JP2000095922A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物

Info

Publication number
JP2000095922A
JP2000095922A JP10303134A JP30313498A JP2000095922A JP 2000095922 A JP2000095922 A JP 2000095922A JP 10303134 A JP10303134 A JP 10303134A JP 30313498 A JP30313498 A JP 30313498A JP 2000095922 A JP2000095922 A JP 2000095922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
phenol
weight
phenols
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10303134A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Tsuzan
典生 通岩
Yasuyuki Murata
保幸 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yuka Shell Epoxy KK
Original Assignee
Yuka Shell Epoxy KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yuka Shell Epoxy KK filed Critical Yuka Shell Epoxy KK
Priority to JP10303134A priority Critical patent/JP2000095922A/ja
Publication of JP2000095922A publication Critical patent/JP2000095922A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ハンダクラック性と流動性に優れた硬化物
を与える半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (a)下記の各成分の混合物からなるエ
ポキシ樹脂 (1)4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂 10〜
80重量部 (2)重質油類またはピッチ類、フェノール類およびホ
ルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性フェ
ノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得られた
エポキシ樹脂 20〜90重量部 (b)エポキシ樹脂硬化剤 (c)無機充填剤 (d)硬化促進剤 を必須成分としてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性に優れ、か
つ耐ハンダクラック性に優れた硬化物を与える半導体封
止用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その優れた硬化物性や
取扱いの容易さから、接着、注型、封止、積層、成型、
塗装等の広い分野で使用されている。また、エポキシ樹
脂には、多くの種類があり、その選択により硬化物性が
大きく変わるため、使用分野目的に応じて使い分けられ
ている。近年、高分子材料の使用条件が苛酷になるに従
って、高分子材料に対して要求される諸特性は厳しくな
り、一般に用いられている各種のエポキシ樹脂では、要
求特性を充分に満足できなくなってきた。例えば、エポ
キシ樹脂組成物は、半導体封止用に用いられているが、
この分野でも、要求性能は、厳しくなっている。すなわ
ち、半導体装置の高集積化が進み、半導体素子の大型化
が著しいとともに、パッケージそのものが小型化、薄型
化している。また、半導体装置の実装も表面実装へと移
行しており、表面実装においては半導体装置がハンダ浴
に直接浸漬され、高温にさらされるため、吸湿された水
分の急速な膨張により、パッケージ全体に大きな応力が
かかり、封止材にクラックが入る。そのために、耐ハン
ダクラック性の良好な封止材用のエポキシ樹脂組成物に
は、低吸湿性と高接着性が要求される。溶融シリカ粉末
のような無機充填剤を高充填することにより、低吸湿性
及び低応力性(すなわち低熱膨張率)を改良することは
広く行われており、耐ハンダクラック性の改良に大きな
効果があるが、無機充填剤を高充填すると成型時の流動
性が損なわれるため、封止材用のエポキシ樹脂には、低
溶融粘度であることも要求されてきた。現在主として用
いられているクレゾールノボラック型エポキシ樹脂で
は、低吸湿性および高接着性の点で充分なものとは言え
なくなってきた。特開平7−196766号公報には、
石油重質油類またはピッチ類にアルデヒド類を混合し、
加熱撹拌下酸触媒存在下にフェノール類又はナフトール
類を滴下して重縮合させることにより得られた変性フェ
ノール樹脂をアルカリ金属水酸化物の存在下エピハロヒ
ドリンと反応させたエポキシ樹脂が記載されているが、
この方法で作製されたエポキシ樹脂は、低溶融粘度の点
において充分なものではないため、無機充填剤を高充填
することができず、耐ハンダクラック性も充分には改良
されない。さらに、パッケージの小型化、薄型化に伴い
封止材用エポキシ樹脂組成物には、高流動性も要求され
てきており、エポキシ樹脂への低溶融粘度の要求はさら
に厳しくなっている。低溶融粘度なテトラメチルビフェ
ノール型エポキシ樹脂を用いることが検討されているが
(特開昭61−47725号公報等)、その低吸湿効果
は充分とはいえず、耐熱性に劣るため耐ハンダクラック
性も改良されない。また4,4′−ビフェノール型エポ
キシ樹脂は、低溶融粘度で耐熱性にも優れるが(特開平
1−230619号公報等)、低吸湿性に劣り、また高
融点で硬化剤等との相溶性にも劣るため、単独では使用
ができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流動性に優
れ、かつ耐ハンダクラック性に優れた硬化物を与える新
規な半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために種々研究を重ねた結果、エポキシ樹
脂として4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂と重質
油類またはピッチ類、フェノール類及びホルムアルデヒ
ド化合物を重縮合させて得られた変性フェノール樹脂と
