JPH08157692A - フェノール樹脂組成物及び成形材料 - Google Patents

フェノール樹脂組成物及び成形材料

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JPH08157692A
JPH08157692A JP30214294A JP30214294A JPH08157692A JP H08157692 A JPH08157692 A JP H08157692A JP 30214294 A JP30214294 A JP 30214294A JP 30214294 A JP30214294 A JP 30214294A JP H08157692 A JPH08157692 A JP H08157692A
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JP
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resin composition
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resin
weight
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JP30214294A
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English (en)
Inventor
Motoharu Yasuma
基晴 安間
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノール類100重量部に対しポリエーテ
ルスルホン樹脂を20〜30重量部の割合で溶解混合し
た系と、ホルムアルデヒドとを酸性触媒の存在下で反応
させて得られるポリエーテルスルホン変性又は含有ノボ
ラック型フェノール樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を
樹脂成分とし、補強材としてガラス繊維を40〜70重
量%含有することを特徴とするフェノール樹脂組成物に
関する。 【効果】 本発明の樹脂組成物はノボラック樹脂単独の
ものと同等以上の機械的強度を有しており、この樹脂組
成物を用いた成形材料は高強度を有し耐摩耗性に優れて
いることから、機械的強度が必要とされると共に摺動の
生じる機構部品に特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性樹脂であるフ
ェノール樹脂の特長と熱可塑性樹脂であるポリエーテル
スルホン樹脂(以下、PESと略称する)の強度及び耐
摩耗性の特長とを併せ持つ樹脂組成物、及びこの樹脂組
成物を樹脂成分とする成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は熱硬化性樹脂の中でも
耐熱性、強度、成形性等種々の点において優れており、
成形材料、積層板などさまざまな用途に使用されてい
る。成形材料として使用された場合、成形品特性は概ね
良好であるが、高強度化のためにガラス繊維を添加した
成形材料の場合、耐摩耗性という点で問題がある。この
欠点を改良するための検討がいろいろとなされている
が、その例としてフェノール樹脂と熱可塑性樹脂やエラ
ストマーとの混合、あるいは成形材料を得た後に熱可塑
性樹脂やエラストマーを添加する方法などがある。これ
まで熱可塑性樹脂あるいはエラストマーを配合した成形
材料について幾つかの報告があるが、耐摩耗性を向上さ
せる反面、強度の低下を伴う、あるいは耐摩耗性は向上
するが安心して使用できるレベルには達していない等の
欠点があった。そのためいかに強度低下を少なくし、満
足が得られる摩耗特性を付与させるかという検討が行わ
れているが、このような樹脂組成物、特に成形材料は未
だ得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の耐摩
耗性向上による強度の低下という問題点を解決するため
種々の検討の結果なされたもので、その目的とするとこ
ろは高強度を維持したままで、耐摩耗性の優れた成形品
を与える樹脂組成物を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノール類
100重量部に対しPESを5〜30重量部の割合で溶
解混合した系とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で反
応させて得られるPES変性又は含有ノボラック型フェ
ノール樹脂組成物、及びこの樹脂組成物を樹脂成分と
し、成形材料全体に対して補強材としてガラス繊維を4
0〜70重量%含有することを特徴とするフェノール樹
脂成形材料に関するものである。
【0005】本発明において用いられるフェノール類
(a)としては、フェノール、オルソクレゾール、メタ
クレゾール、パラクレゾール、エチルフェノール、キシ
レノール、ビスフェノールA、カテコール、レゾルシ
ン、ハイドロキノン、プロピルフェノール、ブチルフェ
ノール、オクチルフェノール等から選ばれた1種又は2
種以上である。
【0006】本発明に使用されるPES(b)は成形材
料用として一般に市販されているものでよいが、パウダ
ー状の物が好ましい。
【0007】本発明に使用されるアルデヒド類(c)と
しては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ト
リオキサン、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等か
ら選ばれた1種又は2種以上である。本発明において使
用される酸触媒としては塩酸、硫酸、安息香酸、サリチ
ル酸、パラトルエンスルホン酸、蓚酸、燐酸から選ばれ
た1種又は2種以上である。
【0008】次に配合処方について説明する。PES変
性又は含有ノボラック型フェノール樹脂組成物(以下、
ノボラック型フェノール樹脂をノボラック樹脂と略す)
の製造において、使用されるPESはフェノール類10
0重量部に対し5〜30重量部、好ましくは10〜25
重量部の割合である。5重量部を下回る場合にはPES
を配合する効果が小さく、30重量部を上回る場合には
耐水性が低下し、成形材料とした場合硬化性が低下し強
度も低下する傾向がある。
【0009】使用されるアルデヒド類は、通常フェノー
ル類1モルに対し0.5〜1.0モル、好ましくは0.
