JPS621627B2 - - Google Patents

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JPS621627B2
JPS621627B2 JP7375680A JP7375680A JPS621627B2 JP S621627 B2 JPS621627 B2 JP S621627B2 JP 7375680 A JP7375680 A JP 7375680A JP 7375680 A JP7375680 A JP 7375680A JP S621627 B2 JPS621627 B2 JP S621627B2
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JP
Japan
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molecular weight
resin
curable resin
phenol
high molecular
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JP7375680A
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English (en)
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Inventor
Nobuyuki Takeda
Tadao Iwata
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Priority to DE8080304746T priority patent/DE3070435D1/de
Priority to US06/221,333 priority patent/US4345054A/en
Priority to EP80304743A priority patent/EP0032060B1/en
Priority to DE8080304743T priority patent/DE3069534D1/de
Priority to EP80304746A priority patent/EP0032062B2/en
Priority to US06/221,354 priority patent/US4342852A/en
Publication of JPS5710644A publication Critical patent/JPS5710644A/ja
Publication of JPS621627B2 publication Critical patent/JPS621627B2/ja
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  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、耐熱特性ならびに機械的特性に優れ
た硬化型樹脂組成物に関する。さらに詳細には、
硬化型樹脂、実質上線状の高分子量ノボラツク型
置換フエノール樹脂および無機充填剤からなりか
つ耐熱特性ならびに機械的特性の著しく改善され
た硬化型樹脂組成物に関する。 種々のエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フエノール樹脂などの硬化型
樹脂は、通常硬化剤ならびに必要に応じて無機充
填剤を配合して硬化させることにより、硬化型樹
脂組成物として種々の成形物に利用されている。
しかしながら、これらの硬化型樹脂組成物は、い
ずれも常温付近の比較的低温では機械的特性には
優れているが、熱変形温度、高温における熱変
形、曲げ強度、機械的強度、寸法安定性などの耐
熱特性ならびに機械的特性に劣つているので、加
熱条件下で使用される成形品として利用すること
はできない。 これらの硬化型樹脂組成物の耐熱特性、機械的
特性、その他の性質を改善するために、レゾール
型フエノール樹脂あるいはノボラツク型フエノー
ル樹脂を配合した硬化型樹脂組成物が数多く提案
されている。たとえば、硬化型樹脂がエポキシ樹
脂である場合に、該エポキシ樹脂にノボラツク型
フエノール樹脂を配合した硬化型樹脂組成物は、
特公昭32−9246号公報、同38−11827号公報、同
39−3574号公報、同39−27769号公報、同41−
1352号公報、同45−30351号公報、同46−38030号
公報、同48−8278号公報、同48−44958号公報、
同50−19319号公報、同51−20537号公報、同51−
21679号公報、同51−21839号公報、同51−24399
号公報、同51−43403号公報、同52−3828号公
報、同52−9480号公報、特開昭48−72293号公
報、同49−118797号公報、同49−118798号公報、
同50−70497号公報、同50−108400号公報、同51
−132267号公報、同52−138599号公報、同52−
144099号公報、同55−29532号公報などに提案さ
れている。しかしながら、これらのいずれの公知
文献に提案されたエポキシ樹脂組成物に配合され
たノボラツク型フエノール樹脂は、いずれも通常
の方法によつて製造されたノボラツク型フエノー
ル樹脂であつてその数平均分子量は大きくとも
1200以下、通常は1000以下の比較的低分子量のノ
ボラツク型フエノール樹脂である。このような比
較的低分子量のノボラツク型フエノール樹脂を配
合したとしても、得られるエポキシ樹脂組成物は
熱変形温度、高温における熱変形、曲げ強度、機
械的強度、寸法安定性などの耐熱特性ならびに機
械的特性を充分に向上させることはできない。ま
た、硬化型樹脂がウレタン樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、フエノール樹脂などのエポキシ樹脂以
外の硬化型樹脂である場合にも同様に比較的低分
子量のノボラツク型フエノール樹脂を配合して
も、硬化型樹脂組成物の耐熱特性ならびに機械的
