ
り固定化されているのが好ましい。
機械的強度、耐熱性の点から、各種の添加剤を配合する
こともできる。例えば、樹脂と無機充填剤との接着性向
上の目的で、カップリング剤を併用することが好まし
く、かかるカップリング剤としては、シラン系、チタネ
ート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等
のカップリング剤が使用できる。中でも、シラン系カッ
プリング剤が好ましく、特にエポキシ樹脂と反応する官
能基を有するシラン系カップリング剤が最も好ましい。
かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2
−( 3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を
挙げることができる。これらは単独で、あるいは併用し
て使用することができる。これらのシラン系カップリン
グ剤は、予め無機充填剤の表面に吸着あるいは反応によ
り固定化されているのが好ましい。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させる
にあたっては、硬化促進剤を使用することが望ましい。
かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、
2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール等のイミダゾール類、トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等
のアミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類、
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテ
トラフェニルボロン類、 1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7およびその誘導体がある。上記硬化促
進剤は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよ
い。これら硬化促進剤の配合は、エポキシ樹脂および硬
化剤の合計量 100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲
で用いられる。
にあたっては、硬化促進剤を使用することが望ましい。
かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、
2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール等のイミダゾール類、トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等
のアミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類、
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテ
トラフェニルボロン類、 1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7およびその誘導体がある。上記硬化促
進剤は、単独で用いても、2種類以上を併用してもよ
い。これら硬化促進剤の配合は、エポキシ樹脂および硬
化剤の合計量 100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲
で用いられる。
【0020】本発明の樹脂組成物には、上記各成分の
他、必要に応じて脂肪酸、脂肪酸塩、ワックスなどの離
型剤、ブロム化合物、アンチモン、りん等の離燃剤、カ
ーボンブラック等の着色剤、各種シリコーンオイル等を
配合し、混合、混練して成形材料とすることができる。
他、必要に応じて脂肪酸、脂肪酸塩、ワックスなどの離
型剤、ブロム化合物、アンチモン、りん等の離燃剤、カ
ーボンブラック等の着色剤、各種シリコーンオイル等を
配合し、混合、混練して成形材料とすることができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 合成例1 攪拌器、温度計、ディーン−スターク共沸蒸留トラップ
及び滴下ロートを装着した反応容器に、6,6'−ジヒドロ
キシ− 3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン1540g(5.0mol)とエピクロルヒドリン4625g(50mo
l) を装入し、攪拌しながら95℃に加熱して、透明な溶
液を得た。次いで、この温度において、40%水酸化ナト
リウム1100gを3時間で滴下し、更に90〜 100℃で2時
間攪拌した。生成物を冷却した後、メチルエチルケトン
2000mlを装入し、塩化物及び少過剰の水酸化ナトリウム
を含有しなくなるまで水で繰り返し洗浄した。有機層よ
り溶剤及びエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって蒸留
し、1890gの褐色の樹脂を得た。これは6,6'−ジヒドロ
キシ− 3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダンのジグリシジルエーテル化物であり、そのエポキシ
当量は 220g/eq、軟化点は50℃であった。
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 合成例1 攪拌器、温度計、ディーン−スターク共沸蒸留トラップ
及び滴下ロートを装着した反応容器に、6,6'−ジヒドロ
