JP3223012B2 - フェノール樹脂、その製造方法および用途 - Google Patents

フェノール樹脂、その製造方法および用途

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JP3223012B2 JP28816793A JP28816793A JP3223012B2 JP 3223012 B2 JP3223012 B2 JP 3223012B2 JP 28816793 A JP28816793 A JP 28816793A JP 28816793 A JP28816793 A JP 28816793A JP 3223012 B2 JP3223012 B2 JP 3223012B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な構造を有するフ
ェノール樹脂、その製造方法およびその用途に関するも
のである。その用途として、例えば、エポキシ樹脂の原
料、エポキシ樹脂の硬化剤、フェノール系成形材料等の
耐熱性、耐湿性、機械的強度、耐酸化安定性等に優れた
熱硬化性樹脂の分野で利用される。このうち、エポキシ
樹脂組成物は、注型、積層、接着、成形、封止、複合材
等の用途に適するものであり、例えば、耐熱性、耐湿
性、接着性、硬化性、機械的強度、作業性に優れた半導
体封止用エポキシ樹脂組成物として、またそれを用いて
半導体素子を封止した信頼性に優れる半導体装置として
用いられる。
【0002】
【従来の技術】フェノール系樹脂を耐熱性複合材用マト
リックス樹脂や耐熱性成形材料などに利用することは、
近年、ますます多種多様化され、工業的に重要になって
きている。これらの先端分野では、フェノール樹脂自体
に高度な性能が求められ、例えば、IC封止材分野では
エポキシ樹脂として、または、その硬化剤として利用さ
れ、全体として接着性剤、耐熱性、耐湿性等に高い性能
が求められている。従来、この分野のフェノール系樹脂
としては、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
とフェノールノボラック樹脂を硬化剤とする組み合わせ
が主流であった。しかしながら、近年、電子部品のプリ
ント配線板への高密度実装化が進むにつれ、電子部品
は、従来のピン挿入型パッケージから、表面実装型のパ
ッケージが主流になってきている。IC、LSIなどの
表面実装型ICは、実装密度を高くし、実装高さを低く
するために、薄型、小型のパッケージになっており、素
子のパッケージに対する占有体積が大きくなり、パッケ
ージの肉厚は非常に薄くなってきた。さらに、これらの
パッケージは、従来のピン挿入型のものと実装が異なっ
ている。即ち、ピン挿入型パッケージは、ピンを配線板
に挿入した後、配線板裏面からはんだ付けを行うため
に、パッケージが直接高温にさらされることがなかっ
た。しかし、表面実装型ICは、配線板表面に仮止を行
い、はんだバスやリフロー装置などで処理されるため、
直接はんだ付け温度にさらされる。
【0003】現在、ICパッケージを配線板に実装する
場合、IRリフローによる方法が主流となっているが、
この方法による適用温度は 215℃程度が一般的である。
しかしながら、生産性の改善に伴い、はんだ付け温度は
240℃〜 265℃とより高温度での処理が求められてお
り、このような高温度領域での使用においては、ベース
樹脂の耐湿性や耐熱性が極めて重要である。ベース樹脂
のエポキシ樹脂組成物では、一般に耐湿性と耐熱性は相
反する関係にある。即ち、耐熱性を向上させるために架
橋密度を増加させれば吸湿性が大きくなり、吸湿性を下
げるために架橋密度を減少させれば耐熱性に問題が残
る。現在、半導体封止材料で主流となっているフェノー
ルノボラック構造では、耐熱性に優れたいる半面、吸湿
性が大きいために、前述したような高温での使用は、パ
ッケージが吸湿した場合、はんだ付け時に吸湿水分が急
激に膨張し、パッケージをクラックさせてしまう。現
在、この現象が表面実装型ICに係わる大きな問題とな
っている。又、封止材としての内部応力の低減や接着強
度も重要である。これはシリコーンチップとの膨張係数
の違いによるパッシベーション膜界面との剥離を防ぐた
めに求められている。
【0004】一方、成形材料分野においても、従来のホ
ルマリンによるノボラック構造のフェノール樹脂では、
近年の高度な要求性能を満足し得るものとは言い難い。
即ちこのフェノール硬化物の欠点としては、硬くて脆
いこと、水酸基密度が高いため吸水性が大きいこと、
耐酸化性が劣るため長期に亘る耐熱性が不足すること
等が一般的に知られている事実であり、改良が求められ
ている。このような各分野の問題に対し、樹脂の構造自
体を改良する方法が幾つか試みられている。例えば、電
子材料用途では、耐湿性の向上や低応力化を目的とした
キシリレン結合を有するフェノールアラルキル樹脂の使
用(特公平2−49329 号公報、特公昭62−28165 号公
報)、耐湿性や接着性等の向上を目的としたジシクロペ
ンタジエンフェノール樹脂の使用(特開昭62−96521 号
公報、特公平3−40052 号公報)、これらの両方を併用
しての使用(特開平4−103619号公報)、環状テルペン
化合物を縮合剤としたフェノール樹脂の使用(特開平4
−55422 号公報)等が提案されている。これら脂環式構
