JP5092367B2 - 含フッ素弾性共重合体の製造方法および架橋フッ素ゴム - Google Patents
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Description
重合体、およびその含フッ素弾性共重合体を架橋して得られる架橋フッ素ゴムに関する。
体、テトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフ
ルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体等が知られている。
これらの含フッ素弾性共重合体は、耐熱性や耐薬品性に優れることから、通常の材料が
耐えられないような過酷な環境に適用されている。しかし、これらの含フッ素弾性共重合
体は、反応性に乏しいため架橋反応性や他材料との接着性が充分でなく、従来より反応性
官能基を導入し、反応性を向上する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。
)。
理特性を発現する必要がある。そのため、含フッ素弾性共重合体においても分子の中に架
橋反応性の官能基が導入されている。フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン系共
重合体については、反応性官能基としては、ヨウ素原子(例えば、非特許文献1を参照。
)や不飽和結合(例えば、特許文献2を参照。)が提案されているが、その効果は充分で
はなかった。
耐アミン性や耐高温蒸気性に優れるテトラフルオロエチレン/プロピレン系共重合体(例
えば、特許文献3を参照。)については、CF2=CFOCF=CFCF3、CF2=C
FOCF2CF(CF3)OCF=CFCF3、CF2=CFCF2CF=CFCF3な
どの架橋反応性の官能基を含有するモノマーを共重合する方法(例えば、特許文献2を参
照。)が提案されたが、その効果は充分ではなかった。
そこで、煩雑な工程を経ないで、フッ素ゴム分子中に架橋反応性の官能基を導入した架
橋反応性の優れた含フッ素弾性共重合体の開発および該含フッ素共重合体の効率的な製造
方法が要請されている。
優れた含フッ素弾性共重合体、およびそれを架橋して得られる架橋ゴム物性に優れた架橋
フッ素ゴムを提供することにある。
また、本発明は、上記含フッ素弾性共重合体の製造方法において、前記ビニルエステルモノマー(b)がメタクリル酸ビニルおよびクロトン酸ビニルからなる群より選ばれる少なくとも1種である含フッ素弾性共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記含フッ素弾性共重合体の製造方法において、前記含フッ素モノマー(a)がテトラフルオロエチレンであり、前記炭化水素モノマー(c)がプロピレンで
あり、前記含フッ素弾性共重合体における、前記含フッ素モノマー(a)に基づく繰り返
し単位(l)と前記炭化水素モノマー(c)に基づく繰り返し単位(n)の含有割合が(
n)/(l)=40/60〜60/40(モル比)である含フッ素弾性共重合体の製造方
法を提供する。
また、本発明は、上記含フッ素弾性共重合体の製造方法において、前記pHが1〜8である含フッ素弾性共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記含フッ素弾性共重合体の製造方法において、乳化重合時のpHが1〜8である含フッ素弾性共重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記の含フッ素弾性共重合体の製造方法により得られたものであることを特徴とする含フッ素弾性共重合体を提供する。
また、本発明は、上記の含フッ素弾性共重合体の製造方法により得られた含フッ素弾性共重合体を架橋させてなることを特徴とする架橋フッ素ゴムを提供する。
以下、含フッ素モノマーにおいて、テトラフルオロエチレンをTFE、ヘキサフルオロプロピレンをHFP、フッ化ビニリデンをVdF、CF2=CF−O−RfをPAVE、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)をPMVE、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)をPPVE、という。
前記ビニルエステルモノマーとしては、R2及びR3が水素原子であることが好ましい。具体例としては、R1がメチル基でありR2及びR3が水素原子であるクロトン酸ビニル、R1、R2及びR3が水素原子であるメタクリル酸ビニルが好ましく、クロトン酸ビニルがより好ましい。ビニルエステルモノマー(b)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ビニルエステルモノマーは、炭素−炭素不飽和二重結合を2つ持っているので、一方の炭素−炭素不飽和二重結合が含フッ素モノマーとの共重合に使用され、他の炭素−炭素不飽和二重結合は架橋反応に供するために、含フッ素弾性共重合体に残存する。
