JPH0881614A - 熱硬化性樹脂成形材料 - Google Patents

熱硬化性樹脂成形材料

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JPH0881614A
JPH0881614A JP22047594A JP22047594A JPH0881614A JP H0881614 A JPH0881614 A JP H0881614A JP 22047594 A JP22047594 A JP 22047594A JP 22047594 A JP22047594 A JP 22047594A JP H0881614 A JPH0881614 A JP H0881614A
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Masatoshi Yamoto
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 フェノール化合物とホルムアルデヒドを縮合
したノボラック樹脂のフェノール性水酸基の少なくとも
1個をビニルベンジルエーテル基で置換することによ
り、分子中にフェノール性水酸基aとビニルベンジルエ
ーテル基bとを有するビニルベンジルエーテル化ノボラ
ック樹脂A100重量部、ノボラック型フェノール樹脂
B200重量部以下、ビニルモノマーC 0.1〜5.0
重量部、有機過酸化物D0.01〜30重量部及びヘキ
サメチレンテトラミンE 0.1〜40からなる樹脂成分
と、充填材として有機質充填材と無機質充填材とを主成
分とする熱硬化性樹脂成形材料。 【効果】 100〜150℃以下の比較的低温では実質
的に硬化せず安定であり、150℃以上の高温では速や
かに硬化する特長を有し、かつ熱時の剛性の大きなラジ
カル硬化性樹脂成形材料を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化反応の温度依存性
が極めて大きい、即ち100〜150℃以下の比較的低
温では実質的に硬化せず安定であり、150℃以上の高
温では速やかに硬化する特長を有するものであり、特に
射出成形において射出成形機のシリンダー内での熱安定
性に優れ、又得られた成形品はドリル加工などにおける
摩耗特性及び耐熱性、機械的強度に優れた熱硬化性フェ
ノール樹脂成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にフェノール樹脂成形材料の多くは
樹脂成分として、ノボラック型フェノール樹脂を用い、
硬化剤として、ヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミ
ン)を添加することにより硬化反応をせしめるものであ
る。このようなノボラック型フェノール樹脂を用いたフ
ェノール樹脂成形材料は射出成形において硬化性は良好
であるものの、射出シリンダー内の熱安定性が不十分
で、成形金型への充填性も良好であるとはいえず、従来
から連続成形性の点で、改良が求められていた。また、
硬化性については、フェノール核に対するメチレン結合
においてオルソ結合の割合の多いハイオルソノボラック
型フェノール樹脂を使用することにより改良することが
検討され、実施化もされているが、射出成形時の熱安定
性などが不十分であり、更に改良が望まれていた。
【0003】ビニルベンジルエーテル基を有する樹脂は
分子構造中にエステル結合を含まないことから、耐アル
カリ性など耐薬品性に優れた樹脂として注目されてい
る。この樹脂については米国特許第4116936号明
細書に記載されているが、基本的に多価フェノール化合
物のフェノール性水酸基を全てビニルベンジルエーテル
化した構造のものである。このことは過酸化物によるラ
ジカル重合の際、残存するフェノール性水酸基が発生し
たラジカルを捕捉し、重合禁止剤的な役割で作用すると
考えられているからである。
【0004】また、このビニルベンジルエーテル基を有
する樹脂については特開平2−134340号公報にも
開示されている。これは多価フェノールのフェノール性
水酸基の一部をビニルベンジルエーテル化してなるフェ
ノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基とを有する
フェノールビニルベンジルエーテル化合物、及びこの化
合物とエポキシ化合物とを反応させることにより実質的
にフェノール性水酸基を有さないビニルベンジルエーテ
ル基を有するオリゴマーを得る方法に関するものであ
る。上記フェノール性水酸基を有するフェノールビニル
ベンジルエーテル化合物については、これ自体反応性モ
ノマーとして利用可能であること、及びフェノール、ア
ルキルフェノール等のフェノール化合物とホルムアルデ
ヒドとの縮合物であるノボラック樹脂の比較的低分子の
ものをビニルベンジルエーテル化したものも使用可能で
あることが示されている。
【0005】しかしながら、かかるフェノール性水酸基
を有するフェノールビニルベンジルエーテル化合物を過
酸化物で重合硬化させることについては開示されていな
