JP2001081331A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2001081331A JP25600999A JP25600999A JP2001081331A JP 2001081331 A JP2001081331 A JP 2001081331A JP 25600999 A JP25600999 A JP 25600999A JP 25600999 A JP25600999 A JP 25600999A JP 2001081331 A JP2001081331 A JP 2001081331A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐汚染性に優れた硬化体を与える硬化性組成
物の提供。 【解決手段】 加水分解性ケイ素基を分子内に1つ以上
有する有機重合体(A)、ポリフルオロ炭化水素基を有
する重合単位(p)および光硬化性官能基を有する重合
単位(q)を有する含フッ素共重合体(B)、およびポ
リフルオロ炭化水素基含有(メタ)アクリロイルモノマ
ーおよび/またはポリフルオロ炭化水素基含有オリゴマ
ー(C)を含有する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐汚染性に優れた硬
化体を与える硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】加水分解によりシロキサン結合を形成
し、高分子量化あるいは架橋しうる加水分解性ケイ素基
を有する有機重合体としては従来いくつかの例が知られ
ている(たとえば、特開平3−47820号公報、特開
平3−72027号公報、特開平3−79627号公
報、特公昭61−49332号公報、特公昭46−30
711号公報、特公昭45−36319号公報、特公昭
46−17533号公報など)。
【0003】しかしこれらの有機重合体、ポリマー硬化
体、または組成物硬化体のモジュラスを低くすると、硬
化が終了した後も表面のべたつき、すなわちタックが残
り、例えばシーリング材などのベースポリマーに用いた
場合、ほこりの付着などの目地汚染を引き起こし建築物
の外観を損なう原因となっていた。このタックを防止す
る目的で、例えば特公平3−3710号公報には、加水
分解性ケイ素基を有する有機重合体にフッ素界面活性剤
を添加する技術が開示されている。しかしこの組成物
は、硬化後もフッ素系界面活性剤が系全体に分散されて
存在し、表面への移行が不十分であるため、表面タック
を低減するためには高価なフッ素系界面活性剤を多量に
要する必要があり、シーリング部周辺の汚染を引き起こ
したり、耐水性や貯蔵安定性への悪影響が大きく、実用
面での使用は大きく制限されていた。
【0004】また、同じくタックを防止する目的で、特
開平3−294361号公報では、加水分解性ケイ素基
を有する有機重合体にフッ素含有アクリレート化合物を
添加する技術が開示されている。しかし、この組成物か
らは耐汚染性の効果は得られなかった。また、特開平9
−291184号公報では加水分解性ケイ素基を有する
有機重合体と光硬化性官能基を有する含フッ素共重合体
からなる硬化性組成物が提案されている。この硬化性組
成物の硬化物は表面の耐汚染性は優れるものの、光硬化
性官能基含有含フッ素共重合体の粘度が高い場合は製造
時のハンドリングが困難であったり、加水分解性ケイ素
基含有有機重合体に添加する際の作業性が悪く、実用面
で使用が制限されることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の欠点を
解消しようとするものである。すなわち十分な柔軟性、
伸縮性を有しながら表面耐汚染性も良好である硬化体が
得られ、かつ組成物を配合する際の作業性も改善された
成型材料、シーリング剤、塗料、接着剤などに用いられ
る組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の発明で
ある。すなわち、加水分解により架橋可能な加水分解性
ケイ素基を分子内に1つ以上有する有機重合体(A)、
および、ポリフルオロ炭化水素基を有する重合単位
(p)および光硬化性官能基を有する重合単位(q)を
有する含フッ素共重合体(B)、および、ポリフルオロ
炭化水素基含有(メタ)アクリロイルモノマーおよび/
またはポリフルオロ炭化水素基含有オリゴマー(C)、
含有する硬化性組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】〔加水分解により架橋可能な加水
分解性ケイ素基を分子内に1つ以上有する有機重合体〕
本発明における加水分解により架橋可能な加水分解性ケ
イ素基(以下単に加水分解性ケイ素基ともいう)を分子
内に1つ以上有する有機重合体(A)としては、ポリエ
ーテル、ポリエステルおよびポリカーボネートから選ば
れる有機重合体から誘導される有機重合体が挙げられ
る。またエチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオ
レフィン類、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルア
ルキルエーテル類、ブタジエンやクロロプレンなどのジ
エン類、クロロトリフルオロエチレンやテトラフルオロ
エチレンなどのハロゲン化オレフィン類、などの重合性
モノマーと加水分解性ケイ素基含有有機重合性モノマー
を共重合して得られる加水分解性ケイ素基含有ビニル系
重合体などが挙げられる。尚、本発明において例えばア
クリル酸とメタクリル酸を便宜上(メタ)アクリル酸と
記載することもある。
【0008】特にポリエーテル、ポリエステルおよびポ
リカーボネートから選ばれる有機重合体から誘導される
有機重合体であることが好ましい。なかでも水酸基含有
ポリエーテルから誘導される加水分解性ケイ素基含有ポ
リエーテルが特に好ましい。また、該加水分解性ケイ素
基含有ポリエーテル中で(メタ)アクリル酸エステル化
合物やスチレンなどの重合性不飽和基含有モノマーを共
重合した樹脂分散体も使用できる。
【0009】水酸基含有ポリエーテルは、触媒の存在
下、活性水素基を含有する開始剤を用いて環状エーテル
を開環重合反応させて得られる。環状エーテルとしては
プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキ
シド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、アリル
グリシジルエーテルなどがある。また、オキセタン、テ
トラヒドロフランなども使用できる。これら環状エーテ
ルは単独で重合または2種以上を併用してランダム状あ
るいはブロック状に重合できる。
【0010】開始剤としては2〜10個の活性水素を有
する化合物が好ましく、2〜10個の水酸基を有するポ
リヒドロキシ化合物がより好ましく、2〜8個、特に2
〜4個の水酸基を有するポリヒドロキシ化合物がさらに
好ましい。開始剤の具体例としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1、
4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジグリセリン、シュクロースおよびこれらのいずれ
