JP2019172741A - フェノール樹脂成形材料および構造体 - Google Patents

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和弥 藤田
佳樹 西川
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Abstract

【課題】硬化性を維持したまま流動安定性に優れたフェノール樹脂成形材料を提供する。【解決手段】本発明のフェノール樹脂成形材料は、ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミン、充填材、およびポリアクリル酸を含有するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール樹脂成形材料および構造体に関する。
これまでフェノール樹脂成形材料について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、射出成形機を使用して、ノボラック型フェノール樹脂およびヘキサメチレンテトラミンを含有するフェノール樹脂成形材料を成形することにより成型品を得ることが記載されている。
特開平10−330583号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のフェノール樹脂成形材料において、硬化性および流動安定性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、ヘキサメチレンテトラミンと併用する硬化触媒を適切に選択することにより、硬化性および流動安定性を制御できることを見出した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、ヘキサメチレンテトラミンとポリアクリル酸とを併用することにより、フェノール樹脂成形材料において、成形時の硬化性を維持しつつも、流動安定性を高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミンおよび充填材を含有するフェノール樹脂成形材料であって、
ポリアクリル酸をさらに含む、フェノール樹脂成形材料が提供される。
また本発明によれば、上記フェノール樹脂成形材料の硬化物を備える、構造体が提供される。
本発明によれば、硬化性を維持したまま流動性に優れたフェノール樹脂成形材料およびそれを用いた構造体が提供される。
ブラベンダーを用いたときの材料のトルクと時間との挙動を説明するための図である。
本実施形態のフェノール樹脂成形材料の概要を説明する。
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミンおよび充填材を含有するとともに、ポリアクリル酸をさらに含むものである。
本発明者の知見によれば、ヘキサメチレンテトラミンとポリアクリル酸とを併用することにより、フェノール樹脂成形材料において、成形時の硬化性の低下を抑制しつつも、溶融時の流動安定性を高められることが判明した。また、溶融時の粘度の低下も抑制できることが判明した。
詳細なメカニズムは定かでないが、次のように考えられる。
まず、ポリアクリル酸は、酸として働くため、硬化剤で塩基であるヘキサメチレンテトラミンを分解し、ホルムアルデヒドを発生させる。これがフェノール樹脂の硬化反応を促進させる。このため、熱可塑成分(ポリアクリル酸)の添加による流動性の向上と、ホルムアルデヒドの増加による硬化性の維持とを両立できる、と考えられる。
本実施形態によれば、硬化性を維持したまま流動性に優れるフェノール樹脂成形材料を実現できる。通常、このような流動安定性と硬化性とはトレードオフの関係を示すことが多いが、本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、ヘキサメチレンテトラミンとポリアクリル酸とを併用しているため、硬化性を維持したまま流動性を向上させることができる。
以下、本実施形態のフェノール樹脂成形材料の各成分について詳述する。
(ノボラック型フェノール樹脂)
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、フェノール樹脂として、ノボラック型フェノール樹脂を含有するものである。
上記ノボラック型フェノール樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類とを、無触媒、酸性触媒または遷移金属触媒の存在下で反応させて得られる樹脂であれば、特に限定されない。
上記ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、未変性フェノール系樹脂、クレゾール樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレノール樹脂、クレゾール・キシレノール樹脂、クレゾール変性フェノール系樹脂、レゾルシノール変性フェノール系樹脂、キシレノール変性フェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、アルキルフェノール変性フェノール系樹脂、ビスフェノール変性フェノール系樹脂、カシュー油変性フェノール系樹脂、トール油変性フェノール系樹脂、ロジン変性フェノール系樹脂、テルペン油変性フェノール系樹脂、ランダムノボラック型フェノール樹脂、ハイオルソノボラック型フェノール樹脂、または下記に示すフェノール類を2種以上使用した樹脂を用いることができる。また、これら樹脂は、2種以上の樹脂を混合したものを使用しても良い。
なお、このノボラック型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)が0.5以上1.0以下となるように制御した上で、反応させて得ることができる。
上記フェノール類としては、フェノール性水酸基を備えるモノマーに由来するものであれば限定されない。