6〜0.9モルの範囲である。0.5モルを下回る場合
には生成したノボラック樹脂の分子量が小さく、機械的
強度が十分でない傾向にある。1.0モルを上回ると、
生成した変性樹脂組成物の融点が高く、成形材料化の時
あるいは成形品の成形時の流動性等に問題が生じるよう
になる。酸触媒の使用量は通常フェノール類100重量
部に対し、0.1〜10.0重量部、好ましくは0.2
〜5.0重量部の範囲である。
【0010】一般的な反応方法は、先ずPESをフェノ
ール類に添加し、100〜120℃程度の温度で混合溶
解した後、酸触媒下で通常のノボラック型フェノール樹
脂と同様にアルデヒド類との反応を行う。例えば60℃
〜250℃で2〜10時間縮合反応を行い、その後常圧
又は減圧下で加熱脱水し、固形の変性ノボラック樹脂を
得る。
【0011】この様にして得られたフェノール樹脂組成
物を用いて成形材料を製造する場合、成形材料全体に対
してこのフェノール樹脂組成物を30〜60重量%、好
ましくは40〜50重量%含有し、かつ補強材としてガ
ラス繊維を40〜70重量%、好ましくは45〜60重
量%配合し、その他、硬化剤、硬化促進剤、離型剤、顔
料等を配合した後、ロール、ニーダー、二軸押出機等の
混練機で加熱混練し、粉砕機で粉砕することによって得
られる。
【0012】
【作用】通常のノボラック樹脂にPESを溶解させても
耐摩耗性のよい樹脂組成物が得られる。しかしながら、
この樹脂組成物を成形材料化した場合には、ノボラック
樹脂のみを用いた成形材料に比べ、強度が低下する傾向
が見られる。本発明のように、フェノール類にPESを
溶解させた後アルデヒド類と反応させた場合は、得られ
た樹脂組成物中にPESが微粒子として均一に分散して
いる。これによりノボラック樹脂自体の優れた性質を保
持すると共にPESの特長である強度及び耐摩耗性をも
かねそなえた樹脂組成物が得られる。従って、成形材料
とした場合、ノボラック樹脂のみを用いた成形材料に比
べ、強度及び耐摩耗性が向上する。
【0013】
【実施例】以下、本発明について実施例及び比較例によ
り説明する。「部」は「重量部」を示す。 《実施例1》撹拌機、熱交換機、温度計の付いた反応装
置にフェノール100部、PES20部を110℃で3
0分間混合溶解させ、均一透明溶液にした後、37%ホ
ルマリン65部(フェノール1モルに対し0.75モ
ル)、及び触媒として蓚酸2部を仕込み、常圧で120
分還流反応を行った後、液温が150℃になるまで常圧
で脱水反応を行い、その後真空度60Torrで加熱脱水縮
合を行って液温が210℃になるまで加熱しPES変性
ノボラック樹脂組成物を得た。
【0014】《実施例2》撹拌機、熱交換機、温度計の
付いた反応装置にフェノール100部、PES30部を
110℃で30分間混合溶解させ、均一透明溶液にした
後、37%ホルマリン65部(フェノール1モルに対し
0.75モル)、及び触媒として蓚酸2部を仕込み、常
圧で120分還流反応を行った後、液温が150℃にな
るまで常圧で脱水反応を行い、その後真空度60Torrで
加熱脱水縮合を行って液温が210℃になるまで加熱し
PES変性ノボラック樹脂組成物を得た。
【0015】《比較例1》撹拌機、熱交換機、温度計の
付いた反応装置にフェノール100部、37%ホルマリ
ン65部(フェノール1モルに対し0.75モル)、及
び触媒として蓚酸2部を仕込み、常圧で90分還流反応
を行った後、液温が155℃になるまで常圧で脱水反応
を行い、その後真空度60Torrで加熱脱水縮合を行って
液温が210℃になるまで加熱しノボラック樹脂(数平
均分子量800)を得た。
【0016】《比較例2》撹拌機、熱交換機、温度計の
付いた反応装置にフェノール100部、PES50部を
110℃で30分間混合溶解させ、均一透明溶液にした
後、37%ホルマリン65部(フェノール1モルに対し
0.75モル)、及び触媒として蓚酸2部を仕込み、常
圧で120分還流反応を行った後、液温が150℃にな
るまで常圧で脱水反応を行い、その後真空度60Torrで
加熱脱水縮合を行って液温が210℃になるまで加熱し
PES変性ノボラック樹脂組成物を得た。
