JP2003342443A - ブレーキ用フェノール樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ブレーキ用フェノール樹脂組成物およびその製造方法

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JP2003342443A
JP2003342443A JP2002151957A JP2002151957A JP2003342443A JP 2003342443 A JP2003342443 A JP 2003342443A JP 2002151957 A JP2002151957 A JP 2002151957A JP 2002151957 A JP2002151957 A JP 2002151957A JP 2003342443 A JP2003342443 A JP 2003342443A
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Shinichi Ozeki
真一 大関
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度、硬度が高く、靱性に優れ、相手
材を傷つけることなく、高摩擦係数を得ることを可能に
するブレーキ用フェノール樹脂組成物及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 フェノール樹脂と金属化合物とを含有す
るブレーキ用フェノール樹脂組成物であって、フェノー
ル樹脂相に金属化合物が分散混合しているものであるこ
とを特徴とするブレーキ用フェノール樹脂組成物であ
り、前記金属化合物が、金属酸化物、金属炭化物、ある
いは金属窒化物であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ用フェノ
ール樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は、優れた耐熱性、接着
性を有し、ブレーキ用バインダーとして広く使用されて
いる反面、靭性において欠点を有している。また、自動
車の高速化、大型化に伴い、より過酷な条件下で使用さ
れ、強度、硬度が不足する、あるいは摩擦係数が低いた
め制動距離が延びるといった問題がある。このような諸
性能を改善するため変性フェノール樹脂の研究が盛んに
行われており、油変性フェノール樹脂、カシュー変性フ
ェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、各種ゴム
変性フェノール樹脂が検討されている。これらの変性フ
ェノール樹脂を用いることにより、ブレーキは強靭化さ
れる反面、硬度が低くなり、高温時のフェード現象によ
り摩擦係数が低下し、特性面で未だ十分とはいえない。
また、メラミン変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン
変性フェノール樹脂などを用いることにより高温時の摩
擦係数低下は防止できるが、初期の摩擦係数は十分とは
いえない。
【0003】上記のような変性フェノール樹脂を用いる
方法のほか、金属酸化物などの金属化合物をブレーキ用
組成物に配合する方法がある(例えば、特開2001−
311071号公報、特開2002−20730号公報
など)。しかし、これらの方法は比較的粒径の大きい金
属化合物を一種又は複数種用いているため、相手材のロ
ーター、ドラムを過剰に摩耗させる場合がある。また、
乾式混合装置を用いてフェノール樹脂と金属化合物とを
混合しているため、金属化合物の分散が不均一になるこ
とがあり、充分な摩擦係数の増加が得られないという問
題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のブレ
ーキ用フェノール樹脂組成物が有するこのような問題点
を解決するため種々検討の結果完成したものであり、機
械的強度、硬度が高く、靱性に優れ、相手材を傷つける
ことなく、高摩擦係数を得ることを可能にするブレーキ
用フェノール樹脂組成物及びその製造方法を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
の本発明(1)〜(6)により達成される。 (1)フェノール樹脂と金属化合物とを含有するブレー
キ用フェノール樹脂組成物であって、フェノール樹脂相
に金属化合物が分散混合しているものであることを特徴
とするブレーキ用フェノール樹脂組成物。 (2)前記金属化合物が、金属酸化物、金属炭化物、あ
るいは金属窒化物である上記(1)に記載のブレーキ用
フェノール樹脂組成物。 (3)前記金属酸化物が、シリカである上記(2)に記
載のブレーキ用フェノール樹脂組成物。 (4)前記金属化合物の平均粒径が5〜1000nmで
ある上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のブレー
キ用フェノール樹脂組成物。 (5)前記金属化合物の配合量が、前記フェノール樹脂
100重量部に対して0.1〜30重量部である上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載のブレーキ用フェ
ノール樹脂組成物。 (6)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のブレ
