JP3464821B2 - エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物Info
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Description
く、かつ耐熱性に優れ、低応力性及び低吸湿性の硬化物
を与えるエポキシ樹脂硬化剤、並びに同硬化剤を用いた
エポキシ樹脂組成物に関する。
取扱いの容易さから、接着、注型、封止、積層、成形、
塗装等の広い分野で使用されている。また、エポキシ樹
脂には、多くの種類の硬化剤が使用でき、その硬化剤の
選択により硬化物性が大きく変わるため、使用分野や使
用目的に応じて硬化剤が使いわけられている。
にしたがって、高分子材料に対して要求される諸特性も
次第に厳しくなり、一般に用いられている各種のエポキ
シ樹脂硬化剤は、要求特性を充分に満足できなくなって
きた。
硬化剤とするエポキシ樹脂組成物は、半導体封止用に用
いられているが、この分野でも要求性能は次第に厳しく
なっている。すなわち、半導体装置の高集積化がすす
み、半導体素子の大型化が著しいとともに、パッケージ
そのものが、小型化、薄型化している。また、半導体装
置の実装も表面実装へと移行しており、表面実装におい
ては半導体装置がハンダ浴に直接浸漬され、高温にさら
されるために、吸湿された水分の急速な膨張により、パ
ッケージ全体に応力がかかり、封止材にクラックが入
る。そのために、耐ハンダクラック性の良好な封止材用
のエポキシ樹脂及びその硬化剤には、高い耐熱性(すな
わち高いガラス転移温度)と、低吸湿性及び低応力性
(すなわち低弾性率)が要求される。
を高充填することにより、低吸湿性及び低応力性(特に
低熱膨張性)のものに改良することも広く行なわれてい
るが、無機充填剤を高充填すると成形時の流動性が損な
われるため、かかる場合に用いられるエポキシ樹脂及び
その硬化剤には、低い溶融粘度が要求される。
ゾールノボラック型エポキシ樹脂と、フェノールノボラ
ック樹脂硬化剤では、硬化前のエポキシ樹脂組成物の溶
融粘度、並びにその硬化物の耐熱性、低吸湿性及び低応
力性(すなわち低弾性率)の諸特性とを充分に満足させ
ることができなくなってきた。
硬化剤としてテルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタ
ジエンフェノール樹脂又はアラルキルフェノール樹脂の
ようなフェノール核間に極性の少ない炭化水素基を導入
したフェノール樹脂を用いることにより、低吸湿性及び
低応力性の特性を付与することが行なわれるようになっ
たが、これらのフェノール樹脂は、自体の溶融粘度が高
いので、無機充填剤を高充填することができない。溶融
粘度を下げるために、それらの樹脂の分子量を下げる
と、硬化物の架橋密度が下がるため耐熱性が低下してし
まう。
ク型フェノール樹脂との混合によって特性のバランスを
改良する試みもあるが、耐熱性、低吸湿性、低応力性及
び低溶融粘度のすべてを充分に満足させることができな
い。
の改良のため、溶融粘度の低いエポキシ樹脂硬化剤が求
められるようになってきている。
粘度が低く、かつ耐熱性、低応力性及び耐湿性に優れた
硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤を提供すること、及
び硬化前の溶融粘度が低く、かつ硬化後に耐熱性、低応
力性及び耐湿性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組
成物を提供することを目的とするものである。
化剤は、(a)下記の一般式(I)で表わされるフェノ
ール樹脂であって、かつp=0の二官能成分を60重量
%以上含有するフェノール樹脂30〜90重量部、
(b)下記の一般式(II)で表わされるフェノール樹脂
であって、かつq=1 の三官能成分を40重量%以上含
有するフェノール樹脂10〜70重量部、並びに(c)
前記の(a)に記載のフェノール樹脂及び(b)に記載
のフェノール樹脂以外の多価フェノール化合物0〜30
重量部を含有してなることを特徴とする硬化剤である。
基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無
置換のアラルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子で
あり、各Qは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。Zは炭素数5〜15の2価の炭化水素基である。m
は0〜4の整数であり、各mは互いに同一であっても異
なっていてもよい。pは平均値で1.0以下の数であ
