JP2007091820A - 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 - Google Patents
熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007091820A JP2007091820A JP2005280514A JP2005280514A JP2007091820A JP 2007091820 A JP2007091820 A JP 2007091820A JP 2005280514 A JP2005280514 A JP 2005280514A JP 2005280514 A JP2005280514 A JP 2005280514A JP 2007091820 A JP2007091820 A JP 2007091820A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermosetting resin
- resin composition
- weight
- parts
- molding material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】 硬化速度が極めて速い熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂(a)、ヘキサメチレンテトラミン(b)、および水素イオンを放出する重合体(c)を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。前記水素イオンを放出する重合体(c)が、水素型陽イオン交換樹脂である熱硬化性樹脂組成物。前記水素イオンを放出する重合体(c)が、官能基としてスルホン基を含有する熱硬化性樹脂組成物。前記熱硬化性樹脂組成物と充填材とを含んでなる熱硬化性樹脂成形材料。
【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂(a)、ヘキサメチレンテトラミン(b)、および水素イオンを放出する重合体(c)を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物。前記水素イオンを放出する重合体(c)が、水素型陽イオン交換樹脂である熱硬化性樹脂組成物。前記水素イオンを放出する重合体(c)が、官能基としてスルホン基を含有する熱硬化性樹脂組成物。前記熱硬化性樹脂組成物と充填材とを含んでなる熱硬化性樹脂成形材料。
Description
本発明は、熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料に関するものである。
通常、ノボラック型フェノール樹脂は、主にヘキサメチレンテトラミンが硬化剤として配合されて熱硬化性フェノール樹脂組成物として用いられる。これらはいずれも、耐熱性、機械的強度、電気特性等、種々の優れた特性を有しており、成形材料、積層板、接着剤等、種々の用途に使用されている。
反面、従来の熱硬化性フェノール樹脂組成物は、硬化速度が遅いという問題がある。その為、成形品や積層板の生産に時間がかかることから、硬化速度が速く、生産時間が短縮できる熱硬化性樹脂組成物が強く望まれている。
これまで、熱硬化性フェノール樹脂組成物の硬化速度を速くする方法として、高分子量のノボラック型フェノール樹脂を用いたり(例えば、特許文献1参照。)、ハイオルソノボラック型フェノール樹脂を用いたり(例えば、特許文献2参照。)しているが、いずれもその効果が不充分である。
また、硬化剤として用いられているヘキサメチレンテトラミンの分解促進剤として、有機酸を添加する方法も提案されているが、これもその効果が不充分である。
本発明は、硬化速度が極めて速い熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた熱硬化性樹脂成形材料を提供することを目的としたものである。
本発明は、
(1)ノボラック型フェノール樹脂(a)、ヘキサメチレンテトラミン(b)、および水素イオンを放出する重合体(c)を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物、
(2)水素イオンを放出する重合体(c)が、水素型陽イオン交換樹脂である第(1)項に記載の熱硬化性樹脂組成物、
(3)水素イオンを放出する重合体(c)が、官能基としてスルホン酸基を含有するものである第(1)項〜第(2)項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物、
(4)ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、水素イオンを放出する重合体(c)が0.01重量部以上30重量部以下の割合で、配合してなる第(1)項〜第(3)項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物、
(5)第(1)項〜第(4)項のいずれかに記載された熱硬化性樹脂組成物と充填材とを含んでなる熱硬化性樹脂成形材料、
を提供するものである。
(1)ノボラック型フェノール樹脂(a)、ヘキサメチレンテトラミン(b)、および水素イオンを放出する重合体(c)を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物、
(2)水素イオンを放出する重合体(c)が、水素型陽イオン交換樹脂である第(1)項に記載の熱硬化性樹脂組成物、
(3)水素イオンを放出する重合体(c)が、官能基としてスルホン酸基を含有するものである第(1)項〜第(2)項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物、
(4)ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、水素イオンを放出する重合体(c)が0.01重量部以上30重量部以下の割合で、配合してなる第(1)項〜第(3)項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物、