ーキ用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、フェ
ノール樹脂の合成を行う際に、金属化合物をその反応
前、反応中、又は反応後に添加して、フェノール類とア
ルデヒド類、及び/又はフェノール樹脂と、金属化合物
とを溶融または溶液状態で混合することを特徴とするブ
レーキ用フェノール樹脂組成物の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明のブレーキ用フェノ
ール樹脂組成物およびその製造方法について説明する。
本発明のブレーキ用フェノール樹脂組成物は、フェノー
ル樹脂と金属化合物とを含有し、フェノール樹脂相に金
属化合物が分散混合しているものであることを特徴とす
る。また、本発明のブレーキ用フェノール樹脂組成物の
製造方法は、フェノール樹脂の合成を行う際に、金属化
合物をその反応前、反応中、又は反応後に添加して、フ
ェノール類とアルデヒド類、及び/又はフェノール樹脂
と、金属化合物とを溶融または溶液状態で混合すること
を特徴とする。まず、本発明のブレーキ用フェノール樹
脂組成物(以下、「組成物」という)について詳しく説
明する。
【0007】本発明の組成物に用いられるフェノール樹
脂としては特に限定されないが、レゾール型フェノール
樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、ブレーキ用としてはノボラック型フェ
ノール樹脂が用いられることが多い。前記ノボラック型
フェノール樹脂としては特に限定されないが、通常、フ
ェノール類とアルデヒド類とを、蓚酸、塩酸、硫酸、ト
ルエンスルホン酸などの酸性触媒の存在下で、フェノー
ル類(P)に対するアルデヒド類(F)のモル比(F/
P)を0.5〜0.9として反応させて得ることができ
る。
【0008】ここで用いられるフェノール類としては特
に限定されないが、例えば、フェノール、オルソクレゾ
ール、メタクレゾール、パラクレゾール、キシレノー
ル、パラターシャリーブチルフェノール、パラオクチル
フェノール、パラフェニルフェノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、レゾルシンなどのフェノール類
が挙げられ、通常、フェノール、クレゾールが多く用い
られる。また、同様にアルデヒド類としても特に限定さ
れないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、アクロレイン等のアルデヒド
類、あるいはこれらの混合物であり、これらのアルデヒ
ド類の発生源となる物質あるいはこれらのアルデヒド類
の溶液を使用することもできるが、通常はホルムアルデ
ヒドが多く用いられる。このようにして得られたノボラ
ック型フェノール樹脂の形態は特に限定されず、液状、
固形、粉末いずれの形状のものでも使用することができ
る。
【0009】なお、本発明の組成物において、フェノー
ル樹脂としてノボラック型フェノール樹脂を用いる場合
は、通常、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを配
合する。ヘキサメチレンテトラミンの配合量は特に限定
されないが、ノボラック型フェノール樹脂100重量部
に対して、3〜20重量部であることが好ましく、さら
に好ましくは7〜17重量部である。ヘキサメチレンテ
トラミンの配合量が前記下限値未満ではノボラック型フ
ェノール樹脂の硬化が不十分になることがあり、また、
前記上限値を超えると、ヘキサメチレンテトラミンの分
解により発生するガスが、ブレーキの成形品にふくれ、
亀裂などを発生させることがある。
【0010】本発明の組成物で用いられる金属化合物と
しては特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属
炭化物、金属窒化物、金属フッ化物などが挙げられる。
これらの中でも、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物
が好ましい。前記金属酸化物としては特に限定されない
が、例えば、酸化珪素、二酸化珪素(シリカ)、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸
化イットリウム、酸化鉄等が挙げられる。また、前記金
属炭化物としては特に限定されないが、例えば、炭化珪
素、炭化チタン、炭化ホウ素、炭化クロム、炭化タング
ステン等が挙げられる。そして、前記金属窒化物として
は特に限定されないが、例えば、窒化珪素、窒化アルミ
ニウム、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの中でも、
酸化珪素、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム等
の金属酸化物は、フェノール樹脂相への分散性が比較的
良好であり、相手材に対する攻撃性も小さく好ましい。
さらに、特にシリカを用いた場合は、目的とする粒度分
布、分散度を有するものを容易に調製することができ、
これにより、ブレーキ材の特性を制御することができる
ので好ましいものである。
【0011】前記金属化合物の粒径としては特に限定さ
れないが、平均粒径が5〜1000nmであることが好
ましく、特に10〜500nmであることが好ましい。
これにより、ローター、ドラム等の相手材を過剰に摩耗
