JP5336032B2 - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

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本発明は、主として自動車部品をはじめとする各種金属製部品の代替化に好適なフェノール樹脂成形材料に関するものである。
フェノール樹脂成形材料は、耐熱性、寸法精度、耐摩耗性、機械的強度及びコストのバランスに優れた材料として、各分野において幅広く用いられている。しかしながら、特に近年の自動車産業においては、高温雰囲気で使用されるトランスミッション部品やエンジン付近の部品等のプラスチックへの代替化への要求がますます厳しくなっており、従来のフェノール樹脂成形材料ではその性能が限界のところまできているのが実状である。今後更に金属代替を進めるためには、従来のガラス繊維強化フェノール樹脂成形材料にない高強度、特にフェノール樹脂成形材料の欠点である衝撃強さ(動的強度)を有することが求められている。
たとえば、ガラス繊維にシランカップリング剤、フェノール樹脂を処理して、ガラス繊維とフェノール樹脂の密着性を向上させることで機械的強度を向上させたフェノール樹脂成形材料が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この成形材料では、ガラス繊維の処理時間、そのための装置が必要となるため、工程が多く、経済的に不利であることが予想され実用的ではなく、また一般的に収束剤を使用しているため、束状の繊維内部まで処理することはできず、強度(静的及び動的強度)のバラツキが予想される。
また、ポリエチレンオキサイド、ポリオキシメチレンを用いることで機械的強度を向上させたフェノール樹脂成形材料が提案されている(特許文献2,3)。しかしながら、この成形材料では、曲げ強度で200MPaのレベルであり、飛躍的に優れた機械的強度は得られていない。
特開2001−270974号公報 特開2002−275345号公報 特開2002−275344号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みなされたものであり、耐熱性、寸法安定性、特に常温及び熱時における機械的強度(静的及び動的強度)に優れたフェノール樹脂成形材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を克服するために鋭意研究した結果、特定のノボラック型フェノール樹脂と、無機繊維状充填材とを、特定の割合で配合することによって、目的とする成形材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のフェノール樹脂成形材料は、ゲル濾過クロマトグラフの面積法による測定でフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの合計含有量が10%以下、ゲル濾過クロマトグラフ測定による数平均分子量(Mn)が400〜800、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.1〜2.0、かつメチレン基のオルソ/パラ結合比が0.9以下であるノボラック型フェノール樹脂100質量部に対し、無機繊維状充填材200〜330質量部を配合してなることを特徴とする。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、耐熱性、寸法安定性、特に常温及び熱時における曲げ強度等の静的機械的強度及びシャルピー衝撃強度等の動的機械的強度に優れている。したがって、この成形材料から得られる成形部品は、機械的強度、耐熱性及び寸法精度の要求される自動車部品をはじめとする各種金属製部品の代替化に好適に使用される。
本発明において用いられるノボラック型フェノール樹脂は、ゲル濾過クロマトグラフの面積法による測定でフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの合計含有量が10%以下、好ましくは5%以下である。
また、本発明で用いられるノボラック型フェノール樹脂は、ゲル濾過クロマトグラフ測定による数平均分子量(Mn)が400〜800、好ましくは500〜700、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.1〜2.0、好ましくは1.1〜1.5である。
また、本発明において用いられるノボラック型フェノール樹脂は、メチレン基のオルソ/パラ結合比が0.9以下であることが好ましく、0.86以下であることがより好ましい。ここで、オルソ/パラ結合比とは、メチレン基のフェノール水酸基に対する結合位置を示す、オルソ結合メチレン基数とパラ結合メチレン基数との比(オルソ結合/パラ結合)であり、13C−NMRにより測定された値である。オルソ/パラ結合比が0.9以下であれば、常温及び熱時における機械的強度、特に動的強度を改善することができる。なお、13C−NMRの測定では、高磁場側からオルソ−オルソ結合、オルソ−パラ結合、パラ−パラ結合となる。
本発明で用いられるノボラック型フェノール樹脂は、特に限定はされないが、例えば、フェノール類と、フェノール類1モルに対して0.80モル以上1.00モル以下のアルデヒド類とを、フェノール類100質量部に対して5質量部以上のリン酸類及び/又は有機ホスホン酸の存在下で不均一系反応させる工程を有する製造方法により製造することができる。
