JP2007126600A - 充填材及びそれを含む摩擦材用フェノール樹脂組成物と、その製造方法 - Google Patents

充填材及びそれを含む摩擦材用フェノール樹脂組成物と、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐摩耗性を有する摩擦材を得るための充填材、及びこれを含む摩擦材用フェノール樹脂組成物とその製造方法を供するものである。
【解決手段】フェノール樹脂と粒子状基材との混練物を粉砕して得られ、摩擦材用フェノール樹脂組成物に添加される充填材であって、前記充填材の少なくとも一部が被覆用フェノール樹脂(a)によって被覆された被覆充填材(b)を含むことを特徴とする充填材であり、これを含む摩擦材用フェノール樹脂組成物であり、フェノール樹脂を調製後、溶剤に溶解して被覆用フェノール樹脂(a)を得る工程(A)、前記被覆用フェノール樹脂(a)によって少なくとも一部が被覆されている被覆充填材(b)を得る工程(B)、及び前記被覆充填材(b)を粉砕して充填材を得る工程(C)、を含むことを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、充填材及びそれを含む摩擦材用フェノール樹脂組成物と、その製造方法に関するものである。
フェノール樹脂は、優れた耐熱性、接着性を有し、ブレーキパッド等の摩擦材用バインダーとして広く使用されている。この用途においては、一般的にランダムノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを粉砕混合して得られた粉末組成物が広く使用されている。
ブレーキなどの摩擦材の製造プロセスとしては、上記フェノール樹脂組成物をバインダーとして用い、これに、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維などの繊維状基材、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機充填材、及び、カシューダスト等を混合したものを熱プレス装置により加熱加圧成形して成形体を得る方法が挙げられる。
ブレーキパッドはその要求性能が日々厳しくなっており、安定した摩擦係数や摩耗量の低減が望まれている。こうした中で、磨耗量の低減を図る技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、ブレーキパッドの摩耗を低減する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−331876号公報 特開平4−139290号公報
本発明は、優れた耐摩耗性を有する摩擦材を得ることができる充填材を含む摩擦材用フェノール樹脂組成物と、その製造方法を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(8)により達成される。
(1)フェノール樹脂と粒子状基材との混練物を粉砕して得られ、摩擦材用フェノール樹脂組成物に添加される充填材であって、前記充填材の少なくとも一部が被覆用フェノール樹脂(a)によって被覆された被覆充填材(b)を含むことを特徴とする充填材。
(2)前記被覆用フェノール樹脂(a)の含有量は、前記充填材100重量部に対して5〜100重量部である(1)に記載の充填材。
(3)前記充填材の平均粒子径は、0.01〜100μmである(1)又は(2)に記載の充填材。
(4)前記充填材は、無機充填材、有機充填材、固体潤滑材、金属の中から選ばれる1種以上である(1)ないし(3)のいずれかに記載の充填材。
(5)(1)ないし(4)のいずれかに記載の充填材を含有することを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(6)前記摩擦材用フェノール樹脂組成物の平均粒子径は、10〜100μmである(5)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(7)更に、ノボラック型フェノール樹脂(c)を含むものである(5)または(6)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(8)(1)ないし(7)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、
フェノール樹脂を調製後、溶剤に溶解して被覆用フェノール樹脂(a)を得る工程(A)、
前記被覆用フェノール樹脂(a)によって少なくとも一部が被覆されている被覆充填材(b)を得る工程(B)、及び
前記被覆充填材(b)を粉砕して充填材を得る工程(C)、
を含むことを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、優れた磨耗特性を有する摩擦材を得ることができる。
本発明の充填材は、フェノール樹脂と充填材とを混錬、粉砕し、摩擦材用フェノール樹脂組成物に添加される充填材であって、前記充填材の少なくとも一部が被覆用フェノール樹脂(a)によって被覆された被覆充填材(b)を含むことを特徴とする。
また、本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、上記充填材を含有することを特徴とする。
また、本発明の製造方法はフェノール樹脂を調製後、溶剤に溶解して被覆用フェノール樹脂(a)を得る工程(A)、前記被覆用フェノール樹脂(a)によって少なくとも一部が被覆されている被覆充填材(b)を得る工程(B)、及び前記被覆充填材(b)を粉砕して充填材を得る工程(C)、を含むことを特徴とする。