させることなく、充分な摩擦係数の向上を図ることがで
きる。平均粒径が前記下限値未満では、金属化合物粒子
による引っ掻き摩擦効果が発現されず、充分な摩擦係数
が得られないことがある。一方、前記上限値を超える
と、相手材を傷つけたり、過度に摩耗させたりすること
がある。
【0012】本発明の組成物における前記金属化合物の
配合量は特に限定されないが、フェノール樹脂100重
量部に対して、0.1〜30重量部であることが好まし
く、特に0.3〜11重量部が好ましい。金属化合物の
配合量が前記下限値未満であると、充分な摩擦係数が得
られないことがある。また、前記上限値を越えると、フ
ェノール樹脂の硬化性が阻害されることがあり、成形性
に影響することがある。
【0013】本発明の組成物において用いられる前記金
属化合物の形態としては特に限定されないが、金属化合
物の粉体をそのまま用いてもよいし、水や有機溶媒など
に分散させたエマルジョン、スラリー、あるいはコロイ
ド溶液としたものを用いることもできる。これらの中で
も、例えば金属化合物としてシリカを用いる場合は、シ
リカ粒子のコロイド溶液であるシリカゾルを用いると、
シリカ粒子の二次凝集を防止することができ、フェノー
ル樹脂相に分散させるときに必要な撹拌混合エネルギー
を低減できるので好ましい。
【0014】本発明の組成物は、前記フェノール樹脂相
に金属化合物が分散混合しているものであることを特徴
とする。これにより、フェノール樹脂に対する金属化合
物の分散性を良好なものにすることができ、組成物をブ
レーキに使用した場合に、金属化合物粒子による摩擦係
数の向上を、より効果的に発現させることができる。な
お、フェノール樹脂としてノボラック型フェノール樹脂
を用いる場合は、フェノール樹脂と金属化合物との混合
物に、さらにヘキサメチレンテトラミンを配合して、ブ
レーキ用の組成物とすることができる。
【0015】次に、本発明の組成物の製造方法について
説明する。本発明の組成物の製造方法は、フェノール樹
脂相に金属化合物を分散混合させるものであり、具体的
には、フェノール樹脂の合成を行う際に、金属化合物を
その反応前、反応中、又は反応後に添加して、フェノー
ル類とアルデヒド類、及び/又はフェノール樹脂と、金
属化合物とを溶融または溶液状態で混合することを特徴
とする。
【0016】フェノール樹脂の合成を行う際に、金属化
合物をその反応前に混合する方法としては特に限定され
ないが、例えば、フェノール樹脂合成の原料として用い
るフェノール類、アルデヒド類が液状成分である場合
は、これらの成分に金属化合物を混合したものを用いる
ことができる。また、反応溶媒として用いる有機溶媒あ
るいは水の中に金属化合物を混合して用いてもよい。混
合方法としては特に限定されないが、ディスパーザー、
ホモミキサーなど通常の分散混合装置を用いて行うこと
ができる。
【0017】フェノール樹脂の合成を行う際に、金属化
合物をその反応中に混合する方法としては特に限定され
ないが、例えば、反応中のフェノール樹脂に金属化合物
をそのまま添加する方法、あるいは、あらかじめ水又は
有機溶媒に混合しておいた金属化合物を添加する方法な
どが挙げられる。添加した金属化合物は反応装置に設け
られた撹拌装置により系中に分散混合させることができ
る。なお、金属化合物の添加は特に限定されないが、フ
ェノール樹脂の脱水工程前に行うことが好ましい。
【0018】また、フェノール樹脂の合成を行う際に、
金属化合物をその反応後に混合する方法としては特に限
定されないが、例えば、反応が終了した後冷却固化させ
たフェノール樹脂を適度な粒度に粉砕したものを、金属
化合物とともに加圧式混練装置を用いて加圧下で混練す
る方法が挙げられる。混練する際は、フェノール樹脂が
溶融する温度で行うことにより、溶融状態のフェノール
樹脂相の中に金属化合物を混合させることができる。こ
こで用いられる加圧式混練装置としては特に限定されな
いが、ロール式混練機、加圧ニーダー、二軸押出機、単
軸押出機などを用いることができる。
【0019】前記加圧式混練装置を用いる方法のほか、
フェノール樹脂を溶剤に溶解または溶剤中で溶融させ、
金属化合物とともに分散混合装置を用いて混合し、その
後、用いた溶剤を除去する方法が挙げられる。ここで用
いられる分散混合装置としては特に限定されないが、通
常の撹拌装置、ホモミキサー、ディスパーザー、ビーズ
ミル、T.K.フィルミックス(特殊機化工業(株)
製)などの高速攪拌装置、高圧ホモジナイザーなどの高
圧衝突装置、あるいは超音波撹拌装置などが挙げられ
る。これらの分散混合装置は、フェノール樹脂溶液の粘
度、混合する金属化合物の性状や配合量などにより適宜
選択して用いることができる。
【0020】以上に説明した製造方法は、フェノール樹
脂の合成を行う際に、金属化合物をその反応前、反応
中、又は反応後に添加して、フェノール類とアルデヒド
類、及び/又はフェノール樹脂と、金属化合物とを溶融
または溶液状態で混合するものであり、フェノール樹脂
相に金属化合物が精度よく分散混合した組成物を得るこ
とができる。これにより、例えばフェノール樹脂と金属
化合物とを各々微粒子化したものを、乾式混合装置等を
用いて単純に混合して組成物を製造した場合と比較し
て、フェノール樹脂に対する金属化合物の分散性を良好
なものにすることができる。この結果、組成物をブレー
キに使用した場合に、金属化合物粒子による摩擦係数の