具体的には、原料としてフェノール類及びアルデヒド類、酸触媒としてリン酸類及び/又は有機ホスホン酸を必須とし、これらから形成される二相分離状態を機械的攪拌、超音波等によりかき混ぜ混合して、二相(有機相と水相)が交じり合った白濁状の不均一反応系において、フェノール類とアルデヒド類との反応を進めて縮合物(樹脂)を合成する。次に、例えば非水溶性有機溶剤(例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)を添加混合して該縮合物を溶解し、かき混ぜ混合を止めて静置し、有機相(有機溶剤相)と水相(リン酸及び/又は有機ホスホン酸水溶液相)とに分離させる。その後水相を除去して回収を図る一方、有機相については湯水洗及び/又は中和した後、有機溶剤を蒸留回収することによって製造することができる。
原料として用いるフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール等が挙げられる。一方、アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。これらの原料は、いずれも例示に限定はされず、またそれぞれ、単独で又は2種以上を併用してもよい。
アルデヒド類(F)とフェノール類(P)の配合比(F/P)がモル基準で0.80以上1.00以下の範囲であれば、本発明で用いられるノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造することができる。
また、反応触媒として用いられるリン酸類、有機ホスホン酸及びこれらの混合物は、フェノール類とアルデヒド類との相分離反応(不均一系反応)の場を形成する重要な役割を果すものであるが、メチレン基のオルソ/パラ結合比が0.9以下であるノボラック型フェノール樹脂を得るためにはリン酸類が好ましい。
リン酸類の例としては、例えばメタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四リン酸等のポリリン酸、無水リン酸及びこれらの混合物などが挙げられるが、低コストで入手し易いオルトリン酸水溶液、例えば75質量%リン酸、89質量%リン酸等が一般的に用いられる。
また、有機ホスホン酸は、ホスホン酸基を含む有機化合物であり、好ましい具体例としては、例えば、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸、β−アミノエチルホスホン酸N,N−ジ酢酸、アミノメチルホスホン酸N,N−ジ酢酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、入手し易い1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸が好ましい。
リン酸類及び/又は有機ホスホン酸の配合量は、相分離効果の制御に大きく影響を与えるが、一般的にはフェノール類100質量部に対して5質量部以上、好ましくは25質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。配合量が5質量部未満では、低分子量成分が低減されずに高分子量成分の生成が促進されるため、分子量分布幅が広くなる傾向がある。なお、70質量部以上のリン酸及び/又は有機ホスホン酸を使用する場合には、反応系への分割投入により、反応初期の発熱を抑えて安全性を確保することが望ましい。
相分離反応の促進という観点から、反応補助溶媒としての非反応性含酸素有機溶媒を用いることが好ましい。反応補助溶媒としては、アルコール類、多価アルコール系エーテル、環状エーテル類、多価アルコール系エステル、ケトン類、スルホキシド類からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の一価アルコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコールが挙げられる。
多価アルコール系エーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類が挙げられる。
環状エーテル類としては、例えば、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等が挙げられ、多価アルコール系エステルとしては、例えば、エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル類等が挙げられ、ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、スルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの中でも、メタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、1,4−ジオキサンなどが特に好ましい。
反応補助溶媒は、上記の例示に限定されず、上記の特質を有し、かつ反応時に液体を呈するものであれば固体でも使用することができるし、またそれぞれを単独で又は2種以上を併用してもよい。反応補助溶媒の配合量としては特に限定はされないが、フェノール類100質量部に対して5質量部以上、好ましくは10〜200質量部である。
また、反応系中の水の量は、相分離効果、生産効率に影響を与えるが、一般的には質量基準で40%以下である。水の量が40%を超えると生産効率が低下する可能性がある。