このようなフェノール類としては、具体的には、フェノール;o−ジヒドロキシベンゼン、m−ジヒドロキシベンゼン、p−ジヒドロキシベンゼンなどのジヒドロキシベンゼン;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのクレゾール;エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのアルキルフェノール;キシレノール;3−ペンタデシルフェノール、3−ペンタデシルフェノールモノエン、3−ペンタデシルフェノールジエン、3−ペンタデシルフェノールトリエンなどのカシューオイルの含有成分;1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンモノエン、1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンジエン、1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼントリエンといったカルドールの含有成分;2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンモノエン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼンジエン、2−メチル−1,3−ジヒドロキシ−5−ペンタデシルベンゼントリエンといったメチルカルドールの含有成分;ウルシオール;ビスフェノールA;ビスフェノールF;ビスフェノールSなどが挙げられる。フェノール類としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アルデヒド類としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド化合物;ヘキサメチレンテトラミンなどのアルデヒド化合物の発生源となる物質などを用いることができる。アルデヒド類としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸性触媒としては、例えば、酢酸、シュウ酸などの有機酸;塩酸、硫酸、リン酸などの鉱物酸;ジエチル硫酸;パラトルエンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸;1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などの有機ホスホン酸などを用いることができる。酸性触媒としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記遷移金属触媒としては、例えば、バルト、ニッケル、クロム、マンガン、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどの塩が挙げられる。この塩としては、例えば、酢酸塩などの有機塩類、ハロゲン化物、酸化物などが挙げられる。塩としては、具体的には、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。塩としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、フェノール樹脂として、レゾール型フェノール樹脂を含有してもよい。
上記レゾール型フェノール樹脂は、特に限定されないが、例えば、上記フェノール類および上記アルデヒド類を、アルカリ性触媒(アルカリ条件下)または亜鉛系触媒(弱酸性条件下)で反応することにより得られたものでもよい。
上記ノボラック型フェノール樹脂の含有量は、上記フェノール樹脂の固形分(またはノボラック型フェノール樹脂およびレゾール型フェノール樹脂の合計含有量)100重量%に対して、例えば、60重量%〜100重量%、80重量%〜100重量%、90重量%〜100重量%である。これにより、流動安定性に優れたフェノール樹脂成形材料を実現できる。
なお、本明細書中、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
(硬化剤)
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、硬化剤を含有するものである。
上記硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミンを用いることが好ましい。
上記ヘキサメチレンテトラミンの含有量は、フェノール樹脂100重量部に対して、例えば、7重量部〜30重量部、より好ましくは10重量部〜25重量部である。上記数値範囲内とすることにより、良好な硬化性を得ることができる。
(ポリアクリル酸)
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、硬化触媒として、ポリアクリル酸を含有するものである。
上記ポリアクリル酸の数平均分子量Mnの下限値は、例えば、3.0×10以上、好ましくは5.0×10以上、より好ましくは1.0×10以上、さらに好ましくは1.5×10以上、さらに一層好ましくは2.0×10以上である。これにより、流動安定性を高めることができる。
一方、上記ポリアクリル酸の数平均分子量Mnの上限値は、例えば、3.0×10以下、好ましくは1.0×10以下、より好ましくは5.0×10以下、さらに好ましくは5.0×10以下である。これにより流動安定性を高めることができる。
上記ポリアクリル酸の含有量の下限値は、ヘキサメチレンテトラミン100重量%に対して、例えば、0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上である。これにより、流動安定性を高めることができる。
