JP3139825B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP3139825B2 JP04110337A JP11033792A JP3139825B2 JP 3139825 B2 JP3139825 B2 JP 3139825B2 JP 04110337 A JP04110337 A JP 04110337A JP 11033792 A JP11033792 A JP 11033792A JP 3139825 B2 JP3139825 B2 JP 3139825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なエポ
キシ樹脂組成物に関する。更に詳細には、耐熱性、耐湿
性、接着性、機械的性質等に優れる注型、積層、接着、
成形、封止、複合材等の用途に適したエポキシ樹脂組成
物に関するものであり、実際に利用されるものとして、
具体的には、半導体集積回路(IC)の封止用材料等が
挙げられる。
【0002】
【従来の技術】従来数多くのエポキシ樹脂あるいは硬化
剤からなるエポキシ樹脂組成物がかかる用途に用いられ
てきた。例えば、エポキシ樹脂の典型としては、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェ
ノールA〕から得られる液状ないし固形の各種エポキシ
樹脂、ノボラック樹脂から得られるエポキシ樹脂等があ
り、また高耐熱性エポキシ樹脂としては4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン(MDA)から得られるエポキシ
樹脂等がある。また、硬化剤の典型としては、ジエチレ
ントリアミン、イソホロンジアミン、m−キシリレンジ
アミン、m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジ
フェニルスルホン等の脂肪族または芳香族アミン化合
物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、無水マレイン酸等の酸無水物、フェノールノボ
ラック等のフェノール樹脂、ポリアミド、変成ポリアミ
ン類、イミダゾール類等がある。
【0003】これらのエポキシ樹脂および硬化剤を、各
用途に合わせて、様々な組合せで硬化させ、さらには無
機充填剤を加えて樹脂組成物として利用してきた。しか
しながら、従来用いられてきたエポキシ樹脂や硬化剤を
用いて得られるエポキシ樹脂組成物は性能的に一長一短
があり、各利用分野における技術の向上に伴って必然的
に要求される高い水準の性能を満足し得るものとは言い
難く、耐熱性、耐湿性、機械的強度等、各性能がバラン
ス良く高い水準にあるエポキシ樹脂が求められる様にな
ってきている。例えば、o−クレゾールノボラックから
得られるエポキシ樹脂とフェノールノボラックの組合せ
が多く用いられているが、この組合せで得られるエポキ
シ樹脂組成物は、機械的強度は比較的高い水準にある
が、耐湿性に問題があるため、耐湿性の悪さに起因する
クラックの発生があり、また、近年の各産業の発達に伴
う発生熱量の増大による耐熱性の不足等、最終的な製品
の信頼性に関わる問題が指摘されている。
【0004】この様な問題に対して、近年、エポキシ樹
脂組成物の耐熱性、耐湿性を向上させる目的で幾つかの
エポキシ樹脂や硬化剤が提案されている。例えば、硬化
剤として4,4’−ジアミノジフェニルメタンや4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いたり、あ
るいはエポキシ主剤としてそれらのエポキシ化物を用い
ることにより、高耐熱性のエポキシ樹脂組成物を得てい
る。しかし、これらは構造的に耐湿性に劣るものとな
り、問題の解決にはなっていない。また、フェノール−
ジシクロペンタジエン樹脂のエポキシ化物を用いたエポ
キシ樹脂組成物が、耐熱性、耐湿性に優れるものである
ことも知られている(特開昭61−123618、特開
昭61−291615、特開昭61−168618、特
開昭−61−123618)。例えば、ノボラック樹脂
を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物(特開昭61−29
1615、特開昭61−293219、特開昭62−2
46921)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン
を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物(特開平1−135
858)等が既に公知となっている。しかし、これらは
耐熱性の向上に比較して耐湿性の向上が少ないため、全
体としての性能のバランスがとれているとはいえず、得
られる樹脂組成物は実用的に大きな進歩があるといえる
ものではない。
【0005】一方、耐湿性に優れたものとして、ナフト