い。これもフェノール性水酸基が重合禁止作用をするた
めにラジカル重合反応しないと考えられているためであ
ろう。多価フェノール、特にフェノール性水酸基の多い
ノボラック樹脂ではフェノール性水酸基の全てをビニル
ベンジルエーテル化することは困難である。従って、ビ
ニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂を過酸化物で重
合させる技術については未だ例がない。
【0006】更に、充填材についてみると、有機質充填
材は、木粉、パルプ、有機繊維、布細片、熱可塑性樹脂
粉末などが用途に応じて使用されている。有機質充填材
の中で木粉など通常のものでは、機械的強度や電気特性
(特に煮沸後の特性)において十分とはいえず、熱可塑
性樹脂粉末や熱硬化性樹脂硬化物の粉末あるいは無機質
充填材を配合することにより上記特性の改良がある程度
達成されている。しかしながら、熱可塑性樹脂粉末では
一般的には耐熱性が低下するので、その配合に限界があ
る。更に、熱硬化性樹脂硬化物の粉末あるいはこれに木
粉などを併用して成形収縮や電気特性を改良することも
試みられている(特開昭57−78444号公報、特開
昭59−105049号公報など)が、熱硬化性樹脂硬
化物の粉末では多量に使用すると、成形品が硬く脆くな
り、他の特性も余り向上しない。
【0007】一方、無機質充填材においては、炭酸カル
シウム、クレー、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、ガラスなどの粉末、ガラス繊維などが使用されてい
る。無機質充填材はシリカ、アルミナ、ガラスなどの硬
質のもの、炭酸カルシウム、クレーなど比較的軟質のも
のがあり、用途や要求特性に応じて選択使用されている
が、一般的には、機械的強度、電気特性等において優れ
た性能を発揮する。無機質充填材は有機質充填材に比較
すれば硬く、ドリル加工や摺動時において、相手材(ド
リルや金属材料)を摩耗させることが問題となってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフェ
ノール樹脂成形材料のこのような問題点を解決するため
に種々の検討の結果なされたもので、本発明による熱硬
化性樹脂成形材料は、硬化の温度依存性が極めて大き
く、射出成形時の熱安定性に優れ、速硬化性であり、機
械的強度、耐熱性が優れ、摩擦性、即ち成形品自体の摩
耗が小さく、相手材を摩耗させない成形材料を開発する
に至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノール化
合物とホルムアルデヒドを縮合したノボラック樹脂のフ
ェノール性水酸基の少なくとも1個をビニルベンジルエ
ーテル基で置換することにより、分子中にフェノール性
水酸基(a)とビニルベンジルエーテル基(b)とを有
するビニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂(A)1
00重量部、ノボラック型フェノール樹脂(B)200
重量部以下、分子量ビニル化合物(C)0.1〜5.0
重量部、有機過酸化物(D)0.01〜30重量部及び
ヘキサメチレンテトラミン(E)0.1〜40重量部か
らなる樹脂成分と、充填材として有機質充填材及び又は
無機質充填材を主成分とすることを特徴とする熱硬化性
樹脂成形材料である。
【0010】本発明においては、ビニルベンジルエーテ
ル化ノボラック樹脂がフェノール性水酸基を含有するに
もかかわらず、ラジカル反応による硬化性を有するが、
その理由は次の通りと考えられる。一般に重合禁止剤は
分子中に水酸基が1個又は2個の単量体フェノール化合
物であり、反応系内で動きやすいためラジカル捕捉能が
高いが、ビニルベンジルエーテル化したノボラック樹脂
は、分子量が大きいため動き難いこと及びフェノール性
水酸基の隣接位にかさ高いビニルベンジルエーテル基が
存在する場合が多いため、水酸基が有効にラジカルを捕
捉し難く、従ってフェノールビニルベンジルエーテル化
合物のフェノール性水酸基はビニル基の重合に対して禁
止作用が小さい。更にフェノール性水酸基がラジカルを
捕捉した場合に生成する酸素原子上のラジカルが架橋に
寄与する他の末端のラジカルと反応し、新たな架橋が生
成する。(重合禁止剤のような分子中に水酸基が1個又
は2個の単量体の場合は、重合停止反応を誘引し、架橋
が進行しない。)以上の理由から本発明の樹脂組成物は
ラジカル反応により硬化すると考えられる。
【0011】本発明の樹脂組成物は、フェノール性水酸
基が存在するにもかかわらずラジカル反応し、更にラジ
カル化したビニルモノマーが重合反応を効率良く進め、
一方ビニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂とノボラ
ック型フェノール樹脂がヘキサメチレンテトラミンとの
付加縮合反応によって、より三次元的骨格を形成し、種
々の性能において優れた硬化物が得られる。特に熱時の
剛性において優れている。これは、硬化した樹脂中に極
性基であるフェノール性水酸基が残存しているため、分
子間、あるいは基材、補強材等が存在する場合分子とこ
