JP3214739B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物Info
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Description
強度、接着性、硬化特性および作業性に優れた有用なエ
ポキシ樹脂組成物に関する。更に詳しくは、注型、積
層、接着、成形等の用途に適し、殊に半導体集積回路
(IC)の封止用成形材料に適した耐湿性、耐熱性、接
着性、機械的強度、硬化特性および作業性に優れた樹脂
組成物に関する。
られてきた硬化剤は数多くある。例えば、ジエチレント
リアミン、イソホロンジアミン、m−キシリレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、 4,4−ジアミノジフェニ
ルスルホン等の脂肪族又は芳香族アミン化合物、無水フ
タル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無
水マレイン酸等の酸無水物、フェノールノボラック等の
フェノール樹脂、その他ポリアミド、変成ポリアミン
類、イミダゾール類等である。しかしながら、これらの
硬化剤を用いて各種エポキシ樹脂を硬化させた場合、得
られるエポキシ樹脂組成物は性能的に一長一短があり、
各利用分野において要求される性能を満足し得るものと
は言い難い。
C回路の封止剤用途に用いられる最も一般的なエポキシ
樹脂用硬化剤であるが、このフェノールノボラック樹脂
を硬化剤として単独で用いた時に得られる硬化組成物
は、耐熱性は比較的高い水準にあるものの、耐湿性に問
題がある。また、 4,4−ジアミノジフェニルスルホンも
同様に、その耐熱性は満足できる水準にあるが、吸水率
がかなり大きなものとなる。近年、耐湿性を改善する目
的で、幾つかの硬化剤が提案されている。例えば、
(a)下記式(II)(化2)で表わされるフェノールア
ラルキル樹脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂組成物(特
開昭59−105018)、(b)下記式(III)(化
2)で表わされるナフトールアラルキル樹脂を硬化剤に
用いるエポキシ樹脂組成物(特開平4−09332
0)、(c)下記式(IV)(化2)で表わされるジシク
ロペンタジエンフェノール樹脂を硬化剤に用いるエポキ
シ樹脂組成物(特開平3−40052)等がある。
いた硬化組成物では、水酸基密度の低下によって、耐湿
性は幾分向上するが、耐熱性や機械的強度が不足する。
(b)、(c)のエポキシ樹脂組成物を用いた硬化組成
物では、剛直なナフタレン骨格またはトリシクロデカン
環を有するために、耐湿性、耐熱性、機械的強度とも高
い水準にあるが、硬化剤としての流動性が不十分であ
る。従って、エポキシ樹脂組成物を得る場合、またはこ
れを用いて注型加工する場合、作業性に問題がある。ま
た、(b)、(c)のエポキシ樹脂組成物では、立体障
害等の作用によって硬化速度が遅いことが問題となって
いる。近年、半導体封止用樹脂組成物においては、成形
サイクル短縮のため、硬化速度を速めることが要求され
ている。このような問題の対応として、一般的な方法で
は硬化促進剤を増加させることが考えられるが、この方
法では、配合、混練時の熱安定性や保存安定性が悪くな
る。したがって、硬化促進剤の増量によらない硬化性の
改良が望まれている。このように、ある性能において高
い水準を得ようとすれば、他のいずれかの性能を犠牲に
してしまうのが現状である。
性、耐熱性、機械的強度、接着性、機械的強度、硬化特
性および作業性等の性能のバランスに優れたエポキシ樹
脂組成物を与える硬化剤を提供することである。
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
ったものである。すなわち、本発明は、エポキシ樹脂お
よび硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物におい
て、硬化剤成分として、(a)ナフトールアラルキル樹
脂又はフェノール−シクロペンタジエン樹脂及び(b)
下記式(I)(化1)で表わされるチオジフェノール類
を含み、かつ、該チオジフェノール類を全硬化剤中5〜
50重量%用いることを特徴とする硬化性、接着性、作
業性に優れたエポキシ樹脂組成物、およびこのエポキシ
樹脂組成物を使用する半導体封止用樹脂組成物に関する
ものである。
炭素数1〜12のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、アルコキシ基または水酸基を表
わす)
を用いた半導体封止用樹脂組成物では、現状の諸性能を
維持しつつ、特に硬化剤としての溶融流動性向上と、こ
れに関連する配合、混練時の作業性の向上および硬化性
の改良が達成できる。
として、前記一般式(I)で表わされるチオジフェノー
ル類と、前記一般式(III)で表されるナフトールアラ
ルキル樹脂又は前記一般式(IV)で表されるフェノール
−シクロペンタジエン樹脂を併用する。これら硬化剤全
体に占めるチオジフェノール類の割合は、5〜50重量
%、好ましくは10〜35重量%である。このチオジフ
ェノール類として、具体的には、ビス−(4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、ビス−(2−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド、2−ヒドロキシフェニル−4’−ヒ
ドロキシフェニルスルフィド、ビス−(ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド混合物、ビス−(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキ
シ−3−エチルフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒ
ドロキシ−3−n−プロピルフェニル)スルフィド、ビ
ス−(4−ヒドロキシ−3− iso−プロピルフェニル)
スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ−3−クロロフェ
ニル)スルフィド、ビス−( 3,4’−ジヒドロキシ
フェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル−3−ブロモフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒ
ドロキシ)−3−ヨードフェニルスルフィド、
シルフェニル)スルフィド、ビス−(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒド
ロキシ− 3,5−ジメチルフェニル)スルフィド、ビス−
(4−ヒドロキシ− 3,5−ジメチルフェニル)スルフィ
ド、ビス−(4−ヒドロキシ− 3,5−ジクロロフェニ
ル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ− 3,5−ジブ
ロモフェニル)スルフィド、ビス−( 3,4,5−トリヒド
ロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ
−3−エチル−5−メチルフェニル)スルフィド、ビス
−(4−ヒドロキシ− 2,5−ジチメルフェニル)スルフ
ィド、ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−エチ
ルフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ−2
−メチル−5− iso−プロピルフェニル)スルフィド、
ビス−(4−ヒドロキシ− 2,3−ジチメルフェニル)ス
ルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ− 2,5−ジエチルフ
ェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ− 2,5−
ジイソプロピルフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒ
ドロキシ− 2,5−ジクロロフェニル)スルフィド、
フェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシ− 2,
3,6−トリメチルフェニル)スルフィド、ビス−( 2,4,
5−トリヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4
−ヒドロキシ−2−シクロヘキシル−5−メチルフェニ
ル)スルフィド、ビス−( 2,3,4−トリヒドロキシフェ
ニル)スルフィド、ビス−(2−tert−ブチル− 4,5−
ジヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒド
ロキシ− 2,5−ジフェニルフェニル)スルフィド、ビス
−(4−ヒドロキシ−2−tert−オクチル−5−メチル
フェニル)スルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−4−
メチルフェニル)スルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)スルフィド、ビス−(2−ヒド
ロキシ−5−エチルフェニル)スルフィド、ビス−(2
−ヒドロキシ−5−n−プロピルフェニル)スルフィ
ド、ビス−(2−ヒドロキシ−5− iso−プロピルフェ
ニル)スルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−5− sec
−ブチルフェニル)スルフィド、ビス−(2−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェニル)スルフィド、
ルフェニル)スルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)スルフィド、ビス−(2−
ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)スルフィド、ビス
−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ス
ルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェニ
ル)スルフィド、ビス−(2−ヒドロキシ−5−α,α
−ジメチルベンジルフェニル)スルフィド、ビス−
(2−ヒドロキシ−5−ドデシルフェニル)スルフィ
ド、ビス−(2−ヒドロキシ−5−ブロモフェニル)ス
ルフィド、ビス−(2,4 −ジヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス−( 2,5−ジヒドロキシフェニル)スルフ
ィド等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。また、これらは二種以上を併用しても何ら差し支え
ない。
らに併用できる公知のエポキシ樹脂用硬化剤としては、
フェノール、クレゾール、キシレノール、ナフトール、
レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、チオジフェノールなどのフェノール類とホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドなどのアル
デヒド類とを、酸性触媒の存在下で縮合反応させて得ら
れるノボラック型フェノール樹脂、フェノール、とアラ
ルキルアルコール誘導体を縮合させて得られるフェノー
ルアラルキル樹脂、フェノール類とテルペン類を縮合さ
せて得られるテルペン−フェノール樹脂等が挙げられ
る。
キシ樹脂中のエポキシ基と全硬化剤中の活性水素の当量
比で、エポキシ基に対し、全硬化剤中の活性水素が0.
