JP2004339256A - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フェノール類モノマーやフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】フェノール類とアルデヒド類とを、リン酸類と他の酸からなる酸触媒の存在下で不均一系反応させる工程を有するノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】フェノール類とアルデヒド類とを、リン酸類と他の酸からなる酸触媒の存在下で不均一系反応させる工程を有するノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関するものであり、特にフェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造できる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ノボラック型フェノール樹脂は、一般に酸性触媒の存在下、フェノール類とアルデヒド類との均一系反応から乳化現象を起点とした不均一系反応に転じた後、さらに反応を進めて所望の縮合度を有する初期縮合物の生成を確認して縮合反応を終了し、次いで減圧濃縮による該初期縮合物中の低分子量成分の低減化及び脱水が行われることによって製造されている。そして、ノボラック型フェノール樹脂は、比較的良好な電気特性を有し、しかも耐熱性、難燃性にも優れていることから、例えば優れた電気特性が要求される電気・電子材料や半導体封止材等に用いられるエポキシ樹脂の製造用ベースレジンもしくはエポキシ樹脂用硬化剤をはじめとして、積層板、成形材料、鋳型材料等のバインダーなど広く利用されている。
【0003】
しかし、従来のノボラック型フェノール樹脂を電気・電子材料や半導体封止材等に用いた場合には、樹脂中にフェノール類モノマーやフェノール類ダイマーを多く含有するため、臭気を伴うフェノール類モノマーの気散による環境汚染等のフェノール類モノマーに起因する諸問題、フォトレジストとして使用する場合に、フェノール類ダイマーが、ベーク時に昇華して装置側面や天井に析出し、液晶用ガラスのような基板上へ落下することによる生産効率の低下、耐熱性等に影響を及ぼす樹脂硬化物の架橋密度の低下等のフェノール類ダイマーに起因する諸問題があった。また、分子量分布幅が広いため、溶融樹脂の粘度が高く、成形性に劣るという問題もあった。
【0004】
このような、フェノール樹脂中のフェノール類モノマーやフェノール類ダイマーの低減化方法として、例えば縮合反応終了後のノボラック系縮合物を150℃〜210℃で濃縮する際に、不活性ガスや水蒸気を吹き込んで低分子量成分を除去する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法によれば、フェノール類モノマーやフェノール類ダイマーの低減効果は確かではあるが、これらを除去することによって樹脂の収率が低下するという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−91352号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであって、フェノール類モノマーやフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造できる製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を克服するために鋭意研究した結果、リン酸類及び特定の有機酸、さらに好ましくは特定の有機溶媒を含む相分離状態下、即ち不均一系でフェノール類とアルデヒド類とを縮合反応させることにより、フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造できることを見出し、この知見をもとにしてさらに研究を重ね本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、フェノール類とアルデヒド類とを、リン酸類と他の酸からなる酸触媒、及び好ましくは反応補助溶媒として非反応性の含酸素有機溶媒と、の存在下で不均一系反応させる工程を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、原料としてフェノール類及びアルデヒド類、酸触媒としてリン酸及び他の酸を必須とし、さらに好ましくは反応補助溶媒として非反応性含酸素有機溶媒を併用し、これらから形成される二相分離状態を、機械的攪拌、超音波等によりかき混ぜ混合した二相が交じり合った白濁状の不均一反応系において、フェノール類とアルデヒド類との反応を進めて縮合物を合成する工程を有する。
【0010】
次に、例えばメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等の非水溶性有機溶媒を添加混合して該縮合物を溶解した後、静置して有機層と水層の二層に分離させる。その後、水層を除去して酸触媒、そして反応補助溶媒の回収を図る一方、有機層については湯水洗により酸触媒を除去した後、減圧蒸留により非水溶性有機溶媒を回収してノボラック型フェノール樹脂を製造する。
【0011】
原料として用いられるフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール等が挙げられる。
【0012】
一方、アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどが挙げられる。中でも分散度の観点から、特にパラホルムアルデヒドが好ましく用いられる。
【0013】