また、フェノール類とアルデヒド類との反応温度は、相分離効果を高める上で重要であり、一般的には40℃〜還流温度、好ましくは80℃〜還流温度、より好ましくは還流温度である。反応温度が40℃未満であると反応時間が極めて長くなる上、低分子量成分の低減化ができない。なお、反応時間としては、反応温度、リン酸及び/又は有機ホスホン酸の配合量、反応系中の含水量などにより異なるが、一般的には1〜10時間程度である。また、反応環境としては、常圧が好適であるが、本発明の特徴である不均一反応を維持するならば、加圧下又は減圧下で反応を行なってもよい。
本発明で用いられる無機繊維状充填材は特に限定されるものではなく、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素、金属繊維などを使用できるが、常温及び熱時における機械的強度が期待できるガラス繊維、炭素繊維が好適である。無機繊維状充填材の形状は特に限定されないが、繊維径5〜10μm、繊維長1〜6mmであるものが好ましい。
無機繊維状充填材の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して200〜330質量部、好ましくは230〜300質量部である。無機繊維状充填材が200質量部以上であれば機械的強度、寸法安定性に優れ、330質量部以下であれば射出成形性に優れる。
本発明のフェノール樹脂成形材料には、所望により従来フェノール樹脂成形材料において慣用されている各種添加剤、例えば、ヘキサメチレンテトラミンなどの硬化剤、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛などの離型剤、酸化マグネシウムなどの硬化促進剤、カップリング剤、溶剤等を配合することができる。
本発明のフェノール樹脂成形材料の製造方法は特に限定はされないが、加圧ニーダー、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、ミキシングロール等で加熱混練した混練物をパワーミル等を用いて粉砕して製造される。また、こうして得られた成形材料は射出成形、トランスファー成形及び圧縮成形等のいずれにも適用することができる。
本発明の成形材料が、耐熱性、寸法安定性、特に常温及び熱時における機械的強度に優れている理由としては、フェノールモノマー及びダイマー成分が少なく分散比の小さいノボラック型フェノール樹脂を用いることによって混練時の成形材料の溶融粘度を下げることができ、このことで従来に比べて成形材料における樹脂成分の割合を低減しかつ無機繊維状充填材の割合を相対的に増やすことが可能になり、フェノール樹脂の溶融粘度が低いことから、無機繊維状充填材の割合が高くても樹脂との密着性が良好であることによるものと思われる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例に記載の「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
[ノボラック型フェノール樹脂(1)の製造]
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノール(P)を193部、92%パラホルム(F)を57部(F/P=0.85)、89%リン酸を116部(60%/P)、エチレングリコール96.5部(50%/P)を仕込んだ後、攪拌混合により形成される白濁状態(二相混合物)のもとで、徐々に還流温度まで昇温し、さらに同温度で10時間縮合反応を行なってから反応を停止した。次いで、攪拌混合しながらメチルイソブチルケトンを添加して縮合物を溶解した後、攪拌混合を停止して内容物を分液フラスコ内に移して静置し、メチルイソブチルケトン溶液層(上層)とリン酸水溶液層(下層)に分離させた。次いで、リン酸水溶液層を除去し、メチルイソブチルケトン溶液を数回水洗してリン酸を除いた後、再び内容物を反応容器内に戻し、減圧蒸留によりメチルイソブチルケトンを完全に除去してノボラック型フェノール樹脂(1)213.5部を得た。
[ノボラック型フェノール樹脂(2)の製造]
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノールを193g、37質量%ホルマリンを142g(F/P=0.85)、蓚酸を0.97g(0.5%/P)を仕込んだ後、徐々に還流温度(98〜102℃)まで昇温して同温度で6時間縮合反応を行い、減圧濃縮してノボラック型フェノール樹脂(2)199g(収率103%/P)を得た。
[ノボラック型フェノール樹脂(3)の製造]
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノール193部、1−ヒドロキシエタン−1,1‘−ジホスホン酸1水和物(95%以上、キシダ化学(株)製)116部を添加し、内温を120℃まで昇温した後、92%パラホルムアルデヒド53.5部(F/P=0.80)を30分かけて逐次添加した後、2時間還流反応を行った。
その後、水97部を加え、内温100〜103℃で30分攪拌した後、内温を60℃まで冷却し、30分放置した。静置後、反応容器底部から1−ヒドロキシエタン−1,1‘−ジホスホン酸水溶液を分離除去した。分離終了後、水193部を追加し、残留する触媒を洗浄した。30分放置後、反応容器上部より先浄水を除去した。再度、脱水配管へ切り替え、内温130℃まで常圧脱水を行い、続けて内温150℃まで5000Paで減圧脱水を行い、系中の水分を除去して、ノボラック型フェノール樹脂189部(収率98%/P)を得た。