る。)
基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無
置換のアラルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子で
あり、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。nは0〜4の整数であり、各nは互いに同一であっ
ても異なっていてもよい。qは平均値で0.5〜2.0
の数である。)
ポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を少なくとも含有す
るエポキシ樹脂組成物において、該エポキシ樹脂硬化剤
として、(a)下記の一般式(I)で表わされるフェノ
ール樹脂であって、かつp=0の二官能成分を60重量
%以上含有するフェノール樹脂30〜90重量部、
(b)下記の一般式(II)で表わされるフェノール樹脂
であって、かつq=1 の三官能成分を40重量%以上含
有するフェノール樹脂10〜70重量部、並びに(c)
前記の(a)に記載のフェノール樹脂及び(b)に記載
のフェノール樹脂以外の多価フェノール化合物0〜30
重量部を含有してなるエポキシ樹脂硬化剤を用いたこと
を特徴とする組成物である。
基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無
置換のアラルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子で
あり、各Qは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。Zは炭素数5〜15の2価の炭化水素基である。m
は0〜4の整数であり、各mは互いに同一であっても異
なっていてもよい。pは平均値で1.0以下の数であ
る。)
基、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無
置換のアラルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子で
あり、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。nは0〜4の整数であり、各nは互いに同一であっ
ても異なっていてもよい。qは平均値で0.5〜2.0
の数である。)
うに、(a)一般式(I)で表わされるフェノール樹脂
であって、かつp=0の二官能成分を60重量%以上含
有するフェノール樹脂{以下において、「(a)成分」
と略記することがある}30〜90重量部と、(b)一
般式(II)で表わされるフェノール樹脂であって、か
つq=1の三官能成分を40重量%以上含有するフェノ
ール樹脂{以下において、「(b)成分」と略記するこ
とがある}10〜70重量部と、(c)前記の(a)成
分及び(b)成分以外の多価フェノール化合物{以下に
おいて、「(c)成分」と略記することがある}0〜3
0重量部を含有してなることを特徴とする硬化剤であ
る。
しが極性の少ない炭素数5〜15の2価の炭化水素基
(Z)で結合された、かつpの値が1.0以下、好まし
くは0.8以下であって、二官能成分の含有量が60重
量%以上である、平均分子量の比較的に小さいフェノー
ル樹脂である。したがって、(a)成分は、比較的に低
分子量であるために、自体の溶融粘度が低い。また、硬
化剤として用いた場合に、極性の少ない分子量の大きい
炭化水素基(Z)を有するため耐湿性及び低応力性に優
れた硬化物を与えることができる。しかし、二官能成分
の含有量が比較的に多く、三官能以上の成分の含有量が
比較的に少ないので、これのみを硬化剤として用いたエ
ポキシ樹脂硬化物は架橋密度が低く、耐熱性等の不充分
なものとなる。
が −CH2 −基で結合され、かつqの値が0.5〜
2.0、好ましくは0.7〜1.8であって、三官能成
分の含有量が40重量%以上、好ましくは50重量%以
上である、平均分子量が比較的に小さいフェノール樹脂
である。したがって、(b)成分は、比較的に低分子量
であるために、自体の溶融粘度が低い。また、硬化剤と
して用いた場合に、三官能成分の含有量が比較的に多
く、二官能成分の含有量が比較的に少ないので、耐熱性
に優れた硬化物を与えることができる。しかし、(a)
成分の場合のような極性の少ない分子量のの大きい炭化
水素基(Z)を有していないため、これのみを硬化剤と
して用いたエポキシ樹脂硬化物は耐湿性及び低応力性の
不充分なものとなる。
は、(a)成分と(b)成分とを併用した硬化剤である
ので、自体の溶融粘度が低いばかりでなく、(a)成分
と(b)成分との欠点が相補なわれ、耐熱性、耐湿性及