これらの反応原料はいずれも例示に限定はされず、また、それぞれ、単独で又は2種以上を併用しても良い。
【0014】
フェノール類(P)とアルデヒド類(F)との配合モル比(F/P)は、好ましくは0.33〜1.00、より好ましくは0.35〜0.90である。配合比が0.33未満では収率向上の効果が弱まる可能性があり、1.00を超えると分子量分布幅が広くなる可能性がある。
【0015】
酸触媒はリン酸類と他の酸からなり、フェノール類とアルデヒド類との相分離反応(不均一系反応)の場を形成する重要な役割を果たすものである。
【0016】
リン酸類の例としては、例えばメタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四リン酸等のポリリン酸、無水リン酸及びこれらの混合物などが挙げられるが、低コストで入手しやすいオルトリン酸水溶液、例えば75質量%リン酸、89質量%リン酸等が一般に挙げられる。
【0017】
他の酸は、リン酸類以外の酸であり、例えば塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、カルボン酸、有機ホスホン酸等が挙げられるが、相分離反応の促進という観点から、カルボン酸、有機ホスホン酸が好ましい。
【0018】
カルボン酸としては、特に限定されないが、水酸基、メルカプト基またはアミンを有するものが好ましく、水酸基を有するカルボン酸としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられ、メルカプト基を有するカルボン酸としては、例えばメルカプト酢酸などが挙げられ、アミンを有するカルボン酸としては、例えば1級アミンを含むアスパラギン酸、グルタミン酸、2級アミンを含むイミノジ酢酸、3級アミンを含むニトリルトリ酢酸、N−ヒドロキシルエチルイミノジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、N,N’−エチレンジアミンジ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、トリメチレンジアミンテトラ酢酸、エチレングリコールジエチルエーテルジアミンテトラプロピオン酸、エチレンジアミンジプロピオン酸ジ酢酸などが挙げられ、特に好ましくは、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、メルカプト酢酸である。
【0019】
有機ホスホン酸としては、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、β−アミノエチルホスホン酸N,N−ジ酢酸、アミノメチルホスホン酸N,N−ジ酢酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などが挙げられる。
【0020】
酸触媒の配合量は特に限定はされないが、その合計量が、フェノール類100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では相分離反応(不均一系反応)の場を形成しにくくなり、フェノール類モノマーが減少せず収率が低下する可能性がある。また、その上限量は特に限定されるものではないが、反応容積効率、安全性などを勘案すると、好ましくは100質量部である。なお、酸触媒の量が70質量部以上となる場合には、反応系への分割投入により、反応初期の発熱を抑えて安全性を確保することが望ましい。
【0021】
またリン酸類と他の酸の配合比率は特に限定はされないが、モル比でリン酸類/他の酸=10/90〜90/10の範囲が好ましい。
【0022】
相分離反応の促進という観点から、反応補助溶媒としての非反応性含酸素有機溶媒を用いることが好ましい。反応補助溶媒としては、アルコール類、多価アルコール系エーテル、環状エーテル類、多価アルコール系エステル、ケトン類、スルホキシド類からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0023】
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の一価アルコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコールが挙げられる。
【0024】
多価アルコール系エーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類が挙げられる。
【0025】
環状エーテル類としては、例えば、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等が挙げられ、多価アルコール系エステルとしては、例えば、エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル類等が挙げられ、ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、スルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。
【0026】
これらの中でも、メタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、1,4−ジオキサンなどが特に好ましい。
【0027】
反応補助溶媒は、上記の例示に限定されず、上記の特質を有し、かつ反応時に液体を呈するものであれば固体でも使用することができるし、またそれぞれを単独で又は2種以上を併用してもよい。反応補助溶媒の配合量としては特に限定はされないが、フェノール類100質量部に対して5質量部以上、好ましくは10〜200質量部である。
【0028】