まず、本発明の充填材について説明する。
本発明の充填材には被覆用フェノール樹脂(a)(以下、単に「フェノール樹脂(a)」ということがある)を用いる。
上記フェノール樹脂(a)の原料として用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、及び、1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。通常、フェノール、クレゾール及びこれらの混合物が多く用いられる。
また、アルデヒド類としては特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
上記フェノール類(P)とアルデヒド類(F)とを反応させる際の反応モル比[F/P]としては特に限定されないが、0.5〜0.9とすることが好ましい。
反応モル比を上記範囲にすることにより、反応中に樹脂がゲル化することなく、好適な分子量を有するノボラック樹脂を合成することができる。反応モル比が上記下限値未満では、得られるノボラック樹脂中に含有される未反応のフェノール類の量が多くなってしまうことがある。また、反応モル比が上記上限値を越えると、反応条件によってはノボラック樹脂がゲル化することがある。
この反応において用いられる酸性触媒としては、特に限定されないが、シュウ酸などの有機酸や塩酸、硫酸、燐酸などの鉱物酸、パラトルエンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸などを使用することができる。
上記フェノール樹脂(a)は、ノボラック樹脂と共に、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いることができる。
ヘキサメチレンテトラミンの含有量としては特に限定されないが、ノボラック樹脂100重量部に対して、5〜20重量部であることが好ましい。さらに好ましくは7〜17重量部である。
ヘキサメチレンテトラミンの含有量を上記範囲とすることで、特に機械的強度や摩耗特性に優れた摩擦材を得ることができる。
このほか、ノボラック樹脂の硬化促進の目的で有機酸を含有することができる。含有量については特に限定されないが、ノボラック樹脂100重量部に対して、0.2〜4重量部添加することができる。
本発明の充填材で用いられる充填材としては、例えば、無機充填材、有機充填材、固体潤滑材、金属の中から選ばれる1種以上を用いることができる。
上記無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、シリカ、溶融シリカ、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物などを挙げることができる。
有機充填材としては、例えば、ケブラー、カシューダストなどを挙げることができる。
また、固体潤滑材としては、例えば、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラックなどを挙げることができる。
そして、金属としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、真鍮などを挙げることができる。
本発明の充填材においては、上記充填材の中でも、無機充填材としては、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、固体潤滑材としては、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラック、金属としては、鉄、銅が好ましく、これらを単独、又は2種類以上を併用してもかまわない。
本発明の充填材に用いられる被覆充填材(b)は、その少なくとも一部が、上記フェノール樹脂(a)で被覆されていることを特徴とする。充填材を上記フェノール樹脂(a)で被覆することで特に強度や摩耗特性に優れた摩擦材を得ることができる。この理由は明白ではないが、粉体同士を混合する通常方法による配合よりもフェノール樹脂の分散度が良くなり、充填材同士を強くバインドすることができるからであると推測される。つまり、本発明の方法を用いれば、樹脂は充填材の表面に強制的に分散させられているため、通常方法による粉体同士の混合よりも均一に分散した摩擦材混合物が得られると考えられる。また通常方法による混合では、樹脂は成形時に充填材の隙間に入り込み充填材同士をバインドするが、本発明の方法では成形前から樹脂は充填材表面を被覆しているので、流れの悪い樹脂や速硬化の樹脂でも充填材同士を強くバインドできる効果もある。
上記フェノール樹脂(a)の含有量は、上記充填材100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましい。更に好ましくは、10〜100重量部である。フェノール樹脂(a)の含有量を上記範囲とすることで、特に充填材を被覆する効果を向上させることができる。
上記充填材の平均粒子径は0.01〜100μmであることが好ましい。更に好ましくは0.1〜70μmである。充填材(b)の平均粒子径を上記範囲とすることで特に強度や摩耗特性を向上することができる。
次に、本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)について説明する。