び低応力性に優れた硬化物を与えることができるように
なるのである。
(a)成分と(b)成分との併用割合は、前者の30〜
90重量部に対して、後者が10〜70重量部であり、
さらにこの両者に(c)成分として、(a)成分及び
(b)成分以外の多価フェノール化合物を併用すること
ができるのである。そして、(c)成分の併用量は0〜
30重量部の範囲内である。(a)成分の割合が少なす
ぎると、硬化物の耐湿性及び低応力性が不充分になる
し、多すぎると硬化物の耐熱性が不充分となる。また、
その逆に、(b)成分の割合が少なすぎると硬化物の耐
熱性が不充分になるし、多すぎると硬化物の耐湿性及び
低応力性が不充分になる。さらに(c)成分の割合が3
0重量%を超えると、(a)成分に(b)成分を併用す
ることによる本発明の硬化剤の効果を充分に発揮できな
くなる。
(a)成分は、種々の方法により製造することができ、
その製法には格別の制限がない。しかし一般的には、
各種のフェノール化合物とカルボニル化合物とを付加縮
合反応させる方法、各種のフェノール化合物とジ不飽
和化合物とを付加反応させる方法、各種のフェノール
化合物とα,α’−ジヒドロキシアルキルベンゼン類又
はα,α’−ジアルコキシアルキルベンゼン類とを縮合
反応させる方法があげられる。
ル化合物としては、たとえばフェノール、クレゾール、
キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノー
ル、ブチルフェノール、ブチルクレゾール、フェニルフ
ェノール、ベンジルフェノール、メトキシフェノール、
ブロモフェノールなどがあげられる。
合物としては、炭素数5〜15の各種のアルデヒド類又
はケトン類があげられ、その具体例としては、たとえば
ベンズアルデヒド、シクロヘキサノン、アセトフェノン
などがあげられる。
物としては、たとえばジビニルベンゼン、ジイソプロペ
ニルベンゼン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、
テルペン類などがあげられる。
ヒドロキシアルキルベンゼン類又はα,α’−ジアルコ
キシアルキルベンゼン類としては、たとえばα,α’−
ジヒドロキシキシレン、α,α’−ジヒドロキシジイソ
プロピルベンゼン、α,α’−ジメトキシシキシレン、
α,α’−ジメトキシジイソプロピルベンゼンなどがあ
げられる。
下で20〜200℃の温度で1〜20時間反応させる方
法が用いられるが、その反応自体は公知反応であるので
詳しい説明を省略する。ただ、この反応においては、生
成せしめる(a)成分中のp=0の二官能成分量を60
重量%以上とし、かつpの平均値を1.0以下にし、ひ
いては(a)成分の平均分子量を充分に低くするために
は、カルボニル化合物、ジ不飽和化合物、α,α’−ジ
ヒドロキシアルキルベンゼン類又はα,α’−ジアルコ
キシアルキルベンゼン類に対するフェノール化合物の使
用割合を充分に大きくする必要がある。すなわち、それ
らに対するフェノール化合物の使用割合は、2〜10モ
ル倍量、好ましくは4〜10モル倍量とする。
樹脂を再結晶、抽出又は蒸留などの方法で処理して分子
量を調節してから、(a)成分として使用することもで
きる。
性などの点からしてジシクロペンタジエンフェノール樹
脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹
脂又はフェノールシクロヘキサノン樹脂の、いずれも低
分子量物が好ましい。
する(b)成分も、種々の方法により製造することが可
能であり、その製法には格別の制限がない。しかし一般
的には、各種のフェノール化合物と、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド又はトリオキサンなどとの付
加縮合反応で製造されたノボラック型フェノール樹脂
を、抽出や蒸留等の方法で処理して二官能性成分及び/
又は四官能以上の成分を除去することにより、三官能性
成分の含有量を高めたノボラック型フェノール樹脂を製
造する方法が好ましい。
ては、ジヒドロキシジメチルフェノール、ジヒドロキシ
ジメチルクレゾール、ジメトキシメチルフェノール、ジ
メトキシメチルクレゾールなどのα,α’−ジヒドロキ
シジアルキルフェノール類やα,α’−ジアルコキシジ
アルキルフェノール類と各種のフェノール化合物とを縮
合反応させる方法もある。
性などの点からフェノールノボラック樹脂又はクレゾー
ルノボラック樹脂から製造したものが好ましい。
特性の微調整等の目的で、前述のとおり、(a)成分及
び(b)成分のほかに、(c)成分として(a)成分及
び(b)成分以外の多価フェノール化合物を含有せしめ
ることができる。(c)成分の割合は、(a)成分30
