JPH09296020A - フェノール樹脂の製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

フェノール樹脂の製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物

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JPH09296020A
JPH09296020A JP11354396A JP11354396A JPH09296020A JP H09296020 A JPH09296020 A JP H09296020A JP 11354396 A JP11354396 A JP 11354396A JP 11354396 A JP11354396 A JP 11354396A JP H09296020 A JPH09296020 A JP H09296020A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂硬化剤として有用なフェノール
樹脂の製造方法の提供、耐熱性と低応力性に優れた硬化
物を与えるエポキシ樹脂硬化剤の提供、及び耐熱性と低
吸湿性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物の提
供。 【解決手段】 (a)フェノール性水酸基当量180〜
300g/eq.且つ数平均分子量250〜600を有
するテルペンフェノール樹脂及び必要に応じて(b)フ
ェノール性水酸基当量90〜200g/eq.を有する
他のフェノール化合物とアルデヒド類とを酸性触媒の存
在下で縮合反応させること、及び前記方法により製造さ
れたフェノール性水酸基当量150〜300g/eq.
を有するフェノール樹脂からなるエポキシ樹脂硬化剤、
並びに該硬化剤を必須成分として配合してなるエポキシ
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール樹脂の
製造方法、エポキシ樹脂硬化剤、及びエポキシ樹脂組成
物に関する。詳しくは、本発明は特定のテルペンフェノ
ール樹脂及び必要に応じて他のフェノール化合物とアル
デヒド類とを酸性触媒により縮合させるフェノール樹脂
の製造方法、得られたフェノール樹脂からなるエポキシ
樹脂硬化剤、及び該硬化剤を配合してなるエポキシ樹脂
組成物に関する。本発明により得られたフェノール樹脂
は、エポキシ樹脂硬化剤として耐熱性及び低応力性に優
れた硬化物を与えるので、特に半導体封止用に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は、接着、封止、積層、
成型、塗装等の広い分野で使用されており、エポキシ樹
脂硬化剤としても広く使用されている。また、エポキシ
樹脂は、その優れた硬化物性や取扱いの容易さから、接
着、注型、封止、積層、成型、塗装等の広い分野で使用
されている。エポキシ樹脂には、多くの種類の硬化剤が
使用でき、その硬化剤の選択により硬化物性が大きく変
わるため、使用分野目的に応じて使い分けられている。
【0003】近年、高分子材料の使用条件が苛酷になる
に従って、高分子材料に対して要求される諸特性は厳し
くなり、一般に用いられている各種の硬化剤では、要求
特性を充分に満足できなくなって来た。例えば、ノボラ
ック型フェノール樹脂を硬化剤とするエポキシ樹脂組成
物は、半導体封止用に用いられているが、この分野で
も、要求性能は、厳しくなっている。即ち、半導体装置
の高集積化が進み、半導体素子の著しい大型化と共に、
パッケージそのものが小型化、薄型化している。また、
半導体装置の実装も表面実装へと移行しており、表面実
装においては半導体装置がハンダ浴に直接浸漬され、高
温に晒されるため、吸湿された水分の急速な膨張によ
り、パッケージ全体に大きな応力が掛かり、封止材にク
ラックが入る。そのために、耐ハンダクラック性の良好
な封止材用のエポキシ樹脂と硬化剤には、高い耐熱性
(即ち高いガラス転移温度)と低吸湿性が要求される。
【0004】現在この分野に主として用いられているフ
ェノールノボラック樹脂硬化剤では、耐熱性及び低吸湿
性とも充分なものとは言えなくなった。これらの問題を
解決するために、特開平4−26642号公報には、環
状テルペン化合物一分子にフェノール類を約二分子の割
合で付加させてなる環状テルペン骨格含有多価フェノー
ル系化合物、又はその化合物とアルデヒド類及び/又は
ケトン類との縮合反応で得られた高分子量化環状テルペ
ン骨格含有多価フェノール系化合物を硬化剤として用い
ることにより、低吸湿性を改良することが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報で得られたフェノール系化合物については、フェノー
ル性水酸基当量が160ないし180未満g/eq.で
あるため、低吸湿性が充分ではなかった。また、耐熱性
に優れた硬化物を得るために三官能性又は四官能性のフ
ェノール樹脂を硬化剤として用いることも試みられてい
るが、得られた硬化物は、耐熱性には優れるが、低吸湿
性に劣るという欠点があった。本発明の課題は、エポキ
シ樹脂硬化剤として有用なフェノール樹脂の製造方法を
提供すること、及び耐熱性と低応力性に優れた硬化物を
与えるエポキシ樹脂硬化剤を提供すること、並びに、そ
のエポキシ樹脂硬化剤を使用した耐熱性及び低吸湿性に
優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記の課
題を解決するために種々研究を重ねた結果、フェノール