キシ− 3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン1540g(5.0mol)とエピクロルヒドリン4625g(50mo
l) を装入し、攪拌しながら95℃に加熱して、透明な溶
液を得た。次いで、この温度において、40%水酸化ナト
リウム1100gを3時間で滴下し、更に90〜 100℃で2時
間攪拌した。生成物を冷却した後、メチルエチルケトン
2000mlを装入し、塩化物及び少過剰の水酸化ナトリウム
を含有しなくなるまで水で繰り返し洗浄した。有機層よ
り溶剤及びエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって蒸留
し、1890gの褐色の樹脂を得た。これは6,6'−ジヒドロ
キシ− 3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダンのジグリシジルエーテル化物であり、そのエポキシ
当量は 220g/eq、軟化点は50℃であった。
【0022】合成例2 6,6'−ジヒドロキシ− 3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'
−スピロビインダン1540g(5.0mol)に対し、エピクロル
ヒドリン2310g(25mol) を用いてエポキシ樹脂750 gを
得た。エポキシ当量は 281g/eq 、軟化点は85℃であ
った。であった。
−スピロビインダン1540g(5.0mol)に対し、エピクロル
ヒドリン2310g(25mol) を用いてエポキシ樹脂750 gを
得た。エポキシ当量は 281g/eq 、軟化点は85℃であ
った。であった。
【0023】合成例3 攪拌器、温度計およびディーン−スターク共沸蒸留トラ
ップを装着した反応容器に、α,α’−ジメトキシ−p
−キシレン 250g(1.5mol)、フェノール 847g(9.0mo
l)、およびパラトルエンスルホン酸 1.1gを装入し、そ
の混合液を 130℃〜 150℃に保ちながら攪拌を続けた。
反応中、生成するメタノールは順次トラップより系外へ
除去した。3時間でメタノールの発生が悪くなり、縮合
が完了した。未反応のフェノールを減圧蒸留し、下記式
(化7)の構造を持つ 393gのフェノールアラルキル樹
脂組成物を得た。得られた樹脂の組成を、高速液体クロ
マトグラフィーで測定した結果、m=0が60.3、m=1
が24.3、m=2が 9.2、m=3が 3.8、m≧4のものが
2.4(Area%)であった。また、この樹脂の軟化点( J
IS, K −2548による)は45℃であった。ヒドロキシ当量
は 157g/eqであった。
ップを装着した反応容器に、α,α’−ジメトキシ−p
−キシレン 250g(1.5mol)、フェノール 847g(9.0mo
l)、およびパラトルエンスルホン酸 1.1gを装入し、そ
の混合液を 130℃〜 150℃に保ちながら攪拌を続けた。
反応中、生成するメタノールは順次トラップより系外へ
除去した。3時間でメタノールの発生が悪くなり、縮合
が完了した。未反応のフェノールを減圧蒸留し、下記式
(化7)の構造を持つ 393gのフェノールアラルキル樹
脂組成物を得た。得られた樹脂の組成を、高速液体クロ
マトグラフィーで測定した結果、m=0が60.3、m=1
が24.3、m=2が 9.2、m=3が 3.8、m≧4のものが
2.4(Area%)であった。また、この樹脂の軟化点( J
IS, K −2548による)は45℃であった。ヒドロキシ当量
は 157g/eqであった。
【0024】
【化7】
【0025】合成例4 攪拌器、温度計、およびディーン−スターク共沸蒸留ト
ラップを装着した反応容器に、α,α’−ジメトキシ−
p−キシレン 250g(1.5mol)、レゾルシン1650g(15mo
l)、およびパラトルエンスルホン酸 8.3gを装入し、そ
の混合液を 130℃〜 150℃に保ちながら攪拌を行った。
反応中、生成するメタノールは順次トラッブより系外へ
除去した。3時間でメタノールの発生が悪くなり縮合が
完了した。次いで、50〜60℃に冷却したイソブチルケト
ン3000gを挿入し溶解させた後、更に水を1000g挿入
し、50〜60℃で30分間攪拌し、その攪拌を止め、静止分
離させた。その際の上層は有機層、下層は水層であっ
た。次いで、その水層を排出除去した。次に、メチルイ
ソブチルケトンおよび未反応レゾルシンを減圧蒸留し、
かき式(化8)の構造を持つ 385gの2価フェノールア
ラルキル樹脂組成物を得た。得られた樹脂の組成を、高
速液体クロマトグラフィーで測定した結果、m=0が6
3.0、m=1が21.2、m=2が 9.1、m≧3のものが 6.
7(Area%)であった。また、この樹脂の軟化点( JIS,
K −2548による)は75℃であった。ヒドロキシ当量は8
1g/eqであった。
ラップを装着した反応容器に、α,α’−ジメトキシ−
p−キシレン 250g(1.5mol)、レゾルシン1650g(15mo
l)、およびパラトルエンスルホン酸 8.3gを装入し、そ
の混合液を 130℃〜 150℃に保ちながら攪拌を行った。
反応中、生成するメタノールは順次トラッブより系外へ
除去した。3時間でメタノールの発生が悪くなり縮合が
完了した。次いで、50〜60℃に冷却したイソブチルケト
ン3000gを挿入し溶解させた後、更に水を1000g挿入
し、50〜60℃で30分間攪拌し、その攪拌を止め、静止分
離させた。その際の上層は有機層、下層は水層であっ
た。次いで、その水層を排出除去した。次に、メチルイ
ソブチルケトンおよび未反応レゾルシンを減圧蒸留し、
かき式(化8)の構造を持つ 385gの2価フェノールア
ラルキル樹脂組成物を得た。得られた樹脂の組成を、高
速液体クロマトグラフィーで測定した結果、m=0が6
3.0、m=1が21.2、m=2が 9.1、m≧3のものが 6.
