JP3555803B2 - フェノール樹脂の製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェノール樹脂の製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物に関する。詳しくは、本発明は特定のテルペンフェノール樹脂及び必要に応じて他のフェノール化合物とアルデヒド類とを酸性触媒により縮合させるフェノール樹脂の製造方法、得られたフェノール樹脂からなるエポキシ樹脂硬化剤、及び該硬化剤を配合してなるエポキシ樹脂組成物に関する。
本発明により得られたフェノール樹脂は、エポキシ樹脂硬化剤として耐熱性及び低応力性に優れた硬化物を与えるので、特に半導体封止用に有用である。
【0002】
【従来の技術】
フェノール樹脂は、接着、封止、積層、成型、塗装等の広い分野で使用されており、エポキシ樹脂硬化剤としても広く使用されている。
また、エポキシ樹脂は、その優れた硬化物性や取扱いの容易さから、接着、注型、封止、積層、成型、塗装等の広い分野で使用されている。エポキシ樹脂には、多くの種類の硬化剤が使用でき、その硬化剤の選択により硬化物性が大きく変わるため、使用分野目的に応じて使い分けられている。
【0003】
近年、高分子材料の使用条件が苛酷になるに従って、高分子材料に対して要求される諸特性は厳しくなり、一般に用いられている各種の硬化剤では、要求特性を充分に満足できなくなって来た。
例えば、ノボラック型フェノール樹脂を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物は、半導体封止用に用いられているが、この分野でも、要求性能は、厳しくなっている。即ち、半導体装置の高集積化が進み、半導体素子の著しい大型化と共に、パッケージそのものが小型化、薄型化している。また、半導体装置の実装も表面実装へと移行しており、表面実装においては半導体装置がハンダ浴に直接浸漬され、高温に晒されるため、吸湿された水分の急速な膨張により、パッケージ全体に大きな応力が掛かり、封止材にクラックが入る。そのために、耐ハンダクラック性の良好な封止材用のエポキシ樹脂と硬化剤には、高い耐熱性(即ち高いガラス転移温度)と低吸湿性が要求される。
【0004】
現在この分野に主として用いられているフェノールノボラック樹脂硬化剤では、耐熱性及び低吸湿性とも充分なものとは言えなくなった。
これらの問題を解決するために、特開平4−26642号公報には、環状テルペン化合物一分子にフェノール類を約二分子の割合で付加させてなる環状テルペン骨格含有多価フェノール系化合物、又はその化合物とアルデヒド類及び/又はケトン類との縮合反応で得られた高分子量化環状テルペン骨格含有多価フェノール系化合物を硬化剤として用いることにより、低吸湿性を改良することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報で得られたフェノール系化合物については、フェノール性水酸基当量が160ないし180未満g/eq.であるため、低吸湿性が充分ではなかった。
また、耐熱性に優れた硬化物を得るために三官能性又は四官能性のフェノール樹脂を硬化剤として用いることも試みられているが、得られた硬化物は、耐熱性には優れるが、低吸湿性に劣るという欠点があった。
本発明の課題は、エポキシ樹脂硬化剤として有用なフェノール樹脂の製造方法を提供すること、及び耐熱性と低応力性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤を提供すること、並びに、そのエポキシ樹脂硬化剤を使用した耐熱性及び低吸湿性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記の課題を解決するために種々研究を重ねた結果、フェノール性水酸基当量及び分子量を特定したテルペンフェノール樹脂及び必要に応じてその他のフェノール化合物とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合反応させることにより、特定のフェノール樹脂を得、そのフェノール樹脂を硬化剤として使用することにより耐熱性及び低吸湿性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、
1.(a)環状テルペン化合物とフェノールとの反応で得られた、フェノール性水酸基当量190〜300g/eq.、且つ数平均分子量250〜600を有するテルペンフェノール樹脂成分及び(b)フェノール性水酸基当量90〜200g/eq.を有する他のフェノール化合物成分を、(a)成分と(b)成分との合計100重量部に対して(a)成分50〜100重量部及び(b)成分0〜50重量部含有する原料フェノール成分とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合反応させることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法、
2.1項に記載の製造方法により製造されたフェノール性水酸基当量150〜300g/eq.を有するフェノール樹脂からなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化剤、
3.2項に記載のエポキシ樹脂硬化剤を必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物、である。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【発明の実施の形態】
(1) フェノール樹脂の製造方法
本発明のフェノール樹脂は、(a)環状テルペン化合物とフェノールとの反応で得られた、フェノール性水酸基当量190〜300g/eq.、且つ数平均分子量250〜600を有するテルペンフェノール樹脂成分及び(b)フェノール性水酸基当量90〜200g/eq.を有する他のフェノール化合物成分を、(a)成分と(b)成分との合計100重量部に対して(a)成分50〜100重量部及び(b)成分0〜50重量部含有する原料フェノール成分とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合反応させることにより製造される。
【0009】
原料フェノール成分の一つである(a)成分のテルペンフェノール樹脂は、酸性触媒の存在下でテルペン化合物をフェノール化合物に付加させて製造される。原料テルペン化合物としては、テルペン炭化水素、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド等が挙げられるが、この中でもリモネン、ジペンテン、テルピノーレン、ピネン、テルピネン、メンタジエン等の環状テルペンが好ましい。また、原料フェノール化合物としては、フェノールが用いられる。