かに環状エーテルを反応させて得られる目的物(加水分
解性ケイ素基含有ポリエーテル)より低分子量のポリオ
ールなどが挙げられる。また、開始剤としては、アリル
アルコールのような、不飽和基含有モノヒドロキシ化合
物も使用できる。開始剤は、1種単独使用でも2種以上
の併用でもよい。
【0011】触媒としてはナトリウム、カリウム、セシ
ウムなどのアルカリ金属やそれらアルカリ金属の水酸化
物などアルカリ金属化合物、複合金属シアン化物錯体、
金属ポルフィリン錯体を使用できる。なかでも複合金属
シアン化物錯体を使用することが好ましい。複合金属シ
アン化物錯体を使用することにより従来のアルカリ金属
触媒を使用するよりMw/Mnが小さく、より高分子量
で、より低粘度のポリエーテルが得られ、組成物を施工
する際の作業性が良好であるため好ましい。
【0012】複合金属シアン化物錯体としては亜鉛ヘキ
サシアノコバルテートを主成分とする錯体が好ましく、
そのエーテルおよびまたはアルコール錯体が特に好まし
い。そのエーテルとしてはエチレングリコールジメチル
エーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチル
エーテル(ジグライム)等が好ましく、錯体の製造時の
取り扱いからグライムが特に好ましい。そのアルコール
としてはt−ブタノールが好ましい。
【0013】加水分解性ケイ素基含有ポリエーテルは、
水酸基含有ポリエーテルから誘導されることが特に好ま
しい。好ましい水酸基含有ポリエーテルとしてはポリオ
キシアルキレンジオール、ポリオキシアルキレントリオ
ールおよびポリオキシアルキレンテトラオールも使用で
きる。またアリルアルコールに環状エーテルを反応させ
て得られた不飽和基末端ポリオキシアルキレンモノオー
ルも使用できる。本発明において加水分解性ケイ素基と
は、シラノール基やアルコキシシリル基のように、硬化
触媒存在下、湿分により縮合反応を起こし有機重合体の
架橋によって高分子量化しうるものであり、好ましくは
式1で表される基である。
【0014】−SiXa 1 3-a…式1 式中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価
の炭化水素基、Xは水酸基または1価の加水分解性基、
aは1〜3の整数である。加水分解性ケイ素基含有ポリ
エーテルは、水酸基含有ポリエーテルから誘導される場
合、通常、有機基を介して式1で表される加水分解性ケ
イ素基が導入される。よって、本発明における有機重合
体(A)は式2で表される基を有することが好ましい。
【0015】−R0 −SiXa 1 3-a…式2 式中、R0 は2価の有機基、R1 、X、aは上記に同
じ。ここで式2中のR0 としては、炭素数8以下の2価
の炭化水素基が好ましい。式1、式2中のR1 として
は、炭素数8以下のアルキル基、フェニル基またはフル
オロアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ま
たはフェニル基が特に好ましい。
【0016】式1、式2中のXは水酸基または1価の加
水分解性基であり、加水分解性基としては例えばハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、ア
ミノ基、アミノオキシ基またはケトキシメート基であ
る。これらのうち炭素原子を有する加水分解性基の炭素
数は6以下、特には4以下がこのましい。好ましいXは
炭素数4以下のアルコキシ基、特にはメトキシ基、エト
キシ基またはプロポキシ基である。式1、式2中のaは
2または3が好ましい。
【0017】本発明における有機重合体(A)の製造方
法としては、例えば、下記の(イ)〜(ヘ)を例示する
がこれらに限定されない。なお、(イ)〜(ニ)は、加
水分解性ケイ素基含有ポリエーテルの製造例であり、
(ホ)〜(へ)は加水分解性ケイ素基含有ビニル系重合
体の製造例である。 (イ)イソシアネート基と加水分解性ケイ素基を有する
有機ケイ素化合物を水酸基含有ポリエーテルと反応させ
る方法。
【0018】具体的な有機ケイ素化合物としては、下記
の化合物を示しうる。 (C2 5 O)3 Si(CH2 3 NCO、(CH
3 O)3 Si(CH2 3NCO、(CH3 O)2 (C
3 )Si(CH3 3 NCO、(CH3 O)3 SiN
CO、(CH3 O)2 Si(NCO)2(ロ)式HSi
a 1 3-a(式中R′、X、aは前記に同じ)で表され
る水素化ケイ素化合物と末端に不飽和基を導入したポリ
エーテルとを反応させる方法。
【0019】ここで不飽和基を導入する方法としては、
水酸基含有ポリエーテルのOHをOM(Mはアルカリ金
属)とした後、塩化アリルなどの不飽和基含有ハロゲン
化炭化水素と反応させる方法、または不飽和基および水
酸基と反応しうる官能基を有する化合物を水酸基含有ポ
リエーテルと反応させて、エステル結合、ウレタン結
合、カーボネート結合などを介して不飽和基を導入する
方法がある。
【0020】また末端水酸基含有ポリエーテルの製造に
おいて環状エーテルを重合する際に、アリルグリシジル
エーテルなどの不飽和基含有環状エーテルを共重合させ
ることにより側鎖に不飽和基を導入する方法や、開始剤
として末端不飽和基含有モノオールを用いて製造した水
酸基含有ポリエーテルを使用することにより末端に不飽
和基を導入する方法もある。
【0021】(ハ)水酸基含有ポリエーテルの末端にト
リレンジイソシアネートなどのポリイソシアネートを反
応させてイソシアネート基末端とした後、該イソシアネ
ート基に式3で表されるケイ素化合物のW基を反応させ
る方法。 W−R2 −SiXa 1 3-a … 式3 式中R1 、X、a、は前記に同じである、R2 は炭素数
1〜20の2価の炭化水素基であり、Wは水酸基、カル
ボキシル基、メルカプト基およびアミノ基(1級または
2級)から選ばれる活性水素含有基である。
【0022】(ニ)末端に不飽和基を導入したポリエー
テルの不飽和基と、Wがメルカプト基である式3で表さ
れるケイ素化合物のメルカプト基とを反応させる方法。 (ホ)加水分解性ケイ素基を有する重合性モノマーまた
はそのオリゴマーと他の重合性モノマーまたはそのオリ
ゴマーとを共重合させる方法。他の重合性モノマーと
は、例えば下記に挙げる化合物の単独または2種以上の
混合物である。
【0023】重合性モノマーの具体例としては、スチレ
ンやα−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー、
(メタ)アクリル酸、それらのエステルまたは(メタ)
アクリル酸アミドなどの(メタ)アクリル系モノマー、
アクリロニトリル、2、4−ジシアノブテンー1などの
シアノ基含有モノマー、酢酸ビニルなどのビニルエステ
ルなどのビニルエステル系モノマー、イソプレン、ブタ
ジエン、クロロプレンなどのオレフィン系モノマー、エ
チレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、
および、その他不飽和エステル類、クロロトリフルオロ
エチレンやテトラフルオロエチレンなどのハロゲン化オ
レフィン、ビニルアルキルエーテルなどがある。
【0024】また加水分解性ケイ素基を有する重合性モ
ノマーとしては式4で表される化合物が用いられる。 X1 3-n SiR6 n 7 … 式4 式中、R6 は炭素数1〜20の置換または非置換の1価