造は、一般に接着性能を高めることが知られている。
又、成形用途においてもキシリレン結合を有するフェノ
ール樹脂の使用(特公昭47−15111 号公報)やジシクロ
ペンタジエンフェノール樹脂の使用(特開昭58−37021
号公報)等が提案されている。
【0005】しかしながら、これら改善された樹脂構造
の問題点としては、下記の点が挙げられる。即ち、 (a)フェノールアラルキル樹脂:ノボラック構造に比
べて、低吸湿性となる半面、エポキシ硬化物のTgが低
く、ハンダ耐熱に問題がある。成形材においても熱時強
度に問題がある。これらは、樹脂の構造で結合基が軟か
いことに起因する。 (b)ジシクロペンタジエンフェノール樹脂:ノボラッ
ク構造に比べて、低吸湿性であるが、硬化性に問題があ
る。即ち、エポキシ硬化では、水酸基のオルソ位にある
結合基のトリシクロデカン環が立体障害的作用を持つた
め、硬化が遅く、成形後の脱型時に型くずれが生じやす
い。又、ヘキサミン等による一般的な成形では、樹脂構
造が剛直であるため、架橋点の接近が阻まれ完全架橋に
至らない。このため、この系統の樹脂は特開昭58−3702
1 号公報のように共縮合して使用されているのが実情で
ある。 (c)環状テルペン化合物を縮合剤としたフェノール樹
脂:このフェノール樹脂は、環状テルペン化合物にフェ
ノールを反応させて脂環式連結基を有するビスフェノー
ル化合物を主成分としたものを得、これを更にホルマリ
ン等で縮合させることにより製造される。したがって、
樹脂構造は部分的な脂環構造を含むノボラック樹脂であ
り、ノボラック樹脂の欠点である耐酸化安定性や耐湿性
は解消されていない。 なお、それぞれの欠点を解消して長所を生かす目的で、
(a)と(b)を組み合わせて用いる方法(特開平4−
103619号公報)でも、完全に欠点を消滅させ得たとは言
えない。これは(b)の樹脂が基本的にオルソ位リッチ
である(難波ら、第38回熱硬化性樹脂講演討論会要旨集
111〜 114ベージ、1988年)がゆえに、反応速度が遅過
ぎることによる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、半導
体封止材等で使用されるエポキシ樹脂組成物やヘキサミ
ン硬化による成形材用途において、前述したような従来
のフェノール樹脂の欠点を解決することにある。即ち、
エポキシ樹脂組成物やヘキサミン硬化成形材において、
耐熱性、耐湿性、硬化性、接着性、耐酸化安定性、機械
的強度、作業性等の優れたフェノール樹脂の開発と、こ
れを用いた上記組成物から成る硬化物、更には、信頼性
に優れた半導体装置等を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した。その結果、環状テルペ
ン化合物とフェノール類を反応させたのちに、アラルキ
ル化合物をフリーデルクラフツ反応させたフェノール樹
脂が、フェノール種のオルソ位の立体障害もなく、脂環
式結合基とキシリレン結合基とを併せ持つため、前記の
各種課題を満足させ得るということを見出し、本発明を
完成するに至った。即ち、本発明は、 (1)酸性触媒の存在下、環状テルペン化合物1モルに
対し、フェノール類を2〜5モルの範囲で存在させて反
応を行った後、引き続き一般式(I)(化3)で表され
るアラルキル化合物を 0.1〜 3.5モル反応させるフェノ
ール樹脂の製造方法、
【0008】
【化3】 (式中、Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
ルコキシ基を示す)
【0009】(2)酸性触媒の存在下、環状テルペン化
合物1モルに対し、フェノール類を2〜5モルの範囲で
存在させて反応を行った後、未反応フェノールを回収除
去して得られるポリフェノールに、一般式(I)で表さ
れるアラルキル化合物を 0.1〜0.95モル反応させるフェ
ノール樹脂の製造方法、 (3)(1)または(2)の方法で製造される平均分子
量が 400〜5000、軟化点が50〜 150℃であるフェノール
樹脂、 (4)(A) 一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂と、(B) (3)のフェノール樹脂を含む硬化
剤とを含有するエポキシ樹脂組成物、 (5)(A) 一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂と、(B) (3)のフェノール樹脂を含む硬化
剤と、(C) (A) 、(B) 成分に対し、50重量%以上の無機
充填材を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物、 (6)(4)または(5)のエポキシ樹脂組成物を硬化
させて得られる硬化物、 (7)(5)のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られ
る硬化物により封止された半導体装置、 (8)上記(3)のフェノール樹脂 100部に対し、無機
および/または有機の充填材 100〜 650部、ヘキサメチ
レンテトラミン5〜20部を含有する成形材料、 (9)上記(3)のフェノール樹脂 100部に対し、無機
および/または有機の充填材 100〜20000 部、レゾール
