JP3907617B2 - 臭素化重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、臭素化重合体に係り、特に、難燃性成形材料や高分子難燃剤として利用できる臭素化重合体に関する。
臭素を含有する重合体は難燃性を有することが知られており、難燃性成形材料として利用されるほか、各種樹脂材料及びゴム材料に配合する高分子難燃剤として利用されている。
臭素化重合体を合成する方法には、臭素含有単量体を重合させる方法と、共役ジエン系重合体の不飽和結合に臭素を付加させる方法がある。前者の方法は、臭素含有単量体が高価であることや高収率で重合することが比較的困難であることなどの問題があるため、後者の方法が多く採用されている。
しかしながら、共役ジエン系重合体から定量的に高臭素含有量の臭素化重合体を得るためには、苛酷な反応条件で臭素化させる必要があり、設備や工程が大掛かりなものになってしまう。この点を解決させるために、例えば、ポリブタジエン及びブタジエン−イソプレン共重合体を少量塩素存在下で臭素化する方法(例えば、特許文献1参照)、共役ジエン系重合体をラテックス状態で臭素化する方法(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
特開昭50−82194 特開昭51−25591
本発明の課題は、従来技術よりも容易な操作、温和な反応条件によって製造可能な高臭素含有量の臭素化重合体を提供することにある。
本発明は、ポリ(4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−イン)が有する側鎖の炭素−炭素三重結合を臭素化して得られた臭素化重合体である。
重合体溶液に臭素を添加するという容易な操作、温和な反応条件によって、定量的に高臭素含有量の臭素化重合体を合成することができる。
本発明の臭素化重合体は、4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−インを重合して得られるポリ(4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−イン)に臭素を付加して得られるものである。ここで、炭素−炭素三重結合の臭素化率は、40%〜100%が好ましい。また、臭素含有量は、30質量%〜60質量%が好ましい。
本発明のポリ(4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−イン)(以下、PTMSVAと称す)は、4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−イン(別名トリメチルシリルビニルアセチレン、以下、TMSVAと称す)を重合して得られるものである。
TMSVAは、高収率で合成するために、1−ブテン−3−イン(別名モノビニルアセチレン、以下、MVAと称す)を出発原料として製造することが好ましい。具体的には、MVAと、エチルマグネシウムクロリドをテトラヒドロフラン溶液中で反応させ、MVAのグリニャール試薬を生成させ、そこにクロロトリメチルシランをのカップリング反応させて、TMSVAを合成すれば良い。
TMSVAの重合方法は、アニオン重合またはラジカル重合であるが、ラジカル重合の方が重合操作が容易であるために好ましい。ラジカル重合の場合には、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などのいずれでも良い。ラジカル重合開始剤は、過酸化物、アゾ系化合物などの従来ラジカル重合において公知の重合開始剤から適宜選択すれば良い。
過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過酸化ナトリウム、過硫酸アンモニウム、イソブチリルパーオキサイド、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、サクシニックパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、4−メチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキサイド)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどがある。
アゾ系化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、1−[(シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェートジヒドレート、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)などがある。
乳化重合の場合には、乳化剤及び/または分散剤が必要となる。この場合の乳化剤及び/または分散剤は特に限定するものではなく、各種アニオン型、ノニオン型、カチオン型のものが使用できる。アニオン型のものとしては、カルボン酸型、硫酸エステル型などがあり、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、炭素数が8〜20個のアルキルスルホネート、アルキルアリールサルフェート、ナフタリンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドとの縮合物などが挙げられる。ノニオン型のものとしては、水溶性高分子、エーテル型、エステル型、ソルビタンエステル型、ソルビタンエステルエーテル型、アルキルフェノール型などがあり、例えば、ポリビニルアルコール及びその共重合体、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアレート、ソルビタンモノオレート等を挙げることができる。カチオン型のものとしては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アミン塩、芳香族4級アンモニウム塩等があり、例えば、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。
