JP4014570B2 - 炭化ケイ素繊維の製造方法 - Google Patents
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本発明の有機ケイ素重合体は、一般式(化4)で表される構成単位からなる重合体である。
[ポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)の調製]
300ml丸底フラスコに、3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(別名ジメチルシリルビニルアセチレン,DMSVA)70g(635mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬工業株式会社製)0.69g(2.79mmol)を仕込んだ。モノマー(DMSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.44mol%である。冷却環流管を取り付け、反応器を50℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。25時間後、反応液をメタノール500mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた。このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、48.2gのポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)を得た。収率(重合率)は69%であった。得られた精製PDMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
精製したPDMSVAのスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社製)、プレカラム:TSKガードカラムHHR−H、分析カラム:HSKgelGMHHR−H、サンプルポンプ圧8.0〜9.0MPa、溶剤:テトラヒドロフラン(THF)、サンプル調整濃度0.1質量%で測定した。PDMSVAのスチレン換算の数平均分子量(Mn)は28000であり、分子量分布は1.8であった。数平均分子量(Mn)をモノマー分子量で割って求めた平均重合度は254であった。
底部に径1mmの穴を1つ空けた内径20mmの真鍮製ノズルに、PDMSVA2gを充填した。容器上部から窒素を流しながら、ノズルの内温を160℃まで加熱した。ノズル孔から繊維状で吐出したPDMSVAを、速度50m/minで巻き取って、前駆体繊維を得た。続いて、長さ50mm程度に切った前駆体繊維の束0.5gを、200メッシュのステンレス製金網にのせ、空気雰囲気の下、70℃で5時間加熱して、不融化繊維を得た。更に、不融化繊維をアルミナ製ルツボにのせて、シリコニット管状炉内で、窒素気流下、室温から1000℃まで昇温して焼成した。焼成の際の窒素流量は300ml/分、昇温速度は10℃/分である。1000℃到達後、室温になるまで自然冷却した後で管状炉から取り出した。得られた炭化ケイ素繊維を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図1に示したように、繊維径は40μmであった。
[ポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)の調製]
300ml丸底フラスコの中で、純水77.9gに、ラウリル硫酸ナトリウム0.08g、過硫酸カリウム0.086g(0.32mmol)を溶解させた。続いて3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(DMSVA)7.0g(63.5mmol)と1−ドデカンチオール0.065g(0.32mmol)を添加した。冷却環流管を取り付けて、マグネットスターラーで乳化するまで撹拌した。反応器を60℃のオイルバスに10時間浸して重合反応を進行させた。得られたラテックスの固形分濃度(6.4質量%)から計算した重合率は75%であった。ラテックスの一部を−20℃で24時間凍結させ、24℃で24時間真空乾燥させた。乾燥ポリマーを50mlのトルエンに溶解させた後、このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、精製されたポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)を得た。得られた精製PDMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
実施例1と同様の方法によって、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、平均重合度を測定した。数平均分子量(Mn)は24000、分子量分布は1.7、平均重合度は218であった。
底部に径1mmの穴を1つ空けた内径20mmの真鍮製ノズルに、PDMSVA2gを充填した。容器上部から窒素を流しながら、ノズルの内温を150℃まで加熱した。ノズル孔から繊維状で吐出したPDMSVAを、速度100m/minで巻き取って、前駆体繊維を得た。続いて、長さ50mm程度に切った前駆体繊維の束0.5gを、200メッシュのステンレス製金網にのせ、酸素雰囲気の下50℃で10時間加熱して不融化繊維を得た。更に、不融化繊維をアルミナ製ルツボにのせて、シリコニット管状炉内で、窒素気流下、室温から1000℃まで昇温して焼成した。焼成の際の窒素流量は300ml/分、昇温速度は10℃/分である。1000℃到達後、室温になるまで自然冷却した後で管状炉から取り出した。得られた炭化ケイ素繊維を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図2に示したように、繊維径は30μmであった。
[ポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)の調製]
300ml丸底フラスコに、3−ブテン−1−イニルジメチルシラン(DMSVA)70g(635mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬工業株式会社製)0.69g(2.79mmol)、トルエン105gを仕込んだ。モノマー(DMSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.44mol%である。冷却環流管を取り付け、反応器を50℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。25時間後、反応液をメタノール500mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた。このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、33.6gのポリ(3−ブテン−1−イニルジメチルシラン)(PDMSVA)を得た。収率(重合率)は48%であった。得られた精製PDMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
実施例1と同様の方法によって、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、平均重合度を測定した。数平均分子量(Mn)は18000、分子量分布は1.6、平均重合度は163であった。
底部に径0.5mmの穴を1つ空けた内径20mmの真鍮製ノズルに、PDMSVA2gを充填した。容器上部から窒素を流しながら、ノズルの内温を140℃まで加熱した。ノズル孔から繊維状で吐出したPDMSVAを、速度200m/minで巻き取って、前駆体繊維を得た。続いて、長さ50mm程度に切った前駆体繊維の束0.5gを、200メッシュのステンレス製金網にのせ、空気雰囲気の下、50℃で10時間加熱して、不融化繊維を得た。更に、不融化繊維をアルミナ製ルツボにのせて、シリコニット管状炉内で、窒素気流下、室温から1000℃まで昇温して焼成した。焼成の際の窒素流量は300ml/分、昇温速度は20℃/分である。1000℃到達後、室温になるまで自然冷却した後で管状炉から取り出した。得られた炭化ケイ素繊維を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図3に示したように、繊維径は20μmであった。
[ポリ(3−ブテン−1−イニルブチルシラン)(PBSVA)の調製]
300ml丸底フラスコに、3−ブテン−1−イニルブチルシラン(別名ブチルシリルビニルアセチレン、BSVA)69.1g(500mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬工業株式会社製)0.55g(2.21mmol)を仕込んだ。モノマー(BSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.44mol%である。冷却環流管を取り付け、反応器を50℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。25時間後、反応液をメタノール500mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた。このトルエン溶液をメタノール500mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlトルエンに溶解させた後、24℃で24時間減圧乾燥させ、42.8gのポリ(3−ブテン−1−イニルブチルシラン)(PBSVA)を得た。収率(重合率)は62%であった。得られた精製PBSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエンに可溶性であった。
実施例1と同様の方法によって、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、平均重合度を測定した。数平均分子量(Mn)は30000、分子量分布は1.8、平均重合度は217であった。
底部に径1.0mmの穴を1つ空けた内径20mmの真鍮製ノズルに、PBSVA2gを充填した。容器上部から窒素を流しながら、ノズルの内温を170℃まで加熱した。ノズル孔から繊維状で吐出したPBSVAを、速度200m/minで巻き取って、前駆体繊維を得た。続いて、長さ50mm程度に切った前駆体繊維の束0.5gを、200メッシュのステンレス製金網にのせ、酸素雰囲気の下、50℃で10時間加熱して、不融化繊維を得た。更に、不融化繊維をアルミナ製ルツボにのせて、シリコニット管状炉内で、窒素気流下、室温から1200℃まで昇温して焼成した。焼成の際の窒素流量は300ml/分、昇温速度は20℃/分である。1200℃到達後、室温になるまで自然冷却した後で管状炉から取り出した。得られた炭化ケイ素繊維を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−800)で観察したところ、図4に示したように、繊維径は12μmであった。
Claims (4)
- 有機ケイ素重合体が、R1〜R3のうち1つを水素原子、残りをメチル基としたものであることを特徴とする請求項1記載の炭化ケイ素繊維の製造方法。
- 前駆体繊維が、溶融紡糸によって得られたものであることを特徴とする請求項1または2記載の炭化ケイ素繊維の製造方法。
- 不融化繊維が、空気雰囲気または酸素雰囲気中で前駆体繊維を加熱して得られたものであることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の炭化ケイ素繊維の製造方法。
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