7(Area%)であった。また、この樹脂の軟化点( JIS,
K −2548による)は75℃であった。ヒドロキシ当量は8
1g/eqであった。
【0026】
【化8】
【0027】合成例5 攪拌器、温度計、ディーン−スターク共沸トラップ、お
よび冷却器を装着した反応装置に、α,α’−ジメトキ
シ−p−キシレン 249g(1.5mol)とα−ナフトール1080
g(7.5mol)、メタンスルホン酸0.67(0.05 %)を装入
し、攪拌を行いながら 150〜 160℃で4時間反応を行っ
た。生成するメタノールは順次トラッブし、系外へ除去
した。反応終了後、未反応ナフトールを減圧蒸留により
除去し、下記式(化9)の構造を持つ 470gのα−ナフ
トールアラルキル樹脂を得た。高速液体クロマトグラフ
ィーによる樹脂の組成は、m=0が61.5Area%、m=1
が18.2Area%、m=2が 8.7Area%、m≧3が11.6Area
%であった。この樹脂のヒドロキシ当量は 207.2g/eq
であった。また軟化点は72℃であった。
よび冷却器を装着した反応装置に、α,α’−ジメトキ
シ−p−キシレン 249g(1.5mol)とα−ナフトール1080
g(7.5mol)、メタンスルホン酸0.67(0.05 %)を装入
し、攪拌を行いながら 150〜 160℃で4時間反応を行っ
た。生成するメタノールは順次トラッブし、系外へ除去
した。反応終了後、未反応ナフトールを減圧蒸留により
除去し、下記式(化9)の構造を持つ 470gのα−ナフ
トールアラルキル樹脂を得た。高速液体クロマトグラフ
ィーによる樹脂の組成は、m=0が61.5Area%、m=1
が18.2Area%、m=2が 8.7Area%、m≧3が11.6Area
%であった。この樹脂のヒドロキシ当量は 207.2g/eq
であった。また軟化点は72℃であった。
【0028】
【化9】
【0029】合成例6 温度計、攪拌装置を付したガラス製反応器に、フェノー
ル1645g(17.5mol) と触媒のトリフルオロメタンスルホ
ン酸1gを装入し、攪拌しながら昇温して 120℃に保っ
た。ついで、これにジシクロペンタジエン 463g(3.5mo
l)を5時間かけて滴下した。滴下後、同温度で5時間熟
成を行なって反応を終了した。次に、この粘稠な反応溶
液を真空下で内温 160℃まで昇温し、未反応のフェノー
ル等を蒸留回収したのち、ただちに排出して放冷した。
得られた暗赤色に重合体塊はフェノールとジシクロペン
タジエンの共重合体であり、GPCで測定したところ、
下記式(化10)で表わされる重合体であった。
ル1645g(17.5mol) と触媒のトリフルオロメタンスルホ
ン酸1gを装入し、攪拌しながら昇温して 120℃に保っ
た。ついで、これにジシクロペンタジエン 463g(3.5mo
l)を5時間かけて滴下した。滴下後、同温度で5時間熟
成を行なって反応を終了した。次に、この粘稠な反応溶
液を真空下で内温 160℃まで昇温し、未反応のフェノー
ル等を蒸留回収したのち、ただちに排出して放冷した。
得られた暗赤色に重合体塊はフェノールとジシクロペン
タジエンの共重合体であり、GPCで測定したところ、
下記式(化10)で表わされる重合体であった。
【0030】
【化10】 その組成(Area%)は以下のとおりであった。
【0031】フェノール 0.3Area% n=0 47.2Area% n=1 27.0Area% n=2 14.6Area% n≧3 10.9Area% 収量は1003g、軟化点は JIS-K-2548 による環球法で測
定した結果 103℃であり、水酸基当量は 174.7g/epで
あった。
定した結果 103℃であり、水酸基当量は 174.7g/epで
あった。
【0032】合成例7 温度計、温度計を装着した反応装置に、β−ナフトール
360.5g(2.5mol)および触媒としてトリフルオロメタン
スルホン酸0.85gを装入し、内温を50℃に保った。つぎ
に、攪拌下でジシクロペンタジエン66.1g(0.5mol)を4
時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間熟成
を行ったのち、 120℃に昇温して5時間熟成を行ない、
更に 150℃まで昇温して3時間熟成を行なって反応を完
結した。反応終了後、未反応のβ−ナフトールを真空蒸
留により除去し、残渣の赤茶色樹脂を熟時に排出した。
収量は 190gで軟化点(JIS-K-2548) は93℃であった。
この樹脂の水酸基当量(g /eq)は 226であった。高速
液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成(Area%)
は、下記式(化11)におけるn=0が56.2%、n=1
が26.4%、n=2が17.4%であった。
360.5g(2.5mol)および触媒としてトリフルオロメタン
スルホン酸0.85gを装入し、内温を50℃に保った。つぎ
に、攪拌下でジシクロペンタジエン66.1g(0.5mol)を4
時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間熟成
を行ったのち、 120℃に昇温して5時間熟成を行ない、
更に 150℃まで昇温して3時間熟成を行なって反応を完
結した。反応終了後、未反応のβ−ナフトールを真空蒸
留により除去し、残渣の赤茶色樹脂を熟時に排出した。
収量は 190gで軟化点(JIS-K-2548) は93℃であった。