特性を充分に向上させることはできない。 本発明者らは、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
フエノール樹脂などの硬化型樹脂、ノボラツク型
フエノール樹脂および無機充填剤を含有する硬化
型樹脂組成物において、この樹脂組成物の耐熱特
性ならびに機械的特性をさらに大巾に向上させる
方法を検討した結果、ノボラツク型フエノール樹
脂として数平均分子量(n)が1500以上であり
かつ実質上線状の高分子量ノボラツク型置換フエ
ノール樹脂を配合して硬化させると、前記目的を
充分に達成することができることを見出し、本発
明に到達した。本発明によれば、本発明の硬化型
樹脂組成物は、ノボラツク型フエノール樹脂とし
て比較的低分子量の通常のノボラツク型フエノー
ル樹脂を配合した前記公知文献に提案されている
硬化型樹脂組成物にくらべて、熱変形温度、高温
における熱変形、曲げ強度、機械的強度、寸法安
定性などの耐熱特性ならびに機械的特性が著しく
向上するという特徴を有している。 すなわち、本発明は、 (A) 硬化型樹脂、 (B) 構成フエノール類成分として二官能性フエノ
ール類成分を主体とし、数平均分子量(n)
が1500以上でありかつ実質上線状の高分子量ノ
ボラツク型置換フエノール樹脂、 および (C) 無機充填剤 を含有する硬化型樹脂組成物である。 本発明の硬化型樹脂組成物に配合される硬化型
樹脂(A)としては、硬化剤および必要に応じて硬化
促進剤によつて硬化させる硬化型樹脂、熱によつ
て硬化させる硬化型樹脂などがある。さらに具体
的には種々のエポキシ樹脂、種々のウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリビスマレイミ
ド樹脂、通常のノボラツク型フエノール樹脂、通
常のレゾール型フエノール樹脂などを例示するこ
とができる。これらの硬化型樹脂(A)のうちでは、
フエノール性水酸基含有化合物によつて硬化し得
る硬化型樹脂に本発明を適用すると、得られる硬
化型樹脂組成物の耐熱特性ならびに機械的特性が
さらに向上するので好ましい。さらに具体的には
これらの硬化型樹脂(A)のうちでは、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂または通常のノボラツク型フエ
ノール樹脂を使用すると前記性能のさらに向上し
た硬化型樹脂組成物が得られるので好ましく、と
くにエポキシ樹脂またはウレタン樹脂を使用する
ことが好ましい。さらにエポキシ樹脂を使用する
と、耐熱特性ならびに機械的特性がさらに向上し
た硬化型樹脂組成物が得られるのでとりわけ好ま
しい。 前記硬化型樹脂(A)のうちで、エポキシ樹脂およ
びウレタン樹脂に関してさらに具体的に例示す
る。本発明の硬化型樹脂組成物に配合される硬化
型樹脂(A)がエポキシ樹脂である場合に、そのエポ
キシ樹脂とは1分子中に2個以上のエポキシ基を
含有する化合物である。このようなエポキシ樹脂
として具体的には、たとえば、ビスフエノール
A、ビスフエノールF、1・1・2・2−テトラ
キス(4−ヒドロキシフエニル)エタンなどのポ
リフエノール類化合物のグリシジルエーテル系エ
ポキシ樹脂;前記ポリフエノール類化合物の核水
素化物のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;カ
テコール、レゾルシン、ヒドロキノン、フロログ
ルシンなどの多価フエノール類のグリシジルエー
テル系エポキシ樹脂;エチレングリコール、ブタ
ンジオール、グリセロール、エリスリトール、ポ
リオキシアルキレングリコールなどの多価アルコ
ール類のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ノ
ボラツク型エポキシ樹脂;ビニルシクロヘキセン
ジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペン
タジエンジオキシドなどの脂環族系エポキシ樹
脂;フタル酸、シクロヘキサン−1・2−ジカル
ボン酸などのポリカルボン酸のエステル縮合物等
のポリグリシジルエステル系エポキシ樹脂;ポリ
グリシジルアミン系エポキシ樹脂;メチルエピク
ロ型エポキシ樹脂などがあげられる。これらのエ
ポキシ樹脂のうちではポリフエノール類化合物の
グリシジルエーテル系エポキシ樹脂またはノボラ
ツク型エポキシ樹脂を使用することが好ましい。 これらのエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂
組成物に必要に応じて配合される硬化剤として
は、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られて
いるあらゆる化合物を使用することができる。た
とえば具体的には、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロ
ピルアミンなどの鎖状脂肪族系ポリアミン;環状
脂肪族系ポリアミン;脂肪族系ポリアミンアダク
ト;ケトイミン;変性脂肪族系ポリアミン;ポリ
アミドアミン;芳香族系アミン;芳香族系変性ア
ミン;芳香族系変性ポリアミン;第三級アミン系
硬化剤;メルカプタン系硬化剤;酸無水物系硬化
剤;エチレン−無水マレイン酸共重合体などのよ
うに酸無水物基を有する共重合体;ノボラツク型
またはエポキシ型のフエノール樹脂初期縮合物な
どのようにフエノール性水酸基を有する化合物;
ジシアンジアミド;メラミンなどの化合物をあげ
ることができる。 また、本発明の硬化型樹脂組成物に配合される
硬化型樹脂(B)がウレタン樹脂である場合に、その
ウレタン樹脂としては、ポリイソシアネートおよ
びポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール或いはその他のポリオール化合物から形成さ
れるウレタン結合を有する樹脂、またはウレタン
プレポリマーおよび硬化剤から形成されるウレタ
ン結合を有する樹脂のいずれも使用することがで
きる。 ポリウレタン樹脂を構成するポリイソシアネー
トとして具体的には、たとえば、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、1−メチル−2・4−ジイソシアネート、シ
