JP2005239949A - フェノール樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レゾール型フェノール樹脂の耐熱性を、100℃〜300℃で硬化させた硬化物の空気雰囲気中での熱減量が600℃に於いて60重量%以下となるようにを大幅に改善し、従来耐熱性がネックになり解決し得なかった分野にも適用可能なレゾール型樹脂組成物及びそれを粉末化した樹脂組成物、これらの硬化物を提供すること。
【解決手段】 ボラック型フェノール樹脂100重量部に対して4.0〜20.0重量部のアルカリ金属水酸化物を触媒として、前記ノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とを反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂とアルカリ金属水酸化物とを含有することを特徴とするフェノール樹脂組成物これを硬化した硬化物。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、耐熱性を必要とする材料として好適なレゾール型フェノール樹脂組成物に関するもので、特に熱減量測定時に於ける耐熱性が従来のレゾール樹脂に比較して優れたものに関する。
フェノール樹脂は、その優れた耐熱性、接着性、機械的特性、電気的特性、価格優位性等を利用し各種基材の成型材料や摩擦材用結合剤、研削材用結合剤、木材用接着剤、積層材用結合剤、鋳型用結合剤、コーティング剤、エポキシ樹脂硬化剤用等として幅広く使用されている。フェノール類とアルデヒド類とを反応させるフェノール樹脂としては、触媒としてアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物を用いるアルカリレゾール型フェノール樹脂、またアンモニアを用いるアンモニアレゾール型フェノール樹脂、2価金属塩を用いるハイオルソ型レゾール型フェノール樹脂、触媒として酸類を用いたノボラック型フェノール樹脂が一般的に知られている。更に、これらの樹脂に各種の変性剤を反応あるいは添加させた変性フェノール樹脂も実用に供されている。
レゾール型フェノール樹脂とノボラック型フェノール樹脂とは共に使用時の形態として液状(溶媒として水を用いた水溶性樹脂、アルコールやケトン等の溶剤に溶解した溶剤型樹脂、分散剤を用いて製造した水分散型樹脂)及び粉末状の形態が通常である。粉末樹脂は熱可塑性樹脂であるノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンを混合粉砕し一定の粒子径にしたものが各種結合剤として有用である。また、レゾール型フェノール樹脂も粉末化することが可能であり各種の触媒を用い粉末化した粉末レゾール樹脂が知られている。またレゾール型フェノール樹脂を粒子状とした製品も実用化されている。また、レゾール型フェノール樹脂をゲル化させ、粉末状にした製品も実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、前記の技術で得られたレゾール型フェノール樹脂では、耐熱性が不充分であり、近年の環境保護対策や更なる高耐熱下の条件にて使用される場合に対応して、耐熱性の向上が急がれている。
特許第3375660号公報
したがって、本発明の課題は、レゾール型フェノール樹脂の耐熱性を、100℃〜300℃で硬化させた硬化物の空気雰囲気中での熱減量が600℃に於いて60重量%以下となるようにを大幅に改善し、従来耐熱性がネックになり解決し得なかった分野にも適用可能なレゾール型樹脂組成物及びそれを粉末化した樹脂組成物、これらの硬化物を提供するものである。
本発明者は、上記の課題を改善するため鋭意検討の結果、本発明のレゾール型フェノール樹脂及び粉末化フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂を製造する際に、ホルムアルデヒド類とノボラック型フェノール樹脂とをアルカリ金属水酸化物触媒を、従来と比べより多く使用して合成したレゾール型フェノール樹脂とアルカリ金属水酸化物触媒を含むフェノール樹脂組成物は高い耐熱性を有することを見いだした。