乳化重合の場合、使用される乳化剤及び分散剤の添加量は、初期仕込み単量体の合計100質量部に対して、0.5質量部〜20質量部が好適である。0.5質量部未満では、乳化が不十分となり易く、20質量部より多いと、撹拌時の発泡が問題となったり、最終的な製品の特性に悪影響をおよぼす可能性がある。
溶液重合の場合に用いる有機溶剤は特に限定されない。具体的には、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが挙げられ、これらの単体だけでなく2種類以上の有機溶剤を混合して用いても良い。
連鎖移動剤の種類は特に限定されるものではなく、通常クロロプレンの乳化重合に使用されるものが使用できるが、例えばn−ドデシルメルカプタンやtert−ドデシルメルカプタン等の長鎖アルキルメルカプタン類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドやジエチルキサントゲンジスルフィド等のジアルキルキサントゲンジスルフィド類、ヨードホルム等の公知の連鎖移動剤を使用することができる。
重合停止剤(重合禁止剤)は特に限定するものでなく、例えば、2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンなどが使用できる。
重合時の重合温度は特に限定されるものではないが重合反応を円滑に行うために、重合温度を40〜80℃とすることが好ましい。40℃未満では重合速度が遅くなり生産性が低くなる可能性がある。80℃よりも高いとゲル化する場合があり好ましくない。
最終重合率は、特に限定するものではなく、任意に調節することができ、未反応の単量体は減圧加熱等の公知の方法によって除去でき、その方法は特に限定するものではない。
本発明に用いるPTMSVAの分子量は特に制限されない。しかし、臭素の付加反応を円滑に進行させるために、GPC法(ゲル透過クロマトグラフィー)で測定するスチレン換算の数平均分子量が、10000〜80000であることが好ましい。
本発明における臭素化反応は、PTMSVAを有機溶剤に溶解させた後、このPTMSVA溶液に臭素を添加して所定時間撹拌すれば進行する。
反応溶媒としての有機溶剤は特に限定しない。PTMSVAは、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、N−メチル−2−ピロリドンなどに溶解するので、これらの中から選択することが好ましい。PTMSVAの溶解する際の濃度は、1質量%〜30質量%が好ましい。1質量%未満では臭素化重合体の精製回収が困難になり、30質量%より高いと系の粘度が高くなり撹拌が困難になる恐れがある。
反応系は遮光した方が良い。強い光に曝された場合に、PTMSVAのメチレン鎖の水素が臭素と置換したり、溶剤分子と臭素が反応したりして、臭素化率の制御が困難になる可能性がある。
反応温度は10℃〜70℃が好ましい。PTMSVAの臭素化反応は室温で緩やかに進行するため、10℃未満に冷却する必要性は殆どない。反応温度が70℃より高いと、PTMSVA及び臭素化重合体がゲル化する可能性がある。
本発明の臭素化重合体は次の構造式a〜cで表した結合単位を有する共重合体である。ここで、構造式aは臭素が付加していない結合単位、構造式bは臭素原子が2個付加した結合単位、構造式cは臭素原子が4個付加した結合単位である。なお、実際には、立体障害のため1つの三重結合に4個の臭素原子が付加することは起こりにくく、cで表される結合単位は殆ど生成しない可能性がある。
Figure 0003907617
本発明の臭素化率とは、構造式aで表された結合単位が、構造式b及び/または構造式cで表された結合単位に転化する割合のことであり、下式によって算出されるものである。
臭素化率(%)={(y+z)/(x+y+z)}×100
ここで、x、y、zは、それぞれの結合単位の繰り返し数を表したものである。
臭素化率は、臭素の添加量と反応温度と反応時間によって制御することができる。本発明における臭素化率は、40%〜100%であることが好ましい。難燃剤としての用途を考えた場合、40%以上臭素化することが好ましい。
臭素化率は、13C−NMRのNNE定量モードを用いて、臭素原子が付加した炭素原子のピークと、原料PTMSVAの炭素−炭素三重結合の炭素原子のピーク積分比から求めることができる。
臭素含有量は、臭素化重合体中の臭素含有量を質量%で表した値である。本発明における臭素含有量は30質量%〜60質量%であることが好ましい。難燃剤としての用途を考えた場合、臭素を30質量%以上含有することが好ましいが、60質量%以上臭素を付加させることは技術的に困難である。
本発明において、臭素含有量は、酸素フラスコ燃焼法で測定する。酸素フラスコ燃焼法とは、酸素で満たしたフラスコ中に白金製のバスケットを置き、バスケット内に濾紙に包んだ臭素化重合体を入れて、酸素雰囲気下で燃焼させ、含有臭素を無機臭素として、水性吸収液に吸収させた後、臭化物イオンに変え、滴定やイオンクロマトグラフィーによって臭素含有量を定量する方法である。酸素フラスコ燃焼法は、塩素含有樹脂中の塩素を定量する方法として、JIS K7229で標準化されている。基本的な装置及び燃焼操作や吸収操作は、JIS K7229に準拠すれば良い。臭素化重合体を燃焼させて水性吸収液に吸収させると、含有臭素は臭化物イオン(Br)または臭素酸イオン(BrO )に変わる。吸収液に還元剤としてヒドラジンを添加しておくと臭素酸イオンが還元されるため、臭化物イオンだけをイオンクロマトグラフィーで定量すれば精度よく定量することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
[ポリ(4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−イン)(PTMSVA)の調製]
