JP3879971B2 - レゾール型フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、未反応のフェノール類、アルデヒド類が少ないレゾール型フェノール樹脂を高収得に得るための製造方法に関するものである。本発明のレゾール型フェノール樹脂は、例えば砥石、研磨布紙、摩擦材、成形材料、積層板、接着剤、塗料、発砲体のバインダーとして有用に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
レゾール型フェノール樹脂は、通常、仕込みモル比でフェノール類1モルに対しアルデヒド類を1〜3モルとして、触媒に水酸化ナトリウム、アンモニア水、第3級アミン、アルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウムなどアルカリ性触媒を用いることで反応される。
しかしながら、これらの触媒を用いて反応させた場合、反応終了後に未反応のフェノール類やアルデヒド類が残存する。未反応フェノールが多いと、レゾール型フェノール樹脂を使用する際に、異臭が発生し作業環境を悪化させる。さらに、硬化させた場合に強度が低下するといった問題が生じる。また、未反応アルデヒド類が多いと、これもまた異臭を発生し環境衛生上好ましくない。
【0003】
従って、レゾール型フェノール樹脂は未反応のフェノール類とアルデヒド類が少ないことが要求される。未反応のフェノール類とアルデヒド類を少なくする方法として、フェノール類1モルに対しアルデヒド類を1.3モル以下の低反応モル比として、未反応のフェノール類を除去する方法と、フェノール類1モルに対しアルデヒド類を1.7以上の高反応モル比として未反応のアルデヒド類を除去する方法がある。
未反応フェノール類の除去は水蒸気蒸留法が一般的に知られている。しかし、水蒸気蒸留法は、長時間行わないと効果が少なく、除去工程が長時間になるいう欠点があった。また、アルデヒド類は、尿素等のアルデヒド類のキャッチ剤を添加することによって除去が可能であるが、多量のアルデヒド類のキャッチ剤を添加することによって変性剤として作用し耐水性など物性面が悪化する問題があった。
【0004】
それ以外にも、例えば、特公昭58−17211号公報による方法がある。これは樹脂濃度が5〜45重量%程度となるように水を添加した後、これを100〜130℃程度に予め加熱しておいた管長(L)と管内径(D)との比L/Dが少なくとも1000の管内に、減圧状態で送り込み、そのとき多量に発生する水蒸気によって管壁内面に縮重合生成物の過度の生成や付着等を抑制しつつ連続的に脱水処理を行うものである。このような操作により、未反応のフェノール類やアルデヒド類を脱水液と共に溜去することができる。しかし、これらの方法では著しく工程が煩雑になったり、水洗工程のための特殊な装置が必要になるといった問題があった。
【0005】
この他に本発明の反応手順と同様に、ノボラック型フェノール樹脂を合成後、レゾール化させる方法が考えられる。しかし、通常の塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸といった無機酸あるいは有機酸を用いノボラック型フェノール樹脂を製造した後でレゾール化を行う場合には、ノボラック型フェノール樹脂の合成段階でモノマーが少なく低核体成分が多いノボラック型フェノール樹脂を合成することはできない。このため、フェノール類に対してアルデヒド類の反応モル比を0.3以下といった低モル比で低分子量成分の多いノボラック型フェノール樹脂を合成後、真空蒸留法等により大量の未反応フェノール類を除去してからでないと、レゾール化の時に、未反応フェノール類を低減することは困難であった。
【0006】
さらには、従来からの方法によりフェノールとホルムアルデヒドを酸触媒下で反応させてビスフェノールFを製造した後にレゾール化反応を行えば、結果的に未反応フェノール類が少なく、未反応のアルデヒド類が少ないレゾール型フェノール樹脂の製造が可能である。しかしこの場合、ビスフェノールFの製造時に大量の未反応フェノールを除去する工程を経なければならない。
一方、これらの触媒を用いモル比を高くしノボラック型フェノール樹脂を合成すると、モノマーは少なくなるものの、分子量が大きくなり、レゾール化するときに容易にゲル化する。
このように、未反応フェノール類とアルデヒド類が少ないレゾール型フェノール樹脂を製造する事は困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、未反応のフェノール類とアルデヒド類が少ないレゾール型フェノール樹脂を高収率に製造する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)フェノール類とアルデヒド類とを水溶性を有する有機ホスホン酸を用いて反応してノボラック型フェノール樹脂を合成する工程、その後、該ノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とをアルカリ性触媒を用いて反応するレゾール化の工程を有し、フェノール類とアルデヒド類のモル比は、フェノール類1モルに対し、ノボラック型フェノール樹脂を合成する工程とレゾール化する工程で用いるアルデヒド類の合計で0.9〜3モルであり、アルカリ性触媒の添加量はフェノール1モルに対し、0.01〜1モルの範囲内であるレゾール型フェノール樹脂の製造方法、