ールアラルキル樹脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂組成
物(特公昭48−10960)、フェノールアラルキル
樹脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂組成物(三井東圧化
学製:商品名ミレックスXL225)等が見出されてお
り、特に、ナフトールアラルキル樹脂を硬化剤として得
られるエポキシ樹脂組成物は、耐熱性においても優れた
性能を表すことが示されている。しかし、最終的に得ら
れる樹脂組成物は、主剤となるエポキシ樹脂の持つ特性
のため、耐熱性、耐湿性をはじめとする諸性能につい
て、なお満足できるものではなかった。
【0006】このため、各産業分野の技術の発達、それ
に伴う要求性能のアップに応え得る様な、耐熱性、耐湿
性をはじめとする諸性能について、高い水準においてバ
ランスのとれたエポキシ樹脂組成物を与えるエポキシ樹
脂と硬化剤の組み合わせが強く求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐湿
性、耐熱性、接着性、機械的強度等の性能のバランスの
優れたエポキシ樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに到
ったものである。すなわち、本発明はエポキシ樹脂およ
び硬化剤から成るエポキシ樹脂組成物において、(A)
エポキシ樹脂として、一般式(I)(化9)で表される
フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂に、
【0009】
【化9】 (式中、nは0〜10の整数を示し、R1 は水素原子、
炭素数1〜9のアルキル基を示す)式(II)(化10)で
表されるエピクロルヒドリンを
【0010】
【化10】 反応させて得られるエポキシ樹脂、(B)硬化剤とし
て、(a)一般式(III)(化11)で表されるナフトール
アラルキル樹脂
【0011】
【化11】 (式中、mは0〜100までの整数を示す)および/ま
たは(b)一般式(IV)(化12)で表されるフェノール
アラルキル樹脂
【0012】
【化12】 (式中、qは0〜100の整数を示す)を用いるエポキ
シ樹脂組成物に関するものであり、さらに、無機充填剤
を含有する前記のエポキシ樹脂組成物に関するものであ
る。
【0013】本発明のエポキシ樹脂組成物は、耐熱性、
耐湿性、接着性、機械的性質等に優れたエポキシ樹脂組
成物である。本発明において、エポキシ樹脂原料として
用いられるフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂は、
特公昭41−14099、特開昭47−35000、6
1−168624、62−4720、63−9922
4、米国特許3,336,398等により公知であり、
例えば、ジシクロペンタジエン1モルに対し、一般式
(V)(化13)
【0014】
【化13】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜9のアルキル
基を示す)で表されるフェノールまたはアルキルフェノ
ールを1〜20モル反応させることにより得ることがで
きる。
【0015】製造法としては種々の方法があるが、無触
媒で高温、高圧下において反応を行う方法では得られる
樹脂は完全な交互共重合とはならない可能性があるこ
と、またルイス酸触媒、特に三ふっ化ほう素およびその
錯体を用いる方法は、反応容器の材質に対する腐食性、
樹脂中への触媒の混入、樹脂の水洗後の排水の無公害化
等の問題があることから、本発明者らが、先に提案した
アルカンスルホン酸、パーフルオロアルカンスルホン
酸、パーフルオロアルカンスルホン酸型イオン交換樹
脂、スルホン酸型強酸性イオン交換樹脂等を触媒とする
方法(特願平2−291872、特願平2−29187
3、特願平2−295489、特願平2−29549
0)が望ましい。
【0016】本発明において、一般式(I)のフェノー
ル−ジシクロペンタジエン樹脂をエポキシ化する方法
は、特公昭63−16409等によって示されているよ
うな公知慣用の方法が用いられる。すなわち、フェノー
ル−ジシクロペンタジエン樹脂に、そのヒドロキシル基
に対して1〜20倍モル、好ましくは2〜10倍モル、
さらに好ましくは3〜8倍モルのエピハロヒドリンを、
塩基の存在下に、反応温度20〜120℃、常圧〜20
mmHgの範囲において反応させる。硬化剤として使用
される (a)ナフトールアラルキル樹脂は、特公昭47−
15111、特願平3−165923に記載の方法によ
り製造される。すなわち、このナフトールアラルキル樹
脂は、一般式(VI)(化14)
【0017】
【化14】 (式中、R2 はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜
4の低級アルコキシ基を示す)
【0018】で表されるアラルキルハライドまたはアラ
ルキルアルコール誘導体に、酸触媒の存在下に、1.1
