JP4129508B2 - 耐火物用結合剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、残留フェノール(残存する未反応モノマー)量の低減されたフェノール樹脂を必須成分として含有する耐火物用途に好適な耐火物結合剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェノール樹脂は、その優れた耐熱性、接着性、機械的特性、電気的特性、価格優位性等を利用し各種基材の成型材料や摩擦材用結合剤、研削材用結合剤、木材用接着剤、積層材用結合剤、鋳型用結合剤、耐火物用結合剤、コーティング剤、エポキシ樹脂硬化剤用等として幅広く使用されている。フェノール樹脂としては、レゾール樹脂、またノボラック樹脂が一般的に知られている。近年、大気環境保護、或いは人体環境の保護の観点からフェノール樹脂中の未反応フェノール類、アルデヒド類、或いは1核体成分の揮発による汚染を低減することが求められている。ノボラック樹脂においては、該樹脂中に未反応モノマー0.1%以下の製品も製造することが出来る。
【0003】
しかしながら、レゾール樹脂の場合はこれと事情が異なり、熱硬化性を有する為、高温下でフェノールモノマーを除去する事が困難である。また、未反応モノマー類や、1核体成分を溶剤により抽出除去する事も試みられているが、その際に用いた溶剤の処理が必要となる等の問題点も多い。更に、反応条件を選択する事によっても低モノマー化が検討されて来た。そのため、一定条件下、例えばフェノール類とアルデヒド類のモル比が2.5以上で、かつ触媒を比較的多く用いる条件下で反応させるとフェノールモノマーを減少させる事が可能である。この場合では未反応アルデヒド類が多量に残ってしまう場合が多く、一部の用途を除き、実用的に臭気の少ない製品を得ることが困難である。さらに未反応モノマーだけでなくフェノール類にアルデヒドが反応した1核体成分も樹脂中に多く存在する為、フェノール樹脂を加工する際に揮発して加工や排気装置への付着や、更に排気されて外気環境汚染を起こすことがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、その作業環境汚染やモノマー成分の気散による実質結合剤量の低減阻止できる、レゾール型フェノール樹脂を必須成分とした耐火物用結合剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果ノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類から誘導されたレゾール型フェノール樹脂を耐火物結合剤用の必須成分として用いると、前記の課題を解決することを見いだし、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、アルデヒド類とフェノールとを〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.3〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させて得られたノボラック型フェノール樹脂(A)と、アルデヒド類とを、反応させて得られたレゾール型フェノール樹脂を必須成分として含有する耐火物用結合剤であって、前記ノボラック樹脂(A)の残留フェノール量が1重量%以下であることを特徴とする耐火物用結合剤を提供する。
【0007】
また、本発明は、アルデヒド類とフェノールとを、〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.3〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させて得られたノボラック型フェノール樹脂(A)と、フェノールと、アルデヒド類とを反応させて得られたレゾール樹脂を必須成分として含有することを特徴とする耐火物用結合剤をも提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるレゾール樹脂は、触媒の存在下、ノボラック樹脂(A)とアルデヒド類とを反応させる、或いは、ノボラック樹脂(A)とアルデヒド類とフェノールとを反応させることで得ることができる。前記のノボラック樹脂(A)は、フェノール類とアルデヒド類との反応で得られ、その際にフェノール類とホルムアルデヒド類の反応割合を〔ホルムアルデヒド〕/〔フェノール類〕=0.3〜0.6〔モル比〕とすることで、その樹脂中に残留した未反応のフェノールの含有量と分子量とを制御したものである。
【0009】
