JPH11335463A - 無臭化されたポリエ―テル変性ポリシロキサン組成物 - Google Patents

無臭化されたポリエ―テル変性ポリシロキサン組成物

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JPH11335463A
JPH11335463A JP12661999A JP12661999A JPH11335463A JP H11335463 A JPH11335463 A JP H11335463A JP 12661999 A JP12661999 A JP 12661999A JP 12661999 A JP12661999 A JP 12661999A JP H11335463 A JPH11335463 A JP H11335463A
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polyether
modified polysiloxane
polysiloxane composition
reaction
group
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JP12661999A
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Kenichi Hino
賢一 日野
Isao Noda
功 野田
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NUC Corp
Original Assignee
Nippon Unicar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無臭化されたポリエーテル変性ポリシロキサ
ン組成物の提供。 【構成】 無臭化されたポリエーテル変性ポリシロキサ
ン組成物は、末端に炭素−炭素二重結合を有するポリオ
キシアルキレンとヒドロポリシロキサンとのヒドロシリ
ル化反応により合成されるポリエーテル変性ポリシロキ
サン組成物に、水素添加反応を行うことによって提供さ
れる。 【効果】 副反応生成物および未反応物が加水分解およ
び酸化等に由来する臭気物質を発生することなく、経時
的にも安定な無臭化されたポリエーテル変性ポリシロキ
サン組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無臭化されたポリ
エーテル変性ポリシロキサン組成物に関し、さらに詳し
くは、その製造および保存における副反応生成物および
未反応物が加水分解および酸化等により臭気物質を発生
することがなく、経時的にも安定な無臭化されたポリエ
ーテル変性ポリシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエーテル変性ポリシロキサン
組成物は、ヒドロシリル基をもつポリシロキサンと不飽
和結合を有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル
化反応によって合成されている。しかしながら、このよ
うにして得られたポリエーテル変性ポリシロキサン組成
物は、経時によって着臭し、化粧品等の用途には使用し
難いという欠点があった。そして、かかる欠点は、以
前、経時によってポリエーテル変性ポリシロキサン組成
物が酸化劣化してアルデヒドが生成するためとされてい
た。しかし、特許公開平2−302438号では、未反
応プロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンが着臭の
原因であるとされている。すなわち、ポリエーテル変性
ポリシロキサン組成物の製造において、アリルエーテル
化ポリオキシアルキレンは、その二重結合が白金触媒の
作用により内部に移動し、プロペニルエーテル化ポリオ
キシアルキレンとなり、ヒドロポリシロキサンと反応し
ないままポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中に残
存し、経時によって分解してケトン類やアルデヒド類を
発生するとされている。また、その脱臭法として酸存在
下の加水分解法が有効であると開示されている。しか
し、上記の脱臭法は、残存するポリオキシアルキレンの
アリル基のすべてがプロペニル基に変換しているのであ
れば、不飽和基の除去に有効であると考えられるが、実
際には、かかる白金触媒による異性化反応は、平衡反応
であるため、ある程度の未転位アリルエーテル化ポリオ
キシアルキレンが存在し、脱臭効果が減少する。すなわ
ち、アリルエーテル化ポリオキシアルキレンを加水分解
するためには、上記特許で使用される酸強度では不十分
である。一方、さらに強い酸を用いアリルエーテル化ポ
リオキシアルキレンを加水分解することは、ポリオキシ
アルキレンの炭素−酸素結合および/もしくはポリシロ
キサンのケイ素−酸素結合の切断を引き起こすため適切
ではない。また、加水分解反応を定量的に行うには、過
剰量の水と酸が必要であり、これらの過剰量の水と酸
は、後処理の工程を複雑にし、脱臭工程としては理想的
ではない。その上、この着臭原因は、上記の炭素−炭素
二重結合のみならず、不安定酸化物等が考えられ、これ