クロヘキサンフエニレンジイソシアネート、トリ
リレンジイソシアネート、クロロフエニレンジイ
ソシアネート、ジフエニルメタン−4・4′−ジイ
ソシアネート、ナフタリン−1・5−ジイソシア
ネート、トリフエニルメタン−4・4′・4″−トリ
イソシアネート、キシリレン−2・2′−ジイソシ
アネート、イソプロピルベンゼン−2・4−ジイ
ソシアネート、トリメチロールプロパン1モルと
トリレンジイソシアネート3モルとの付加生成
物、および前記ポリイソシアネートの重合によつ
て得られる高分子量ポリイソシアネートなどがあ
げられる。 ポリウレタン樹脂を構成するポリオール化合物
とは1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有す
る化合物であり、具体的にはたとえば、ポリエチ
レングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
グリコール等のポリエーテル系ポリオール;α−
オレフインと有機カルボン酸不飽和エステルとの
共重合体の加水分解物;多塩基酸とグリコール類
とから製造される末端にヒドロキシル基を有する
ポリエステル系ポリオール;アクリル系ポリオー
ル;ヒマシ油誘導体ポリオール、トール油誘導体
ポリオール;ブタジエン、スチレン、ブタジエン
−アクリロニトリルなどの共重合体の両端にヒド
ロキシル基を含有するポリマー;ヒドロキシル基
を含有するエポキシ樹脂、ヒドロキシル基含有エ
ポキシ樹脂の変性物;ポリイソシアネートと過剰
のポリオール化合物を反応させて得られるヒドロ
キシル基含有化合物などのヒドロキシル化合物を
例示することができる。 ポリウレタン樹脂を構成するウレタンプレポリ
マーとは、ポリオール化合物と過剰のポリイソシ
アネートを反応させて得られる1分子中2個以上
のイソシアネート基を含有する化合物である。 さらに、ウレタン結合を有する樹脂組成物に必
要に応じて配合される硬化剤としては、一般にウ
レタンプレポリマーの硬化剤を使用することがで
きる。具体的にはたとえば、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジア
ミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミンなどのポリアミン類のうちの1種または
2種以上の化合物、あるいは前述のポリオール化
合物のうちの1種または2種以上の化合物などが
使用される。 本発明の硬化型樹脂組成物に配合される高分子
量ノボラツク型置換フエノール樹脂(B)は、構成フ
エノール類成分として二官能性フエノール類成分
を主体とし、数平均分子量〔N・N−ジメチルア
セトアミド溶媒中で蒸気圧浸透圧法によつて測定
した値(n)〕が1500以上でありかつ実質上線
状の高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂で
ある。本発明の硬化型樹脂組成物に配合される高
分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂(B)は、さ
らに具体的には、これを構成する (i) フエノール類成分が、一般式〔〕 (式中、3個のR1のうちの2個は水素原子であ
りかつ残りの1個は炭素数1ないし8のアルキ
ル基、炭素数6ないし10のアリール基、ハロゲ
ン原子あるいは水酸基を示し、好ましくは炭素
数1ないし8のアルキル基を示し、さらに好ま
しくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基およびオクチ
ル基からなる群から選ばれた1種の置換基を示
し、とくに好ましくはメチル基を示す。また、
Rは水素原子、炭素数1ないし8のアルキル
基、ハロゲン原子および水酸基からなる群から
選ばれた同一もしくは異なる基を示し、好まし
くは2個のRのうちの1個が水素原子でありか
つ残りの1個が水素原子または炭素数1ないし
8のアルキル基を示し、とくに好ましくは2個
のRがいずれも水素原子を示す。)で表わされ
る少なくとも1種の二官能性フエノール類成分
が70ないし100モル%、好ましくは80ないし100
モル%、とくに好ましくは90ないし100モル%
の範囲および三官能性フエノール類成分が0な
いし30モル%、好ましくは0ないし20モル%、
とくに好ましくは0ないし10モル%の範囲(た
だし、両フエノール類成分の合計が100モル%
になるように選ぶ。)からなるフエノール類成
分であり、 (ii) アルデヒド成分が、一般式〔〕 R2−CHO 〔〕 (式中、R2は水素原子、メチル基およびハロゲ
ン化メチル基からなる群から選ばれた1種の置
換基を示し、好ましくは水素原子またはメチル
基を示し、とくに好ましくは水素原子を示
す。)で表わされる少なくとも1種のアルデヒ
ド成分であり、 (iii) N・N−ジメチルアセトアミド溶媒中で蒸気
圧浸透圧法によつて測定した数平均分子量が
1500以上、好ましくは1700ないし15000の範
囲、とくに好ましくは2000ないし10000の範囲
にある 実質的に線状の高分子量ノボラツク型置換フエ
ノール樹脂である。ここで、実質上線状とは、重
合体鎖が直鎖状ないし分枝鎖状を有する線状構造
であることを意味し、網状構造(すなわち、ゲル
化物)を実質上含まないことを意味する。 前記高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂
(B)の構造についてさらに詳細に説明すると、この
高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂を構成
する前記一般式〔〕で表わされる二官能性フエ
ノール成分は、該樹脂分子中では一般式〔〕
【式】または
【式】 (式中、R1およびRはそれぞれ前記と同一の基を
示す。)で表わされるヒドロキシアリーレン単位
として存在し、その重合体の分子末端では一般式
〔〕
【式】または
【式】 (式中、R1およびRはそれぞれ前記と同一の基を
示す。)で表わされるヒドロキシアリール単位と
して存在する。また、同様に樹脂構成分の三官能
