JP2005120293A - ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物およびその製造方法、並びにポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル総量の測定方法 - Google Patents

ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物およびその製造方法、並びにポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル総量の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水/(多価)アルコールとの混合系における経時的着臭を実質的に発生させることのない、高度に精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を提供すること。
【解決手段】オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって得られるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であって、(1)JIS K 1557に準じて測定される総不飽和度が0.00010meq/g以下であり、(2)特定の方法で測定されるプロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下である。また、(3)特定の方法で求められるイオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物およびその製造方法、並びにポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル総量の測定方法に関し、さらに詳しくはヒドロシリル化反応によって得られるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する高度に精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物;粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を高度に精製する工程を含むポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法;従来技術では検出できなかった微量のカルボニル類であっても検出・定量することのできるポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル総量の測定方法に関する。
ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物は、ヒドロシリル基を有するポリシロキサン(オルガノハイドロジェンポリシロキサン)と、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって得られるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体によって実質的に構成されている。
然るに、このようにして得られるポリエーテル変性ポリシロキサン組成物は、経時的に着臭するために、毛髪化粧料や皮膚化粧料などの化粧品の用途には適用することは困難であった。
ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の経時的な着臭の原因として、プロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンが指摘されている(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造において、ポリオキシアルキレンとして使用されるアリルエーテル化ポリオキシアルキレンの一部は、その二重結合が白金触媒の作用により内部に転位し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとの反応性を有しないプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンとなって、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中に残存し、これが経時的に分解して発生するケトン類やアルデヒド類が着臭の原因であるとされている。そして、特許文献1には、脱臭法として、酸性水溶液を使用してプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンの加水分解を行い、発生する着臭原因物質を除去する方法が有効であると開示されている。
しかし、この脱臭法は、組成物中に残存するポリオキシアルキレンのアリル基のすべてがプロペニル基に変換しているのであれば有効であると考えられるが、実際には加水分解されにくいアリルエーテル化ポリオキシアルキレンとしてある程度の割合で残存しているので、特許文献1の脱臭法では、当該組成物を十分に脱臭することができない。
ここに、アリルエーテル化ポリオキシアルキレンを加水分解することのできる強い酸を使用すると、ポリオキシアルキレン部位の炭素−酸素結合および/またはポリシロキサン部位のケイ素−酸素結合の切断を招くため、適切ではない。
また、加水分解反応を定量的に行うためには、過剰量の水と酸が必要であり、これらの過剰量の水と酸により、後処理の工程が煩雑となり、脱臭工程としては好ましくない。
一方、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の脱臭法として、水素添加処理を行って、当該組成物中に残存するアルケニル基含有ポリオキシアルキレン(プロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンおよびアリルエーテル化ポリオキシアルキレンの何れをも含む)の有する当該アルケニル基(二重結合)をアルキル化することにより、アルデヒド(プロピオンアルデヒド)の発生を抑制する方法が紹介されている(例えば、特許文献2〜5参照)。
しかし、水素添加反応を利用する脱臭法では、アセタールなどの不飽和結合を有しないアルデヒド縮合物を除去することができない。このアルデヒド縮合物は、水溶液中でアルデヒドを生成する着臭原因物質である。
上記のような問題を解決することを企図して、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に、水素添加処理と、酸物質含有水溶液を処理剤とする処理とを併用する技術が開示されている。すなわち、特許文献6には、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとアルケニル化ポリオキシアルキレン化合物との付加反応により合成される変性シリコーン化合物において、(A)前記付加反応後の反応溶液に水素添加反応を施して残存する不飽和結合をアルキル化した後、酸物質含有水溶液を処理剤として処理することによりアルデヒド縮合物を分解すること(水素添加−酸処理)、または(B)前記付加反応後の反応溶液中のプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンを、酸物質含有水溶液を処理剤として処理することにより分解した後、生成したアルデヒドおよびアルケニル化エーテル化合物を水素添加反応によってアルキル化すること(酸処理−水素添加)により精製し、変性シリコーン化合物全体の不飽和度(meq/g)が0.002以下であると共に、0.23規定の塩酸中、50℃で0.5時間加熱エージングした時のアルデヒドの発生量が変性シリコーン化合物の70ppm以下である無臭化変性シリコーン化合物が開示されている。
しかしながら、本発明者らが確認試験を行った結果、特許文献6に開示された技術には下記のような問題がある。
(1)水素添加反応を施した後の変性シリコーン化合物に対して、酸物質含有水溶液(希硝酸、リン酸水溶液、トリフロロ酢酸水溶液、酢酸水溶液、炭酸水、ギ酸水溶液、トリクロロ酢酸水溶液、乳酸水溶液、コハク酸水溶液、クエン酸水溶液)を処理剤として処理しても、残存するアルデヒド縮合物を殆ど分解することができなかった。
(2)水素添加反応を施した後に酸物質含有水溶液による処理を行った変性シリコーン化合物(水素添加−酸処理)は、水素添加反応のみを施した変性シリコーン化合物よりも、水/(多価)アルコールとの混合系において、経時的な着臭の程度がきわめて高い。このことは、残存するアルデヒド縮合物の分解が殆ど達成されなかったことのほか、酸処理に伴う新たな着臭要因(例えば、変性シリコーン化合物の分解によるアルデヒド類の発生)が生じたことを示唆している。
(3)酸物質含有水溶液として塩酸水溶液を使用して精製処理(水素添加−酸処理または酸処理−水素添加)する場合には、他の酸物質の水溶液を使用して精製処理する場合よりも効果的ではあるものの、このようにして精製処理された変性シリコーン化合物と、水/(多価)アルコールとの混合系において、経時的な着臭を十分に抑制することはできない。
(4)液状である酸物質含有水溶液は変性シリコーン化合物(親水性であるポリエーテル変性ポリシロキサン)に溶解され、イオン性不純物として系内に残存する。また、酸処理後に中和処理を行う場合には、中和塩もイオン性不純物として残存することになる。
そして、酸や中和塩などのイオン性不純物を含有する変性シリコーン化合物を、水/(多価)アルコールと混合してなる混合系においては、(a)酸や中和塩による経時的着臭、(b)酸や中和塩の分解に伴う経時的着臭、(c)酸や中和塩による変性シリコーン化合物の分解(これによるアルデヒド類などの発生)に伴う経時的着臭が発生する傾向がある。
(5)塩酸水溶液などの酸物質含有水溶液による処理を行った後に、水素添加反応を施す場合(酸処理−水素添加)において、酸処理により系内に残存するイオン性不純物(酸・中和塩)が、水素添加反応を阻害する傾向がある。
変性シリコーン化合物(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)と、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的な着臭を抑制するためには、変性シリコーン化合物中に含まれているカルボニル類(アルデヒド類・ケトン類)の総量を正確に把握することが不可欠である。
従来、試料中のカルボニル含有量を指標化する方法として、当該試料中のカルボニル類と、2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとを反応させてなる反応溶液の吸光度からカルボニル価を測定する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この試験法にあっては、反応溶媒として、酸化されにくく安定性の良好なベンゼンを使用することが規定されている。
しかしながら、反応溶媒として使用されるベンゼンは、人体に対する有害性が大きい。このため、労働安全衛生法などの定めに従って、試料溶液および試薬の調製・2,4−ジニトロフェニルヒドラジンと、試料中のカルボニル類との反応(加熱操作)・反応溶液の吸光度測定の各操作は、局所排気装置を稼動させた状態の囲い式フード内で保護具および保護メガネを着用した熟練の測定者が細心の注意を払って行う必要がある。このように、上記の試験法は、誰もが安全かつ容易に測定ができるという方法ではない。
また、反応溶媒としてベンゼンを使用する場合には、2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとカルボニル類との反応が非水系で行われるため、アセタールなどのアルデヒド縮合物(潜在的なカルボニル化合物)を定量的に加水分解させることはできず、従って、着臭原因物質であるこれらに由来するカルボニル類をも含めたカルボニル総量を定量することは不可能である。
一方、既述の特許文献6では、アルデヒド類の総量(0.23規定の塩酸中、50℃で0.5時間加熱エージングした時のアルデヒドの発生量)の測定に際し、反応溶媒としてアルコール(特級エタノール)を使用している。
しかしながら、特級エタノールのように比較的純度の高いアルコールであっても、微量(5〜15ppm程度)のアルデヒド・ケトンが不純物として含有されている。そして、そのようなアルコールを反応溶媒として使用すると、当該アルコール中のアルデヒド・ケトンが2,4−ジニトロフェニルヒドラジンと反応する結果、試料のカルボニル価(カルボニル含有量)を適正に測定することができない。
また、カルボニル含有量の少ない試料については、反応溶液の吸光度が空試験の吸光度より小さくなってカルボニル価を測定することができない。このため、反応溶媒としてアルコールを使用することだけでは、水/(多価)アルコールとの混合系において経時的な着臭を発生させない変性シリコーン化合物に含まれるカルボニル総量の許容値(上限値)を規定することができない。
上記のように、変性シリコーン化合物(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)の水/(多価)アルコールとの混合系における着臭を抑制するためには、着臭と対応する数値指標が必要であるにも関わらず、従来の如何なる測定法によっても、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル総量(アルデヒド・ケトン総量)を正確に求める方法は知られていない。
特開平2−302438号公報(特許請求の範囲等) 米国特許明細書第5,225,509号(クレーム等) 特開平7−330907号公報(特許請求の範囲等) 特開平9−165315号公報(特許請求の範囲等) 特開平9−165318号公報(特許請求の範囲等) 国際公開(WO)第02/055588号パンフレット(請求の範囲等) 基準油脂分析試験法(2.5.4−1996 カルボニル価)
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的着臭を実質的に発生させることのない、高度に精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的着臭を実質的に発生させることのない、高度に精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、カルボニル類(アルデヒド類・ケトン類)の含有量がきわめて少ないポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であっても、当該組成物中に含まれるカルボニル総量を正確に測定することができる方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、
1)その総不飽和度が一定の値(0.00010meq/g)以下であり、プロパナール換算のカルボニル総量が、従来公知の方法では正確に定量できない極めて低い値(100ppm)以下であるポリエーテル変性ポリシロキサン組成物によりはじめて、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的着臭を抑制できること;
2)ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に含まれている酸・中和塩などのイオン性不純物が、当該組成物と水/(多価)アルコールとの混合系における経時的着臭に影響を与えていること、さらに、総不飽和度およびカルボニル総量に係る前記2要件を具備するとともに、イオン性不純物の総量についての指標値(電気伝導度)を一定の値(30μS/m)以下とすることにより、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的着臭を確実に抑制できること;
3)ヒドロシリル化反応によって得られる反応生成物(粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)に対し、精製処理として、固体酸を使用する分解処理および水素添加処理をそれぞれ行うことにより、総不飽和度、カルボニル総量およびイオン性不純物の総量に係る前記3要件をすべて具備することができること;
4)特許文献6に開示されたものを含めて従来公知の精製処理によっては、総不飽和度およびカルボニル総量に係る前記2要件を同時に具備することができないこと;
5)カルボニル総量を求めるためのカルボニル価の測定方法で使用する反応溶媒として、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下のアルコールを使用することにより、従来公知の方法では検出不可能であったきわめて微量のカルボニル類(アルデヒド類・ケトン類・潜在的なカルボニル化合物)も正確に定量することができることを見出し、かかる知見に基いて本発明を完成するに至った。
本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって得られるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であって、(i)JIS K 1557に準じて測定される総不飽和度が0.00010meq/g以下であり、(ii)下記の方法で測定されるプロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下であることを特徴とする。
<カルボニル総量の測定方法>
下記の工程(1)〜(9)により測定される吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を、数式:CV=(A1 −A2 )/B〔但し、Bは、試料溶液5.000g中に含まれる試料の質量(g)である。〕に代入してカルボニル価(CV)を求める方法によって、カルボニル総量(プロピオンアルデヒド濃度)が既知である標準試料についてのカルボニル価を測定して検量線を得、この検量線を得るために採用した前記方法と同一の方法により、カルボニル総量が未知である試料(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)についてのカルボニル価を測定し、このカルボニル価および前記検量線から、当該試料中のカルボニル総量を測定する。
但し、下記の工程(1)および工程(9)で使用する後記溶媒が、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下のアルコール(以下、「超高純度アルコール」ともいう。)と水とを含有し、下記の工程(7)で使用する後記溶媒が超高純度アルコールを含有する。
〔工程〕
(1)試料を溶媒に溶解して試料溶液を調製する工程。
(2)前記試料溶液5.000gに、20%(wt/wt)希硫酸のアルコール溶液〔硫酸濃度1.2%(wt/vol)〕3mLを添加する工程。
(3)上記の工程(2)により得られた混合溶液に、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(以下、「2,4−DNPH」と略記する。)のアルコール溶液〔0.025%(wt/vol)〕5mLを添加する工程。
(4)上記の工程(3)により得られた混合溶液を60℃で30分間加熱して、試料中のカルボニル類と2,4−DNPHとを反応させる工程。
(5)上記の工程(4)により得られた反応溶液を室温で30〜70分間放置する工程。
(6)上記の工程(5)により放置された後の反応溶液に、水酸化カリウムのアルコール溶液〔4.0%(wt/vol)〕10mLを添加する工程。
(7)上記の工程(6)から5〜10分経過後、当該反応溶液に溶媒を添加し、総量が50mLの反応溶液を調製し、この反応溶液を濾過処理する工程。
(8)上記の工程(6)から10〜20分経過後、上記の工程(7)で得られた反応溶液について、430nmまたは460nmの吸光度(A1 )を測定する工程。
(9)空試験として、前記試料溶液に代えて溶媒5.000gを使用し、上記の工程(2)〜(7)と同様の操作を行って得られた溶液について、430nmまたは460nmの吸光度(A2 )を測定する工程。