性水酸基当量及び分子量を特定したテルペンフェノール
樹脂及び必要に応じてその他のフェノール化合物とアル
デヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合反応させることに
より、特定のフェノール樹脂を得、そのフェノール樹脂
を硬化剤として使用することにより耐熱性及び低吸湿性
に優れたエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し、
本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、 1.(a)フェノール性水酸基当量180〜300g/
eq.且つ数平均分子量250〜600を有するテルペ
ンフェノール樹脂及び必要に応じて(b)フェノール性
水酸基当量90〜200g/eq.を有する他のフェノ
ール化合物とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で縮合
反応させることを特徴とするフェノール樹脂の製造方
法、 2.1項に記載の製造方法により製造されたフェノール
性水酸基当量が150〜300g/eq.を有するフェ
ノール樹脂からなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化
剤、 3.2項に記載のエポキシ樹脂硬化剤を必須成分として
配合してなるエポキシ樹脂組成物、である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【発明の実施の形態】
(1) フェノール樹脂の製造方法 本発明のフェノール樹脂は、(a)フェノール性水酸基
当量180〜300g/eq.且つ数平均分子量250
〜600を有するテルペンフェノール樹脂及び必要に応
じて(b)フェノール性水酸基当量90〜200g/e
q.を有する他のフェノール化合物とアルデヒド類とを
酸性触媒の存在下で縮合反応させることにより製造され
る。
【0009】原料フェノール成分の一つである(a)成
分のテルペンフェノール樹脂は、酸性触媒の存在下でテ
ルペン化合物をフェノール化合物に付加させて製造され
る。原料テルペン化合物としては、テルペン炭化水素、
テルペンアルコール、テルペンアルデヒド等が挙げられ
るが、この中でもリモネン、ジペンテン、テルピノーレ
ン、ピネン、テルピネン、メンタジエン等の環状テルペ
ンが好ましい。また、原料フェノール化合物としては、
フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノ
ール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ブチル
クレゾール、フェニルフェノール、ベンジルフェノー
ル、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールA、フェノールノボラック樹
脂、クレゾールノボラック樹脂等が挙げられるが、この
中でもフェノール、ビスフェノールAが好ましい。
【0010】テルペン化合物とフェノール化合物との付
加反応は、テルペン化合物1モルに対し、フェノール化
合物を1〜10モル、好ましくは1.5〜6モル使用
し、酸性触媒の存在下で40〜160℃の温度で1〜1
0時間行う。その酸性触媒としては、塩酸、硫酸、燐
酸、ポリ燐酸、三弗化硼素若しくはその錯体、活性白土
等が挙げられる。その触媒は、通常テルペン化合物とフ
ェノール化合物の合計量に対して、1.5〜6重量%使
用する。
【0011】反応溶媒は使用しなくてもよいが、通常は
芳香族炭化水素、アルコール類、エーテル類等の溶媒が
用いられる。得られたテルペンフェノール樹脂の中、フ
ェノール性水酸基当量180〜300g/eq.且つ数
平均分子量250〜600のものが好ましく、この中、
上記環状テルペン化合物とフェノールとの反応で得られ
たフェノール性水酸基当量190〜250g/eq.、
且つ数平均分子量250〜500の樹脂が特に好まし
い。
【0012】なお、本発明においては、フェノール性水
酸基当量は、JIS K0070に示されるアセチル化
法により、また、数平均分子量は、標準ポリスチレン検
量線によるGPC法により測定した。目的の性状(フェ
ノール性水酸基当量及び数平均分子量)のテルペンフェ
ノール樹脂を得るためには、フェノール化合物とテルペ
ン化合物の使用比率や反応条件等を調整することが必要
である。また、製造後の樹脂を混合、蒸留、抽出、再結
晶等の方法で処理して、目的の性状にしてもよい。更
に、ヤスハラケミカル社から市販されているYP90J
又はYP90L等がこの目的に使用できる。
【0013】次に、本発明のフェノール樹脂を製造する
ために、フェノール化合物(前記(a)成分及び必要に
応じて(b)成分)とアルデヒド類とを酸性触媒の存在
下で縮合反応させる。この際、用いられる(b)成分の
その他のフェノール化合物は、性状や硬化特性の調整等
のために、必要に応じて用いられ、(a)成分とは異な
る構造を持ち、フェノール性水酸基当量が90〜200
g/eq.であれば、特に指定はなく、その目的に応じ
て選択されるが、例えばフェノール、クレゾール、キシ
レノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブ
チルフェノール、ブチルクレゾール、フェニルフェノー
ル、ベンジルフェノール、メトキシフェノール、ブロモ
フェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、フ
ェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、
ビスフェノールAノボラック樹脂、フェノールアラルキ
ル樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂等が挙げ
られる。この中でも、フェノール、ビスフェノールA又
はフェノールノボラック樹脂が好ましい。
【0014】(a)成分と(b)成分の使用割合は、使
用目的等により調整されるが、通常、(a)成分と
(b)成分の合計100重量部に対し、(a)成分50
〜100重量部、(b)成分0〜50重量部であり、好
ましくは、(a)成分60〜90重量部、(b)成分1
0〜40重量部である。なお、(a)成分と(b)成分
とは、混合物として仕込むのが好ましいが、成分の一部
を反応中に仕込んでも差支えない。
【0015】また、これら(a)成分及び(b)成分と
反応させるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアル
デヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒ
ド、シンナムアルデヒド、グリオキザール、グルタルア
ルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。この
中、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズ
アルデヒドが好ましい。
【0016】(a)成分及び(b)成分とアルデヒド類
との縮合反応においては、通常のノボラック化反応の方
法が用いられる。この縮合反応におけるフェノール化合
物とアルデヒド類との反応割合は、フェノール化合物1
モルに対してアルデヒド類が0.1〜1.0モル、好ま
しくは0.2〜0.7モルであり、酸性触媒の存在下に
通常40〜200℃、好ましくは60〜120℃の温度
で、通常1〜20時間、好ましくは2〜10時間反応さ
せる。アルデヒド類の反応割合が多くなり過ぎると高分
子量化が著しくなり、耐熱性は向上するが高粘度のため
成形時の取扱い性が悪くなる。また、その反応割合が少
な過ぎると、耐熱性の改良効果が小さくなる。
【0017】その縮合反応用酸性触媒としては、例えば
塩酸、硫酸等の鉱酸類、蓚酸、p−トルエンスルホン
酸、スルファミン酸等の有機酸類、その他酸性を示す有
機酸塩等、通常のノボラック樹脂製造用の酸性触媒が使
用できる。酸性触媒の使用量は、フェノール化合物に対
して通常0.1〜5モル%、好ましくは0.2〜3モル
%である。これより低濃度であると反応速度が低下し、
又、高濃度であると副生物が増加する。なお、縮合反応
においては、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類
等の不活性溶媒を用いることができる。
【0018】(2) エポキシ樹脂硬化剤 本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、本発明の製造方法によ
り製造されたフェノール樹脂からなるものである。この
目的に使用するためには、その製造に当たって、最終的
に得られるフェノール樹脂のフェノール性水酸基当量が
150〜300g/eq.となるように各原料の使用割
合や製造条件等を調整することが好ましい。
【0019】(3) エポキシ樹脂組成物 本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と本発明
のエポキシ樹脂硬化剤を必須成分として配合してなるエ
ポキシ樹脂組成物であるが、このエポキシ樹脂には、特
に指定は無く、一般のエポキシ樹脂を使用することがで
きる。用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、ビス
フェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールA
D、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチル
ハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシ
ン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビ
フェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジ
フェニルエーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾ
ールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹
脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール
ノボラック樹脂等の種々のフェノール類や、種々のフェ
ノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンア
ルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との
縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種のフェ
ノール系化合物と、エピハロヒドリンとから製造される
エポキシ樹脂やジアミノジフェニルメタン、アミノフェ
ノール、キシレンジアミン等の種々のアミン化合物と、
エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、メチ
ルヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸等の種々のカルボ
ン酸類と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ
樹脂等が挙げられる。
【0020】特に本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体
封止用として使用する場合には、その硬化物性等から、
ビフェノール、テトラメチルビフェノール、クレゾール
ノボラック樹脂、テルペンフェノール樹脂、及びジシク
ロペンタジエンフェノール樹脂から選ばれた少なくとも
一種類のフェノール化合物とエピハロヒドリンとから製
造されるエポキシ樹脂が好ましい。
【0021】また、硬化物を難燃化するために使用する
エポキシ樹脂の一部を臭素化エポキシ樹脂とすることが
できる。その臭素化エポキシ樹脂としては、例えば、臭
素化ビスフェノールA又は臭素化フェノールノボラック
樹脂と、エピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹
脂、低分子エポキシ樹脂と臭素化ビスフェノールAとの
反応により製造されるエポキシ樹脂等が挙げられる。ま
た、本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明のエポキ
シ樹脂硬化剤以外の硬化剤を混合使用することができ
る。
【0022】その混合することができる他の硬化剤とし
ては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、
ビスフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メ
チルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノ
ール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノ
ボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシ
クロペンタジエンフェノール樹脂、テルペンフェノール
樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノー
ルA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価
フェノール類や、種々のフェノール類とベンズアルデヒ
ド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒ
ド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反
応で得られる多価フェノール樹脂等の各種のフェノール
樹脂類、これら各種のフェノール(樹脂)類のフェノー
ル性水酸基の全部若しくは一部をベンゾエート化或いは
アセテート化等のエステル化することによって得られる
活性エステル化合物、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、
メチルナジック酸等の酸無水物類、ジエチレントリアミ
ン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド等のア
ミン類等が挙げられる。
【0023】それら他の硬化剤の使用割合は、エポキシ
樹脂硬化剤成分全量に対して50重量%以下が好まし
い。本発明のエポキシ樹脂硬化剤以外の硬化剤の使用割
合が多すぎると、本発明の効果が充分に発揮されなくな
る。本発明のエポキシ樹脂組成物で使用されるエポキシ
樹脂硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂成分中のエポキ
シ基1モルに対して、全エポキシ樹脂硬化剤成分のエポ
キシ基と反応する基の合計が、0.5〜1.5モルとな
る量が好ましく、より好ましくは、0.7〜1.3モル
になる量である。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて無機充填剤、硬化促進剤、カップリング剤、可塑
剤、顔料、溶剤、難燃剤等を適宜に配合することができ
る。その無機充填剤の種類としては、例えば、溶融シリ
カ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウ
ム等が挙げられる。その形状としては、破砕型又は球状
である。各種の無機充填剤は、単独で又は、2種以上混
合して用いられる。本発明のエポキシ樹脂組成物を半導
体封止用として使用する場合には、各種の無機充填剤の
中では溶融シリカ又は結晶性シリカが好ましく、その使
用量は、組成物全体の60〜95重量%である。また、
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる硬化促進剤
は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と硬化剤中の活性基と
の反応を促進する化合物である。
【0025】その硬化促進剤としては、例えば、トリブ
チルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジ
メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプ
ロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィ
ン等のホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウ
ムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホ
スホニウムテトラフェニルボレート等のホスホニウム
塩、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデ
シルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミ
ダゾール、2,4−ジシアノ−6−〔2−メチルイミダ
ゾリル−(1)〕−エチル−S−トリアジン、2,4−
ジシアノ−6−〔2−ウンデシルイミダゾリル−
(1)〕−エチル−S−トリアジン等のイミダゾール
類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム
トリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌ
レート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラ
フェニルボレート、2−エチル−1,4−ジメチルイミ
ダゾリウムテトラフェニルボレート等のイミダゾリウム
塩、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、ベンジルジメチルアミン、テトラメチルブチル
グアニジン、N−メチルピペラジン、2−ジメチルアミ
ノ−1−ピロリン等のアミン類、トリエチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート等のアンモニウム塩、1,5
−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、
1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネン、
1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕−オクタン等の
ジアザビシクロ化合物、これらジアザビシクロ化合物の
テトラフェニルボレート、フェノール塩、フェノールノ
ボラック塩、2−エチルヘキサン酸塩等が挙げられる。
【0026】これらの硬化促進剤となる化合物の中で
は、ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、ジアザビ
シクロ化合物、及びそれらの塩が好ましい。これらの硬
化促進剤は、単独で又は、二種以上混合して用いられ、
その使用量は、全エポキシ樹脂成分に対して、0.1〜
7重量%である。また、難燃助剤として、三酸化アンチ
モン、リン酸等を適宜に配合することができる。
【0027】
【実施例】以下に本発明のフェノール樹脂の製造方法及
び半導体封止用エポキシ樹脂組成物について実施例及び
比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は、そ
の要旨を越えない限り実施例に限定されるものではな
い。 実施例1〜4 (フェノール樹脂の製造方法) 温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量5リットルの
三つ口フラスコに、(a)テルペンフェノール樹脂とし
てヤスハラケミカル社製YP90J又はYP90L、
(b)その他の構造のフェノール化合物としてフェノー
ル又はビスフェノールA、アルデヒド類としてホルムア
ルデヒド又はベンズアルデヒド、反応触媒としてシュウ
酸10g及びメチルイソブチルケトン500gを表1に
示した量仕込み、100℃で5時間保持して反応を行っ
た。続いて、メチルイソブチルケトン1000gを加え
完全に溶解させた。水洗して反応触媒等を除いた後、未
反応のフェノール及びメチルイソブチルケトンを減圧除
去して目的のフェノール樹脂を得た。得られたフェノー
ル樹脂の収量、水酸基当量、及び軟化点を表1に示し
た。
【0028】実施例5〜8及び比較例1〜3 (半導体封
止用エポキシ樹脂組成物) 表2に示したように、エポキシ樹脂として、テトラメチ
ルビフェノール型エポキシ樹脂、又はオルソクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、及び臭素化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤として、実施例
1〜4で製造した各フェノール樹脂、特開平4−266
42号公報に示されたテルペンフェノール樹脂、市販の
三官能型フェノール樹脂、又は市販の一般的なフェノー
ルノボラック樹脂、無機充填剤として溶融シリカ粉末、
硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用い、更に
難燃助剤として三酸化アンチモン、充填剤表面処理剤と
してエポキシシラン、離型剤としてカルナバワックスを
それぞれ用いて、各半導体封止用エポキシ樹脂組成物を
配合した。
【0029】次いで、各配合物をミキシングロールを用
いて70〜130℃の温度で5分間溶融混合した。得ら
れた各溶融混合物はシート状に取出し、粉砕して各成形
材料を得た。これらの各成形材料を用い低圧トランスフ
ァー成形機で金型温度180℃、成形時間180秒で成
形して、各試験片を得、180℃で8時間ポストキュア
ーさせた。各成形材料のポストキュアー後のガラス転移