エピハロヒドリンとを反応させて得られたエポキシ樹脂
の混合物を使用することによりその目的を達成できたの
である。すなわち、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物は、 「1. (a)下記の各成分の混合物からなるエポキシ
樹脂 (1)4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂 10〜
80重量部 (2)重質油類またはピッチ類、フェノール類およびホ
ルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性フェ
ノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得られた
エポキシ樹脂 20〜90重量部 (b)エポキシ樹脂硬化剤 (c)無機充填剤 (d)硬化促進剤 を必須成分としてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 2. (2)で示されるエポキシ樹脂が、重質油類また
はピッチ類と、平均分子量から算出した前記重質油類ま
たはピッチ類1モルに対して、0.3〜10モルのフェ
ノール類、ホルムアルデヒド換算で0.2〜9モルのホ
ルムアルデヒド化合物、および0.01〜3.0モルの
酸触媒とを混合した後、昇温し、重縮合反応させて得ら
れた変性フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応さ
せて得られたエポキシ樹脂である、1項に記載された半
導体封止用エポキシ樹脂組成物。 3. (2)で示されるエポキシ樹脂が、芳香族炭化水
素分率fa値が0.40〜0.95、芳香環水素量Ha
値が20〜80%である石油系重質油類またはピッチ
類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合物を原料
とする水酸基当量100〜200g/eq.の変性フェ
ノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得られた
エポキシ樹脂である、1項または2項に記載された半導
体封止用エポキシ樹脂組成物。 4. (a)(1)4,4′−ビフェノール 10〜8
0重量% (2)重質油類またはピッチ類、フェノール類およびホ
ルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性フェ
ノール樹脂 20〜90重量%の混合物を該フェノール
化合物の混合物のフェノール性水酸基1モル当り、3〜
20モルのエピハロヒドリンとアルカリ金属水酸化物の
存在下で反応させることにより得られたエポキシ樹脂混
合物 (b)エポキシ樹脂硬化剤 (c)無機充填剤 (d)硬化促進剤 を必須成分としてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 5. (a)エポキシ樹脂硬化剤が、フェノールノボラ
ック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペンフェノ
ール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、重質
油類またはピッチ類、フェノール類およびホルムアルデ
ヒド化合物を重縮合させて得られた変性フェノール樹脂
及びフェノール類のフェノール性水酸基の全部もしくは
一部をエステル化することによって得られる活性エステ
ル変性フェノール樹脂から選ばれた少なくとも一種類の
エポキシ樹脂硬化剤である、1項ないし3項のいずれか
1項に記載された半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 6. (1)と(2)のエポキシ樹脂以外のエポキシ樹
脂を、(1)と(2)のエポキシ樹脂の合計100重量
部に対し100重量部以下配合した、1項ないし5項の
いずれか1項に記載された半導体封止用エポキシ樹脂組
成物。 7. 無機充填剤が、溶融および/又は結晶シリカ粉末
充填剤を組成物全体の80〜93重量%含有する充填材
である、1項ないし6項のいずれか1項に記載された半
導体封止用エポキシ樹脂組成物。」に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物で用いられるエポキシ樹脂中の一成分である
(1)4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂は、常温
で結晶し固形となりかつ低溶融粘度であり、更には骨格
が剛直であるため耐熱性にも優れる。しかし、極性の少
ない基を持っていないため、低吸湿性には優れない。本
発明では4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂に加
え、溶融粘度は比較的高いが、低吸湿性、耐熱性に優れ
る(2)重質油類またはピッチ類、フェノール類および
ホルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性フ
ェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得られ
たエポキシ樹脂を特定の割合で併用することにより、す
べての要求性能を満足する半導体封止用エポキシ樹脂組
成物とすることができたのである。本発明の半導体封止
用エポキシ樹脂組成物で用いられる(a)エポキシ樹脂
の一成分である(1)4,4′−ビフェノール型エポキ
シ樹脂は、4,4′−ビフェノールとエピハロヒドリン
とをアルカリの存在下に、縮合反応させエポキシ樹脂と
したものであり、その構造式は下記の一般式で表され
る。 [一般式]
【0006】
【化1】
【0007】(式中nは平均値で0〜0.5の数であ
る。) 本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で用いられる
(a)エポキシ樹脂の他の一成分は(2)重質油類また
はピッチ類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合
物を重縮合させて得られた変性フェノール樹脂とエピハ
ロヒドリンとを反応させて得られたエポキシ樹脂であ
る。ここで、重質油類及びピッチ類としては、石油系及
び石炭系のいずれかの原料油を用いてもよい。石油系重
質油類またはピッチ類としては、原油の蒸留残油、水添
分解残油、接触分解残油、ナフサまたはLPGの熱分解
残油及びこれらの残油の減圧蒸留物、溶剤抽出によるエ
キストラクトあるいは熱処理物、石油精製過程における
熱分解及び接触分解等の分解工程で得られる特定の留出
油を例示できる。石炭系重質油類及びピッチ類として
は、石炭乾留におけるコールタールを蒸留して得られる