(5)第(1)項〜第(4)項のいずれかに記載された熱硬化性樹脂組成物と充填材とを含んでなる熱硬化性樹脂成形材料、
を提供するものである。
本発明よれば、硬化速度が極めて速い熱硬化性樹脂組成物、および熱硬化性樹脂成形材料が得られる。
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミン及び水素イオンを放出する重合体を含む熱硬化性樹脂組成物であり、このような成分とすることにより、硬化速度が極めて速い熱硬化性樹脂組成物が得られるものである。
本発明に用いるノボラック型フェノール樹脂(a)としては、フェノール類とアルデヒド類とを無触媒もしくは触媒存在下で反応させて得られる、フェノール樹脂、クレゾール樹脂、キシレノール樹脂およびナフトール樹脂等が挙げられ、ランダムノボラック型でもハイオルソノボラック型でも用いることができる。前記フェノール類として、フェノール、クレゾール、キシレノールおよびナフトール等が挙げられ、アルデヒド類として、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ポリアセタールなどが挙げられるが、最も硬化速度を速くするにはフェノールとホルムアルデヒドを用いて反応させて得られるノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
また、ノボラック型フェノール樹脂中のイオン性不純物は、少ない方が好ましく、抽出水電気伝導度の測定値で表す場合には、50μS/cm以下のノボラック型フェノール樹脂が好ましい。抽出水電気伝導度の測定値が、50μS/cmを越えるノボラック型フェノール樹脂を用いた場合、ヘキサメチレンテトラミンとの溶融混合の際に、ノボラック型フェノール樹脂中のイオン性不純物が、ヘキサメチレンテトラミンの分解触媒として作用して、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとの硬化反応が起こることがある。本発明における抽出水電気伝導度の測定値は、ノボラック型フェノール樹脂6.0gと蒸留水40mlを、耐圧容器に入れて密閉し、125℃の乾燥機中で20時間熱処理後に放冷して、上澄み水を電気伝導度計で測定することにより得られる。
本発明に用いるヘキサメチレンテトラミン(b)としては、一般的にフェノール樹脂成形材料に用いられるものであれば良く、形状や粒子の大きさなどは、一般的に成形材料に使用できるものであれば、限定されない。
本発明に用いる水素イオンを放出する重合体(c)としては、水素イオンを放出する官能基を含有していれば良く、重合体の主鎖としては、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂などの重合体が挙げられ、また、これらの重合体や他の重合体との共重合体など骨格が2つ以上の成分からなるものも挙げられる。
水素イオンを放出する官能基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基およびスルホン酸基などが挙げられるが、酸の強さの面からスルホン酸基が好ましい。
前記重合体としては、重量平均分子量が1000以上であることが望ましい。重量平均分子量が、前記範囲にあると、硬化物とした際に、機械的強度、耐薬性や耐熱性などの性質がより優れる。また、前記重合体の重量平均分子量の上限値は、特に限定されるものではなく、硬化物特性に影響しない範囲であれば、いくら高くてもよい。また、前記重合体は、架橋されているものがより好ましい。
前記重合体の具体例としては、水素イオンを放出する官能基としてスルホン酸基などを有し、重合体の主鎖としてポリスチレンなどで構成される水素型陽イオン交換樹脂や、スルホン酸基を有するノボラック型フェノール樹脂などが使用できる。また、これらの粒径は一般的に成形材料に使用できるものであれば、限定されない。
水素イオンを放出する官能基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基およびスルホン酸基などが挙げられるが、酸の強さの面からスルホン酸基が好ましい。
前記重合体としては、重量平均分子量が1000以上であることが望ましい。重量平均分子量が、前記範囲にあると、硬化物とした際に、機械的強度、耐薬性や耐熱性などの性質がより優れる。また、前記重合体の重量平均分子量の上限値は、特に限定されるものではなく、硬化物特性に影響しない範囲であれば、いくら高くてもよい。また、前記重合体は、架橋されているものがより好ましい。
前記重合体の具体例としては、水素イオンを放出する官能基としてスルホン酸基などを有し、重合体の主鎖としてポリスチレンなどで構成される水素型陽イオン交換樹脂や、スルホン酸基を有するノボラック型フェノール樹脂などが使用できる。また、これらの粒径は一般的に成形材料に使用できるものであれば、限定されない。
本発明に用いる充填材としては、有機充填材および無機充填材等の充填材のいずれでも用いることができる。前記有機充填材としては、木粉、合板粉、熱硬化性樹脂硬化物粉末および粉砕布等が挙げられ、前記無機充填材としては、ガラスビーズ、ガラスパウダー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、クレーおよびマイカ等の粉末状充填材や、ガラス繊維およびカーボン繊維などの繊維状充填材などが挙げられ、これらの1種以上が使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明におけるヘキサメチレンテトラミン(b)の含有量としては、ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、好ましい下限値が5重量部で、好ましい上限値が30重量部である。前記下限値以上では、充分な硬化速度を得ることができ、前記上限値以下では、硬化時のガス発生量が少なく硬化物の外観がより良好なものとなるので好ましい。