即ち、本発明はノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して4.0〜20.0重量部のアルカリ金属水酸化物を触媒として、前記ノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とを反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂とアルカリ金属水酸化物とを含有することを特徴とするフェノール樹脂組成物これを硬化した硬化物を提供する。
本発明のフェノール樹脂組成物によれば、耐熱性の向上が図られた場合は熱可塑性、熱硬化性各種材料の大幅な物性改善が可能である。
本発明のフェノール樹脂組成物は、前記レゾール型フェノール樹脂と該樹脂を合成する際に触媒として用いたアルカリ金属水酸化物とを含有したものである。この際、前記アルカリ金属水酸化物としては、レゾール型フェノール樹脂類との塩として存在するものも含む。
また、前記フェノール樹脂組成物は、高い耐熱性を有する観点から、フェノール樹脂組成物の空気雰囲気中での熱減量が600℃に於いて60重量%以下であることが好ましい。
また、本発明のフェノール樹脂組成物は、有機溶剤溶液や水溶液等の溶液であっても、固形であってもよい。
本発明の原料として使用するノボラック型フェノール樹脂は、例えば、次のような方法で製造することが出来る。フェノール類、ホルムアルデヒド類、触媒としての酸を仕込み、100℃で1〜5時間反応して樹脂溶液を得た後、常圧脱水、減圧脱水工程を経て、180〜200℃の温度で、未反応フェノールを、樹脂分の10重量%以下まで除去しノボラック型フェノール樹脂を得る。ここでフェノール類とホルムアルデヒド類の当量比は重要であり、フェノール類の1当量に対してホルムアルデヒドの類を0.2〜0.8当量の範囲で用いることが好ましい。このようにして得られたノボラック型フェノール樹脂はメタノール、エタノール等の溶剤に溶解し原料として用いることが出来る。
前記ノボラック型フェノール樹脂の分子量は、数平均分子量が200〜1000であることが好ましく、そのためには、フェノール類1モルに対してアルデヒド類のモル数は、収率が良好で、経済的に有利なことから0.3モル以上が好ましく、前記分子量の範囲に調整することが容易なことから、0.6モル以下とすることが好ましい。
原料として使用するフェノール類としては、特に限定されるものではなく、たとえばフェノール、あるいはクレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノールなどが挙げられる。またこれらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。経済的な観点からは一般的な原料であるフェノールモノマーが好ましい。
本発明のアルデヒド類としてはフェノール樹脂製造の際に一般的に広く用いられるホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が有効である。経済的な観点からはホルマリンやパラホルムアルデヒドが好適に用いられる。
触媒として用いる酸は、ノボラック型フェノール樹脂の製造の際に用いられる酸類、例えば、蓚酸、塩酸、燐酸、硫酸、パラトルエンスルフォン酸、フェノールスルフォン酸やハイオルソノボラック樹脂の触媒である酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等が用いられる。
前記の合成方法で得られたノボラック型フェノール樹脂を原料としたレゾール型フェノール樹脂の製造方法は、例えば、以下の手法が挙げられる。
前記の方法で得られたノボラック型フェノール樹脂を原料としてレゾール型フェノール樹脂(A)を製造する際の触媒としては、アルカリ金属水酸化物が必要で、これらの中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが好ましい。なお、触媒は2種類の併用で反応させても良い。
本発明のフェノール樹脂組成物の目標とする耐熱性(硬化物の空気雰囲気中での熱減量が600℃に於いて60重量%以下)は、前記の触媒種と後述する触媒量の両者を満たすことで得られる。
前記触媒量としては、アルカリ金属水酸化物をノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して4〜20重量部の範囲となるように用いることが必要である(それぞれ、固形分当たり)。この際、アルカリ金属水酸化物が4重量部未満であると、前記の耐熱性が不足し、また、20重量部超の場合は得られたレゾール型フェノール樹脂のアルカリ腐食が問題になり実用上好ましくない。より好ましくは5〜10重量部の範囲である。