倍モル以上のα−ナフトールまたはβ−ナフトールを反
応させ、必要により、未反応ナフトールを留去すること
により得ることができる。
【0019】また、硬化剤として用いられる (b)フェノ
ールアラルキル樹脂は、特公昭47−15111、特願
昭62−70282等に記載の方法により製造される。
すなわち、一般式(VI)で表されるアラルキルハライド
またはアラルキルアルコール誘導体に、酸触媒の存在
下、1.1倍モル以上のフェノール類を反応させ、必要
により、未反応フェノール類を留去することにより得る
ことができる。
【0020】本発明において用いられるエポキシ樹脂と
硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に
対し、硬化剤中のヒドロキシル基が0.5〜1.5当
量、好ましくは0.8〜1.2当量の範囲である。
【0021】本発明において、二種類の硬化剤を併用す
る場合、単に硬化時に同時に配合する方法でも良いが、
好ましくはあらかじめ任意の割合で均一に混合したもの
を用いる方がより好ましい。
【0022】本発明のエポキシ樹脂組成物は、また、無
機充填剤を配合して用いることができる。使用される無
機充填剤としては、シリカ、アルミナ、窒化珪素、炭化
珪素、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、マ
イカ、クレー、チタンホワイト等の粉体、ガラス繊維、
カーボン繊維等の繊維体が挙げられる。これらの中で熱
膨張率と熱伝導率の点から、結晶性シリカおよび/また
は溶融性シリカが好ましい。更に樹脂組成物の成形時の
流動性を考えると、その形状は球形、または球形と不定
型の混合物が好ましい。無機充填剤の配合量は、エポキ
シ樹脂および硬化剤の総重量に対して100〜900重
量%であることが必要であり、好ましくは200〜60
0重量%である。
【0023】本発明においては、さらに、機械的強度、
耐熱性向上の点から各種の添加剤を配合してもよい。例
えば、樹脂と無機充填剤との接着性向上の目的でカップ
リング剤を併用してもよく、かかるカップリング剤とし
ては、シラン系、チタネート系、アルミネート系および
ジルコアルミネート系等のカップリング剤が使用でき
る。中でもシラン系カップリング剤が好ましく、特にエ
ポキシ樹脂と反応する官能基を有するシラン系カップリ
ング剤が最も好ましい。かかるシラン系カップリング剤
の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アニリノプ
ロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン等を挙げることができ、これらは単
独で、あるいは併用して使用することができる。これら
のシラン系カップリング剤は、予め無機充填剤の表面に
吸着あるいは反応により固定化されているのが好まし
い。
【0024】本発明において、樹脂組成物を硬化させる
にあたっては、硬化促進剤を使用することが望ましい。
かかる硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、
2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾ−ル等のイミダゾ−ル類、トリエタノールア
ミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等
のアミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類、
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテ
トラフェニルボロン類、1,8−ジアザ−ビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7およびその誘導体があ
る。これらの硬化促進剤は、単独で用いても、2種類以
上を併用してもよく、また、これら硬化促進剤の配合量
は、エポキシ樹脂および硬化剤の合計量100重量部に
対して0.01〜10重量部の範囲である。本発明のエ
ポキシ樹脂組成物には、上記の各成分の他、必要に応じ
て、脂肪酸、脂肪酸塩、ワックス等の離型剤、ブロム化
合物、アンチモン、りん等の難燃剤、カ−ボンブラック
等の着色剤、各種シリコ−ンオイル等を配合し、混合、
混練して成形材料とすることができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
なお、実施例中の部は重量部を表す。 合成例 1 攪拌器、温度計および冷却器を装着した反応装置に、フ
ェノール705g(7.5モル)とトリフロロメタンス
ルホン酸0.6gを装入し、40〜50℃において攪拌
を行いながら、ジシクロペンタジエン198g(1.5
モル)を3.5時間で滴下した。同温度で1時間攪拌を
続けた後、1時間で140℃まで昇温し、140〜15
0℃で3時間反応を行った。反応終了後、未反応フェノ
ールを減圧蒸留により除去し、一般式(I)の構造を持