の炭化水素基であり、X1 は水酸基またはハロゲン原
子、アルコシキシ基、アシルオキシ基、アミド基、アミ
ノ基、アミノオキシ基、ケトキシメート基などの加水分
解性基であり、R 7 は重合性不飽和基を有する有機基で
あり、nは0〜2の整数である。
【0025】式4で表される化合物としては具体的には
下記の化合物などが例示される。 CH2 =C(CH3 )COO(CH2 3 Si(C
3 )(OCH3 2 、CH2 =C(CH3 )Si(C
3 )(OCH3 2(へ)加水分解性ケイ素基を有す
る連鎖移動剤の存在下で重合性モノマーを重合させる方
法。
【0026】加水分解性ケイ素基を含有する連鎖移動剤
としては具体的には下記の化合物などが例示される。 HS(CH2 3 Si(OCH3 3 ,HS(CH2
3 Si(CH3 )(OCH3 2 有機重合体(A)の分子量は1000〜50000が好
ましい。有機重合体(A)として加水分解性ケイ素基含
有ポリエーテルを使用する場合には、分子量が8000
〜50000のものを使用することが好ましい。分子量
が8000未満の時は硬化体が硬くなり、かつ伸びが低
くなるので好ましくない。分子量が50000を越える
と硬化体の柔軟性および伸びは問題ないが、粘度が著し
く大きくなり、実用性が低くなる。分子量は10000
〜30000が特に好ましい。
【0027】また、有機重合体(A)としては、鐘淵化
学工業(株)製のゼムラック(平均分子量15,00
0、Tg30℃、樹脂固形分50%)や三洋化成工業
(株)製のクリヤマーなどの市販品も使用できる。 〔ポリフルオロ炭化水素基を有する重合単位(p)およ
び光硬化性官能基を有する重合単位(q)を有する含フ
ッ素共重合体(B)〕 (ポリフルオロ炭化水素基を有する重合単位(p))本
発明における含フッ素共重合体(B)は、ポリフルオロ
炭化水素基を有する重合単位(p)を有する。ポリフル
オロ炭化水素基を有する重合単位(p)とはポリフルオ
ロ炭化水素基を有する重合性モノマー(a)を重合する
ことにより生成する重合単位であることが好ましい。
【0028】重合性モノマー(a)における重合性不飽
和基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロ
イル基、イソプロペニル基などが挙げられる。ポリフル
オロ炭化水素基は、炭化水素基の水素原子が2個以上フ
ッ素原子に置換された基を意味する。ポリフルオロ炭化
水素基の炭素数は2〜40、特には2〜22、さらには
4〜18が好ましい。もっとも好ましくは6〜14であ
る。
【0029】ポリフルオロ炭化水素基中のフッ素原子の
数は、非置換炭化水素基の水素原子数に対する置換フッ
素原子数の割合が50%以上、好ましくは60%以上が
よい。80%以上がより好ましく、特に実質的に100
%である場合が好ましい。さらに置換されていない水素
原子の一部または全部が、塩素原子で置換されていても
良い。
【0030】ポリフルオロ炭化水素基の構造は、直鎖状
でも分岐状でも良く、好ましくは直鎖状である。ポリフ
ルオロ炭化水素基は1〜3価であること好ましく、特に
1価または2価であることが好ましい。ポリフルオロ炭
化水素基は炭素−炭素結合の間にエーテル性の酸素原子
またはチオエーテル性の硫黄原子が挿入されていても良
い。また、炭素−炭素不飽和二重結合などの不飽和基を
有していても良い。
【0031】なお、ポリフルオロ炭化水素基と(メタ)
アクリロイル基との結合はフッ素原子を含まない炭化水
素基(連結基)を介していてもよい。ポリフルオロ炭化
水素基はフッ素原子を含む炭素原子から他のフッ素原子
を含む炭素原子までをいう。連結基を含まないポリフル
オロ炭化水素基の具体例を下記に示す。 F(CF2 m− H(CF2 m− −(CF2 m− (CF3 2 CF(CF2 )p− CF3 O CF(CF3 )CF2 q CF(CF3
− C3 7 O CF(CF3 )CF2 r CF(C
3 )− (CF3 2 C=CF− CF3 CHFO(CF2 3 − 連結基を含むポリフルオロ炭化水素基含有基の具体例を
下記に示す。
【0032】F(CF2 m CH2 − F(CF2 m CH2 CH2 − F(CF2 m CH2 CH2 CH2 − F(CF2 m (CH2 6 − H(CF2 m CH2 − F(CF2 m CH=CHCH2 − F(CF2 m CH2 CHICH2 − F(CF2 m CH2 CH(OH)CH2 − F(CF2 m CH2 CH2 OCH2 CH2 − F(CF2 m (CH2 6 OCH2 CH2 − F(CF2 m OCH2 CH(OH)CH2 − (CF3 2 CF(CF2 p CH2 CH2 − (CF3 2 CF(CF2 p CH2 CHICH2 − (CF3 2 CF(CF2 p CH2 CH(OH)CH
2 − CF3 O CF(CF3 )CF2 q CF3 (C
3 )CH2 − (CF3 2 CH− (CF3 2 C(CH3 )CH2 − CF3 CHFCF2 CH2 − F(CF2 3 OCF(CF3 )CH2 − CHF2 CF2 OCH2 CH2 − CHF2 CF2 OCH2 CH(OCF2 CF2 H)CH
2 − −CH2 CH2 −(CF2 m CH2 CH2 − −CH2 CH(PH)CH2 O(CF2 )OCH2 CH
(OH)CH2 − 前記、連結基を含まないポリフルオロ炭化水素基、およ
び連結基を含むポリフルオロ炭化水素基含有基の具体例
中のmは2〜40であり、4〜18が好ましく6〜14
が特に好ましい。pは0〜38であり、2〜16が好ま
しく4〜12が特に好ましい。qは0〜19であり、1
〜8が好ましく、2〜6が特に好ましい。rは0〜18
であり、0〜7がこのましく、1〜5が特に好ましい。
【0033】ポリフルオロ炭化水素基を有する重合性モ
ノマー(a)としては、式5で示される化合物が好まし
い。 CH2 =CR8 (CH2 b −Z−Rf0 式5 式中R8 は水素原子あるいは炭素数1〜4の1価の炭化
水素基、bは0〜6の整数、Rf0はポリフルオロ炭化水
素基である。
【0034】Zは結合手であるか,−O−、−COO
−、−CONH−、−NHCO−および−OCO−から
なる群より選ばれる2価の基である。Rf0として好まし
いのは上記にポリフルオロ炭化水素基として好ましい基
として説明したとおりである。ポリフルオロ炭化水素基
を有する重合性モノマー(a)の例としては、次のもの
が例示される。C8 17CH=CH2 などのポリフルオ
ロオレフィン化合物。式6で表されるアクリル酸ポリフ
ルオロアルキルエステル。式7で表されるメタクリル酸
ポリフルオロアルキルエステル。式8で表されるビニル
(ポリフルオロアルキル)エーテル。式9で表されるア
リル(ポリフルオロアルキル)エーテル。式10で表さ
れるポリフルオロアルキルカルボン酸ビニルエステル。
【0035】 CH2 =CH−COORf1 式6 CH2 =C(CH3 )−COORf1 式7 CH2 =CH−ORf1 式8 CH2 =CHCH2 −ORf1 式9 CH2 =CH−OCORf2 式10 (Rf1、Rf2はポリフルオロ炭化水素基。) 次の含フッ素アミド化合物。F(CF2 m CH2 NH
COCH=CH2 などのアクリル酸アミド、F(C
2 m CH2 NHCOC(CH3 )=CH2 などのメ