反応系中の水の量は、相分離効果、生産効率に影響を与えるが、一般的には質量基準で40%以下である。水の量が40%を超えると生産効率が低下する可能性がある。
【0029】
また、フェノール類とアルデヒド類との反応温度は、相分離効果を高める上で重要であり、一般的には40℃〜還流温度、好ましくは80℃〜還流温度、より好ましくは還流温度である。また、反応時間は、例えば反応温度、原料配合比、酸触媒配合量等により異なるが、一般的には1〜30時間程度である。また、反応環境としては常圧が好適であるが、本発明の特徴である不均一系反応を維持するならば、加圧下または減圧下で反応を行ってもよい。
【0030】
本発明の製造方法を用いると、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)との配合モル比(F/P)の範囲によって、以下のようなノボラック型フェノール樹脂が得られる。
【0031】
配合モル比が0.80以上1.00以下の範囲では、GPCの面積法による測定でフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの合計含有量が15%以下、好ましくは10%以下であり、かつGPC測定による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.1〜3.0、好ましくは1.5〜2.5のノボラック型フェノール樹脂が得られる。この樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500〜4500、より好ましくは900〜3500である。
【0032】
また、配合モル比が0.33以上0.80未満の範囲では、GPCの面積法による測定でフェノール類モノマー含有量が3%以下、好ましくは1%以下であり、かつフェノール類ダイマーの含有量が10%〜95%、好ましくは20%〜90%のノボラック型フェノール樹脂が得られる。この樹脂は、GPC測定による重量平均分子量(Mw)が200〜1200、好ましくは300〜1000、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.8以下、好ましくは1.05〜1.7である。
【0033】
[作用]
本発明方法によって、フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂が得られる理由は、必ずしも明確ではないが次のように推察される。
【0034】
相A(フェノール類が主成分)と相B(酸触媒、アルデヒド類及び反応補助溶媒が主成分)とが交じり合っている白濁状態の不均一反応系において、相Aから相Bに移動した低分子量成分は、多量の酸触媒の触媒作用のもとアルデヒド類と速やかに反応するとともに、相B中に溶解できない程度に成長した縮合物は、アルデヒド類や酸触媒が少ない相Aに移動し、さらなる縮合物の成長が抑制ないしは停止されるため高分子量化が抑制される。このように本発明方法は、水相内でのフェノール類の樹脂化と有機相内での樹脂の高分子量化が抑制される機構の二液相界面反応を利用しているため、フェノール類モノマーやフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂が製造される上、大幅な収率の向上が発現されるものと思われる。
【0035】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例に記載の「部」及び「%」は、すべて質量部及び質量%を示す。
【0036】
また得られたノボラック樹脂の特性については下記の試験法により測定した。
【0037】
(1)分散比
東ソー株式会社製ゲル濾過クロマトグラフ8020シリーズビルドアップシステム(カラム:G2000HXL+G4000HXL、検出器UV:254nm、キャリヤー:テトラヒドロフラン1ml/min、カラム温度:38℃)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めて分散比(Mw/Mn)を算出した。
【0038】
(2)フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量(%)
GPC測定で得られた分子量分布の全面積に対するフェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの面積を百分率で表示する面積法によって測定した。
【0039】
(3)軟化点(℃)
JIS−K6910に記載された環球法に準拠し、株式会社メイテック製環球式自動軟化点測定装置ASP−MGK2を使用して測定した。
【0040】
(4)溶融粘度
コーンプレート溶融粘度計(東亜工業株式会社製CONE PLATE VISCOMETER MODEL CV−1)により測定した。
【0041】
<実施例1>
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノール(P)を141部、92%パラホルム(F)を41.6部(F/P=0.85)、89%リン酸を16.9部(11%/P)、メルカプト酢酸を7.05部(5%/P)仕込んだ後、攪拌混合により形成される白濁状態(2相混合物)のもとで、徐々に還流温度まで昇温し、さらに同温度で8時間縮合反応を行なってから反応を停止した。
【0042】
次いで、攪拌混合しながらメチルイソブチルケトンを添加して縮合物を溶解した後、攪拌混合を停止して内容物を分液フラスコ内に移して静置し、メチルイソブチルケトン溶液層(上層)とリン酸水溶液層(下層)に分離させた。次いで、リン酸水溶液層を除去し、メチルイソブチルケトン溶液を数回水洗してリン酸を除いた後、再び内容物を反応容器内に戻し、減圧蒸留によりメチルイソブチルケトンを完全に除去してノボラック型フェノール樹脂150.8部を得た。