[ノボラック型フェノール樹脂の特性]
得られたノボラック型フェノール樹脂の特性を下記の試験法により測定した。結果を表1に示す。なお、表1中の「N.D.」は、検出されなかったことを意味する。
(I)分散比
東ソー株式会社製ゲル濾過クロマトグラフSC−8020シリーズビルドアップシステム(カラム:G2000Hxl+G4000Hxl、検出器:UV254nm、キャリヤー:テトラヒドロフラン1ml/min、カラム温度:38℃)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めて分散比(Mw/Mn)を算出した。
(II)フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量(%)
分子量分布の全面積に対するフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの面積を百分率で表示する面積法によって測定した。
(III)オルソ/パラ結合比
核磁気共鳴装置(バリアン社製:INOVA 400)を用い、13C−NMR(100MHz、溶媒:重メタノール−d4)を測定し、次式により算出した。
オルソ/パラ結合比=(a+1/2×b)/(c+1/2×b)
a:オルソ−オルソ結合メチレン吸収帯(30.4〜32.4ppm)の積分値
b:オルソ−パラ結合メチレン吸収帯(35.2〜36.8ppm)の積分値
c:パラ−パラ結合メチレン吸収帯(40.4〜42.0ppm)の積分値
Figure 0005336032
<実施例1>
表2に示す様に、ノボラック型フェノール樹脂(1)100部、無機充填材として、ガラス繊維(日東紡績(株)製、基準繊維径:6μm、平均繊維長:3mm)300部、ヘキサメチレンテトラミン20部、離型剤その他11部を配合し均一混合した。その後、熱ロールにて均一に加熱混練してシート状にし、冷却後パワーミルで粉砕しグラニュール状の成形材料を得た。
得られた成形材料を以下の条件で射出成形し、JIS曲げ試験片(80×10×4mm)を得た。
シリンダー温度:前95℃、後部40℃
金型温度:175℃
硬化時間:60秒
得られた試験片について、180℃×8時間のアフターキュアを行い、曲げ強度、シャルピー衝撃強さ、収縮率について評価し、さらに200℃×1000時間の長期耐熱性試験を行った。その結果を表2に示す。なお各種特性評価については、下記に基づいて実施した。
(1)ロール作業性
材料製造において、良好な作業性には○。ロールより材料が剥がれ落ちるなど、作業性に問題があるものには×とする。
(2)曲げ強度
JISK7203規格に準じて測定。
(3)シャルピー衝撃強さ
JISK6911規格に準じて測定。
(4)無機繊維状充填材と樹脂との密着性
曲げ強度試験後の破断面を電子顕微鏡にて撮影し、図1の様に無機繊維状充填材表面に樹脂が覆われているものを○、図2の様に無機繊維状充填材がそのまま露出しているものを×とする。
(5)収縮率
JISK6911規格に準じて測定。
(6)曲げ強度保持率
200℃×1000時間処理後の曲げ強度の初期値に対する保持率。
(7)シャルピー衝撃強さ保持率
200℃×1000時間処理後のシャルピー衝撃強さの初期値に対する保持率。
<実施例2〜3、比較例1〜3(実施例3は参考例)
配合割合を表2に示すように変えた以外は実施例1と同様にして実施し、成形材料を製造し、評価した。結果を表2に示す。尚、比較例2については、ロール作業性が悪く、樹脂との密着性も悪く、十分な強度が得られなかった。
Figure 0005336032
表2から明らかなように、実施例で得られたフェノール樹脂成形材料は、機械的強度(静的及び動的強度)に優れ、かつ低収縮率、耐熱性のバランスのとれた特性を示した。
曲げ強度試験後の試験片の破断面の電子顕微鏡写真である。 曲げ強度試験後の試験片の破断面の電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

  1. ゲル濾過クロマトグラフの面積法による測定でフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの合計含有量が10%以下、ゲル濾過クロマトグラフ測定による数平均分子量(Mn)が400〜800、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.1〜2.0、かつメチレン基のオルソ/パラ結合比が0.9以下であるノボラック型フェノール樹脂100質量部に対し、無機繊維状充填材200〜330質量部を配合してなることを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
  2. 前記無機繊維状充填材が、繊維径5〜10μm、繊維長1〜6mmのガラス繊維または炭素繊維であることを特徴とする請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
  3. 前記ノボラック型フェノール樹脂が、フェノール類と、フェノール類1モルに対して0.80モル以上1.00モル以下のアルデヒド類とを、フェノール類100質量部に対して5質量部以上のリン酸類の存在下で不均一系反応させて得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のフェノール樹脂成形材料。
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