性フエノール類成分も該樹脂分子中では前記一般
式〔〕と同様にヒドロキシアリーレン単位とし
て存在し、該樹脂の分子末端では前記一般式
〔〕と同様にヒドロキシアリール単位として存
在する。また、該高分子量ノボラツク型置換フエ
ノール樹脂を構成する前記一般式〔〕で表わさ
れるアルデヒド成分は、一般式〔〕 R2−CH< 〔〕 (式中、R2は水素原子、メチル基およびハロゲン
化メチル基からなる群から選ばれた1種の置換基
を示す。)で表わされるアルキリデン単位として
存在する。また、該高分子量ノボラツク型置換フ
エノール樹脂の構造は、前記ヒドロキシアリーレ
ン単位と前記アルキリデン単位とが交互に配列し
た鎖状構造である。さらに具体的には、該高分子
量ノボラツク型置換フエノール樹脂の構造は、構
成成分のフエノール類成分が前記一般式〔〕で
表わされる二官能性フエノール類成分のみである
場合には該樹脂は直鎖状であり、三官能性フエノ
ール類成分の含有量が多くなると分枝鎖状となる
場合もある。該高分子量ノボラツク型置換フエノ
ール樹脂を構成する全フエノール類成分に対する
前記アルデヒド成分の比は、全フエノール類成分
1モルに対して通常0.90ないし1.0モル、好まし
くは0.93ないし1.0モルの範囲である。該高分子
量ノボラツク型置換フエノール樹脂は通常メチロ
ール基を含有していないが、全フエノール類成分
1モルに対して0.01モル当量以下の微量のメチロ
ール基を含有していても差しつかえない。 前記高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂
(B)の数平均分子量は前述のごとく1500以上の範囲
であるが、該樹脂の数平均分子量が大きくなる
と、硬化型樹脂に配合した場合に耐熱特性および
機械的特性に優れた組成物が得られるようになる
ので好ましい。また、該高分子量ノボラツク型置
換フエノール樹脂の分子量分布は、数平均分子量
が2000以上の樹脂成分の含有率が通常50重量%以
上であり、好ましくは60重量%以上であり、とく
に好ましくは70重量%以上である。また、数平均
分子量(n)に対する重量平均分子量(w)
の比(w/n)で表わした分子量分布は好ま
しくは1.8ないし20、とくに好ましくは2ないし
10の範囲である。また、該高分子量ノボラツク型
置換フエノール樹脂の融点は、通常120℃以上、
好ましくは150℃の以上の範囲である。 前記高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂
(B)を構成するフエノール類成分のうちで、二官能
性フエノール類成分は、前記一般式〔〕で表わ
されベンゼン核上に、置換反応に対して二個の活
性水素原子を有するフエノール類であり、具体的
には前記一般式〔〕においてヒドロキシル基に
対してオルト位またはパラ位に炭素数1ないし8
のアルキル基、炭素数6ないし10のアリール基、
ハロゲンまたは水酸基を有するフエノール類であ
る。さらに具体的には、次に示すフエノール類の
オルト異性体またはパラ異性体を例示することが
できる。たとえば、クレゾール、エチルフエノー
ル、n−プロピルフエノール、イソプロピルフエ
ノール、n−ブチルフエノール、sec−ブチルフ
エノール、tert−ブチルフエノール、sec−アミ
ルフエノール、tert−アミルフエノール、ヘキシ
ルフエノール、ヘプチルフエノール、オクチルフ
エノールなどのアルキルフエノール;クロロフエ
ノール、クロロフエノール、ブロモフエノールな
どのハロゲン化フエノール、フエニルフエノー
ル、トリルフエノールなどのアリールフエノール
等のフエノール類のオルト異性体またはパラ異性
体を例示することができる。また、前記一般式
〔〕で表わされる二官能性フエノール類成分と
して、2・3−キシレノール、3・4−キシレノ
ール、2・5−キシレノール、2・3−ジエチル
フエノール、3・4−ジエチルフエノール、2・
5−ジエチルフエノール、2・3−ジイソプロピ
ルフエノール、3・4−ジイソプロピルフエノー
ル、2・5−ジイソプロピルフエノール、2・3
−ジクロロフエノール、3・4−ジクロロフエノ
ール、2・5−ジクロロフエノール、2−メチル
−3−フエニルフエノール、3−メチル−4−フ
エニルフエノール、2−メチル−5−フエニルフ
エノールなどを例示することができる。該高分子
量ノボラツク型置換フエノール樹脂を構成する二
官能性フエノール成分は、前記フエノール類成分
のうちの少なくとも1種であり、2種以上の混合
物であつても差しつかえない。これらの二官能性
フエノール類成分のうちでは前記一般式〔〕に
おいて、3個のR1のうちの2個が水素原子であ
り、かつ残りの1個は炭素数1ないし8のアルキ
ル基であることが好ましく、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基またはオクチル基であることがさらに好ま
しく、メチル基であることがとくに好ましい。ま
た、前記一般式〔〕において、2個のRのうち
の1個が水素原子でありかつ残りの1個が水素原
子または炭素数1ないし8のアルキル基であるこ
とが好ましく、2個のRがいずれも水素原子であ
ることがとくに好ましい。 前記高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂
(B)を構成する三官能性フエノール類成分は、ベン
ゼン核上に置換反応に対して三個の活性水素原子
を有するフエノール類であり、具体的にはフエノ
ール、フエノールのメタ置換体、フエノールの
3・5−置換体である。これらの三官能性フエノ
ール類がメタ位または3・5−位に有している置
換基としては、アルキル基、ハロゲンまたは水酸
基である。これらの三官能性フエノール類のうち
で、好適な三官能性フエノール類は一般式〔〕 (式中、Rは水素原子、炭素数1ないし8のアル
キル基、ハロゲンおよび水酸基からなる群から選
ばれた同一もしくは異なる置換基を示す。)で表
わされるフエノール類である。さらに具体的に
は、フエノール、m−クレゾール、m−エチルフ
エノール、m−n−プロピルフエノール、m−イ
ソプロピルフエノール、m−n−ブチルフエノー
ル、m−sec−ブチルフエノール、m−tert−ブ