特定の分留成分及び石炭液化における重質油等を例示で
きる。
【0008】石油系重質油類またはピッチ類では、芳香
族炭化水素分率fa値および芳香環水素量Ha値の適当
なものを選んで使用することが好ましい。例えば、石油
系重質油類またはピッチ類は、0.40〜0.95、好
ましくは0.5〜0.8、さらに好ましくは0.55〜
0.75のfa値と、20〜80%、好ましくは25〜
60%、さらに好ましくは25〜50%のHa値とを有
することが望ましい。なお、fa値およびHa値は、各
々石油系重質油類またはピッチ類の13C−NMR測定
によるデータ、および1H−NMRによるデータから、
下記式に基づいて算出される。 fa値=(油またはピッチ中の芳香族炭素数)/(油ま
たはピッチ中の全炭素数) Ha値=(油またはピッチ中の芳香環水素数)/(油ま
たはピッチ中の全水素数)×100(%) 原料の石油系重質油類またはピッチ類のfa値が0.4
より小さくなると、芳香族分が少なくなるため、得られ
る変性フェノール樹脂の性能の改質効果、特に耐熱性、
耐酸化性の改質効果が小さくなる傾向にある。また、原
料のfa値が0.95より大きい石油系重質油類または
ピッチ類の場合には、芳香族炭素とホルムアルデヒドと
の反応性が低くなる傾向がある。
【0009】原料の石油系重質油類またはピッチ類のH
a値が20%より小さくなると、ホルムアルデヒドと反
応する芳香環水素分が少なくなり、反応性が低下するた
め、フェノール樹脂の性能の改質効果が低下する傾向が
ある。Ha値が80%より大きい石油系重質油類または
ピッチ類を原料とした場合には、変性フェノール樹脂の
強度が弱くなる傾向を示す。このような石油系重質油類
またはピッチ類としては、石油精製過程における熱分解
および接触分解等の分解工程が得られる留出油を用いる
ことが、原料の安定供給、前処理の削減等の観点から、
特に好ましい。
【0010】目的の性状である変性フェノール樹脂を得
るための、原料として用いられるフェノール類として
は、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシ
ン、メチルレゾルシン、ハイドロキノン、メチルハイド
ロキノン、ジメチルハイドロキノン、ジブチルハイドロ
キノン、カテコール、フェニルフェノール、ビニルフェ
ノール、ノニルフェノール、p−tert−ブチルフェ
ノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールAD、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキ
シナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、およ
びテルペンフェノール、ビフェノール、ヒドロキシナフ
タレン等を挙げることができ、この中から選ばれた少な
くとも1種類のフェノール化合物を用いる。好ましく
は、フェノール、クレゾール、またはキシレノールであ
る。ここで、ホルムアルデヒド化合物とは、ホルマリ
ン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。本発明で用
いられる酸触媒としては、シュウ酸、パラトルエンスル
ホン酸(PTS)、キシレンスルホン酸、およびギ酸等
の有機酸、塩酸および硫酸等の無機酸を挙げることがで
きる。この中で好ましくはシュウ酸、パラトルエンスル
ホン酸(PTS)である。
【0011】各成分の使用割合としては、重質油類また
はピッチ類と、平均分子量から算出した前記重質油類ま
たはピッチ類1モルに対して、0.3〜10モルのフェ
ノール類、ホルムアルデヒド換算で0.2〜9モルのホ
ルムアルデヒド化合物、および0.01〜3.0もモル
の酸触媒とする。ここで、重質油類またはピッチ類の平
均分子量は蒸気圧浸透法分子量測定装置を用いて測定し
た。
【0012】変性フェノール樹脂の製造方法は、特定量
の重質油類またはピッチ類、フェノール類、ホルムアル
デヒド化合物および酸触媒のうち一部の成分をまず反応
器に仕込み、そこに残りの成分を滴下して反応させて
も、一括で仕込み、加熱撹拌しながら反応温度まで昇温
して重縮合させてもよい。そのなかでは、後者の方が溶
融粘度が低く、かつ水酸基当量100〜200g/e
q.程度に小さくすることが可能であるためより好まし
い。反応条件は、原料の種類や目的とする樹脂の特性等
に応じて制御されることは当然であるが、本発明で用い
る変性フェノール樹脂は例えば次のようにして製造す
る。先ず、特定量の原料および酸触媒を反応器に入れ、
重縮合反応が進行しない温度、例えば50℃以下、好ま
しくは40〜50℃の温度に保ちながら撹拌して均一に
混合させる。次に、得られた化合物を、50〜200
℃、好ましくは80〜180℃まで徐々に昇温し、15
分間〜8時間、好ましくは30分間〜6時間重縮合反応
させる。なお、重縮合原料等の混合は、重縮合反応が進
行しないうちに均一な混合物が得られればよいので、重
縮合反応温度まで徐々に昇温している間に行ってもよ
い。得られた反応混合物中には未反応成分、低分子成
分、酸触媒等が残存しているので、適宜、精製処理して
これらを除去することが好ましい。
【0013】反応条件は、原料の種類や目的とする樹脂
の特性などに応じて制御されることは当然であるが、本
発明で用いる変性フェノール樹脂は例えば次のようにし
て製造する。以上のような条件で得られた重質油類また
はピッチ類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合
物を重縮合させて得られた変性フェノール樹脂の精製方
法としては、例えば、水蒸気蒸留、不活性ガスの吹き込
み、減圧蒸留等による未反応成分、低分子成分の除去、
水、アルカリ溶液処理、加水分解等による酸触媒の除
去、静置分離による未反応成分等の除去、有機溶媒や水
を用いた抽出、再結晶、デカンテーション等による未反
応成分、低分子成分、酸触媒の除去や目的とする変性フ
ェノール樹脂の分離等が可能であり、これ等の処理を単
独で或いは適宜、組み合わせて実施することが好まし
い。本発明で使用する変性フェノール樹脂は、例えば反
応温度までの昇温時間や原料の組成を制御することによ
って、生成する変性フェノール樹脂の水酸基当量の値を
100〜200g/eq程度にすることが好ましい。
【0014】これ等フェノール化合物とエピハロヒドリ
ンとの反応は公知の方法で行えるが、代表的な態様例
を、以下に詳述する。まず、フェノール化合物をそのフ
ェノール性水酸基1モル当たり3〜20モルに相当する
量のエピハロヒドリンに溶解させて均一な溶液とする。
次いで、その溶液を撹拌しながらこれにフェノール性水
酸基1モル当り0.9〜2モル量のアルカリ金属水酸化
