JP2006089510A - 摩擦材用フェノール樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フェノール樹脂の吸湿を抑制し、成形ばらつきを低減することができる摩擦材用フェノール樹脂組成物と、その製造方法を提供する。
【解決手段】 粒子形状を有する摩擦材用フェノール樹脂組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料と、被覆材料とを含有し、上記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、上記被覆材料で被覆されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物であり、好ましくは、上記被覆材料は、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラック、鉄、及び、銅の中から選ばれる1種以上である。
【選択図】 なし
【解決手段】 粒子形状を有する摩擦材用フェノール樹脂組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料と、被覆材料とを含有し、上記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、上記被覆材料で被覆されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物であり、好ましくは、上記被覆材料は、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラック、鉄、及び、銅の中から選ばれる1種以上である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、摩擦材用フェノール樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
フェノール樹脂は、優れた耐熱性、接着性を有し、ブレーキ等の摩擦材用バインダーとして広く使用されている。この用途においては、一般的にランダムノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを粉砕混合して得られた粉末組成物が広く使用されている。
ブレーキなどの摩擦材の製造プロセスとしては、上記フェノール樹脂組成物をバインダーとして用い、これに、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維などの繊維状基材、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機基材、及び、カシューダスト等を混合したものを熱プレス装置により加熱加圧成形して成形体を得る方法が挙げられる。
一方、ブレーキを製造するときに、樹脂成分などに含有される水分がブレーキの成形に少なからず影響を及ぼすことが知られている。このため、各材料中の水分含有量を管理することがブレーキの成形時の寸法ばらつきを抑制する最も効果的な手段である。水分含有量管理に最も注意を要するのがフェノール樹脂である。一般にフェノール樹脂は30℃、湿度90%の条件下で5〜10重量%程度吸湿する。フェノール樹脂の吸湿を抑制することでブレーキの成形時の寸法ばらつきを低減することが可能となる。
ブレーキなどの摩擦材の製造プロセスとしては、上記フェノール樹脂組成物をバインダーとして用い、これに、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維などの繊維状基材、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機基材、及び、カシューダスト等を混合したものを熱プレス装置により加熱加圧成形して成形体を得る方法が挙げられる。
一方、ブレーキを製造するときに、樹脂成分などに含有される水分がブレーキの成形に少なからず影響を及ぼすことが知られている。このため、各材料中の水分含有量を管理することがブレーキの成形時の寸法ばらつきを抑制する最も効果的な手段である。水分含有量管理に最も注意を要するのがフェノール樹脂である。一般にフェノール樹脂は30℃、湿度90%の条件下で5〜10重量%程度吸湿する。フェノール樹脂の吸湿を抑制することでブレーキの成形時の寸法ばらつきを低減することが可能となる。
特許文献1には、フェノール樹脂の骨格が多核芳香族となるように変性したものを使用することで吸湿性の少ない樹脂を得る方法が開示されている。しかしながら、多核芳香族で変性した樹脂は硬化速度が遅いために成形に時間を要する欠点がある。また、吸湿の最大の原因であるヘキサメチレンテトラミンの吸湿は避けることが非常に困難である。
特許文献2には、ブレーキ材料である粉状のフィラーの間隙にバインダー樹脂を充填させて粒径が500〜1000μmの粒状品を製造することで、フィラーとの密着性を向上させたり、吸湿を抑制する技術が開示されている。この手法はすべての材料を一度に処理して、プレス成形前の混合物を作製する場合は有用であるが、別途他の材料を入れる必要性が生じた場合には、混合品の粒径が大きいために再混合が非常に困難となる。他の材料との混合性の自由度を大きくするためには平均粒径が100μmを下回る混合物を製造する必要がある。
また、特許文献3には、ブレーキの製造工程自体を、予備成形から仕上げ工程に至るまでの各工程における単位時間あたりの生産量を同一にする方法が開示されている。この方法により、各工程の間で吸湿が原因による摩擦材の膨れやヒビ割れなどの不良品の発生を低減することができている。
特許文献2には、ブレーキ材料である粉状のフィラーの間隙にバインダー樹脂を充填させて粒径が500〜1000μmの粒状品を製造することで、フィラーとの密着性を向上させたり、吸湿を抑制する技術が開示されている。この手法はすべての材料を一度に処理して、プレス成形前の混合物を作製する場合は有用であるが、別途他の材料を入れる必要性が生じた場合には、混合品の粒径が大きいために再混合が非常に困難となる。他の材料との混合性の自由度を大きくするためには平均粒径が100μmを下回る混合物を製造する必要がある。