つ435gのフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂を
得た。高速液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成
は、Area%で、n=0が49.7%、n=1が26.5
%、n=2が10.8%、n≧3が13.0%であっ
た。この樹脂のヒドロキシ当量は、172.5g/eq
であり、軟化点は103℃であった( JIS K-2548 環球
法、以下同じ)。
【0026】合成例 2 攪拌器、温度計、ディーンスターク共沸トラップおよび
冷却器を装着した反応装置に、合成例1で製造したフェ
ノール−ジシクロペンタジエン樹脂150g、エピクロ
ルヒドリン402.4g(4.35モル)を装入し、攪
拌を行いながら60℃に加熱し、完全に溶解させた。引
き続き、攪拌を続けながら、45%水酸化ナトリウム水
溶液85.0gを2時間で滴下した。滴下中、反応温度
は60〜65℃に保ちながら系内を110〜130mm
Hgに減圧して、共沸されてくるエピクロルヒドリンは
系内に戻し、水は系外へ除去した。水酸化ナトリウム水
溶液の滴下が終了した後、水の留出がなくなるまで反応
を続けた。反応終了後、室温まで冷却し副生した無機塩
を濾過した。濾過液からエピクロルヒドリンを減圧蒸留
し、フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂の粗エポキ
シ化物を187.1g得た。この粗エポキシ化物を90
0gのメチルイソブチルケトンに溶解し、5%水酸化ナ
トリウム水溶液50gを加え、60℃において30分間
攪拌した。静置した後下層にくる水層を排出し、有機層
が中性になるまで水で洗浄した後、メチルイソブチルケ
トンを減圧蒸留して除去した。このようにして、フェノ
ール−ジシクロペンタジエン樹脂の精エポキシ樹脂18
2.5gを得た。このもののエポキシ当量は270.7
g/eqであり、軟化点は88℃であった。
【0027】合成例 3 攪拌器、温度計、ディーンスターク共沸トラップおよび
冷却器を装着した反応装置に、α,α’−ジメトキシ−
p−キシレン249g(1.5モル)とβ−ナフトール
648g(4.5モル)、トリフロロメタンスルホン酸
0.45gを装入し、攪拌を行いながら150〜160
℃で4時間反応を行った。生成するメタノールは、順次
トラップし、系外へ除去した。反応終了後、未反応ナフ
トールを減圧蒸留により除去し、一般式(III)の構造を
持つ465gのβ−ナフトールアラルキル樹脂を得た。
高速液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成は、Area
%で、m=0が51.0%、m=1が25.7%、m=
2が12.7%、m≧3が10.6%であった。この樹
脂のヒドロキシ当量は、232.5g/eqであり、軟
化点は98℃であった。
【0028】合成例 4 攪拌器、温度計、ディーンスターク共沸トラップおよび
冷却器を装着した反応装置に、α,α’−ジメトキシ−
p−キシレン249g(1.5モル)とα−ナフトール
432g(3.0モル)、トリフロロメタンスルホン酸
0.15gを装入し、攪拌を行いながら150〜160
℃で4時間反応を行った。生成するメタノールは、順次
トラップし、系外へ除去した。反応終了後、未反応ナフ
トールを減圧蒸留により除去し、一般式(III)の構造を
持つ454gのα−ナフトールアラルキル樹脂を得た。
高速液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成は、Area
%で、m=0が32.8%、m=1が23.5%、m=
2が15.2%、m≧3が28.5%であった。この樹
脂のヒドロキシ当量は、234.1g/eqであり、軟
化点は96℃であった。
【0029】合成例 5 攪拌器、温度計、ディーンスターク共沸トラップおよび
冷却器を装着した反応装置に、α,α’−ジメトキシ−
p−キシレン249g(1.5モル)とフェノール42
5g(4.5モル)、メタンスルホン酸0.34gを装
入し、攪拌を行いながら140〜150℃で4時間反応
を行った。生成するメタノールは、順次トラップし、系
外へ除去した。反応終了後、未反応フェノールを減圧蒸
留により除去し、一般式(IV)の構造を持つ303gの
フェノールアラルキル樹脂を得た。高速液体クロマトグ
ラフィーによる樹脂の組成は、Area%で、q =0が5
0.8%、q =1が24.3%、q=2が11.6%、q
≧3が13.3%であった。この樹脂のヒドロキシ当
量は、168.5g/eqであり、軟化点は52℃であ
った。
【0030】実施例 1 合成例3において合成したβ−ナフトールアラルキル樹
脂を、合成例2において合成したフェノール−ジシクロ
ペンタジエン樹脂のエポキシ化物の硬化剤として、表−
1(表1)に示す割合で配合し、その混合物を注型加工
して得られる硬化物の物性を測定した。表−1にその結
