JP2005213473A - 有機ケイ素重合体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、有機ケイ素重合体に係り、特に、炭化ケイ素セラミックスの前駆体として利用可能な有機ケイ素重合体に関する。
炭化ケイ素セラミックスを製造する手段の一つとして、有機ケイ素重合体を焼成して得る手段、いわゆる前駆体法が知られており、この有機ケイ素重合体としては、一般的にポリカルボシランやポリビニルシランが採用されている(例えば、特許文献1参照)。
これらの有機ケイ素重合体は、焼成後の炭化ケイ素の残存率(以下、炭化ケイ素収率と称す)及び炭素に対するケイ素の含有比率が高いが、単量体の合成やその重合が困難であるという問題があった。
この問題を解決する手段として、ポリカルボシランの出発原料であるジメチルジクロロシランを熱可塑性樹脂の側鎖に結合させた後、この熱可塑性樹脂の単量体を重合させて有機ケイ素重合体を得る手段が考えられる。しかしながら、このようにして得られた有機ケイ素重合体は、焼成後の炭化ケイ素収率が低く、炭化ケイ素セラミックスの前駆体としての利用ができなかった。
本発明は、容易に合成が可能で、焼成した際に十分な炭化ケイ素収率が得られる有機ケイ素重合体を提供することを課題とする。
本発明の有機ケイ素重合体は、側鎖のケイ素に少なくとも1つ以上の水素原子を導入したものであり、炭化ケイ素セラミックス前駆体として利用する上で十分な炭化ケイ素収率が得られるものである。すなわち、本発明の有機ケイ素重合体は、側鎖のケイ素原子に水素原子(Si−H基)を導入させることによって、焼成過程において炭素−炭素三重結合とSi−H基のヒドロシリル化反応が発生し、炭化ケイ素収率が向上するという効果を有するものである。
本発明の有機ケイ素重合体は、側鎖のケイ素原子上に少なくとも1つの水素原子と、それ以外として炭素数1〜5個のアルキル基を有するポリ(3−ブテン−1−イニルアルキルシラン)であり、好ましくは、ケイ素原子上に水素原子1つ、炭素数1〜5のアルキル基2つ有するものがよく、最も好ましくは、水素原子1つと、メチル基2つを有するポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)がよい。また、本発明の有機ケイ素重合体の重合度は、10〜5000であることが好ましい。
ポリ(3−ブテン−1−イニルアルキルシラン)は、一般式(化3)に示す構造の3−ブテン−1−イニルアルキルシランを重合して得られるものである。
(式中、R1〜R3のうち少なくとも1つが水素原子、残りは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
この3−ブテン−1−イニルアルキルシランの合成方法は、特に限定されるものではなく、例えば、反応式(化4)に示したように、3−ブテン−1−イニルマグネシウムクロリドを経由する方法が挙げられる。この方法は、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテル等の溶媒中で、1−ブテン−3−イン(別名モノビニルアセチレン、以下、MVAと称す)とエチルマグネシウムクロリドを反応させて3−ブテン−1−イニルマグネシウムクロリドを合成し、次いで、この3−ブテン−1−イニルマグネシウムクロリドとクロロアルキルシランをカップリングさせて、3−ブテン−1−イニルアルキルシランを得る方法である。
(式中、R1〜R3のうち少なくとも1つが水素原子、残りは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
また、反応式(化5)に示したように、3−ブテン−1−イニルリチウムを経由する方法で合成してもよい。この方法は、テトラヒドロフラン等の溶媒中で、MVAとアルキルリチウムを反応させて3−ブテン−1−イニルリチウムを合成し、次いで、この3−ブテン−1−イニルリチウムとクロロアルキルシランをカップリングさせて、3−ブテン−1−イニルアルキルシランを得る方法である。なお、この方法において使用するアルキルリチウムとしては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等が挙げられる。
(式中、R1〜R3のうち少なくとも1つが水素原子、残りは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
本発明の有機ケイ素重合体は、これら反応式(化4、化5)に示したように、単量体の合成原料としてクロロアルキルシランを用いるものである。クロロアルキルシランは、そのケイ素原子に結合させる水素原子の数が多くなると、クロロアルキルシラン自体が気体になって加水分解性や発火性が高くなってしまう。本発明のクロロアルキルシランにあっては、安全に単量体を合成するために、クロロアルキルシランのR1、R2、R3のうち少なくとも1つを炭素数1〜5のアルキル基とし、その気化を防止したものが好ましい。具体的には、3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(別名ジメチルシリルビニルアセチレン、DMSVA)、3−ブテン−1−イニルジエチルシラン(別名ジエチルシリルビニルアセチレン、DESVA)、3−ブテン−1−イニルジブチルシラン(別名ジプロピルシリルビニルアセチレン、DPSVA)、3−ブテン−1−イニルジブチルシラン(別名ジブチルシリルビニルアセチレン、DBSVA)、3−ブテン−1−イニルプロピルシラン(別名プロピルシリルビニルアセチレン、PSVA)、3−ブテン−1−イニルブチルシラン(別名ブチルシリルビニルアセチレン、BSVA)等が好ましい。これらの中でも、取り扱いやすさの点から、3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(DMSVA)が最も好ましい。
本発明の有機ケイ素重合体は、3−ブテン−1−イニルアルキルシランのラジカル重合またはアニオン重合によって得られるものであるが、ラジカル重合が、重合操作が容易であるため好ましい。ラジカル重合の場合には、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などのいずれでも良い。
これらラジカル重合に用いられる重合開始剤は、過酸化物、アゾ系化合物などの従来ラジカル重合において公知の重合開始剤から適宜選択すればよい。
過酸化物の一例を挙げれば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過酸化ナトリウム、過硫酸アンモニウム、イソブチリルパーオキサイド、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、サクシニックパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキサイド)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどがある。