樹脂30〜 300部を含有する成形材料、 (10)(8)または(9)の成形材料から得られる成
形硬化物に関するものである。
【0010】本発明のフェノール樹脂は、フェノール種
のオルソ位に立体障害となるような結合基がほとんど存
在しない。このため、本発明のフェノール樹脂は、エポ
キシ基との反応性が良好であり、半導体封止材としての
使用で硬化不十分による脱型時の型くずれといった問題
は生じない。また、本発明のフェノール樹脂では、結合
基は脂環式構造とキシリレン構造から成るため、接着
性、耐酸化安定性の向上や低応力化も期待される。さら
に、フェノール樹脂構造における結合基の割合が大きい
ことから、相対的に水酸基密度が低下し、耐湿性の向上
が達成される。さらにまた、半導体封止材としての重要
な性能として、フェノール樹脂の溶融粘度が低いことが
求められているが、本発明のフェノール樹脂は低粘度で
あることも特徴として挙げられ、その結果、作業性に優
れた組成物が得られる。また、ヘキサメチレンテトラミ
ンまたはレゾール化合物と本発明のフェノール樹脂を含
有する成形材料は、同様に可撓性に優れるため、作業性
や硬化性は申し分なく、この結果、耐熱性、耐酸化安定
性、耐湿性、機械的強度等の優れた成形硬化物を得るこ
とができる。本発明のフェノール樹脂の構造の概略を図
示すると、例えば、環状テルペン化合物としてリモネン
を用いてフェノールと反応させたものは式(II)(化
4)で表される化合物を主成分とし、環状化合物として
テルピネンを用いたものは式(III)(化4)で表される
化合物を主成分とするものである。
【0011】
【化4】
【0012】環状テルペン化合物とフェノールとの反応
において、フェノールの置換をうける位置は、いずれの
場合も、大部分が水酸基に対してパラ位であり、水酸基
の反応性を低下させるようなターシャリー型の立体障害
基はオルソ位にほとんど存在しないのが特徴である。つ
ぎに、このような化合物に前記一般式(I)で表される
アラルキル化合物を反応させると、フェノールのオルソ
位にキシリレン基が優先的に結合し、これを式(II)の
化合物で例示すると、式(IV)(化5)、式(V)(化
6)、式(VI)(化7)のような結合様式を持つフェノ
ール樹脂構造となる。
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】この場合、オルソ位のキシリレン基は厳密
に見ればメチレン基であり、したがって、立体障害効果
が極めて小さいので水酸基の反応性を低下させない。
又、本発明のフェノール樹脂を製造する方法で、式(I
I)、式(III)の化合物に加えて、未反応のフェノール
を一定量存在させてアラルキル化合物と反応させるとキ
シリレン基の末端にフェノール類が存在した樹脂構造の
ものが得られる。このような構造では、溶融粘度が低く
なる傾向にあり、作業性が良好となる。
【0017】次に、本発明のフェノール樹脂を製造する
具体的な方法を説明する。本発明の製造方法は、環状テ
ルペン化合物にフェノール類を付加させてポリフェノー
ルを製造する第1段の反応と、得られたポリフェノール
とアラルキル化合物を縮合させる第2段の反応とからな
る。第1段の反応で使用されるフェノール類としては、
具体的には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾ
ール、o−エチルフェノール、o−プロピルフェノー
ル、o−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、
o−シクロヘキシルフェノール、α−ナフトール、β−
ナフトール等が挙げられる。これらのうち、特に好まし
いものは、フェノール、o−クレゾールである。これら
は単独で用いても良く、併用してもよい。また、環状テ
ルペン化合物としては、例えば、リモネン、テルピノー
レン、テルピネン等のメンタジエン類、テルピネオール
等が挙げられ、これらの各種異性体および/または混合
物が使用される。
【0018】第1段の反応では、環状テルペン化合物1
モルに対し、フェノール類を好ましくは2モル以上用い
て反応を行うが、2モル以下で行っても物性面の許容範
囲内であれば何ら問題とはならない。特に好ましいフェ
ノール類の使用量は、2〜5モルの範囲である。この第
一段の工程では、反応は、酸触媒の存在下で反応温度40
〜 160℃の範囲、反応時間1〜10時間で行われる。酸触
媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸等の無機酸や有機スルホン酸の
他、三フッ化ホウ素若しくはその錯体、トリフルオロメ
タンスルホン酸、ヘテロポリ酸等の超強酸、活性白土、
合成ゼオライト、スルホン酸型イオン交換樹脂、パーフ
ルオロアルカンスルホン酸型イオン交換樹脂等の固体酸
触媒が使用できる。これらの触媒の使用量はそれぞれの
酸強度によって異なるが、通常は、原料に対し 0.001wt
%〜 100wt%の範囲で使用される。これらの範囲で均一
系となるような触媒は比較的小量の使用で有効であり、
例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸、三フッ化ホウ素触媒は好ましく多用されるが、こ
れらは通常 0.001〜5wt%の範囲で十分である。不均一
系のイオン交換樹脂や活性白土等は、1〜 100wt%の範