〜90重量部及び(b)成分10〜70重量部に対して
0〜30重量部の範囲である。
ノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェ
ノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノ
ール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペンフェノ
ール樹脂などの種々のフェノール樹脂類;種々のフェノ
ール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアル
デヒド、グリオキザールなどの種々のアルデヒド類との
縮合反応で得られる多価フェノール樹脂などがあげられ
る。
述のとおり、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を少
なくとも含有するエポキシ樹脂組成物において、該エポ
キシ樹脂硬化剤として、前述の本発明のエポキシ樹脂硬
化剤を用いたことを特徴とするものである。
えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾ
ルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジ
ヒドロキシナフタレン、フェノールノボラック樹脂、ク
レゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック
樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、テルペン
フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトー
ルノボラック樹脂などの種々のフェノール類や、さらに
種々のフェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、
クロトンアルデヒド、グリオキザールなどの種々のアル
デヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等
の各種のフェノール系化合物と、エピハロヒドリンとか
ら製造されるエポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタ
ン、アミノフェノール、キシレンジアミンなどの種々の
アミン化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエ
ポキシ樹脂;メチルヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸
などの種々のカルボン酸と、エピハロヒドリンとから製
造されるエポキシ樹脂などが挙げられる。
発明のエポキシ樹脂硬化剤以外のエポキシ樹脂硬化剤を
併用することができる。
ては、たとえば、フェノールノボラック樹脂、クレゾー
ルノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、
ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、フェノールアラ
ルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ナフトールノボ
ラック樹脂などの種々のフェノール樹脂類や、さらに種
々のフェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、ク
ロトンアルデヒド、グリオキザールなどの種々のアルデ
ヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の
各種のフェノール樹脂類;メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット
酸、メチルナジック酸等の酸無水物類;ジエチレントリ
アミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタ
ン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド等
のアミン類などがあげられる。
用割合は、本発明のエポキシ樹脂硬化剤100重量部に
対して100重量部以下が好ましい。他のエポキシ樹脂
硬化剤の使用割合が多すぎると、本発明の効果が充分に
発揮されなくなる。
は、全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1モルに対し
て、全硬化剤中のエポキシと反応する基が0.5〜2.