アゾ系化合物の一例を挙げれば、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、1−[(シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジヒドレート、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)などがある。
連鎖移動剤は特に限定されるものではなく、通常クロロプレンの乳化重合に使用されるものが使用できるが、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。
重合停止剤(重合禁止剤)は特に限定するものでなく、例えば、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンなどが使用できる。
乳化重合の場合には、乳化剤及び/または分散剤が必要となる。この場合の乳化剤及び/または分散剤は特に限定するものではなく、各種アニオン型、ノニオン型、カチオン型が使用できる。アニオン型のものとしては、カルボン酸型、硫酸エステル型などがあり、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物などが挙げられる。ノニオン型の具体例としては、水溶性高分子、エーテル型、エステル型、ソルビタンエステル型、ソルビタンエステルエーテル型、アルキルフェノール型などがあり、例えば、ポリビニルアルコール及びその共重合体、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ソルビタンモノオレート等を挙げることができる。カチオン型の具体的としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アミン塩、芳香族4級アンモニウム塩等があり、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
乳化重合の場合、使用される乳化剤及び分散剤の添加量は、初期仕込み単量体の合計100質量部に対して、0.5質量部〜20質量部が好適である。0.5質量部未満では、乳化が不十分となり易く、20質量部より多いと、撹拌時の発泡が問題となったり、最終的な製品の特性に悪影響したりする可能性が考えられる。
溶液重合の場合に用いる有機溶剤は特に限定されない。具体的には、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられ、2種類以上の有機溶剤を混合しても良い。
重合時の重合温度は特に限定されるものではないが重合反応を円滑に行うために、重合温度を40〜80℃とすることが好ましい。40℃未満では重合速度が遅くなり生産性が低くなる可能性がある。80℃よりも高いとゲル化する場合があり好ましくない。
最終重合率は、特に限定するものではなく、任意に調節することができ、未反応の単量体は減圧加熱等の公知の方法によって除去でき、その方法は特に限定するものではない。
本発明の有機ケイ素重合体の重合度は特に制限されないものである。しかし、焼成前に様々な形状に加工することを考慮すれば、10〜5000であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
本実施例は、有機ケイ素重合体として、ポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)を例とした場合を示したものである。
[有機ケイ素重合体の調製]
300ml丸底フラスコに、3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(別名ジメチルシリルビニルアセチレン,DMSVA)70g(635mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬工業株式会社製)0.69g(2.79mmol)を仕込んだ。モノマー(DMSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.44mol%である。冷却環流管を取り付け、反応器を50℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。25時間後、反応液をメタノール500mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた。このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、48.2gのポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)を得た。収率(重合率)は69%であった。得られた精製PDMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
本実施例は、有機ケイ素重合体として、ポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)を例とした場合を示したものである。
[有機ケイ素重合体の調製]
300ml丸底フラスコに、3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(別名ジメチルシリルビニルアセチレン,DMSVA)70g(635mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬工業株式会社製)0.69g(2.79mmol)を仕込んだ。モノマー(DMSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.44mol%である。冷却環流管を取り付け、反応器を50℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。25時間後、反応液をメタノール500mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた。このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、48.2gのポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)を得た。収率(重合率)は69%であった。得られた精製PDMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
[分子量測定]
精製した有機ケイ素重合体(PDMSVA)のスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を、東ソー株式会社製HLC−8120GPCを用い、プレカラム:TSKガードカラムHHR−H、分析カラム:HSKgelGMHHR−H、サンプルポンプ圧:8.0〜9.0MPa、溶剤:テトラヒドロフラン(THF)、サンプル調整濃度0.1質量%で測定して得た。PDMSVAのスチレン換算の数平均分子量(Mn)は28000であり、分子量分布は1.8であった。数平均分子量(Mn)をモノマー分子量で割って求めた平均重合度は254であった。