タクリル酸アミド。
【0036】なお、Rf1は、連結基を含むポリフルオロ
炭化水素基であることが好ましい。Rf2は、連結基を含
まないポリフルオロ炭化水素基であることが好ましい。
本発明における含フッ素共重合体(B)はポリフルオロ
炭化水素基を有する重合単位(p)を全重合単位に対し
て少なくとも20モル%有する有機重合体であることが
好ましい。
【0037】20モル%よりも少ないと、十分な表面耐
汚染性が発揮されず、長期使用において汚れなどが著し
くなることがあり、好ましくない。含フッ素共重合体に
おいてポリフルオロ炭化水素基を有する重合単位(p)
は全重合単位に対して20〜95モル%、特に30〜9
0モル%有することが好ましい。(光硬化性官能基を有
する重合単位(q))本発明の含フッ素共重合体(B)
は、光により硬化反応をおこす光硬化性官能基を有する
重合単位(q)を有している。この特定の官能基が含ま
れていることにより、該重合体は硬化性組成物中に添加
した後、その硬化物を屋外に施工または試験暴露した場
合に、硬化体表面において自然光により硬化し、皮膜と
なりうる。光硬化性官能基により、橋かけ結合が形成さ
れた硬化体は、その特定の橋かけ構造により、特に優れ
た耐汚染性が発揮されるものと考えられる。
【0038】本発明において光硬化性官能基としてはア
クリロイル基、メタクリロイル基、シンナモイル基およ
びアジド基から選ばれる基であることが好ましい。光硬
化性官能基を有する重合単位(q)としては、以下の2
通りの重合性モノマーに基づく場合が挙げられる。1つ
は光硬化性官能基を有する重合性モノマー(b)に基づ
くものである。もう一つは光硬化性官能基を導入しうる
官能基を有する重合性モノマー(d)を前記のポリフル
オロ炭化水素基を有する重合性モノマー(a)などと共
重合して、共重合体(D)を製造した後に、光硬化性官
能基を導入することにより生成するものであり、前記重
合性モノマー(d)に基づく重合単位であって、かつ光
硬化性官能基が導入された重合単位である。
【0039】前者の場合、光硬化性官能基としては、上
記例示した基のうち熱重合性を有しない官能基に制限さ
れる。具体的には、シンナモイル基が好ましい。光硬化
性官能基を有する重合性モノマー(b)としては式11
で表される重合性モノマーが好ましい。 CH2 =CR9 (CH2 c −Z1 −(CH2 d −L 式11 式中、R9 は水素原子あるいは炭素数1〜4の1価の炭
化水素基、c、dは0〜6の整数、Z1 は結合手である
か、−O−,−COO−,−CONH−,NHCO−お
よび−OCO−からなる群より選ばれる2価の基、Lは
光硬化性官能基のうち熱重合性を有しない官能基を有す
る基である。
【0040】具体的には例えば、Lの代わりにに水酸基
を有する式11の不飽和化合物とシナモイルクロライド
を反応させることにより、Lがシンナモイルオキシ基で
ある式11の化合物が得られる。式11の化合物として
は、たとえばアリルアルコール−アルキレンオキシド付
加物のケイ皮酸エステル、アクリル酸(2−ヒドロキシ
エチル)エステルのケイ皮酸エステル、アリルシンナメ
ートなどがある。
【0041】また、後者の光硬化性官能基を導入しうる
官能基を有する重合性モノマー(d)としては、例えば
式12で表される重合性モノマーが挙げられる。 CH2 =CR9 (CH2 c −Z1 −(CH2 d −Y 式12 式中、R9 、Z1 、c、dは上記に同じ。Yは光硬化性
官能基を導入しうる基を有する基である。
【0042】好ましくは、Yは水酸基、エポキシ基、ア
ミノ基、イソシアネート基またはカルボキシル基を有す
る炭素数1〜20の置換または非置換の有機基であるこ
とが好ましい。Yは水酸基、エポキシ基またはイソシア
ネート基を有する有機基であることがより好ましい。光
硬化性官能基を導入しうる官能基を有する重合性モノマ
ー(d)の例としては、次のものが例示される。(メ
タ)アクリル酸などの重合性カルボン酸。式13で表さ
れるアクリル酸エステル。式14で表されるメタクリル
酸エステル。式15で表されるビニルエーテル。式16
で表されるアリルエーテル。式17で表されるカルボン
酸ビニルエステル。つぎのアクリル酸アミド。Y1 NH
COCH=CH2 などのアクリル酸アミド、Y1 NHC
OC(CH3 )=CH2 などメタクリル酸アミド。
【0043】 CH2 =CH−COOY1 式13 CH2 =C(CH3 )−COOY1 式14 CH2 =CH−OY1 式15 CH2 =CHCH2 −OY1 式16 CH2 =CH−OCOY1 式17 (Y1 は光硬化性官能基を導入しうる基を含む基。) 具体的な化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)エステル、
(メタ)アクリル酸(2−イソシアネートエチル)エス
テル、(メタ)アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)
エステル、(メタ)アクリル酸(3−フェノキシ−2−
ヒドロキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)エステル、
(2−ヒドロキシエチル)アリルエーテル、N−メチロ
ールアクリルアミド、コハク酸モノ(2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル)エステル、フタル酸モノ(2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル)エステル、(メ
タ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテ
ル、下記のリン化合物。また、イソホロンジイソシアネ
ート等のジイソシアネートと(メタ)アクリル酸(2−
ヒドロキシエチル)エステルとのモル比1:1の付加体
なども使用できる。
【0044】CH2 =CH−COOCH2 CH2 PO
(OH)2 、CH2 =C(CH3 )−COOCH2 CH
2 PO(OH)2 光硬化性官能基を導入しうる官能基を有する重合性モノ
マー(d)とポリフルオロ炭化水素基を有する重合性モ
ノマー(a)などと共重合して共重合体(D)を得た
後、(D)に光硬化性官能基を導入することができる。
光硬化性官能基としては上記に挙げたアクリロイル基、
メタクリロイル基、シンナモイル基およびアジド基から
選ばれる基を選ぶことができる。
【0045】具体的には、例えば水酸基を有する共重合
体(D)に、アリルクロライドやシンナモイルクロライ
ドを反応させたり、イソシアネート基と(メタ)アクリ
ロイル基を有する化合物、例えば2−メタクリロイルオ
キシエチルイソシアネートやイソホロンジイソシアネー
ト等のジイソシアネートと(メタ)アクリル酸(2−ヒ
ドロキシエチル)エステルとのモル比1:1の付加体な
どを反応させて、(メタ)アクリルロイルオキシ基やシ
ンナモイルオキシ基を有する共重合体を製造することが
できる。なお、光硬化性官能基を導入する際、光硬化性
官能基を導入しうる基が残っていてもよい。含フッ素共
重合体(B)が光硬化性官能基を導入しうる基を少量含
有している場合、含フッ素共重合体(B)の有機重合体
(A)に対する分散性の向上や含フッ素共重合体(B)
の造膜性の向上があり、好ましい。