なお、ここで、(c)/(a)の使用量の割合とは、重合の進行にしたがって、重合槽に追加仕込みするモノマーの使用量の割合を表す。これは、生成する含フッ素弾性共重合体の共重合組成に対応する比率となる。ただし、重合場においては、(a)と(c)のモノマー反応性比を考慮して、初期の仕込みモノマー(c)/(a)の使用量の割合を設定する。たとえば、モノマー(a)がTFEであり、モノマー(c)がPの場合には、初期仕込み割合を(c)/(a)=15/85(モル比)に、使用量の割合を(c)/(a)=44/56(モル比)に設定することにより、(c)に基づく繰り返し単位/(a)に基づく繰り返し単位=約44/55(モル比)の共重合組成の含フッ素弾性共重合体が得られる。
乳化重合は、乳化剤の存在下に水性媒体中で行なう重合であり、開始反応には、ラジカル重合開始剤、レドックス重合開始剤、熱、放射線等を用いることができる。
tert−ブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。水性媒体が水溶性有機溶媒を含有する場合には、その含有量は、水の100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。
乳化剤の含有量は、水性媒体の100質量部に対して、0.01〜15質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
重合開始剤の含有量は、共重合に用いるモノマーに対して0.0001〜3質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。
アルコール類としては、メタノール、エタノール等の1級アルコール類、1−メチルプロパノール、1−メチルブタノール、1−メチルペンタノール、1−メチルヘキサノール、1−メチルヘプタノール、1−エチルヘキサノール、1−プロピルペンタノール等の2級アルコール類等が挙げられる。
メルカプタン類としては、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン等が挙げられる。
クロロフルオロハイドロカーボン類としては、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等が挙げられる。
Rf2I2としては、1,4−ジヨードパーフルオロブタン等が挙げられる。また、Rf2IBrとしては、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン等が挙げられる。
乳化重合時のpHおよび凝集時の含フッ素弾性共重合体ラテックスのpHを上記範囲に調整する方法としては、pHを上げるには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基を添加する方法が挙げられ、pHを下げるには、硫酸、塩酸、硝酸などの酸を添加する方法が挙げられる。
なお、pHの調整には、炭酸水素ナトリムなどのpH緩衝剤を添加することもできる。
本発明の製造方法により製造される含フッ素弾性共重合体は、含フッ素モノマー(a)に基づく繰り返し単位(l)、ビニルエステルモノマー(b)に基づく繰り返し単位(m)、及び必要に応じて、炭化水素モノマー(c)に基づく繰り返し単位(n)を含有する含フッ素弾性共重合体である。
含フッ素弾性共重合体においては、繰り返し単位比(n)/(l)は1/99〜70/30(モル比)であることが好ましく、30/70〜70/30(モル比)がより好ましく、60/40〜40/60(モル比)がさらに好ましい。この範囲にあると、含フッ素弾性共重合体は、架橋ゴム物性に優れ、耐熱性および耐薬品性、低温特性が良好である。
含フッ素モノマーの1種を用いている含フッ素弾性共重合体としては、TFE/P系共重合体、E/PAVE系共重合体、E/HFP系共重合体等が挙げられる。TFE/P系共重合体が好ましい。
含フッ素弾性共重合体としては、TFE/P系共重合体、TFE/P/VdF系共重合体、VdF/HFP系共重合体、TFE/VdF/HFP系共重合体、TFE/PPVE系共重合体、TFE/PMVE/PPVE系共重合体が好ましい。
TFE/P系共重合体においてTFEに基づく繰り返し単位/Pに基づく繰り返し単位=40/60〜60/40(モル比)、
TFE/P/VdF系共重合体においてTFEに基づく繰り返し単位/Pに基づく繰り返し単位/VdFに基づく繰り返し単位=40〜60/60〜40/1〜10(モル比)、VdF/HFP系共重合体においてVdFに基づく繰り返し単位/HFPに基づく繰り返し単位=20/80〜95/5(モル比)、
TFE/PAVE系共重合体においてTFEに基づく繰り返し単位/PAVEに基づく繰り返し単位=40/60〜70/30(モル比)、