チルフエノール、m−n−アミルフエノール、m
−sec−アミルフエノール、m−tert−アミルフ
エノール、m−ヘキシルフエノール、m−ヘプチ
ルフエノール、m−オクチルフエノール、m−フ
ロロフエノール、m−クロロフエノール、m−ブ
ロモフエノール、レゾルシンなどのメタ置換フエ
ノール類;3・5−キシレノール、3・5−ジエ
チルフエノール、3・5−ジイソプロピルフエノ
ール、3・5−ジsec−ブチルフエノール、3・
5−ジtert−ブチルフエノール、3・5−ジsec
−アミルフエノール、3・5−ジtert−アミルフ
エノール、3・5−ジヘキシルフエノール、3・
5−ジヘプチルフエノール、3・5−ジオクチル
フエノール、3・5−ジフロロフエノール、3・
5−ジクロロフエノール、3・5−ジブロモフエ
ノール、3・5−ジヨードフエノールなどの3・
5−ジ置換フエノール類などを例示することがで
きる。さらに、これらの三官能性フエノール類成
分のうちでは、前記一般式〔〕において2個の
Rのうちの1個が水素原子でありかつ他の1個が
水素原子、炭素数1ないし8のアルキル基または
塩素で表わされるフエノール類成分であることが
好ましく、2個のRのうちの1個が水素原子であ
りかつ他の1個が水素原子、メチル基、イソプロ
ピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基または
オクチル基で表わされるフエノール類成分である
ことがとくに好ましい。 前記高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂
(B)を構成するアルデヒド成分は前記一般式〔〕
で表わされるアルデヒド類成分である。これらの
アルデヒド成分として具体的には、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、モノクロロアセトアル
デヒド、ジクロロアセトアルデヒド、トリクロロ
アセトアルデヒドを例示することができる。これ
らのアルデヒド成分のうちでは、ホルムアルデヒ
ドまたはアセトアルデヒドであることが好まし
く、とくにホルムアルデヒドであることが好まし
い。これらのアルデヒド成分は該高分子量ノボラ
ツク型置換フエノール樹脂中では前記一般式
〔〕で表わされるアルキリデン基として存在し
ている。 本発明の硬化型樹脂組成物に配合される前記実
質上線状の高分子量ノボラツク型置換フエノール
樹脂の配合割合は、前記硬化型樹脂100重量部に
対して通常10ないし200重量部の範囲であり、30
ないし150重量部の範囲で配合すると硬化樹脂組
成物の耐熱特性ならびに機械的特性がさらに向上
するのでとくに好ましい。 本発明の硬化型樹脂組成物に配合される充填剤
(C)は無機充填剤である。無機充填剤(C)として具体
的には、シリカ、シリカ・アルミナ、アルミナ、
ガラス粉末、ガラスビーズ、ガラス繊維、アスベ
スト、マイカ、グラフアイト、カーボン繊維、酸
化チタン、二硫化モリブデン、酸化ベリリウム、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、タルク、セライ
ト、金属粉末、金属繊維、などを例示することが
できる。これらの無機充填剤のいずれを配合した
場合にも耐熱特性ならびに機械的特性は向上す
る。これらの無機充填剤のうちで、ガラス繊維、
カーボン繊維、アスベストなどを配合すると衝撃
強度および圧縮強度などの機械的強度がさらに改
善され、グラフアイト、酸化チタン、二硫化モリ
ブデンなどを配合すると耐摩耗性がさらに改善さ
れ、マイカ、アスベスト、ガラス粉末などを配合
すると耐アーク性がさらに改善され、カーボンブ
ラツク、金属繊維、金属粉末、グラフアイトなど
を配合すると導電性などの電気特性が改善され、
さらにアルミナ、酸化チタン、酸化ベリリウムな
どを配合すると熱伝導性が改善される。これらの
無機充填剤の配合割合は、その硬化型樹脂組成物
に配合される硬化型樹脂の種類、該無機充填剤の
種類ならびに該樹脂組成物の使用目的によつて大
きく異なるが、硬化型樹脂100重量部に対して通
常10ないし250重量部の範囲であり、好ましくは
30ないし200重量部、とくに好ましくは60ないし
150重量部の範囲である。 本発明の硬化型樹脂組成物には、前記硬化型樹
脂(A)、前記実質上線状の高分子量ノボラツク型置
換フエノール樹脂(B)および前記無機充填剤(C)の他
に、必要に応じて種々の配合剤が配合される。た
とえば、前記硬化型樹脂が硬化剤によつて硬化し
うる樹脂である場合には該硬化型樹脂に適応した
硬化剤、硬化促進剤、耐熱安定剤、抗酸化剤、滑
剤、前記無機充填剤以外の充填剤が必要に応じて
配合される。これらの配合剤のうちで、硬化剤に
関しては、本発明の硬化型樹脂組成物の必須の構
成成分である前記高分子量ノボラツク型置換フエ
ノール樹脂(B)が前記硬化型樹脂(A)の硬化剤となり
得る場合にも、該高分子量ノボラツク型置換フエ
ノール樹脂以外の硬化剤を必要に応じて配合する
ことができる。また、前記高分子量ノボラツク型
置換フエノール樹脂(B)が前記硬化型樹脂(A)の硬化
剤となり得ない場合には、通常前述の硬化剤が配
合される。これらの必要に応じて配合される種々
の配合剤は、前記硬化型樹脂の種類ならびにその
組成物の用途によつて異なり、従来から公知の配
合剤が使用できる。また、これらの必要に応じて
配合される前記種々の配合剤の配合割合も前記硬
化型樹脂の種類およびその用途に応じて異なり、
適宜量が配合される。 本発明の硬化型樹脂組成物は、熱変形温度、高
温における熱変形、曲げ強度、機械的強度、寸法
安定性などの耐熱特性ならびに機械的特性が著し
く優れているという特徴を有している。 次に、本発明の硬化型樹脂組成物を実施例によ
つて具体的に説明する。 参考例 1 通常の方法で得られる直鎖状の低分子量ノボラ
ツク型p−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂
(n:510)100g、2・6−ジメチロール−p
−クレゾール31.1g、60%硝酸0.28ml、o−ジク
ロルベンゼン100mlを反応器に入れ、撹拌しなが