【0046】本発明の含フッ素共重合体(B)は光硬化
性官能基を有する重合単位(q)を全重合単位に対して
少なくとも5モル%有することが好ましい。光硬化性官
能基を有する重合単位(q)が5モル%より少ないと、
十分な光硬化皮膜が形成されず長期使用において汚れな
どが著しくなることがあり、好ましくない。全重合単位
に対して5〜80モル%有することが好ましい。より好
ましくは10〜70モル%、さらに好ましくは10〜5
0モル%である。(重合単位(p)、重合単位(q)以
外の重合単位(r))本発明における含フッ素共重合体
(B)は重合単位(p)、重合単位(q)以外の重合単
位(r)を有していてもよい。重合単位(r)はポリフ
ルオロ炭化水素基を有する重合性モノマー(a)、光硬
化性官能基を有する(b)以外の重合性モノマー(c)
が重合することにより生成する重合単位であることが好
ましい。また、光硬化性官能基を導入しうる官能基を有
する重合性モノマー(d)が重合することにより生成す
る重合単位であって、光硬化性官能基が導入されなかっ
た重合単位であってもよい。
【0047】重合単位(r)は含フッ素共重合体(B)
自体の造膜性の改良、含フッ素共重合体(B)の有機重
合体(a)に対する相溶性や分散性の改善、硬化性組成
物における表面移行性などを改善する役割をもはたす。
さらに硬化性組成物の貯蔵安定性が向上する効果もあ
る。さらに重合単位(r)として、重合性モノマー
(d)が重合することにより生成する重合単位であっ
て、光硬化性官能基が導入されなかった重合単位が、含
フッ素共重合体(B)に含まれている場合、前記したと
おり、含フッ素共重合体(B)の有機重合体(A)に対
する分散性の向上や含フッ素共重合体(B)の造膜性の
向上の効果が見られる。
【0048】重合単位(r)は全重合単位に対して0〜
75モル%の割合であることが好ましい。すなわち、重
合単位(p)と重合単位(q)の合計が、全重合単位に
対して25モル%以上の割合で含まれることが好まし
い。この2種類の重合単位の含まれる割合が25モル%
未満では、十分な耐候性、表面の汚染性が発揮されな
い。
【0049】(a)、(b)以外の重合性モノマー
(c)は、ポリフルオロアルキル基を有さず、また、光
硬化性官能基を有さない重合性モノマーである。この重
合性モノマー(c)としては、ビニル基、アリル基、ア
クリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基な
どの重合性部位を有する重合性モノマーが挙げられる。
これらの基のうち、アクリロイル基やメタクリロイル基
などの光硬化性官能基は、重合に関与して、重合単位
(r)には残らないので、重合単位(r)は、重合単位
(q)とは異なる。重合性モノマー(c)として具体的
には分子量100〜3000程度のポリオキシアルキレ
ン鎖を有する重合性モノマーが例示できる。具体的には
分子量100〜3000のポリオキシプロピレングリコ
ールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレートなどが
挙げられる。
【0050】またビニルエーテル類、オレフィン類、ア
リルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエステル
類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、
イソプロペニルエステル類、クロトン酸エステル類、お
よびその他重合性モノマー、が例示できる。なかでも炭
素素数が1〜15程度の直鎖状、分岐状または脂環状の
アルキル基を有する化合物が好ましい。具体的な化合物
しては、以下のものが挙げられる。
【0051】メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル、クロロエチルビニ
ルエーテル、などのビニルエーテル類;エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、イソブチレン、シクロヘキセン、
スチレン、αーメチルスチレン、などのオレフィン類;
メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチル
アリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、など
のアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、カプ
ロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ベオバ9およびベオ
バ10(シェル化学社製、炭素数9または10の分岐脂
肪酸のビニルエステルの商品名)、バーサティック酸ビ
ニルなどの脂肪酸ビニルエステル類;酢酸アリル、など
のアリルエステル類;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アク
リル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミドなどの
(メタ)アクリル酸アミド類;アクリロニトリル、2,
4−ジシアノブテンー1などのシアノ基含有モノマー
類;イソプレン、ブタジエンなどのジエン類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、トリフルオロクロルエチレン、テ
トラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンなどのハロゲ
ン化オレフィン類などがある。
【0052】さらに、また式5で表される加水分解性ケ
イ素基を有する重合性モノマーも用いることは可能であ
る。しかし、有機重合体(A)の加水分解性ケイ素基と
反応して硬化体のモジュラスを高くしたり、含フッ素共
重合体(B)の表面移行性を妨げることがあるため必ず
しも必要ではない。重合方法は溶液重合、乳化重合、懸
濁重合、バルク重合のいずれの方法によっても良く、所
定量の重合性モノマーに重合開始剤、電離性放射線など
の重合開始源を作用させることにより重合が行われる。
また、適当な連鎖移動剤を存在させて、分子量の調節を
したり、有機重合体(A)の存在下で重合を行うことも
可能である。連鎖移動剤としては一般的に用いられるも
のが使用可能で、例えばイソプロピルメルカプタン、t
−ブチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、n−
ドデシルメルカプタンなどのメルカプト基含有化合物、
2,4−ジフェニルー4−メチル−1−ペンテンなどの
ようなα−メチルスチレンダイマーなどが使用できる。
重合反応は、仕込んだモノマーが100%共重合体に転
化していてもよく、重合反応を途中で中断し、未反応の
モノマーと共重合体の混合物でもよい。その他の諸条件
は、通常の溶液重合、乳化重合、懸濁重合、バルク重合
などを行う際と同条件で行うことができる。
【0053】含フッ素共重合体(B)は、分子量100
0〜50000であることが好ましい。シーリング材な
ど、無溶剤で用いる場合には、分子量の大きなものは作
業性がきわめて悪く、ポリフルオロ炭化水素基含有(メ
タ)アクリロイルモノマーまたはポリフルオロ炭化水素
基含有オリゴマーである化合物(C)を大量に添加しな