【0043】
得られた樹脂については、冒頭記載の試験法により、各特性を測定した。それらの結果を表1に示す。なお、表1中の「N.D.」は、検出されなかったことを意味する。
【0044】
<実施例2〜6>
反応条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてノボラック型フェノール樹脂を得、同様の測定を行った。これらの結果を表1に示す。尚、有機ホスホン酸としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸((株)ライオン社製、商品名「フェリオックス115」)を使用した。
【0045】
<比較例1>
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノール(P)を141部、92%ホルマリン(F)を41.6部(F/P=0.85)、蓚酸を0.71部(0.5%/P)仕込んだ後、徐々に還流温度(98〜102℃)まで昇温して同温度で6時間縮合反応を行い、減圧濃縮してノボラック型フェノール樹脂149gを得た。得られた樹脂については実施例1と同様の測定を行った。これらの結果を表1に示す。
【0046】
<比較例2〜3>
反応条件を表1に示すように変更した以外は、比較例1と同様にしてノボラック型フェノール樹脂を得、同様の測定を行った。これらの結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明においては、リン酸類と他の酸からなる酸触媒、及び好ましくは反応補助溶媒の存在下で相分離反応を行うことによって、従来の蓚酸を触媒として製造された通常のノボラック型フェノール樹脂製造方法と比較して、フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量が制御され、かつ分散度の狭いノボラック型フェノール樹脂を低コストで容易に製造することができ、生産効率の向上が図れる。
【0049】
また、本発明の製造方法で得られるノボラック型フェノール樹脂は、従来型樹脂よりもフェノール類モノマーは極めて少なくフェノール類ダイマーも大幅に低減されているため、エポキシ樹脂用ベースレジン、エポキシ樹脂用硬化剤をはじめとして、例えばIC用封止材、積層板、鋳型用材料、成形材料等の環境対応型バインダーとして有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関するものであり、特にフェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造できる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ノボラック型フェノール樹脂は、一般に酸性触媒の存在下、フェノール類とアルデヒド類との均一系反応から乳化現象を起点とした不均一系反応に転じた後、さらに反応を進めて所望の縮合度を有する初期縮合物の生成を確認して縮合反応を終了し、次いで減圧濃縮による該初期縮合物中の低分子量成分の低減化及び脱水が行われることによって製造されている。そして、ノボラック型フェノール樹脂は、比較的良好な電気特性を有し、しかも耐熱性、難燃性にも優れていることから、例えば優れた電気特性が要求される電気・電子材料や半導体封止材等に用いられるエポキシ樹脂の製造用ベースレジンもしくはエポキシ樹脂用硬化剤をはじめとして、積層板、成形材料、鋳型材料等のバインダーなど広く利用されている。
【0003】
しかし、従来のノボラック型フェノール樹脂を電気・電子材料や半導体封止材等に用いた場合には、樹脂中にフェノール類モノマーやフェノール類ダイマーを多く含有するため、臭気を伴うフェノール類モノマーの気散による環境汚染等のフェノール類モノマーに起因する諸問題、フォトレジストとして使用する場合に、フェノール類ダイマーが、ベーク時に昇華して装置側面や天井に析出し、液晶用ガラスのような基板上へ落下することによる生産効率の低下、耐熱性等に影響を及ぼす樹脂硬化物の架橋密度の低下等のフェノール類ダイマーに起因する諸問題があった。また、分子量分布幅が広いため、溶融樹脂の粘度が高く、成形性に劣るという問題もあった。
【0004】
このような、フェノール樹脂中のフェノール類モノマーやフェノール類ダイマーの低減化方法として、例えば縮合反応終了後のノボラック系縮合物を150℃〜210℃で濃縮する際に、不活性ガスや水蒸気を吹き込んで低分子量成分を除去する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法によれば、フェノール類モノマーやフェノール類ダイマーの低減効果は確かではあるが、これらを除去することによって樹脂の収率が低下するという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−91352号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであって、フェノール類モノマーやフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造できる製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を克服するために鋭意研究した結果、リン酸類及び特定の有機酸、さらに好ましくは特定の有機溶媒を含む相分離状態下、即ち不均一系でフェノール類とアルデヒド類とを縮合反応させることにより、フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂を高収率で製造できることを見出し、この知見をもとにしてさらに研究を重ね本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、フェノール類とアルデヒド類とを、リン酸類と他の酸からなる酸触媒、及び好ましくは反応補助溶媒として非反応性の含酸素有機溶媒と、の存在下で不均一系反応させる工程を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法は、原料としてフェノール類及びアルデヒド類、酸触媒としてリン酸及び他の酸を必須とし、さらに好ましくは反応補助溶媒として非反応性含酸素有機溶媒を併用し、これらから形成される二相分離状態を、機械的攪拌、超音波等によりかき混ぜ混合した二相が交じり合った白濁状の不均一反応系において、フェノール類とアルデヒド類との反応を進めて縮合物を合成する工程を有する。