【0010】
テルペン化合物とフェノール化合物との付加反応は、テルペン化合物1モルに対し、フェノール化合物を1〜10モル、好ましくは1.5〜6モル使用し、酸性触媒の存在下で40〜160℃の温度で1〜10時間行う。その酸性触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、ポリ燐酸、三弗化硼素若しくはその錯体、活性白土等が挙げられる。その触媒は、通常テルペン化合物とフェノール化合物の合計量に対して、1.5〜6重量%使用する。
【0011】
反応溶媒は使用しなくてもよいが、通常は芳香族炭化水素、アルコール類、エーテル類等の溶媒が用いられる。得られたテルペンフェノール樹脂中、フェノール性水酸基当量190〜300g/eq.且つ数平均分子量250〜600のものが好ましく、この中、上記環状テルペン化合物とフェノールとの反応で得られたフェノール性水酸基当量190〜250g/eq.、且つ数平均分子量250〜500の樹脂が特に好ましい。
【0012】
なお、本発明においては、フェノール性水酸基当量は、JIS K0070に示されるアセチル化法により、また、数平均分子量は、標準ポリスチレン検量線によるGPC法により測定した。
目的の性状(フェノール性水酸基当量及び数平均分子量)のテルペンフェノール樹脂を得るためには、フェノール化合物とテルペン化合物の使用比率や反応条件等を調整することが必要である。また、製造後の樹脂を混合、蒸留、抽出、再結晶等の方法で処理して、目的の性状にしてもよい。更に、ヤスハラケミカル社から市販されているYP90J又はYP90L等がこの目的に使用できる。
【0013】
次に、本発明のフェノール樹脂を製造するために、フェノール化合物(前記(a)成分及び必要に応じて(b)成分)とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合反応させる。
この際、用いられる(b)成分のその他のフェノール化合物は、性状や硬化特性の調整等のために、必要に応じて用いられ、(a)成分とは異なる構造を持ち、フェノール性水酸基当量が90〜200g/eq.であれば、特に指定はなく、その目的に応じて選択されるが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ブチルクレゾール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂等が挙げられる。この中でも、フェノール、ビスフェノールA又はフェノールノボラック樹脂が好ましい。
【0014】
(a)成分と(b)成分の使用割合は、使用目的等により調整されるが、通常、(a)成分と(b)成分の合計100重量部に対し、(a)成分50〜100重量部、(b)成分0〜50重量部であり、好ましくは、(a)成分60〜90重量部、(b)成分10〜40重量部である。なお、(a)成分と(b)成分とは、混合物として仕込むのが好ましいが、成分の一部を反応中に仕込んでも差支えない。
【0015】
また、これら(a)成分及び(b)成分と反応させるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。この中、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒドが好ましい。
【0016】
(a)成分及び(b)成分とアルデヒド類との縮合反応においては、通常のノボラック化反応の方法が用いられる。
この縮合反応におけるフェノール化合物とアルデヒド類との反応割合は、フェノール化合物1モルに対してアルデヒド類が0.1〜1.0モル、好ましくは0.2〜0.7モルであり、酸性触媒の存在下に通常40〜200℃、好ましくは60〜120℃の温度で、通常1〜20時間、好ましくは2〜10時間反応させる。アルデヒド類の反応割合が多くなり過ぎると高分子量化が著しくなり、耐熱性は向上するが高粘度のため成形時の取扱い性が悪くなる。また、その反応割合が少な過ぎると、耐熱性の改良効果が小さくなる。
【0017】
その縮合反応用酸性触媒としては、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸類、蓚酸、p−トルエンスルホン酸、スルファミン酸等の有機酸類、その他酸性を示す有機酸塩等、通常のノボラック樹脂製造用の酸性触媒が使用できる。酸性触媒の使用量は、フェノール化合物に対して通常0.1〜5モル%、好ましくは0.2〜3モル%である。これより低濃度であると反応速度が低下し、又、高濃度であると副生物が増加する。
なお、縮合反応においては、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類等の不活性溶媒を用いることができる。
【0018】
(2) エポキシ樹脂硬化剤
本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、本発明の製造方法により製造されたフェノール樹脂からなるものである。この目的に使用するためには、その製造に当たって、最終的に得られるフェノール樹脂のフェノール性水酸基当量が150〜300g/eq.となるように各原料の使用割合や製造条件等を調整することが好ましい。
【0019】
(3) エポキシ樹脂組成物
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と本発明のエポキシ樹脂硬化剤を必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物であるが、このエポキシ樹脂には、特に指定は無く、一般のエポキシ樹脂を使用することができる。
用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂等の種々のフェノール類や、種々のフェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種のフェノール系化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂やジアミノジフェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミン等の種々のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、メチルヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸等の種々のカルボン酸類と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0020】