くては作業性が十分確保できない。化合物(C)を大量
に使用することは、コスト面、表面汚染防止効果の点で
好ましくない。無溶剤で用いる場合には分子量1500
0以下のものを採用することが好ましい。分子量の下限
は特に限定されないが、通常は300以上、好ましくは
1000以上が採用される。
【0054】有機重合体(A)および含フッ素共重合体
(B)の使用割合が重量比で(A)/(B)=100/
0.1〜100/20が好ましい。(A)/(B)=1
00/0.1〜100/10が特に好ましい。 (ポリフルオロ炭化水素基含有(メタ)アクリロイルモ
ノマーおよび/またはポリフルオロ炭化水素基含有オリ
ゴマー(C))本発明は、さらにポリフルオロ炭化水素
基含有(メタ)アクリロイルモノマーおよび/またはポ
リフルオロ炭化水素基含有オリゴマー(C)を含有する
ことを特徴とする。該化合物(C)は、ポリフルオロ炭
化水素基および光硬化性官能基を有する含フッ素共重合
体(B)のハンドリングを改良する目的で添加してい
る。含フッ素共重合体(B)は共重合体の分子量が大き
くなるに伴って粘度も上昇するため、有機重合体(A)
とその他の配合物を配合した配合組成物中に配合添加す
る場合、添加混合が困難なことがある。そのような場合
は、含フッ素共重合体(B)に相溶性のある溶媒を添加
して粘度を下げたり、または溶液重合で合成した重合体
を脱溶媒せずにそのまま添加することは可能である。し
かしながら、配合組成物から溶媒が揮発するため、溶媒
臭が周辺に飛散したり、硬化反応後の硬化体から溶媒が
揮発して硬化体の体積が減少したり、さらには溶媒の含
有量や沸点によっては配合製造設備を防爆型対応にする
などの設備投資が必要になり好ましくない。
【0055】また、ジオクチルフタレート等の沸点の高
い溶媒や、炭化水素系溶媒を使用すると上記の問題は多
少解決されるが、含フッ素共重合体(B)との相溶性が
よくないので好ましくない。ポリフルオロ炭化水素基含
有(メタ)アクリロイルモノマーおよび/またはポリフ
ルオロ炭化水素基含有オリゴマー(C)は、含フッ素共
重合体(B)との相溶性が良好で、しかもモノマーにし
ろオリゴマーにしろ分子量は含フッ素共重合体(B)よ
りも小さいので、含フッ素共重合体(B)と化合物
(C)との混合物は、含フッ素共重合体(B)よりも低
粘度となり、ハンドリングが改良されるので好ましい。
化合物(C)と含フッ素共重合体(B)の混合物を有機
重合体(A)やその他の配合物に添加混合すると、実質
的に配合物全体の粘度が下がり、結果として配合時の作
業性が改善される。
【0056】本発明におけるポリフルオロ炭化水素基含
有オリゴマーは、ポリフルオロ炭化水素基含有(メタ)
アクリロイルモノマーの反応より得られたオリゴマーで
あり、モノマー単位2〜6程度のものをいい、そのうち
2〜4が好ましく、2〜3が最も好ましい。化合物
(C)の添加方法は、あらゆる方法が取ることができる
が、例えば前もって含フッ素共重合体(B)に添加混合
しておいてから、この混合物を有機重合体(A)やその
他の配合物と混合する方法や、有機重合体(A)に含フ
ッ素共重合体(B)やその他の配合物を添加する時と同
様に順次添加していってもよい。前者の場合、含フッ素
共重合体(B)の製造途中で添加してもよく、また製造
が完了した製品に添加混合してもよい。
【0057】また、含フッ素共重合体(B)を重合反応
より製造する際に、重合反応を途中で終了させると含フ
ッ素共重合体(B)と未反応モノマーとの混合物が生成
する。この未反応モノマーの中に化合物(C)が含有さ
れている場合は、新たに化合物(C)を添加してもしな
くてもよい。また、化合物(C)は、シーリング材など
の硬化体に配合された場合、シーリング材と空気との界
面に移行し、シーリング材の表面特性を改質する効果が
ある。表面特性改質の効果としては、化合物(C)の表
面張力が小さいことから撥水・撥油性を発現しシーリン
グ材の表面粘着性を改良し、粘着によるほこりの付着を
防止するものである。また、同じく表面移行性の性質か
ら、相溶している含フッ素共重合体(B)を効率よく表
面に同伴移行させ含フッ素共重合体(B)の光硬化反応
を促進させると考えられ、その結果、優れた防汚性が発
現されると考えられる。
【0058】本発明のポリフルオロ炭化水素基含有(メ
タ)アクリロイルモノマーとは、前記含フッ素共重合体
(B)の説明記述部分のポリフルオロ炭化水素基を有す
る重合性モノマー(a)の重合性不飽和部分が(メタ)
アクリロイル基である化合物に同一である。本発明のポ
リフルオロ炭化水素基含有(メタ)アクリロイルモノマ
ーのポリフルオロ炭化水素基としては前記含フッ素共重
合体(B)のポリフルオロ炭化水素基を有する重合単位
(p)の説明記述部分で、ポリフルオロ炭化水素基の説
明部分で記載した内容と同一の説明ができる。
【0059】本発明のポリフルオロ炭化水素基含有(メ
タ)アクリロイルモノマーは、(メタ)アクリロイル基
を有している。(メタ)アクリロイル基は光硬化性官能
基であるが、ポリフルオロ炭化水素基含有(メタ)アク
リロイルモノマーが重合するときに関与して、ポリフル
オロ炭化水素基含有オリゴマー中には存在しないので、
該オリゴマーは光硬化性官能基を有する重合単位(q)
を有する含フッ素共重合体(B)とは異なる。またその
モノマーは光硬化性官能基を有するものではあるが、モ
ノマーである点で、前記含フッ素共重合体とは異なる。
ポリフルオロ炭化水素基含有(メタ)アクリロイルモノ
マーとは、前記含フッ素共重合体(B)の説明で記載し
た式6、式7で表される。
【0060】 CH2 =CH−COORf1 式6 CH2 =C(CH3 )−COORf1 式7 (Rf1はポリフルオロ炭化水素基。) ポリフルオロ炭化水素基含有(メタ)アクリロイルモノ
マーおよび/またはポリフルオロ炭化水素基含有オリゴ
マー(C)は、ポリフルオロ炭化水素基含有(メタ)ア
クリロイルモノマー単独、ポリフルオロ炭化水素基含有
オリゴマー単独、またはポリフルオロ炭化水素基含有
(メタ)アクリロイルモノマーの一部がオリゴマー化し
てなるモノマーとオリゴマーの混合物であってもよい。
オリゴマーの分子量は、特に限定されるものではなくあ
らゆる分子量範囲可能であるが、含フッ素共重合体
(B)よりも低い分子量範囲であるか、または含フッ素
共重合体(B)よりも低い粘度の化合物を得られるよう
な分子量範囲であることが好ましい。含フッ素共重合体
(B)の粘度よりオリゴマーの粘度が高粘度な場合は、
含フッ素共重合体(B)のハンドリング改良効果が得ら
れないので好ましくない。
【0061】また使用するポリフルオロ炭化水素基含有
(メタ)アクリロイルモノマーまたはポリフルオロ炭化
水素基含有オリゴマー(C)は、単独でも、2種類以上
併用してもよい。ポリフルオロ炭化水素基含有の(メ
タ)アクリロイルモノマーまたはポリフルオロ炭化水素
基含有オリゴマー(C)の添加量は、あらゆる範囲が可
能であるが、含フッ素共重合体(B)と混合して作業性
が確保できる粘度範囲になるように調整するのが好まし
い。含フッ素共重合体(B)と化合物(C)との混合物
の好ましい粘度範囲は10cP〜10000cP(40
℃)であり、より好ましくは、10cP〜5000cP
(40℃)、さらに好ましくは10cP〜1000cP
(40℃)である。
【0062】また、有機重合体(A)に対する化合物