物を固体または水溶液で加えて反応させる。この反応
は、常圧下または減圧下で行わせることができ、反応温
度は、通常、常圧下の反応の場合に約30〜105℃で
あり、減圧下の反応の場合に約30〜80℃である。反
応は、必要に応じて所定の温度を保持しながら反応液を
共沸させ、揮発する蒸気を冷却して得られた凝縮液を油
/水分離し、水分を除いた油分を反応系に戻す方法によ
って反応系より脱水する。アルカリ金属水酸化物の添加
は、急激な反応をおさえるために、1〜8時間かけて少
量ずつ断続的もしくは連続的に添加する。その全反応時
間は、通常、1〜10時間である。反応終了後、不溶性
の副生塩を瀘別して除くか、水洗により除去した後、未
反応のエピハロヒドリンを減圧留去して除くと、目的の
エポキシ樹脂が得られる。この反応におけるエピハロヒ
ドリンとしては、通常、エピクロルヒドリンまたはエピ
ブロモヒドリンが用いられ、またアルカリ金属水酸化物
としては、通常、NaOHまたはKOHが用いられる。
【0015】また、この反応においては、テトラメチル
アンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロ
ミド等の第四級アンモニウム塩;ベンジルジメチルアミ
ン、2,4,6−(トリスジメチルアミノメチル)フェ
ノール等の第三級アミン;2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール
類;エチルトリフェニルホスホニウムイオダイド等のホ
スホニウム塩;トリフェニルホスフィン等のホスフィン
類等の触媒を用いてもよい。さらに、この反応において
は、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル
類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の
非プロトン性極性溶媒等の不活性な有機溶媒を使用して
もよい。さらに、上記のようにして得られたエポキシ樹
脂の可鹸化ハロゲン量が多すぎる場合には、再処理し
て、充分に可鹸化ハロゲン量が低下した精製エポキシ樹
脂を得ることができる。つまり、その粗製エポキシ樹脂
を、イソプロパノール、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジオキサン、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスル
ホキシドなどの不活性な有機溶媒に再溶解し、アルカリ
金属水酸化物を固体または水溶液で加えて約30〜12
0℃の温度で、0.5〜8時間再閉環反応を行った後、
水洗等の方法で過剰のアルカリ金属水酸化物や副生塩を
除去し、さらに有機溶媒を減圧留去して除くと、精製さ
れたエポキシ樹脂が得られる。
【0016】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
で用いられる(a)エポキシ樹脂は、(1)4,4′−
ビフェノール型エポキシ樹脂と(2)重質油類またはピ
ッチ類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合物を
重縮合させて得られた変性フェノール樹脂とエピハロヒ
ドリンとを反応させて得られたエポキシ樹脂とをそれぞ
れべつべつに製造または入手し、混合して使用してもよ
いし、それぞれの原料である重質油類またはピッチ類、
フェノール類およびアルデヒド化合物を重縮合させて得
られた変性フェノール樹脂と4,4′−ビフェノールと
を混合して同時にエピハロヒドリンと反応させ、それぞ
れのエポキシ樹脂の混合物として使用してもよい。硬化
剤等との相溶性のよいエポキシ樹脂を得るため得には後
者の方法が好ましい。後者の方法を用いる場合は、エポ
キシ化後の(1)4,4′−ビフェノール型エポキシ樹
脂と(2)重質油類またはピッチ類、フェノール類およ
びアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性フェノ
ール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得られたエ
ポキシ樹脂の混合割合が所定の割合に成るようにそれぞ
れの原料の使用割合を前もって調整するか、エポキシ化
後にどちらかのエポキシ樹脂を追加して所定の割合にな
るように調整する必要がある。
【0017】(1)4,4′−ビフェノール型エポキシ
樹脂と(2)重質油類またはピッチ類、フェノール類お
よびアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性フェ
ノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得られた
エポキシ樹脂との混合割合は、(1)4,4′−ビフェ
ノール型エポキシ樹脂51〜80重量部に対して、
(2)重質油類またはピッチ類、フェノール類およびア
ルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性フェノール
樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得られたエポキ
シ樹脂20〜49重量部であり、好ましくは、(1)
4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂10〜80重量
部に対して、(2)重質油類またはピッチ類、フェノー
ル類およびホルムアルデヒド化合物を重縮合させて得ら
れた変性フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応さ
せて得られたエポキシ樹脂20〜90重量部であり、好
ましくは(1)4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂
15〜60重量部に対し、(2)重質油類またはピッチ
類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合物を重縮
合させて得られた変性フェノール樹脂とエピハロヒドリ
ンとを反応させて得られたエポキシ樹脂40〜85重量
部である。(1)4,4′−ビフェノール型エポキシ樹
脂が多すぎると、流動性に優れるが、低吸湿性には劣
る。(2)重質油類またはピッチ類、フェノール類およ
びホルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性
フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得ら
れたエポキシ樹脂が多すぎると、低吸湿性には優れる
が、流動性に劣る。