を特定することは、難しいのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物のもつ着臭と
いう欠点に鑑み、製造および保存における副反応生成物
および未反応物が加水分解および酸化等により臭気物質
を発生することがなく、経時的にも安定な無臭化された
ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決すべく、種々のポリエーテル変性ポリシロキサ
ン組成物に、触媒存在下水素ガスを用いて水素添加反応
を実施し、加水分解および酸化等により臭気物質を発生
することがなく、経時的にも安定な無臭化されたポリエ
ーテル変性ポリシロキサン組成物を開発できることを見
出し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、末端に炭素−炭素二
重結合を有するポリオキシアルキレンとヒドロポリシロ
キサンとのヒドロシリル化反応により合成されるポリエ
ーテル変性ポリシロキサン組成物であって、該ポリエー
テル変性ポリシロキサン組成物に水素添加反応を行うこ
とからなる無臭化されたポリエーテル変性ポリシロキサ
ン組成物を提供するものである。
【0006】また、本発明は、水添反応前および/また
は後に軽質分を留去することからなる上記の無臭化され
たポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を提供するも
のである。
【0007】さらにまた、本発明は、上記いずれかの無
臭化されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であ
って、酸化防止剤を含有するポリエーテル変性ポリシロ
キサン組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の無臭化されたポ
リエーテル変性ポリシロキサン組成物について詳細に説
明する。
【0009】ヒドロシリル化反応に用いるヒドロポリシ
ロキサンとしては、例えば、以下のようなものが挙げら
れる。
【0010】
【化1】 [ここで、R1 は同一または異なる置換または非置換の
1価の炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基等の炭
素原子数1ないし19のアルキル基、フェニル基、アル
キルフェニル基、ナフチル基、アルキルナフチル基、フ
ェニルアルキル基、3−アミノプロピル基、3−(N−
2−アミノエチルアミノ)プロピル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基等)または次式で表わされるも
の、
【0011】
【化2】 {ここで、R2 は同一または異なる置換または非置換の
1価の炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基等の炭
素原子数1ないし19のアルキル基、フェニル基、アル
キルフェニル基、フェニルアルキル基、3−アミノプロ
ピル基、3−(N−2−アミノエチルアミノ)プロピル
基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等)または水
素基、qは0または正の整数である。}または水素基、
nは0または正の整数である。但し、1分子中に少なく
とも1つのケイ素原子に直接結合した水素基を有す
る。]
【0012】
【化3】 (ここで、R1 は上で記載のものと同じ、mは3以上の
整数である。)これらのヒドロポリシロキサンは、単独
で用いることもできるが、組合せで用いることも可能で
ある。また、ポリオキシアルキレンとしては、例えば、
以下のようなものが挙げられる。
【0013】
【化4】 {ここで、R′は同一または異なる、不飽和置換または
非置換の1価の炭化水素基(例えば、アリル基、メタリ
ル基、3−ブテニル基、炭素原子数1ないし19のアル
キル基、フェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル
基、アルキルナフチル基等)、エステル基、または水素
基、R″は同一または異なる、置換または非置換の2価
の炭化水素基(例えば、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基、ペンテン基、フェニレン基、アルキル置換フ
ェニレン基、フェニル置換アルキレン基、ナフチレン
基、アルキル置換ナフチレン基等)、xは0または正の
整数、ただし、1分子中のR′内少なくとも一つは不飽
和置換基を有する炭化水素基である。}これらのポリオ
キシアルキレンは、それぞれ単独で用いることもできる
が、組合せで用いることも可能である。上記ヒドロシリ
ル化反応は、公知の技術を用いて行うことができる。す
なわち、この反応は、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコール系、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素系、ジオキサン、THF等のエーテル系、脂肪
族炭化水素系、塩素化炭化水素系の有機溶剤中または無
溶媒で行われる。また、反応温度は通常50〜150℃
であり、塩化白金酸等の触媒を用い反応させることがで
きる。通常、ポリオキシアルキレンを過剰にして反応さ