本発明の組成物は、上記充填材を被覆するために用いたフェノール樹脂(a)以外に、更にノボラック型フェノール樹脂(c)を含有することができる。上記ノボラック型フェノール樹脂(c)は、上記フェノール樹脂(a)と組成的に同じものでも、別のものを用いてもかまわない。
本発明の組成物、つまり上記被覆充填材(b)単独、または被覆充填材(b)とノボラック型フェノール樹脂(c)との混合物の平均粒子径としては、0.1〜100μmとすることが好ましい。更に好ましくは10〜80μmである。これにより、他の材料との混合精度を向上させることができ、成形時の寸法安定性を向上させ、成形物の膨れや亀裂の発生を防止することができる。
次に、本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)について詳細に説明する。
本発明の製造方法は、フェノール樹脂を調製後、溶剤に溶解して被覆用フェノール樹脂(a)を得る工程(A)、前記被覆用フェノール樹脂(a)によって少なくとも一部が被覆されている被覆充填材(b)を得る工程(B)、及び前記被覆充填材(b)を粉砕して充填材を得る工程(C)、を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法に用いられるフェノール樹脂を調製する方法は、特に限定されないが、例えば、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを溶融混合する方法、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを溶融混合した後に粉砕する方法、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを各々粉砕したものを乾式混合する方法、あるいは、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを同時に粉砕して混合する方法、などいずれの方法においても調製することができる。
上記工程(A)で被覆用フェノール樹脂(a)を得る方法としては、特に限定されないが、例えばフェノール樹脂を溶剤に溶解する方法、フェノール樹脂自体を加熱融解する方法が挙げられる。この中でもヘキサミンを含有したフェノール樹脂を用いることができるという観点からフェノール樹脂を溶剤に溶解する方法が好ましい。
上記(B)工程で、上記被覆用フェノール樹脂(a)によって少なくとも一部が被覆されている被覆充填材(b)を得る方法としては、特に限定されないが、通常の混練装置を用いて混練する方法を適用することができる。混練装置としては例えば、タービュライザ、フロージェットミキサ、ヘンシェルミキサ、カットミキサなどを用いることができる。
上記工程(C)で、上記被覆充填材(b)を粉砕して充填材を得る方法としては、特に限定されないが、通常の粉砕装置を用いることができる。
本発明の組成物は、摩擦材の製造に好適に用いることができるものである。
本発明の組成物を、例えばブレーキの原料として用いる場合は、本発明の組成物に金属繊維や化学繊維、カシューダスト等と混合したものをプレス成形して、ブレーキを製造することができる。
以下、本発明の組成物を実施例により詳細に説明する。
表1に、用いた配合材の配合量を示す。単位は全て重量部を表す。
Figure 2007126600
(実施例1)
バットに硫酸バリウム、炭酸カルシウムをそれぞれ444重量部、467重量部量りとり、フェノール樹脂89重量部をメタノールに溶解してこれに加えた。80℃に加熱しながら焦げ付かないようにヘラでかき混ぜ、メタノールを充分に乾燥させた。更に80℃の乾燥機に1時間放置しメタノールを完全に乾燥させ、被覆充填材(b)を得た。得られた被覆充填材(b)を粉砕機で粉砕し、摩擦材成形に利用可能な充填材を得た。
この充填材900重量部(内訳:フェノール樹脂(a)80重量部、硫酸バリウム400重量部、炭酸カルシウム420重量部)、カシューダスト50重量部、アラミド繊維50重量部を用い、アイリッヒミキサーで混合して摩擦材用混合物とした。
これを、温度150℃、圧力30MPaで9分間成形し、85×60×18mmの成形品を得た。得られた成形品をさらに200℃で5時間焼成して摩擦材を得た。
(実施例2)
バットに硫酸バリウムを833重量部量りとり、フェノール樹脂167重量部をメタノールに溶解してこれに加えた。以降実施例1と同様にして充填材を得た。
この充填材480重量部(内訳:フェノール樹脂(a)80重量部、硫酸バリウム400重量部)、炭酸カルシウム420重量部、カシューダスト50重量部、アラミド繊維50重量部を用い、以降実施例1と同様にして摩擦材を得た。
(実施例3)
バットに炭酸カルシウムを840重量部量りとり、フェノール樹脂160重量部をメタノールに溶解してこれに加えた。以降実施例1と同様にして充填材を得た。
この充填材500重量部(内訳:フェノール樹脂(a)80重量部、炭酸カルシウム420重量部)、硫酸バリウム400重量部、カシューダスト50重量部、アラミド繊維50重量部を用い、以降実施例1と同様にして摩擦材を得た。
(実施例4)
バットに硫酸バリウム、炭酸カルシウムをそれぞれ444重量部、467重量部量りとり、フェノール樹脂89重量部をメタノールに溶解してこれに加えた。以降実施例と同様にして充填材を得た。この充填材860重量部(内訳:フェノール樹脂(a)40重量部、硫酸バリウム400重量部、炭酸カルシウム420重量部)、ノボラック型フェノール樹脂(c)40重量部、カシューダスト50重量部、アラミド繊維50重量部を用い、以降実施例1と同様にして摩擦材を得た。