また、特許文献3には、ブレーキの製造工程自体を、予備成形から仕上げ工程に至るまでの各工程における単位時間あたりの生産量を同一にする方法が開示されている。この方法により、各工程の間で吸湿が原因による摩擦材の膨れやヒビ割れなどの不良品の発生を低減することができている。
本発明は、フェノール樹脂の吸湿を抑制し、成形ばらつきを低減することができる摩擦材用フェノール樹脂組成物と、その製造方法を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(8)により達成される。
(1)粒子形状を有する摩擦材用フェノール樹脂組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料と、被覆材料とを含有し、上記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、上記被覆材料で被覆されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(2)上記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、30℃、湿度90%の条件下で7日間経過後の吸湿率が5重量%以下である上記(1)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(3)上記被覆材料の平均粒径は、0.01〜2μmである上記(1)又は(2)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(4)上記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、平均粒径が10〜100μmである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(5)上記被覆材料は、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラック、鉄、及び、銅の中から選ばれる1種以上である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(6)上記被覆材料の含有量は、上記フェノール樹脂材料100重量部に対して、100〜300重量部である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物を溶融混合し、これを粉砕することを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
(8)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物に、ずり剪断力を与えることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
(1)粒子形状を有する摩擦材用フェノール樹脂組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料と、被覆材料とを含有し、上記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、上記被覆材料で被覆されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(2)上記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、30℃、湿度90%の条件下で7日間経過後の吸湿率が5重量%以下である上記(1)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(3)上記被覆材料の平均粒径は、0.01〜2μmである上記(1)又は(2)に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(4)上記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、平均粒径が10〜100μmである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(5)上記被覆材料は、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラック、鉄、及び、銅の中から選ばれる1種以上である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(6)上記被覆材料の含有量は、上記フェノール樹脂材料100重量部に対して、100〜300重量部である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物を溶融混合し、これを粉砕することを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
(8)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物に、ずり剪断力を与えることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
本発明は、粒子形状を有する摩擦材用フェノール樹脂組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料と、被覆材料とを含有し、上記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、上記被覆材料で被覆されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物であり、ブレーキなどの摩擦材用途に用いられるフェノール樹脂の吸湿を抑制した摩擦材用フェノール樹脂組成物を得ることができる。これにより、ブレーキなど摩擦材の成形時の寸法バラツキを低減し、寸法安定性を向上させることができる。