特に本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体封止用として使用する場合には、その硬化物性等から、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、クレゾールノボラック樹脂、テルペンフェノール樹脂、及びジシクロペンタジエンフェノール樹脂から選ばれた少なくとも一種類のフェノール化合物とエピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂が好ましい。
【0021】
また、硬化物を難燃化するために使用するエポキシ樹脂の一部を臭素化エポキシ樹脂とすることができる。その臭素化エポキシ樹脂としては、例えば、臭素化ビスフェノールA又は臭素化フェノールノボラック樹脂と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、低分子エポキシ樹脂と臭素化ビスフェノールAとの反応により製造されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明のエポキシ樹脂硬化剤以外の硬化剤を混合使用することができる。
【0022】
その混合することができる他の硬化剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類や、種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種のフェノール樹脂類、これら各種のフェノール(樹脂)類のフェノール性水酸基の全部若しくは一部をベンゾエート化或いはアセテート化等のエステル化することによって得られる活性エステル化合物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸等の酸無水物類、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド等のアミン類等が挙げられる。
【0023】
それら他の硬化剤の使用割合は、エポキシ樹脂硬化剤成分全量に対して50重量%以下が好ましい。本発明のエポキシ樹脂硬化剤以外の硬化剤の使用割合が多すぎると、本発明の効果が充分に発揮されなくなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物で使用されるエポキシ樹脂硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1モルに対して、全エポキシ樹脂硬化剤成分のエポキシ基と反応する基の合計が、0.5〜1.5モルとなる量が好ましく、より好ましくは、0.7〜1.3モルになる量である。
【0024】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤、硬化促進剤、カップリング剤、可塑剤、顔料、溶剤、難燃剤等を適宜に配合することができる。その無機充填剤の種類としては、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウム等が挙げられる。その形状としては、破砕型又は球状である。各種の無機充填剤は、単独で又は、2種以上混合して用いられる。本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体封止用として使用する場合には、各種の無機充填剤の中では溶融シリカ又は結晶性シリカが好ましく、その使用量は、組成物全体の60〜95重量%である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる硬化促進剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と硬化剤中の活性基との反応を促進する化合物である。
【0025】
その硬化促進剤としては、例えば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィン等のホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム塩、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジシアノ−6−〔2−メチルイミダゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジン、2,4−ジシアノ−6−〔2−ウンデシルイミダゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジン等のイミダゾール類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌレート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、2−エチル−1,4−ジメチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート等のイミダゾリウム塩、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、テトラメチルブチルグアニジン、N−メチルピペラジン、2−ジメチルアミノ−1−ピロリン等のアミン類、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のアンモニウム塩、1,5−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕−オクタン等のジアザビシクロ化合物、これらジアザビシクロ化合物のテトラフェニルボレート、フェノール塩、フェノールノボラック塩、2−エチルヘキサン酸塩等が挙げられる。
【0026】
これらの硬化促進剤となる化合物の中では、ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、ジアザビシクロ化合物、及びそれらの塩が好ましい。
これらの硬化促進剤は、単独で又は、二種以上混合して用いられ、その使用量は、全エポキシ樹脂成分に対して、0.1〜7重量%である。
また、難燃助剤として、三酸化アンチモン、リン酸等を適宜に配合することができる。
【0027】
【実施例】
以下に本発明のフェノール樹脂の製造方法及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物について実施例及び比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4 (フェノール樹脂の製造方法)