せる。
【0014】通常のポリエーテル変性ポリシロキサン組
成物は、上記反応溶液から溶剤を留去することにより精
製される。このため、未反応のポリオキシアルキレン
は、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中に残存す
る。アリルエーテル化ポリオキシアルキレンは、白金等
の触媒の存在により異性化を起こす。例えば、末端アリ
ルエーテル化ポリオキシアルキレンの場合には、プロペ
ニルエーテル化ポリオキシアルキレンが生成する。従っ
て、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中には、過
剰のプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンが残存
する。このプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレン
は、ビニルエーテル型の化合物であるため容易に加水分
解を起こし、軽質分を生成する。すなわち、プロペニル
エーテル化ポリオキシアルキレンは、空気中の水分およ
び僅かな酸の存在により徐々に加水分解し、臭気物質で
あるプロピオンアルデヒドを生成する。また、未反応の
末端アリルエーテル化ポリオキシアルキレンは、ポリエ
ーテル変性ポリシロキサン組成物に残存する白金触媒の
作用で徐々にプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレ
ンを生成し、臭気の原因となるばかりでなく、末端アリ
ルエーテル化ポリオキシアルキレン自体酸化に対する安
定性は、通常の飽和炭化水素と比較しあまり良くないの
で、この酸化物等が臭気の原因になりうる。また、ヒド
ロシリル化反応で副生するビニルシラン型の化合物がで
きる場合、この化合物は、酸化安定性が悪いと考えられ
る。従って、加水分解および酸化により臭気物質を発生
することがなく、経時的にも安定な組成物を得るには、
プロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンを除去する
だけではなく、臭気原因となる不安定置換をもつ化合物
をポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に残存させな
いようにすることが必要と考えた。
【0015】本発明では、炭素−炭素二重結合等の不飽
和置換基をもつ化合物、および加水分解および酸化に由
来する化合物に水素添加反応を行い、ポリエーテル変性
ポリシロキサン組成物を精製した。
【0016】水素添加反応としては、水素による方法と
金属水素化物による方法とがあり、これらの単独で行う
こともできるが、その組合せで行うことも可能である。
水素による方法では、公知の水素添加触媒が用いられ
る。例えば、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、
コバルト、クロム、銅、鉄等の単体または化合物があ
る。触媒担体は、無くてもよいが、用いる場合は、活性
炭、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、ゼオライト等
が用いられる。また、ヒドロシリル化反応に使用した白
金触媒をそのまま利用することもできる。これらの触媒
は、単独で用いることもできるが、その組合せで用いる
ことも可能である。金属水素化物による方法では、公知
のものを用いることができる。例えば、リチウムハイド
ライド、リチウムアルミニウムハイドライド、ナトリウ
ムボロンハイドライド、リチウムトリ−t−ブチルアル
ミニウムハイドライド、リチウムトリ−t−エチルアル
ミニウムハイドライド、トリブチル錫、トリフェニルシ
ラン等を単独で用いることもできるが、その組合せで用
いることも可能である。
【0017】水素による方法について、以下、更に詳細
に述べる。水素添加反応の溶媒は、使用しなくてもよい
が、使用する場合は、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコール系、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素系、ジオキサン、THF等のエーテル系、脂肪
族炭化水素系、塩素化炭化水素系などの水素添加条件に
不活性な有機溶剤中で行われ、ヒドロシリル化反応に使
用した溶媒をそのまま使用することもできる。
【0018】水素添加反応は、常圧および加圧下で行う
ことができる。現実的には、水素加圧下で、即ち水素圧
1〜200Kg/cm2 で行う。
【0019】水素添加反応は、0〜200℃で行うこと
ができるが、反応時間の短縮のため、50〜170℃で
行うことが望ましい。
【0020】水素添加反応は、回分式でも連続式でも良
い。回分式の場合、反応時間は、触媒量および温度等に
依存するが、概ね3〜12時間である。
【0021】回分式の場合、水素添加反応の終点は、水
素圧の減少がほとんど観測されなくなった時点からさら
に1〜2時間反応させた時点とすることができる。反応
途中で水素圧が減少した場合、水素を再び導入し水素圧
を高く保つことが反応時間短縮のために望ましい。
【0022】水素添加反応後は、窒素加圧下にろ過を行