前記のノボラック樹脂(A)は、例えば、次の工程を経て製造することが出来る。〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.3〜0.6〔モル比〕の割合であるフェノール類とアルデヒド類、及び触媒としての酸を仕込み、100℃で1〜5時間反応させる。その後、常圧脱水、減圧脱水工程を経て、180〜230℃の温度で、ノボラック樹脂中に残留した未反応フェノールを除去する。この除去操作に於いて、ノボラック樹脂中に残留する未反応フェノールモノマーの含有量は、低いほど好ましく、実用上は、1.0重量%以下が好ましく、0.01重量%程度の量まで削減させておくことは特に好ましい。前記〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕のモル比が、0.3未満でも製造は可能であるが、モル比が低下するに従い収率が悪くなり経済的に不利となる。又0.6を超えると本発明に用いる為の適度な分子量に調整することが困難になり好ましくない。
【0010】
原料として使用するフェノール類としては、特に限定されるものではなく、たとえばフェノール、あるいはクレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノールなどが挙げられる。またこれらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。ここで製品としてのレゾール樹脂を得るためにはレゾルシン及び通常のフェノールモノマーが良いが、安価な製品を得るためにはフェノールモノマーを用いる事が実用的である。
【0011】
本発明のアルデヒド類としてはフェノール樹脂製造の際に一般的に良く用いられるホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が有効であり、ウロトロピンも用いることが出来る。
【0012】
本発明で触媒として用いる酸類としては、ノボラック樹脂の製造の際一般的に用いられる酸が使用可能であり、例えば、蓚酸、塩酸、燐酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸や、ハイオルソノボラック樹脂の触媒である酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等が用いられる。
【0013】
次いで、本発明に用いるレゾール樹脂は、例えば、下記の▲1▼や▲2▼の方法で得られる。
▲1▼上記ノボラック樹脂(A)を原料としてアルデヒド類と、触媒としてのアルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩やアミン類、アンモニア、或いは酢酸亜鉛等を用いての反応により得ることが出来る。これらの触媒は1種或いは2種類の併用で反応させても良い。更に触媒を中和する目的で、硫酸、塩酸、燐酸、パラトルエンスルホン酸等を用いても良い。
【0014】
▲2▼未反応モノマーや1核体成分がより少ないレゾール樹脂を得るためには、上記の低分子ノボラック樹脂とフェノールモノマーを併用し、アルデヒド類及び上記と同様の触媒を用いて反応する。
【0015】
本発明の耐火物用結合剤に用いるレゾール樹脂は、メチロール基が1〜3個フェノール核に結合した1核体成分を含まないレゾール樹脂が好ましい。
【0016】
本発明に用いるレゾール樹脂の製造に於けるノボラック樹脂とアルデヒド類の比率は、C−13NMR(C13−核磁気共鳴吸収スペクトル)で測定される樹脂の結合モル比としては、未反応のノボラック樹脂成分が残留せずに、硬化性など物性が好ましくなる点から〔アルデヒド類〕/〔ノボラック樹脂〕は0.5以上が好ましく、また、未反応ホルムアルデヒドが残留せずに、環境対策上好ましい点から4.0以下が好ましい。更に、〔アルデヒド類〕/〔ノボラック樹脂〕=1.0〜2.5(モル比)が特に好ましい。
【0017】
触媒として用いるアルカリ類やアルカリ土類金属類の量は、反応が円滑に進む点から、原料として用いるノボラック樹脂、或いはノボラック樹脂とフェノールの合計モル数に対し触媒0.01倍モル以上が好ましく、また、反応の制御が容易で、触媒による製品の貯蔵安定性の悪化が無い点、或いは、得られた樹脂が脆くならない点から1.0倍モル以下が好ましい。
【0018】
前記ノボラック樹脂(A)の製造方法としては、例えば、フェノールと37重量%のホルムアルデヒド水溶液の混合物に反応触媒として蓚酸を添加し、反応系内の温度を水の沸点である100℃とし、1〜5時間反応させた後、200℃迄常圧状態で蒸留を行い、更に減圧蒸留を行い、得られたノボラック樹脂中の残留フェノール量が1.0重量以下、好ましくは0.1%重量以下のノボラック樹脂(A)を得る。次いで、前記▲1▼及び▲2▼の製造方法について、更に具体的に説明する。