(C)の添加量は、有機重合体(A)100重量部に対
して0.01〜20重量部である。20重量部より多い
と、硬化物の引っ張り物性などに悪影響をおよぼす可能
性があり、0.01重量部より少ないと実質的なハンド
リング改良効果が期待できないので好ましくない。より
好ましい範囲は0.05〜10重量部、さらに好ましく
は0.1〜5重量部である。 〔各種添加剤〕本発明の組成物には、必要により空気硬
化性化合物、光硬化性化合物、酸化防止剤、光安定剤、
紫外線吸収剤、加水分解してモノシラノールを発生する
化合物、硬化触媒、接着性付与剤、可塑剤、充填剤、ガ
ラスバルーン、中空体、本発明の有機重合体(A)以外
の樹脂、脱水剤、チキソ性付与剤、溶剤、顔料、光重合
開始剤、滑剤、その他の添加剤が添加できる。
【0063】本発明の組成物は必要に応じて空気硬化性
化合物および/またはフッ素を含有しない光硬化性化合
物を含有してもよい。空気硬化性化合物を使用すると硬
化後の初期のタックの改良に効果があり、光硬化性化合
物の使用は耐汚染性のより向上に効果がある。空気硬化
性化合物および光硬化性化合物は併用することが好まし
い。
【0064】本発明に使用される空気硬化性化合物とし
ては、空気中の酸素により重合を起こす不飽和基を分子
内に有する化合物が好ましい。具体的には下記の化合物
が挙げられる。桐油、アマニ油、エノ油、大豆油、ひま
わり油、麻実油などの乾性油;乾性油を変性して得られ
る各種アルキッド樹脂、乾性油と官能性ポリオキシアル
キレンとの反応生成物、乾性油とイソシアネート化合物
との反応生成物(ウレタン化油)、乾性油により変性さ
れたアクリル系重合体、エポキシ樹脂、シリコン樹脂。
【0065】ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、
1、3−ペンタジエンなどの炭素数4〜8のジエン系化
合物を単独重合または共重合して得られる液状重合体、
ジエン系化合物と共重合性を有するアクリロニトリル、
スチレン等モノマーをジエン系化合物が主体となるよう
に共重合して得られるNBR、SBR等の重合体それら
の各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物な
ど)。
【0066】これらのうちでは乾性油、液状ジエン系重
合体およびそれらの変性物が特に好ましい。空気硬化性
化合物は単独で用いても良く、2種以上を併用してもよ
い。また、空気硬化性化合物とともに酸化硬化反応を促
進する触媒や金属ドライヤーを併用すると効果が高めら
れる場合がある。これらの触媒や金属ドライヤーとして
は、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジ
ルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニ
ウム等の金属塩や、アミン化合物などが挙げられる。
【0067】空気硬化性化合物を使用する場合の使用量
は有機重合体(A)100重量部に対して0.01〜2
0重量部である。使用量が0.01重量部に満たないと
空気硬化性化合物の使用目的である初期タックの改善効
果が不十分であり、20重量部を越えると硬化物の伸び
などが損なわれる。好ましい使用量は1〜10重量部で
ある。
【0068】本発明は、有機重合体(A)含フッ素共重
合体(B)、ポリフルオロ炭化水素基含有(メタ)アク
リロイルモノマーおよび/またはポリフルオロ炭化水素
基含有オリゴマー(C)の他に、その他のフッ素原子を
含有しない光硬化性化合物を使用することもできる。こ
の種の化合物としてはモノマー、オリゴマー樹脂または
それらを含む組成物等多くのものが知られており、市販
されている任意のものを使用しうる。フッ素原子を含有
しない不飽和アクリル系化合物、またはポリケイ皮酸ビ
ニル類もしくはアジド化合物が特に好ましい。
【0069】フッ素を含有しない不飽和アクリル系化合
物としては、フッ素原子を含有しないアクリロイル基ま
たはメタクリロイル基を1〜数個有するモノマー、オリ
ゴマー、あるいはそれらの混合物が好ましく、特にアク
リロイル基を有する化合物が好ましい。より具体的には
プロピレン(またはブチレン、エチレン)グリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリス
アクリレート等のモノマーや該モノマーを重合して得ら
れる分子量10000以下のオリゴエステルが好まし
い。
【0070】光硬化性化合物を使用する場合の使用量は
有機重合体(A)100重量部に対して0.01〜20
重量部である。使用量が0.01重量部に満たないと光
硬化性化合物の使用目的である耐汚染性のより向上が不
十分であり、20重量部を越えると硬化物の伸びなどが
損なわれる。好ましい使用量は1〜10重量部である。
【0071】本発明の組成物は、必要に応じて酸化防止
剤、および/または耐光安定剤を配合してもよい。酸化
防止剤としてはヒンダードフェノール系化合物が好まし
い。ヒンダードフェノール系化合物としては具体的には
以下のものが例示できる。ノクラック200、ノクラッ
クM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−N、ノ
ックラックNS−5、ノックラックNS−6、ノックラ
ックNS−30、ノックラック300、ノックラックN
S−7、ノックラックDAH(以上いずれも大内新興化
学工業製)、アデカスタブ AO−30、アデカスタブ
AO−40、アデカスタブ AO−50、アデカスタ
ブ AO−60、アデカスタブ AO−616、アデカ
スタブ AO−15、アデカスタブ AO−18、アデ
カスタブ 328、アデカスタブ AO−37(以上い
ずれも旭電化工業株式会社製)、IRGANOX−24
5、IRGANOX−259、IRGANOX−56
5、IRGANOX−1010、IRGANOX−10
35、IRGANOX−1076、IRGANOX−1
081、IRGANOX−1098、IRGANOX−
1222、IRGANOX−1330、IRGANOX
−1425WL(以上いずれもチバ・スペシャシリティ
ーケミカルズ製)。
【0072】本発明で使用できる耐光安定剤としてはヒ
ンダードアミン系化合物が好ましい。具体的には、チヌ
ビン522LD、チヌビン144、CHIMASSOR
B944LD、CHIMASSORB119FL(以上
いずれもチバ・スペシャシリティーケミカルズ製)、ア
デカスタブ LA−57、アデカスタブ LA−62、
アデカスタブ LA−67、アデカスタブ LA−63
P、アデカスタブ LA−68LD(以上いずれも旭電
化工業株式会社製)、サノールSL−770、サノール
SL−765、サノールSL−292、サノールSL−
2626、サノールSL−1114、サノールSL−7
44(以上いずれも三共(株)製)などが例示できる。
【0073】また、酸化防止剤と耐光安定剤と紫外線吸
収剤との混合物であるチヌビンB5353、チヌビンB
75(以上いずれもチバ・スペシャリティケミカルズ
製)、酸化防止剤と耐光安定剤との混合物であるアデカ
スタブ LA−601(旭電化工業株式会社製)なども
使用できる。酸化防止剤と耐光安定剤は併用しても良
く、併用することが特に好ましい。
【0074】酸化防止剤または耐光安定剤の使用量は、
それぞれ、有機重合体(A)100重量部に対して0.