この樹脂の水酸基当量(g /eq)は 226であった。高速
液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成(Area%)
は、下記式(化11)におけるn=0が56.2%、n=1
が26.4%、n=2が17.4%であった。
【0033】
【化11】
【0034】実施例1〜7 合成例1および2において製造されたエポキシ樹脂に対
して、合成例3〜7で製造された樹脂およびフェノール
ノボラック樹脂(商品名:BRG#558 、昭和高分子製)を
表−1(表1)に示す割合で配合し、その混合物を注型
加工して得られる硬化物の物性を測定した。表−1に結
果を示した。物性測定用の試験片はトランスファー成形
( 180℃、30Kg/cm2 、3min )により成形した。 比較例1 エポキシ樹脂としてo−クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(EOCN−102S)を用い、硬化剤としてフェノール
ノボラック樹脂(BRG#558) を用いた。実施例と同様にし
て得られた硬化物の物性を測定した。表−1に結果を示
した。
して、合成例3〜7で製造された樹脂およびフェノール
ノボラック樹脂(商品名:BRG#558 、昭和高分子製)を
表−1(表1)に示す割合で配合し、その混合物を注型
加工して得られる硬化物の物性を測定した。表−1に結
果を示した。物性測定用の試験片はトランスファー成形
( 180℃、30Kg/cm2 、3min )により成形した。 比較例1 エポキシ樹脂としてo−クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(EOCN−102S)を用い、硬化剤としてフェノール
ノボラック樹脂(BRG#558) を用いた。実施例と同様にし
て得られた硬化物の物性を測定した。表−1に結果を示
した。
【0035】
【表1】
【0036】実施例8〜14、比較例2〜4 実施例1〜7および比較例1のエポキシ樹脂組成物に各
種フィラーを表−2(表2、表3)に示す配合で加え、
同様に注型加工して硬化物を得、このものの物性を測定
した。また、同様の配合の混合物を用いて、フラットパ
ッケージ型半導体装置用リードフレームの素子搭載部
に、試験用素子(10mm×10mm角)を搭載した後、トラン
スファー成形( 180℃、30Kg/cm2 、3min )により、
試験用半導体装置を得た。この試験用半導体装置を用い
てV.P.S テスト(クラック発生テスト)を行った。結果
を表−2に示した。なお、比較例2は流れ性が不良で成
形できないため、硬化物の物性およびV.P.Sテストは測
定できなかった。
種フィラーを表−2(表2、表3)に示す配合で加え、
同様に注型加工して硬化物を得、このものの物性を測定
した。また、同様の配合の混合物を用いて、フラットパ
ッケージ型半導体装置用リードフレームの素子搭載部
に、試験用素子(10mm×10mm角)を搭載した後、トラン
スファー成形( 180℃、30Kg/cm2 、3min )により、
試験用半導体装置を得た。この試験用半導体装置を用い
てV.P.S テスト(クラック発生テスト)を行った。結果
を表−2に示した。なお、比較例2は流れ性が不良で成
形できないため、硬化物の物性およびV.P.Sテストは測
定できなかった。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表−1、2の注 ・EOCN−102S:o−クレゾールノボラック型樹脂(日本
化薬製) ・BRG#558 :フェノールノボラック樹脂(昭和高分子
製) ・C11Z:2−ウンデシルイミダゾール(四国ファインケ
ミカル製) ・無機充填剤:球型溶融シリカ(ハリミックS-CO、
(株)マイクロン製)50重量部と不定型溶融シリカ(ヒ
ューズレックスRD-8(株)龍森製)50重量部との混合物 ・シランカップリング剤:(SZ−6083:東レダウコーニ
ングシリコーン(株)製)・ガラス転移温度:TMA 法
(島津 TMA−システムDT−30で測定) ・曲げ強度、弾性率: JIS K−6911 ・煮沸吸水率: 100℃の沸騰水中で2時間煮沸後の重量
増加を測定 ・V.P.S テスト: 試験用の半導体装置を65℃、95%の恒温恒湿槽に 168時
間放置した後、直ちに215 ℃のフロナート液(住友スリ
ーエム(株)製FC−70)に投入し、パッケージ樹脂にク
ラックが発生した半導体装置の数を数えた。試験値を分
数で示し、分子はクラックの発生した半導体装置の数、
分母は試験に供した半導体装置の数である。
化薬製) ・BRG#558 :フェノールノボラック樹脂(昭和高分子
製) ・C11Z:2−ウンデシルイミダゾール(四国ファインケ
ミカル製) ・無機充填剤:球型溶融シリカ(ハリミックS-CO、
(株)マイクロン製)50重量部と不定型溶融シリカ(ヒ
ューズレックスRD-8(株)龍森製)50重量部との混合物 ・シランカップリング剤:(SZ−6083:東レダウコーニ
ングシリコーン(株)製)・ガラス転移温度:TMA 法
(島津 TMA−システムDT−30で測定) ・曲げ強度、弾性率: JIS K−6911 ・煮沸吸水率: 100℃の沸騰水中で2時間煮沸後の重量
増加を測定 ・V.P.S テスト: 試験用の半導体装置を65℃、95%の恒温恒湿槽に 168時
間放置した後、直ちに215 ℃のフロナート液(住友スリ
ーエム(株)製FC−70)に投入し、パッケージ樹脂にク
ラックが発生した半導体装置の数を数えた。試験値を分