【0017】《比較例3》撹拌機、熱交換機、温度計の
付いた反応装置にてノボラック樹脂100部を160℃
まで加熱し溶解させ、PES20部を徐々に添加し常圧
脱水を行いながら230℃まで加熱溶解させた。230
℃にて完全にPESが溶解した状態で15分間保持し、
PES変性ノボラック樹脂組成物を得た。
【0018】次にこれらのノボラック樹脂組成物又はノ
ボラック樹脂を下記の配合により成形材料とした。成形
材料は2本ロールを用いて加熱混練を行い、冷却後粉砕
することにより得られた。 実施例又は比較例で得たノボラック樹脂組成物 又はノボラック樹脂 40部 ガラス繊維 50部 硬化剤(ヘキサメチレンテトラミン) 8部 滑剤 1部 顔料 1部 シラン系カップリング剤 0.5部
【0019】得られた成形材料については、175℃の
金型を用いてトランスファー成形によりテストピースを
作製し、得られた成形品の性能を測定した。その結果を
表1に示す。なおテストピースの評価はJIS K 69
11に準じて行った。摩耗量は、鈴木式摩耗試験法(測
定条件:荷重10kgf、周速100mm/秒、試験時
間1時間)により成形品と相手材としてアルミニウムの
摩耗量を測定した。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果から明らかなように、実施例1
及び2で得られた成形材料は、比較例1(PESを配合
しない)の樹脂から得られた成形材料に比べ特に成形品
の曲げ強さが強く、衝撃強さも若干の向上が見られる。
比較例2(PESの配合量が多い)の樹脂組成物から得
られた成形材料は実施例1及び2で得られた成形材料と
ほぼ同等の摩耗特性であるが、機械的強度は大きく低下
している。比較例3(ノボラック樹脂とPESとを溶融
混合)の樹脂組成物から得られた成形材料は実施例1及
び2で得られた成形材料とほぼ同等の摩耗特性である
が、機械的強度は実施例1及び2はもちろんのこと比較
例1よりも低下している。これらのことから、実施例の
樹脂組成物は高強度かつ耐摩耗性材料であることがわか
る。
【0022】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の樹脂組成物はノボラック樹脂単独のものと同等以
上の機械的強度を有しており、この樹脂組成物を用いた
成形材料は高強度を有し耐摩耗性に優れていることか
ら、機械的強度が必要とされると共に摺動の生じる機構
部品に特に有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類100重量部に対しポリエ
    ーテルスルホン樹脂を5〜30重量部の割合で溶解混合
    した系とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で反応させ
    て得られることを特徴とするポリエーテルスルホン変性
    又は含有ノボラック型フェノール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物を樹脂成分と
    し、成形材料全体に対して、補強材としてガラス繊維を
    40〜70重量%含有することを特徴とするフェノール
    樹脂成形材料。
JP30214294A 1994-12-06 1994-12-06 フェノール樹脂組成物及び成形材料 Pending JPH08157692A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012131889A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Sumitomo Bakelite Co Ltd 摩擦材用フェノール樹脂組成物、変性フェノール樹脂の製造方法及び摩擦材
JP2012251131A (ja) * 2012-03-05 2012-12-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd 成形材料

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