一方、上記ポリアクリル酸の含有量の上限値としては、ヘキサメチレンテトラミン100重量%に対して、例えば、10重量%以下、好ましくは8重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。これにより、硬化性を維持することができる。
ポリアクリル酸およびヘキサメチレンテトラミンの合計含有量が、上記ノボラック型フェノール樹脂100重量%に対して、例えば、10重量%〜40重量%、好ましくは12重量%〜28重量%、より好ましくは15重量%〜25重量%である。これにより、硬化性を維持しつつも流動安定性を高めることができる。
(充填材)
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、充填材を含むことができる。
上記充填材としては、例えば、繊維基材、有機充填材、無機充填材等が挙げられる。
繊維基材は、その形状が繊維状である繊維状充填材である。有機充填材および無機充填材は、それぞれ、粒状充填材または板状充填材のいずれでもよい。板状充填材はその形状が板状である充填材である。粒状充填材は、不定形状を含む繊維状・板状以外の形状の充填材である。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、金属繊維、ワラストナイト、アタパルジャイト、セピオライト、ロックウール、ホウ酸アルミニウムウイスカー、チタン酸カリウム繊維、炭酸カルシウムウィスカー、酸化チタンウィスカー、セラミック繊維などの繊維状無機充填材;アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などの繊維状有機充填材;が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、本実施形態においては、フェノール樹脂成形材料として、ガラス繊維を含んでもよい。
また、上記板状充填材、粒状充填材としては、例えば、タルク、カオリンクレー、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム水和物、マイカ、ガラスフレーク、ガラス粉、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、上記繊維状充填材の粉砕物などが挙げられる。
上記充填材の含有量は、上記フェノール樹脂成形材料の固形分100重量%に対して、例えば、30重量%〜80重量%、好ましくは40重量%〜75重量%、より好ましくは50重量%〜70重量%である。上記下限値以上とすることにより、フェノール樹脂成形材料の硬化物の機械的強度を高めることができる。上記上限値以下とすることにより、製造安定性を高めることができる。
本明細書において、フェノール樹脂成形材料の固形分とは、フェノール樹脂成形材料中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、必要に応じて、エラストマーを含有してもよい。
上記エラストマーとしては、特に限定されないが、アクリルニトリルブタジエンゴム、イソプレン、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。この中でもアクリルニトリルブタジエンゴムが好ましい。エラストマーを用いることで特に靱性を付与することができる。
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、必要に応じて、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤は、上記硬化剤と併用できる。これにより、熱安定性や硬化性を高めることができる。
上記硬化促進剤としては、特に限定されず、通常の硬化促進剤を用いることが出来、例えば、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物、サリチル酸、安息香酸などの芳香属カルボン酸を例示することができる。上記硬化促進剤はフェノール樹脂100重量部に対して、例えば、0.5重量部〜20重量部の割合で適宜配合して用いられる。
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、特性などの改質を目的として、公知の樹脂材料を組み合わせて使用することもできる。このような樹脂成分の例としては、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂が挙げられる。また必要によりこれらの複数種を組み合わせて用いることもできる。
本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、本発明の目的を損なわない範囲で、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。この他の成分としては、例えば、離型剤、顔料、難燃剤、カップリング剤等の添加剤が挙げられる。
上記離型剤として、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレンなどが挙げられる。
上記顔料として、例えば、カーボンブラックなどが挙げられる。
本実施形態のフェノール樹脂成形材料の製造方法は、上述の各成分をニーダー、ロール等で予め溶融混練し、次いで他の原料と均一に混合した後、あるいは、配合する全原料をロール、コニーダ、二軸押出し機等の混練装置単独またはロールと他の混合装置との組み合わせで溶融混練した後、造粒または粉砕して得られる。なお、本実施形態のフェノール樹脂成形材料の形状としては、特に限定されないが、例えば、粉粒状、顆粒状、タブレット状またはシート状等が挙げられる。
本実施形態の構造体(成形品)は、上述したフェノール樹脂成形材料の硬化物を備えるものである。
本実施形態の成形品としては、機械的強度や熱時剛性に優れるため、たとえば、自動車、航空機、鉄道車両、船舶、事務機器、電機機器、摺動部品に用いられる高強度成形品が挙げられる。すなわち、本実施形態のフェノール樹脂成形材料は、高強度成形品の形成に好適に用いることができる。