い、ヒドロシリル化反応および水素添加反応に使用した
触媒を分離する。
【0023】反応に溶媒を使用した場合、および水素添
加後に軽質分が存在する場合には、必要に応じて、減圧
下に窒素を吹き込みながらこれらの軽質分を留去しポリ
エーテル変性ポリシロキサン組成物を精製する。また、
この軽質分除去操作は、水添反応を行う前処理として行
ってもよく、さらに、水添反応前後で2回行ってもよ
い。
【0024】精製されたポリエーテル変性ポリシロキサ
ン組成物は、フェノール類、ヒドロキノン類、ベンゾキ
ノン類、芳香族アミン類、およびビタミン類等の酸化防
止剤を入れ、酸化に対する安定性を増加させることがで
きる。かかる酸化防止剤としては、例えば、BHT
(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、ビタミ
ンCおよびEなどを用いることができる。このとき、使
用する酸化防止剤の添加量は、精製されたポリエーテル
変性ポリシロキサン組成物に対し、10〜1000pp
m、好ましくは50〜500ppmである。また、酸化
防止剤の添加は、軽質分の留去操作前に行うこともでき
る。
【0025】ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中
に含まれる前記二重結合含有ポリオキシアルキレンを酸
を用いて加水分解する場合、アリル化ポリオキシアルキ
レンが残存すると、加水分解は不完全となる。このよう
なポリエーテル変性ポリシロキサン組成物は、経時に酸
化もしくは内部オレフィンへの異性化を受け、必ずアル
デヒド等が生成するので、着臭を抑えることはできな
い。これに対し、本発明においては、ポリエーテル変性
ポリシロキサン組成物中に含有される不飽和置換基をも
つポリオキシアルキレンおよび副反応として生成する可
能性のある不飽和置換基をもつ変性ポリシロキサンを完
全に水素添加し、飽和なポリオキシアルキレンおよび変
性ポリシロキサンとするので、本発明の精製されたポリ
エーテル変性ポリシロキサン組成物は、経時における変
化が著しく抑えられている。さらに、(1)ヒドロシリ
ル化反応の原料中に存在する、(2)ポリエーテル変性
ポリシロキサン組成物合成中に生成した、もしくは
(3)ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物保存中に
生成した、加水分解物および酸化物等の化合物は、臭い
の原因物質となる。例えば、低分子量の化合物として、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、蟻酸、プロ
ピオン酸、それらのエステル、過酸化物等である。それ
らもやはり酸を用いた加水分解で除去することはできな
い。即ち、これらの化合物は、高分子量のポリエーテル
変性ポリシロキサン組成物中に存在するため、単にスト
リッピング条件を工夫するだけで完全に除去すること
は、非常に困難だからである。また、直接臭いの原因物
質とはならないが、経時で臭いの原因物質となり得る高
分子量の化合物として、ポリオキシアルキレン、ポリシ
ロキサン、およびポリエーテル変性ポリシロキサンであ
って、アルデヒドおよび/もしくはカルボン酸等の置換
基を有する化合物がある。これらもストリッピングによ
り除去することはできない。本発明によれば、これらの
低分子量および高分子量の臭いの原因物質に対しても水
素添加を行い、これまでない無臭のポリエーテル変性ポ
リシロキサン組成物を得ることができる。本発明の精製
されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物は、近
年、無香料化する化粧品分野を中心に、ポリエーテル変
性ポリシロキサン組成物の使用がその着臭のために困難
であった分野にも利用することができるので、産業上非
常に有効である。
【0026】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例及び比較例に
基づいて説明するが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。
【0027】参考例 次の平均組成
【0028】
【化5】 を有するヒドロポリシロキサンと、次の平均組成
【0029】
【化6】 を有するアリルエーテル化ポリオキシアルキレンとを、
それらのヒドロシリル基と不飽和基との当量比が1:
1.2になるような原料比で、公知のヒドロシリル化反
応を行い合成した変性ポリシロキサン組成物を粗ポリエ
ーテル変性ポリシロキサン組成物 No.1とした。ま
た、次の平均組成
【0030】
【化7】 を有するヒドロポリシロキサンと、次の平均組成
【0031】
【化8】 を有するアリルエーテル化ポリオキシアルキレンとを、
それらのヒドロシリル基と不飽和基との当量比が1:
1.2になるような原料比で、公知のヒドロシリル化反
応を行い合成した変性ポリシロキサン組成物を粗ポリエ
ーテル変性ポリシロキサン組成物No.2とした。さら
に、次の平均組成
【0032】
【化9】 を有する両末端ヒドロポリシロキサンと、次の平均組成
【0033】
【化10】 を有する両末端メタリルエーテル化ポリオキシアルキレ
ンとを、それらのヒドロシリル基と不飽和基との当量比
が1:1.2になるような原料比で、公知のヒドロシリ