本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物においては下記の形態が好ましい。
〔a〕前記オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体として、水溶性の共重合体を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であって、当該組成物を精製水に溶解してなる2.00%(wt/wt)の水溶液の電気伝導度を(σ1 )とし、当該精製水の電気伝導度を(σ0 )とするとき、(σ1 −σ0 )で求められるイオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下であること。
〔b〕前記オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体として、水に不溶性または難溶性の共重合体を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であって、当該組成物を50質量倍の精製水と接触させることにより、当該組成物中の水溶性成分を抽出して得られる抽出液の電気伝導度を(σ1 )とし、当該精製水の電気伝導度を(σ0 )とするとき、(σ1 −σ0 )で求められるイオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下であること。
〔c〕下記一般式(1)または下記一般式(2)で示されるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有すること。
Figure 2005120293
[式中、R1 は、互いに独立して、水素原子または置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、Xは、一般式:−Cx 2x(OC2 4 y (OC3 6 z OA〔式中、Aは、水素原子、1価の炭化水素基、または一般式:R3 −(CO)−(式中、R3 は1価の炭化水素基を表す)で表される有機基であり、xは2〜15の整数、yは0〜100の整数、zは0〜100の整数であり、y+zは100以下の正の整数である。)で表される基であり、mは0または正の整数、nは0または正の整数である。R2 は、R1 またはXで表される基であるが、nが0の場合、R2 の少なくとも1個はXとなる。]
Figure 2005120293
[式中、R3 は、互いに独立して、脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ基を表し、Y1 は、2価の有機基を表し、R4 は、互いに独立して、水素原子、水酸基、置換または無置換の1価の炭化水素基、アルコキシ基、あるいは式:−Y1 −O−(C2 4 O)b1(C3 6 O)b2−Y2 (Y2 は、水素原子または置換もしくは無置換の1価の炭化水素基を示す。)で表される基であり、aは、1以上の整数、b1は、0〜100の整数、b2は、0〜100の整数(但し、b1+b2は、1〜100の整数である。)、cは、1〜100の整数である。]
〔d〕酸化防止剤を10ppm〜1000ppmの範囲で含有すること。
本発明の製造方法(請求項5)は、本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を製造する方法であって、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する、粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得る工程と;この粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に、固体酸を使用する分解処理および水素添加処理をそれぞれ行うことにより、(i)前記総不飽和度が0.00010meq/g以下となり、(ii)前記プロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下となるよう高度に精製する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の製造方法においては、下記の形態が好ましい。
〔a〕オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって、水溶性のオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する、粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得る工程と;この粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に、固体酸を使用する分解処理および水素添加処理をそれぞれ行うことにより、(i)前記総不飽和度が0.00010meq/g以下となり、(ii)前記プロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下となり、(iii) 前記イオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下となるよう高度に精製する工程とを含むこと。
〔b〕オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって、水に不溶性または難溶性のオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する、粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得る工程と;この粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に、固体酸を使用する分解処理および水素添加処理をそれぞれ行うことにより、(i)前記総不飽和度が0.00010meq/g以下となり、(ii)前記プロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下となり、(iii) 前記イオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下となるよう高度に精製する工程とを含むこと。
〔c〕前記粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に固体酸を使用する分解処理を行った後、水素添加処理を行うこと。
〔d〕前記粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に水素添加処理を行った後、固体酸を使用する分解処理を行うこと。
〔e〕前記固体酸として、固体酸性酸化ジルコニウム、強酸性陽イオン交換樹脂、フッ素化スルホン酸樹脂およびゼオライトから選ばれる少なくとも1種を使用すること。
〔f〕前記固体酸性酸化ジルコニウムは、アルミニウム水酸化物もしくは水和酸化物、ジルコニウム水酸化物もしくは水和酸化物、および硫酸分含有化合物を混錬し成形して得られた成形物を、正方晶構造のジルコニアが得られる温度で焼成することにより得られたものであること。
本発明の測定方法(請求項12)は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって得られるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル類と;2,4−DNPHとを反応させて得られる反応溶液の吸光度から、当該ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物のカルボニル価を求め、このカルボニル価から、予め測定された検量線を利用して、当該組成物中におけるプロパナール換算のカルボニル総量を測定する方法であって、カルボニル類と2,4−DNPHとの反応における反応溶媒として、超高純度アルコールと、水とを併用することを特徴とする。
本発明の測定方法(請求項13)は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって得られるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中におけるプロパナール換算のカルボニル総量を測定する方法において、下記の工程(1)〜(9)により測定される吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を、数式:CV=(A1 −A2 )/B〔但し、Bは、試料溶液5.000g中に含まれる試料の質量(g)である。〕に代入してカルボニル価(CV)を求める方法によって、カルボニル総量(プロピオンアルデヒド濃度)が既知である標準試料についてのカルボニル価を測定して検量線を得、この検量線を得るために採用した前記方法と同一の方法により、カルボニル総量が未知である試料(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)についてのカルボニル価を測定し、このカルボニル価および前記検量線から、当該試料中のカルボニル総量を測定する方法であり、下記の工程(1)および工程(9)で使用する後記溶媒が、超高純度アルコールと水とを含有し、下記の工程(7)で使用する後記溶媒が、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下のアルコールを含有することを特徴とする。
〔工程〕
(1)試料を溶媒に溶解して試料溶液を調製する工程。
(2)前記試料溶液5.000gに、20%(wt/wt)希硫酸のアルコール溶液〔硫酸濃度1.2%(wt/vol)〕3mLを添加する工程。
(3)上記の工程(2)により得られた混合溶液に、2,4−DNPHのアルコール溶液〔0.025%(wt/vol)〕5mLを添加する工程。
(4)上記の工程(3)により得られた混合溶液を60℃で30分間加熱して、試料中のカルボニル類と2,4−DNPHとを反応させる工程。
(5)上記の工程(4)により得られた反応溶液を室温で30〜70分間放置する工程。
(6)上記の工程(5)により放置された後の反応溶液に、水酸化カリウムのアルコール溶液〔4.0%(wt/vol)〕10mLを添加する工程。
(7)上記の工程(6)から5〜10分経過後、当該反応溶液に溶媒を添加し、総量が50mLの反応溶液を調製し、この反応溶液を濾過処理する工程。
(8)上記の工程(6)から10〜20分経過後、上記の工程(7)で得られた反応溶液について、430nmまたは460nmの吸光度(A1 )を測定する工程。
(9)空試験として、前記試料溶液に代えて溶媒5.000gを使用し、上記の工程(2)〜(7)と同様の操作を行って得られた溶液について、430nmまたは460nmの吸光度(A2 )を測定する工程。
また、上記の工程(2)で添加する希硫酸のアルコール溶液、上記の工程(3)で添加する2,4−DNPHのアルコール溶液、および上記の工程(6)で添加する水酸化カリウムのアルコール溶液の各々の溶媒であるアルコールが、超高純度アルコールであることが好ましい。
本発明において、「%(wt/wt)」は、溶媒の単位質量あたりの溶質の質量を示す単位であり、「%(wt/wt)」の単位で示される数値は、溶媒100gに溶解されている溶質のグラム数と一致する。
また、「%(wt/vol)」は、溶媒の単位容量あたりの溶質の質量を示す単位であり、「%(wt/vol)」の単位で示される数値は、溶媒100mLに溶解されている溶質のグラム数と一致する。
(1)本発明の組成物は、前記総不飽和度が0.00010meq/g以下であり、前記カルボニル総量が100ppm以下である高度に精製されたものであるので、本発明の組成物によれば、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的な着臭を抑制することができる(当該組成物が混合されていない水/(多価)アルコールにおける経時的な着臭と同程度がそれより臭気が少ない)。また、イオン性不純物総量の指標値(σ1 −σ0 )が30μS/m以下である本発明の組成物によれば、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的な着臭(イオン性不純物に起因する経時的着臭)を確実に抑制することができる。
(2)本発明の製造方法は、ヒドロシリル化反応によって得られる粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に対し、精製処理として、固体酸を使用する分解処理および水素添加処理を行うので、本発明の製造方法により得られる組成物は、総不飽和度、カルボニル総量およびイオン性不純物の総量に係る前記要件を具備することができ、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的な着臭を実質的に発生させることがない、高度に精製されたものとなる。
(3)本発明の測定方法は、カルボニル価の測定方法で使用する反応溶媒として超高純度アルコールと水とを使用するので、アルデヒド類・ケトン類のみではなく、潜在的なカルボニル化合物(アセタールやプロペニルエーテルなどある条件で分解してカルボニル基を生じるような化合物)も定量することができ、しかも、従来公知の方法では検出不可能であったきわめて微量のカルボニル類も正確に定量することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物>
本発明のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって得られる共重合体(オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)によって実質的に構成されている。
本発明の組成物を構成する共重合体としては、特に限定されるものではないが、上記の一般式(1)および上記一般式(2)で示されるものが好ましく、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物は、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体のみからなる(不純物を含有しない)ことが最も好ましいが、本発明の組成物には、通常、他の成分(不純物)が含有されている。
ここに、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体以外の成分としては、当該共重合体の反応原料として用いた、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンに由来するポリオキシアルキレン(不飽和基を含有するポリオキシアルキレン/不飽和基を含有しないポリオキシアルキレン)、カルボニル類(潜在的なカルボニル化合物を含む。)およびイオン性不純物などを挙げることができる。
これらの成分のうち、(i)不飽和基を含有するポリオキシアルキレン、(ii)カルボニル類(潜在的なカルボニル化合物を含む。)および(iii) イオン性不純物は、それぞれ着臭原因物質であり、その含有割合は可能な限り少ないことが望ましい。
そして、以下に詳述する要件を具備する本発明の組成物は、これら着臭原因物質の割合がきわめて少ないものである。
本発明の組成物は、(i)前記総不飽和度が0.00010meq/g以下であって、(ii)前記プロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下である点に特徴を有している。また、(iii) 前記イオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下であることが好ましい。以下、これらの指標値について説明する。
〔総不飽和度〕
本発明の組成物において、JIS K 1557に準じて測定される総不飽和度が0.00010meq/g以下とされ、好ましくは0.00007meq/g以下とされる。 この総不飽和度が0.00010meq/g以下であることにより、当該組成物を水/(多価)アルコールと混合してなる混合系において、不飽和基に起因する経時的な着臭を確実に抑制することができる。
本発明における「総不飽和度」は、JIS K 1557に準じた方法により測定される。この方法による総不飽和度の検出限界は、通常0.00007meq/gであるが、試料を増量すれば更に検出限界値を小さくすることも可能である。
一方、既述した特許文献6に記載の不飽和度の測定方法による検出限界は0.001meq/g(本発明における総不飽和度の規定値の10倍)とされる。このことは、特許文献6に記載の方法では不飽和基が検出されなかった組成物であっても、これと水/(多価)アルコールとの混合系において、検出されなかった不飽和基に起因する経時的な着臭が発生する可能性があることを意味する。
〔カルボニル総量〕
本発明の組成物において、前記プロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下とされ、好ましくは50ppm以下とされる。
ここに、「カルボニル総量」は、組成物に対するカルボニル類の総量である。
また、「カルボニル総量」として定量されるカルボニル類には、アルデヒド類やケトン類のようにカルボニル基を有する化合物のほか、アセタールやプロペニルエーテルなど、カルボニル基を有していないが、ある条件で分解してカルボニル基を生じるような潜在的なカルボニル化合物も含まれる。
このカルボニル総量(プロパナール換算値)が100ppm以下であることにより、当該組成物を水/(多価)アルコールと混合してなる混合系において、カルボニル類に起因する経時的着臭を確実に抑制することができる。
本発明の組成物における「カルボニル総量」は、本発明の測定方法(請求項13に係る方法)に従って測定される。なお、本発明の測定方法の詳細については後述するが、この方法によれば、従来公知の方法では検出不可能であったきわめて微量のカルボニル類も正確に定量することができる。
〔イオン性不純物総量の指標値〕
本発明の組成物において、前記イオン性不純物総量の指標値(σ1 −σ0 )は30μS/m以下であることが好ましく、更に好ましくは20μS/m以下とされる。
イオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下であることにより、当該組成物を水/(多価)アルコールと混合してなる混合系において、酸や中和塩などのイオン性不純物に起因する経時的着臭〔イオン性不純物による経時的着臭・イオン性不純物の分解に伴う経時的着臭・イオン性不純物による変性シリコーン化合物およびポリオキシアルキレンの劣化・分解に伴う経時的着臭〕を確実に抑制することができる。
イオン性不純物総量の指標値(σ1 −σ0 )を求めるために測定する電気伝導度(σ1 )は、水溶性の共重合体を含有する本発明の組成物においては、当該組成物を精製水に溶解してなる2.00%(wt/wt)の水溶液の電気伝導度(請求項2)であり、水に不溶性または難溶性の共重合体を含有する本発明の組成物においては、当該組成物を50質量倍の精製水と接触させることにより、当該組成物中の水溶性成分を抽出して得られる抽出液の電気伝導度(請求項3)である。
また、イオン性不純物総量の指標値(σ1 −σ0 )を求めるために測定する電気伝導度(σ0 )は、上記で使用する精製水の電気伝導度である。
本発明の組成物には、酸化防止剤が含有されていることが好ましく、これにより、当該組成物を構成する共重合体などの酸化を防止することができる。
かかる酸化防止剤としては、フェノール類、ヒドロキノン類、ベンゾキノン類、芳香族アミン類、ビタミン類などを挙げることができる。好ましい酸化防止剤の具体例としては、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、ビタミンEなどを挙げることができる。
酸化防止剤の添加量としては、本発明の組成物に対して10〜1000ppmであることが好ましく、更に好ましくは50〜500ppmとされる。
<ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法>
本発明の製造方法は、ヒドロシリル化反応によって、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得る工程(以下、「合成工程」ともいう。)と;この粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に、固体酸を使用する分解処理および水素添加処理を行うことにより、(i)前記総不飽和度が0.00010meq/g以下となり、(ii)前記プロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下となる〔好ましくは、(iii) 前記イオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下となる〕よう高度に精製する工程(以下、「精製工程」ともいう。)とを含む。
〔合成工程〕
オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体の合成反応(ヒドロシリル化反応)に供されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記一般式(3)〜(4)で示されるものを挙げることができ、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
一般式(3):R11 3 SiO(R11 2 SiO)p SiR11 3
[式中、R11は、同一または異なる置換または非置換の1価の炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基などの炭素原子数1〜19のアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキルナフチル基、フェニルアルキル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基など)、式:−O−(R12 2 SiO)q SiR12 3 〔式中、R12は、同一または異なる置換または非置換の1価の炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基などの炭素原子数1〜19のアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基など)または水素原子を表し、qは0または正の整数である。〕あるいは水素原子を表し、pは0または正の整数である。但し、1分子中に少なくとも1つのSi−H基を有する。]
Figure 2005120293
〔式中、R11は、一般式(3)で記載のものと同じ基であり、rは3以上の整数である。但し、1分子中に少なくとも1つのSi−H基を有する。〕
オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体の合成反応(ヒドロシリル化反応)に供されるポリオキシアルキレンとしては、例えば、下記一般式(5)で示されるものを挙げることができ、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
一般式(5):R13O(R14O)s 13
〔式中、R13は、同一または異なる、不飽和基で置換されていてもよい1価の炭化水素基(例えば、アリル基、メタリル基、3−ブテニル基、炭素原子数1〜19のアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アルキルナフチル基など)、アシル基または水素原子を表し、R14は、同一または異なる、置換または非置換の2価の炭化水素基(例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基など)を表す。sは0または正の整数である。但し、R13で表される基の少なくとも1つは不飽和置換基を有する炭化水素基である。〕
上記のヒドロシリル化反応は、公知の技術に従って行うことができる。すなわち、この反応は、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系、ジオキサン、THFなどのエーテル系、脂肪族炭化水素系、塩素化炭化水素系の有機溶剤中または無溶媒で行われる。
また、ヒドロシリル化反応は、触媒の不存在下で行ってもよいが、触媒の存在下に行うことにより低温で短時間で反応が進行するので好ましい。かかる触媒としては、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムなどの化合物を挙げることができ、その触媒活性が高いことから白金化合物が特に有効である。白金化合物の例としては、塩化白金酸;金属白金;アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの坦体に金属白金を坦持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフイン錯体、白金−ホスファイト錯体、白金アルコラート触媒などの白金錯体を挙げることができる。触媒の使用量は、白金触媒を使用する場合、金属白金として0.5〜100ppm程度である。
ヒドロシリル化反応の反応温度としては、通常50〜150℃であり、反応時間は、通常10分間〜24時間、好ましくは1〜10時間である。
ヒドロシリル化反応は、通常、ポリオキシアルキレンを過剰にして反応させる。従って、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物には、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体とともに、未反応のポリオキシアルキレンが不可避的に含有される。
〔精製工程〕
合成工程におけるヒドロシリル化反応により得られた反応溶液に、必要に応じて、中和、低沸分の除去(留去)、固形分(固体残渣)の分離などの処理を行うことにより、粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物が得られる。
この組成物(粗製品)中には、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(目的物)のほかに、未反応のポリオキシアルキレン(例えば、アリルエーテル化ポリオキシアルキレン)およびその異性化物(例えば、プロペニルエーテル化ポリオキシアルキレン)が含有されている。
未反応のポリオキシアルキレンの異性化物であるプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンは、ビニルエーテル型の化合物であるため、容易に加水分解して軽質分を生成する。すなわち、プロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンは、空気中の水分および僅かな酸の存在により徐々に加水分解し、臭気物質であるプロピオンアルデヒドを生成する。
また、未反応のポリオキシアルキレンであるアリルエーテル化ポリオキシアルキレンは、組成物中に残存する白金触媒の作用により徐々に、異性化物であるプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンに変化(延いてはプロピオンアルデヒドを生成)して臭気の原因となるばかりでなく、アリルエーテル化ポリオキシアルキレンが経時的に酸化し、この酸化物も臭気の原因となる。
従って、加水分解および酸化により臭気物質を発生することがなく、経時的にも安定な組成物を得るには、プロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンを除去するだけではなく、臭気原因となる不安定構造をもつ化合物を、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に残存させないようにすることが必要であり、これを目的として、精製工程が行われる。
精製工程においては、総不飽和度およびカルボニル総量に係る前記2要件(好ましくは、総不飽和度、カルボニル総量およびイオン性不純物総量に係る前記3要件)を具備する組成物(本発明の組成物)を得るために、組成物(粗製品)に対して、「固体酸を使用する分解処理」および「水素添加処理」が施される。
精製工程においては、粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に固体酸を使用する分解処理を行った後、水素添加処理を行ってもよいし;粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に水素添加処理を行った後、固体酸を使用する分解処理を行ってもよい。
水素添加処理は、通常、水素添加触媒の存在下に行われる。かかる水素添加触媒としては、ニッケル、バラジウム、白金、ロジウム、コバルト、クロム、銅および鉄などの単体並びに化合物を例示することができる。任意に使用される触媒担体としては、活性炭、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、ゼオライト等などを挙げることができる。また、合成工程(ヒドロシリル化反応)で使用した白金触媒をそのまま使用することもできる。水素添加触媒は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
水素添加処理において、任意に使用される溶媒としては、水素添加反応に不活性な溶媒の中から選択することができ、具体的には、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系、ジオキサン、THFなどのエーテル系、脂肪族炭化水素系、塩素化炭化水素系、水などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、合成工程(ヒドロシリル化反応)で使用した溶媒(反応溶液を構成する溶媒)をそのまま使用することもできる。
水素添加反応は、常圧または加圧下で行うことができる。現実的には、水素加圧下(水素圧=1〜200kg/cm2 )で行う。反応温度としては、通常0〜200℃とされ、反応時間の短縮の観点から50〜170℃であることが好ましい。
水素添加反応は、回分式および連続式の何れの方式で行ってもよい。回分式で行う場合における反応時間は、触媒量および反応温度などによっても異なるが、概ね3〜12時間とされる。
回分式で行う場合、水素添加反応の終点は、水素圧の減少が殆ど観測されなくなった時点から、さらに1〜2時間反応させた時点とすることができる。なお、反応途中で水素圧が減少した場合、水素ガスを再び導入し水素圧を高く保持することが反応時間短縮の観点から好ましい。
水素添加反応終了後、窒素加圧下に、濾紙、けい藻土または活性炭を使用して、水素添加反応触媒(反応系に存在する場合にはヒドロシリル化反応触媒)を分離除去する。
また、溶媒を使用した場合および/または水素添加後の反応系に軽質分が存在する場合には、必要に応じて、減圧下に窒素ガスを導入しながら、これらの軽質分を留去する。
なお、軽質分の除去操作は、水素添加反応を行う前処理として行ってもよく、さらに、水素添加反応前後でそれぞれ行ってもよい。
水素添加処理によって、不飽和基がアルキル化されることにより、処理後の組成物は、総不飽和度に係る前記要件(総不飽和度≦0.00010meq/g)を概ね具備することができ、不飽和基に起因する臭気物質(例えば、プロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンに起因するプロピオンアルデヒド)の発生量を減少させることができる。
しかしながら、水素添加処理のみでは、アセタールなど、不飽和結合を有しないアルデヒド縮合物を除去することができず、処理後の組成物は、カルボニル総量に係る前記要件(カルボニル総量≦100ppm)を具備することはできず、そのような組成物では、水/(多価)アルコールとの混合系において、カルボニル類に起因する経時的な着臭を抑制することは不可能となる。
そこで、本発明においては、固体酸を使用する分解処理を行うことにより、組成物中に存在するアルデヒド縮合物を分解して、処理後の組成物において、カルボニル総量に係る前記要件を具備させる。
既述したように、精製工程においては、固体酸を使用する分解処理を、水素添加処理に先行させることもできる。
かかる場合には、固体酸を使用する分解処理によって、粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のプロペニルエーテル化ポリオキシアルキレンおよびアルデヒド縮合物が分解され、次いで、生成したアルデヒド、および残留しているアルケニル化ポリオキシアルキレン(アリルエーテル化ポリオキシアルキレン)などが、水素添加処理によって還元されることになり、従って、この方法(酸処理−水素添加)によって精製処理された組成物も、総不飽和度およびカルボニル総量に係る前記2要件を具備するものとなる。
本発明において「固体酸を使用する分解処理」とは、例えば、処理すべき組成物(粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物または水素添加処理が行われたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)中に、固体酸を添加して、この系を攪拌する分解処理、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中に、固体酸と、水と、必要に応じて有機溶剤とを添加して、この系を攪拌する加水分解処理などを意味し、特に加水分解処理が好ましい。
加水分解処理における反応条件(温度・時間)としては、温度15〜160℃、好ましくは50〜100℃で、1〜24時間、好ましくは1〜12時間とされる。
また、固体酸を充填した反応塔に処理すべき組成物を通過(流通・循環)させてもよい。この場合の反応条件としては、15〜160℃、好ましくは50〜100℃で、1〜24時間、好ましくは1〜12時間とされる。
なお、処理すべき組成物中に軽質分が存在する場合には、必要に応じて、固体酸を使用する分解処理中に、減圧下に窒素ガスを導入しながら、これらの軽質分を留去することが好ましい。また、軽質分の除去操作は、固体酸を使用する分解処理の前処理および/または後処理として行ってもよい。
既述したように、固体酸を使用する分解処理は水の存在下に行うことが好ましく、また、処理すべき組成物を構成するオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体が水に難溶性のものである場合には、水と水溶性の有機溶媒とを併用することもできる。かかる有機溶媒としては、炭素数1〜5の飽和の一価アルコール、THF、ジオキサンなどを例示することができる。
分解処理に使用する「固体酸」は、酸性の固体物であり、固体酸性酸化ジルコニウム(固体酸性ジルコニア)、強酸性陽イオン交換樹脂、フッ素化スルホン酸樹脂、ゼオライト酸性白土、アルミナ、シリカアルミナなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、固体酸性酸化ジルコニウム、強酸性陽イオン交換樹脂、フッ素化スルホン酸樹脂およびゼオライトが好ましく、特に好ましくは固体酸性酸化ジルコニウムである。
好適な固体酸性酸化ジルコニウムとしては、ジルコニウム水酸化物を硫酸で処理した後300℃以上で調製したもの、さらに具体的には、アルミニウム水酸化物もしくは水和酸化物、ジルコニウム水酸化物もしくは水和酸化物、および硫酸分含有化合物を混錬し成形して得られた成形物を、正方晶構造のジルコニアが得られる温度(300℃以上)で焼成することにより得られたもの(硫酸ジルコニア)を挙げることができる。
固体酸性酸化ジルコニウムの市販品としては、「SZA−60」〔(株)ジャパンエナジー製〕を挙げることができる。
固体酸である強酸性陽イオン交換樹脂としては、スルホン酸基(−SO3 H)を官能基とする陽イオン交換樹脂を挙げることができ、オルガノ(株)(米国Rhom and Haas社)から「アンバーリスト15」、「アンバーリスト16」、「アンバーリスト31」、「アンバーリスト35」、「アンバーリストA36」などが販売されている。
固体酸であるフッ素化スルホン酸樹脂としては、重合体鎖に結合した懸垂状のスルホン酸基を有する過フッ素化された重合体(特公昭59−4446号公報に開示)などを挙げることができる。
固体酸を使用する分解処理を行うことにより、処理後の組成物において、カルボニル総量に係る前記要件(カルボニル総量≦100ppm)を具備することができるとともに、イオン性不純物総量に係る前記要件(前記指標値(σ1 −σ0 )≦30μS/m)を具備することができる。
処理後の組成物が、イオン性不純物総量に係る前記要件を具備する理由につては、下記のようなことが推測される。
(1)固体酸は、酸物質含有水溶液(特許文献6)と異なり、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体に溶解されないため、組成物中に残留しない。また、固体酸の構成成分が当該共重合体中に溶出することもない。
(2)酸(固体酸)が残留しないので、中和を行う必要がなく、中和塩も残留しない。
(3)処理すべき組成物中に存在していたイオン性不純物が、固体酸の表面に吸着され、固体酸とともに組成物から除去される。
イオン性不純物総量に係る前記要件を具備する組成物(本発明の組成物)においては、残留するイオン性不純物によるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体の経時的劣化(例えば、酸による共重合体の酸化、酸や中和塩による共重合体の解重合など)、組成物中に含有されているポリオキシアルキレンの経時的劣化(例えば、酸によるポリオキシアルキレン基の酸化)など、イオン性不純物に起因する問題は生じない。
従って、当該組成物を水/(多価)アルコールと混合してなる混合系において、イオン性不純物に起因する経時的着臭〔イオン性不純物による経時的着臭・イオン性不純物の分解に伴う経時的着臭・イオン性不純物による変性シリコーン化合物や残留ポリオキシアルキレンの劣化・分解に伴う経時的着臭〕が確実に抑制される。
また、固体酸を使用する分解処理を行った後に水素添加処理を施す場合において、イオン性不純物による水素添加反応の阻害の問題も生じない。
<ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル総量の測定方法>
本発明の測定方法(請求項12に係る測定方法)は、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル類と、2,4−DNPHとを反応させて得られる反応溶液の吸光度から、当該ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物のカルボニル価を求め、このカルボニル価から、予め測定された検量線を利用して、当該組成物中におけるプロパナール換算のカルボニル総量を測定する方法である。
ここに、「カルボニル価」とは、カルボニル含有量の指標値であって、2,4−DNPHを試料に反応させてなる反応溶液の吸光度(430nmまたは460nmの吸光度)を試料1gあたりに換算することにより求められる値をいう。
カルボニル類の濃度(プロピオンアルデヒドの濃度)が既知である標準試料についてのカルボニル価を測定して検量線を得ることにより、種々の試料(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)について、カルボニル類の濃度(カルボニル総量)を測定することができる。
カルボニル価の測定は、酸の存在下にカルボニル類と2,4−DNPHとを反応させて生成されたヒドラゾンが、塩基性でキノイドイオンとなって発色する性質を利用するものであり、発色の程度を示す430nm(その近傍に飽和カルボニルに由来の極大波長がある。)または460nm(その近傍に不飽和カルボニルに由来の極大波長がある。)の吸光度から、カルボニル価が求められる。