5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2の範囲であるこ
とが好ましい。本発明において用いられるエポキシ樹脂
は、1分子中に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹
脂であれば、全てのエポキシ樹脂を使用することができ
る。例えば、 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、 2,2−ビス( 3,5−ジブロム−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノ
ボラック樹脂、 4,4−メチレンジアニリン、フェノール
アラルキル樹脂、レゾルシンアラルキル樹脂、レゾルシ
ン、ハイドロキノン、ビスヒドロキシジフェニルエーテ
ル、ビスヒドロキシビフェニル、そのアルキル置換体、
トリヒドロキシフェニルメタン、テトラヒドロキシフェ
ニルメタン、テトラヒドロキシフェニルエタン、アルカ
ンテトラキスフェノール、ジヒドロキシナフタリンおよ
びその縮合物等の多価フェノール類、レゾールフェノー
ル樹脂等のフェノール樹脂、エチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等の多価アルコール類、エチ
レンジアミン、アニリン、ビス(4−アミノフェニル)
メタン等のアミン類、アジピン類、フタル酸、イソフタ
ル酸等の多価カルボン酸類とエピハロヒドリンとを反応
させて得られるエポキシ樹脂等が使用できる。
必要に応じて、無機充填剤や各種添加剤を配合すること
ができる。使用される無機充填剤としては、シリカ、ア
ルミナ、窒化珪素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイト
等の粉体、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維体が例示
される。これらの中で熱膨張率と熱伝導率の点から、結
晶性シリカおよび/または溶融性シリカが好ましい。さ
らに、樹脂組成物の成形時の流動性を考えるとその形状
は、球形、または球形と不定型の混合物が好ましい。無
機充填剤の配合量は、エポキシ樹脂および硬化剤の総重
量に対して、100〜900重量%であり、好ましくは
200〜600重量%である。
耐熱性の点から、樹脂との接着性に優れたものがよく、
接着性向上の目的で、カップリング剤を併用することが
好ましい。かかるカップリング剤としては、シラン系、
チタネート系、アルミネート系、およびジルコアルミネ
ート系等のカップリング剤が使用できる。その中でも、
シラン系カップリング剤が好ましく、特に、エポキシ樹
脂と反応する官能基を有するシラン系カップリング剤が
最も好ましい。かかるシラン系カップリング剤の例とし
ては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、3−アニリノプロピルト
リメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、2−( 3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等を挙げることができ、これらを単独、あるい
は併用して使用することができる。これらのシラン系カ
ップリング剤は、予め無機充填剤の表面に吸着あるいは
反応により固定化されているのが好ましい。
にあたっては、硬化促進剤を使用することが望ましい。
かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、
2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール等のイミダゾール類、トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等
のアミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類、
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテ
トラフェニルボロン類、 1,8−ジアザ−ビシクロ( 5,
4,0)ウンデセン−7およびその誘導体がある。上記硬
化促進剤は、単独で用いても、また、2種類以上を併用
してもよく、また、これら硬化促進剤の配合は、エポキ
シ樹脂および硬化剤の合計量100重量部に対して、
0.01〜10重量部の範囲で用いられる。本発明のエ
ポキシ樹脂組成物には、上記各成分の他、必要に応じ
て、脂肪酸、脂肪酸塩、ワックス等の離型剤、ブロム化
合物、アンチモン、りん等の難燃剤、カーボンブラック
等の着色剤、各種シリコーンオイル等を配合し、混合、
混練して成形材料とすることができる。
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 合成例1 攪拌器、温度計、ディーンスターク共沸トラップおよび
冷却器を付した反応装置に、α,α’−ジメトキシ−p
−キシレン249g(1.5モル)、β−ナフトール6
48g(4.5モル)およびトリフルオロメタンスルホ
ン酸0.45gを入れ、攪拌を行いながら、150〜1
60℃で4時間反応を行った。生成するメタノールは順
次トラップし、系外へ除去した。反応終了後、未反応ナ
フトールを減圧蒸留により除去し、前記一般式(III)の
構造を持つ465gのβ−ナフトールアラルキル樹脂を
得た。高速液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成は
以下の通りであった。 n=0 51.0% n=1 25.7% n=2 12.7% n≧3 10.6% この樹脂のヒドロキシ当量は、232.5g/eqであ
った。軟化点(JIS−K−2548)は98℃であ
り、ICI溶融粘度(150℃)は10.2ポイズであ
った。
ノール705g(7.5モル)とトリフルオロメタンス