【0010】
次に、例えばメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等の非水溶性有機溶媒を添加混合して該縮合物を溶解した後、静置して有機層と水層の二層に分離させる。その後、水層を除去して酸触媒、そして反応補助溶媒の回収を図る一方、有機層については湯水洗により酸触媒を除去した後、減圧蒸留により非水溶性有機溶媒を回収してノボラック型フェノール樹脂を製造する。
【0011】
原料として用いられるフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール等が挙げられる。
【0012】
一方、アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどが挙げられる。中でも分散度の観点から、特にパラホルムアルデヒドが好ましく用いられる。
【0013】
これらの反応原料はいずれも例示に限定はされず、また、それぞれ、単独で又は2種以上を併用しても良い。
【0014】
フェノール類(P)とアルデヒド類(F)との配合モル比(F/P)は、好ましくは0.33〜1.00、より好ましくは0.35〜0.90である。配合比が0.33未満では収率向上の効果が弱まる可能性があり、1.00を超えると分子量分布幅が広くなる可能性がある。
【0015】
酸触媒はリン酸類と他の酸からなり、フェノール類とアルデヒド類との相分離反応(不均一系反応)の場を形成する重要な役割を果たすものである。
【0016】
リン酸類の例としては、例えばメタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四リン酸等のポリリン酸、無水リン酸及びこれらの混合物などが挙げられるが、低コストで入手しやすいオルトリン酸水溶液、例えば75質量%リン酸、89質量%リン酸等が一般に挙げられる。
【0017】
他の酸は、リン酸類以外の酸であり、例えば塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、カルボン酸、有機ホスホン酸等が挙げられるが、相分離反応の促進という観点から、カルボン酸、有機ホスホン酸が好ましい。
【0018】
カルボン酸としては、特に限定されないが、水酸基、メルカプト基またはアミンを有するものが好ましく、水酸基を有するカルボン酸としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられ、メルカプト基を有するカルボン酸としては、例えばメルカプト酢酸などが挙げられ、アミンを有するカルボン酸としては、例えば1級アミンを含むアスパラギン酸、グルタミン酸、2級アミンを含むイミノジ酢酸、3級アミンを含むニトリルトリ酢酸、N−ヒドロキシルエチルイミノジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、N,N’−エチレンジアミンジ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、トリメチレンジアミンテトラ酢酸、エチレングリコールジエチルエーテルジアミンテトラプロピオン酸、エチレンジアミンジプロピオン酸ジ酢酸などが挙げられ、特に好ましくは、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、メルカプト酢酸である。
【0019】
有機ホスホン酸としては、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、β−アミノエチルホスホン酸N,N−ジ酢酸、アミノメチルホスホン酸N,N−ジ酢酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などが挙げられる。
【0020】
酸触媒の配合量は特に限定はされないが、その合計量が、フェノール類100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では相分離反応(不均一系反応)の場を形成しにくくなり、フェノール類モノマーが減少せず収率が低下する可能性がある。また、その上限量は特に限定されるものではないが、反応容積効率、安全性などを勘案すると、好ましくは100質量部である。なお、酸触媒の量が70質量部以上となる場合には、反応系への分割投入により、反応初期の発熱を抑えて安全性を確保することが望ましい。
【0021】
またリン酸類と他の酸の配合比率は特に限定はされないが、モル比でリン酸類/他の酸=10/90〜90/10の範囲が好ましい。
【0022】
相分離反応の促進という観点から、反応補助溶媒としての非反応性含酸素有機溶媒を用いることが好ましい。反応補助溶媒としては、アルコール類、多価アルコール系エーテル、環状エーテル類、多価アルコール系エステル、ケトン類、スルホキシド類からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0023】