本発明の測定方法は、カルボニル類と2,4−DNPHとの反応における反応溶媒として、超高純度アルコールと、水とを併用する点に特徴を有する。
本発明において、「反応溶媒」とは、試料中のカルボニル類と、2,4−DNPHとの反応系に存在する溶媒をいい、(a)試料溶液を調製するために使用した溶媒のほか、(b)添加する酸の溶液を調製するために使用した溶媒、(c)2,4−DNPHの溶液を調製するために使用した溶媒などにより反応溶媒が構成される。
なお、(a)試料溶液を構成するアルコール、(b)酸の溶液を構成するアルコール、(c)2,4−DNPHの溶液を構成するアルコールが、それぞれ、超高純度アルコールでなくてもよく、これらを混合してなる反応溶媒中のアルコールが、超高純度アルコールとしての要件(アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下)を具備していればよい。
また、本発明の測定方法において、反応溶液の吸光度を測定する際に、当該反応溶液の容量を一定にするために添加する溶媒(以下、「希釈溶媒」ともいう。)として、アルコールを使用することが好ましく、超高純度アルコールを使用することが特に好ましい。
なお、希釈溶媒のすべてがアルコールである必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、反応溶媒の一部として、水および/または有機溶剤(その構造にカルボニル基を有さないものであって、有害性の少ないもの)を使用してもよい。
反応溶媒を構成する超高純度アルコールおよび希釈溶媒を構成するアルコールとしては、一価の飽和アルコールを挙げることができる。不飽和アルコールは、安定性に劣り、その一部が酸化された結果生成されるカルボニルを含有することがあり、これが測定誤差の原因となる。
一価の飽和アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチルヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−プロピルヘキサノール、2−ブチルヘキサノールなどを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、試料(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)の溶解性および安全性の観点から、エタノールおよび2−プロパノールが好ましい。
これらのアルコールは、ベンゼンのような有害性がなく、また、極性・分子量の異なる種々の物質を溶解することができる。従って、反応溶媒および希釈溶媒として、これらのアルコールを使用することにより、カルボニル価を求めるための各操作を安全かつ容易に行うことができる。
反応溶媒として使用する超高純度アルコールに含まれるアルデヒド・ケトンの総量は、3ppm以下とされ、好ましくは2ppm以下とされる。
反応溶媒として使用されるアルコールにおいて、アルデヒド・ケトンの総量が3ppmを超える場合には、得られる反応溶液について吸光度を測定する際に、ベースラインが上昇し、また、カルボニル含有量が少ない試料を含む反応溶液について測定された吸光度が、空試験のための溶液(当該試料を含まない溶液)について測定された吸光度より小さくなるなど、適正な(精度の高い)指標値を得ることができない。
アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下である超高純度アルコールを、反応溶媒として使用することによりはじめて、カルボニル含有量が少ない(例えば、カルボニル価が3未満)試料についても、カルボニル価を適正に求めることができる。
超高純度アルコールの調製方法(精製方法)としては、精製すべきアルコールに、2,4−DNPHおよび酸化作用を有しない酸(例えば塩酸やトリクロロ酢酸)を適量添加し、この系を数時間かけて加熱攪拌した後、常圧または減圧下にアルコールを蒸留する方法を挙げることができる。
なお、これらの精製処理は、反応溶液について吸光度の測定を行う前24時間以内に実施することが好ましい。
また、超高純度アルコールとして、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下となるまで精製された市販の高純度試薬を使用することが好ましい。
超高純度アルコールとして使用することのできる市販の高純度試薬としては、エタノール(99.8%)インフィニティピュア、エタノール(99.8%)精密分析用、エタノール(99.5%)高速液体クロマトグラフ用、エタノール(99.5%)分光分析用、2−プロパノール(99.9%)インフィニティピュア、2−プロパノール(99.9%)精密分析用、2−プロパノール(99.5%)高速液体クロマトグラフ用、2−プロパノール(99.5%)分光分析用、1−プロパノール(99.8%)インフィニティピュア、1−プロパノール(99.5%)高速液体クロマトグラフ用、メタノール(99.8%)インフィニティピュア、メタノール(99.8%)精密分析用、メタノール(99.5%)高速液体クロマトグラフ用、メタノール(99.5%)分光分析用、n−ブチルアルコール高速液体クロマトグラフ用、n−ブチルアルコール分光分析用(以上、和光純薬工業(株)製)などを例示することができる。
なお、上記のような高純度試薬であっても、アルデヒド・ケトンの総量が経時的に増加してアルデヒド・ケトンの総量が3ppmを超えることがある。また、開封後においては比較的短い時間(例えば24時間以内)で当該総量が3ppmを超えてしまう。
そこで、超高純度アルコールとしての必須要件(アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下)を満足させる観点から、市販の高純度試薬は、
(a)使用前6月以内に製造されたものであり、かつ、
(b)使用前24時間以内に開封されたものであることが好ましい。
上記(a)または(b)の条件を具備しないアルコールは、酸化が進行して、アルデヒド・ケトンの総量が3ppmを超えている可能性が高く、カルボニル含有量の適正な指標値(延いては、正確なカルボニル総量)を得ることができなくなるおそれがある。
ここに、あるロットのエタノール(99.8)インフィニティピュアを製造後5月経過時に開封してアルデヒド・ケトンの総量を測定したところ2.8ppmであったが、これと同じロットのエタノール(99.8)インフィニティピュアを製造後7月経過時に開封してアルデヒド・ケトンの総量を測定したところ5.0ppm(超高純度アルコールとしての要件不備)であった。
また、反応溶媒として、超高純度アルコールとともに、水を使用することにより、アセタールなどのアルデヒド縮合物(潜在的なカルボニル化合物)を含有する試料(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)であっても、そのカルボニル価を高い精度で確実に求めることができ、着臭原因物質であるこれらに由来するカルボニル類をも考慮した合目的的なカルボニル総量を定量することが可能となる。この理由としては明らかではないが、反応系に水が存在することにより、アルデヒド縮合物が分解されて2,4−DNPHとの反応が確実に行われるからであると推測される。
超高純度アルコールと水とからなる反応溶媒における両者の混合割合としては、超高純度アルコール:水(質量比)が99.9:0.1〜50:50とされ、好ましくは99:1〜75:25とされる。
本発明の測定方法において、反応溶媒として使用する溶媒が、超高純度アルコールと水の混合溶媒のみからなる必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、反応溶媒の一部として、その構造にカルボニル基を有さないものであって、有害性の少ない有機溶剤を使用してもよい。
但し、反応溶媒の一部として、超高純度アルコール以外の有機溶剤を使用する場合には、当該有機溶剤(一部)と、超高純度アルコール(残部)とを混合してなる反応溶媒(水を除く全部)に含まれるアルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下であることが必要である。
本発明の測定方法においては、試料(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)を溶媒に溶解してなる試料溶液に酸および2,4−DNPHを添加し、この系を加熱処理することによって試料中のカルボニル類と2,4−DNPHとを反応させ、冷却後、この系にアルカリを添加し、次いで、希釈溶媒で一定の容量に調整することにより、塩基性の反応溶液(吸光度の測定に供される反応溶液)を調製することができる。
ここに、塩基性の反応溶液を調製するための容器としては、容量が10〜100mLのメスフラスコを使用することが好ましい。
(1)試料溶液:
試料溶液を調製するために使用する溶媒は、そのまま反応溶媒を構成するものとなるので、かかる溶媒としては、通常、超高純度アルコールと水との混合溶媒が使用される。
吸光度を測定するために使用する試料溶液(試料および溶媒)の質量としては、通常2〜6g程度とされ、好ましくは5g程度とされる。
試料溶液中に含める試料の質量としては、吸光度の測定に供される反応溶液の調製量(使用するメスフラスコの容量)、試料中のカルボニル含有量(カルボニル価)によっても異なるが、例えば50mLのメスフラスコを使用して反応溶液(吸光度の測定に供される反応溶液)を調製する場合、純分で5〜250mgであることが好ましく、さらに好ましくは10〜150mgとされる。
(2)酸:
試料溶液に添加される酸としては、希硫酸、塩酸、希硝酸、燐酸などの鉱酸、トリクロロ酢酸、トリフロロ酢酸、ギ酸、酢酸、スルホン酸、フェノール酸などの有機酸、AlCl3 、FeCl3 、TiCl4 などのルイス酸などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、高度に精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物におけるカルボニル総量を正確に定量できるという観点から、希硫酸(特に濃度20%以下のもの)および塩酸(特に濃度37%以下のもの)が好ましい。また、本発明で使用する酸は、できるだけ高純度のもの(試薬特級またはそれ以上の純度のもの)であることが好ましい。
これらの酸は、試料溶液にそのまま添加してもよいが、正確な計量を行うなどの観点から、適宜の溶媒に溶解してなる溶液状態で添加することが好ましい。
なお、酸の溶液を調製するために使用する溶媒はそのまま反応溶媒を構成するものとなるので、かかる溶媒としては、超高純度アルコール、または、超高純度アルコールと水との混合溶媒を使用することが好ましい。
50mLのメスフラスコで反応溶液(純分で5〜250mgの試料を含む反応溶液)を調製する場合に、酸の添加量は、純分で0.03〜3.0gであることが好ましい。
(3)2,4−DNPH:
試料溶液に添加される2,4−DNPHとしては、等量の水を含有する試薬特級またはそれ以上の純度のものを用いることが好ましい。また、再結晶などの精製操作により更に純度を高くしてもよい。
2,4−DNPHは、試料溶液にそのまま添加してもよいが、正確な計量を行うなどの観点から、適宜の溶媒に溶解してなる溶液状態で添加することが好ましい。なお、2,4−DNPHの溶液を調製するために使用する溶媒は、そのまま反応溶媒を構成するものとなるので、かかる溶媒としては、超高純度アルコール、または、超高純度アルコールと水との混合溶媒を使用することが好ましい。
50mLのメスフラスコで反応溶液(純分で5〜250mgの試料を含む反応溶液)を調製する場合に、2,4−DNPHの添加量は、純分で0.5〜10mgであることが好ましい。
(4)加熱処理:
試料、酸および2,4−DNPHを含有する混合溶液の加熱処理条件としては、30〜120℃(但し、反応溶媒の沸点よりも低い温度)で20〜180分間とされる。
処理温度が30℃未満では、試料中のカルボニル類と、2,4−DNPHとの反応に長時間を要し効率的ではない。一方、120℃よりも高い温度で加熱すると、生成したヒドラゾンが分解するおそれがある。
処理時間が20分間未満では、2,4−DNPHとの反応を完結させることが困難となる。一方、処理時間が180分間を超えると、生成したヒドラゾンが分解するおそれがある。
(5)アルカリ:
試料中のカルボニル類と2,4−DNPHとの反応による反応溶液に添加されるアルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機強塩基を用いることが好ましい。
これらのアルカリは、試料溶液にそのまま添加してもよいが、正確な計量を行うなどの観点から、適宜の溶媒に溶解してなる溶液状態で添加することが好ましい。かかる溶媒としては、アルカリを溶解することができ、その構造にカルボニル基を有さないものであって、反応溶媒として使用された溶媒との相溶性があり、有害性の少ないものの中から1種または2種以上を選択して使用することができ、具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノールなどの一価の飽和低級アルコール、または、これらに水および/またはその他の有機溶剤(その構造にカルボニル基を有さないものであって、有害性の少ないもの)を適量混合してなる混合溶媒を例示することができ、超高純度アルコール、または、超高純度アルコールと水との混合溶媒を使用することが好ましい。
50mLのメスフラスコで反応溶液(純分で5〜250mgの試料を含む反応溶液)を調製する場合に、アルカリの添加量は、純分で0.05〜5.0gであることが好ましい。
(6)希釈溶媒:
アルカリが添加された反応溶液は、アルコールを主体とする希釈溶媒で一定の容量(例えば50mL)に調整される。希釈溶媒を構成するアルコールとしては、超高純度アルコールを使用することが好ましい。
(7)具体的な調製方法:
吸光度の測定に供される反応溶液の調製方法の一例を示せば、容量50mLのメスフラスコに、5〜250mgの試料(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)を、超高純度アルコールと水との混合溶媒で溶解してなる試料溶液5gを仕込み、次いで、0.03〜3.0gの酸が超高純度アルコールに溶解された溶液と、0.5〜10mgの2,4−DNPHが超高純度アルコールに溶解された溶液とを添加した後、このメスフラスコに栓をして、30〜120℃で20〜180分間かけて加熱処理することにより、試料中のカルボニル類と2,4−DNPHを反応させ、これを室温まで冷却した後、このメスフラスコに、0.05〜5.0gのアルカリがアルコールに溶解された溶液を添加し、その後、アルコールからなる希釈溶媒を添加して容量を50mLに調整する。
本発明の測定方法においては、上記のようにして得られた塩基性の反応溶液について、必要に応じて濾過処理を行った後、430nmまたは460nmの吸光度を測定する。
ここに、試料中に含まれるカルボニルが、主に飽和カルボニルであると推定される場合には、当該反応溶液について430nmの吸光度を測定し、試料中に含まれるカルボニルが、主に不飽和カルボニルであると推定される場合には、当該反応溶液について460nmの吸光度を測定する。
吸光度の測定おいて、反応溶液を収容する吸収セルは石英製のものを使用することが好ましい。また、吸収セルにより規定される液層の長さ(厚さ)は1cmであることが好ましい。
吸光度の測定は、試料中のカルボニル類と2,4−DNPHとの反応による反応溶液にアルカリを添加してから10分経過後乃至20分経過前に実施することが好ましい。
アルカリを添加してから10分が経過する前に測定される吸光度は安定性に欠けることがあり、また、アルカリを添加してから20分が経過した後は、反応溶液が褪色して吸光度が低下する傾向がある。
種々の試料について実施した経験から、アルカリを添加してから15分経過時に吸光度を測定すると、最も再現性のよい値が得られる。
本発明の測定方法においては、上記のようにして測定された吸光度から、試料(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)のカルボニル価を求め、このカルボニル価から、予め測定された検量線を利用して、当該組成物中におけるカルボニル総量を測定する。
ここに、検量線は、上記の方法(カルボニル価の測定法)に従って、カルボニル総量(プロピオンアルデヒド濃度)が既知である複数の標準試料についてのカルボニル価を測定することにより得られる。
本発明の測定方法(請求項13に係る測定方法)は、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中におけるプロパナール換算のカルボニル総量を測定する方法において、上記の工程(1)〜(9)により測定される吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を、数式:CV=(A1 −A2 )/B〔但し、Bは、試料溶液5.000g中に含まれる試料の質量(g)である。〕に代入してカルボニル価(CV)を求める方法によって、カルボニル総量(プロピオンアルデヒド濃度)が既知の標準試料についてのカルボニル価を測定して検量線を得、この検量線を得るために採用した前記方法と同一の方法により、カルボニル総量が未知の試料(ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物)についてのカルボニル価を測定し、このカルボニル価および前記検量線から、当該試料中のカルボニル総量を測定する方法であり、上記の工程(1)および工程(9)で使用する後記溶媒が超高純度アルコールと水とを含有し、下記の工程(7)で使用する後記溶媒が超高純度アルコールを含有する点に特徴を有している。
なお、検量線の測定(標準試料についてのカルボニル価の測定)と、未知試料についてのカルボニル価の測定は、いずれを先に行ってもよい。
以下、各工程について説明する。
なお、反応溶液の調製に係る工程(2)〜(7)は、通常、50mLのメスフラスコを使用して行われる。
工程(1)は、超高純度アルコールと水とを含有する溶媒に試料を溶解して試料溶液を調製する工程である。
試料溶液における試料の割合は、当該試料について予測されるカルボニル価に応じて変更される。例えば、カルボニル価が6未満であると予測される試料では2〜3質量%(試料溶液5.000gあたり100〜150mg)、カルボニル価が6〜15の範囲にあると予測される試料では0.8〜2質量%(試料溶液5.000gあたり40〜100mg)、カルボニル価が15〜30の範囲にあると予測される試料では0.4〜0.8質量%(試料溶液5.000gあたり20〜40mg)、カルボニル価が30〜60の範囲にあると予測される試料では0.2〜0.4質量%(試料溶液5.000gあたり10〜20mg)、カルボニル価が60を超えると予測される試料では0.2質量%未満(試料溶液5.000gあたり10mg未満)とすることが好ましい。
また、試料溶液を調製する場合には、試料を段階的に希釈することが好ましい。例えば、2質量%の試料溶液5.000gを調製する方法として、先ず、試料2.00gを、超高純度アルコール2.00gと、水21.00gに溶解させて、8質量%の溶液25.00gを調製する。
次いで、50mLのメスフラスコに、8質量%の溶液1.250gと、超高純度アルコール3.750gとを正確に添加して4倍に希釈する方法を挙げることができる。
工程(2)は、上記の工程(1)により得られた2質量%の試料溶液5.000g(試料:0.100g)に、20%(wt/wt)希硫酸のアルコール溶液〔硫酸濃度1.2%(wt/vol)〕3mLを、ホールピペットなどを用いて添加する工程である。
この希硫酸のアルコール溶液の溶媒(アルコール)は、超高純度アルコールであることが好ましい。
希硫酸のアルコール溶液は、超高純度アルコール100mLを収容する瓶を開封し、この瓶に、20%(wt/wt)の希硫酸6.44gを直接添加し、当該瓶に蓋をした後、振り混ぜることにより、当該瓶内で均一化させることにより調製することが好ましい。
また、希硫酸のアルコール溶液は、反応溶液についての吸光度の測定前24時間以内に調製することが好ましい。