(2)前記有機ホスホン酸が、一般式(I)に示す有機ホスホン酸である第(1)項記載のレゾール型フェノール樹脂の製造方法
R−PO(OH)2 (I)
(Rは、炭素原子を必ず含み、かつ−COOH及び又は−PO(OH)2 を含む基である。)
である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるフェノール類は、特に限定されない。例えば、フェノール、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、キシレノール、パラターシャリーブチルフェノール、パラオクチルフェノール、パラフェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシンなどから選ばれた少なくとも1種以上のフェノール類があげられ、フェノール樹脂の用途により適宜選択されるが、通常、フェノールやクレゾールが多く用いられる。
【0010】
本発明に用いるアルデヒド類は、特に限定されない。例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレインやこれらの混合物であり、これらのアルデヒド類の発生源となる物質あるいはこれらのアルデヒド類の溶液を使用することも可能で、これらのアルデヒド類から選ばれた少なくとも1種以上のアルデヒド類があげられるが、通常はホルムアルデヒドが多く用いられる。
【0011】
本発明においてノボラック型フェノール樹脂を合成する工程で使用する水溶性を有する有機ホスホン酸は、ホスホン酸基−PO(OH)2 を含む有機化合物であり、水溶性を有するものであればいかなるものも使用可能であるが、一般式(I)で示される有機ホスホン酸が、未反応フェノール類とアルデヒド類が少ないレゾール型フェノール樹脂を製造するために好ましい。
R−PO(OH)2 (I)
(Rは、炭素原子を必ず含み、かつ−COOH及び又は−PO(OH)2 を含む基である。)
一般式(I)で示される有機ホスホン酸としては、アミノポリホスホン酸類であるエチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸、β−アミノエチルホスホン酸N,N−ジ酢酸、アミノメチルホスホン酸N,N−ジ酢酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等がある。本発明の目的からみて工業的に大量生産され安価であるアミノトリスメチレンホスホン酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸が好ましい。
【0012】
ノボラック型フェノール樹脂を合成する工程のフェノール類とアルデヒド類の反応モル比は、フェノール類1.0モルに対して、アルデヒド類が0.1〜0.8モル、好ましくは0.3〜0.7モルである。フェノール類1.0モルに対して、アルデヒド類が0.1モルより低いとフェノールの割り合いが十分に低下せず、レゾール化した際にも、遊離フェノール量が十分に低下しない。0.8モルを越えると後段でレゾール化を行うときにゲル化してしまう恐れがある。ノボラック型フェノール樹脂の合成する工程における有機ホスホン酸の添加量としては、フェノール類1モルに対して0.001〜3.0モル、好ましくは0.01〜2.0モルである。有機ホスホン酸の添加量が3.0モルを越えても、未反応フェノール類を少なくする効果が変わらなくなる。0.001モル未満では、有機ホスホン酸の効果が小さい。
【0013】
本発明においてノボラック型フェノール樹脂を反応する工程の反応温度は、通常40〜240℃であり、好ましくは80℃〜140℃である。反応温度が40℃より低いと、反応の進行が遅く、遊離フェノール量を十分に低下させるのに時間を要する。また、240℃より高温では触媒の有機ホスホン酸が加水分解するようになる。
反応時間については特に制限はなく、出発原料の種類、配合モル比、触媒の使用量及び種類、反応条件に応じて適宜決定すればよい。
反応終了後、有機ホスホン酸を水洗にて除去あるいは回収することが可能であるが、除去あるいは回収方法、水洗方法について特に限定されない。水洗等により回収した有機ホスホン酸は再度触媒として使用することができる。
また、アルカリ性の物質によって中和してもよく、さらに過剰に添加してそのままレゾール化を行うことも可能である。
ノボラック型フェノール樹脂を反応後、未反応フェノール類は通常十分少ないが、真空蒸留等により、更に未反応フェノール類を除去した後、レゾール化反応を行ってもよい。
【0014】
本発明におけるレゾール化する工程では、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア水、トリエチルアミンなどの第3級アミン、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、炭酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミンなどのアルカリ性物質を用いる。
【0015】