果を示した。尚、物性測定用の試験片は、樹脂混合物を
用いて、フラットパッケージ型半導体装置用リードフレ
ームの素子搭載部に、試験用素子(10mm×10mm
角)を搭載した後、トランスファー成形(180℃、3
0kg/cm2 ,3min)により、試験用半導体装置
を得た。
【0031】実施例 2 合成例4において合成したα−ナフトールアラルキル樹
脂を、合成例2において合成したフェノール−ジシクロ
ペンタジエン樹脂のエポキシ化物の硬化剤として、表−
1に示す割合で配合し、その混合物を注型加工して得ら
れる硬化物の物性を、実施例1と同様に測定した。表−
1にその結果を示した。
【0032】実施例 3 合成例5において合成したフェノールアラルキル樹脂
を、合成例2において合成したフェノール−ジシクロペ
ンタジエン樹脂のエポキシ化物の硬化剤として、表−1
に示す割合で配合し、その混合物を注型加工して得られ
る硬化物の物性を測定した。表−1にその結果を示し
た。
【0033】実施例 4 合成例3において合成したβ−ナフトールアラルキル樹
脂50部と合成例5において合成したフェノールアラル
キル樹脂50部を、150℃において溶融混合した。得
られる混合樹脂のヒドロキシ当量は200.5g/eq
であった。この混合樹脂を合成例2において合成したフ
ェノール−ジシクロペンタジエン樹脂のエポキシ化物の
硬化剤として、表−1に示す割合で配合し、その混合物
を注型加工して得られる硬化物の物性を測定した。表−
1に結果を示した。
【0034】比較例 1 フェノールノボラック樹脂を合成例2において合成した
フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂のエポキシ化物
の硬化剤として、表−1に示す割合で配合し、その混合
物を注型加工して得られる硬化物の物性を測定した。表
−1に結果を示した。
【0035】比較例 2 エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂
(商品名;エピコート828、油化シェル化学製)、硬
化剤としてフェノールノボラック樹脂(商品名;BRG
#558,昭和高分子製)を用い、表−1の様な割合で
配合し、その混合物を注型加工して得られる硬化物の物
性を測定した。表−1に結果を示した。
【0036】比較例 3 比較例2における硬化剤を4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルホン(商品名;スミキュアS、住友化学製)に代
え、同様にして得られる硬化物の物性を測定した。表−
1に結果を示した。
【0037】比較例 4 比較例2におけるエポキシ樹脂をo−クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂(商品名;EOCN−102S、日
本化薬製)に代え、同様にして得られる硬化物の物性を
測定した。表−1に結果を示した。
【0038】実施例 5〜8 実施例1〜4と同様の樹脂を用い、さらに無機充填剤、
その他各種添加剤を表−2(表2)の様な割合で配合
し、その混合物を注型加工して得られる硬化物の物性を
測定した。表−2に結果を示した。
【0039】比較例 5〜8 比較例1〜4と同様の樹脂を用い、さらに無機充填剤、
その他各種添加剤を表−2の様な割合で配合し、その混
合物を注型加工して得られる硬化物の物性を測定した。
表−2に結果を示した。
【0040】比較例 9 実施例8において、無機充填剤の配合量をエポキシ樹脂
と硬化剤の総重量の80%となる様に配合し、得られる
硬化物の物性を測定した。表−2に結果を示した。但
し、全体の重量は等しくなる様に配合量を調整した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】 表−1、2の注 ・エピコート828 ;ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル化学製) ・EOCN−102 S;o−クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(日本化薬製) ・BRG#558 ;フェノールノボラック樹脂(昭和高分
子製) ・スミキュアS;4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン(住友化学製) ・C11Z;2−ウンデシルイミダゾール(四国ファイ
ンケミカル製) ・無機充填剤;球形溶融シリカ(ハリミックS−CO,
(株)マイクロン製)50重量部と不定型溶融シリカ
(ヒューズレックスRD−8 (株)龍森製)50重量
部との混合物 ・シランカップリング剤;(SZ−6083,東レダウコー
ニングシリコーン(株)製) ・ガラス転移温度;TMA法(島津 TMA−システム
DT−30で測定) ・曲げ強度、弾性率;JIS K−6911 ・煮沸吸水率;100℃の沸騰水中で2時間煮沸後の重
量増加を測定。 ・V.P.Sテスト;試験用の半導体装置を65℃、9