100mlガラス製ナス形フラスコに、4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−イン(TMSVA)60g(483mmol)と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65/和光純薬化学工業株式会社製)1.0g(4mmol)を仕込んだ。モノマー(TMSVA)に対するラジカル重合開始剤の濃度は0.83mol%である。冷却還流管を取り付け、反応器を60℃のオイルバスに浸し、マグネットスターラーで撹拌した。5.5時間後、反応液をメタノール400mlに注ぎ、ポリマーを沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlベンゼンに溶解させた。このベンゼン溶液をメタノール400mlと混合して、再度沈殿させた。デカンテーションによって沈殿を取り出し、50mlベンゼンに溶解させた後、−20℃で24時間凍結させ、24℃で24時間真空乾燥させ、38.4gのポリ(4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−イン)(PTMSVA)を得た。収率(重合率)は64%であった。得られた精製PTMSVAは、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエン、ヘキサンに可溶性であった。
[PTMSVAの分子量測定]
精製したPTMSVAのスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社製)、プレカラム:TSKガードカラムHHR−H、分析カラム:HSKgelGMHHR−H、サンプルポンプ圧:8.0〜9.5MPa、サンプル調整濃度0.1質量%で測定した。PTMSVAのスチレン換算の数平均分子量(Mn)は32000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。
[臭素化重合体の調製]
200ml三角フラスコ中で、ベンゼン80mlに、PTMSVAを1.24g(三重結合として10mmol)溶解させた。完全に溶解した後、臭素(和光純薬工業株式会社製)を1.60g(10mmol)を仕込んだ。密栓後、三角フラスコ全体をアルミ箔で覆って遮光し、マグネットスターラーで撹拌しながら、24℃の下、4時間反応させた。反応後、反応液を200mlナス形フラスコに移して、エバポレーターで反応液を濃縮した。濃縮した反応液を、メタノール400mlを入れたビーカーに注いで臭素化重合体を沈殿させた。デカンテーションによってメタノールを捨て、沈殿した臭素化重合体をベンゼン20mlに溶解させた。溶解させた後、再びメタノール400mlを注いで沈殿させた。デカンテーションによってメタノールを捨てて、得られた沈殿を20mlベンゼンに溶解させた後、−20℃で24時間凍結させ、24℃で24時間真空乾燥させた。
[臭素化重合体の分子量測定]
精製した臭素化重合体のスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社製)、プレカラム:TSKガードカラムHHR−H、分析カラム:HSKgelGMHHR−H、サンプルポンプ圧:8.0〜9.5MPa、サンプル調整濃度0.1質量%で測定した。結果を表1に示す。
[臭素化重合体の臭素化率の測定]
13C−NMRによって臭素化率を測定した。臭素化重合体200mgを重クロロホルム0.8mlに溶解し、径5mmの試料管に入れ、装置:GSX−400(日本電子株式会社製)を用いて、測定温度:30℃、スピン:12Hz、測定モード:SGNNE、ACQTM:1.347s、PD:8.644s、PW1=4.2usで測定した。結果を表1に示す。
[臭素化重合体の臭素含有量の測定]
酸素フラスコ燃焼装置は、JIS K7229に準じ、白金バスケット、点火用白金コイル及び導線が付いたすり合わせ共栓付きの内容積500mlのフラスコを用いた。共栓部にはコック付きのメスシリンダーを取り付けた。まず、臭素化重合体5.0mgを濾紙に包み、フラスコ内の白金バスケットに装着した。続いてフラスコ内に吸収液として2mmol/l水酸化ナトリウム水溶液10mlと10質量%ヒドラジン一水和物水溶液100μlを入れて、フラスコ内を3分間酸素置換した。その後、白金導線に通電して、白金バスケット内で試料を濾紙と一緒に完全燃焼させた。燃焼後、フラスコを氷水中で5分間冷却した。純水をメスシリンダーからフラスコ内に15ml添加して、フラスコ内の曇りが無くなるまで冷却した。純水で50mlにメスアップして、イオンクロマトグラフィーで臭化物イオンを定量した。イオンクロマトグラフィーは、装置:IC−320J(ダイオネクス社製)、カラム:Ionpac AG11HC、サプレッサー:ASRA(100mA)、溶離液:水酸化カリウム水溶液(30mmol/l)、流量:1.2ml/min、注入量:25μl、除去液:純水で測定した。臭化物イオン標準液(1000ppm)(和光純薬工業株式会社製)で濃度とピーク面積の検量線を作成しておき、この検量線を用いて、試料溶液のピーク面積から試料溶液中の臭化物イオン濃度C(mg/L)を求めた。臭素化重合体の臭素含有量(質量%)は下式から求めた。臭素含有量の測定結果を表1に示す。
臭素含有量(質量%)={(C×0.05)/5}×100
C:検量線より求めた試料溶液中の臭化物イオン濃度(mg/L)
0.05:試料溶液の定容量(L)
5.0:燃焼させた試料量(mg)
[実施例2]
反応温度を50℃、反応時間を24時間に変更した以外は、実施例1と同じ条件で臭素化実験を実施した。実施例1と同じ方法によって、分子量と臭素化率及び臭素含有率を測定した。結果を表1にまとめて示す。
[実施例3]
臭素添加量を0.64g(4mmol)、反応時間を24時間にした以外は、実施例1と同じ条件で臭素化実験を実施した。実施例1と同じ方法によって、分子量と臭素化率及び臭素含有率を測定した。結果を表1にまとめて示す。
Figure 0003907617
本発明の臭素化重合体は、難燃性成形材料や高分子難燃剤として利用可能である。

Claims (3)

  1. ポリ(4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−イン)を臭素化して得られる臭素化重合体。
  2. ポリ(4−トリメチルシリル−1−ブテン−3−イン)が有する側鎖の炭素−炭素三重結合の臭素化率が40%〜100%であることを特徴とする、請求項1記載の臭素化重合体。
  3. 臭素含有量が30質量%〜60質量%であることを特徴とする、請求項1又は2記載の臭素化重合体。
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