レゾール化する工程におけるフェノール類とアルデヒド類のモル比は、フェノール類1モルに対し、ノボラック型フェノール樹脂を合成する工程とレゾール化する工程で用いるアルデヒド類の合計で通常0.9〜3モルであるが、好ましくは1.0〜2.5モルである。アルデヒド類のモル数が0.9より低いとレゾール化が不十分となることがあり、3モルを越えると未反応のアルデヒド類が多くのこるようになる。このとき、触媒の添加量は通常フェノール1モルに対し、0.01〜1モルの範囲内であり、好ましくは0.05〜0.5モルである。0.01モルより低いと触媒としての作用が十分でないことがあり、また1モルより多いと、硬化の際に悪影響を与えることがあり、場合により水洗などにより除去するか、アルカリ性の物質を添加し中和する必要がある。
【0016】
本発明のレゾール型フェノール樹脂の未反応のフェノール類や未反応のアルデヒド類は十分少ないが、更に除去するために従来より知られている未反応のフェノール類や未反応のアルデヒド類を除去する工程を組み合わせてもよい。例えば、未反応フェノール類は、水蒸気蒸留法等を行うことによって除去が可能である。未反応アルデヒド類は、尿素等のアルデヒド類のキャッチ剤を添加することによって除去が可能である。
【0017】
本発明では有機ホスホン酸を触媒としてフェノール類とアルデヒド類からノボラック型フェノール樹脂を合成した後、さらにその生成物とアルデヒド類からレゾール型フェノール樹脂を合成することにより、未反応フェノールと未反応アルデヒドを低減したレゾール型フェノール樹脂が得られる理由は、以下のように考えられる。
本発明の有機ホスホン酸は、非常に水溶性が高い。そして、フェノール類、アルデヒド類は水への溶解性が相対的には小さく、ノボラック型フェノール樹脂は分子量増大ととも水への溶解性が更に低下する性質を有している。このため反応開始時には、触媒である有機ホスホン酸を多量に含んだ水相と、フェノール類からなる触媒がほとんど存在しない有機相とに相分離した状態となる。そして、水相に溶出したフェノール類とアルデヒド類の反応が優先的に進行し、その結果、未反応のフェノール類が低減する。さらに、2核体以上の反応生成物は前記の触媒特性上、より高分子化への反応は起こりにくいことから、未反応フェノール類が少なく2核体成分が多いノボラック型フェノール樹脂が得られる。次いで、得られたノボラック型フェノール樹脂を原料にアルデヒド類を必要量添加しレゾール化を行うことで未反応フェノール類が少なく、かつ、未反応アルデヒド類が少ないレゾール型フェノール樹脂を製造することが可能となる。
【0018】
反応溶媒としては、水が一般的であり好ましいが、有機溶媒中でもよく、非極性溶媒を用いて、非水系で行うこともできる。また、パラホルム等用いて反応溶媒なしでもよい。有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、芳香族類等で、アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等で、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等で、芳香族類としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ここで記載されている「部」及び「%」は全て「重量部」及び「重量%」を示す。
【0020】
(実施例1)
攪拌機及び温度計を備えた三口フラスコ中に1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸60%水溶液(フェリオックス115、(株)ライオン製)1000部を仕込み、120℃に昇温させ濃度85%になるまで常圧下で濃縮を行った。その後、フェノール1000部仕込み、100℃に昇温した後、37%ホルムアルデヒドを2時間かけて518部逐添した。その後、純水500部を添加混合後、60℃まで下げて触媒を除去した。残留触媒を除去するため、1000部の純水を添加混合し除去する水洗を2回行った。その後、50%NaOH水溶液を20部、37%ホルムアルデヒドを518部添加した後、80℃まで加熱し、還流反応を2時間行った。その反応後、5000Paで真空蒸留を行い80℃に達した時に、メチルアルコールを添加し、25℃における粘度を200mP・sとした。その結果、フェノール樹脂Aを1721部得た。この内の一部をサンプリングし、未反応フェノール量、未反応アルデヒド量を測定した。
【0021】
(実施例2)
実施例1と同様に三口フラスコ中に1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸60%水溶液(フェリオックス115、(株)ライオン製)1000部を仕込み、120℃に昇温させ濃度85%になるまで常圧下で濃縮を行った。その後、フェノール1000部仕込み、100℃に昇温した後、37%ホルムアルデヒドを2時間かけて518部逐添した。その後、純水500部を添加混合後、60℃まで下げて触媒を除去した。残留触媒を除去するため、1000部の純水を添加混合し除去する水洗を2回行った。そして、トリエチルアミンを40部、37%ホルムアルデヒドを518部添加した後、80℃まで加熱し、還流反応を2時間行った。反応後、5000Paで真空蒸留を行い80℃に達した時に、メチルアルコールを添加し、25℃における粘度を200mP・sとした。その結果、フェノール樹脂Bを1612部得た。この内の一部をサンプリングし、未反応フェノール量、未反応アルデヒド量を測定した。
【0022】
(実施例3)