工程(3)は、上記の工程(2)により得られた混合溶液に、2,4−DNPHのアルコール溶液〔0.025%(wt/vol)〕5mLを、ホールピペットなどを用いて添加する工程である。
この2,4−DNPHのアルコール溶液の溶媒(アルコール)は、超高純度アルコールであることが好ましい。
2,4−DNPHのアルコール溶液は、超高純度アルコール100mLを収容する瓶を開封し、この瓶に、2,4−DNPH(等量の水を含有する試薬特級品)50mgを直接添加し、当該瓶に蓋をした後、超音波洗浄機に5分間程度かけることにより、当該瓶内で2,4−DNPHを完全に溶解させることにより調製することが好ましい。
また、2,4−DNPHのアルコール溶液は、反応溶液についての吸光度の測定前24時間以内に調製することが好ましい。
工程(4)は、上記の工程(3)により得られた混合溶液を60℃で30分間加熱して、試料中のカルボニル類と、2,4−DNPHとを反応させる工程であり、これにより、ヒドラゾンを含有する反応溶液が得られる。
工程(5)は、工程(4)により得られた反応溶液を室温で30〜70分間放置して冷却する工程である。
工程(6)は、放置された後の反応溶液に、水酸化カリウムのアルコール溶液〔4.0%(wt/vol)〕10mLを、ホールピペットなどを用いて添加して混合する工程である。これにより、反応溶液が塩基性を示し、生成したヒドラゾンがキノイドイオンとなって発色する。
この水酸化カリウムのアルコール溶液の溶媒(アルコール)は、超高純度アルコールであることが好ましい。
水酸化カリウムのアルコール溶液は、超高純度アルコール100mLを収容する瓶を開封し、この瓶に、水酸化カリウム(ペレット状の試薬特級品)4.0gを直接添加し、当該瓶に蓋をし、ペレットが消失するまで振り混ぜた後、超音波洗浄機に5〜10分間程度かけることにより、当該瓶内で水酸化カリウムを完全に溶解させることにより調製することが好ましい。
また、水酸化カリウムのアルコール溶液は、反応溶液についての吸光度の測定前24時間以内に調製することが好ましい。
工程(7)は、上記の工程(6)から5〜10分経過後、当該反応溶液に、超高純度アルコールからなる希釈溶媒を添加し、総量が50mLの反応溶液(塩基性の反応溶液)を調製した後、この反応溶液を濾過処理し、析出した中和塩(硫酸カリウム)を除去する工程である。
工程(8)は、上記の工程(7)で得られた反応溶液について、430nm(試料中に含まれるカルボニルが主に飽和カルボニルであると推定される場合)または(試料中に含まれるカルボニルが主に不飽和カルボニルであると推定される場合)460nmの吸光度(A1 )を測定する工程である。
吸光度の測定は、上記の工程(6)の水酸化カリウムのアルコール溶液の添加時から10分経過後乃至20分経過前に実施することが必要とされ、水酸化カリウムのアルコール溶液の添加時から15分経過時に吸光度を測定することが最も好ましい。
工程(9)は、空試験として、前記試料溶液に代えて、超高純度アルコール3.850gと、水1.150gを使用し、上記の工程(2)〜(7)と同様の操作(希硫酸のアルコール溶液の添加;2,4−DNPHのアルコール溶液の添加;得られる混合溶液の加熱および冷却;水酸化カリウムのアルコール溶液の添加;超高純度アルコールからなる希釈溶媒の添加)を行って得られた溶液について、430nmまたは460nmの吸光度(A2 )を測定する工程である。
上記の工程(1)〜(8)により得られる吸光度(A1 )と、上記の工程(9)により得られる吸光度(A2 )を、それぞれ、数式:CV=(A1 −A2 )/Bに代入することにより、カルボニル価(CV)を求めることができる。
上記の数式において、Bは、試料溶液5.000g中に含まれる試料の質量(g)であり、2質量%の試料溶液においては、0.1(5.000×0.02)となる。
本発明の測定方法(請求項12および請求項13)は、カルボニル価の測定方法で使用する反応溶媒に、超高純度アルコールと水とが含有されているので、本発明の測定方法によれば、アルデヒド類・ケトン類のみではなく、アセタールなどのアルデヒド縮合物(潜在的なカルボニル化合物)を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であっても、そのカルボニル価を高い精度で確実に求めることができ、着臭原因物質であるこれらに由来するカルボニル類をも考慮した合目的的なカルボニル総量を定量することが可能となる。
<ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の用途>
本発明の組成物は、各種用途に使用することができ、特に、無香料化する化粧料(皮膚用化粧料・毛髪用化粧料)および化粧品分野を中心に、従来において、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の使用が、その着臭(特に、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的な着臭)のために困難であった分野にも、利用することができる。
本発明の組成物を化粧料や化粧品の用途に利用する場合に、その配合割合は、0.1〜40質量%程度であることが好ましい。本発明の組成物を配合してなる化粧料または化粧品には、本発明の効果が損なわれない範囲内で、皮膚用化粧料や毛髪用化粧料を構成する成分が配合されていてもよい。
皮膚用化粧料や毛髪化粧料においては、オイル、樹脂、ガム、ゴム、粉末などの形状のシリコーン化合物(例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルメチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、ポリカプロラクトン変性ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、カルボン酸変性ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンやドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、ステアロキシシリコーンなどの高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキル変性トリシロキサン、フッ素変性シリコーン、シリコーンレジンなど);水;アルコール類(ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキサデシルアルコールなどの高級アルコール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール、ソルビトール、マルトースなどの糖アルコール、ステロールとしてコレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロールなど);各種油分〔例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油、脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ポリオキシエチレン(POE)ラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油などの「天然動植物油脂類および半合成油脂」、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの「炭化水素油」、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、(12−ヒドロキシステアリン酸)、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、エルカ酸などの「高級脂肪酸」、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸n−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリルなど;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリルなどの「エステル油」〕;界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルカンスルホン酸塩、アルキルエトキシカルボン酸塩、コハク酸誘導体、アルキルアミンオキサイド、イミダゾリン型化合物、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物など);高分子化合物〔ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化高分子化合物、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル−アルキルアミノアクリレート共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の低級アルキルハーフエステル、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル−N−アルキルアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸−(tert−ブチル−安息香酸ビニル)共重合体、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム)、ビニルピロリドン−メタクリル酸−酢酸(tert−ブチル)共重合体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリル酸共重合体など〕;アミノ酸(グリシン、セリン、プロリン)、粉体(セリサイト、シリカアルミナ、シリカゲル、カオリン、タルク、ベンガラ、グンジョウ、雲母、雲母チタン、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化アンチモン、一酸化亜鉛、二酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化クロム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリエチレン粉体など);紫外線吸収剤、保湿剤(例えばグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドなど)、香料、染料、顔料、色素、防腐剤、ビタミン剤、ホルモン剤、消臭剤、固着剤、消炎剤などが適量配合されていてもよい。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔調製例1:粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の調製〕
攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えたガラス製の反応容器内に、式:(CH3 3 SiO[(CH3 2 SiO]10[(CH3 )HSiO]5 Si(CH3 3 で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(水素ガス発生量=93.2mL/g)240質量部と、式:CH2 =CHCH2 O(C2 4 O)10CH3 で示されるポリオキシアルキレン222質量部(使用量の一部)とを仕込み、攪拌下に昇温して液温を74℃に安定させた後、塩化白金酸(触媒)の10%エタノール溶液0.10質量部(使用量の一部)を添加したところ、付加反応(ヒドロシリル化反応)による発熱が認められ、液温は約120℃まで上昇した。
液温が109℃まで下がったところで、CH2 =CHCH2 O(C2 4 O)10CH3 で示されるポリオキシアルキレン445質量部(使用量の残部)を添加し、液温が73℃に安定したことを確認後、塩化白金酸(触媒)の10%エタノール溶液0.10質量部(使用量の残部)を添加したところ、付加反応による発熱が再び認められ、液温は約110℃まで上昇し、反応液の外観は透明になった。
触媒溶液の残部を添加してから3時間後に反応液をサンプリングし、これを、水酸化カリウムの水/エタノール溶液と混合したところ水素ガスが全く発生しなかったことから、付加反応が終了したと判断した。
次いで、85℃の反応液に炭酸水素ナトリウム7.6質量部を添加し、30分間混合することにより中和処理を行った後、90℃で9.3kPaに減圧して30分間にわたり低沸分を除去した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、常圧に戻して、珪藻土2質量部を混合して加圧濾過を行うことにより固液分離した。濾液として、淡褐色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(以下、「粗製品(ZA)」という。)860質量部を得た。
<実施例1>
(1)水素添加処理:
調製例1で得られた粗製品(ZA)700gを、1000mLのオートクレーブに移し、ラネーニッケル触媒35gと、水4gと、IPA35gとを添加した後、水素ガスを導入して、140℃・8.0MPaの条件で6時間にわたり水素添加処理を行った。次いで、処理後の反応混合物を60℃まで冷却して水素ガスをブローした後、窒素ガスによる置換を行った。次いで、ラネーニッケル触媒を加圧濾過により除去し、得られた濾液を還流冷却器および窒素挿入口を備えた1000mLの2つ口フラスコに仕込み、減圧して140℃まで昇温し、1.3kPaで5時間にわたり低沸分を除去し、濾液の濃縮物として、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(以下、「水添処理済組成物(ZB1)」という。)645gを得た。
(2)固体酸を使用する分解処理:
上記のようにして得られた水添処理済組成物(ZB1)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ内に仕込み、硫酸ジルコニア「SZA−60」〔(株)ジャパンエナジー製〕1.0gと、精製水6.0gとを添加し、この系を95℃で7時間攪拌して加水分解処理を行った。
次いで、この系を1.2kPaに減圧し、115℃に昇温して2時間にわたり低沸分を除去した。得られた反応混合物を50℃まで冷却して常圧に戻し、活性炭6gを添加して放冷しながら6時間にわたり攪拌を継続した後、加圧濾過することにより固液分離した。濾液として、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(本発明の組成物)561gを得た。
<実施例2>
硫酸ジルコニアに代えて、強酸性陽イオン交換樹脂「「アンバーリストA36」(オルガノ(株)販売)1.0gを添加したこと以外は実施例1と同様にして、粗製品(ZA)の水素添加処理および固体酸を使用する分解処理を行うことにより、微黄色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(本発明の組成物)568gを得た。
<実施例3>
硫酸ジルコニアに代えて、ゼオライトβを1.0g添加したこと以外は実施例1と同様にして、粗製品(ZA)の水素添加処理および固体酸を使用する分解処理を行うことにより、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(本発明の組成物)565gを得た。
<実施例4>
(1)固体酸を使用する分解処理:
調製例1で得られた粗製品(ZA)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ中に仕込み、硫酸ジルコニア「SZA−60」〔(株)ジャパンエナジー製〕6.0gと、精製水6.0gとを添加し、この系を95℃で12時間攪拌して加水分解処理を行った。
次いで、この系を400Paに減圧し、119℃に昇温して1時間にわたり低沸分を除去した。得られた反応混合物を室温まで冷却して常圧に戻し、珪藻土10gを添加混合して加圧濾過することにより固液分離した。濾液として、淡褐色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(以下、「分解処理済組成物(ZC1)」という。)535gを得た。
(2)水素添加処理:
上記のようにして得られた分解処理済組成物(ZC1)500gを、1000mLのオートクレーブに移し、ラネーニッケル触媒25gと、水3.5gと、IPA25gとを添加した後、水素ガスを導入して、140℃・8.0MPaの条件で6時間にわたり水素添加処理を行った。次いで、処理後の反応混合物を60℃まで冷却して水素ガスをブローした後、窒素ガスによる置換を行った。次いで、ラネーニッケル触媒を加圧濾過により除去し、得られた濾液を還流冷却器および窒素挿入口を備えた1000mLの2つ口フラスコに仕込み、減圧して140℃まで昇温し、1.3kPaで5時間にわたり低沸分を除去し、濾液の濃縮物を50℃まで冷却して常圧に戻し、活性炭5gを添加して放冷しながら6時間攪拌を継続した後、加圧濾過を行うことにより固液分離して、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(本発明の組成物)461gを得た。
<実施例5>
(1)固体酸を使用する分解処理:
調製例1で得られた粗製品(ZA)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ中に仕込み、強酸性陽イオン交換樹脂「「アンバーリストA36」(オルガノ(株)販売)6.0gと、精製水60gとを添加し、この系を95℃で12時間攪拌して加水分解処理を行った。
次いで、この系を800Paに減圧し、117℃に昇温して1時間にわたり低沸分を除去した。得られた反応混合物を室温まで冷却して常圧に戻し、珪藻土10gを添加混合して加圧濾過することにより固液分離した。濾液として、褐色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(以下、「分解処理済組成物(ZC2)」という。)540gを得た。
(2)水素添加処理:
上記のようにして得られた分解処理済組成物(ZC2)500gを、1000mLのオートクレーブに移し、ラネーニッケル触媒25gと、水3.5gと、IPA25gとを添加した後、水素ガスを導入して、140℃・8.0MPaの条件で6時間にわたり水素添加処理を行った。次いで、処理後の反応混合物を60℃まで冷却して水素ガスをブローした後、窒素ガスによる置換を行った。次いで、ラネーニッケル触媒を加圧濾過により除去し、得られた濾液を、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコに仕込み、減圧して140℃まで昇温し、1.3kPaで5時間にわたり低沸分を除去し、濾液の濃縮物を50℃まで冷却して常圧に戻し、活性炭5gを添加して放冷しながら6時間攪拌を継続した後、加圧濾過を行うことにより固液分離して、微黄色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(本発明の組成物)455gを得た。
<実施例6>
(1)固体酸を使用する分解処理:
調製例1で得られた粗製品(ZA)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ中に仕込み、ゼオライトβの12.0gと、精製水60gとを添加し、この系を95℃で12時間攪拌して加水分解処理を行った。
次いで、この系を700Paに減圧し、115℃に昇温して1時間にわたり低沸分を除去した。得られた反応混合物を室温まで冷却して常圧に戻し、珪藻土10gを添加混合して加圧濾過することにより固液分離した。濾液として、淡褐色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(以下、「分解処理済組成物(ZC3)」という。)540gを得た。
(2)水素添加処理:
上記のようにして得られた分解処理済組成物(ZC3)500gを、1000mLのオートクレーブに移し、ラネーニッケル触媒25gと、水3.5gと、IPA25gとを添加した後、水素ガスを導入して、140℃・8.0MPaの条件で6時間にわたり水素添加処理を行った。次いで、処理後の反応混合物を60℃まで冷却して水素ガスをブローした後、窒素ガスによる置換を行った。次いで、ラネーニッケル触媒を加圧濾過により除去し、得られた濾液を、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコに仕込み、減圧して140℃まで昇温し、1.3kPaで5時間にわたり低沸分を除去し、濾液の濃縮物を50℃まで冷却して常圧に戻した後、加圧濾過を行うことにより固液分離して、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(本発明の組成物)451gを得た。
<実施例7>
実施例1で得られた組成物200gにビタミンEを0.10g添加して均一溶解させることにより、酸化防止剤を500ppmの割合で含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得た。
<実施例8>
実施例2で得られた組成物200gにビタミンEを0.10g添加して均一溶解させることにより、酸化防止剤を500ppmの割合で含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得た。
<実施例9>
実施例3で得られた組成物200gにビタミンEを0.10g添加して均一溶解させることにより、酸化防止剤を500ppmの割合で含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得た。
<実施例10>
実施例4で得られた組成物200gにビタミンEを0.10g添加して均一溶解させることにより、酸化防止剤を500ppmの割合で含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得た。
<実施例11>
実施例5で得られた組成物200gにビタミンEを0.10g添加して均一溶解させることにより、酸化防止剤を500ppmの割合で含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得た。
<実施例12>
実施例6で得られた組成物200gにビタミンEを0.10g添加して均一溶解させることにより、酸化防止剤を500ppmの割合で含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得た。
<比較例1>
調製例1で得られた粗製品(ZA)を用意した。
<比較例2>
攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ内に、式:(CH3 3 SiO[(CH3 2 SiO]10[(CH3 )HSiO]5 Si(CH3 3 で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(水素ガス発生量=93.2mL/g)240gと、式:CH2 =CHCH2 O(C2 4 O)10CH3 で示されるポリオキシアルキレン222g(使用量の一部)とを仕込み、攪拌下に昇温して液温を74℃に安定させた後、塩化白金酸(触媒)の10%エタノール溶液0.10g(使用量の一部)を添加したところ、付加反応(ヒドロシリル化反応)による発熱が認められ、液温は約120℃まで上昇した。
液温が109℃まで下がったところで、CH2 =CHCH2 O(C2 4 O)10CH3 で示されるポリオキシアルキレン445g(使用量の残部)を添加し、液温が73℃に安定したことを確認後、塩化白金酸(触媒)の10%エタノール溶液0.10g(使用量の残部)を添加したところ、付加反応による発熱が再び認められ、液温は約110℃まで上昇し、反応液の外観は透明になった。
触媒溶液の残部を添加してから3時間後に反応液をサンプリングし、これを、水酸化カリウムの水/エタノール溶液と混合したところ水素ガスが全く発生しなかったことから、付加反応が終了したと判断した。
次いで、90℃の反応液に、0.1mol/Lの塩酸9.1gを添加して5時間にわたり加水分解処理を行い、次いで1.6kPaまで減圧し、そのまま温度を上昇させて115℃, 130Paで1時間にわたり、塩酸および低沸分を除去した後、常圧に戻して冷却し、93℃で反応液に炭酸水素ナトリウム4.5gを添加して1時間混合した後、130Paまで減圧し、そのまま温度を上昇させて118℃, 130Paで1.5時間にわたり再度低沸分を除去した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、常圧に戻して、珪藻土10gを混合して加圧濾過を行うことにより固液分離した。濾液として、褐色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(希塩酸を使用する加水分解法により精製処理された比較用の組成物)805gを得た。
<比較例3>
調製例1で得られた粗製品(ZA)4000gを、10Lのオートクレーブに移し、ラネーニッケル触媒200gと、水25gと、IPA200gとを添加した後、水素ガスを導入して、140℃・8.0MPaの条件で6時間にわたり水素添加処理を行った。次いで、処理後の反応混合物を60℃まで冷却して水素ガスをブローした後、窒素ガスによる置換を行った。次いで、ラネーニッケル触媒を加圧濾過により除去し、得られた濾液を、温度計、還流冷却器および窒素挿入口を備えた5000mLの2つ口フラスコに仕込み、減圧して140℃まで昇温し、1.3kPaで6時間にわたり低沸分を除去し、濾液の濃縮物として、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(水素添加により精製処理された比較用の組成物)3760gを得た。
<比較例4>
調製例1で得られた粗製品(ZA)700gを、1000mLのオートクレーブに移し、ラネーニッケル触媒35gと、リン酸緩衝液(リン酸、クエン酸および水酸化ナトリウムからなるpHを3.3に調整した緩衝液)3.5gと、水4gと、IPA35gとを添加した後、水素ガスを導入して、140℃・8.0MPaの条件で6時間にわたり水素添加処理を行った。次いで、処理後の反応混合物を60℃まで冷却して水素ガスをブローした後、窒素ガスによる置換を行った。次いで、ラネーニッケル触媒などを加圧濾過により除去し、得られた濾液を還流冷却器および窒素挿入口を備えた1000mLの2つ口フラスコに仕込み、減圧して140℃まで昇温し、130Paで5時間にわたり低沸分を除去し、得られた濃縮物を室温まで冷却し、常圧に戻して、珪藻土10gを混合して加圧濾過を行うことにより固液分離した。濾液として、淡黄色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(リン酸緩衝液の存在下における水素添加により精製処理された比較用の組成物)590gを得た。
<比較例5>
調製例1で得られた粗製品(ZA)700gを、1000mLのオートクレーブに移し、ラネーニッケル触媒35gと、酸性白土1.4gと、水8gと、IPA35gとを添加した後、水素ガスを導入して、140℃・8.0MPaの条件で6時間にわたり水素添加処理を行った。次いで、処理後の反応混合物を60℃まで冷却して水素ガスをブローした後、窒素ガスによる置換を行った。次いで、ラネーニッケル触媒および酸性白土を加圧濾過により除去し、得られた濾液を還流冷却器および窒素挿入口を備えた1000mLの2つ口フラスコに仕込み、減圧して140℃まで昇温し、270Paで5時間にわたり低沸分を除去し、得られた濃縮物を室温まで冷却し、常圧に戻して、珪藻土10gを混合して加圧濾過を行うことにより固液分離した。濾液として、淡黄色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(酸性白土および水の存在下における水素添加により精製処理された比較用の組成物)595gを得た。
<比較例6>
比較例3で得られた組成物(水素添加により精製処理された比較用の組成物)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ内に仕込み、0.1mol/Lの硝酸水溶液6.0gを添加し、この系を93℃で1時間攪拌して加水分解処理を行った。ここで、反応液は橙色に着色されていた。
次いで、反応液に炭酸水素ナトリウム3.0gを添加して1時間混合して中和処理を行った後、減圧して115℃まで昇温し、130Paで2時間にわたり低沸分を除去した。得られた反応混合物を50℃まで冷却し、常圧に戻して、珪藻土10gを混合して加圧濾過を行うことにより固液分離した。濾液として、濃赤褐色の均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(水素添加および希塩酸を使用する加水分解法により精製処理された比較用の組成物)540gを得た。
なお、得られた組成物は、色調から判断して、酷く変質していることが明らかであったため、後述する各種の測定を行わなかった。
<比較例7>
比較例3で得られた組成物(水素添加により精製処理された比較用の組成物)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ内に仕込み、0.1mol/Lのリン酸水溶液6.0gを添加し、この系を94℃で3.5時間攪拌して加水分解処理を行った。
次いで、650Paまで減圧して昇温し、111℃で1時間にわたり低沸分を除去した後、93℃まで降温し、炭酸水素ナトリウム3.0gを添加して30分間混合して中和処理を行った。再度減圧し、113℃まで昇温し、130Paで1時間にわたり低沸分を除去した。反応混合液を50℃まで冷却して常圧に戻し、珪藻土10gを混合して加圧濾過を行うことにより固液分離した。濾液として、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(水素添加およびリン酸水溶液を使用する加水分解法により精製処理された比較用の組成物)548gを得た。
<比較例8>
比較例3で得られた組成物(水素添加により精製処理された比較用の組成物)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ内に仕込み、0.1mol/Lのトリフロロ酢酸6.0gを添加し、この系を60℃で1時間攪拌して加水分解処理を行った。
次いで、130Paまで減圧して昇温し、115℃で1時間にわたり低沸分を除去した後、83℃まで降温し、炭酸水素ナトリウム3.0gを添加して30分間混合して中和処理を行った。再度減圧し、116℃まで昇温し、130Paで1.5時間にわたり低沸分を除去した。反応混合液を50℃まで冷却して常圧に戻し、珪藻土10gを混合して加圧濾過を行うことにより固液分離した。濾液として、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(水素添加およびトリフロロ酢酸水溶液を使用する加水分解法により精製処理された比較用の組成物)556gを得た。
<比較例9>
比較例3で得られた組成物(水素添加により精製処理された比較用の組成物)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ内に仕込み、0.1mol/Lの酢酸水溶液6.0gを添加し、この系を95℃で3時間攪拌して加水分解処理を行った。
次いで、130Paまで減圧して昇温し、117℃で2時間にわたり低沸分を除去した後、50℃まで降温して常圧に戻し、無色透明の均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(水素添加および酢酸水溶液を使用する加水分解法により精製処理された比較用の組成物)591gを得た。
<比較例10>
比較例3で得られた組成物(水素添加により精製処理された比較用の組成物)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ内に仕込み、0.1mol/Lの酢酸水溶液6.0gを添加し、この系を95℃で3時間攪拌して加水分解処理を行った。
次いで、90℃まで降温し、炭酸水素ナトリウム3.0gを添加して30分間混合して中和処理を行った。減圧し、118℃まで昇温し、130Paで1時間にわたり低沸分を除去した後、50℃まで降温して常圧に戻し、珪藻土10gを混合して加圧濾過を行うことにより固液分離した。濾液として、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(水素添加および酢酸水溶液を使用する加水分解法により精製処理された比較用の組成物)573gを得た。
<比較例11>
比較例3で得られた組成物(水素添加により精製処理された比較用の組成物)600gを、攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ内に仕込み、0.1mol/Lの塩酸水溶液6.0gを添加し、この系を95℃で1時間攪拌して加水分解処理を行った。
次いで、炭酸水素ナトリウム3.0gを添加して1時間混合して中和処理を行った後、130Paまで減圧して昇温し、119℃で1時間にわたり低沸分を除去した。反応混合液を50℃まで降温して常圧に戻し、珪藻土10gを混合して加圧濾過を行うことにより固液分離した。濾液として、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(水素添加および希塩酸を使用する加水分解法により精製処理された比較用の組成物)561gを得た。
<比較例12>
攪拌機、還流冷却器、温度計および窒素挿入口を備えた1000mLの4つ口フラスコ内に、式:(CH3 3 SiO[(CH3 2 SiO]10[(CH3 )HSiO]5 Si(CH3 3 で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(水素ガス発生量=93.2mL/g)240gと、式:CH2 =CHCH2 O(C2 4 O)10CH3 で示されるポリオキシアルキレン222g(使用量の一部)とを仕込み、攪拌下に昇温して液温を74℃に安定させた後、塩化白金酸(触媒)の10%エタノール溶液0.10g(使用量の一部)を添加したところ、付加反応(ヒドロシリル化反応)による発熱が認められ、液温は約120℃まで上昇した。
液温が109℃まで下がったところで、CH2 =CHCH2 O(C2 4 O)10CH3 で示されるポリオキシアルキレン445g(使用量の残部)を添加し、液温が73℃に安定したことを確認後、塩化白金酸(触媒)の10%エタノール溶液0.10g(使用量の残部)を添加したところ、付加反応による発熱が再び認められ、液温は約110℃まで上昇し、反応液の外観は透明になった。
触媒溶液の残部を添加してから3時間後に反応液をサンプリングし、これを、水酸化カリウムの水/エタノール溶液と混合したところ水素ガスが全く発生しなかったことから、付加反応が終了したと判断した。
次いで、84℃の反応液に、0.1mol/Lの塩酸水溶液9.1gを添加して昇温し、90℃で1.5時間にわたり加水分解処理を行った後、炭酸水素ナトリウム3.9gを添加して1時間混合して中和処理を行った後、130Paまで減圧し、88℃で1時間にわたり低沸分を除去した。得られた反応混合物を50℃まで冷却し、常圧に戻して、珪藻土10gを混合して加圧濾過を行うことにより固液分離し、淡褐色透明な均一液状の外観を有する濾液824gを得た。
得られた濾液のうち500gを、1000mLのオートクレーブに移し、ラネーニッケル触媒25gと、水1gと、IPA25gとを添加した後、水素ガスを導入して、140℃・8.0MPaの条件で6時間にわたり水素添加処理を行った。次いで、処理後の反応混合物を60℃まで冷却して水素ガスをブローした後、窒素ガスによる置換を行った。次いで、ラネーニッケル触媒を加圧濾過により除去し、得られた濾液を還流冷却器および窒素挿入口を備えた1000mLの2つ口フラスコに仕込み、減圧して140℃まで昇温し、130Paで5時間にわたり低沸分を除去した。濾液の濃縮物として、無色透明な均一液状の外観を有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物(希塩酸を使用する加水分解法および水素添加により精製処理された比較用の組成物)466gを得た。
<比較例13>
比較例11で得られた組成物200gにビタミンEを0.10g添加して均一溶解させることにより、酸化防止剤を500ppmの割合で含有する比較用のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得た。
<比較例14>
比較例12で得られた組成物200gにビタミンEを0.10g添加して均一溶解させることにより、酸化防止剤を500ppmの割合で含有する比較用のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得た。
<組成物の総不飽和度の測定>
上記の実施例1〜12で得られた本発明の組成物、並びに比較例1〜5および比較例7〜14で得られた比較用の組成物の各々について、JIS K 1557に準じて総不飽和度を測定した。結果を下記表1に示す。
ここで、総不飽和度は、JIS K 1557に記載されている下記の計算式によって算出される。
計算式:D=0.1×A×f/S1
計算式:U=〔0.1×(C−B)×f/S2 〕−D
ここに、
D:酸度〔meq(ミリ当量)/g〕、
A:酸度測定に要した0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液の量(mL)、
f:0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液のファクター、
1 :酸度測定試料の質量(g)、
U :総不飽和度〔meq(ミリ当量)/g〕、
C:総不飽和度の測定に要した0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液の量(mL)、
B:総不飽和度測定の空試験に要した0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液の量(mL)、
2 :総不飽和度測定試料の質量(g)である。
また、酸度の測定操作および総不飽和度の測定操作は下記のようにして行った。
(酸度の測定)
メチルアルコール75mLを三角フラスコにとり、指示薬としてフェノールフタレインのメチルアルコール溶液数滴を加え、0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液で滴定し、少なくとも15秒間微紅色とし、これに試料約45gを0.01gまで正しく秤り採り、よく溶かし、前記0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液で滴定し、少なくとも15秒間微紅色を保つ点を終点とした。上記において「メチルアルコール」は、すべて試薬特級品を使用した。
(総不飽和度の測定)
酢酸第二水銀のメチルアルコール溶液を75mL、ホールピペットで三角フラスコ200mLにとり、これに試料約45gを0.01g まで正しく秤り採り、よく溶かし、室温で30分間放置した。放置後三角フラスコに臭化ナトリウム(試薬特級品)を4.50g加え十分振り混ぜて、指示薬として前記フェノールフタレインのメチルアルコール溶液を加え、前記0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液で滴定し、少なくとも15秒間微紅色を保つ点を終点とした。
この試験は、別に同一条件で空試験を行った。 なお、酢酸第二水銀のメチルアルコール溶液は、酢酸第二水銀(試薬特級品)40gをメチルアルコール(試薬特級品)に溶かし1000mLとすることにより調製した。この溶液が空試験のさい、0.30〜1.5mLの前記水酸化カリウムのメチルアルコール溶液を消費するように、酢酸を1〜2滴添加した。この溶液は測定の直前に調製し、使用前にろ過を行った。
Figure 2005120293
表1において、酸度(D)および総不飽和度(U)の単位は、それぞれ「meq(ミリ当量)/g」である。また、表1において、
1 :酸度測定試料の質量(g)、