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の一価アルコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコールが挙げられる。
【0024】
多価アルコール系エーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類が挙げられる。
【0025】
環状エーテル類としては、例えば、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン等が挙げられ、多価アルコール系エステルとしては、例えば、エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル類等が挙げられ、ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、スルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。
【0026】
これらの中でも、メタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、1,4−ジオキサンなどが特に好ましい。
【0027】
反応補助溶媒は、上記の例示に限定されず、上記の特質を有し、かつ反応時に液体を呈するものであれば固体でも使用することができるし、またそれぞれを単独で又は2種以上を併用してもよい。反応補助溶媒の配合量としては特に限定はされないが、フェノール類100質量部に対して5質量部以上、好ましくは10〜200質量部である。
【0028】
反応系中の水の量は、相分離効果、生産効率に影響を与えるが、一般的には質量基準で40%以下である。水の量が40%を超えると生産効率が低下する可能性がある。
【0029】
また、フェノール類とアルデヒド類との反応温度は、相分離効果を高める上で重要であり、一般的には40℃〜還流温度、好ましくは80℃〜還流温度、より好ましくは還流温度である。また、反応時間は、例えば反応温度、原料配合比、酸触媒配合量等により異なるが、一般的には1〜30時間程度である。また、反応環境としては常圧が好適であるが、本発明の特徴である不均一系反応を維持するならば、加圧下または減圧下で反応を行ってもよい。
【0030】
本発明の製造方法を用いると、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)との配合モル比(F/P)の範囲によって、以下のようなノボラック型フェノール樹脂が得られる。
【0031】
配合モル比が0.80以上1.00以下の範囲では、GPCの面積法による測定でフェノール類モノマーとフェノール類ダイマーの合計含有量が15%以下、好ましくは10%以下であり、かつGPC測定による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.1〜3.0、好ましくは1.5〜2.5のノボラック型フェノール樹脂が得られる。この樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500〜4500、より好ましくは900〜3500である。
【0032】
また、配合モル比が0.33以上0.80未満の範囲では、GPCの面積法による測定でフェノール類モノマー含有量が3%以下、好ましくは1%以下であり、かつフェノール類ダイマーの含有量が10%〜95%、好ましくは20%〜90%のノボラック型フェノール樹脂が得られる。この樹脂は、GPC測定による重量平均分子量(Mw)が200〜1200、好ましくは300〜1000、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との分散比(Mw/Mn)が1.8以下、好ましくは1.05〜1.7である。
【0033】
[作用]
本発明方法によって、フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂が得られる理由は、必ずしも明確ではないが次のように推察される。
【0034】
相A(フェノール類が主成分)と相B(酸触媒、アルデヒド類及び反応補助溶媒が主成分)とが交じり合っている白濁状態の不均一反応系において、相Aから相Bに移動した低分子量成分は、多量の酸触媒の触媒作用のもとアルデヒド類と速やかに反応するとともに、相B中に溶解できない程度に成長した縮合物は、アルデヒド類や酸触媒が少ない相Aに移動し、さらなる縮合物の成長が抑制ないしは停止されるため高分子量化が抑制される。このように本発明方法は、水相内でのフェノール類の樹脂化と有機相内での樹脂の高分子量化が抑制される機構の二液相界面反応を利用しているため、フェノール類モノマーやフェノール類ダイマーの含有量や分散比が制御されたノボラック型フェノール樹脂が製造される上、大幅な収率の向上が発現されるものと思われる。
【0035】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例に記載の「部」及び「%」は、すべて質量部及び質量%を示す。
【0036】
また得られたノボラック樹脂の特性については下記の試験法により測定した。
【0037】
(1)分散比
東ソー株式会社製ゲル濾過クロマトグラフ8020シリーズビルドアップシステム(カラム:G2000HXL+G4000HXL、検出器UV:254nm、キャリヤー:テトラヒドロフラン1ml/min、カラム温度:38℃)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めて分散比(Mw/Mn)を算出した。