囲を選択して反応を行うのが好都合である。この第1段
の反応では、反応に不活性な溶媒を使用してもよいが、
通常は無溶媒で行われる。
【0019】本発明のフェノール樹脂の製造方法におい
て、第1段の反応終了後、第2段の反応に移行する場
合、未反応のフェノール類を回収除去し、その残査に式
(I)のアラルキル化合物を加えて反応を行う方法と、
未反応のフェノール類を残存させたままアラルキル化合
物を加えて反応を行う方法の2通りがあり、得られるフ
ェノール樹脂の要求性能に応じて適宜選択される。ま
た、これらの方法で得られる環状テルペン化合物1分子
に対してフェノール類2分子から成るビスフェノール化
合物を単離して、それを用いてアラルキル化合物と反応
させ、本発明のフェノール樹脂を得る方法も推奨でき
る。
【0020】この第2段の反応で使用される一般式
(I)で表されるアラルキル化合物において、Xはハロ
ゲン原子、水酸基または炭素数1〜4のアルコキシ基で
ある。これらを具体的に例示すれば、α, α' −ジクロ
ロ−p−キシレン、α, α' −ジクロロ−m−キシレ
ン、α, α' −ジクロロ−o−キシレン、α, α' −ジ
ヒドロキシ−p−キシレン、α, α' −ジヒドロキシ−
m−キシレン、α, α' −ジヒドロキシ−o−キシレ
ン、α, α' −ジメトキシ−p−キシレン、α, α' −
ジメトキシ−m−キシレン、α, α' −ジエトキシ−p
−キシレン、α, α' −ジイソプロポキシ−m−キシレ
ン、α, α' −ジ−n−ブトキシ−p−キシレン等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併
用して用いても何ら差し支えない。これらのうち、本発
明の方法で好ましく多用されるアラルキル化合物は、
α, α' −ジクロロ−p−キシレン、α, α' −ジヒド
ロキシ−p−キシレンおよびα, α' −ジメトキシ−p
−キシレンである。
【0021】これらのアラルキル化合物と前記第1段の
反応で得られたフェノール化合物(ポリフェノール)を
反応させる場合、触媒は第1段で使用した触媒をそのま
ま継続して使用することができる。また、未反応原料を
除去する際に触媒も回収されるケースでは、同種又は別
種の前記触媒を添加して実施する方法が採られる。な
お、一般式(I)のアラルキル化合物でXがハロゲン原
子の場合は、特に触媒を用いなくても反応は進行するた
め、新たに触媒を添加しないでそのまま反応を継続実施
することができる。この第2段の反応では、反応に不活
性な溶媒を使用してもよいが、通常は無溶媒で行われ
る。反応温度は50〜 180℃の範囲、好ましくは 100〜 1
60℃の範囲であり、反応時間は1〜10時間である。反応
終了後、未反応原料のフェノール類がまだ残存する場合
は、減圧留去等の方法で除去し、また、必要により酸触
媒を除去する場合は、水洗等の方法により行えば良い。
本発明のフェノール樹脂は、その平均分子量が 400〜50
00の範囲にあり、軟化点が50〜 150℃の範囲のものであ
る。
【0022】つぎに、エポキシ樹脂組成物および半導体
装置について述べる。本発明のエポキシ樹脂組成物で
は、硬化剤(B)として、前記した本発明のフェノール
樹脂を含む硬化剤を使用する。この場合、本発明のフェ
ノール樹脂の割合は、硬化剤全体の15重量%以上、好ま
しくは30重量%以上あればよく、その他は通常のエポキ
シ樹脂用硬化剤を併用することができる。併用される硬
化剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシ
レノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールFなどのフェノール類とホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベ
ンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等を、酸性触媒存
在下で縮合反応させて得られるノボラック型フェノール
樹脂、フェノール、ナフトール等のキシリレン結合によ
るアラルキル樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン
樹脂などがあり、これらは単独で、又は二種以上併用し
てもよい。
【0023】本発明において用いられる(A)成分であ
る1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂としては、エポキシ樹脂として一般に使用されている
ものであればよく、このようなエポキシ樹脂としては、
例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂を始めとするフェノ
ール類とアルデヒド類から得られるノボラック樹脂をエ
ポキシ化したもの、フェノール、ナフトール類のキシリ
レン結合によるアラルキル樹脂のエポキシ化物、フェノ
ール−ジシクロペンタジエン樹脂のエポキシ化物、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、
チオジフェノール、ビフェノール、置換ビフェノール、
ジヒドロキシナフタレンなとのジグリシジルエーテル、
フタル酸、ダイマー酸などの多塩基酸とエピクロルヒド