(比較例1)
被覆充填材を用いず、ノボラック型フェノール樹脂80重量部、硫酸バリウム400重量部、炭酸カルシウム420重量部、カシューダスト50重量部、アラミド繊維50重量部を用い、アイリッヒミキサーで混合してブレーキ用混合物とした。これを、温度150℃、圧力30MPaで9分間成形し、85×60×18mmの成形品を得た。得られた成形品をさらに200℃で5時間焼成して摩擦材を得た。
(比較例2)
ノボラック型フェノール樹脂をメタノールに溶解してバットに流した。これを80℃に加熱しながら焦げ付かないようにヘラでかき混ぜ、メタノールを充分に乾燥させた。更に80℃の乾燥機に1時間放置しメタノールを完全に乾燥させた。得られた樹脂を粉砕機で粉砕し、再びフェノール樹脂を得た。このフェノール樹脂50重量部、硫酸バリウム400重量部、炭酸カルシウム420重量部、カシューダスト50重量部、アラミド繊維50重量部を用い、以降比較例1と同様にして摩擦材を得た。
用いた充填材とフェノール樹脂の平均粒子径はレーザー散乱型粒度分布測定装置(堀場製作所社製:LA920)を用いて測定し、それぞれ32.0μmと22.6μmであった。
組成物の調製及び摩擦材の製造で用いたものは以下のとおりである。
(1)ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製 PR−50731
(2)硫酸バリウム(平均粒子径 20μm):堺化学株式会社製BF−1H
(3)炭酸カルシウム(平均粒子径 20μm):白石工業株式会社製Vigot15
(4)ヘキサメチレンテトラミン:Caldic Europoprt B.V.
(5)カシューダスト(平均粒子径 250μm):東北化工株式会社製 FF−1081
(6)アラミド繊維( 繊維長 2mm):東レ・デュポン株式会社社製 ドライパルプ
上記実施例及び比較例により作製したブレーキ材を評価用試料として以下の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2007126600
表の注:評価方法
(1)ロックウェル硬度:JIS K 7202「プラスチックのロックウェル硬さ試験方法」に 準拠して測定した。
(2)常態曲げ強度、弾性率:JIS K 7203「硬質プラスチックの曲げ試験方法」に準拠 して測定した。
(3)摩擦係数:JASO C 406 に準拠して、1/10スケールダイナモテスターにより 測定した。測定条件は、制動初速度50km/h、減速度0.3G、制動回数1000回と し、制動温度は100℃、200℃、300℃の3水準で行った。
(4)摩耗量:マイクロメーターを用いて、摩擦係数測定前後のテストピースの厚さを計測し、各制動温度の摩耗量とした。
表2の結果から明らかなように、実施例1〜3は、充填材の少なくとも一部がフェノール樹脂で被覆されている本発明の充填材を含む摩擦材用フェノール樹脂組成物からなる摩擦材であり、充填材がフェノー樹脂で被覆されていない比較例1、2に比較して、ロックウェル硬度及び常態曲げ強度に優れており、摩擦係数は同等を維持しつつ磨耗量を低減することができた。また、被覆用に用いられたフェノール樹脂以外に、ノボラック型フェノール樹脂を含む実施例4においても、他の実施例同様の効果を確認できた。

Claims (8)

  1. フェノール樹脂と粒子状基材との混練物を粉砕して得られ、摩擦材用フェノール樹脂組成物に添加される充填材であって、前記充填材の少なくとも一部が被覆用フェノール樹脂(a)によって被覆された被覆充填材(b)を含むことを特徴とする充填材。
  2. 前記被覆用フェノール樹脂(a)の含有量は、前記充填材100重量部に対して5〜100重量部である請求項1に記載の充填材。
  3. 前記充填材の平均粒子径は、0.01〜100μmである請求項1又は2に記載の充填材。
  4. 前記充填材は、無機充填材、有機充填材、固体潤滑材、金属の中から選ばれる1種以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の充填材。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の充填材を含有することを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物。
  6. 前記摩擦材用フェノール樹脂組成物の平均粒子径は、10〜100μmである請求項5に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
  7. 更に、ノボラック型フェノール樹脂(c)を含むものである請求項5または6に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、
    フェノール樹脂を調製後、溶剤に溶解して被覆用フェノール樹脂(a)を得る工程(A)、
    前記被覆用フェノール樹脂(a)によって少なくとも一部が被覆されている被覆充填材(b)を得る工程(B)、及び
    前記被覆充填材(b)を粉砕して充填材を得る工程(C)、
    を含むことを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
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