そして、本発明の製造方法は、上記本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物を簡易に製造する方法を提供するものである。
そして、本発明の製造方法は、上記本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物を簡易に製造する方法を提供するものである。
以下に、本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物と、その製造方法について説明する。
本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、粒子形状を有する摩擦材用フェノール樹脂組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料と、被覆材料とを含有し、上記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、上記被覆材料で被覆されていることを特徴とする。
また、本発明の製造方法は、上記本発明の組成物の製造方法であって、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物を溶融混合し、これを粉砕すること、あるいは、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物に、ずり剪断力を与えることを特徴とする。
まず、本発明の組成物について詳細に説明する。
本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、粒子形状を有する摩擦材用フェノール樹脂組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料と、被覆材料とを含有し、上記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、上記被覆材料で被覆されていることを特徴とする。
また、本発明の製造方法は、上記本発明の組成物の製造方法であって、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物を溶融混合し、これを粉砕すること、あるいは、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物に、ずり剪断力を与えることを特徴とする。
まず、本発明の組成物について詳細に説明する。
まず、本発明の組成物で用いられるノボラック型フェノール樹脂(以下単に「ノボラック樹脂」ということがある)について説明する。
上記ノボラック樹脂の原料として用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール等のアルキルフェノール、フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体、及び、1−ナフトール、2−ナフトール等の1価のフェノール類、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等の多価フェノール類が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。通常、フェノール、クレゾール及びこれらの混合物が多く用いられる。
また、アルデヒド類としては特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することができる。
上記フェノール類(P)とアルデヒド類(F)とを反応させる際の反応モル比[F/P]としては特に限定されないが、0.5〜0.9とすることが好ましい。
反応モル比を上記範囲にすることにより、反応中に樹脂がゲル化することなく、好適な分子量を有するノボラック樹脂を合成することができる。反応モル比が上記下限値未満では、得られるノボラック樹脂中に含有される未反応のフェノール類の量が多くなってしまうことがある。また、反応モル比が上記上限値を越えると、反応条件によってはノボラック樹脂がゲル化することがある。
反応モル比を上記範囲にすることにより、反応中に樹脂がゲル化することなく、好適な分子量を有するノボラック樹脂を合成することができる。反応モル比が上記下限値未満では、得られるノボラック樹脂中に含有される未反応のフェノール類の量が多くなってしまうことがある。また、反応モル比が上記上限値を越えると、反応条件によってはノボラック樹脂がゲル化することがある。
この反応において用いられる酸性触媒としては、特に限定されないが、シュウ酸などの有機酸や塩酸、硫酸、燐酸などの鉱物酸、パラトルエンスルホン酸、パラフェノールスルホン酸などを使用することができる。
本発明の組成物には、ノボラック樹脂の硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いる。
ヘキサメチレンテトラミンの含有量としては特に限定されないが、ノボラック樹脂100重量部に対して、5〜20重量部であることが好ましい。さらに好ましくは7〜17重量部である。
ヘキサメチレンテトラミンの含有量が上記下限値未満では、ノボラック樹脂の硬化が不充分になり、成形体の強度が低下することがある。また、上記上限値を超えると、ヘキサメチレンテトラミンの分解により発生するガスが、摩擦材成形品に膨れ、亀裂などを発生させることがある。
ヘキサメチレンテトラミンの含有量としては特に限定されないが、ノボラック樹脂100重量部に対して、5〜20重量部であることが好ましい。さらに好ましくは7〜17重量部である。
ヘキサメチレンテトラミンの含有量が上記下限値未満では、ノボラック樹脂の硬化が不充分になり、成形体の強度が低下することがある。また、上記上限値を超えると、ヘキサメチレンテトラミンの分解により発生するガスが、摩擦材成形品に膨れ、亀裂などを発生させることがある。