リンの反応によって得られるグリシジルエステル型エポ
キシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェ
ニルスルホン、イソシアヌル酸などのポリアミンとエピ
クロルヒドリンの反応によって得られるグリシジルアミ
ン型エポキシ樹脂などがあり、これらを適宜何種類でも
併用することもできる。エポキシ化合物と全硬化剤との
当量比は、特に限定はされないが、 0.5〜 1.5が好まし
い。
【0024】半導体封止用エポキシ樹脂組成物では、無
機充填剤(C)を必須成分として使用する。この無機充
填剤の使用量は、全エポキシ樹脂組成物の50重量%以上
であるが、耐湿性や機械的強度向上の点から70重量%以
上が特に好ましい。無機充填剤としては、シリカ、アル
ミナ、窒化珪素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイト
等の粉体、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維体が例示
される。これらの中で熱膨張率と熱伝導率の点から、結
晶性シリカおよび/または溶融性シリカが好ましい。更
に、樹脂組成物の成形時の流動性を考えると、その形状
は球形、または球形と不定型の混合物が好ましい。
【0025】本発明において、樹脂組成物を硬化させる
にあたっては、硬化促進剤を使用することが望ましい。
かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、
2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール等のイミダゾール類、トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等
のアミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類、
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテ
トラフェニルボロン類、 1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7−およびその誘導体がある。これらの
硬化促進剤は、単独で用いても、2種類以上併用しても
よく、また、これら硬化促進剤の配合は、エポキシ化物
またはエポキシ化合物および硬化剤の合計量 100重量部
に対して0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
機械的強度、耐熱性の点から各種の添加剤をも配合する
ことが望ましい。すなわち、樹脂と無機充填剤との接着
性向上の目的でカップリング剤を併用することが好まし
く、かかるカップリング剤としては、シラン系、チタネ
ート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等
のカップリング剤が使用できる。その中でも、シラン系
カップリング剤が好ましく、特にエポキシ樹脂と反応す
る官能基を有するシラン系カップリング剤が最も好まし
い。かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−( 3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン等を挙げることができ、これらを単独、あるいは併用
して使用することができる。これらのシラン系カップリ
ング剤は、予め無機充填剤の表面に吸着、あるいは反応
により固定化されているのが好ましい。
【0027】また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には、内部応力の低減のためにシリコーン化合物
を加えてもよい。このシリコーン化合物としては特開平
4−155940で開示されたような末端および分岐末端にア
ミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基またはシク
ロヘキセンオキサイド基を有するポリシロキサン類が挙
げられる。このようなシリコーン化合物の添加量は、全
組成物に対して多くても5重量%であり、通常は 0.5〜
3重量%の範囲である。更に、本発明の樹脂組成物に
は、上記各成分の他、必要に応じて、脂肪酸、脂肪酸
塩、ワッスクなどの離型剤、ブロム化物、アンチモン、
リン等の難燃剤、カーボンブラック等の着色剤等を配合
し、混合、混練してIC封止用の成形材料とすることが
できる。
【0028】本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導
体素子の封止を行う方法は、特に限定されるものではな
く、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法
によって行うことができる。このような方法によって得
られる半導体装置は、半田浸漬時における優れた耐クラ
ック性を有し、高集積度ICとして長期に亘る使用で安
定であり、そのため高信頼性が得られる。つぎに、この
フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンおよび/ま
たはレゾール化物から成る成形材組成物とその硬化物に