この際、得られるレゾール型フェノール樹脂中の未反応モノマーや1核体成分が、従来のレゾール型フェノール樹脂に比較して非常に少ない樹脂を得る場合は、更に、ノボラック型フェノール樹脂を製造する際に、反応で得られたノボラック型フェノール樹脂を、例えば、200〜230℃の温度でフェノールモノマーを0.1重量%以下に除去する工程を追加すればよい。
前記ノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類の比率は、例えば、ノボラック樹脂の固形分とアルデヒド類の固形分重量比〔アルデヒド類/ノボラック型フェノール樹脂〕が、3/100以上が、硬化後の架橋密度が充分となることから好ましい。また、レゾール型フェノール樹脂の耐熱性が良好なことから、〔アルデヒド類/ノボラック型フェノール樹脂〕が20/100以下であることが好ましく、より好ましい重量比の範囲は7.0〜17.0である。
前記レゾール型フェノール樹脂の製造方法の具体例としては、前記ノボラック型フェノール樹脂とのホルムアルデヒド水溶液(例えば、37重量%)の混合物に触媒としてアルカリ金属水酸化物をノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して4〜20重量部の範囲となるように添加し、50〜80℃の温度で1〜5時間反応しレゾール型フェノール樹脂水溶液を得る。この水溶液は、この形で、本発明のフェノール樹脂組成物である。更に、必要に応じて、アルコール類やケトン類等の有機溶剤を加えてもよい。
また、このようにして得られたレゾール型フェノール樹脂水溶液から水分を除去してレゾール型フェノール樹脂(A)を得る。この際、得られたレゾール型フェノール樹脂中には、前記触媒が含まれており、そのままの形でも、本発明のフェノール樹脂組成物となる。さらに、このフェノール樹脂組成物を溶剤に溶解してもよい。
前記レゾール型フェノール樹脂を更に、100〜300℃で加熱して、Bステージ化しておいてもよい。例えば、本発明のフェノール樹脂組成物を粉末状で用いる場合は、100〜300℃で、加熱時間を調整することで、硬化性を調節することができる。
本発明のフェノール樹脂組成物は、前記レゾール型フェノール樹脂を粉末の形状としてもよい。粉末化は、水分を除去したレゾール型フェノール樹脂を行ってもよいし、上記の様にBステージ化したあとで行ってもよい。
レゾール型フェノール樹脂(A)の粉末化の具体例としては、下記の方法で得ることができる。
(1)レゾール型フェノール樹脂水溶液中の水分を除去し、得られた樹脂を例えば乾燥機中90〜100℃で1〜2時間程度予備硬化させ、いわゆるBステージ化されたレゾール型フェノール樹脂を粉砕、分級する。
(2)前記レゾール型フェノール樹脂水溶液中の水分を蒸発させる際に、これと同時に、粉末化させレゾール型フェノール樹脂(A)を得るスプレードライ方式。
(3)レゾール型フェノール樹脂水溶液を減圧下で脱水を行い系内の温度が100℃になる迄脱水を継続し、クーリングパンに取り出し、これを粉砕機を用いて粉末化する。
(4)レゾール型フェノール樹脂水溶液を減圧下で脱水を行い系内の温度が100℃になる迄脱水を継続し、クーリングパンに取り出す。得られたレゾール型フェノール樹脂(A)を100℃〜300℃の乾燥機で0.5〜5時間保持し、常温では流動性のない固形物を得る。この固形樹脂を粉砕機で粉砕して粉末化する。
何れの方式でも製造可能である。この際、スプレードライ方式を採用した場合は得られる粉末樹脂の粒径を細かく出来、且つ球状にすることもできる。どの方式を採用するかは用途によって選択する必要がある。また、前記のフェノール樹脂組成物は、完全に硬化したものを除けば、硬化性を有し、その硬化性は、前記の加熱温度と加熱時間を調節でき、それにより所望の硬化性を得ることができる。
本発明のフェノール樹脂組成物の硬化物は、前記フェノール樹脂組成物を加熱することにより得られる。加熱条件は、前記の温度条件でBステージ化するよりも長時間加熱することで得られる。
次に本発明の特徴的な耐熱性を判断する指標は、熱硬化性樹脂に限らず、耐熱性を判断する指標として一般的に用いられているものとしては、加熱減量TG(熱重量分析)や成型物のガラス転位点(Tg)を測定する方法、成型物を高温で一定時間保持し機械的強度を測定する方法等を挙げることが出来る。本発明の耐熱性の指標はこの内、加熱減量(TG)を比較する事によってその指標として判断した。加熱減量の測定は周知の様に、樹脂そのもの、或いは硬化物を一定の昇温速度で加熱していった時の減量を検出するもので、通常空気中あるいは窒素雰囲気中で測定される。この加熱減量速度が少ない程熱に対する抵抗性が大きく耐熱性が高いと言える。