TFE/PMVE系共重合体においてTFEに基づく繰り返し単位/PMVEに基づく繰り返し単位=40/60〜70/30(モル比)、
TFE/PMVE/PPVE系共重合体においてTFEに基づく繰り返し単位/PMVEに基づく繰り返し単位/PPVEに基づく繰り返し単位=40〜70/3〜57/3〜57(モル比)、
VdF/PAVE系共重合体においてVdFに基づく繰り返し単位/PAVEに基づく繰り返し単位=60/40〜95/5(モル比)、
E/PAVE系共重合体においてEに基づく繰り返し単位/PAVEに基づく繰り返し単位=40/60〜60/40(モル比)、
E/HFP系共重合体においてEに基づく繰り返し単位/HFPに基づく繰り返し単位=40/60〜60/40(モル比)。
上記灰分を少なくすることより、架橋フッ素ゴムの薬液への溶出分を著しく減少させることができる。
本発明において、架橋は、加熱による架橋、放射線照射による架橋などが好ましい。照射する放射線としては、電子線、紫外線などが挙げられる。
架橋を行う際の操作は、従来通常使用されている操作を採用し得る加熱架橋時の温度は、通常60〜250℃程度、好ましくは120〜200℃程度が採用され得る。
加熱架橋は、通常、含フッ素弾性共重合体に、架橋剤、架橋助剤等を配合して配合物とし、成形し、加熱することにより行なわれる。
有機過酸化物の具体例としては、ジtert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシソプロピルカーボネート等が挙げられる。ジアルキルパーオキシド類が好ましい。
架橋助剤の含有量は、含フッ素弾性共重合体100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。この範囲にあると強度と伸びのバランスのとれた架橋ゴム物性が得られる。
なお、含フッ素弾性共重合体の共重合組成、ムーニー粘度及び架橋フッ素ゴムの物性、凝集作業性、灰分分析は、以下の方法により測定した。なお、以下において、酸性重合はpHが7未満の酸性条件下での重合を、中性重合はpHが7の中性条件下での重合を、塩基性重合はpHが7超の塩基性条件下の重合を、酸性凝集はpHが7未満の酸性条件下の凝集を、中性凝集はpHが7の中性条件下での凝集を、塩基性凝集はpHが7超の塩基性条件下の凝集を、意味する。
[含フッ素弾性共重合体の共重合組成]
含フッ素弾性共重合体を重水素化テトラヒドロフランに溶解し、13C−NMRを測定して共重合組成を分析した。
JIS K6300に準じて、直径38.1mm、厚さ5.54mmの大ローターを用い、100℃で、予熱時間を1分、ローター回転時間を4分に設定して測定された粘度を示す。値が大きい程、間接的に高分子量であることを示す。
含フッ素弾性共重合体の100質量部に対して、カーボンブラックの25質量部、トリアリルイソシアヌレートの3質量部、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ社製パーカドックス14)の1質量部を2本ロールで混練し、170℃の熱プレスで20分間一次架橋を実施し、200℃のオーブン内で4時間の2次架橋を行った。得られた架橋フッ素ゴムの引張強さ及び破断伸びはJIS K6251に準じて測定した。また、硬度はJIS K6253に準じて測定した。
上記架橋フッ素ゴムの物性の欄で記載した架橋条件と同様な架橋条件で、含フッ素弾性共重合体を架橋し、JIS K6262に準じて、円柱状試験片(直径29mm、厚さ12.5mm)を作成し、その試験片を用いて圧縮率25%、試験温度200℃、試験時間70時間の条件にて試験をおこなった。試験終了後に室温にて30分静置後、該試験片の厚みを測定して、試験前の厚みとの差の比率を百分率で算出した。この値が小さいほど良好なゴム物性を示している。
含フッ素弾性共重合体ラテックスを塩化カルシウムの1.5質量%水溶液に添加して、塩析により含フッ素弾性共重合体ラテックスを凝集させる作業において、凝集物と凝集液とをろ別するのに要する時間を指標とする。固形分濃度約20質量%の含フッ素弾性共重合体ラテックスの約2200gを塩化カルシウムの1.5質量%水溶液の約3300gに添加し含フッ素弾性共重合体を析出させた後、凝集物と凝集液の全量をろ紙でろ別し、ろ別が終わるまでの時間を測定した。この時間が短いほど凝集時の作業性が良好である。ろ紙はJIS P 3801に規定される1種に相当する厚さ0.2mm直径330mmのものを使用した。○は1分未満で作業性に優れることを、×は1分以上で作業性が不充分であることを示す。
乾燥した含フッ素弾性共重合体の約1.0gを白金るつぼに量り取り、700℃に保った電気炉(ヤマト科学製)に入れて15分間加熱することにより含フッ素弾性共重合体由来の揮発性熱分解物を十分に揮散させた。白金るつぼに残った残存分の質量を秤り、以下の式によって灰分を算出した。
