JP2020122076A - 不定形耐火物用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温の被付着体に対する付着性が向上した不定形耐火物用樹脂組成物に関する技術を提供する。【解決手段】本発明のある態様は、不定形耐火物用樹脂組成物である。当該不定形耐火物用樹脂組成物は、ノボラック型フェノール樹脂と、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ゴム系ラテックス、セルロール誘導体からなる群より選ばれる1種以上の添加剤と、を含む。【選択図】なし
Description
本発明は、不定形耐火物用樹脂組成物に関する。
近年、転炉、電気炉、取り鍋などの製鋼設備において、フェノール樹脂を結合剤として使用した黒鉛含有の不焼成煉瓦の使用量が増えている。これに伴い、製鋼設備の炉壁、炉底の補修などに用いられる不定形耐火物(吹きつけ材)にも黒鉛、マグネシア、アルミナなどの骨材にフェノール樹脂を含む樹脂組成物を結合剤として配合したものを用いるケースが増えている。
この種の不定形耐火物の結合剤として、たとえば、ノボラック型フェノール樹脂とエポキシ樹脂とを含有する組成物が開示されている(特許文献1参照)
炉の補修については、炉の稼働時間を長くする観点から、補修に要する時間の短縮が求められており、不定形耐火物を炉壁、炉底に吹き付ける工程を短時間で完了することに対する要望が高まっている。この要望に応えるために、高温(たとえば、300〜1000℃程度)の状態の炉壁に吹き付けたときに、従来よりも容易に付着しやすい結合剤の開発が必要となっている。
本発明は上述のような課題を鑑みたものであり、高温の被付着体に対する付着性が向上した不定形耐火物用樹脂組成物に関する技術を提供することを目的とする。
本発明によれば、ノボラック型フェノール樹脂と、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ゴム系ラテックス、セルロール誘導体からなる群より選ばれる1種以上の添加剤と、を含む不定形耐火物用樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、高温の被付着体に対する付着性が向上した不定形耐火物用樹脂組成物に関する技術を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下であることを表す。
実施形態に係る不定形耐火物用樹脂組成物は、ノボラック型フェノール樹脂および添加剤を含む。以下、不定形耐火物用樹脂組成物の詳細について説明する。
(ノボラック型フェノール樹脂)
本実施形態の不定形耐火物用樹脂組成物に含まれるノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを重縮合させることによって得られるものである。
本実施形態の不定形耐火物用樹脂組成物に含まれるノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを重縮合させることによって得られるものである。
ここでフェノール類としては、特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、他のアルキルフェノール類が挙げられるが、これらを単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。その中でも通常、炭化率の高いほうが焼成後に高強度を得られやすいことから、不定形耐火物用としては、フェノール、クレゾールが好ましい。
また、アルデヒド類としては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒドなど、またこれらのアルデヒドの発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液などが挙げられるが、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。この中でも、フェノール樹脂合成時の反応性が高いことから、不定形耐火物用としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましい。
本実施形態の不定形耐火物用樹脂組成物で用いられるノボラック型フェノール樹脂は、上記フェノール類とアルデヒド類とを、酸性触媒の存在下で反応させて得ることができる。
酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又はパラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸などの有機酸が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂は、通常、フェノール類(P1)とアルデヒド類(F1)とを、モル比(F1/P1)=0.3〜1.0で仕込み、上記酸性触媒を用いて常法により縮合脱水させて製造することができる。
酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又はパラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸などの有機酸が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂は、通常、フェノール類(P1)とアルデヒド類(F1)とを、モル比(F1/P1)=0.3〜1.0で仕込み、上記酸性触媒を用いて常法により縮合脱水させて製造することができる。
(添加剤)
本実施形態で使用される添加剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ゴム系ラテックス、セルロール誘導体からなる群より選ばれる1種以上である。
本実施形態で使用される添加剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ゴム系ラテックス、セルロール誘導体からなる群より選ばれる1種以上である。
ポリビニルアルコールとしては、けん化度95モル%以上、平均重合度1000以上の通常市販品を用いることができる。
ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタールなどが挙げられる。この中でも、不定形耐火物用樹脂組成物の付着性向上の観点からポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタールが好ましい。
ゴム系ラテックスとしては、例えば天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレンラテックス等が挙げられる。この中でも、不定形耐火物用樹脂組成物の付着性向上の観点からアクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましい。
セルロール誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。この中でも、不定形耐火物用樹脂組成物の付着性向上の観点からヒドロキシアルキルセルロースが好ましい。
ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタールなどが挙げられる。この中でも、不定形耐火物用樹脂組成物の付着性向上の観点からポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタールが好ましい。