A:酸度測定に要した0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液の量(mL)、
2 :総不飽和度測定試料の質量(g)、
C:総不飽和度の測定に要した0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液の量(mL)、
B:総不飽和度測定の空試験に要した0.1mol/L水酸化カリウムのメチルアルコール溶液の量(mL)である。
なお、参考のため、比較例2および比較例12で得られた組成物の各々について、CDCl3 を溶媒として使用して500MHzの 1H NMR測定を行い、不飽和二重結合のの 1Hシグナルから不飽和度を算出した。ここで、アリル基は5.1ppm〜5.3ppmのd,d(2H)、プロペニル基は6.1ppm〜6.3ppmのd(1H)を計算に使用した。
この結果、比較例2に係る組成物の不飽和度(JIS K 1557に準じた測定値=0.1364meq/g)は0.105であり、比較例12に係る組成物の不飽和度(JIS K 1557に準じた測定値=0.00120meq/g)は、シグナルが得られず検出できなかった。
<組成物のカルボニル総量の測定(A)>
上記の実施例1〜12で得られた本発明の組成物、並びに比較例1〜5および比較例7〜14で得られた比較用の組成物の各々について、本発明の測定方法に従ってカルボニル総量の測定(カルボニル価の測定・検量線の測定・カルボニル類の定量)を行った。
ここで、反応溶媒および希釈溶媒を構成する「超高純度アルコール(A)」としては、使用前3ヶ月に製造された市販品「エタノール(99.8)インフィニティピュア」(和光純薬工業(株)製)であって、使用直前まで未開封のもの(アルデヒド・ケトンの総量=2.4〜2.9ppm)を使用した。
〔調製例1A〕
精密分析用の濃硫酸(96%)1.29gに精製水5.15gを添加して溶解させ、濃度が約20%の希硫酸を調製した。次いで、超高純度アルコール(A)100mLを収容する瓶を開封し、この瓶に、上記の希硫酸6.44gを直接添加し、当該瓶に蓋をした後、振り混ぜて均一化することにより、希硫酸のアルコール溶液〔硫酸濃度として1.2%(wt/vol)〕を調製した。以下、この溶液を「希硫酸溶液(1A)」とする。なお、この調製操作は、吸光度の測定前1時間以内に行った。
〔調製例2A〕
超高純度アルコール(A)100mLを収容する瓶を開封し、この瓶に、2, 4−DNPH(等量の水を含有する試薬特級品)50mgを直接添加し、当該瓶に蓋をした後、超音波洗浄機に5分間かけることにより、超高純度アルコール(A)によって2, 4−DNPHを完全に溶解させて、0.025%(wt/vol)の2, 4−DNPHのアルコール溶液を調製した。以下、この溶液を「2, 4−DNPH溶液(2A)」とする。なお、この調製操作は、吸光度の測定前1時間以内に行った。
〔調製例3A〕
超高純度アルコール(A)100mLを収容する瓶を開封し、この瓶に、水酸化カリウム(ペレット状試薬特級品)4.0gを直接添加し、当該瓶に蓋をし、ペレットが消失するまで振り混ぜた後、超音波洗浄機に10分間かけることにより、超高純度アルコール(A)によって水酸化カリウムを完全に溶解させて、4.0%(wt/vol)の水酸化カリウムのアルコール溶液を調製した。以下、この溶液を「水酸化カリウム溶液(3A)」とする。なお、この調製操作は、吸光度の測定前1時間以内に行った。
〔カルボニル価の測定〕
試料(本発明の組成物または比較用の組成物)2.00gと、超高純度アルコール(A)2.00gと、精製水21.00gとを50mLの蓋付スクリュー管に仕込み、これらを混合して、試料濃度=8質量%の試料溶液(Sa)25.00gを調製した。
なお、比較例1で得られた組成物は、カルボニル価が非常に大きく、試料濃度=8質量%の試料溶液(Sa)を使用して後の工程を実施すると、吸光度(A1 )が0.80を超えて正確な吸光度測定ができないと予想されたため、比較例1で得られた組成物を試料とした場合には、当該試料0.200gと、超高純度アルコール(A)3.80gと、精製水21.00gとを50mLの蓋付スクリュー管に仕込み、これらを混合して調製した液(試料濃度=0.8質量%)を試料溶液(Sa)として使用した。
得られた試料溶液(Sa)1.250gと、超高純度アルコール(A)3.750gとを50mLのメスフラスコに仕込み、両者を混合して、試料濃度=2質量%の試料溶液(Sb)5.000gを調製した。
試料溶液(Sb)5.000gが収容されている当該メスフラスコに、調製例1Aで得られた希硫酸溶液(1A)3mLと、調製例2Aで得られた2, 4−DNPH溶液(2A)5mLとをホールピペットにより添加した。
次いで、当該メスフラスコに栓をし、そのまわりにテフロン(登録商標)シールを巻いて気密性を確保した後、当該メスフラスコを60℃の恒温糟に入れて30分間加熱することにより、試料中に含まれるカルボニル類と、2, 4−DNPHとを反応させた。
次いで、当該メスフラスコを恒温糟から取り出し、室温で30分間放置した。
次いで、当該メスフラスコの栓を開けて、調製例3Aで得られた水酸化カリウム溶液(3A)10mLをホールピペットにより添加し、当該メスフラスコを振って混合した。
水酸化カリウム溶液(3A)10mLを添加してから8分経過後、希釈溶媒として超高純度アルコール(A)を添加し、この系を振り混ぜて総量が50mLの反応溶液(塩基性の反応溶液)を調製した。次いで、当該反応液の一部(約3mL)を、孔径0.2μmのメンブランフィルターに通して、析出した中和塩(硫酸カリウム)を濾別して、反応溶液の濁りを取り除いた。
水酸化カリウム溶液(3A)10mLを添加してから15分経過後、濁りを取り除いた上記の反応溶液を吸収セル(液層の長さ=1cm)に入れ、吸光光度計により、430nmの吸光度(A1 )を測定した。
一方、空試験として、前記試料溶液(Sb)に代えて、超高純度アルコール(A)3.850gと精製水1.150gとからなる混合溶媒5.000gを使用し、上記と同様の操作〔希硫酸溶液(1A)の添加、2, 4−DNPH溶液(2A)の添加、得られた混合溶液の加熱および冷却、水酸化カリウム溶液(3A)の添加、超高純度アルコール(A)からなる希釈溶媒の添加および中和塩の濾別除去〕を行って得られた溶液を吸収セル(液層の長さ=1cm)に入れ、上記と同様にして430nmの吸光度(A2 )を測定した。
以上のようにして得られた吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を、数式:CV=(A1 −A2 )/0.1に代入することによりカルボニル価(CV)を求めた。
なお、比較例1で得られた組成物を試料とした場合には、数式:CV=(A1 −A2 )/0.01に代入してカルボニル価を求めた。
〔検量線の測定〕
超高純度アルコール(A)にプロパナール(プロピオンアルデヒド)を溶解することにより、プロパナール濃度が、5ppm、20ppm、50ppm、100ppm、200ppm、800ppm、4000ppm、40000ppmの標準試料(i)〜(viii)を調製した。
標準試料(i)〜(v)については、本発明の組成物または比較用の組成物(比較例1で得られた組成物を除く。)についてのカルボニル価の測定方法と同様にして、吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を測定し、これらを数式:CV=(A1 −A2 )/0.1に代入してカルボニル価を求めた。
標準試料(vi)については、当該標準試料(vi)1.00gと、超高純度アルコール(A)3.00gと、精製水21.00gとを50mLの蓋付スクリュー管に仕込み、これらを混合して調製した液(試料濃度=4.0質量%)を試料溶液(Sa)として使用したこと以外は、本発明の組成物または比較用の組成物についてのカルボニル価の測定方法と同様にして、吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を測定し、これらを数式:CV=(A1 −A2 )/0.05に代入してカルボニル価を求めた。
標準試料(vii) については、当該標準試料(vii) 0.200gと、超高純度アルコール(A)3.80gと、精製水21.00gとを50mLの蓋付スクリュー管に仕込み、これらを混合して調製した液(試料濃度=0.8質量%)を試料溶液(Sa)として使用したこと以外は、本発明の組成物または比較用の組成物についてのカルボニル価の測定方法と同様にして、吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を測定し、これらを数式:CV=(A1 −A2 )/0.01に代入してカルボニル価を求めた。
標準試料(viii)については、当該標準試料(viii)0.020gと、超高純度アルコール(A)3.98gと、精製水21.00gとを50mLの蓋付スクリュー管に仕込み、これらを混合して調製した液(試料濃度=0.08質量%)を試料溶液(Sa)として使用したこと以外は、本発明の組成物または比較用の組成物についてのカルボニル価の測定方法と同様にして、吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を測定し、これらを数式:CV=(A1 −A2 )/0.001に代入してカルボニル価を求めた。
上記のようにして求めた標準試料(i)〜(viii)のカルボニル価と、プロパナール濃度との関係を下記表2および図1乃至図3に示す。
Figure 2005120293
図1乃至図3に示すように、標準試料(i)〜(viii)のカルボニル価は、プロパナール濃度に依存(比例)して直線的に増加しており、有効な検量線が得られた。
得られた検量線から、カルボニル総量が未知である試料(本発明の組成物および比較用の組成物)について、測定されるカルボニル価(CV)から下記の数式に従って、プロパナール換算のカルボニル総量を求めることができる。
数式:プロパナール濃度[ppm]=CV/0.0041
〔カルボニル類の定量(カルボニル総量の測定)〕
本発明の組成物および比較用の組成物の各々について、測定されたカルボニル価および前記検量線(プロパナール濃度[ppm]=CV/0.0041)から、組成物中のカルボニル総量(プロパナール換算値)を求めた。結果を下記表3に示す。
Figure 2005120293
<組成物のカルボニル価の測定(B)>
上記の実施例1で得られた本発明の組成物、比較例3および比較例11で得られた比較用の組成物の各々について、本発明の測定方法とは異なる方法、すなわち、非特許文献1〔基準油脂分析試験法(2.5.4−1996 カルボニル価)〕に準拠した方法に従って、カルボニル価を測定した。
ここで、反応溶媒および希釈溶媒を構成する「ベンゼン(B)」としては、市販のベンゼン「ベンゼン(分光分析用)」(和光純薬工業(株)製)であって、使用直前まで未開封のものを使用した。
〔調製例1B〕
ベンゼン(B)100mLを収容する瓶を開封し、この瓶に、トリクロロ酢酸(試薬特級品)4.30gを直接添加し、当該瓶に蓋をした後、振り混ぜることにより、ベンゼン(B)によってトリクロロ酢酸を完全に溶解させて、4.30%(wt/vol)のトリクロロ酢酸のベンゼン溶液を調製した。以下、この溶液を「トリクロロ酢酸溶液(1B)」とする。
なお、この調製操作は、局所排気装置を稼動させた状態の囲い式フード内で、保護具および保護メガネを着用して行った。また、この調製操作は、吸光度の測定前1時間以内に行った。
〔調製例2B〕
超高純度アルコール(A)に代えてベンゼン(B)100mLを使用したこと以外は、調製例2Aと同様にして0.025%(wt/vol)の2, 4−DNPHのベンゼン溶液を調製した。以下、この溶液を「2, 4−DNPH溶液(2B)」とする。
なお、この調製操作は、局所排気装置を稼動させた状態の囲い式フード内で、保護具および保護メガネを着用して行った。また、この調製操作は、吸光度の測定前1時間以内に行った。
〔カルボニル価の測定〕
試料(本発明の組成物または比較用の組成物)2.00gと、ベンゼン(B)23.00gとを50mLの蓋付スクリュー管に仕込み、両者を混合して、試料濃度=8質量%の試料溶液(Sa)25.00gを調製した。
得られた試料溶液(Sa)1.250gと、ベンゼン(B)3.750gとを50mLのメスフラスコに仕込み、両者を混合して、試料濃度=2質量%の試料溶液(Sb)5.000gを調製した。
なお、試料溶液(Sa)および試料溶液(Sb)の調製操作は、局所排気装置を稼動させた状態の囲い式フード内で、保護具および保護メガネを着用して行った。
試料溶液(Sb)5.000gが収容されている当該メスフラスコに、調製例1Bで得られたトリクロロ酢酸溶液(1B)3mLと、調製例2Bで得られた2, 4−DNPH溶液(2B)5mLとをホールピペットにより添加した。
なお、トリクロロ酢酸溶液(1B)および2, 4−DNPH溶液(2B)の添加操作は、局所排気装置を稼動させた状態の囲い式フード内で、保護具および保護メガネを着用して行った。
次いで、当該メスフラスコに栓をし、そのまわりにテフロン(登録商標)シールを巻いて気密性を確保した後、当該メスフラスコを、排気装置を備えた密閉式の恒温糟(60℃)に入れ、当該排気装置を稼動させながら、30分間加熱することにより、試料中に含まれるカルボニル類と、2, 4−DNPHとを反応させた。
次いで、当該メスフラスコを恒温糟から取り出し、室温で30分間放置した。
次いで、当該メスフラスコの栓を開けて、本発明の方法における調製例3Aで得られた水酸化カリウム溶液(3A)10mLをホールピペットにより添加し、当該メスフラスコを振って混合した。
水酸化カリウム溶液(3A)10mLを添加してから8分経過後、希釈溶媒としてベンゼン(B)を添加し、振り混ぜて総量が50mLの反応溶液(塩基性の反応溶液)を調製した。なお、この操作は、局所排気装置を稼動させた状態の囲い式フード内で、保護具および保護メガネを着用して行った。
水酸化カリウム溶液(3A)10mLを添加してから15分経過後、当該反応溶液を吸収セル(液層の長さ=1cm)に入れ、吸光光度計により、430nmの吸光度(A1 )を測定した。なお、吸光度の測定は、当該反応溶液を収容した吸収セルを完全に密栓・密封してから行った。
一方、空試験として、前記試料溶液(Sb)に代えて、ベンゼン(B)5.000gを使用し、上記と同様の操作〔トリクロロ酢酸溶液(1B)の添加、2, 4−DNPH溶液(2B)の添加、得られた混合溶液の加熱および冷却、水酸化カリウム溶液(3A)の添加、ベンゼン(B)からなる希釈溶媒の添加〕を行って得られた溶液を吸収セル(液層の長さ=1cm)に入れ、上記と同様にして430nmの吸光度(A2 )を測定した。
以上のようにして得られた吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を、数式:CV=(A1 −A2 )/0.1に代入することによりカルボニル価(CV)を求めた。結果を、本発明の測定方法に従って求めたものと併せて下記表4に示す。
Figure 2005120293
表4に示す結果から下記のことが考察される。
(1)この方法は、本発明の方法よりも検出限界が高い。
(2)この方法で測定されたカルボニル価と、本発明の方法で測定されたカルボニル価とは、大小関係が一致している。
(3)この方法で測定されたカルボニル価は、本発明の方法で測定されたカルボニル価と比較して小さい。これは、この方法のように溶媒としてベンゼンを使用した場合には、2,4−DNPHとカルボニル類との反応が非水系で行われるため、アセタールなどのアルデヒド縮合物(潜在的なカルボニル化合物)を定量的に加水分解させることはできなかったからであると考えられる。
従って、この方法では、潜在的なカルボニル化合物を含めたカルボニル総量を測定することはできない。
<組成物のカルボニル価の測定(C)>
上記の実施例1で得られた本発明の組成物、比較例3および比較例11で得られた比較用の組成物の各々について、反応溶媒および希釈溶媒として、超高純度アルコール(A)に代えて、市販のエタノール「試薬特級エタノール」(和光純薬工業(株)製)であって、使用直前まで未開封のもの(アルデヒド・ケトンの総量=13ppm)を使用したこと以外は、本発明の測定方法〔上記の測定(A)〕と同様にして、吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を測定し、カルボニル価を求めた。結果を、本発明の測定方法に従って求めたものと併せて下記表5に示す。
Figure 2005120293
表5に示すように、超高純度アルコール(A)に代えて、アルデヒド・ケトンの総量(表中、AK総量)が13ppmのエタノールを使用した場合には、測定した3種類すべての組成物について、カルボニル価(CV)が負の値となった。従って、この方法によっては、適正なカルボニル総量を測定することは不可能である。
<組成物のカルボニル価の測定(D)>
上記の実施例1で得られた本発明の組成物および比較例11で得られた比較用の組成物の各々について、反応溶媒および希釈溶媒として、超高純度アルコール(A)に代えて、使用前7ヶ月に製造された市販品「エタノール(99.8)インフィニティピュア」(和光純薬工業(株)製)であって、使用直前まで未開封のもの(アルデヒド・ケトンの総量=5ppm)を使用したこと以外は、本発明の測定方法〔上記の測定(A)〕と同様にして、吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を測定し、カルボニル価を求めた。
結果を、本発明の測定方法に従って求めたものと併せて下記表6に示す。
Figure 2005120293
表6に示すように、超高純度アルコール(A)に代えて、アルデヒド・ケトンの総量(表中、AK総量)が5ppmのエタノールを使用した場合には、測定した2種類の組成物について、カルボニル価(CV)が負の値となった。従って、この方法によっては、適正なカルボニル総量を測定することは不可能である。
<イオン性不純物総量の指標値の測定>
上記の実施例1〜12で得られた本発明の組成物、並びに比較例1〜5および比較例7〜14で得られた比較用の組成物の各々について、これを精製水に溶解してなる2.00%(wt/wt)の水溶液の電気伝導度(σ1 )と、当該精製水の電気伝導度(σ0 )とを測定し、(σ1 −σ0 )で求められるイオン性不純物総量の指標値を測定した。結果を下記表7に示す。
なお、電気伝導度の測定方法の詳細は下記のとおりである。また、使用した精製水は、その電気伝導度(σ0 )が200μS/m以下のものである。また、使用した細口瓶は、容量125mLのポリプロピレン製のものであって、精製水115gを入れ、蓋をして1分間振り混ぜ、更に1分間静置し、当該精製水を廃棄することにより、洗浄されたものである。
〔測定方法〕
(1)精製水の電気伝導度(σ0 ):
細口瓶に、精製水100.0gを入れ、電気伝導度計「EC METERCM−40G」(東亜電波工業(株)製)のセル(検出部)を素早く浸し、数値の安定した1分間経過後に電気伝導度(σ0 )を測定した。
精製水の電気伝導度(σ0 )の測定後、電気伝導度計のセルは精製水によって洗浄し、精製水に浸して次の測定まで待機させておいた。また、このとき、セルを浸すのに使用した精製水の電気伝導度が、精製水の電気伝導度(σ0 )の測定値に対して±2μS/mの範囲内にあることを確認した。
(2)試料水溶液の電気伝導度(σ1 ):
電気伝導度(σ0 )が測定された100.0gの精製水が収容されている前記細口瓶内に、試料(本発明の組成物または比較用の組成物)2.00gを添加し、細口瓶に蓋をして1分間振り混ぜた後、室温で3分間静置することにより試料水溶液を調製した。次いで、細口瓶の蓋を開け、試料水溶液に、電気伝導度計のセルを素早く浸し、5分間経過後に電気伝導度(σs )を測定した。
一方、空試験として、細口瓶に、精製水100.0gを入れ、電気伝導度計のセルを素早く浸し、直後の電気伝導度(σb0)および5分間経過後の電気伝導度(σb )を測定し、5分間の空気接触による二酸化炭素の吸収などに伴う電気伝導度変化(σx =σb −σb0)を測定した。なお、セルを浸した直後の電気伝導度(σb0)は、上記(1)における精製水の電気伝導度(σ0 )の測定値に対して±2μS/mの範囲内にあることを確認した。