本発明の組成物においては、上記ノボラック樹脂と、ヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料を用いる。
上記フェノール樹脂材料は、例えば、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを溶融混合する方法、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを溶融混合した後に粉砕する方法、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを各々粉砕したものを乾式混合する方法、あるいは、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを同時に粉砕して混合する方法、などにより調製することができる。
上記フェノール樹脂材料は、例えば、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを溶融混合する方法、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを溶融混合した後に粉砕する方法、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを各々粉砕したものを乾式混合する方法、あるいは、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを同時に粉砕して混合する方法、などにより調製することができる。
このほか、ノボラック樹脂の硬化促進の目的で有機酸を使用することができる。使用量については特に限定されないが、ノボラック樹脂100重量部に対して、0.2〜4重量部添加することができる。
本発明の組成物は、上記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、被覆材料で被覆されてなることを特徴とする。
本発明の組成物で用いられる被覆材料としては特に限定されないが、例えば、無機充填材、固体潤滑材、あるいは、金属などを用いることができる。
無機充填材としては特に限定されないが、例えば、例えばタルク、焼成クレイ、未焼成クレイ、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、シリカ、溶融シリカ、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物などを挙げることができる。
また、固体潤滑材としては特に限定されないが、例えば、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラックなどを挙げることができる。
そして、金属としては特に限定されないが、例えば、鉄、銅などを挙げることができる。
無機充填材としては特に限定されないが、例えば、例えばタルク、焼成クレイ、未焼成クレイ、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、シリカ、溶融シリカ、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物などを挙げることができる。
また、固体潤滑材としては特に限定されないが、例えば、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラックなどを挙げることができる。
そして、金属としては特に限定されないが、例えば、鉄、銅などを挙げることができる。
本発明の組成物においては、上記被覆材料の中でも、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛のような無機充填材、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラックのような固体潤滑材、あるいは、鉄、銅のような金属の中から選ばれる1種以上を使用することが好ましい。
これらの材料は、通常、摩擦材に配合できる材料であるので、摩擦材に新たな材料を添加することなく、フェノール樹脂材料を被覆することができる。
これらの材料は、通常、摩擦材に配合できる材料であるので、摩擦材に新たな材料を添加することなく、フェノール樹脂材料を被覆することができる。
また、上記被覆材料の平均粒径は特に限定されないが、0.01〜2μmであることが好ましい。さらに好ましくは、0.05〜0.5μmである。これにより、フェノール樹脂材料を被覆しやすく、フェノール樹脂材料の吸湿を効果的に抑制できる組成物を簡易に調製することができる。
平均粒径が上記下限値未満では被覆材料の粉舞が大きく、ハンドリングが難しいことがある。また上記上限値を超えると、フェノール樹脂材料の被覆が不十分になり、目的とする吸湿の抑制への寄与が不十分となることがある。
平均粒径が上記下限値未満では被覆材料の粉舞が大きく、ハンドリングが難しいことがある。また上記上限値を超えると、フェノール樹脂材料の被覆が不十分になり、目的とする吸湿の抑制への寄与が不十分となることがある。
上記被覆材料の含有量は特に限定されないが、フェノール樹脂材料100重量部に対して、100〜300重量部であることが好ましい。更に好ましくは150〜250重量部である。被覆材料の含有量を上記下限値以上とすることにより、フェノール樹脂材料を充分に被覆することができる。また、上記上限値以下とすることにより、得られる摩擦材組成物の粉舞を抑制することができる。
被覆材料の含有量が上記下限値未満では被覆が不十分となることがある。また、上記上限値を超えるとハンドリングが低下することがある。
被覆材料の含有量が上記下限値未満では被覆が不十分となることがある。また、上記上限値を超えるとハンドリングが低下することがある。
本発明の組成物の平均粒径としては特に限定されないが、10〜100μmとすることが好ましい。これにより、他の材料との混合精度を向上させることができる。