精製した有機ケイ素重合体(PDMSVA)のスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を、東ソー株式会社製HLC−8120GPCを用い、プレカラム:TSKガードカラムHHR−H、分析カラム:HSKgelGMHHR−H、サンプルポンプ圧:8.0〜9.0MPa、溶剤:テトラヒドロフラン(THF)、サンプル調整濃度0.1質量%で測定して得た。PDMSVAのスチレン換算の数平均分子量(Mn)は28000であり、分子量分布は1.8であった。数平均分子量(Mn)をモノマー分子量で割って求めた平均重合度は254であった。
[FT−IRスペクトル測定]
精製した有機ケイ素重合体(PDMSVA)のTHF溶液をKRS板に塗布、乾燥してフーリエ変換赤外吸収(FT−IR)スペクトルを測定した。得られたスペクトルを図1に示す。ここで、890cm−1(Si−H)、1250cm−1(Si−CH3)2070cm−1(Si−H)、2090cm−1(−C≡C−)、2800−3000cm−1(−CH2−)を表したものである。
精製した有機ケイ素重合体(PDMSVA)のTHF溶液をKRS板に塗布、乾燥してフーリエ変換赤外吸収(FT−IR)スペクトルを測定した。得られたスペクトルを図1に示す。ここで、890cm−1(Si−H)、1250cm−1(Si−CH3)2070cm−1(Si−H)、2090cm−1(−C≡C−)、2800−3000cm−1(−CH2−)を表したものである。
[1H−NMRスペクトル測定]
精製した有機ケイ素重合体(PDMSVA)の1H−NMRスペクトルを測定し構造の同定を行った。測定は、精製した有機ケイ素重合体(PDMSVA)50mgを重クロロホルム0.8mlに溶解し、径5mmの試験管に入れ、日本電子株式会社製GSX−400を用いて、測定温度:30℃、ACQTM:2.730s、PD:4.271s、PW1:6.5usで測定した。得られたスペクトルを図2に示す。ここで、δ=0.1−0.4(−SiH(CH 3)2)、δ=1.4−1.9(−CH 2−)、δ=2.7−3.1(−CH−)、δ=4.1(Si−H)、δ=7.25(Solv.)を表したものである。なお、Hは、各ピークに相当する水素原子を表したものである。
精製した有機ケイ素重合体(PDMSVA)の1H−NMRスペクトルを測定し構造の同定を行った。測定は、精製した有機ケイ素重合体(PDMSVA)50mgを重クロロホルム0.8mlに溶解し、径5mmの試験管に入れ、日本電子株式会社製GSX−400を用いて、測定温度:30℃、ACQTM:2.730s、PD:4.271s、PW1:6.5usで測定した。得られたスペクトルを図2に示す。ここで、δ=0.1−0.4(−SiH(CH 3)2)、δ=1.4−1.9(−CH 2−)、δ=2.7−3.1(−CH−)、δ=4.1(Si−H)、δ=7.25(Solv.)を表したものである。なお、Hは、各ピークに相当する水素原子を表したものである。
[実施例2]
本実施例は、有機ケイ素重合体として、ポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)を例とした他の場合を示したものである。
[有機ケイ素重合体の調製]
300ml丸底フラスコの中で、純水77.9gに、ラウリル硫酸ナトリウム0.08g、過硫酸カリウム0.086g(0.32mmol)を溶解させた。続いて3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(DMSVA)7.0g(63.5mmol)と1−ドデカンチオール0.065g(0.32mmol)を添加した。冷却環流管を取り付けて、マグネットスターラーで乳化するまで撹拌した。反応器を60℃のオイルバスに17時間浸して重合反応を進行させた。得られたラテックスの固形分濃度(6.4質量%)から計算した重合率は75%であった。ラテックスの一部を−20℃で24時間凍結させ、24℃で24時間真空乾燥させた。乾燥ポリマーを50mlのトルエンに溶解させた後、このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、精製されたポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)を得た。得られた精製PDMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
本実施例は、有機ケイ素重合体として、ポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)を例とした他の場合を示したものである。
[有機ケイ素重合体の調製]
300ml丸底フラスコの中で、純水77.9gに、ラウリル硫酸ナトリウム0.08g、過硫酸カリウム0.086g(0.32mmol)を溶解させた。続いて3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(DMSVA)7.0g(63.5mmol)と1−ドデカンチオール0.065g(0.32mmol)を添加した。冷却環流管を取り付けて、マグネットスターラーで乳化するまで撹拌した。反応器を60℃のオイルバスに17時間浸して重合反応を進行させた。得られたラテックスの固形分濃度(6.4質量%)から計算した重合率は75%であった。ラテックスの一部を−20℃で24時間凍結させ、24℃で24時間真空乾燥させた。乾燥ポリマーを50mlのトルエンに溶解させた後、このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、精製されたポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)を得た。得られた精製PDMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
[分子量測定]
実施例1と同様の方法によって、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、平均重合度を測定した。数平均分子量(Mn)は24000、分子量分布は1.7、平均重合度は218であった。
実施例1と同様の方法によって、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、平均重合度を測定した。数平均分子量(Mn)は24000、分子量分布は1.7、平均重合度は218であった。
[実施例3]
本実施例は、有機ケイ素重合体として、ポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)を例とした更に他の場合を示したものである。
[有機ケイ素重合体の調製]