また、本発明のフェノール樹脂組成物を粉末化する場合、完全に硬化した状態で提供する場合と、未だ流動性を有する所謂Bステージ状態で提供する場合の2種類がある。ゲル化性を有すると判断する指標としてはキュラストメーターによる、加熱加圧した時のトルクを測定する事によってなし得る。本発明では、キュラストメーター測定に於いて一定の温度で硬化トルクを測定した時、トルクが検出される場合は硬化性を有すると判断出来るし、全くトルクが現れない時は硬化性が無くゲル化していると判断出来る。
次に、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。例中「部」「%」と表示しているものはそれぞれ、特に断りがない限り重量部、重量%を表す。また、数平均分子量とはGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)により、分子量既知のポリスチレンに換算した分子量を示す。フリーフェノールの測定はフリーフェノール1%以上の場合はGPCで測定し、これ以下の場合ははガスクロマトグラフィーで測定した。なお本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
2リットルの4つ口フラスコに攪拌棒、温度計をセットしフェノール941部(10モル)と37.2%ホルマリン40.3部(0.5モル)を仕込み蓚酸2水和物8.82部(0.07モル)を添加し、還流温度(100℃)に昇温し、更に37.2%ホルマリン362.9部(4.5モル)を1時間かけて滴下した。還流温度で5時間反応した後、蒸留を開始し180℃迄昇温した後、0.094MPa以上の減圧度でフリーモノマーが5%以下になる様に調整した後、ノボラック型フェノール樹脂をクーリングパンに取り出した。この樹脂の形状は20℃以下では固形になるが40℃以上では飴状になる。
GPC測定による数平均分子量680、またC13−NMRで求めた結合モル比は0.68であった。該ノボラック樹脂を固形分90%になるようにメタノールで希釈してノボラック型フェノール樹脂のメタノール溶液(X1)を調製し以下の実験に用いた。
得られたノボラック樹脂のメタノール溶液(X1)116.7部と41.5%ホルマリン34部(13.4部/対ノボラック樹脂固形分)を良く混合し、これに48%水酸化ナトリウム10.5部(4.8重量部/ノボラック樹脂仕込量)を添加し、70℃迄昇温した。70℃で4時間反応した後、冷却し、本発明のレゾール型フェノール樹脂(A0I)溶液を得た。この樹脂の135℃に於ける不揮発分は54.7%、150℃に於けるゲル化時間は74秒であった。GPCで測定したフリーフェノールは1.5%であった。またこの樹脂の13C−NMRで測定した結合モル比は1.10であった。
得られたレゾール型フェノール樹脂を90℃で2時間、100℃で1時間処理した後粉砕機にて粉砕し、106μm以下に分級し、粉末化したレゾール型フェノール樹脂(AI)を含有するフェノール樹脂組成物を得た。なお、前記レゾール型フェノール樹脂(AI)は硬化性を有している。
実施例2
2リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計をセットしフェノール941部(10モル)と37.2%ホルマリン241.9部(3.0モル)を仕込み蓚酸2水和物8.82部(0.07モル)を添加し、還流温度(100℃)に昇温した。還流温度で5時間反応した後、常圧蒸留を開始し180℃迄昇温した。その後温度を220℃まで上げ0.094MPaで減圧蒸留を3時間行いB&R法の軟化点45℃、ガスクロマトグラフィーで測定したフリーフェノール量0.1%、GPCによる数平均分子量615、またC13−NMRで求めた結合モル比が0.66であるノボラック型フェノール樹脂を得た。実施例1と同様にメタノールで固形分90%に希釈してノボラック型フェノール樹脂メタノール溶液(X2)を得た。次いで、ノボラック型フェノール樹脂メタノール溶液(X2)116.7部と41.5%ホルマリン31.8部(12.5部/ノボラック型フェノール樹脂固形分当たり)を良く混合し、これに48%水酸化ナトリウム水溶液20部(ノボラック型フェノール樹脂に対する仕込量9.14重量部)を添加し、70℃迄昇温した。70℃で2.5時間反応した後常温まで冷却しレゾール樹脂(B)を得た。