ら175℃で4時間反応させた。反応混合物をメタ
ノール1中に投入して未反応物を除去した後乾
燥して樹脂120g(収率97%)を得た。蒸気圧浸
透圧法(ジメチルアセトアミド中、90℃)により
測定したこの樹脂の数平均分子量nは5550であ
り、またゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイ
ーにより測定したこの樹脂の分子量分布(w/
n)は6.2であつた。また顕微鏡法により求め
たこの樹脂の融点は300℃以上であつた。 この樹脂をピリジン−d5中に溶解して測定し
た′H核磁気共鳴スペクトルの特性値を表1に示
した。この結果から、ι値53付近のメチロール基
のメチレンプロトンが認められないことから、末
端にメチロール基を含有せず、またp−クレゾー
ル単位とメチレン単位が交互に配列した直鎖状溝
造のノボラツク型p−クレゾール・ホルムアルデ
ヒド樹脂であることを確認した。また、この樹脂
はジメチルアセトアミドに完全に溶解することか
ら、三次元架橋構造(ゲル化物)が存在しないこ
とを確認した。
【表】
【表】 参考例 2 p−クレゾール108g(1モル)、2・6−ジメ
チロール−p−クレゾール168g(1モル)、o−
ジクロルベンゼン540mlおよび60%硝酸0.4mlを反
応器に入れ、撹拌しながら175℃で4hr反応させ
た。得られる樹脂をメタノール5中に投入して
未反応物を除去した後乾燥して樹脂87g(収率41
%)を得た。蒸気圧浸透圧法により測定したこの
樹脂のnは1080、またゲルパーミエーシヨンク
ロマトグラフイーにより測定した分子量分布(
w/n)は1.4であつた。また、顕微鏡法によ
り測定した樹脂の融点は230℃であつた。また、
この樹脂の構造を参考例1と同様の方法によつて
確認した結果、この樹脂は、p−クレゾール成分
単位とメチレン単位とが交互に配列した直鎖状構
造のノボラツク型p−クレゾール・ホルムアルデ
ヒド樹脂であることを確認し、三次元架橋構造
(ゲル化物)が全く存在しないことを確認した。 参考例 3〜5 参考例1において、低分子量のノボラツク型p
−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂の代りに表
2に記載した低分子量のo−クレゾール・ホルム
アルデヒド樹脂(参考例3)、p−tert−ブチル
フエノール・ホルムアルデヒド樹脂(参考例
4)、p−クロルフエノール・ホルムアルデヒド
樹脂(参考例5)を使用した以外は参考例1と同
様に行つた。またこれらの方法で得られた樹脂の
数平均分子量(n)ならびに樹脂の構造は参考
例1と同様の方法によつて確認した。これらの方
法で得られたいずれの樹脂も参考例1の場合と同
様にフエノール類成分単位とメチレン単位とが交
互に配列した直鎖状構造のノボラツク型置換フエ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂であることを確認
した。また、これらの樹脂はいずれもジメチルア
セトアミドに完全に溶解することから、三次元架
橋構造(ゲル化物)が存在しないことを確認し
た。これらの樹脂の性状を表2に示した。
【表】 参考例 6〜7 参考例1において、原料のノボラツク型p−ク
レゾール・ホルムアルデヒド樹脂の代わりに表3
に示したノボラツク型m−クレゾール・p−クレ
ゾール・ホルムアルデヒド共縮合樹脂を100g使
用した以外は参考例1と同様に行つた。その結果
得られた樹脂の構造を前記参考例1と同様の方法
によつて確認した。 この樹脂の数平均分子量(n)を蒸気圧浸透
圧法(ジメチルアセトアミド中、90℃)、分子量
分布(w/n)をゲルパーミエーシヨンクロ
マトグラフイー、融点を顕微鏡法により測定し
た。また、この樹脂を構成するp−クレゾール成
分単位およびm−クレゾール成分単位の組成比
は、この樹脂をピリジン−d5中に溶解して測定し
たH核磁気共鳴スペクトルのデータに基づいて求
めた。その測定データを表3に示した。 また、これらの樹脂の構造を参考例1と同様の
方法によつて確認した結果、これらの樹脂のうち
で参考例6および参考例7の樹脂は、p−フエノ
ール成分単位とm−フエノール成分単位の両方の
フエノール類成分単位を含有しかつこれらのフエ
ノール類成分単位とメチレン単位とが交互に配列
し、しかもm−フエノール成分単位の一部分にお
いて分枝した分枝鎖を有する線状構造のノボラツ
ク型置換フエノール・ホルムアルデヒド樹脂であ
ることを確認した。また、これらの樹脂はいずれ
もジメチルアセトアミドに完全に溶解することか
ら、三次元架橋構造(ゲル化物)を有しないこと
を確認した。得られた結果を表4に示した。
【表】
【表】 参考例 8 フエノール94g(1mol)、37%ホルマリン70g
(0.86mol)および1重量%塩酸1ml(0.274m
mol)を、温度計、撹拌装置および還流冷却器を
備えた反応器に入れて加熱撹拌し、還流を開始し
てから4時間反応を続けた。そしてp−トルエン
スルホン酸1g(5.3mmol)を加え、反応器の減
圧脱水装置を取り付けて減圧状態で加熱しなが
ら、圧力10mmHgで反応物の温度が180mmHgに達
するまで脱水、脱フエノールを行つた。その結
果、褐色固形樹脂88g(樹脂収率84%)を得た。
得られた樹脂のうちの36重量%はN・N−ジメチ
ルアセトアミドに不溶性でありかつ三次元架橋構
造(ゲル化物)であることを確認した。樹脂の残
りの74重量%はN・N−ジメチルアセトアミドに
溶解し、分枝鎖状のノボラツク型フエノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂であることを確認した。この
分枝鎖状のノボラツク型フエノール・ホルムアル
デヒド樹脂の前記蒸気圧浸透圧法により求めた数
平均分子量(n)は1090であつた。 参考例 9 フエノール94g(1mol)、37%ホルマリン70g
(0.86mol)および1重量%塩酸1ml(0.274m
mol)を、温度計、撹拌装置および還流冷却器を
備えた反応器に入れて加熱撹拌し、還流を開始し
てから4時間反応を続けた。そしてp−トルエン
スルホン酸1g(5.3mmol)を加え、反応器に減