灰分(質量%)=加熱後残存分の質量(g)/加熱前乾燥ポリマーの質量(g)×100この灰分の値が小さいほど含フッ素弾性共重合体に含まれる金属分量が少ないことを示す。
残存灰分をエネルギー分散型分析装置(OXFORD製:ISIS300)を用い蛍光X線強度測定を行った。その検出される蛍光波長より元素種、蛍光強度より各元素の含有率を求めた。各元素の標準サンプルの蛍光強度比と質量比の関係から灰分に含まれる元素の質量%を算出した。
(酸性重合−酸性凝集)
撹拌用アンカー翼を備えた内容積3200mLのステンレス製耐圧反応器を脱気した後、1600gのイオン交換水、97gのtert−ブタノール、9gのラウリル硫酸ナトリウムの均一混合液を加えた。該均一混合液のpHは7.0であった。ついで、該反応器内溶液を80℃に昇温させ、あらかじめ調製しておいたTFE/P=85/15(モル比)のモノマー混合ガスを、反応器内圧が2.50MPaGになるように圧入した。アンカー翼を300rpmで回転させ、過硫酸アンモニウムの10質量%水溶液を25g添加し、重合反応を開始させた。
(塩基性重合−酸性凝集)
撹拌用アンカー翼を備えた内容積3200mLのステンレス製耐圧反応器を脱気した後、1600gのイオン交換水、97gのtert−ブタノール、9gのラウリル硫酸ナトリウム、1.5gの水酸化ナトリウム、42gのリン酸水素ナトリウムを加えた。pHは11.5であった。ついで、80℃で、TFE/P=85/15(モル比)のモノマー混合ガスを、反応器内圧が2.50MPaGになるように圧入した。アンカー翼を300rpmで回転させ、過硫酸アンモニウムの10質量%水溶液を25g添加し、重合反応を開始させた。
硫酸により該ラテックスの2205gのpHを2.0に調整した後、塩化カルシウムの1.5質量%水溶液の3307gに添加して、塩析によりラテックスを凝集させ、TFE/P/クロトン酸ビニル共重合体を析出させた。該共重合体をろ別し、イオン交換水により洗浄し、100℃のオーブンで12時間乾燥させ、白色のTFE/P/クロトン酸ビニル共重合体の398gを得た。
(中性重合−中性凝集)
撹拌用アンカー翼を備えた内容積3200mLのステンレス製耐圧反応器を脱気した後、1600gのイオン交換水、97gのtert−ブタノール、9gのラウリル硫酸ナトリウム、8.0gの亜硫酸アンモニウムを加えた。この時点での溶液のpHは7.0であった。ついで、40℃で、TFE/P=85/15(モル比)のモノマー混合ガスを、反応器内圧が2.50MPaGになるように圧入した。アンカー翼を300rpmで回転させ、過硫酸アンモニウムの10質量%水溶液を添加し、重合反応を開始させた。以降、過硫酸アンモニウム10質量%水溶液を高圧ポンプを用いて連続的に添加した。
該共重合体の赤外スペクトルには、約1700cm−1に炭素−炭素二重結合に基づく吸収が確認された。該共重合体の組成は、TFEに基づく繰り返し単位/Pに基づく繰り返し単位/クロトン酸ビニルに基づく繰り返し単位=55.6/44.4/0.19(モル比)であった。ムーニー粘度は、157であった。該TFE/P/クロトン酸ビニル共重合体の架橋フッ素ゴム物性を表1に示す。
(塩基性重合―塩基性凝集)
撹拌用アンカー翼を備えた内容積3200mLのステンレス製耐圧反応器を脱気した後、1600gのイオン交換水、97gのtert−ブタノール、9gのラウリル硫酸ナトリウム、1.5gの水酸化ナトリウム、42gのリン酸水素ナトリウムを加えた。pHは11.5であった。ついで、80℃で、TFE/P=85/15(モル比)のモノマー混合ガスを、反応器内圧が2.50MPaGになるように圧入した。アンカー翼を300rpmで回転させ、過硫酸アンモニウムの10質量%水溶液を25g添加し、重合反応を開始させた。
pH9.5の該ラテックスの2207gを塩化カルシウムの1.5質量%水溶液の3310gに添加して、塩析によりラテックスを凝集させ、TFE/P/クロトン酸ビニル共重合体を析出させた。該共重合体をろ別し、イオン交換水により洗浄し、100℃のオーブンで12時間乾燥させ、白色のTFE/P/クロトン酸ビニル共重合体の397gを得た。
該共重合体の赤外スペクトルには、1700cm−1付近に炭素−炭素二重結合に基づく吸収が確認された。該共重合体の組成は、TFEに基づく繰り返し単位/Pに基づく繰り返し単位/クロトン酸ビニルに基づく繰り返し単位=55.4/44.6/0.39(モル比)であった。ムーニー粘度は、131であった。該TFE/P/クロトン酸ビニル共重合体の架橋フッ素ゴム物性を表1に示す。
(塩基性重合−塩基性凝集)