ルホン酸0.9gを入れ、40〜50℃で攪拌を行いな
がら、ジシクロペンタジエン198g(1.5モル)を
3.5時間で滴下した。同温度で1時間攪拌を続けた
後、1時間で140℃まで昇温し、140〜150℃で
3時間反応を行った。反応終了後、未反応フェノールを
減圧蒸留により除去し、一般式(IV)の構造を持つ43
2gのフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂を得た。
高速液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成は以下の
通りであった。 n=0 49.7% n=1 26.5% n=2 10.8% n≧3 13.0% この樹脂のヒドロキシ当量は、173g/eqであっ
た。軟化点は123℃であり、ICI溶融粘度(150
℃)は6.6ポイズであった。
対し、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
スルフィド(mp124〜125℃)20部を溶融混合
し、混合硬化剤を調製した。このものの軟化点は82℃
であり、ICI溶融粘度(150℃)は2.9ポイズで
あった。この混合硬化剤とo−クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂(EOCN−102S)および各種フィラ
ーを表−1(表1)に示す割合で配合し、その混合物を
注型加工して得られる硬化物の物性を測定した。表−1
に結果を示した。
樹脂70部とビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィド(融点151〜152℃)30部を溶融混合し、混
合硬化剤を調製した。このものの軟化点は98℃であ
り、ICI溶融粘度(150℃)は2.3ポイズであっ
た。この混合硬化剤を用いて実施例1と同様に、エポキ
シ樹脂組成物を得、その硬化物の物性を測定した。表−
1に結果を示した。
よび冷却器を付した反応装置に、合成例2で製造したフ
ェノールジシクロペンタジエン樹脂150g、エピクロ
ルヒドリン402.4g(4.35モル)を装入し、攪
拌を行いながら60℃に加熱し、完全に溶解させた。引
き続き攪拌を続けながら、45%水酸化ナトリウム水溶
液85.0gを2時間で滴下した。滴下中、反応温度は
60〜65℃に保ちながら系内を110〜130mmH
gに減圧して、共沸されてくるエピクロルヒドリンは系
内に戻し、水は系外へ除去した。水酸化ナトリウム水溶
液の滴下が終了した後、水の留出がなくなるまで反応を
続けた。反応終了後、室温まで冷却し、副生した無機塩
を濾過した。濾過液からエピクロルヒドリンを減圧蒸留
し、フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂の粗エポキ
シ化物を187.1g得た。この粗エポキシ化物を90
0gのメチルイソブチルケトンに溶解し、5%水酸化ナ
トリウム水溶液50gを加え、60℃において30分間
攪拌した。静置した後下層にくる水層を排出し、有機層
が中性になるまで水で洗浄した後、メチルイソブチルケ
トンを減圧蒸留して除去した。このようにして、フェノ
ール−ジシクロペンタジエン樹脂の精エポキシ樹脂18
2.5gを得た。このもののエポキシ当量は270.7
g/eqであリ、軟化点は88℃であった。
対し、ビス−(2−ヒドロキシ−5−α,α−ジメチル
ベンジルフェニル)スルフィド(融点82〜83℃)1
0部を溶融混合し、混合硬化剤を調製した。このものの
軟化点は91℃であり、ICI溶融粘度(150℃)は
4.6ポイズであった。この混合硬化剤と合成例3で得
られたフェノールジシクロペンタジエン樹脂のエポキシ
化物を表−1に示す割合で配合し、その混合物を注型加
工して得られる硬化物の物性を測定した。結果を表−1
に示した。
フトールアラルキル樹脂を用いて、同様にして得た硬化
物の物性を測定した。表−1に結果を示した。 比較例2 実施例1において、硬化剤として合成例2で得られたフ
ェノールジシクロペンタジエン樹脂を用いて得た硬化物
の物性を測定した。表−1に結果を示した。なお、硬化
物は硬化剤樹脂の軟化点が高いため、少量のアセトンを
用いて配合、混練して得られた混合物を注型加工して得
た。
キシ樹脂 エポキシ当量214(日本化薬製) C11Z: 2−ウンデシルイミダゾール(四国化成
製) 無機充填剤:球形溶融シリカ(ハリミックS−CO、
(株)マイクロン製)50重量部と不定型溶融シリカ
(ヒューズレックスRD−8(株)龍森製)50重量部
の混合物 シリカカップリング剤:(SZ−6083(株)、東レ
ダウコーニングシリコン製) ガラス転移温度:TMA法(島津TMA−システムDT
−30)
成物は、通常の諸性能を維持しつつ、配合、混練等の作
業性向上および硬化速度向上による成形工程の合理化が
達成できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂および硬化剤を主成分とす
るエポキシ樹脂組成物において、硬化剤成分として、
(a)ナフトールアラルキル樹脂又はフェノール−シク
ロペンタジエン樹脂及び(b)下記式(I)(化1)で
表わされるチオジフェノール類を含み、 【化1】 (式中、R1、R2、R3は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜12のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、アルコキシ基または水酸基を表
わす)かつ、該チオジフェノール類を全硬化剤中5〜5
0重量%用いることを特徴とする硬化性、接着性、作業
性に優れたエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を使
用する半導体封止用樹脂組成物。
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