ついて述べる。これらは本発明のフェノール樹脂を必須
成分とし、必要により、他のフェノール樹脂と併用して
もよく、硬化成分のヘキサメチレンテトラミンおよび/
またはレゾール化物の他に、必要により、無機充填剤、
有機充填剤、硬化促進剤、顔料、潤滑剤、防錆剤、安定
剤等を添加する。本発明のフェノール樹脂と併用する他
のフェノール樹脂としては、例えば、フェノール、クレ
ゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビス
フェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類と、
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアル
デヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等を酸
性触媒存在下で縮合反応させて得られるノボラック型フ
ェノール樹脂、フェノール、ナフトール等のキシリレン
結合によるアラルキル樹脂、フェノールジシクロペンタ
ジエン樹脂等があり、これらは単独で、または2種以上
併用してもよい。
【0029】硬化成分としては、ヘキサメチレンテトラ
ミンまたはレゾール化物が使用される。ヘキサメチレン
テトラミンの場合は、通常全樹脂に対して2〜18重量%
の量で使用される。レゾール化物では使用量のいかんに
かかわらず、すべて硬化物を与えるので特にはっきりし
た使用割合の制限は受けない。しかしながら、硬化物の
物性的特徴を明らかにする意味からも本発明のフェノー
ル樹脂に対して30〜 500重量%の範囲が適当である。レ
ゾール化物としては、一般に知られているフェノール系
レゾール樹脂、例えば、レゾールノボラック、ジメチロ
ール化フェノール化合物、ビスフェノールのレゾール化
物、フェノールアラルキル樹脂のレゾール化物、フェノ
ール−ジシクロペンタジエン樹脂のレゾール化物等であ
り、また、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類
のレゾール化物が挙げられる。ここでいうレゾールの意
味は、アルカリ性触媒または酸性触媒の存在下で、ホル
マリン、ヘキサミン等を用いて反応させたメチロール化
物またはメチレン結合、ジメチレンエーテル結合、メチ
ロール基、メチレンオキシメチロール基等の混合系から
成る物である。
【0030】本発明の成形材料には無機および/または
有機の充填剤を用いる。これらは、例えば、アスベスト
雲母、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、金属繊
維、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、木粉、木炭、カオリン、ク
レー、珪藻土マイカ、カーボンブラック等である。これ
らの充填剤と樹脂成分の割合は、通常 0.3〜6対1の重
量比である。また、本発明の成形材料には上記各成分の
他、硬化促進剤、顔料、潤滑剤、防錆剤、安定剤、難燃
剤、帯電防止剤等、目的に応じて適宜使用することがで
きる。本発明の成形材料は、上記各成分をもとに、ロー
ルミルにより80〜 140℃程度で配合、混練して成形材料
とすることができる。このようにして得られた成形材料
は、圧縮、押出し等の方法により成形し、硬化物を得る
ことができる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 実施例1 温度計、攪拌機を備えた反応フラスコに、フェノール 3
76g(4モル)と触媒のスルホン酸型イオン交換樹脂
(レバチットK2611:バイエル社製)51.2gを装入し、
攪拌しながら、内温を70〜75℃に保った。これに、リモ
ネン 136.2g(1モル)を3時間かけて滴下した。この
のち、同温度で熟成を5時間行って反応を終了した。つ
ぎに、この反応液を熱濾過して触媒を除き、微量の遊離
スルホン酸を1%水酸化バリウム水溶液3gを加えて中
和後、真空下で未反応フェノール等を留去させた。得ら
れた残査は、高速液体クロマトグラフィー(GPC)分
析の結果、前記式(II)のビスフェノール化合物を90Ar
ea%含む淡黄色透明な樹脂状物 310gであった。つぎ
に、この樹脂状物を加熱溶融し、 140〜 150℃に保ち、
α, α' −ジクロロ−p−キシレン43.8g(0.25モル)
を徐々に加えた。発生する塩化水素ガスを系外でトラッ
プに吸収させながら1時間で加え、こののち、同温度で
2時間熟成を行って反応を終了した。反応終了後、アス
ピレーターの減圧下で脱ガスを行ったのち排出し、放冷
したところ固化した。得られた淡黄色透明な樹脂の収量
は 335gであり、環球法軟化点測定装置(JIS−K−
2548)による軟化点は 102℃、平均分子量は 560、IC
I溶融粘度( 150℃)は 7.8 Poiseで、水酸基当量は 1
81g/eqであった。
【0032】実施例2 フェノール 282g(3モル)に対し、触媒にトリフルオ
ロメタンスルホン酸1gを用い、α−テルピネン 136.2
g(1モル)を反応させた。滴下は45〜50℃で5時間で
行い、熟成は同温度で5時間行った。反応終了後、ただ
ちに 120℃まで昇温し、これにα, α' −ジメトキシ−