撹拌用アンカー翼を備えた内容積3200mLのステンレス製耐圧反応器を脱気した後、1600gのイオン交換水、40gのリン酸水素二ナトリウム12水和物、0.5gの水酸化ナトリウム、97gのtert−ブタノール、9gのラウリル硫酸ナトリウム、2.5gの過硫酸アンモニウムを加えた。さらに予め200gのイオン交換水に0.4gのEDTA及び0.3gの硫酸第一鉄7水和物を溶解させた水溶液を投入した。この時点で溶液のpHは11.5であった。ついで、40℃で、TFE/P/プロパン=85/12/3(モル比)のモノマー混合ガスを、反応器内圧が2.60MPaGになるように圧入した。アンカー翼を300rpmで回転させ、ロンガリット4.6質量%水溶液を添加し、重合反応を開始させた。以降、ロンガリット4.6質量%水溶液を高圧ポンプを用いて連続で添加した。
該共重合体の赤外スペクトルには、1700cm−1付近に炭素−炭素二重結合に基づく吸収が確認された。該共重合体の組成は、TFEに基づく繰り返し単位/Pに基づく繰り返し単位/クロトン酸ビニルに基づく繰り返し単位=55.1/44.9/0.39(モル比)であった。ムーニー粘度は、130であった。該TFE/P/クロトン酸ビニル共重合体の架橋ゴム物性を表1に示す。
Claims (10)
- テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、CF2=C
F−O−Rf(式中、Rfは炭素原子数1〜8のパーフルオロアルキル基又はパーフルオ
ロ(アルコキシアルキル)基である。)で表されるパーフルオロビニルエーテルからなる
群より選ばれる1種以上の含フッ素モノマー(a)、一般式CR1R2=CR3COOC
H=CH2(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10の
アルキル基又はエーテル性酸素原子を含む炭素原子数1〜10のアルコキシアルキル基で
あり、R3は水素原子、フッ素原子又はメチル基である。)で表されるビニルエステルモ
ノマー(b)、及び必要に応じて、エチレン、プロピレン、CH2=CH−O−R4(式
中、R4は炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシアルキル基である。)で表されるビ
ニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上の炭化水素モノマー(c)を、水性媒体中
で乳化重合して含フッ素弾性共重合体ラテックスを製造し、次に該含フッ素弾性共重合体
ラテックスのpHを1〜9に調整した後、凝集して含フッ素弾性共重合体を単離すること
を特徴とする含フッ素弾性共重合体の製造方法。 - 前記ビニルエステルモノマー(b)におけるR2およびR3が水素原子である請求項1
に記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法。 - 前記ビニルエステルモノマー(b)がメタクリル酸ビニルおよびクロトン酸ビニルから
なる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の含フッ素弾性共重合体の製造
方法。 - 前記含フッ素弾性共重合体における、前記含フッ素モノマー(a)に基づく繰り返し単
位(l)と前記炭化水素モノマー(c)に基づく繰り返し単位(n)の含有割合が、(n
)/(l)=30/70〜70/30(モル比)である請求項1〜3のいずれかに記載の
含フッ素弾性共重合体の製造方法。 - 前記含フッ素モノマー(a)がテトラフルオロエチレンであり、前記炭化水素モノマー
(c)がプロピレンであり、前記含フッ素弾性共重合体における、前記含フッ素モノマー
(a)に基づく繰り返し単位(l)と前記炭化水素モノマー(c)に基づく繰り返し単位
(n)の含有割合が(n)/(l)=40/60〜60/40(モル比)である請求項1
〜4のいずれかに記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法。 - 前記含フッ素弾性共重合体における、前記含フッ素モノマー(a)に基づく繰り返し単
位(l)、前記ビニルエステルモノマー(b)に基づく繰り返し単位(m)、および前記
炭化水素モノマー(c)に基づく繰り返し単位(n)の含有割合が、(m)/((l)+
(n))=0.0001〜0.1(モル比)である請求項1〜5のいずれかに記載の含フ
ッ素弾性共重合体の製造方法。 - 前記pHが1〜8である請求項1〜6のいずれかに記載の含フッ素弾性共重合体の製造
方法。 - 乳化重合時のpHが1〜8である請求項1〜7のいずれかに記載の含フッ素弾性共重合
体の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法により得られたもの
であることを特徴とする含フッ素弾性共重合体。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の含フッ素弾性共重合体の製造方法により得られた含フッ素弾性共重合体を架橋させてなることを特徴とする架橋フッ素ゴム。
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