圧脱水装置を取り付けて減圧状態で加熱しなが
ら、圧力10mmHgで反応物の温度が180mmHgに達
した後さらに30分間脱水、脱フエノールを行つ
た。その結果、褐色固形樹脂70g(樹脂収率67
%)を得た。得られた樹脂のうちの58重量%は
N・N−ジメチルアセトアミドに不溶性でありか
つ三次元架橋構造(ゲル化物)であることを確認
した。樹脂の残りの42重量%はN・N−ジメチル
アセトアミドに溶解し、分枝鎖状のノボラツク型
フエノール・ホルムアルデヒド樹脂であることを
確認した。この分枝鎖状のノボラツク型フエノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂の前記蒸気圧浸透圧法
により求めた数平均分子量(n)は470であつ
た。 参考例 10 p−クレゾール108g(1mol)、37%ホルマリ
ン70g(0.86mol)および1重量%塩酸1ml
(0.274mmol)を、温度計、撹拌装置および還流
冷却器を備えた反応器に入れて加熱撹拌し、還流
を開始してから4時間反応を続けた。そしてp−
トルエンスルホン酸1g(5.3mmol)を加え、反
応器に減圧脱水装置を取り付けて減圧状態で加熱
しながら、圧力10mmHgで反応物の温度が180mm
Hgに達するまで脱水、脱p−クレゾールを行つ
た。その結果、褐色固形樹脂89g(樹脂収率75
%)を得た。得られた樹脂はN・N−ジメチルア
セトアミドに完全に溶解し、三次元架橋構造(ゲ
ル化物)を含まないことを確認した。この樹脂の
分子構造は直鎖状のノボラツク型p−クレゾー
ル・ホルムアルデヒド樹脂であることを確認し
た。この直鎖状のノボラツク型p−クレゾール・
ホルムアルデヒド樹脂の前記蒸気圧浸透圧法によ
り求めた数平均分子量(n)は670であつた。 参考例 11 (1) p−クレゾール108g(1mol)、37%ホルマ
リン、64.9g(0.8mol)、シユウ酸0.27g(3
mmol)を、温度計、撹拌装置及び還流冷却器
を備えた反応器に入れて加熱撹拌し、100℃で
100分間反応を行なつた。 その後、反応器に減圧脱水装置を取付けて減
圧状態に加熱しながら圧力10mmHgで反応物の
温度が160℃に達するまで脱水、脱クレゾール
を行なつた。 この結果、褐色固形樹脂75gを得た。 この得られた樹脂は、ジメチルアセトアミド
を溶媒とする蒸気圧浸透圧法による数平均分子
量が590であつた。 (2) 500c.c.のビーカーに上記樹脂10gとメタノー
ル50mlを入れ、次いで水30mlを加えて十分混合
した後、一昼夜放置した。 その後、ビーカーの底に沈澱している固体を
集め、100℃で5時間減圧乾燥した。 得られた物質の数平均分子量は740であつ
た。 実施例1、比較例1〜2 参考例1で得た高分子量p−クレゾール・ホル
ムアルデヒド樹脂15g、、エポキシ樹脂(三井石
油化学エポキシ社製エポキシ樹脂、商品名
EPOMIK R−140)25g、溶融シリカ150g、
BF3・2−メチルイミダゾール錯体0.25g、モン
タン酸ワツクス0.75gを配合し、80℃のロール上
で7分間混練りした。冷却後、7〜100メツシユ
に粉砕し、250℃の金型で100Kg/cm2(実圧)、20
分間プレス成型した。これを250℃で30分間ポス
トキユアーした後、成型物の物性値を測定して表
5の結果を得た(実施例1)。 また参考例1において原料として使用した通常
の低分子量のp−クレゾール・ホルムアルデヒド
樹脂(n=510)を使用した以外は実施例1と
同様に行ない、成型物の物性値を測定した(比較
例1)。さらに実施例1において、溶融シリカを
全く使用しなかつた以外は実施例1と同様に行な
い、成型物の物性値を測定した(比較例2)。そ
の結果も合せて表5に示した。
【表】 実施例 2〜6 実施例1において、溶融シリカを95g使用した
以外は実施例1と同様に行つた。得られた成型物
の物性値を表6に示した(実施例2)。 また参考例3〜6で得た高分子量のo−クレゾ
ール・ホルムアルデヒド樹脂(実施例3)、p−
tert−ブチルフエノール・ホルムアルデヒド樹脂
(実施例4)、p−クロロフエノール・ホルムアル
デヒド樹脂(実施例5)またはm−クレゾール・
p−クレゾール・ホルムアルデヒド共縮合樹脂を
各15g使用した以外は実施例2と同様に行つた。
得られた成型物の物性値を表6表に併せて示し
た。
【表】 比較例 3〜8 参考例1及び参考例3〜6において原料として
使用した通常の低分子量のノボラツク型p−クレ
ゾール・ホルムアルデヒド樹脂(比較例3)、o
−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂(比較例
4)、p−tert−ブチルフエノール・ホルムアル
デヒド樹脂(比較例5)、p−クロルフエノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂(比較例6)またはm
−クレゾール・p−クレゾール・ホルムアルデヒ
ド共縮合樹脂(比較例7)を各15g使用した以外
は実施例1と同様に行つた。 また、参考例8で調製したノボラツク型フエノ
ール・ホルマリン樹脂を使用して同様に行つた。
得られた成型物の物性値を表7に示した。
【表】 実施例 7〜9 実施例1において、溶融シリカの代りにガラス
繊維(日東紡社製、チヨツプストランドCS−
3PE231)、アスベスト(ユニオンカーバイド社
製、カリドリアアスベストHPO)、グラフアイト
(富士黒鉛工業社製、CCP)を表8記載の如く使
用した以外は実施例1と同様に行つた。その結果
を表8に示す。
【表】
【表】 実施例 10〜11 実施例2において、エポキシ樹脂(三井石油化
学エポキシ社製、商品名EPOMIK R−140)の
代りにエポキシ樹脂(日本化薬社製、エポキシ化
フエノールノボラツクEPPN−201)を使用した
以外は実施例2と同様に行つた(実施例10)。 また、実施例2において、溶融シリカ95gの代
りにガラス繊維27gを使用した以外は実施例2と
同様に行つた(実施例11)。その結果を表9に示
す。
【表】 実施例12、比較例9 参考例1で得た高分子量p−クレゾール・ホル
ムアルデヒド樹脂37g、エポキシ樹脂(三井石油