【0018】また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には(1)4,4′−ビフェノール型エポキシ樹
脂と(2)重質油類またはピッチ類、フェノール類およ
びホルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性
フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得ら
れたエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を混合使用するこ
とができる。その混合することができる他のエポキシ樹
脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、メチルハ
イドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、
メチルレゾルシン、テトラメチルビフェノール、ジヒド
ロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボ
ラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノー
ルノボラック樹脂等の種々のフェノール類や、種々のフ
ェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトン
アルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類と
の縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種のフ
ェノール系化合物と、エピハロヒドリンとから製造され
るエポキシ樹脂やジアミノジフェニルメタン、アミノフ
ェノール、キシレンジアミン等の種々のアミン化合物
と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、
メチルヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸等の種々のカ
ルボン酸類と、エピハロヒドリンとから製造されるエポ
キシ樹脂等が挙げられる。それ等その他のエポキシ樹脂
の使用割合は、(1)4,4′−ビフェノール型エポキ
シ樹脂と(2)重質油類またはピッチ類、フェノール類
およびホルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた
変性フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて
得られたエポキシ樹脂の合計100重量部に対して10
0重量部以下が好ましく、より好ましくは1,50重量
部以下である。その他のエポキシ樹脂の使用割合が多す
ぎると、本発明の効果が充分に発揮されなくなる。次
に、本件発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には
(b)エポキシ樹脂硬化剤が必須成分として配合される
が、このエポキシ樹脂硬化剤には、特に指定はなく、一
般のエポキシ樹脂硬化剤を使用することができる。
【0019】その使用するエポキシ樹脂硬化剤として
は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビ
スフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチ
ルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノー
ル、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニル
エーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボ
ラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシク
ロペンタジエンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹
脂、フェノールアラルキル樹脂、重質油類またはピッチ
類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合物を重縮
合させる高反応性変性フェノール樹脂や、ナフトールノ
ボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノ
ールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類や種々
のフェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロ
トンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド
類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種
のフェノール樹脂類、それら各種のフェノール(樹脂)
類のフェノール性水酸基の全部もしくは一部をベンゾエ
ート化あるいアセテート化等のエステル化することによ
って得られる活性エステル化合物、メチルテトラヒドロ
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメ
リット酸、メチルナジック酸等の酸無水物類、ジエチレ
ントリアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジア
ミド等のアミン類等が挙げられる。
【0020】これ等の各種エポキシ樹脂硬化剤の中で
は、硬化物性等から、フェノールノボラック樹脂、テル
ペンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ジシ
クロペンタジエンフェノール樹脂、重質油類またはピッ
チ類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合物を重
縮合させて得られた変性フェノール樹脂、およびフェノ
ール樹脂類のフェノール性水酸基の全部もしくは一部を
エステル化することによって得られる活性エステル変性
フェノール樹脂が好ましい。
【0021】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
で使用される(b)エポキシ樹脂硬化剤の使用量は、全
エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1モルに対して、全エ
ポキシ樹脂硬化剤成分中のエポキシ基と反応する基の合
計が0.5〜2.0モルとなる量が好ましく、より好ま
しくは、0.7〜1.2モルになる量である。