本発明における水素イオンを放出する重合体(c)の含有量としては、ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、好ましい下限値が0.01重量部で、好ましい上限値が30重量部である。前記下限値以上では、充分な硬化速度を得ることができ、前記上限値以下では、ノボラック型フェノール樹脂としての性質を保つことができる。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料における充填材の含有量としては、熱硬化性樹脂組成物100重量部に対して、好ましい下限値が30重量部で、好ましい上限値が400重量部である。前記下限値以上では、前記成形材料の硬化物である成形品の機械的強度が充分であり、前記上限値以下では、成形時の流動性が良好で、成形時に金型内の充填性がより良好なものとなる。
本発明において、上記成分以外に、必要に応じて、シランカップリング剤、着色剤、難燃剤および離型剤などの一般的な熱硬化性樹脂および熱硬化性樹脂成形材料に用いられる各種添加剤を配合することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、製造方法は特に制限されることはなく、ノボラック型フェノール樹脂(a)、ヘキサメチレンテトラミン(b)、および水素イオンを放出する重合体(c)、必要に応じて、各種添加剤を公知のミキサーで混合することにより得ることができ、また、これらの混合物を溶融混合しても良い。熱硬化性成形材料においても、製造方法は特に制限されず、前記熱硬化性樹脂組成物および充填材、必要に応じて、添加剤を混合し、例えば、ロールなどにより溶融混合して得ることができる。
本発明における硬化機構は、ヘキサメチレンテトラミン(b)を、水素イオンを放出する重合体(c)が分解し、発生したホルムアルデヒドとノボラック型フェノール樹脂(a)が、水素イオンを放出する重合体(c)を触媒として、反応を促進させ硬化反応が進むものと考えられる。
一方、フェノール樹脂合成時に水素を放出する重合体を添加することは以前から知られている。陽イオン交換樹脂(特開平06−073148)やスルホン化されたフェノール樹脂(特表平11−502244)をノボラック合成時の酸触媒として使用する方法が開示されている。後者はレゾールの硬化剤としても使用できる。しかしながら、これらはノボラック合成時の酸触媒、レゾールの硬化剤として水素を放出する重合体を用いていて、本発明のようにノボラックの硬化剤となるヘキサメチレンテトラミンの分解のために用いたものとは全く異なる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は硬化速度が速いため、成形材料、積層板、接着剤等の種々の用途に好適に使用される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制約されるものではない。
(合成例1)
反応容器中で、フェノール100重量部、37%ホルマリン63重量部、蓚酸0.5重量部の混合物を、100℃で3時間反応後、メタノール10重量部と蒸留水20重量部を添加して混合し、2時間静置した。反応混合物の上澄み液を除去した後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、反応容器の内部圧力が0.9kPaになるまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が230℃になるまで、減圧蒸留して、未反応フェノールを除去して、数平均分子量が920、軟化点が80℃、抽出水電気伝導度が8μS/cmのノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂90重量部を得た。
反応容器中で、フェノール100重量部、37%ホルマリン63重量部、蓚酸0.5重量部の混合物を、100℃で3時間反応後、メタノール10重量部と蒸留水20重量部を添加して混合し、2時間静置した。反応混合物の上澄み液を除去した後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、反応容器の内部圧力が0.9kPaになるまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が230℃になるまで、減圧蒸留して、未反応フェノールを除去して、数平均分子量が920、軟化点が80℃、抽出水電気伝導度が8μS/cmのノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂90重量部を得た。
(合成例2)
反応容器中で、10重量%の水を含有するフェノール100重量部に、濃硫酸4.55重量部を40℃で滴下した。37%ホルマリン20.5重量部を、溶液の温度が上昇しないように滴下し、40℃で1時間攪拌した。得られた溶液をデカンテーションし、有機相を分離した。この有機相に、さらに濃硫酸31.8重量部を、50℃を超えないように滴下し、そのまま16時間攪拌して、数平均分子量が520、軟化点が65℃であるスルホン酸基を有するノボラック型フェノール樹脂を得た。
反応容器中で、10重量%の水を含有するフェノール100重量部に、濃硫酸4.55重量部を40℃で滴下した。37%ホルマリン20.5重量部を、溶液の温度が上昇しないように滴下し、40℃で1時間攪拌した。得られた溶液をデカンテーションし、有機相を分離した。この有機相に、さらに濃硫酸31.8重量部を、50℃を超えないように滴下し、そのまま16時間攪拌して、数平均分子量が520、軟化点が65℃であるスルホン酸基を有するノボラック型フェノール樹脂を得た。
(製造例1)
スルホン酸基を含む陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製アンバーリスト)100重量部を乾燥し、ミキサーで粉砕し、篩い分けして、粒径46μm以下の粒子を20重量部得た。