向上を、より効果的に発現させることができる。
【0021】また、フェノール樹脂としてノボラック型
フェノール樹脂を用いる場合は、このようにして得られ
たフェノール樹脂と金属化合物との混合物に、さらにヘ
キサメチレンテトラミンを粉砕混合などにより添加し
て、ブレーキ用の組成物とすることができる。
【0022】本発明の組成物をブレーキ用として用いる
場合は、通常の方法が採用できる。すなわち、前記組成
物を粉砕したものを繊維基材、無機充填材などとともに
混合し、これを所定の型で成形し、得られた成形品をさ
らに焼成することにより、目的とするブレーキを得るこ
とができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。しか
し本発明はこれらの実施例によって限定されるものでは
ない。また、実施例及び比較例に記載されている「部」
及び「%」は、すべて「重量部」及び「重量%」を示
す。
【0024】1.フェノール樹脂組成物の製造 実施例1 入口温度150℃、出口温度160℃に制御された二軸
押出機へ、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークラ
イト(株)製・PR−53195)1000部、シリカ
粒子A(日産化学(株)製・メタノールシリカゾル、平
均粒径15nm、固形分30%)100部を、単位時間
当たりの供給比率が等しくなるよう供給し、出口より常
温で固形のフェノール樹脂混合物1030部を得た。得
られた混合物1000部に対してヘキサメチレンテトラ
ミン110部を加え、粉砕混合し、粉末のフェノール樹
脂組成物1097部を得た。
【0025】実施例2 加圧ニーダーにノボラック型フェノール樹脂(住友ベー
クライト(株)製・PR−53195)1000部を仕
込み、150℃に昇温し、溶融させた。シリカ粒子B
(トクヤマ(株)製・レオロシールMT−10、平均粒
径300nm、固形分100%)30部を加え、シリカ
粒子が均一に分散するのを確認し、更に30分間の混練
を行い、加圧ニーダーより取出して常温で固形のフェノ
ール樹脂混合物1030部を得た。得られた混合物10
00部に対してヘキサメチレンテトラミン110部を加
え、粉砕混合し、粉末のフェノール樹脂組成物1097
部を得た。
【0026】実施例3 撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置にノ
ボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製
・PR−53195)1000部、メタノール1000
部を仕込み、80℃に昇温、溶融させた。シリカ粒子C
(日産化学(株)製EG−ST−ZL、平均粒径90n
m、固形分20%)150部を加え、1時間攪拌を行っ
た後、200℃まで昇温、脱溶剤し、常温で固形のフェ
ノール樹脂混合物1030部を得た。得られた混合物1
000部に対してヘキサメチレンテトラミン110部を
加え、粉砕混合し、粉末のフェノール樹脂組成物109
7部を得た。
【0027】実施例4 実施例3と同様の反応装置にフェノール1000部を加
え、攪拌開始後にシリカ粒子B150部を加えた。次い
で蓚酸10部を加え、100℃に昇温後、37%ホルマ
リン600部を1時間かけて添加した。更に1時間の還
流反応を実施後、減圧脱水を行い、200℃に到達した
ところで反応装置より取り出し、常温で固形のフェノー
ル樹脂混合物1030部を得た。得られた混合物100
0部に対してヘキサメチレンテトラミン110部を加
え、粉砕混合し、粉末のフェノール樹脂組成物1097
部を得た。
【0028】実施例5 シリカ粒子Bのかわりに、シリカ粒子D((株)龍森製
・SO−C3、平均粒径1000nm、固形分100
%)30部を用いた以外は、実施例2と同様にして粉末
のフェノール樹脂組成物1097部を得た。
【0029】実施例6 シリカ粒子Cのかわりに、アルミナ粒子(日産化学
(株)製・アルミナゾル−100、平均粒径100n
m、固形分10%)300部を用いた以外は、実施例3
と同様にして粉末のフェノール樹脂組成物1097部を
得た。
【0030】比較例1 ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)
製・PR−53195)1000部にヘキサメチレンテ
トラミン110部を加え、粉砕混合し、粉末のフェノー
ル樹脂組成物1097部を得た。
【0031】比較例2 ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)
製・PR−53195)1000部にヘキサメチレンテ
トラミン110部、シリカ粒子B30部を加え、粉砕混
合し、粉末のフェノール樹脂組成物1127部を得た。
【0032】2.ブレーキ材の作製 実施例1〜8及び比較例1〜2で得られた10種類のフ
ェノール樹脂組成物、繊維基材としてアラミド繊維、及
び無機充填材として炭酸カルシウムと硫酸バリウムとを
用い、表1に示す配合割合で仕込み混合して、ブレーキ
材用混合物とした。このブレーキ材用混合物を温度16
0℃、圧力200kg/cm2で10分間成形し、10
0×100×15mmの成形品を得た。得られた成形品
をさらに200℃で5時間焼成して、ブレーキ材を作製
した。
【0033】
【表1】
【0034】表の注:使用した材料 (1)アラミド繊維:ドライパルプ 繊維長2mm (2)炭酸カルシウム:平均粒径 20μm (3)硫酸バリウム:平均粒径 20μm