平均粒径が上記下限値未満では、取り扱い時に粉舞が生じて作業性が低下することがある。また、上記上限値を越えると、他の材料と混合を行う際に混合物の均一性が保たれなくなり、成形時の寸法安定性が悪くなったり、成形物の膨れや亀裂が生じたりすることがある。
平均粒径が上記下限値未満では、取り扱い時に粉舞が生じて作業性が低下することがある。また、上記上限値を越えると、他の材料と混合を行う際に混合物の均一性が保たれなくなり、成形時の寸法安定性が悪くなったり、成形物の膨れや亀裂が生じたりすることがある。
本発明の組成物の吸湿率としては特に限定されないが、30℃、湿度90%の条件下で7日間経過後の吸湿率が5重量%以下であることが好ましい。これにより、フェノール樹脂材料の吸湿が抑制されるので、摩擦材製造時の成形ばらつきを低減させ、寸法精度を向上させることができる。
次に、本発明の組成物の製造方法について詳細に説明する。
本発明の組成物の製造方法としては特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物を機械的圧力などにより溶融混合し、これを粉砕する方法、あるいは、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物に、ずり剪断力を与える方法、などを好ましく適用することができる。
本発明の組成物の製造方法としては特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物を機械的圧力などにより溶融混合し、これを粉砕する方法、あるいは、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物に、ずり剪断力を与える方法、などを好ましく適用することができる。
ここで、機械的圧力により溶融混練する方法としては特に限定されないが、通常の混練装置を用いて混練する方法を適用することができる。混練装置としては例えば、加圧ニーダ、二軸押出機、単軸押出機などを用いることができる。粉砕する方法としては特に限定されないが、通常の粉砕装置を用いることができる。
また、溶融混練する温度としては特に限定されないが、通常、60〜80℃で行うことができる。
また、溶融混練する温度としては特に限定されないが、通常、60〜80℃で行うことができる。
また、ずり剪断力を与える方法としては特に限定されないが、例えば、粒子形状のフェノール樹脂材料と被覆材料との混合物を、らいかい機、ボールミル、オングミル(ホソカワミクロン社製)などの装置で処理する方法を適用することができる。
なお、この方法を適用する場合、ずり剪断力を与える方法にもよるが、フェノール樹脂材料としては、平均粒径が5〜50μmであるものを用いることが好ましい。これにより、効率的に被覆処理を行うことができる。
なお、この方法を適用する場合、ずり剪断力を与える方法にもよるが、フェノール樹脂材料としては、平均粒径が5〜50μmであるものを用いることが好ましい。これにより、効率的に被覆処理を行うことができる。
本発明の組成物は、摩擦材の製造に好適に用いることができるものである。
本発明の組成物を、例えばブレーキの原料として用いる場合は、本発明の組成物に金属繊維や化学繊維、カシューダスト等と混合したものをプレス成形して、ブレーキを製造することができる。
本発明の組成物を、例えばブレーキの原料として用いる場合は、本発明の組成物に金属繊維や化学繊維、カシューダスト等と混合したものをプレス成形して、ブレーキを製造することができる。
次に、実施例により本発明を説明する。
1.フェノール樹脂材料の調製
フェノール100重量部、シュウ酸1重量部、37%ホルムアルデヒド水溶液69重量部(反応モル比[F/P]=0.8)を混合して100℃で3時間反応を行った。反応後、反応系内が180℃になるまで脱水を行うことで、ノボラック型フェノール樹脂100重量部を得た。
上記の方法で得られたフェノール樹脂100重量部に対して、ヘキサメチレンテトラミン70重量部を粉砕混合し、平均粒径23μmのフェノール樹脂材料を得た。
フェノール100重量部、シュウ酸1重量部、37%ホルムアルデヒド水溶液69重量部(反応モル比[F/P]=0.8)を混合して100℃で3時間反応を行った。反応後、反応系内が180℃になるまで脱水を行うことで、ノボラック型フェノール樹脂100重量部を得た。
上記の方法で得られたフェノール樹脂100重量部に対して、ヘキサメチレンテトラミン70重量部を粉砕混合し、平均粒径23μmのフェノール樹脂材料を得た。
1.組成物の製造
(1)実施例1
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部を60℃の加圧ニーダを用いて混練した。この上に、平均粒径0.1μmの硫酸バリウム700重量部を添加しながら樹脂材料と硫酸バリウムとを混練した。
混練したものを粉砕機で粉砕して、平均粒径が25μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
(1)実施例1
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部を60℃の加圧ニーダを用いて混練した。この上に、平均粒径0.1μmの硫酸バリウム700重量部を添加しながら樹脂材料と硫酸バリウムとを混練した。
混練したものを粉砕機で粉砕して、平均粒径が25μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
(2)実施例2
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部を60℃の加圧ニーダを用いて混練した。この上に、平均粒径0.2μmの酸化第二鉄700重量部を添加しながら樹脂材料と酸化第二鉄とを混練した。
混練したものを粉砕機で粉砕して、平均粒径が22μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部を60℃の加圧ニーダを用いて混練した。この上に、平均粒径0.2μmの酸化第二鉄700重量部を添加しながら樹脂材料と酸化第二鉄とを混練した。