この樹脂の粘度は1250(mPa・s/25℃)、150℃のゲル化時間は60秒、135℃に於ける不揮発分は63.5%、水との混和性は2000%以上であった。GPCでのフリーフェノールの測定値は検出限界以下であり、GC(ガスクロマトグラフィー)で測定したフリーフェノールは0.01%であった。C−13NMRで測定したこの樹脂の結合モル比は1.05であった。上記で得られたレゾール型フェノール樹脂を実施例1と同様に、90℃で2時間、100℃で1時間処理した後、粉砕機を用いて粉砕し、106μm以下に分級し硬化性を有する、粉末化したレゾール型フェノール樹脂(AII)を含有するフェノール樹脂組成物を得た。なお、このフェノール樹脂組成物は、試験例1に示すように硬化性を有している。
実施例3
実施例1で調製したノボラック型フェノール樹脂のメタノール溶液(X1)113.3部、41.5%のホルマリン31.8部(12.9部/ノボラック型フェノール樹脂固形分当たり)48%水酸化カリウム溶液15部(ノボラックに対する仕込量7.06重量部)を仕込み、70℃に昇温し、3時間保った後常温に冷却しレゾール型フェノール樹脂(A0III)を得た。この樹脂は粘度3970(mPa・s/25℃)、135℃に於ける不揮発分は73.5%、150℃におけるゲル化時間は88秒であった。このレゾール型フェノール樹脂を実施例1と同様の方法で粉末化し、粉末化したレゾール型フェノール樹脂(AIII)を含有するフェノール樹脂組成物を得た。
実施例4
実施例1で作成したレゾール型フェノール樹脂(A0I)溶液をスプレードライヤで、次の条件で処理し硬化性を有しない完全にゲル化させたレゾール型フェノール樹脂の粉末を含有するフェノール樹脂組成物を得た粉末を得た。粉末化条件;使用したスプレードライヤ機種:CL−12(大川原製作所製)入り口温度200℃、出口温度120℃でノズルよりレゾール樹脂を噴霧し、樹脂を約20分間ドライヤの中で滞留させ粉末状で取り出し、粉末化したレゾール型フェノール樹脂(AIV)を含有するフェノール樹脂組成物の硬化物を得た。得られた硬化物粉末は顕微鏡写真により球形であり、平均粒径は約20μmであった。
比較例1
実施例1で作成したノボラック型フェノール樹脂のメタノール溶液(X1)116.7部と41.5%ホルマリン60.2部(23.8部/ノボラック型フェノール樹脂固形分当たり)を良く混合し、これに48%水酸化ナトリウム12.1部(5.0%/ノボラック樹脂仕込量)を添加し、70℃迄昇温した。70℃で3時間反応した後、冷却し、レゾール型フェノール樹脂(Y01)溶液を得た。この樹脂の粘度は8180(mPa・s/25℃)135℃で測定した不揮発分は69.6%、150℃に於けるゲル化時間は51秒であった。GPCで測定したフリーフェノールは1.1%であった。またこの樹脂の13C−NMRで測定した結合モル比は1.49であった。前記レゾール型フェノール樹脂(Y01)を90℃で2時間、100℃で1時間処理した後粉砕機にて粉砕し、106μm以下に分級し、フェノール樹脂組成物粉末を得た。
比較例2
実施例1で作成したノボラック型フェノール樹脂のメタノール溶液(X1)116.7部と41.5%ホルマリン39.0部(15.4部/ノボラック型フェノール樹脂固形分当たり)を良く混合し、これに48%水酸化ナトリウム4.38部(2.0重量部/ノボラック樹脂仕込量)を添加し、70℃迄昇温した。70℃で3時間反応した後常温まで冷却しレゾール型フェノール樹脂(Y02)溶液を得た。このレゾール型フェノール樹脂(Y02)溶液の粘度は8610(mPa・s/25℃)135℃で測定した不揮発分は73%、135℃におけるゲル化時間は69秒、GPCで測定したフリーフェノールは2.8%であった。C−13NMRで測定したこの樹脂の結合モル比は1.19であった。このレゾール型フェノール樹脂(Y02)を実施例1と同様にしてフェノール樹脂組成物粉末を得た。
比較例3
実施例1で作成したノボラック型フェノール樹脂のメタノール溶液(X1)116.7部、41.5%ホルマリン31.8部(12.6部/ノボラック樹脂固形分)、水酸化リチウム1水和物3.15部(3.0部/ノボラック樹脂仕込量)を添加し、70℃迄昇温した。70℃で3時間保持した後、常温に冷却しレゾール型フェノール樹脂(X03)溶液を得た。このレゾール樹脂の粘脂の粘度は14850(mPa・s/25℃)135℃で測定した不揮発分は77.1%、135℃におけるゲル化時間は70秒、GPCで測定したフリーフェノールは0.1%であった。C−13NMRで測定したこの樹脂の結合モル比は1.12であった。このレゾール型フェノール樹脂(X03)を実施例1と同様にしてフェノール樹脂組成物粉末を得た。