以上のようにして得られた電気伝導度(σs )および電気伝導度変化(σx )の測定値から、式:σ1 =σs −σx により、試料水溶液の電気伝導度(σ1 )を求めた。
Figure 2005120293
表7に示すように、実施例1〜12で得られた本発明の組成物におけるイオン性不純物総量の指標値(σ1 −σ0 )は20μS/m以下ときわめて低いものである。
これに対して比較例1,比較例2,比較例4,比較例5および比較例7〜10で得られた比較用の組成物は、イオン性不純物総量の指標値(σ1 −σ0 )が高く、酸・中和塩などが高い割合で含有されていることが理解される。
<組成物の評価>
実施例1〜12で得られた本発明の組成物、並びに比較例2〜5および比較例7〜14で得られた比較用の組成物の各々について、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的な着臭の程度を追跡し、経時的着臭の抑制効果について評価を行った。結果を、総不飽和度、カルボニル総量(プロパナール換算値)およびイオン性不純物総量の指標値と併せて下記表8に示す。
ここに、水/(多価)アルコールとの混合系は、試料(本発明の組成物または比較用の組成物)3.0gと、プロピレングリコール3.0gと、精製水24.0gとを50mLスクリュー管に仕込み、栓をして振り混ぜることによって調製した。
経時的着臭の評価は、下記の基準に基いて、70℃の環境下に14日間および30日間放置した後に実施した。
〔評価基準〕
「◎」:殆ど無臭〔対照(試料を含有しないもの)と同程度か、それよりも臭いが少ない)。
「○」:僅かに臭気が感じられる。
「△」:少しの臭気が認められる。
「×」:強い臭気が認められる。
「××」:きわめて強い臭気が認められる。
Figure 2005120293
本発明の組成物は、各種用途に使用することができ、特に、無香料化する化粧料および化粧品分野を中心に、従来において、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の使用が、その着臭、特に、水/(多価)アルコールとの混合系における経時的な着臭のために困難であった分野にも利用することができる。
標準試料(I)〜(IV)についてのカルボニル価と、プロパナール濃度との関係を示す線図である。 標準試料(IV)〜(VII) についてのカルボニル価と、プロパナール濃度との関係を示す線図である。 標準試料(VI)〜(VIII)についてのカルボニル価と、プロパナール濃度との関係を示す線図である。

Claims (14)

  1. オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって得られるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であって、 (i)JIS K 1557に準じて測定される総不飽和度が0.00010meq/g以下であり、
    (ii)下記の方法で測定されるプロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下である、高度に精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物。
    <カルボニル総量の測定方法>
    下記の工程(1)〜(9)により測定される吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を、数式:CV=(A1 −A2 )/B〔但し、Bは、試料溶液5.000g中に含まれる試料の質量(g)である。〕に代入してカルボニル価(CV)を求める方法によって、カルボニル総量が既知である標準試料についてのカルボニル価を測定して検量線を得、
    この検量線を得るために採用した前記方法と同一の方法により、カルボニル総量が未知である試料についてのカルボニル価を測定し、このカルボニル価および前記検量線から、当該試料中のカルボニル総量を測定する。
    但し、下記の工程(1)および工程(9)で使用する後記溶媒が、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下のアルコールと水とを含有し、下記の工程(7)で使用する後記溶媒が、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下のアルコールを含有する。
    〔工程〕
    (1)試料を溶媒に溶解して試料溶液を調製する工程。
    (2)前記試料溶液5.000gに、20%(wt/wt)希硫酸のアルコール溶液〔硫酸濃度1.2%(wt/vol)〕3mLを添加する工程。
    (3)上記の工程(2)により得られた混合溶液に、2,4−ジニトロフェニルヒドラジンのアルコール溶液〔0.025%(wt/vol)〕5mLを添加する工程。
    (4)上記の工程(3)により得られた混合溶液を60℃で30分間加熱して、試料中のカルボニル類と2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとを反応させる工程。
    (5)上記の工程(4)により得られた反応溶液を室温で30〜70分間放置する工程。
    (6)上記の工程(5)により放置された後の反応溶液に、水酸化カリウムのアルコール溶液〔4.0%(wt/vol)〕10mLを添加する工程。
    (7)上記の工程(6)から5〜10分経過後、当該反応溶液に溶媒を添加し、総量が50mLの反応溶液を調製し、この反応溶液を濾過処理する工程。
    (8)上記の工程(6)から10〜20分経過後、上記の工程(7)で得られた反応溶液について、430nmまたは460nmの吸光度(A1 )を測定する工程。
    (9)空試験として、前記試料溶液に代えて溶媒5.000gを使用し、上記の工程(2)〜(7)と同様の操作を行って得られた溶液について、430nmまたは460nmの吸光度(A2 )を測定する工程。
  2. 前記オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体として、水溶性の共重合体を含有する請求項1に記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であって、
    当該組成物を精製水に溶解してなる2.00%(wt/wt)の水溶液の電気伝導度を(σ1 )とし、当該精製水の電気伝導度を(σ0 )とするとき、(σ1 −σ0 )で求められるイオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下である、高度に精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物。
  3. 前記オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体として、水に不溶性または難溶性の共重合体を含有する請求項1に記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物であって、
    当該組成物を50質量倍の精製水と接触させることにより、当該組成物中の水溶性成分を抽出して得られる抽出液の電気伝導度を(σ1 )とし、当該精製水の電気伝導度を(σ0 )とするとき、(σ1 −σ0 )で求められるイオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下である、高度に精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物。
  4. 下記一般式(1)または下記一般式(2)で示されるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する請求項1乃至請求項3の何れかに記載の高度に精製されたポリエーテル変性ポリシロキサン組成物。
    Figure 2005120293
    [式中、R1 は、互いに独立して、水素原子または置換もしくは非置換の1価の炭化水素基であり、Xは、一般式:−Cx 2x(OC2 4 y (OC3 6 z OA〔式中、Aは、水素原子、1価の炭化水素基、または一般式:R3 −(CO)−(式中、R3 は1価の炭化水素基を表す)で表される有機基であり、xは2〜15の整数、yは0〜100の整数、zは0〜100の整数であり、y+zは100以下の正の整数である。)で表される基であり、mは0または正の整数、nは0または正の整数である。R2 は、R1 またはXで表される基であるが、nが0の場合、R2 の少なくとも1個はXとなる。]

    Figure 2005120293
    [式中、R3 は、互いに独立して、脂肪族不飽和を含まない1価の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ基を表し、Y1 は、2価の有機基を表し、R4 は、互いに独立して、水素原子、水酸基、置換または無置換の1価の炭化水素基、アルコキシ基、あるいは式:−Y1 −O−(C2 4 O)b1(C3 6 O)b2−Y2 (Y2 は、水素原子または置換もしくは無置換の1価の炭化水素基を示す。)で表される基であり、aは、1以上の整数、b1は、0〜100の整数、b2は、0〜100の整数(但し、b1+b2は、1〜100の整数である。)、cは、1〜100の整数である。]
  5. 請求項1に記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を製造する方法であって、
    オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する、粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得る工程と;
    この粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に、固体酸を使用する分解処理および水素添加処理をそれぞれ行うことにより、
    (i)請求項1に記載の総不飽和度が0.00010meq/g以下となり、
    (ii)請求項1に記載のプロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下となるよう高度に精製する工程と
    を含むことを特徴とするポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法。
  6. 請求項2に記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を製造する方法であって、
    オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって、水溶性のオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する、粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得る工程と;
    この粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に、固体酸を使用する分解処理および水素添加処理をそれぞれ行うことにより、
    (i)請求項1に記載の総不飽和度が0.00010meq/g以下となり、
    (ii)請求項1に記載のプロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下となり、
    (iii) 請求項2に記載のイオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下となるよう高度に精製する工程と
    を含むことを特徴とするポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法。
  7. 請求項3に記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を製造する方法であって、
    オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって、水に不溶性または難溶性のオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有する、粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物を得る工程と;
    この粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に、固体酸を使用する分解処理および水素添加処理をそれぞれ行うことにより、
    (i)請求項1に記載の総不飽和度が0.00010meq/g以下となり、
    (ii)請求項1に記載のプロパナール換算のカルボニル総量が100ppm以下となり、
    (iii) 請求項3に記載のイオン性不純物総量の指標値が30μS/m以下となるよう高度に精製する工程と
    を含むことを特徴とするポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法。
  8. 前記粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に固体酸を使用する分解処理を行った後、水素添加処理を行うことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れかに記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法。
  9. 前記粗製ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物に水素添加処理を行った後、固体酸を使用する分解処理を行うことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れかに記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法。
  10. 前記固体酸として、固体酸性酸化ジルコニウム、強酸性陽イオン交換樹脂、フッ素化スルホン酸樹脂およびゼオライトから選ばれる少なくとも1種を使用することを特徴とする請求項5乃至請求項9の何れかに記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法。
  11. 前記固体酸性酸化ジルコニウムは、アルミニウム水酸化物もしくは水和酸化物、ジルコニウム水酸化物もしくは水和酸化物、および硫酸分含有化合物を混錬し成形して得られた成形物を、正方晶構造のジルコニアが得られる温度で焼成することにより得られたものであることを特徴とする請求項10に記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物の製造方法。
  12. オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって得られるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル類と;2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとを反応させて得られる反応溶液の吸光度から、当該ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物のカルボニル価を求め、このカルボニル価から、予め測定された検量線を利用して、当該組成物中におけるプロパナール換算のカルボニル総量を測定する方法であって、
    カルボニル類と2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとの反応における反応溶媒として、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下のアルコールと、水とを併用することを特徴とする、ポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル総量の測定方法。
  13. オルガノハイドロジェンポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとのヒドロシリル化反応によって得られるオルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を含有するポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中におけるプロパナール換算のカルボニル総量を測定する方法において、
    下記の工程(1)〜(9)により測定される吸光度(A1 )および吸光度(A2 )を、数式:CV=(A1 −A2 )/B〔但し、Bは、試料溶液5.000g中に含まれる試料の質量(g)である。〕に代入してカルボニル価(CV)を求める方法によって、カルボニル総量が既知である標準試料についてのカルボニル価を測定して検量線を得、
    この検量線を得るために採用した前記方法と同一の方法により、カルボニル総量が未知である試料についてのカルボニル価を測定し、このカルボニル価および前記検量線から、当該試料中のカルボニル総量を測定する方法であり、
    下記の工程(1)および工程(9)で使用する後記溶媒が、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下のアルコールと水とを含有し、下記の工程(7)で使用する後記溶媒が、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下のアルコールを含有することを特徴とするポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル総量の測定方法。
    〔工程〕
    (1)試料を溶媒に溶解して試料溶液を調製する工程。
    (2)前記試料溶液5.000gに、20%(wt/wt)希硫酸のアルコール溶液〔硫酸濃度1.2%(wt/vol)〕3mLを添加する工程。
    (3)上記の工程(2)により得られた混合溶液に、2,4−ジニトロフェニルヒドラジンのアルコール溶液〔0.025%(wt/vol)〕5mLを添加する工程。
    (4)上記の工程(3)により得られた混合溶液を60℃で30分間加熱して、試料中のカルボニル類と2,4−ジニトロフェニルヒドラジンとを反応させる工程。
    (5)上記の工程(4)により得られた反応溶液を室温で30〜70分間放置する工程。
    (6)上記の工程(5)により放置された後の反応溶液に、水酸化カリウムのアルコール溶液〔4.0%(wt/vol)〕10mLを添加する工程。
    (7)上記の工程(6)から5〜10分経過後、当該反応溶液に溶媒を添加し、総量が50mLの反応溶液を調製し、この反応溶液を濾過処理する工程。
    (8)上記の工程(6)から10〜20分経過後、上記の工程(7)で得られた反応溶液について、430nmまたは460nmの吸光度(A1 )を測定する工程。
    (9)空試験として、前記試料溶液に代えて溶媒5.000gを使用し、上記の工程(2)〜(7)と同様の操作を行って得られた溶液について、430nmまたは460nmの吸光度(A2 )を測定する工程。
  14. 上記の工程(2)で添加する希硫酸のアルコール溶液、上記の工程(3)で添加する2,4−ジニトロフェニルヒドラジンのアルコール溶液、上記の工程(6)で添加する水酸化カリウムのアルコール溶液の各々の溶媒であるアルコールが、アルデヒド・ケトンの総量が3ppm以下のアルコールであることを特徴とする請求項13に記載のポリエーテル変性ポリシロキサン組成物中のカルボニル総量の測定方法。
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