ル化反応を行い合成した(AB)n 型変性ポリシロキサ
ン組成物を粗ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物N
o.3とした。
【0034】実施例1 ガラス製の1 Lの3つ口フラスコに粗ポリエーテル変性
ポリシロキサン組成物No.1、200gおよびトルエ
ン500mlを加え、さらに活性炭担持パラジウム(5wt
%)0.5gを加えた後、マグネチックスターラーで撹
拌しながら、吹き込み管から水素を20ml/分で吹き込
んだ。トルエンが緩やかに還流するようにオイルバスを
用いてフラスコの温度を徐々に上げた。水素を吹き込み
始めてから12時間後に水素の吹き込みおよび加温を止
めた。室温に冷却するまで水素の代わりに窒素を吹き込
みフラスコ内の余剰の水素を置換した。反応溶液にフィ
ルターセルを加え、窒素圧下でろ過を行った。ろ液を減
圧下で窒素を吹き込みながら蒸留し、トルエンおよび軽
質分を除去した。収量170g。
【0035】実施例2 ガラス製の1 Lのオートクレーブに粗ポリエーテル変性
ポリシロキサン組成物No.1、200gおよび活性炭
担持パラジウム(5wt%)0.5gを加え、水素で内部
を置換した後、水素圧5Kg/cm2 にまで加圧した。備え
付けの撹拌機で撹拌しながら、100℃まで徐々に温度
を上げた。約12時間同温度で反応させた後、冷却し反
応液にフィルターセルを加え、窒素圧下でろ過を行っ
た。ろ液を減圧下で窒素を吹き込みながら蒸留し、軽質
分を除去した。収量190g。
【0036】実施例3 ガラス製の1 Lのオートクレーブに粗ポリエーテル変性
ポリシロキサン組成物No.2、347.5gおよび活
性炭担持パラジウム(5wt%)1.5gを加え、水素で
内部を置換した後、水素圧5Kg/cm2 にまで加圧した。
備え付けの撹拌機で撹拌しながら、100℃まで徐々に
温度を上げた。約12時間、同温度で反応させた後、冷
却した。この時点での収量347.4g。反応液にフィ
ルターセルを加え、窒素圧下でろ過を行った。ろ液を減
圧下で窒素を吹き込みながら蒸留し、軽質分を除去し
た。収量335g。水素添加反応の前後における、分子
量の変化を観測するためGPCを測定した。反応前後に
おいて分子量分布の変化は認められなかった。このこと
は、水素添加反応が不飽和結合にのみ起こり炭素−酸素
結合およびケイ素−炭素結合などの切断を伴わずに進行
していることを示唆している。
【0037】実施例4 ステンレス製の1 Lのオートクレーブに粗ポリエーテル
変性ポリシロキサン組成物No.2、545.5gおよ
びラネーニッケル25gを加え、水素で内部を置換した
後、水素圧50Kg/cm2 にまで加圧した。備え付けの撹
拌機で撹拌しながら、130℃まで徐々に温度を上げ
た。約5時間、同温度で反応させた後、冷却した。この
時点での収量545.4g。反応液にフィルターセルを
加え、窒素圧下でろ過を行った。ろ液にBHT(300
ppm)を添加した後減圧下で窒素を吹き込みながら蒸
留し、軽質分を除去した。収量535g。
【0038】実施例5 粗ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物No.2の代
わりに、No.3を用いた以外は、実施例4と同様な方
法で行った。
【0039】比較例1 粗ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物No.1を比
較例1とした。
【0040】比較例2 粗ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物No.1、1
00gにイオン交換水100gおよび酢酸1gを加え7
0℃で12時間反応後、水および酢酸を留去し、さらに
減圧下で窒素を吹き込みながら軽質分を留去した。
【0041】比較例3 粗ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物No.2を比
較例3とした。
【0042】比較例4 粗ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物No.2、1
00gに0.01規定塩酸100gを加え、70℃で1
2時間反応後、水および酢酸を留去し、さらに減圧下で
窒素を吹き込みながら軽質分を留去した。
【0043】比較例5 粗ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物No.3を比
較例5とした。
【0044】精製されたポリエーテル変性ポリシロキサ
ン組成物は、以下の1)〜3)の評価方法で評価した。 1)加水分解後の臭気 20mlサンプル瓶にポリエーテル変性ポリシロキサン組
成物2gに0.01規定塩酸10gを加え、ふたをし、
70℃で12時間放置後臭いを嗅いだ。 2)不飽和度測定 酢酸第二水銀およびシュウ化カリウムを用いた滴定法に
より、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の不飽和
度測定した。 3)プロトンNMR ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物のプロトンNM
R(500MHz )を重クロロホルム中で測定した。化
学シフト5.12(d,j=11.1Hz )および5.