【0022】次に、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には、(c)無機充填剤が配合される。その無機
充填剤の種類としては、例えば、溶融シリカ、結晶性シ
リカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウム等が挙げら
れる。その形状としては破砕型または球状である。各種
の無機充填剤は単独でまたは2種以上混合して用いられ
るが、それ等の中では溶融シリカまたは結晶性シリカが
好ましい。その使用量は、組成物全体の70〜95重量
%であり、好ましくは80〜93重量%である。
【0023】また、本発明のエポキシ樹脂組成物に用い
られる(d)硬化促進剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ
基と硬化剤中の活性基との反応を促進する化合物であ
る。その(d)硬化促進剤としては、例えば、トリブチ
ルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメ
ドキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロ
ピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィン
等のホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテ
トラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウム
テトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホス
ホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム塩、
2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾ
ール、2,4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリ
ル−(1)]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジシ
アノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1)]−
エチル−S−トリアジン等のイミダゾール類、1−シア
ノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテー
ト、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌレート、2−
エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレ
ート、2−エチル−1,4−ジメチルイミダゾリウムテ
トラフェニルボレート等のイミダゾリウム塩、2,4,
6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベン
ジルジメチルアミン、テトラメチルブチルグアニジン、
N−メチルピペラジン、2−ジメチルアミノ−1−ピロ
リン等のアミン類、トリエチルアンモニウムテトラフェ
ニルボレート等のアンモニウム塩、1,5−ジアザビシ
クロ(5,4,0)−7−ウンデセン、1,5−ジアザ
ビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、1,4−ジアザ
ビシクロ(2,2,2)−オクタン等のジアザビシクロ
化合物、それらジアザビシクロ化合物のテトラフェニル
ボレート、フェノール塩、フェノールノボラック塩、2
−エチルヘキサン酸塩等が挙げられる。それ等の硬化促
進剤となる化合物の中では、ホスフィン化合物、イミダ
ゾール化合物、ジアザビシクロ化合物、及びそれらの塩
が好ましい。それらの(d)硬化促進剤は、単独でまた
は、2種以上混合して用いられ、その使用量は、全エポ
キシ樹脂成分に対して、0.1〜7重量%であり、好ま
しくは1〜5重量部である。本発明の半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物には、必要に応じてカップリング剤、可
塑剤、顔料等を適宜に配合することができる。また難燃
助剤として、三酸化アンチモン、リン酸等を適宜に配合
することができる。
【0024】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、流動性に優れ、かつ耐ハンダクラック性に優れた硬
化物を与えるので半導体封止の分野で有利に使用するこ
とができる。
【0025】
【実施例】以下に、重質油類またはピッチ類、フェノー
ル類およびアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変
性フェノール樹脂の製造例、本発明の半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物で用いられる各エポキシ樹脂の製造実施
例、さらに本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の
実施例及び比較例を挙げてさらに詳述する。
【0026】重質油類またはピッチ類、フェノール類お
よびホルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変
性フェノール樹脂の製造例1〜2 表1に示す原料油100.0g、フェノール72.4g
パラホルムアルデヒド19.0g及びシュウ酸2.4g
を1Lガラス製反応容器に仕込み、250〜350rp
mの速度で撹拌させながら、20分で100℃まで昇温
する。100℃まで昇温後、同温度で100分間撹拌さ
せながら反応させて反応生成物を得た。上記反応生成物
を分液ロートに入れ80℃に保ちながら20分間静置
し、上層の未反応原料油分と下層の粗変性フェノール樹
脂を分離した。上記粗変性フェノール樹脂を、175℃
でフェノールの留出がなくなるまで減圧蒸留を行った
後、さらに温度を185℃に上昇し減圧下窒素を吹き込
むことにより未反応フェノールを除去した。このように
して得られた粗変性フェノール樹脂にヘビーナフサ10
0mlを加え、約98℃まで昇温させた後30分間撹拌
し、樹脂中に残存する未反応原料油を抽出した。その
後、室温まで冷却し、上層に分離した未反応油を含むヘ
ビーナフサ層をデカンテーションにより除去した。上記
のヘビーナフサを用いた一連の未反応油抽出除去操作を
同条件でさらに1回行った。抽出操作終了後、極少量残
存するヘビーナフサを減圧蒸留により除去して、最終的