化学エポキシ社製エポキシ樹脂、商品名
EPOMIK R−140)63g及び2−メチルイミダ
ゾール0.1gをメチルエチルケトン25g、メタノ
ール5gの混合溶媒に溶解したワニスをガラスク
ロス(日東紡社製、商品名WE−18K−BZ2)に
含浸させ、170℃で1hrプレス成型した後、180℃
で8hrポストキユアして積層板を製作した。この
積層板の曲げ強度を21℃、150℃、180℃でそれぞ
れ測定して表10の結果を得た(実施例11)。 また、参考例1において原料として使用した通
常の低分子量のp−クレゾール・ホルムアルデヒ
ド樹脂(n=510)を使用した以外は実施例12
と同様に行ない、積層板の物性値を測定した。そ
の結果も併せて表10に示した(比較例9)。
【表】 持率

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 硬化型樹脂、 (B) 構成フエノール類成分として二官能性フエノ
    ール類成分を主体とし、数平均分子量(n)
    が1500以上でありかつ実質上線状の高分子量ノ
    ボラツク型置換フエノール樹脂、 および (C) 無機充填剤 を含有する硬化型樹脂組成物。 2 該高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂
    が、これを構成する (i) フエノール類成分が、一般式〔〕 (式中、3個のR1のうちの2個は水素原子であ
    りかつ残りの1個は炭素数1ないし8のアルキ
    ル基、炭素数6ないし10のアリール基、ハロゲ
    ン原子あるいは水酸基であり、Rは水素原子、
    炭素数1ないし8のアルキル基、ハロゲン原子
    および水酸基からなる群から選ばれた同一もし
    くは異なる基を示す。)で表わされる少なくと
    も1種の二官能性フエノール類成分70ないし
    100モル%および三官能性フエノール類成分0
    ないし30モル%(ただし、両フエノール類成分
    の合計が100モル%になるように選ぶ。)からな
    るフエノール類成分であり、 (ii) アルデヒド成分が、一般式〔〕 R2−CHO 〔〕 (式中、R2は水素原子、メチル基およびハロゲ
    ン化メチル基からなる群から選ばれた1種の置
    換基を示す。)で表わされる少なくとも1種の
    アルデヒド成分であり、 (iii) N・N−ジメチルアセトアミド溶媒中で蒸気
    圧浸透圧法によつて測定した数平均分子量が
    1500以上の範囲にある ことを特徴とする実質上線状の高分子量ノボラツ
    ク型置換フエノール樹脂である特許請求の範囲第
    1項に記載の硬化型樹脂組成物。 3 高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂(B)
    の数平均分子量が1700ないし15000の範囲にある
    高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂である
    特許請求の範囲第1項または第2項に記載の硬化
    型樹脂組成物。 4 高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂(B)
    の数平均分子量が2000ないし10000の範囲にある
    高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂である
    特許請求の範囲第1項ないし第3項に記載のいず
    れかの硬化型樹脂組成物。 5 高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂(B)
    の数平均分子量(n)に対する重量平均分子量
    (w)の比で表わした分子量分布(w/
    n)が1.8ないし20の範囲にある高分子量ノボラ
    ツク型置換フエノール樹脂である特許請求の範囲
    第1項ないし第4項に記載のいずれかの硬化型樹
    脂組成物。 6 高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂(B)
    を構成するフエノール類成分が、二官能性フエノ
    ール類成分80ないし100モル%および三官能性フ
    エノール類成分0ないし20モル%(ただし、両フ
    エノール類成分の合計が100モル%になるように
    選ぶ。)からなるフエノール類成分である特許請
    求の範囲第1項ないし第5項に記載のいずれかの
    硬化型樹脂組成物。 7 高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂(B)
    を構成するフエノール類成分が、二官能性フエノ
    ール類成分90ないし100モル%および三官能性フ
    エノール類成分0ないし10モル%(ただし、両フ
    エノール類成分の合計が100モル%になるように
    選ぶ。)からなるフエノール類成分である特許請
    求の範囲第1項ないし第6項に記載のいずれかの
    硬化型樹脂組成物。 8 高分子量ノボラツク型置換フエノール樹脂(B)
    の配合割合が、該硬化型樹脂100重量部に対して
    30ないし150重量部の範囲である特許請求第1項
    ないし第7項に記載のいずれかの硬化型樹脂組成
    物。 9 硬化型樹脂(A)が、フエノール性水酸基含有化
    合物により硬化し得る硬化型樹脂である特許請求
    の範囲第1項ないし第8項に記載のいずれかの硬
    化型樹脂組成物。 10 硬化型樹脂(A)が、エポキシ樹脂、ウレタン
    樹脂またはノボラツク型フエノール樹脂である特
    許請求の範囲第1項ないし第9項に記載のいずれ
    かの硬化型樹脂組成物。 11 無機充填剤の配合割合が、該硬化型樹脂
    100重量部に対して30ないし200重量部の範囲であ
    る特許請求の範囲第1項ないし第10項に記載の
    いずれかの硬化型樹脂組成物。
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