数で示し、分子はクラックの発生した半導体装置の数、
分母は試験に供した半導体装置の数である。
【0040】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明のエポキシ
樹脂組成物は耐熱性、耐湿性に優れ、なおかつ溶融流動
性に優れている。このため樹脂封止等の用途において、
未充填部分が生じることもなく、クラックの発生も極め
て少ない。また、無機充填剤を増加できることから、低
応力化が達成できる。
樹脂組成物は耐熱性、耐湿性に優れ、なおかつ溶融流動
性に優れている。このため樹脂封止等の用途において、
未充填部分が生じることもなく、クラックの発生も極め
て少ない。また、無機充填剤を増加できることから、低
応力化が達成できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31
Claims (5)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂および硬化剤を含有してな
るエポキシ樹脂組成物において、(A)エポキシ樹脂と
して式(1)(化1)で表される6,6'−ジヒドロキシ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンに 【化1】 エピクロルヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹
脂、(B)硬化剤としてフェノール性硬化剤を用いるこ
とを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 無機充填剤を含有することを特徴とする
請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 フェノール性硬化剤がノボラック型フェ
ノール樹脂であることを特徴とする請求項1または2記
載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 フェノール性硬化剤が一般式(2)(化
2)で表わされるフェノール性アラルキル樹脂 【化2】 (式中、Aはフェノール、o−クレゾール、m−クレゾ
ール、p−クレゾール、o−フェニルフェノール、p−
フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトー
ル、レゾルシン、ハイドロキノンまたはカテコールを示
し、mは0〜50の整数を示す)であることを特徴とす
る請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 フェノール性硬化剤が一般式(3)(化
3)で表わされるフェノール性ジシクロペンタジエン樹
脂 【化3】 (式中、Aはフェノール、o−クレゾール、m−クレゾ
ール、p−クレゾール、o−フェニルフェノール、p−
フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトー
ル、レゾルシン、ハイドロキノンまたはカテコールを示
し、nは0〜50の整数を示す)であることを特徴とす
る請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16593792A JPH069753A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16593792A JPH069753A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | エポキシ樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH069753A true JPH069753A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=15821854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16593792A Pending JPH069753A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH069753A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0737701A2 (en) * | 1995-04-13 | 1996-10-16 | MITSUI TOATSU CHEMICALS, Inc. | Epoxy acrylate resins and their uses |
US6169158B1 (en) | 1997-07-16 | 2001-01-02 | Vantico, Inc. | Polyglycidyl compounds |
JP2007527926A (ja) * | 2003-12-29 | 2007-10-04 | カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ | 包装工業のための安価で、既存のものに代わる酸素バリア材料 |
-
1992
- 1992-06-24 JP JP16593792A patent/JPH069753A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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