れら基材等との相互作用が強いためと考えられる。以上
のようなことから、本発明の樹脂組成物は、ヘキサメチ
レンテトラミンによる付加縮合反応とともに、フェノー
ル性水酸基が分子内に存在するにもかかわらず、ラジカ
ル硬化し、優れた熱時剛性を有するとともに、硬化の温
度依存性が極めて大きいものである。
【0012】本発明において、ノボラック樹脂に用いら
れるフェノール化合物は水酸基を芳香族核に1個以上有
する化合物であればよく、例えばフェノールをはじめ、
クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニル
フェノール等のアルキルフェノール類、更にカテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン等多価フェノール類、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS
等多核フェノール類などを挙げることができ、これらの
1種又は2種以上を組み合わせてもよい。
【0013】ビニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂
のフェノール性水酸基とビニルベンジルエーテル基との
割合は1:9から7:3の範囲が好ましく、更には3:
7〜6:4がより好ましい。ビニルベンジルエーテル基
が上記範囲より多いと、樹脂の軟化点が低下し水あめ状
ないし粘着性の固形状となるので、成形材料としての作
業性が悪化する。また、2核体程度の分子量の小さいノ
ボラック樹脂の場合を除いて、これ以上のビニルベンジ
ルエーテル化は、実際の製造上困難であることが多い。
ビニルベンジルエーテル基が上記範囲より少ないと、フ
ェノール性水酸基による重合禁止作用のためパーオキサ
イドによる硬化が困難となる。
【0014】ビニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂
(A)の数平均分子量は500以上2000以下が好ま
しい。500より小さいと樹脂の軟化点が低下し、種々
の用途において作業性が低下する。また2000より大
きいと軟化点の上昇、流動性の低下、溶液とした時の粘
度の増大等により成形材料や積層板等への適用が困難と
なる。より好ましい分子量の範囲は700〜1500で
ある。
【0015】ノボラック型フェノール樹脂(B)は上記
のフェノール化合物の1種又2種以上とホルムアルデヒ
ドとを酸性触媒の存在化で反応させて得られたフェノー
ル樹脂であり、メラミン、アニリン、乾性油脂肪族不飽
和化合物等で変性したものでよい。遊離フェノールは2
重量%以下が好ましい。遊離フェノールが多いとラジカ
ル重合禁止剤として作用するようになる。数平均分子量
700〜1200は好ましい。700より小さいと樹脂
の軟化点が低下し、種々の用途において作業性が低下す
る。また1200より大きいと軟化点の上昇、流動性の
低下、溶液とした時の粘度の増大等により成形材料や積
層板等への適用が困難となる。ノボラック型フェノール
樹脂の配合量はビニルベンジルエーテル化ノボラック樹
脂(A)に対して200重量部以下が好ましく、150
重量部以下が更に好ましい。200重量部以上であると
硬化性の温度依存性が小さくなるからである。また、ビ
ニルモノマー(C)としては、好ましくはスチレン、ジ
アリルオルソフタレート、ジアリルイソフタレート、ジ
アリルテレフタレート、アクリル酸、メタクリル酸であ
り、添加量はビニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂
(A)100重量部に対し0.1〜5.0重量部であり、
好ましくは1.0〜3.0重量部である。0.1重量部よ
り少ないと硬化速度に効果がなく、5.0重量部より多
くても硬化性は向上せず硬化物の特性が低下し、実用的
ではない。
【0016】本発明に使用される有機過酸化物(D)の
添加量はビニルベンジルエーテル化ノボラック樹脂
(A)100重量部に対し0.01〜30重量部であ
り、好ましくは1〜10重量部である。0.01重量部
より少ないと硬化性が著しく損われ、30重量部より多
いと硬化が速すぎて、実用的ではない。有機過酸化物の
熱分解温度(半減期10時間)は100℃以上が好適で
ある。100℃より低いと本発明の目的のひとつである
硬化反応の温度依存性が大きいという特長が十分に発揮
されない。熱分解温度100℃以上の有機過酸化物とし
てはジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイドが一般的で
あり好適である。またこれらの有機過酸化物は1種もし
くは2種以上組み合わせてもよい。また、ヘキサメチレ
ンテトラミン(E)の添加量はビニルベンジルエーテル
化ノボラック樹脂(A)100重量部に対し0.1〜4
0重量部であり、好ましくは2〜20重量部である。
0.1重量部より少ないと硬化性が損なわれ、40重量
部より多くても硬化性は向上せず硬化物の特性が低下
し、実用的でない。
【0017】次に充填材について説明する。本発明にお