比較例4
市販レゾール型フェノール樹脂粉末:ベルパールS−899(カネボウ製粉末レゾール樹脂)を用いた。
実施例1〜3、比較例1〜3のフェノール樹脂組成物粉末、実施例4のフェノール樹脂硬化物、市販レゾール型フェノール樹脂粉末の加熱減量を測定し得られた結果を表1に示す。
フェノール樹脂組成物の加熱減量(%)の測定条件は、セイコー電子製熱分析システム(TG/DTA6200)を装置として用い、試料重量約5mgを測定温度範囲30℃〜800℃で、10℃/分の昇温速度で測定雰囲気が乾燥空気で測定した。
Figure 2005239949
試験例1
実施例2で得られた粉末化したレゾール型フェノール樹脂(AII)を含有するフェノール樹脂組成物の硬化性について調べた。
得られた粉末樹脂をガラス粉末(日本電気硝子製EPG70−10A)/粉末樹脂=3/7(重量比)で混合したものを成型し、日合商事製キュラストメーターV型にて硬化性を確認した。測定温度は150℃、170℃、190℃、測定時間40分。測定温度と最高トルクの10%(T10)、50%(T50)、90%(T90)トルク値に到達する時間、最高トルク値は表2次の通りであった。
Figure 2005239949
試験例2
実施例4で得られた粉末化したレゾール型フェノール樹脂(AIV)を含有するフェノール樹脂組成物の硬化性について調べた。その結果、実施例4の粉末樹脂Iついては、150℃、170℃、190℃の何れの温度においてもトルクが現れない。したがって、実施例2で得られた粉末樹脂は充分な硬化性を有しており、実施例4で得られた粉末樹脂は硬化性が無く完全に硬化している事が判った。
本発明のフェノール樹脂組成物が有する物性を生かせる分野としては、熱可塑性樹脂等の耐熱向上材料、成型材料、炭素材料、熱硬化性樹脂成型品、ペーパー材料、エポキシ樹脂硬化剤、接着剤・塗料耐熱バインダー、ゴム製品のフィラー、摩擦材の反応性充填材、研磨布紙の有機充填材、研削砥石の反応性耐熱充填材、耐火材、等フェノール樹脂の各種用途のみならず、耐熱性、反応性を有する有機フィラーとして広範な用途に応用可能である。

Claims (8)

  1. ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して4.0〜20.0重量部のアルカリ金属水酸化物を触媒として、前記ノボラック型フェノール樹脂とアルデヒド類とを反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂とアルカリ金属水酸化物とを含有することを特徴とするフェノール樹脂組成物。
  2. 前記ノボラック型フェノール樹脂の数平均分子量が200〜1000である請求項1記載のフェノール樹脂組成物。
  3. 前記ノボラック型フェノール樹脂の固形分とアルデヒド類の重量比〔(アルデヒド類)/(ノボラック型フェノール樹脂)〕が3/100〜20/100である請求項1記載のフェノール樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムからなる群から選ばれる1種以上のアルカリ金属水酸化物である請求項4記載のフェノール樹脂組成物。
  5. 請求項1記載のフェノール樹脂組成物が溶液状であるフェノール樹脂組成物。
  6. 請求項1記載のフェノール樹脂組成物が粉末状であるフェノール樹脂組成物。
  7. 前記フェノール樹脂組成物の空気雰囲気中での熱減量が600℃に於いて60重量%以下である請求項1〜6の何れか1つに記載のフェノール樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7の何れか1つに記載のフェノール樹脂組成物を硬化した硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008094950A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Starlite Co Ltd 保存安定性に優れた耐熱フェノール樹脂組成物
CN114824329A (zh) * 2022-05-20 2022-07-29 南京师范大学 一种含铁单原子催化剂及其应用

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