p−キシレン 131.3g(0.75モル)を1時間で滴下し
た。こののち 140〜 150℃で3時間熟成を行って、第2
段の反応を完了した。ひきつづき同温度で減圧にしなが
ら、未反応フェノールを回収し、熱時に排出した。得ら
れた樹脂の収量は 440gであり、軟化点は88℃、平均分
子量は 980、ICI溶融粘度( 150℃)は 6.2 poise
で、水酸基当量は 186g/eqであった。
【0033】実施例3 実施例1において、フェノールの代わりにo−クレゾー
ル 324g(3モル)を用い、リモネンの代わりにテルピ
ノーレン 136.2g(1モル)を用いた以外は、実施例1
と同様に第1段の反応および第2段の反応を行った。収
量 339gで軟化点91℃、平均分子量 640、ICI溶融粘
度( 150℃)は 4.8 poiseで、水酸基当量は 192g/eq
であった。 実施例4 実施例2において、α, α' −ジメトキシ−p−キシレ
ン 131.3g(0.75モル)の代わりにα, α−ジヒドロキ
シ−p−キシレン 158.7g(1.15モル)を用いた以外
は、実施例2と同様に反応を行って、平均分子量2800、
軟化点 138℃の淡黄色透明な樹脂 512gを得た。 実施例5 前記式(II)で表されるテルペンジフェノール(ヤスハ
ラケミカル(株)製:YP−90) 324gを加熱溶融さ
せ、内温を 120℃に保った。これにα, α' −ジクロロ
−m−キシレン52.5g( 0.3モル)を2時間かけて滴
下、装入した。こののち内温を 140〜 150℃に保ち、3
時間熟成を行って反応を終了した。熱時に排出して得ら
れた淡黄色透明な樹脂の収量は 356gで、軟化点86℃、
平均分子量 510、ICI溶融粘度 4.2 poiseで、水酸基
当量は 179g/eqであった。
【0034】実施例6〜9 実施例1、2、3および5で製造したフェノール樹脂に
対して、エポキシ樹脂として、o−クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂(EOCN−102S、日本化薬製)または、
4,4'−ジヒドロキシ−3,3',5,5' −テトラメチルビフェ
ニルのジグリシジルエーテル(YX−4000H :油化シェル
エポキシ製)と各種添加物を表1(表1、表2)に示す
割合(重量部)で配合し、その混合物を注型加工して得
られる硬化物の物性を測定した。物性測定用の試験片は
トランスファ成形( 180℃、30kg/cm2 、3min )によ
り成形した。また、同様の配合の混合物を用いて、フラ
ットパッケージ型半導体装置用リードフレームの素子搭
載部に、試験用素子(10mm×10mm角)を搭載した後、ト
ランスファー成形( 180℃、30kg/cm2 、3min )によ
り、試験用半導体装置を得た。この試験用半導体装置を
用いて、V.P.Sテスト(クラック発生テスト)を行
った。結果を表1に示した。
【0035】比較例1 エポキシ樹脂としてo−クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(EOCN−102S)を用い、硬化剤としてフェノール
ノボラック樹脂(BRG #558)を用い、実施例6〜9と同
様にして硬化物を得た。得られた硬化物の物性を測定し
た結果を表1に示した。
【0036】表1で用いた記号、物質および測定法を下
記に示す。 ・EOCN−102S;o−クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂(日本化薬製)エポキシ当量 214g/eq ・YX−4000H ;ビフェニル型エポキシ樹脂(油化シェル
エポキシ製)エポキシ当量 190g/eq ・BRG #558 ;フェノールノポラック樹脂(昭和高分子
製)OH価 104g/eq ・C11Z ;ウンデシルイミダゾール(四国ファイン
ケミカル製) ・無機充填剤;球形溶融シリカ(ハリミックS−CO
(株)マイクロン製)50重量部と不定型溶融シリカ(ヒ
ューズレックスRD−8、(株)龍森製)50重量部の混合
物 ・シランカップリング剤;(SZ−6083、東レダウコーニ
ングシリコーン製) ・ガラス転移温度;TMA 法(島津、TMA −システムDT−
30で測定) ・曲げ強度、弾性率;JIS K-6911 ・煮沸吸水率;100 ℃で沸騰水中で2時間煮沸後の重量
増加を測定 ・V.P.S テスト;試験用の半導体装置を65℃、95%の恒
温恒湿槽に 168時間放置した後、直ちに 240℃のフロナ
ート液(住友スリーエム製、FC−70)に投入し、パッケ
ージ樹脂のクラックが発生した半導体の数を数えた。試
験値を分数で示し、分子はクラックの発生した半導体装
置の数、分母は試験に供した半導体装置の数である。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例10、11、比較例2 実施例4で得られたフェノール樹脂、および、比較とし
てフェノールノボラック樹脂#2000(昭和高分子製)を
用い、充填剤、硬化剤、その他の添加剤を表2(表3)
に示す割合(重量部)で加え、ロール混練して成形材用
組成物を得た。尚、硬化剤としては、ヘキサメチレンテ
トラミンの他、レゾール型フェノール樹脂(大日本イン
キ化学、TD−2040C、固型分 100%)を用いた。混練は