0モルになる量が好ましく、より好ましくは、0.7〜
1.2モルである。
般のエポキシ樹脂組成物と同様に、各種添加剤を配合す
ることができる。それら各種添加剤としては、たとえ
ば、硬化促進剤、充填材、カップリング剤、難燃剤、可
塑剤、溶剤、反応性希釈剤、顔料等が挙げられ、必要に
応じて適宜に配合することができる。
メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ールなどのイミダゾール類、2,4,6−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミ
ン、DBU、DCMUなどのアミン類、トリブチルホス
フィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシ
フェニル)ホスフィンなどの有機リン化合物などがあげ
られる。
カ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウ
ムなどがあげられる。また、その難燃剤としては、たと
えば、三酸化アンチモン、リン酸などがあげられ、さら
に使用するエポキシ樹脂の一部を臭素化エポキシ樹脂と
して用いることによっても難燃化することができる。
度であり、かつ耐熱性、低応力性及び耐湿性に優れた硬
化物を与えるので、接着、注型、封止、成形、積層、塗
装等の用途に有利に用いることができる。
比較例をあげて、さらに詳述する。
の三つ口フラスコに、フェノール又はオルソクレゾール
と、ジシクロペンタジエン、リモネン又はシクロヘキサ
ノン及び触媒としてケイタングステン酸又はパラトルエ
ンスルホン酸を表1に示した量仕込み、120℃で8時
間保持してそれぞれ反応を行なわせた。
ブチルケトン1000gを加え完全に溶解させたのち、
水洗して触媒等を除いた。さらに未反応のフェノール又
はオルソクレゾール、及びメチルイソブチルケトンを減
圧除去して、目的の一般式(I)で表わされる各フェノ
ール樹脂を得た。
におけるp=0の成分の成分である二官能成分の含有
量、pの平均値、水酸基当量、及び軟化点の試験結果を
表1に示した。
の三つ口フラスコに、フェノール、2,6−ジヒドロキ
シメチルフェノール及び触媒としてパラトルエンスルホ
ン酸を表1に示した量仕込み、100℃で5時間保持し
て反応を行なわせた。
ブチルケトン1000gを加え完全に溶解させたのち、
水洗して触媒等を除いた。さらに、未反応のフェノール
又はオルソクレゾール、及びメチルイソブチルケトンを
減圧除去して、目的の一般式(II)で表わされるフェ
ノール樹脂を得た。
I)におけるq=0の成分である三官能成分の含有量、
qの平均値、水酸基当量、及び軟化点の試験結果を表1
に示した。
般式(I)で表わされるフェノール樹脂、製造例b1で
得られた一般式(II)で表わされるフェノール樹脂、
及び市販のフェノールノボラック樹脂をそれぞれ用い、
これらの樹脂を表2に示したように組合わせて溶融混合
して、各エポキシ樹脂硬化剤を製造した。
度、水酸基当量、及び軟化点を試験した結果は表2に示
すとおりであった。
量%、水酸基当量103g/eq.、軟化点85℃
オルソクレゾール型エポキシ樹脂(A)又はテトラメチ
ルビフェノールから誘導されたエポキシ樹脂(B)を用
い、エポキシ樹脂硬化剤として実施例1〜3で製造した
各エポキシ硬化剤、フェノールノボラック樹脂、又は前
記の製造例a1 若しくは製造例b1 で製造したフェ
ノール樹脂をそれぞれ用い、これらにさらに難燃剤の臭
素化エポキシ樹脂として臭素化フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、無機充填剤としてシリカ粉末、硬化促進
剤としてトリフェニルホスフィン、難燃助剤として三酸
化アンチモン、離型剤としてカルナバワックス、及びカ
ップリング剤(無機充填剤の表面処理剤)としてエポキ
シシランをそれぞれ用いて配合し、各エポキシ樹脂配合
物とした。
用いて70〜130℃の温度で5分間溶融混合した。得
られた各溶融混合物をシート状で取り出し、粉砕して各
成形材料を得た。
ァー成形機で金型温度180℃、成形時間180秒で各
試験片に成形し、180℃で8時間ポストキュアーさせ
た。また、各成形材料の硬化前のものについて流れ性を
スパイラルフローで測定した。
値、硬化試験片のガラス転移温度、吸湿率、及び曲げ弾
性率を試験した結果は表3に示すとおりであった。実施
例1〜3の硬化剤を用いた実施例4〜6の各成形材料
(エポキシ樹脂組成物)は、比較例1〜3の成形材料に
較べて流れ性(即ち高スパイラルフロー)、耐熱性(即
ち高ガラス転移温度)、耐湿性(即ち低吸湿率)及び低
応力性(即ち低弾性率)の諸特性がバランスよく優れて
いた。
樹脂(油化シエルエポキシ株式会社商品名 エピコート
180H65、エポキシ当量201) *2(B)・・・ テトラメチルビフェノールから誘導され
たエポキシ樹脂(油化シエルエポキシ株式会社商品名
エピコートYX4000H、エポキシ当量193) *3(C)・・・ フェノールノボラック樹脂(群栄化学株
式会社製、三官能成分含有量15重量%、水酸基当量1
03、軟化点85℃、溶融粘度150℃で2.6PS) *4・・・ 臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬株式会社商品名 Bren S 、エポキシ当量2
85、臭素含有量36重量%) *5・・・ シリカ粉末(龍森社商品名 RD−8) *6・・・ トリフェニルホスフィン *7・・・ 三酸化アンチモン *8・・・ カルナバワックス *9・・・ エポキシシラン(信越化学工業株式会社商品名
KBM−403) *10・・・ TMAを用いて熱膨張曲線の転移点より求めた *11・・・ 85℃、85%RH、168時間後の吸湿率 *12・・・ JIS K−6911にしたがって試験
シ樹脂組成物は、溶融粘度が低く、かつ耐熱性、低応力
性及び耐湿性に優れた硬化物を与えるので、接着、注