26(d,j=17.3Hz )のシグナルが観測され、
それぞれシスおよびトランスのプロペニルエーテルのC
3 CH=CHO−に帰属できる。化学シフト5.85
〜5.95のシグナルは、CH3 CH=CHO−に帰属
できる。また、アリルエーテルもほぼ同位置にシグナル
を持つため、これらのシグナルの変化を観測することに
より、水素添加の効果を評価できる。得られた結果を表
1に示す。加水分解後の臭気、不飽和度測定、プロトン
NMRいずれの場合にも、実施例は、比較例のものより
良い結果を示した。
【0045】
【表1】
【0046】100mlの広口サンプル瓶にポリエーテル
変性ポリシロキサン組成物10gを入れ、軽くふたを
し、臭気について室温保存状態での経時変化をテストし
た。実施例1の水素添加処理および比較例2、4の加水
分解処理のそれぞれについて、BHT(2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール)添加効果を処理直後と3週
間後の臭気で比較した。得られた結果を表2に示す。実
施例1では、BHTを添加することにより経時の変化を
抑制することができたが、比較例2および4に見られる
ようにBHTを添加するだけでは、3週間後の臭気を多
少改善することができたものの、十分ではなかった。
【0047】
【表2】
【0048】次に、臭いの評価を数値化するために、以
下の測定を行った。即ち、ヒドロキシルアミンを用いる
カルボニル価の測定法により、それぞれのサンプルを評
価した。それぞれのサンプルには、事前にBHTを30
0ppmづつ添加した。表3に示したように、水添を行
ったものは、かなり良い結果が得られたが、なかでも、
ニッケル触媒による水添では、非常に良い結果が得られ
た。また、それぞれのサンプルについて室温、3週間保
存後の臭いについて評価したが、全く問題がなかった。
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的に説明したよう
に、本願発明によれば、従来のポリエーテル変性ポリシ
ロキサン組成物のもつ着臭という欠点が全く解消され、
製造および保存における副反応生成物および未反応物が
加水分解および酸化等により臭気物質を発生することが
なく、経時的にも安定な無臭化されたポリエーテル変性
ポリシロキサン組成物が得られるという優れた作用効果
を奏するものである。そして、本発明の無臭化されたポ
リエーテル変性ポリシロキサン組成物は、無香料化する
化粧品分野を中心に、ポリエーテル変性ポリシロキサン
組成物の使用がその着臭のために困難であった分野にも
利用することができるので、産業上非常に有効である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端に炭素−炭素二重結合を有するポリ
    オキシアルキレンとヒドロポリシロキサンとのヒドロシ
    リル化反応により合成されるポリエーテル変性ポリシロ
    キサン組成物であって、該ポリエーテル変性ポリシロキ
    サン組成物に水素添加反応を行うことからなる無臭化さ
    れたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物。
  2. 【請求項2】 水添反応前および/または後に軽質分を
    留去することからなる請求項1の無臭化されたポリエー
    テル変性ポリシロキサン組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1および2の無臭化されたポリエ
    ーテル変性ポリシロキサン組成物であって、酸化防止剤
    を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物。
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