少量のアセトンを加え 120℃で5分間行った。得られた
組成物を 190℃で5分間圧縮成形し、物性評価用の試験
片を得た。試験片は(220℃/4Hr +250 ℃/4Hr )の条
件で、ポストキュアを行って試験に供した。下記の評価
試験で評価した結果を表2に示した。 ・評価試験 (1)吸湿率(吸水率) フェノール樹脂成形品を 120℃、2気圧の水蒸気中に所
定の時間保持し、成形品の重量の変化率を評価した。2
4、48、 144時間それぞれ保持したときの重量増加率を
吸水率として示した。 (2)機械的強度および熱時強度 JIS-K-6911に準じて 200℃および 250℃における曲げ試
験を行い、曲げ強さを測定した。 (3)長期耐熱性 フェノール樹脂成形品を 270℃のギアオーブン中にそれ
ぞれ 144時間、 312時間保った後、室温においてJIS-K-
6911に準じて曲げ強さを測定した。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明は、脂環式連結基と熱的に安定な
キシリレン結合をもつ新規なフェノール樹脂、およびそ
の製造方法、並びにその用途に関するものである。本発
明のフェノール樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物、お
よび耐熱性成形材料は、熱的、機械的性質に優れ、ま
た、耐湿性にも優れるため、それぞれの用途で信頼性の
高い装置や成形物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 63/00 C08L 63/00 B 65/00 65/00 (56)参考文献 特開 平5−59160(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/00 - 59/72 C08G 61/02

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性触媒の存在下、環状テルペン化合物
    1モルに対し、フェノール類を2〜5モルの範囲で存在
    させて反応を行った後、引き続き一般式(I)(化1)
    で表されるアラルキル化合物 0.1〜 3.5モルを反応させ
    ることを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。 【化1】 (式中、Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
    ルコキシ基を示す)
  2. 【請求項2】 酸性触媒の存在下、環状テルペン化合物
    1モルに対し、フェノール類を2〜5モルの範囲で存在
    させて反応を行った後、未反応フェノールを回収除去し
    て得られるポリフェノールに、一般式(I)(化2)で
    表されるアラルキル化合物 0.1〜0.95モルを反応させる
    ことを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂の製造
    方法。 【化2】 (式中、Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
    ルコキシ基を示す)
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の方法で製
    造される平均分子量が 400〜5000、軟化点が50〜 150℃
    であるフェノール樹脂。
  4. 【請求項4】 (A)一分子中に2個以上のエポキシ基
    を有するエポキシ樹脂と、(B)請求項3記載のフェノ
    ール樹脂を含む硬化剤を含有して成るエポキシ樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 (A)一分子中に2個以上のエポキシ基
    を有するエポキシ樹脂と、(B)請求項3記載のフェノ
    ール樹脂を含む硬化剤と、(C)(A)、(B)成分に
    対し、50重量%以上の無機充填材を含有して成る半導体
    封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5記載のエポキシ
    樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のエポキシ樹脂組成物を硬
    化させて得られる硬化物により封止された半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項3記載のフェノール樹脂 100重量
    部に対し、無機および/または有機の充填材 100〜 650
    重量部、ヘキサメチレンテトラミン5〜20重量部を含有
    して成る成形材料。
  9. 【請求項9】 請求項3記載のフェノール樹脂 100重量
    部に対し、無機および/または有機の充填材 100〜2000
    重量部、レゾール樹脂30〜 300重量部を含有して成る成
    形材料。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9記載の成形材
    料から得られる成形硬化物。
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