混練したものを粉砕機で粉砕して、平均粒径が22μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
(3)実施例3
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部を60℃の加圧ニーダを用いて混練した。この上に、平均粒径0.1μmの硫酸バリウム300重量部を添加しながら樹脂材料と硫酸バリウムとを混練した。
混練したものを粉砕機で粉砕して、平均粒径が25μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部を60℃の加圧ニーダを用いて混練した。この上に、平均粒径0.1μmの硫酸バリウム300重量部を添加しながら樹脂材料と硫酸バリウムとを混練した。
混練したものを粉砕機で粉砕して、平均粒径が25μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
(5)実施例4
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部と平均粒径0.15μmの炭酸カルシウム300重量部とを、らいかい機に仕込み、被覆処理を行って、平均粒径が28μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部と平均粒径0.15μmの炭酸カルシウム300重量部とを、らいかい機に仕込み、被覆処理を行って、平均粒径が28μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
(6)実施例5
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部と平均粒径0.1μmの硫酸バリウム700重量部とを、らいかい機に仕込み、被覆処理を行って、平均粒径が28μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部と平均粒径0.1μmの硫酸バリウム700重量部とを、らいかい機に仕込み、被覆処理を行って、平均粒径が28μmの摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
(7)比較例1
上記で得られたフェノール樹脂材料をそのまま用いた。
上記で得られたフェノール樹脂材料をそのまま用いた。
(8)比較例2
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部と平均粒径0.1μmの硫酸バリウム700重量部とをVブレンダにて単純混合して、摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
上記で得られたフェノール樹脂材料300重量部と平均粒径0.1μmの硫酸バリウム700重量部とをVブレンダにて単純混合して、摩擦材用フェノール樹脂組成物を得た。
2.用いた原材料
2.1 組成物の調製で用いたもの
(1)硫酸バリウム(平均粒径0.1μm):堺化学株式会社製BF−1H
(2)酸化第二鉄(平均粒径0.2μm):堺化学株式会社製FRO−20
(3)炭酸カルシウム(平均粒径0.15μm):白石工業株式会社製Vigot15
2.1 組成物の調製で用いたもの
(1)硫酸バリウム(平均粒径0.1μm):堺化学株式会社製BF−1H
(2)酸化第二鉄(平均粒径0.2μm):堺化学株式会社製FRO−20
(3)炭酸カルシウム(平均粒径0.15μm):白石工業株式会社製Vigot15
2.2 摩擦材の製造で用いたもの
(1)硫酸バリウム:平均粒径 20μm
(2)炭酸カルシウム:平均粒径 20μm
(3)カシューダスト:250μm
(4)アラミド繊維:ドライパルプ 繊維長2mm
(1)硫酸バリウム:平均粒径 20μm
(2)炭酸カルシウム:平均粒径 20μm
(3)カシューダスト:250μm
(4)アラミド繊維:ドライパルプ 繊維長2mm
3.評価
実施例及び比較例で得られた組成物について、吸湿率、平均粒径の測定を行った。吸湿率は、摩擦材を製造する時の寸法安定性及び季節変動要因の指標とすることができる。
また、実施例及び比較例で得られた組成物について、調製直後のものと、吸湿処理を行ったものとを各々用い、摩擦材(ブレーキ材)を製造し、寸法安定性の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた組成物について、吸湿率、平均粒径の測定を行った。吸湿率は、摩擦材を製造する時の寸法安定性及び季節変動要因の指標とすることができる。
また、実施例及び比較例で得られた組成物について、調製直後のものと、吸湿処理を行ったものとを各々用い、摩擦材(ブレーキ材)を製造し、寸法安定性の測定を行った。結果を表1に示す。
4.評価方法
(1)吸湿率
実施例及び比較例で得られた組成物300gを、15×20×3cmの大きさのステンレス製バット内に広げ、30℃、湿度90%の恒温恒湿槽で7日間処理した。吸湿率は、処理前後の重量から下記式に従って算出した。
A:組成物の処理前後の重量変化率(%)=100×[(吸湿後の組成物重量:g)−(吸湿前の組成物重量:g)]/(吸湿前の組成物重量:g)
吸湿率(重量%)=A/(組成物中のフェノール樹脂混合物の含有率)
(1)吸湿率
実施例及び比較例で得られた組成物300gを、15×20×3cmの大きさのステンレス製バット内に広げ、30℃、湿度90%の恒温恒湿槽で7日間処理した。吸湿率は、処理前後の重量から下記式に従って算出した。
A:組成物の処理前後の重量変化率(%)=100×[(吸湿後の組成物重量:g)−(吸湿前の組成物重量:g)]/(吸湿前の組成物重量:g)
吸湿率(重量%)=A/(組成物中のフェノール樹脂混合物の含有率)
(2)平均粒径
実施例及び比較例で得られた組成物を、レーザー散乱型粒度分布測定装置(堀場製作所製:LA−920)を用いて平均粒径の測定を行った。