ゴム系ラテックスとしては、例えば天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレンラテックス等が挙げられる。この中でも、不定形耐火物用樹脂組成物の付着性向上の観点からアクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましい。
セルロール誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。この中でも、不定形耐火物用樹脂組成物の付着性向上の観点からヒドロキシアルキルセルロースが好ましい。
添加剤の含有率は特に限定されないが、ノボラック型フェノール樹脂と添加剤の合計量に対する添加剤の含有率の下限は、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。また、当該添加剤の含有率の上限は、20質量%以下が好ましく、18質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。添加剤の含有率の下限を上記範囲とすることにより、不定形耐火物用樹脂組成物の付着性をより向上させることができる。また、添加剤の含有率の上限を上記範囲とすることにより、初期の付着性と炭化強度を両立することができる。
不定形耐火物用樹脂組成物は硬化剤をさらに含んでもよい。硬化剤を併用することにより耐火物特性を更に向上させることができる。
硬化剤としては、ヘキサミンまたはレゾール型フェノール樹脂が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂と硬化剤の合計量に対して、硬化剤の含有率が、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、より好ましくは0.7質量%以上12質量%以下となるように、予め硬化剤とノボラック型フェノール樹脂、添加剤を混合粉砕すると、硬化剤の分散性が高くなり、より少ない配合量で高い硬化性が得られる。硬化剤の含有率がこれより低い場合は、硬化剤の充分な硬化性が得られない場合がある。また、硬化剤の含有率がこれより高くしても、硬化性への影響は少なく、コストアップになるため好ましくない。
硬化剤としては、ヘキサミンまたはレゾール型フェノール樹脂が挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂と硬化剤の合計量に対して、硬化剤の含有率が、好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、より好ましくは0.7質量%以上12質量%以下となるように、予め硬化剤とノボラック型フェノール樹脂、添加剤を混合粉砕すると、硬化剤の分散性が高くなり、より少ない配合量で高い硬化性が得られる。硬化剤の含有率がこれより低い場合は、硬化剤の充分な硬化性が得られない場合がある。また、硬化剤の含有率がこれより高くしても、硬化性への影響は少なく、コストアップになるため好ましくない。
以上説明した不定形耐火物用樹脂組成物によれば、炉壁などの、高温の被付着体に対する付着性を向上させることができ、ひいては、炉の補修の際に、炉が十分に冷えるまで待つ必要がないため、炉の補修に要する時間の短縮を図ることができる。
本実施形態の不定形耐火物用樹脂組成物を不定形耐火物用結合剤として用いる場合は、通常の方法を適用することができる。すなわち、アルミナ、マグネシア、輪状黒鉛などの耐火骨材と本実施形態の不定形耐火物用樹脂組成物とを所定の配合で混練することにより不定形耐火物を得ることができる。
当該不定形耐火物用樹脂組成物は、炉の補修の他、例えば流し込み施工される耐火物や、取り鍋、ノズル、混銑車などの補修に使用することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に記載する成分および配合量にしたがって、実施例1〜7、および比較例1の不定形耐火物用樹脂組成物を作製した。なお、表1に記載の成分の詳細は以下のとおりである。
ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト株式会社製、スミライトレジンPR−51794
レゾール型フェノール樹脂:住友ベークライト株式会社製、スミライトレジンPR−51794
ヘキサミン:ヘキサメチレンテトラミン
ポリビニルアルコール:けん化度=98〜99%、平均重合度=1700
ポリビニルブチラール:ブチラール化度=65mol%、平均分子量=40,000
ヒドロキシエチルセルロース:2%水溶液粘度=10,000mPa・s
NBRラテックス(アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス):未変性タイプ、ニトリル含有量=高
ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト株式会社製、スミライトレジンPR−51794
レゾール型フェノール樹脂:住友ベークライト株式会社製、スミライトレジンPR−51794
ヘキサミン:ヘキサメチレンテトラミン
ポリビニルアルコール:けん化度=98〜99%、平均重合度=1700
ポリビニルブチラール:ブチラール化度=65mol%、平均分子量=40,000
ヒドロキシエチルセルロース:2%水溶液粘度=10,000mPa・s
NBRラテックス(アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス):未変性タイプ、ニトリル含有量=高
(付着量測定)
300℃に加熱した鉄製金型に、不定形耐火物用樹脂組成物/マグネシア(重量比10/90)からなる配合物100gを落とし、1秒後に金型を反転させて、未付着分を落下させる。金型に付着した分を回収し、重量を測定して、(付着分g/100g)×100から付着率(%)を算出した。
300℃に加熱した鉄製金型に、不定形耐火物用樹脂組成物/マグネシア(重量比10/90)からなる配合物100gを落とし、1秒後に金型を反転させて、未付着分を落下させる。金型に付着した分を回収し、重量を測定して、(付着分g/100g)×100から付着率(%)を算出した。
表1に示すように、実施例1〜7の不定形耐火物用樹脂組成物にマグネシアを配合した配合物は、比較例1の不定形耐火物用樹脂組成物にマグネシアを配合した配合物に比べて300℃の鉄製金型に対する付着率が大幅に増加することが確認された。実施例1〜7の不定形耐火物用樹脂組成物を不定形耐火物に用いることにより、炉壁等の補修に要する時間を短縮することができると考えられる。
Claims (4)
- ノボラック型フェノール樹脂と、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ゴム系ラテックス、セルロール誘導体からなる群より選ばれる1種以上の添加剤と、
を含む不定形耐火物用樹脂組成物。 - 硬化剤をさらに含み、
前記ノボラック型フェノール樹脂と前記硬化剤との合計量に対する前記硬化剤の含有率が0.5質量%以上15質量%以下である請求項1に記載の不定形耐火物用樹脂組成物。 - 前記硬化剤がヘキサミンまたはレゾール型フェノール樹脂である請求項2に記載の不定形耐火物用樹脂組成物。
- 炉の補修に用いられる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の不定形耐火物用樹脂組成物。
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