本実施形態の成形品は、上述したフェノール樹脂成形材料を用いて製造することができる。成形品の成形方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、トランスファー成形、コンプレッション成形、射出成形等を用いることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
表1に記載の各成分の詳細は以下の通りである。
(フェノール樹脂)
・ノボラック型フェノール樹脂A:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−53194、Mw:700)
・ノボラック型フェノール樹脂B:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−51305、Mw:900)
・レゾール型フェノール樹脂1:レゾール型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、PR−53529、Mw:700)
(ポリアクリル酸)
・ポリアクリル酸1:ポリアクリル酸(和光純薬工業社製、和光一級、Mn:5.0×10
・ポリアクリル酸2:ポリアクリル酸(和光純薬工業社製、和光一級、Mn:2.5×10
・ポリアクリル酸3:ポリアクリル酸(和光純薬工業社製、和光一級、Mn:2.5×10
(硬化剤)
・ヘキサメチレンテトラミン1:ヘキサメチレンテトラミン(キシダ化学社製)
(充填材)
・充填材1:ガラス繊維(日東紡績社製、CS3E479(平均繊維径11μm、平均繊維長3mm))
(添加剤)
・離型剤1:ステアリン酸(日本油脂社製)
・顔料1:カーボンブラック(三菱化学社製、#5)
<フェノール樹脂成形材料の調製>
各実施例、各比較例について、表1に示される配合比率で、各成分を配合し、約90℃の加熱ロールで約5分間混練し、冷却後粉砕して、フェノール樹脂成形材料を得た。
Figure 2019172741
得られたフェノール樹脂成形材料について、下記の評価項目に基づいて評価を実施した。評価結果は表1に示す。
[流動安定時間(ブラベンダー150℃の流動安定時間)、溶融粘度(ブラベンダー150℃の溶融トルク)]
得られたフェノール樹脂成形材料について、図1に示す時間T、Tおよび最低トルク値の測定を次のように行った。まず、ブラベンダー(東洋精機製作所社製、ラボプラストミル試験機、30cc)を用いて、回転数30rpm、測定温度150℃の条件でフェノール樹脂成形材料の溶融トルクを経時的に測定した。
測定開始点は、ブラベンダーにフェノール樹脂成形材料を投入し、急激にトルクが立ち上がった後、トルクが下がり始める点とした。
次いで、測定開始点からトルク値が[最低トルク値+5N・m]となる点までの時間Tと、測定開始点から最低トルク値を経た後にトルク値が[最低トルク値+5N・m]となる点までの時間Tを測定結果に基づいて算出した。また、測定結果から、最低トルク値(N・m)を算出した。
表1中、150℃における流動安定時間を|時間T−時間T|(秒)とし、150℃の溶融トルクを、最低トルク値(N・m)とした。
[硬化性(キュラストメーター150℃でのT(50))]
キュラストメーター(JSRトレーディング社製、製品名:キュラストメーターIID型)を用い、金型温度150℃にて、得られたフェノール樹脂成形材料の硬化トルクを経時的に測定した。測定結果に基づいて、測定開始から15分後におけるトルク(最大トルクと定義する)の50%に到達するまでの時間T(50)を算出した。表1中の単位は秒である。
実施例1〜3は、対応する比較例1と比べて、実施例4〜6は、対応する比較例2と比べて、実施例7は、対応する比較例3と比べて、硬化性を維持したまま、流動安定性に優れたフェノール樹脂成形材料を実現できることが分かった。また、実施例1〜7のフェノール樹脂成形材料は、それぞれの対応する比較例と比べて、粘度の低下が抑制されること(高粘度化)が分かった。このような実施例のフェノール樹脂成形材料は、金型成形に用いられる成形材料に好適に用いることが可能である。

Claims (6)

  1. ノボラック型フェノール樹脂、ヘキサメチレンテトラミンおよび充填材を含有するフェノール樹脂成形材料であって、
    ポリアクリル酸をさらに含む、フェノール樹脂成形材料。
  2. 請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料であって、
    前記ポリアクリル酸の数平均分子量Mnが3.0×10以上3.0×10以下である、フェノール樹脂成形材料。
  3. 請求項1または2に記載のフェノール樹脂成形材料であって、
    前記ポリアクリル酸の含有量が、前記ヘキサメチレンテトラミン100重量%に対して、0.1重量%以上10重量%以下である、フェノール樹脂成形材料。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のフェノール樹脂成形材料であって、
    前記ポリアクリル酸および前記ヘキサメチレンテトラミンの合計含有量が、前記ノボラック型フェノール樹脂100重量%に対して、10重量%以上40重量%以下である、フェノール樹脂成形材料。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のフェノール樹脂成形材料であって、
    前記充填材の含有量は、当該フェノール樹脂成形材料の固形分100重量%に対して、30重量%以上80重量%以下である、フェノール樹脂成形材料。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のフェノール樹脂成形材料の硬化物を備える、構造体。
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