【0035】3.ブレーキ材の評価 前記方法により作製したブレーキ材を評価用試料とし、
以下の評価を行った。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表の注:評価方法 (1)ロックウェル硬度:JIS K 7202「プラ
スチックのロックウェル硬さ試験方法」により測定し
た。 (2)常態曲げ強度、弾性率:JIS K 7203
「硬質プラスチックの曲げ試験方法」により測定した。 (3)摩擦係数:JASO C 406 に基づき、1
/10スケールダイナモテスターにより測定した。測定
条件は、制動初速度50km/h、減速度0.3G、制
動回数1000回とし、制動温度は100℃、200
℃、300℃の3水準で行った。 (4)相手材のプレート摩耗量:上記摩擦係数の測定終
了時点における、相手材のプレート摩耗量を測定した。
【0038】実施例1〜6は、フェノール樹脂相に金属
化合物が分散混合している本発明の組成物である。これ
らの組成物を用いたブレーキ材は、ロックウェル硬度測
定結果より、いずれも高硬度であることがわかる。ま
た、曲げ強度、曲げ弾性率測定結果から、弾性率が低い
割に強度が高く、靭性に優れたものであることがわか
る。さらに、摩擦係数の測定結果より、いずれの温度水
準においても摩擦係数が高く、特に、実施例1〜3及び
6は、用いた金属化合物の粒径や配合量が最適であった
ので、相手攻撃性が小さく、プレート摩耗量を少なくす
ることができた。一方、比較例1は、金属化合物を配合
しなかったものであるが、硬度、曲げ強度、摩擦係数の
いずれもが低下した。また、比較例2は、フェノール樹
脂と金属化合物とを乾式混合させたものであるが、金属
化合物の分散性が不充分であり、強度、摩擦係数が小さ
く、プレート摩耗量が大きいものとなった。
【0039】
【発明の効果】本発明は、フェノール樹脂相に金属化合
物が分散混合しているものであることを特徴とするブレ
ーキ用フェノール樹脂組成物であり、従来のものと比較
して、フェノール樹脂と金属化合物との分散性をより向
上させることができたものである。本発明のブレーキ用
フェノール樹脂組成物を用いることにより、機械的強
度、硬度が高く、靱性に優れ、相手材を傷つけることな
く、高摩擦係数を有するブレーキ材を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16D 69/02 F16D 69/02 A // F16D 69/00 69/00 R Fターム(参考) 3J058 FA01 GA04 4J002 CC031 CC041 CC051 CC061 DB006 DB016 DD036 DE046 DE096 DE106 DE116 DE136 DE146 DF006 DF016 DJ006 DJ016 DK006 GN00 4J033 CA01 CA02 CA11 CA12 CA13 CA19 CC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂と金属化合物とを含有す
    るブレーキ用フェノール樹脂組成物であって、フェノー
    ル樹脂相に金属化合物が分散混合しているものであるこ
    とを特徴とするブレーキ用フェノール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記金属化合物が、金属酸化物、金属炭
    化物、あるいは金属窒化物である請求項1に記載のブレ
    ーキ用フェノール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物が、シリカである請求項
    2に記載のブレーキ用フェノール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記金属化合物の平均粒径が5〜100
    0nmである請求項1ないし3のいずれかに記載のブレ
    ーキ用フェノール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記金属化合物の配合量が、前記フェノ
    ール樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部であ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載のブレーキ用フェ
    ノール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のブ
    レーキ用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、フ
    ェノール樹脂の合成を行う際に、金属化合物をその反応
    前、反応中、又は反応後に添加して、フェノール類とア
    ルデヒド類、及び/又はフェノール樹脂と、金属化合物
    とを溶融または溶液状態で混合することを特徴とするブ
    レーキ用フェノール樹脂組成物の製造方法。
JP2002151957A 2002-05-27 2002-05-27 ブレーキ用フェノール樹脂組成物およびその製造方法 Pending JP2003342443A (ja)

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