スルホン酸基を含む陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製アンバーリスト)100重量部を乾燥し、ミキサーで粉砕し、篩い分けして、粒径46μm以下の粒子を20重量部得た。
(実施例1)
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を100g、ヘキサメチレンテトラミン(日本化成製)を10g、製造例1で得られた陽イオン交換樹脂(粒径46μm以下の粒子)を0.01g採取し、乳鉢を用い粉砕混合し、熱硬化性樹脂組成物を得た。
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を100g、ヘキサメチレンテトラミン(日本化成製)を10g、製造例1で得られた陽イオン交換樹脂(粒径46μm以下の粒子)を0.01g採取し、乳鉢を用い粉砕混合し、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例2)
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を100g、ヘキサメチレンテトラミンを10g、合成例2で得られたスルホン酸基を有するノボラック型フェノール樹脂を0.01g採取し、乳鉢を用い粉砕混合し、熱硬化性樹脂組成物を得た。
合成例1で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を100g、ヘキサメチレンテトラミンを10g、合成例2で得られたスルホン酸基を有するノボラック型フェノール樹脂を0.01g採取し、乳鉢を用い粉砕混合し、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(実施例3〜6)
実施例1、または2と同様にして、表1に示す割合で配合し、熱硬化性樹脂組成物を得た。
実施例1、または2と同様にして、表1に示す割合で配合し、熱硬化性樹脂組成物を得た。
(比較例1)
表1に示す割合で配合した原料を、乳鉢で粉砕混合して、熱硬化性樹脂組成物を得た。
表1に示す割合で配合した原料を、乳鉢で粉砕混合して、熱硬化性樹脂組成物を得た。
[ゲルタイムの評価]
上記で得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、硬化速度の指標であるゲルタイムの評価を行った。ゲルタイムは、150℃に保った熱板上に0.5gの試料を乗せ、スパチュラで、常時、かき混ぜながら、スパチュラを持ち上げても樹脂組成物が糸を引かなくなるまでの時間を測定した。この時間が短いほど硬化速度が速いことを示す。
得られた結果を、表1に示す。
上記で得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、硬化速度の指標であるゲルタイムの評価を行った。ゲルタイムは、150℃に保った熱板上に0.5gの試料を乗せ、スパチュラで、常時、かき混ぜながら、スパチュラを持ち上げても樹脂組成物が糸を引かなくなるまでの時間を測定した。この時間が短いほど硬化速度が速いことを示す。
得られた結果を、表1に示す。
(実施例7)
実施例1で得られた熱硬化性樹脂組成物115重量部、100メッシュパスの木紛(大友化成(株)製)150重量部、ステアリン酸(花王(株)製)3重量部、カーボンブラック(三菱化学(株)製)2重量部を混合し、これを加熱ロールで混練し、更に冷却、粉砕して成形材料を得た。
実施例1で得られた熱硬化性樹脂組成物115重量部、100メッシュパスの木紛(大友化成(株)製)150重量部、ステアリン酸(花王(株)製)3重量部、カーボンブラック(三菱化学(株)製)2重量部を混合し、これを加熱ロールで混練し、更に冷却、粉砕して成形材料を得た。
得られた成形材料を用いて、硬化速度の指標であるバコール硬度の測定を行ったところ、17秒であった。バコール硬度は、175℃に設定した移送成形用金型に、圧力20MPaで注入して、50mmφ*3mm厚みの成形品を成形し、成形品の表面を、バコール硬度計No.935により測定したとき、その硬度が40以上になった時の硬化時間で表す。この時間が短いほど、硬化速度が速いことを示す。
(実施例8)
実施例7において、熱硬化性樹脂組成物115重量部に替えて実施例2の熱硬化性樹脂組成物115重量部を用いた以外は、実施例7と同様にして、成形材料を得て、評価を行ったところ、バコール硬度は19秒であった。
実施例7において、熱硬化性樹脂組成物115重量部に替えて実施例2の熱硬化性樹脂組成物115重量部を用いた以外は、実施例7と同様にして、成形材料を得て、評価を行ったところ、バコール硬度は19秒であった。
(比較例2)
実施例7において、熱硬化性樹脂組成物115重量部に替えて比較例1の熱硬化性樹脂組成物115重量部を用いた以外は、実施例7と同様にして、成形材料を得て、評価を行ったところ、バコール硬度は33秒であった。
実施例7において、熱硬化性樹脂組成物115重量部に替えて比較例1の熱硬化性樹脂組成物115重量部を用いた以外は、実施例7と同様にして、成形材料を得て、評価を行ったところ、バコール硬度は33秒であった。
上記の結果からも明らかな様に、本発明の熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料はヘキサメチレンテトラミンのみの場合以上の硬化性を有している。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化速度が極めて速いことより、成形材料以外にも、積層板および接着剤等の、従来より熱硬化性フェノール樹脂組成物が用いられてきた用途に好適に用いられる。また、自動車用部品、機構部品、電機・電子部品等の用途にも好適である。
Claims (5)
- ノボラック型フェノール樹脂(a)、ヘキサメチレンテトラミン(b)、および水素イオンを放出する重合体(c)を含む熱硬化性樹脂組成物。