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量5リットルの三つ口フラスコに、(a)テルペンフェノール樹脂としてヤスハラケミカル社製YP90J又はYP90L、(b)その他の構造のフェノール化合物としてフェノール又はビスフェノールA、アルデヒド類としてホルムアルデヒド又はベンズアルデヒド、反応触媒としてシュウ酸10g及びメチルイソブチルケトン500gを表1に示した量仕込み、100℃で5時間保持して反応を行った。
続いて、メチルイソブチルケトン1000gを加え完全に溶解させた。水洗して反応触媒等を除いた後、未反応のフェノール及びメチルイソブチルケトンを減圧除去して目的のフェノール樹脂を得た。
得られたフェノール樹脂の収量、水酸基当量、及び軟化点を表1に示した。
【0028】
実施例5〜8及び比較例1〜3 (半導体封止用エポキシ樹脂組成物)
表2に示したように、エポキシ樹脂として、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、又はオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及び臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤として、実施例1〜4で製造した各フェノール樹脂、特開平4−26642号公報に示されたテルペンフェノール樹脂、市販の三官能型フェノール樹脂、又は市販の一般的なフェノールノボラック樹脂、無機充填剤として溶融シリカ粉末、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用い、更に難燃助剤として三酸化アンチモン、充填剤表面処理剤としてエポキシシラン、離型剤としてカルナバワックスをそれぞれ用いて、各半導体封止用エポキシ樹脂組成物を配合した。
【0029】
次いで、各配合物をミキシングロールを用いて70〜130℃の温度で5分間溶融混合した。得られた各溶融混合物はシート状に取出し、粉砕して各成形材料を得た。
これらの各成形材料を用い低圧トランスファー成形機で金型温度180℃、成形時間180秒で成形して、各試験片を得、180℃で8時間ポストキュアーさせた。
各成形材料のポストキュアー後のガラス転移温度、吸湿率、及び耐ハンダクラック性を試験した結果は表2に示す通りであり、実施例5〜8の各成形材料は、比較例1〜3の成形材料に較べて耐熱性及び吸湿率のバランスに優れており、その結果耐ハンダクラック性に優れていた。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
表2の注
A:テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社商品名エピコートYX4000H、エポキシ当量:193)
B:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社商品名 エピコート180S65、エポキシ当量:213)
C:特開平4−26642号公報に示されたテルペンフェノール樹脂(油化シェルエポキシ社商品名 エピキュアMP402、水酸基当量:174)
D:三官能型フェノール樹脂(油化シェルエポキシ社商品名 エピキュアYL6065、水酸基当量:99)
E:フェノールノボラック樹脂(群栄化学社製、水酸基当量:103、軟化点:85℃)
*1:臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社商品名エピコート5050、エポキシ当量:385、臭素含有量:49%)
*2:溶融シリカ粉末(龍森社商品名 RD−8)
*3:エポキシシラン(信越化学工業社商品名 KBM403)
*4:TMAを用いて熱膨張曲線の転移点より求めた。
*5:85℃、85%RH、168時間後の吸湿率
*6:44ピンFPP16個を85℃、85%RHで168時間吸湿後、260℃ハンダ浴に30秒間浸漬し、クラックが発生した個数を求めた。
【0033】
【発明の効果】
本発明のフェノール樹脂の製造方法は、エポキシ樹脂硬化剤として有用なフェノール樹脂を与える。また、本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、耐熱性及び低応力性に優れた硬化物を与え、更に、そのエポキシ樹脂硬化剤を使用したエポキシ樹脂組成物は、耐熱性及び低吸湿性に優れた硬化物を与えるので接着、注型、封止、積層、成型、塗装等の広い分野、特に半導体封止の分野で有利に使用することができる。
Claims (6)
- (a)環状テルペン化合物とフェノールとの反応で得られた、フェノール性水酸基当量190〜300g/eq.、且つ数平均分子量250〜600を有するテルペンフェノール樹脂成分及び(b)フェノール性水酸基当量90〜200g/eq.を有する他のフェノール化合物成分を、(a)成分と(b)成分との合計100重量部に対して(a)成分50〜100重量部及び(b)成分0〜50重量部含有する原料フェノール成分とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合反応させることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
- 原料フェノール成分として、前記(a)成分と(b)成分との合計100重量部に対して(a)成分60〜90重量部及び(b)成分10〜40重量部を含有する原料フェノール成分を用いる請求項1に記載のフェノール樹脂の製造方法。
- (a)成分として、環状テルペン化合物とフェノールとの反応で得られたフェノール性水酸基当量190〜250g/eq.、且つ数平均分子量250〜500を有する樹脂を用いる請求項1又は2に記載のフェノール樹脂の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたフェノール性水酸基当量150〜300g/eq.を有するフェノール樹脂からなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化剤。
- エポキシ樹脂、及び請求項4に記載のエポキシ樹脂硬化剤を必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物。
- ビフェノール、テトラメチルビフェノール、クレゾールノボラック樹脂、テルペンフェノール樹脂、及びジシクロペンタジエンフェノール樹脂から選ばれた少なくとも一種のフェノール化合物とエピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、及び請求項4に記載のエポキシ樹脂硬化剤を必須成分として配合してなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
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