いては、有機質充填材と無機質充填材とを併用し、有機
質充填材の一部として熱硬化性樹脂硬化物の粉末を使用
することが特に好ましい。熱硬化性樹脂硬化物の粉末と
しては樹脂単独の硬化物粉末は勿論、熱硬化性樹脂成形
材料の硬化物、熱硬化性樹脂積層板あるいは化粧板を粉
砕したものも含まれる。熱硬化性樹脂としては、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂などであるが、フェノール
樹脂、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂が一般的である。
【0018】木粉など通常の有機質充填材の使用のみで
は成形品の硬度が十分でなく、寸法精度が十分よくな
く、強度、摩耗の点で満足なものが得られにくい。そこ
で有機質充填材の一部として熱硬化性樹脂硬化物の粉末
を配合することによりこれらの欠点を大幅に改良するこ
とができる。熱硬化性樹脂硬化物の粉末は他の有機質充
填材に比較して硬いが、鉄、アルミニウムなどの金属よ
りは軟質であるので、ドリル加工や摺動時に相手材であ
るドリルや金属を摩耗させることがない。熱硬化性樹脂
硬化物の粉末の配合割合は、有機質充填材中10〜40
重量%である。10重量%未満ではその配合の効果が小
さく、40重量%を越えると成形品が硬く脆くなり好ま
しくない。
【0019】有機質充填材は、熱硬化性樹脂硬化物の粉
末とともに、木粉の他、パルプ、有機繊維、布細片、熱
可塑性樹脂粉末などを用途に応じて使用する。次に、上
記のような有機質充填材とともに無機質充填材を併用す
る。無機質充填材を併用することにより強度、寸法精
度、電気特性などが向上する。無機質充填材としては、
炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、アルミナ、
水酸化アルミニウム、ガラスなどを使用することができ
るが、その種類及び使用量によっては、成形品が硬くな
り、ドリル加工や摺動時に相手材であるドリルや金属を
摩耗させることがある。このため、本発明においては、
特に摩耗特性を重視する観点から、軟質の炭酸カルシウ
ム、タルク、クレーが好ましく、その配合量も充填材全
体に対して20〜40重量%が好ましい。
【0020】
【作用】本発明の熱硬化性樹脂成形材料は、樹脂成分と
して、フェノール性水酸基の少なくとも1個をビニルベ
ンジルエーテル基で置換したフェノール性水酸基とビニ
ルベンジルエーテル基を共有するラジカル反応型フェノ
ール樹脂とノボラック型フェノール樹脂、ラジカル開始
剤として有機過酸化物を、更により三次元的骨格を形成
させるためにラジカル重合するビニルモノマー及び付加
縮合反応性のヘキサメチレンテトラミンを用いることに
より射出成形時のシリンダー内での熱安定性の向上と、
金型内での速硬化性とを達成する。更に充填材とし、有
機質充填材と無機質充填材とを併用し、有機質充填材の
一部として熱硬化性樹脂硬化物の粉末を使用することに
より、機械的強度及び摩耗特性を向上させることができ
る。無機質充填材として、軟質の炭酸カルシウム、タル
ク、クレーを使用すれば摩耗特性がより向上する。
【0021】
【実施例】以下に本発明を詳しく説明するために実施例
を示すが、これをもって本発明を限定するものではな
い。 <実施例1>樹脂成分として、フェノール性水酸基とビ
ニルベンジルエーテル基の割合が当量比5:5であり、
数平均分子量1000のビニルベンジルエーテル化フェ
ノールノボラック樹脂40重量部に対し、数平均分子量
1000のノボラック型フェノール樹脂20重量部、ジ
クミルパーオキサイド2部、ヘキサメチレンテトラミン
4重量部及びスチレン0.5部を添加し、充填材とし
て、木粉と熱硬化性樹脂硬化物粉末、炭酸カルシウムを
配合し、加熱ロールにより混練して、熱硬化性樹脂成形
材料を得た。この成形材料をキュラストメーターにより
130℃及び175℃での硬化挙動(硬化速度)を測定
した。130℃では硬化反応は極めて遅く、175℃で
は硬化速度は大きく、速やかに硬化した。また、この成
形材料をトランスファー成形によりテストピースを作製
し、硬化物特性を測定したところ、機械強度、耐熱性と
もに良好であることがわかった。
【0022】<実施例2>樹脂成分として、フェノール
性水酸基とビニルベンジルエーテル基の割合が当量比
3:7の数平均分子量1000のビニルベンジルエーテ
ル化フェノールノボラック樹脂を使用すること以外は実
施例1と同様の方法を実施した。 <実施例3>ジクミルパーオキサイドをジt−ブチルパ
ーオキサイドに、スチレンをアクリル酸に代えること以
外は実施例2と同様の方法を実施した。
【0023】<比較例1>ノボラック型フェノール樹
脂、ヘキサメチレンテトラミンを添加しないこと以外は
実施例1と同様の方法を実施した。 <比較例2>低分子ビニル化合物、有機過酸化物を添加
しないこと以外は実施例1と同様の方法を実施した。 <比較例3>樹脂成分として、ノボラック型フェノール
樹脂のみを使用し、硬化剤にヘキサメチレンテトラミン
を用い、充填材を実施例1と同様の材料及び配合量で配
合し、以下、実施例1と同様の方法を実施した。各例の