- 水素イオンを放出する重合体(c)が、水素型陽イオン交換樹脂である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 水素イオンを放出する重合体(c)が、水素イオンを放出する官能基としてスルホン酸基を含有するものである請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、水素イオンを放出する重合体(c)が0.01重量部以上30重量部以下の割合で含む請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載された熱硬化性樹脂組成物と充填材とを含んでなる熱硬化性樹脂成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005280514A JP2007091820A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005280514A JP2007091820A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007091820A true JP2007091820A (ja) | 2007-04-12 |
Family
ID=37977904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005280514A Pending JP2007091820A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007091820A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019172741A (ja) * | 2018-03-27 | 2019-10-10 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール樹脂成形材料および構造体 |
-
2005
- 2005-09-27 JP JP2005280514A patent/JP2007091820A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019172741A (ja) * | 2018-03-27 | 2019-10-10 | 住友ベークライト株式会社 | フェノール樹脂成形材料および構造体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5915331B2 (ja) | バイオマス変性フェノール樹脂の製造方法、バイオマス変性フェノール樹脂、バイオマス変性フェノール樹脂組成物及びバイオマス変性フェノール樹脂硬化物 | |
WO2023145575A1 (ja) | フェノール樹脂組成物、硬化物及び成形体 | |
JP5849771B2 (ja) | バイオマス誘導体、バイオマス誘導体組成物及びバイオマス誘導体硬化物 | |
JP2007091820A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 | |
JP2009286888A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及びその硬化物 | |
JP2009096894A (ja) | 低分子量ノボラック樹脂、その製造方法およびそれを使用した熱硬化性樹脂組成物 | |
JP4396297B2 (ja) | 熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂成形材料ならびにこれらの硬化物 | |
JP2006282813A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 | |
JP2007091821A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 | |
JP5703660B2 (ja) | フェノール樹脂組成物の製造方法 | |
JP2007070549A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 | |
WO2006070519A1 (ja) | 熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及びその硬化物 | |
JP6652050B2 (ja) | フェノール樹脂組成物及びフェノール樹脂硬化物 | |
JP2007204530A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物および熱硬化性樹脂成形材料 | |
JP5381573B2 (ja) | 熱硬化性樹脂成形材料 | |
JP2011202056A (ja) | フェノール樹脂成形材料 | |
JP4961679B2 (ja) | 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物 | |
JP2007119611A (ja) | フェノール樹脂組成物 | |
JP2021100998A (ja) | 成形材料 | |
JP2008239716A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂成形材料及びその硬化物 | |
JPH011714A (ja) | 成形材料用フェノ−ル樹脂の製造法 | |
JP5644471B2 (ja) | フェノール樹脂成形材料の製造方法 | |
JP2005239949A (ja) | フェノール樹脂組成物及びその硬化物 | |
JPH08157692A (ja) | フェノール樹脂組成物及び成形材料 | |
JP2007063439A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂成形材料ならびにこれらの硬化物 |