に重質油類またはピッチ類、フェノール類及びホルムア
ルデヒド化合物を重縮合させてできた変性フェノール樹
脂を得た。ここで重質油類またはピッチ類、フェノール
類及びホルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた
変性フェノール樹脂の水酸基当量と軟化点を表1に示し
た。なお、この変性フェノールの数平均分子量は65
0、150℃での溶融粘度は6.5psであった。ま
た、製造法は例1と同様で、フェノール使用量を変更し
た系、パラホルムアルデヒド、シュウ酸の添加量を変更
した系を表1の製造例2に示す。
【0027】各エポキシ樹脂の製造法実施例1〜4 温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量3Lの三つ口
フラスコに、表1に示した種類及び量のフェノール化合
物、エピクロルヒドリン1300g及びメトキシプロパ
ノール500gを仕込み、50℃に昇温して均一に溶解
させた後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液1
90gを1時間かけて滴下した。その間に徐々に昇温
し、滴下終了時には系内が70℃になるようにした。そ
の後、70℃で30分間保持して反応を行わせた。その
反応終了後、水洗して副生塩及び過剰の水酸化ナトリウ
ムを除去した。次いで、生成物から減圧下で過剰のエピ
クロルヒドリン及びイソプロピルアルコールを留去し
て、粗製エポキシ樹脂を得た。この粗製エポキシ樹脂を
メチルイソブチルケトン700gに溶解させ、48.5
重量%の水酸化ナトリウム水溶液6gを加え、80℃の
温度で1時間反応させた。その反応終了後に、第一リン
酸ナトリウムを加えて過剰の水酸化ナトリウムを中和
し、水洗して副生塩を除去した。次いで、減圧下でメチ
ルイソブチルケトンを完全に除去して、目的のエポキシ
樹脂を得た。これらのエポキシ樹脂のエポキシ当量、及
び溶融粘度を表2に示した。
【0028】半導体封止用エポキシ樹脂組成物実施例1
〜5及び比較例1〜3 表3に示したように、(a)エポキシ樹脂の各成分とし
て、製造実施例1〜4で製造した各エポキシ樹脂、また
はオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及び臭
素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(b)エポキシ
樹脂硬化剤としてフェノールノボラック樹脂、フェノー
ルアラルキル樹脂、または変性フェノール樹脂(c)無
機充填剤として溶融シリカ粉末を実施例1〜5は85重
量%、および比較例1は組成物全体の85重量%、比較
例2、3は79重量%(d)硬化促進剤としてトリフェ
ニルホスフィンを用い、さらに難燃助剤として三酸化ア
ンチモン、充填剤表面処理剤としてエポキシシラン、離
型剤としてカルナバワックスをそれぞれ用いて、各エポ
キシ樹脂組成物を配合した。次いで、各配合物をミキシ
ングロールを用いて70〜130℃の温度で5分間溶融
混合した。得られた各溶融混合物はシート状に取り出
し、粉砕して各成形材料を得た。これらの各成形材料を
用い低圧トランスファー成形機で金型温度180℃、成
形時間180秒で成形して、各試験片を得、180℃で
8時間ポストキュアーさせた。また各成形材料のスパイ
ラルフローを測定した。各成形材料のスパイラルフロー
及び各試験片のポストキュアー後の耐ハンダクラック
性、吸湿率、及びガラス転移温度を試験した結果は表3
に示す通りであり、実施例1〜5の各成形材料は、比較
例1〜3の成形材料に較べて流動性(すなわち高スパイ
ラルフロー)、及び耐ハンダクラック性のバランスに優
れていた。
【0029】
【表1】
【0030】(註) *1:重質油類またはピッチ類と
のモル比 *2:p−トルエンスルホン酸
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】(註)*1:臭素化ビスフェノールAエポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ社商品名 エピコート5
050、エポキシ当量:385、臭素含有量:49%) *2:溶融シリカ粉末(龍森社商品名 RD−8) *3:エポキシシラン(信越化学工業社商品名 KBM
403) *4:TMAを用いて熱膨張曲線の転移点より求めた。 *5:85℃ 85%RH 168時間の吸湿率 *6:80ピンQFP 16個を85℃ 85%RH
168時間吸湿後、260℃ハンダ浴に30秒間浸せき
し、クラックが発生した個数を求めた。 A:テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社商品名 エピコート YX4000H、
エポキシ当量:193) B:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化
シェルエポキシ社商品名 エピコート180S65、エ
ポキシ当量:213) C:フェノールノボラック樹脂(群栄化学社製、水酸基
当量:103、軟化点:85℃) D:フェノールアラルキル樹脂(三井化学社商品名 ミ
レックス XL−225−3L、水酸基当量:175、
軟化点70℃)
【0034】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、流動性に優れ、耐ハンダクラック性に優れた硬化
物を与えることができるので、半導体封止の用途におい
て有利に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記の各成分の混合物からなるエ
    ポキシ樹脂 (1)4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂 10〜
    80重量部 (2)重質油類またはピッチ類、フェノール類およびホ
    ルムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性フェ
    ノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得られた
    エポキシ樹脂 20〜90重量部 (b)エポキシ樹脂硬化剤 (c)無機充填剤 (d)硬化促進剤 を必須成分としてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (2)で示されるエポキシ樹脂が、重質
    油類またはピッチ類と、平均分子量から算出した前記重
    質油類またはピッチ類1モルに対して、0.3〜10モ
    ルのフェノール類、ホルムアルデヒド換算で0.2〜9
    モルのホルムアルデヒド化合物、および0.01〜3.