組成を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】各実施例及び比較例により得られた成形材
料について、硬化速度及び硬化物特性を測定した。結果
を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】(測定方法) (1)硬化速度(kgf・cm/分):キュラストメーターの
トルク上昇曲線の直線部の傾きを硬化速度とした。 (2)曲げ強さ、絶縁抵抗:JIS K 6911に準
じて測定した。 (3)熱変形温度:ASTM D648による。 (4)ドリル摩耗指数:ドリル刃回転数を500rp
m、ドリル刃下降速度を1mm/分とし、2mm厚のア
ルミニウム板の穴あけ時におけるドリル刃の応力波形
(A)を測定し、このドリル刃を用いて同じ条件で3m
m厚の実施例で得られた成形材料からの試験片に10回
穴をあける。再び2mm厚のアルミニウム板に穴をあ
け、この時のドリル刃の応力波形(B)を測定する。ド
リル摩耗指数は、ドリル刃の応力波形(A)と(B)の
比(A/B)で求めた。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、硬化の温度依存性が極
めて大きい、即ち100〜150℃以下の比較的低温で
は実質的に硬化せず安定であり、150℃以上の高温で
は速やかに硬化する特長を有し、かつ熱時の剛性の大き
なラジカル硬化性樹脂成形材料を得ることができる。更
に、充填材として有機質充填材及び無機質充填材を併用
することにより、従来のフェノール樹脂成形材料と同様
な機械的強度を保持しながら、摩耗性の優れた成形品を
得ることができるので、ドリル加工性が良好であり、摺
動時における摩耗特性、成形時の金型摩耗などにおいて
も優れた特性を発揮する。更に電気特性、寸法精度も従
来のフェノール樹脂成形材料と同等以上である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/00 5/14 5/3495 C08L 61/06 LMR LMS

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール化合物と、ホルムアルデヒド
    を縮合したノボラック樹脂のフェノール性水酸基の少な
    くとも1個をビニルベンジルエーテル基で置換すること
    により、分子中にフェノール性水酸基(a)とビニルベ
    ンジルエーテル基(b)とを有するビニルベンジルエー
    テル化ノボラック樹脂(A)100重量部、ノボラック
    型フェノール樹脂(B)200重量部以下、ビニルモノ
    マー(C)0.1〜5.0重量部、有機過酸化物(D)
    0.01〜30重量部及びヘキサメチレンテトラミン
    (E)0.1〜40重量部からなる樹脂成分と、充填材
    として有機質充填材及び又は無機質充填材とを主成分と
    することを特徴とする熱硬化性樹脂成形材料。
  2. 【請求項2】 樹脂成分であるビニルベンジルエーテル
    化ノボラック樹脂(A)のフェノール性水酸基(a)と
    ビニルベンジルエーテル基(b)との割合が当量比で
    1:9から7:3である請求項1記載の熱硬化性樹脂成
    形材料。
  3. 【請求項3】 樹脂成分であるビニルベンジルエーテル
    化ノボラック樹脂(A)の数平均分子量が500以上2
    000以下である請求項2記載の熱硬化性樹脂成形材
    料。
  4. 【請求項4】 樹脂成分であるフェノール樹脂(B)は
    フェノール化合物とホルムアルデヒドとを縮合させたノ
    ボラック型フェノール樹脂の数平均分子量が700以上
    1200以下である請求項1記載の熱硬化性樹脂成形材
    料。
  5. 【請求項5】 樹脂成分であるビニルモノマー(C)
    は、スチレン、ジアリルオルソフタレート、ジアリルイ
    ソフタレート、ジアリルテレフタレート、アクリル酸、
    及びメタクリル酸の1種又は2種以上の化合物である請
    求項1記載の熱硬化性樹脂成形材料。
JP22047594A 1994-09-14 1994-09-14 熱硬化性樹脂成形材料 Pending JPH0881614A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010013610A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Sumitomo Bakelite Co Ltd 摩擦材用フェノール樹脂組成物および摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物
JP2019172741A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 住友ベークライト株式会社 フェノール樹脂成形材料および構造体

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