温度、吸湿率、及び耐ハンダクラック性を試験した結果
は表2に示す通りであり、実施例5〜8の各成形材料
は、比較例1〜3の成形材料に較べて耐熱性及び吸湿率
のバランスに優れており、その結果耐ハンダクラック性
に優れていた。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表2の注 A:テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社商品名エピコートYX4000H、エポ
キシ当量:193) B:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化
シェルエポキシ社商品名 エピコート180S65、エ
ポキシ当量:213) C:特開平4−26642号公報に示されたテルペンフ
ェノール樹脂(油化シェルエポキシ社商品名 エピキュ
アMP402、水酸基当量:174) D:三官能型フェノール樹脂(油化シェルエポキシ社商
品名 エピキュアYL6065、水酸基当量:99) E:フェノールノボラック樹脂(群栄化学社製、水酸基
当量:103、軟化点:85℃) *1:臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シ
ェルエポキシ社商品名エピコート5050、エポキシ当
量:385、臭素含有量:49%) *2:溶融シリカ粉末(龍森社商品名 RD−8) *3:エポキシシラン(信越化学工業社商品名 KBM
403) *4:TMAを用いて熱膨張曲線の転移点より求めた。 *5:85℃、85%RH、168時間後の吸湿率 *6:44ピンFPP16個を85℃、85%RHで1
68時間吸湿後、260℃ハンダ浴に30秒間浸漬し、
クラックが発生した個数を求めた。
【0033】
【発明の効果】本発明のフェノール樹脂の製造方法は、
エポキシ樹脂硬化剤として有用なフェノール樹脂を与え
る。また、本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、耐熱性及び
低応力性に優れた硬化物を与え、更に、そのエポキシ樹
脂硬化剤を使用したエポキシ樹脂組成物は、耐熱性及び
低吸湿性に優れた硬化物を与えるので接着、注型、封
止、積層、成型、塗装等の広い分野、特に半導体封止の
分野で有利に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 義則 三重県四日市市塩浜町1番地 油化シェル エポキシ株式会社開発研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)フェノール性水酸基当量180〜
    300g/eq.且つ数平均分子量250〜600を有
    するテルペンフェノール樹脂及び必要に応じて(b)フ
    ェノール性水酸基当量90〜200g/eq.を有する
    他のフェノール化合物とアルデヒド類とを酸性触媒の存
    在下で縮合反応させることを特徴とするフェノール樹脂
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 原料フェノール成分として(a)成分と
    (b)成分との合計100重量部に対して(a)成分5
    0〜100重量部及び(b)成分0〜50重量部を用い
    る請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料フェノール成分として(a)成分と
    (b)成分との合計100重量部に対して(a)成分6
    0〜90重量部及び(b)成分10〜40重量部を用い
    る請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 (a)成分として、環状テルペン化合物
    とフェノールとの反応により得られたフェノール性水酸
    基当量190〜250g/eq.、且つ数平均分子量2
    50〜500を有する樹脂を用いる請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の製造方法により製造されたフェノール性水酸基当量1
    50〜300g/eq.を有するフェノール樹脂からな
    ることを特徴とするエポキシ樹脂硬化剤。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂、及び請求項5に記載のエ
    ポキシ樹脂硬化剤を必須成分として配合してなるエポキ
    シ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ビフェノール、テトラメチルビフェノー
    ル、クレゾールノボラック樹脂、テルペンフェノール樹
    脂、及びジシクロペンタジエンフェノール樹脂から選ば
    れた少なくとも一種のフェノール化合物とエピハロヒド
    リンとから製造されるエポキシ樹脂、及び請求項5に記
    載のエポキシ樹脂硬化剤を必須成分として配合してなる
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
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CN111978684A (zh) * 2020-09-18 2020-11-24 林州致远电子科技有限公司 一种用于提高中损耗无卤覆铜板韧性的胶液及其制备方法和应用

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