実施例1と同様に三口フラスコ中に1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸60%水溶液(フェリオックス115、(株)ライオン製)1000部を仕込み、120℃に昇温させ濃度85%になるまで常圧下で濃縮を行った。その後、フェノール1000部仕込み、100℃に昇温した後、37%ホルムアルデヒドを2時間かけて518部逐添した。その後、純水500部を添加混合後、60℃まで下げて触媒を除去した。残留触媒を除去するため、1000部の純水を添加混合し除去する水洗を2回行った。そして、27%アンモニア水を40部、37%ホルムアルデヒドを518部添加した後、80℃まで加熱し、還流反応を1.5時間行った。反応後、5000Paで真空蒸留を行い70℃に達した時に、メチルアルコールを添加し、25℃における粘度を200mP・sとした。その結果、フェノール樹脂Cを1863部得た。この内の一部をサンプリングし、未反応フェノール量、未反応アルデヒド量を測定した。
【0023】
(実施例4)
実施例1と同様に実施例1と同様に三口フラスコ中に1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸60%水溶液(フェリオックス115、(株)ライオン製)1000部を仕込み、120℃に昇温させ濃度85%になるまで常圧下で濃縮を行った。その後、フェノール1000部仕込み、100℃に昇温した後、37%ホルムアルデヒドを2時間かけて216部逐添した。その後、純水500部を添加混合後、60℃まで下げて触媒を除去した。残留触媒を除去するため、1000部の純水を添加混合し除去する水洗を2回行った。そして、50%NaOH水溶液を40部、37%ホルムアルデヒドを992部添加した後、80℃まで加熱し、還流反応を3時間行った。反応後、5000Paで真空蒸留を行い70℃に達した時に、メチルアルコールを添加し、25℃における粘度を200mP・sとした。その結果、フェノール樹脂Dを1547部得た。この内の一部をサンプリングし、未反応フェノール量、未反応アルデヒド量を測定した。
【0024】
(比較例1)
実施例1と同様のフラスコ中に、フェノール1000部、37%ホルムアルデヒドを1204部、触媒として50%NaOH水溶液20部を添加し、80℃で3時間反応させた。反応後、5000Paで真空蒸留を行い80℃に達した時に、メチルアルコールを添加し、25℃における粘度を200mP・sとした。その結果、フェノール樹脂Eを1621部得た。この内の一部をサンプリングし、未反応フェノール量、未反応アルデヒド量を測定した。
【0025】
(比較例2)
実施例1と同様のフラスコ中に、フェノール1000部、37%ホルムアルデヒドを1204部、触媒として27%アンモニア水40部を添加し、80℃で3時間反応させた。反応後、5000Paで真空蒸留を行い70℃に達した時に、メチルアルコールを添加し、25℃における粘度を200mP・sとした。その結果、フェノール樹脂Fを1902部得た。この内の一部をサンプリングし、未反応フェノール量、未反応アルデヒド量を測定した。
【0026】
実施例および比較例で得られたレゾール型フェノール樹脂について、特性を評価した。結果を表1に示す。
【表1】
【0027】
表1において、反応モル比は、フェノールに対する全ホルムアルデヒドのモル比である。評価項目において、樹脂濃度はフェノール樹脂量に対する樹脂固形分の割合であり、樹脂固形分は実施例、及び比較例で得られたフェノール樹脂をJIS K6909の不揮発分の測定方法に準じアルミ箔の容器に取り、135℃に加熱した乾燥機内で1時間加熱したときの残量である。収得率は仕込みフェノール量に対する樹脂固形分の割合とした。未反応フェノール量はJIS K0114に準じ、2,5‐キシレノールを内部標準として内部標準法によって測定した。未反応のアルデヒド類は塩酸ヒドロキシルアミン法によって測定した。ゲル化時間はJIS K6909に準じ150℃の熱板にレジン2ccを用いて測定した値である。
実施例で得られたレゾール樹脂は比較例で得られたレゾール樹脂と比較して未反応のフェノール及びアルデヒドの含有量がともに少ない。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明の通り、本発明の製造方法により、未反応フェノール類及び未反応、アルデヒド類が少ないレゾール型フェノール樹脂を製造することができる。
Claims (2)
- フェノール類とアルデヒド類とを水溶性を有する有機ホスホン酸を用いて反応してノボラック型フェノール樹脂を合成する工程、その後、該ノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とをアルカリ性触媒を用いて反応するレゾール化の工程を有し、フェノール類とアルデヒド類のモル比は、フェノール類1モルに対し、ノボラック型フェノール樹脂を合成する工程とレゾール化する工程で用いるアルデヒド類の合計で0.9〜3モルであり、アルカリ性触媒の添加量はフェノール1モルに対し、0.01〜1モルの範囲内であるレゾール型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記有機ホスホン酸が、一般式(I)に示す有機ホスホン酸である請求項1記載のレゾール型フェノール樹脂の製造方法。
R−PO(OH)2 (I)
(Rは、炭素原子を必ず含み、かつ−COOH及び又は−PO(OH)2 を含む基である。)
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