実施例及び比較例で得られた組成物を、レーザー散乱型粒度分布測定装置(堀場製作所製:LA−920)を用いて平均粒径の測定を行った。
(3)寸法安定性
実施例及び比較例で得られた組成物を用いて、表1に示す配合割合で仕込み、アイリッヒミキサを用いて混合し、ブレーキ材用混合物とした。これを、温度150℃、圧力400kg/cm2で5分間成形し、100×100mmの成形品を得た。得られた成形品をさらに200℃で5時間焼成してブレーキ材aを作製した。
一方、実施例及び比較例で得られた組成物を、30℃、湿度90%で7日間処理した後、上記と同様の方法でブレーキ材bを作製した。
上記で得られたブレーキ材a(吸湿なし)、ブレーキ材b(吸湿あり)の厚みを、各々マイクロメータを用いて測定し、その差を算出した。この差が小さいほど寸法安定性が良好である。
実施例及び比較例で得られた組成物を用いて、表1に示す配合割合で仕込み、アイリッヒミキサを用いて混合し、ブレーキ材用混合物とした。これを、温度150℃、圧力400kg/cm2で5分間成形し、100×100mmの成形品を得た。得られた成形品をさらに200℃で5時間焼成してブレーキ材aを作製した。
一方、実施例及び比較例で得られた組成物を、30℃、湿度90%で7日間処理した後、上記と同様の方法でブレーキ材bを作製した。
上記で得られたブレーキ材a(吸湿なし)、ブレーキ材b(吸湿あり)の厚みを、各々マイクロメータを用いて測定し、その差を算出した。この差が小さいほど寸法安定性が良好である。
実施例1〜5はいずれも、フェノール樹脂材料の少なくとも一部を被覆材料で被覆した本発明の組成物であり、フェノール樹脂材料を単独で用いた比較例1、フェノール樹脂と無機充填材とを単純混合して用いた比較例2と比べて、組成物の吸湿率を大きく低減させることができた。
そして、この組成物を用いて摩擦材を成形したところ、実施例の組成物を用いた摩擦材は、吸湿処理の有無による寸法差を比較例よりも大きく低減させることができ、寸法安定性を向上させることができた。
そして、この組成物を用いて摩擦材を成形したところ、実施例の組成物を用いた摩擦材は、吸湿処理の有無による寸法差を比較例よりも大きく低減させることができ、寸法安定性を向上させることができた。
本発明は、粒子形状を有する摩擦材用フェノール樹脂組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料と、被覆材料とを含有し、前記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、前記被覆材料で被覆されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物であり、フェノール樹脂の吸湿を抑制することができるので、成形ばらつきを低減でき、寸法安定性に優れた摩擦材の製造に好適に用いることができるものである。
Claims (8)
- 粒子形状を有する摩擦材用フェノール樹脂組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂材料と、被覆材料とを含有し、前記フェノール樹脂材料の少なくとも一部が、前記被覆材料で被覆されていることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物。
- 前記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、30℃、湿度90%の条件下で7日間経過後の吸湿率が5重量%以下である請求項1に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
- 前記被覆材料の平均粒径は、0.01〜2μmである請求項1又は2に記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
- 前記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、平均粒径が10〜100μmである請求項1ないし3のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
- 前記被覆材料は、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二硫化アンチモン、グラファイト、カーボンブラック、鉄、及び、銅の中から選ばれる1種以上である請求項1ないし4のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
- 前記被覆材料の含有量は、前記フェノール樹脂材料100重量部に対して、100〜300重量部である請求項1ないし5のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物を溶融混合し、これを粉砕することを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法であって、フェノール樹脂材料と被覆材料とを含有する材料混合物に、ずり剪断力を与えることを特徴とする摩擦材用フェノール樹脂組成物の製造方法。
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JP2004272873A JP2006089510A (ja) | 2004-09-21 | 2004-09-21 | 摩擦材用フェノール樹脂組成物及びその製造方法 |
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CN108359212A (zh) * | 2018-01-31 | 2018-08-03 | 周学昌 | 一种用于轨道车辆的研磨子及其制备方法 |
-
2004
- 2004-09-21 JP JP2004272873A patent/JP2006089510A/ja active Pending
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