【0038】
(2)フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量(%)
GPC測定で得られた分子量分布の全面積に対するフェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの面積を百分率で表示する面積法によって測定した。
【0039】
(3)軟化点(℃)
JIS−K6910に記載された環球法に準拠し、株式会社メイテック製環球式自動軟化点測定装置ASP−MGK2を使用して測定した。
【0040】
(4)溶融粘度
コーンプレート溶融粘度計(東亜工業株式会社製CONE PLATE VISCOMETER MODEL CV−1)により測定した。
【0041】
<実施例1>
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノール(P)を141部、92%パラホルム(F)を41.6部(F/P=0.85)、89%リン酸を16.9部(11%/P)、メルカプト酢酸を7.05部(5%/P)仕込んだ後、攪拌混合により形成される白濁状態(2相混合物)のもとで、徐々に還流温度まで昇温し、さらに同温度で8時間縮合反応を行なってから反応を停止した。
【0042】
次いで、攪拌混合しながらメチルイソブチルケトンを添加して縮合物を溶解した後、攪拌混合を停止して内容物を分液フラスコ内に移して静置し、メチルイソブチルケトン溶液層(上層)とリン酸水溶液層(下層)に分離させた。次いで、リン酸水溶液層を除去し、メチルイソブチルケトン溶液を数回水洗してリン酸を除いた後、再び内容物を反応容器内に戻し、減圧蒸留によりメチルイソブチルケトンを完全に除去してノボラック型フェノール樹脂150.8部を得た。
【0043】
得られた樹脂については、冒頭記載の試験法により、各特性を測定した。それらの結果を表1に示す。なお、表1中の「N.D.」は、検出されなかったことを意味する。
【0044】
<実施例2〜6>
反応条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてノボラック型フェノール樹脂を得、同様の測定を行った。これらの結果を表1に示す。尚、有機ホスホン酸としては、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸((株)ライオン社製、商品名「フェリオックス115」)を使用した。
【0045】
<比較例1>
温度計、攪拌装置、コンデンサーを備えた反応容器内に、フェノール(P)を141部、92%ホルマリン(F)を41.6部(F/P=0.85)、蓚酸を0.71部(0.5%/P)仕込んだ後、徐々に還流温度(98〜102℃)まで昇温して同温度で6時間縮合反応を行い、減圧濃縮してノボラック型フェノール樹脂149gを得た。得られた樹脂については実施例1と同様の測定を行った。これらの結果を表1に示す。
【0046】
<比較例2〜3>
反応条件を表1に示すように変更した以外は、比較例1と同様にしてノボラック型フェノール樹脂を得、同様の測定を行った。これらの結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明においては、リン酸類と他の酸からなる酸触媒、及び好ましくは反応補助溶媒の存在下で相分離反応を行うことによって、従来の蓚酸を触媒として製造された通常のノボラック型フェノール樹脂製造方法と比較して、フェノール類モノマー及びフェノール類ダイマーの含有量が制御され、かつ分散度の狭いノボラック型フェノール樹脂を低コストで容易に製造することができ、生産効率の向上が図れる。
【0049】
また、本発明の製造方法で得られるノボラック型フェノール樹脂は、従来型樹脂よりもフェノール類モノマーは極めて少なくフェノール類ダイマーも大幅に低減されているため、エポキシ樹脂用ベースレジン、エポキシ樹脂用硬化剤をはじめとして、例えばIC用封止材、積層板、鋳型用材料、成形材料等の環境対応型バインダーとして有用である。
Claims (5)
- フェノール類とアルデヒド類とを、リン酸類と他の酸からなる酸触媒の存在下で不均一系反応させる工程を有することを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 他の酸が、カルボン酸、有機ホスホン酸の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 酸触媒が、フェノール類100質量部に対し5質量部以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記工程において、反応補助溶媒として非反応性含酸素有機溶媒を存在させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 反応補助溶媒が、アルコール類、多価アルコール系エーテル、環状エーテル類、多価アルコール系エステル、ケトン類、スルホキシド類からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
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JP2003133866A JP2004339256A (ja) | 2003-05-13 | 2003-05-13 | ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 |
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-
2003
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