    0モルの酸触媒とを混合した後、昇温し、重縮合反応さ
    せて得られた変性フェノール樹脂とエピハロヒドリンと
    を反応させて得られたエポキシ樹脂である、請求項1に
    記載された半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (2)で示されるエポキシ樹脂が、芳香
    族炭化水素分率fa値が0.40〜0.95、芳香環水
    素量Ha値が20〜80%である石油系重質油類または
    ピッチ類、フェノール類およびホルムアルデヒド化合物
    を原料とする水酸基当量100〜200g/eq.の変
    性フェノール樹脂とエピハロヒドリンとを反応させて得
    られたエポキシ樹脂である、請求項1または2に記載さ
    れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (a)(1)4,4′−ビフェノール
    10〜80重量% (2)重質油類またはピッチ類、フェノール類およびホ
    ルムアルデヒト化合物を重縮合させて得られた変性フェ
    ノール樹脂 20〜90重量% の混合物を該フェノール化合物の混合物のフェノール性
    水酸基1モル当り、3〜20モルのエピハロヒドリンと
    アルカリ金属水酸化物の存在下で反応させることにより
    得られたエポキシ樹脂混合物 (b)エポキシ樹脂硬化剤 (c)無機充填剤 (d)硬化促進剤 を必須成分としてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 (a)エポキシ樹脂硬化剤が、フェノー
    ルノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペ
    ンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹
    脂、重質油類またはピッチ類、フェノール類およびホル
    ムアルデヒド化合物を重縮合させて得られた変性フェノ
    ール樹脂及びフェノール類のフェノール性水酸基の全部
    もしくは一部をエステル化することによって得られる活
    性エステル変性フェノール樹脂から選ばれた少なくとも
    一種類のエポキシ樹脂硬化剤である、請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載された半導体封止用エポキシ樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 (1)と(2)のエポキシ樹脂以外のエ
    ポキシ樹脂を、(1)と(2)のエポキシ樹脂の合計1
    00重量部に対し100重量部以下配合した、請求項1
    ないし5のいずれか1項に記載された半導体封止用エポ
    キシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 無機充填剤が、溶融および/又は結晶シ
    リカ粉末充填剤を組成物全体の80〜93重量%含有す
    る充填材である、請求項1ないし6のいずれか1項に記
    載された半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
JP10303134A 1998-09-21 1998-09-21 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 Pending JP2000095922A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10303134A JP2000095922A (ja) 1998-09-21 1998-09-21 半導体封止用エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10303134A JP2000095922A (ja) 1998-09-21 1998-09-21 半導体封止用エポキシ樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000095922A true JP2000095922A (ja) 2000-04-04

Family

ID=17917300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10303134A Pending JP2000095922A (ja) 1998-09-21 1998-09-21 半導体封止用エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000095922A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001329046A (ja) * 2000-05-24 2001-11-27 Japan Epoxy Resin Kk 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、樹脂封止型半導体装置および半導体装置の実装方法
JP2011058003A (ja) * 2010-11-24 2011-03-24 Mitsubishi Chemicals Corp 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、樹脂封止型半導体装置及び半導体装置の実装方法
WO2020059434A1 (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 サンアプロ株式会社 エポキシ樹脂組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001329046A (ja) * 2000-05-24 2001-11-27 Japan Epoxy Resin Kk 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、樹脂封止型半導体装置および半導体装置の実装方法
JP2011058003A (ja) * 2010-11-24 2011-03-24 Mitsubishi Chemicals Corp 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、樹脂封止型半導体装置及び半導体装置の実装方法
WO2020059434A1 (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 サンアプロ株式会社 エポキシ樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6255365B1 (en) Epoxy resin composition for semiconductor encapsulation
JPH02189326A (ja) 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物
JP4451129B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3415292B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
WO2002057333A2 (en) Epoxy resin composition for semiconductor encapsulation
JP5616234B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、該エポキシ樹脂組成物の製造方法およびその硬化物
JP3074013B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2000095922A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP3880912B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2001002756A (ja) エポキシ樹脂混合物および硬化性エポキシ樹脂組成物
JP4956879B2 (ja) エポキシ樹脂とその製造方法及びエポキシ樹脂組成物
JP4184109B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂組成物
JPH1060091A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP4684538B2 (ja) エポキシ樹脂、その製法、エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2000026573A (ja) エポキシ樹脂の製造方法、エポキシ樹脂、及びエポキシ樹脂組成物
JP2511316B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2002128868A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2004244526A5 (ja)
JP3143721B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物
JP5881202B2 (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JPH1025333A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2981759B2 (ja) エポキシ化合物及びエポキシ樹脂組成物
JP3555803B2 (ja) フェノール樹脂の製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物
JP5272963B2 (ja) エポキシ樹脂及びその製造方法
JPH08253551A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物