5%の恒温恒湿槽に168時間放置した後、直ちに215
℃のフロナート液(住友スリーエム(株)製、FC−7
0)に投入し、パッケージ樹脂にクラックが発生した半
導体装置の数を数えた。試験値を分数で示し、分子はク
ラックの発生した半導体装置の数、分母は試験に供した
半導体装置の数である。
【0043】表−1に示される様に、本発明において得
られるフェノール−ジシクロペンタジエン樹脂のエポキ
シ化物とナフトールアラルキル樹脂およびまたはフェノ
ールアラルキル樹脂から選ばれる樹脂から得られる硬化
物は、その耐熱性、耐湿性、機械的性質が全般にわたり
高い水準にあり、性能のバランスがとれていると言え
る。これに対し、比較例1〜3で示される従来のエポキ
シ樹脂と硬化剤の組合せから得られる硬化物は、各性能
の水準にバラツキがみられ、特に耐熱性と耐湿性は他方
を犠牲にした上に得られる場合がほとんどである。
【0044】また、表−2において無機充填剤およびそ
の他の添加剤をも用いて得られる硬化物の物性を示し
た。実施例5〜8および比較例5〜8はそれぞれ表−1
における実施例1〜4、比較例1〜4に対応するもので
あるが、この表−2より無機充填剤を添加することによ
り耐水性、機械的性質が大幅に向上することがわかる。
比較例9において、無機充填剤の使用量が本発明の範囲
である樹脂の総重量の100%以下であると、その効果
は無いに等しいものであることがわかる。これらのこと
から、本発明により耐熱性、耐湿性、機械的強度等に優
れ、且つ性能のバランスのとれたエポキシ樹脂組成物が
得ることができる。このことは、表−2におけるV.
P.Sテスト(クラック発生テスト)におけるクラック
の発生率により証明されている。
【0045】
【発明の効果】本発明により提供されるエポキシ樹脂組
成物は、耐熱性と耐湿性に優れ、更に機械的性質、接着
性、耐クラック性、作業性に優れているため、各種マト
リックス樹脂として極めて有用性が高いものである。こ
のことは、特に、従来性能的に一長一短があるために使
用が制限されていた半導体封止剤分野において理想的な
材料を提供するものであり、その貢献するところは大き
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−170875(JP,A) 特開 平4−337316(JP,A) 特開 昭62−246921(JP,A) 特開 昭61−293219(JP,A) 特開 昭61−291615(JP,A) 特開 昭61−168618(JP,A) 特開 平5−67704(JP,A) 特開 平4−93320(JP,A) 特開 昭59−105018(JP,A) 特開 昭59−67660(JP,A) 特公 昭48−10960(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/00 - 59/72 C08L 63/00 - 63/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂および硬化剤を含有してな
    るエポキシ樹脂組成物において、(A)エポキシ樹脂と
    して、一般式(I)(化1)で表されるフェノール−ジ
    シクロペンタジエン樹脂に、 【化1】 (式中、nは0〜10の整数を示し、R1 は水素原子、
    炭素数1〜9のアルキル基を示す)式(II)(化2)で
    表されるエピクロルヒドリンを 【化2】 反応させて得られるエポキシ樹脂、(B)硬化剤とし
    て、(a)一般式(III)(化3)で表されるナフトール
    アラルキル樹脂 【化3】 (式中、mは0〜100までの整数を示す)および/ま
    たは(b)一般式(IV)(化4)で表されるフェノール
    アラルキル樹脂 【化4】 (式中、qは0〜100の整数を示す)を用いることを
    特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂、硬化剤および無機充填剤
    を含有してなるエポキシ樹脂組成物において、(A)エ
    ポキシ樹脂として、一般式(I)(化5)で表されるフ
    ェノール−ジシクロペンタジエン樹脂に、 【化5】 (式中、nは0〜10の整数を示し、R1 は水素原子、
    炭素数1〜9のアルキル基を示す)式(II)(化6)で
    表されるエピクロルヒドリンを 【化6】 反応させて得られるエポキシ樹脂、(B)硬化剤とし
    て、(a)一般式(III)(化7)で表されるナフトール
    アラルキル樹脂 【化7】 (式中、mは0〜100までの整数を示す)および/ま
    たは(b)一般式(IV)(化8)で表されるフェノール
    アラルキル樹脂、 【化8】 (式中、qは0〜100の整数を示す) (C)無機充填剤 を用いることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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