300ml丸底フラスコに、3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(DMSVA)70g(635mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬工業株式会社製)0.69g(2.79mmol)、トルエン105gを仕込んだ。モノマー(DMSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.44mol%である。冷却環流管を取り付け、反応器を50℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。25時間後、反応液をメタノール500mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた。このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、33.6gのポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)を得た。収率(重合率)は48%であった。得られた精製PDMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
本実施例は、有機ケイ素重合体として、ポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)を例とした更に他の場合を示したものである。
[有機ケイ素重合体の調製]
300ml丸底フラスコに、3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(DMSVA)70g(635mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬工業株式会社製)0.69g(2.79mmol)、トルエン105gを仕込んだ。モノマー(DMSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.44mol%である。冷却環流管を取り付け、反応器を50℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。25時間後、反応液をメタノール500mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた。このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、33.6gのポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)を得た。収率(重合率)は48%であった。得られた精製PDMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
[分子量測定]
実施例1と同様の方法によって、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、平均重合度を測定した。数平均分子量(Mn)は18000、分子量分布は1.6、平均重合度は163であった。
実施例1と同様の方法によって、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、平均重合度を測定した。数平均分子量(Mn)は18000、分子量分布は1.6、平均重合度は163であった。
[実施例4]
本実施例は、有機ケイ素重合体として、ポリ(3−ブテン−1−イニルブチルシラン)を例とした場合を示したものである。
[有機ケイ素重合体の調製]
300ml丸底フラスコに、3−ブテン−1−イニルブチルシラン(別名ブチルシリルビニルアセチレン、BSVA)69.1g(500mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬工業株式会社製)0.55g(2.21mmol)を仕込んだ。モノマー(BSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.44mol%である。冷却環流管を取り付け、反応器を50℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。25時間後、反応液をメタノール500mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた。このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、42.8gのポリ(3−ブテン−1−イニルブチルシラン)(PBSVA)を得た。収率(重合率)は62%であった。得られた精製PBSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
本実施例は、有機ケイ素重合体として、ポリ(3−ブテン−1−イニルブチルシラン)を例とした場合を示したものである。
[有機ケイ素重合体の調製]
300ml丸底フラスコに、3−ブテン−1−イニルブチルシラン(別名ブチルシリルビニルアセチレン、BSVA)69.1g(500mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬工業株式会社製)0.55g(2.21mmol)を仕込んだ。モノマー(BSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.44mol%である。冷却環流管を取り付け、反応器を50℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。25時間後、反応液をメタノール500mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた。このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、42.8gのポリ(3−ブテン−1−イニルブチルシラン)(PBSVA)を得た。収率(重合率)は62%であった。得られた精製PBSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
[分子量測定]
実施例1と同様の方法によって、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、平均重合度を測定した。数平均分子量(Mn)は30000、分子量分布は1.8、平均重合度は217であった。
実施例1と同様の方法によって、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、平均重合度を測定した。数平均分子量(Mn)は30000、分子量分布は1.8、平均重合度は217であった。
本発明の有機ケイ素重合体は、セラミックス前駆体として利用可能である。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019189491A1 (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-03 | 株式会社カネカ | 反応性ケイ素基含有重合体、および硬化性組成物 |
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2004
- 2004-02-02 JP JP2004025351A patent/JP2005213473A/ja active Pending
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