型、封止、成形、積層及び塗装等の用途に有利に用いる
ことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】(a)下記の一般式(I)で表わされるフ
ェノール樹脂であって、かつp=0の二官能成分を60
重量%以上含有するフェノール樹脂30〜90重量部、
(b)下記の一般式(II)で表わされるフェノール樹脂
であって、かつq=1 の三官能成分を40重量%以上含
有するフェノール樹脂10〜70重量部、並びに(c)
前記の(a)に記載のフェノール樹脂及び(b)に記載
のフェノール樹脂以外の多価フェノール化合物0〜30
重量部を含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂硬
化剤。 一般式(I): 【化1】 (式中、Qは炭素数1〜10のアルキル基、置換若しく
は無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のアラルキ
ル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、各Qは互
いに同一であっても異なっていてもよい。Zは炭素数5
〜15の2価の炭化水素基である。mは0〜4の整数で
あり、各mは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。pは平均値で1.0以下の数である。) 一般式(II): 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、置換若しく
は無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のアラルキ
ル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、各Rは互
いに同一であっても異なっていてもよい。nは0〜4の
整数であり、各nは互いに同一であっても異なっていて
もよい。qは平均値で0.5〜2.0の数である。) - 【請求項2】 エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を
少なくとも含有するエポキシ樹脂組成物において、該エ
ポキシ樹脂硬化剤として、(a)下記の一般式(I)で
表わされるフェノール樹脂であって、かつp=0の二官
能成分を60重量%以上含有するフェノール樹脂30〜
90重量部、(b)下記の一般式(II)で表わされるフ
ェノール樹脂であって、かつq=1 の三官能成分を40
重量%以上含有するフェノール樹脂10〜70重量部、
並びに(c)前記の(a)に記載のフェノール樹脂及び
(b)に記載のフェノール樹脂以外の多価フェノール化
合物0〜30重量部を含有してなるエポキシ樹脂硬化剤
を用いたことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 一般式(I): 【化3】 (式中、Qは炭素数1〜10のアルキル基、置換若しく
は無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のアラルキ
ル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、各Qは互
いに同一であっても異なっていてもよい。Zは炭素数5
〜15の2価の炭化水素基である。mは0〜4の整数で
あり、各mは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。pは平均値で1.0以下の数である。) 一般式(II): 【化4】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、置換若しく
は無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のアラルキ
ル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、各Rは互
いに同一であっても異なっていてもよい。nは0〜4の
整数であり、各nは互いに同一であっても異なっていて
もよい。qは平均値で0.5〜2.0の数である。)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12333594A JP3464821B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12333594A JP3464821B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07304855A JPH07304855A (ja) | 1995-11-21 |
JP3464821B2 true JP3464821B2 (ja) | 2003-11-10 |
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ID=14858019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12333594A Expired - Lifetime JP3464821B2 (ja) | 1994-05-13 | 1994-05-13 | エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3464821B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-13 JP JP12333594A patent/JP3464821B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH07304855A (ja) | 1995-11-21 |
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