【0019】
▲1▼前記ノボラック樹脂(A)と37重量%濃度のホルムアルデヒド水溶液の混合物に触媒として48重量%濃度の水酸化ナトリウムを添加し、50〜80℃の温度で、レゾール樹脂中の残留フェノール量が1.0重量以下、好ましくは0.1重量%以下となるように1〜5時間反応して、レゾール樹脂(B1)を得る。
【0020】
▲2▼前記ノボラック樹脂(A)とアルデヒド類にさらにフェノールを追加して、反応させる。反応条件としては、例えば、ノボラック樹脂(A)とフェノール及び37重量%濃度のホルムアルデヒド水溶液の混合物に48重量%の水酸化ナトリウムを添加し50〜80℃の温度で、フェノール残留量が5重量%以下であるものが好ましい。さらに好ましくは3重量%以下となるように、1〜5時間反応し、レゾール樹脂(B2)が得られる。
【0021】
本発明の耐火物用結合剤としては、下記の形態のものが挙げられる。
1.レゾール樹脂水溶液。
2.レゾール樹脂溶液:上記の反応で得られたにレゾール樹脂から、水を除いた後、有機溶剤、例えば、メタノール等のアルコール類、エチレングリコール、ポリエーテルグリコール等のグリコール類で溶解したレゾール樹脂溶液。
3.水分散型樹脂:上記の反応で得られるレゾール樹脂の製造時に、例えば、ポリビニルアルコールの様なフェノール樹脂の分散に適した分散剤を用いて得ることができる、水分散型レゾール樹脂溶液。
4.固形樹脂:上記の反応で、触媒にアンモニアやヘキサメチレンテトラミンを用いて高分子量化し、水分や溶剤を除去して得られる、高融点の、粉砕後のブロッキングが少ない、固体の高分子のレゾール樹脂。
5.粉末樹脂:更に、前記の固形レゾール樹脂から得られる粉末。
【0022】
これらは、必要に応じて、硬化触媒(アルカリ性物質または酸類)を添加しても良い。アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム等の強アルカリ類、アミン類が挙げられ、また、酸類としては、パラトルエンスルホン酸等が挙げられ、添加量としては、樹脂固形分100重量部あたり、0.5〜5重量部が好ましい。
【0023】
本発明の耐火物用結合剤を用いる耐火物(例えば、煉瓦)の製造方法について、説明する。本発明の耐火物用結合剤は、上記のような形態で、耐火物用の骨材を混練、成型、硬化できればとくに、限定されないが、例えば、水溶液、または有機溶剤溶液の場合は、135℃で測定した不揮発分50〜80重量%が好ましく、60〜70重量%が特に好ましい。
【0024】
また、固体の樹脂を耐火物用結合剤として用いる場合は、骨材と混合して用いることができる。
【0025】
上記の耐火物用骨材としては、特に限定されず、種々の骨材が使用可能であるが、例えば、MgO、Al、黒鉛等を、それぞれ2.5mm〜1.0mmの粒径にしたもの、1.0mm以下のものを組み合わせて使用する。
【0026】
上記の耐火物用結合剤と上記の骨材を混練により均一な配合物を得る。この際、本発明の耐火物用結合剤の配合量は、骨材100重量部あたり、耐火物用結合剤1〜5重量部が好ましく、2〜4重量部が特に好ましい。
【0027】
上記のようにして得られた配合物を金型で成型し、硬化させる。この際、触媒を前記混合物に加え、室温で硬化させてもよいし、100〜200℃で加熱硬化させてもよい。また、必要に応じて、1000℃前後で焼成してもよい。
【0028】
本発明の耐火物用結合剤を用いた、耐火物の製造方法としては、例えば、骨材100重量部に対して、結合剤としての樹脂液を1〜5重量配合して、混練により均一な配合物を得た後、該配合物を金型に入れ、加圧成型する。次いで、必要に応じて、加熱する。
【0029】
【実施例】
次に、合成例、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。例中「部」「%」と表示しているものはそれぞれ重量部、重量%を表す。また、数平均分子量とはGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)により、分子量既知のポリスチレンに換算した分子量を示す。残留フェノールの測定は、残留フェノール1%以上の場合はGPCで測定し、これ以下の場合はガスクロマトグラフィーでの測定に依った。
【0030】
合成例1
2リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計をセットしフェノール941gと37.2%ホルマリン40.3gで〔フェノール〕/〔ホルムアルデヒド〕比を(10モル)/(0.5モル)として仕込み、蓚酸2水和物8.82gを添加し、還流温度(100℃)に昇温して、更に37.2%ホルマリン362.9gを〔フェノール〕/〔ホルムアルデヒド〕=(10モル)/(0.5モル+4.5モル)の比で、1時間かけて滴下した。還流温度で3時間反応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した。その後温度を220℃まで上げ50torr(6.65kPa)で減圧蒸留を1時間行い、B&R法の軟化点75℃、ガスクロマトグラフィーで測定したフリーフェノール量0.3%、GPCによる数平均分子量780であるノボラック樹脂を得た。該ノボラック樹脂を固形分80%になるようにメタノールで希釈してメタノール溶液のノボラック樹脂(X)を得た。次いで、このノボラック樹脂(X)の131.3gと37%ホルマリン60.8gを良く混合し、これに48%NaOH水溶液5.2gを添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反応した後、メタノールを60℃で減圧除去し、水27gを加えて冷却した。レゾール樹脂の水溶液(I)を得た。この樹脂の25℃における粘度は2200mPa・sで、 135℃に於ける不揮発分は72%であった。GPCで測定したフリーフェノールは1%以下のため、ガスクロマトグラフィーで測定したところ0.02%であった。またこの樹脂のC13−NMRで測定した結合モル比は1.49であった。
【0031】
合成例2
合成例1に同じく2リットルの4つ口フラスコに、フェノール941gと、37.2%ホルマリン40.3gを仕込み、蓚酸2水和物8.82gを添加、還流温度100℃に昇温して、更に37%ホルマリン202.7gを1時間かけて滴下した。還流温度で5時間反応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した。その後温度を220℃まで上げ50torr(6.65kPas)で減圧蒸留を1時間行い環球法(B&R法)の軟化点が45℃、ガスクロマトグラフィーで測定した残留フェノール量0.1%、GPCによる数平均分子量610、またC13−NMRで求めた結合モル比が0.75であるノボラック樹脂を得て、メタノールで固形分80%に希釈して(Y)を得た。このノボラック樹脂メタノール溶液(Y)の131.3gと37%ホルマリン36.5gを良く混合し、これに炭酸ナトリウム5.0gを添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反応した後、60℃で減圧脱水、常温まで冷却し、エチレングリコール45gで溶解させてレゾール樹脂のエチレングリコール溶液(II)を得た。この樹脂の粘度は 2000mPa・s(25℃)、150℃に於ける不揮発分は71%であった。残留フェノールの含有量はガスクロマトグラフィーで測定して0.01%であった。C−13NMRで測定したこの樹脂の結合モル比は1.05であった。
【0032】
合成例3
合成例1に同じく2リットルの4つ口フラスコに、実施例2で得られたノボラック樹脂メタノール溶液(Y)の131.3gと37%ホルマリン36.5g(0.45モル)を良く混合し、これに25%アンモニア水溶液4.2gを添加し、70℃に昇温、3時間保った後、60℃で減圧蒸留して水を除去した後、メタノール50gを添加しレゾール樹脂メタノール溶液(III)を得た。この樹脂の粘度は 350mPa・sで、135℃で測定した不揮発分は70%であり、ガスクロマトグラフィーで測定した残留フェノールは0.01%であった。またこの樹脂のC13NMRで求めた結合モル比は1.24であった。
【0033】
合成例4
2リットル4つ口フラスコに攪拌機、温度計をセットし、フェノール941g(10モル)と、37%ホルマリン1216g(15モル)を良く混合し、48%水酸化ナトリウム溶液47.1gを添加して80℃に昇温後、80℃で3時間反応した後、60℃で減圧にて樹脂分が70%になるよう脱水量を調整した。粘度が800mPa・sのレゾール樹脂水溶液(a)を得た。この樹脂の135℃での不揮発分は70%であった。また、この樹脂のGPCにて測定した残留フェノールは8.6%であった。
【0034】
合成例5
比較例1に同じく2リットルの4つ口フラスコに、フェノール941gと、37.2%ホルマリン847g(10.5モル)を仕込み、炭酸ナトリウム5.3gを添加して80℃に昇温後、80℃で4時間反応した後、60℃で減圧脱水し、エチレングリコール300gで溶解した。得られたレゾール樹脂液(b)の粘度は1800mPa・s、150℃に於ける不揮発分は73%、GPCで測定した残留フェノールは12.5%であった。
【0035】
合成例6
比較例1に同じく2リットルの4つ口フラスコに、フェノール941gと、37.2%ホルマリン1010g(12.5モル)を良く混合し、これに25%アンモニウム水溶液38gを添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反応した後、60℃で減圧脱水し、メタノール560gで溶解したレゾール樹脂液(c)を得た。このレゾール樹脂の粘度は570mPa・s、135℃に於ける不揮発分は70%、GPCで測定した残留フェノールは8.2%であった。
【0036】
上記の合成例1〜3で製造したレゾール樹脂を、結合剤として用いた実施例と、従来製法の合成例4〜6で得られた各樹脂を対比して、用途応用例として、下記の実施例1〜3及び比較例1〜3を表1に示す。耐火物用途としての一般的な模擬成型物を作成した。代表的な煉瓦種であるMgOを主体とした配合の煉瓦で代表した。MgO(2.5mm〜1.0mm)粒の45重量部、MgO(1.0mm以下)粒の35重量部、MgO(0.15mm以下)粉の10重量部、鱗状黒鉛(1.0mm以下)の10重量部でなる材料合計100重量部を骨材成分とした。これに対して結合剤としての樹脂液を3.5重量部配合して、混練により均一な配合物を得た。この配合物を25mm径×25mm高さの円柱状試験片を成型できる金型中で、1t/cmの圧力を加えて成型物とした。その評価として、素地強度、乾燥強度、焼成強度は試験片の円柱接線方向から加圧してその加重を強度とし、重さを測定してその体積と比較して密度とした。(強度の単位はKgf/cm)また、素地強度は型から取り出した硬化前の成型品の強度を、乾燥強度は成型後、150℃で2時間加熱し、冷却した後の強度を、また、焼成強度は、窒素雰囲気で800℃で3時間加熱後、室温まで冷却した成型品についてそれぞれ測定した。
【0037】
加熱減量は、150℃で4時間加熱した成型体を、室温まで冷却し、次いで空気中で10℃/分で昇温して、500℃における加熱減量であって、加熱減量(%)=100×(500℃における成型体の重量)/(150℃で4時間加熱した成型体の重量)で表わす。
【0038】
【表1】
Figure 0004129508
【0039】
【本発明の効果】
本発明の耐火物用結合剤は従来の耐火物用結合剤と同等の性能と、加熱減量が少なく、作業環境を汚染しない結合剤を得ることができる。

Claims (8)

  1. アルデヒド類とフェノールとを〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.3〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させて得られたノボラック型フェノール樹脂(A)と、アルデヒド類とを、反応させて得られたレゾール型フェノール樹脂を必須成分として含有する耐火物用結合剤であって、前記ノボラック樹脂(A)の残留フェノール量が1重量%以下であることを特徴とする耐火物用結合剤。
  2. 前記ノボラック樹脂(A)が、〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.3〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させた後、得られたノボラック樹脂を180〜230℃の温度で加熱し、ノボラック樹脂中に残留した未反応フェノールを除去したノボラック樹脂である請求項1記載の耐火物用結合剤。
  3. レゾール樹脂中の、C−13NMRで測定して得られるノボラック樹脂(A)とアルデヒドとの結合の比率が、〔アルデヒド類〕/〔ノボラック樹脂〕=0.5〜4.0(モル比)である請求項1または2に記載の耐火物用結合剤。
  4. ノボラック樹脂(A)のGPCで測定した数平均分子量が500〜800である請求項3に記載の耐火物用結合剤。
  5. レゾール型フェノール樹脂が、ノボラック樹脂(A)とアルデヒド類とを触媒存在下、pH4〜12の条件で反応させるものである請求項1記載の耐火物用結合剤。
  6. レゾール型フェノール樹脂の残留フェノール量が1重量%以下である請求項4または5に記載の耐火物用結合剤。
  7. アルデヒド類とフェノールとを〔アルデヒド類〕/〔フェノール類〕=0.3〜0.6〔モル比〕となる割合で反応させて得られたノボラック型フェノール樹脂(A)と、フェノールと、アルデヒド類とを反応させて得られたレゾール樹脂を必須成分として含有する耐火物用結合剤であって、前記、レゾール樹脂のフェノール残留量が5重量%以下であることを特徴とする耐火物用結合剤。
  8. 請求項1〜の何れか一つに記載のレゾール樹脂を水溶液、グリコール溶液、アルコール溶液、又は粉末にして用いる耐火物用結合剤。
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