1〜10重量部の範囲であるのが好ましい。0.1重量
部未満では耐候性を改善する効果が少なく、5重量部を
越えると効果に大差がなく経済的に不利である。本発明
の組成物は、紫外線吸収剤を使用しても良い。紫外線吸
収剤としてはベンゾトリアゾール系化合物やベンゾエー
ト系化合物などが挙げあれ、具体的にはベンゾトリアゾ
ール系化合物としては、チヌビンP、チヌビン234、
チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チ
ヌビン329、チヌビン213(以上いずれもチバ・ス
ペシャリティケミカルズ製)が例示できる。ベンゾエー
ト系化合物としてはチヌビン120(チバ・スペシャリ
ティケミカルズ製)が例示できる。
【0075】紫外線吸収剤の使用量は、有機重合体
(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
であるのが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改
善する効果が少なく、10重量部を越えると効果に大差
がなく経済的に不利である。紫外線吸収剤および酸化防
止剤、耐光安定剤全てを併用することが最も好ましい結
果が得られる。
【0076】本発明の組成物は、必要に応じて加水分解
してモノシラノールを生成する化合物を含有していても
良い。この化合物を含有する組成物はジカルボン酸スズ
と有機アミンを硬化触媒として使用した場合に硬化速度
の調節や、引っ張り物性測定時の高伸び化、低モジュラ
ス化、表面タック改善等の改良効果が期待できるので好
ましい。加水分解してモノシラノールを発生する化合物
は、例えばヘキサメチルジシラザン、フェノキシトリメ
チルシラン、2−エチルヘキシルオキシトリメチルシラ
ンなどの化合物や、エチレングリコールなどのやトリメ
チロールプロパンなどの多価アルコールのトリメチルシ
リルエーテル等が例示できる。表面タック改善の大きな
効果が得られることから、多価アルコールの水酸基の数
は3〜8個が好ましく、3個であることが特に好まし
い。分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコール
としては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペン
タエリスリトール、ソルビトール等が挙げられるがこれ
らに限定されるものではない。
【0077】水酸基に反応させるトリアルキルオキシ基
含有化合物のアルキル基はメチル基が好ましく具体的に
は、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザ
ン、トリメチルクロルシランなどがある。加水分解して
モノシラノールを発生する化合物の分子量は1000以
下が好ましく、より好ましくは分子量が500以下であ
る。
【0078】本発明における硬化性組成物を硬化させる
際には加水分解性ケイ素基の硬化反応を促進する硬化促
進触媒を使用してもよい。具体的な例としては下記の化
合物が挙げられる。それらの1種または2種以上が使用
される。硬化促進触媒は有機重合体(A)100重量部
に対して0.001〜10重量部使用することが好まし
い。
【0079】硬化促進触媒としては、アルキルチタン酸
塩、有機ケイ素チタン酸塩、ビスマストリスー2−エチ
ルヘキサノートなどの金属塩、リン酸、p−トルエンス
ルホン酸、フタル酸などの酸性化合物、ブチルアミン、
ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウ
リルアミンなどの脂肪族モノアミン、エチレンジアミ
ン、ヘキサンジアミンなどの脂肪族ジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、などの脂肪族ポリアミン類、ピペリジ
ン、ピペラジンなどの複素環式アミン類、メタフェニレ
ンジアミン、などの芳香族アミン類、エタノールアミン
類、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬化剤として用
いられる各種変性アミンなどのアミン化合物。
【0080】2−エチルヘキサン酸スズ、ナフテン酸ス
ズ、ステアリン酸スズなどの2価のスズ化合物およびこ
れら2価スズ化合物と上記アミン類の混合物。ジブチル
スズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオク
チルスズジラウレートおよび下記のカルボン酸型有機ス
ズ化合物およびこれらのカルボン酸型有機スズ化合物と
上記アミン類との混合物。
【0081】(n−C4 9 2 Sn(OCOCH=C
HCOOCH3 2 、(n−C4 9 2 Sn(OCO
CH=CHCOOC4 9 −n)2 、(n−C8 17
2 Sn(OCOCH=CHCOOCH3 2 、(n−C
8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC4 9
n)2 、(n−C8 172 Sn(OCOCH=CHC
OOC8 17−iso)2 、下記の含硫黄型有機スズ化
合物。
【0082】(n−C4 9 2 Sn(SCH2 CO
O)、(n−C8 172 Sn(SCH2 COO)、
(n−C8 172 Sn(SCH2 CH2 COO)、
(n−C8 172 Sn(SCH2 COOCH2 CH2
OCOCH2 S)、(n−C8 172 Sn(SCH2
COOC4 8 OCOCH2 S)、(n−C4 9 2
Sn(SCH2 COOC8 17−iso)2 、(n−C
8 172 Sn(SCH2 COOC8 17−is
o)2 、(n−C8 172 Sn(SCH2 COOC8
17−n)2(n−C8 172 Sn(SCH2 COO
1225−n)2(n−C4 9 2 SnS。
【0083】(n−C4 9 2 SnO、(n−C8
172 SnOなどの有機スズオキシド、およびこれらの
有機スズオキシドとエステル化合物との反応生成物。エ
ステル化合物としてはエチルシリケート、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオク
チルなどが挙げられる。
【0084】下記などのキレートスズ化合物およびこれ
らのスズ化合物とアルコキシシランとの反応生成物(た
だし、acacはアセチルアセトナト配位子を表す)。 (n−C4 9 2 Sn(acac)2 、(n−C8
172 Sn(acac)2 、(n−C8 172 (CH
3 O)Sn(acac)、(n−C4 9 2 (C8
17O)Sn(acac)。
【0085】下記スズ化合物。 (n−C4 9 2 (CH3 COO)SnOSn(OC
OCH3 )(C4 9−n)2 、(n−C4 9
2 (CH3 O)SnOSn(OCH3 )(C4 9
n)2
【0086】オクチル酸ビスマス(長瀬化成社製、コス
キャット83)、バーサチック酸ビスマス(The S
hepherd Chemical 社製、BISMU
THVERSALATE)、ネオデカン酸ビスマス(T
he ShepherdChemical 社製、BI
SMUTH NEODECANOATE)などの3価ビ
スマスのカルボン酸塩化合物およびこれら3価ビスマス
のカルボン酸塩化合物と上記アミン類の混合物などがあ
る。
【0087】さらに接着性を改良する目的で接着性付与
剤を使用してもよい。これらの接着性付与剤としては
(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類、アミノ基
含有シラン類、メルカト基含有シラン類、エポキシ基含
有シラン類、カルボキシル基含有シラン類などのシラン
カップリング剤が挙げられる。(メタ)アクリロイルオ
キシ基含有シラン類としては、3−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキ
シプルピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオ
キシプルピルメチルジメトキシシランなどが挙げられ
る。
【0088】アミノ基含有シラン類としては、3−アミ
ノプルピルトリメトキシシラン、2−アミノプルピルト
リエトキシシラン、3−アミノプルピルメチルジメトキ
シシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプル
ピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイド
プロピルトリエトキシシラン、N−(N−ビニルベンジ
ルー2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン
などが挙げられる。
【0089】メルカプト基含有シラン類としては、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジ
エトキシシランなどが挙げられる。エポキシ基含有シラ
ン類としては、3−グリシジルオキシプルピルトリメト
キシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエト
キシシランなどが挙げられる。
【0090】カルボキシル基含有シラン類としては、2
−カルボキシエチルトリエトキシシラン、2−カルボキ
シエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、N−(N−カルボキシメチル−2−アミノエチル−
3−アミノプルピルトリメトキシシランなどが挙げられ
る。また前記シランカップリング剤から選ばれる2種以
上のシランカップリング剤を反応させてえられる反応物
を用いても良い。反応物の例としてはアミノ基含有シラ
ン類とエポキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含
有シラン類と(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン
類との反応物、エポキシ基含有シラン類とメルカプト基
含有シラン類との反応物、メルカプト基含有シランどう
しの反応物などが挙げられる。これらの反応物は該シラ
ンカップリング剤を混合し室温〜150℃の温度範囲で
1〜8時間攪拌することによって容易に得られる。
【0091】上記化合物は単独で使用しても良く、2種
類以上へ併用してもよい。シランカップリング剤の使用
量は有機重合体(A)100重量部に対して0〜30重
量部が好ましい。接着性付与剤としてエポキシ樹脂を添
加してもよい。また必要に応じてエポキシ樹脂硬化剤を
併用しても良い。
【0092】本発明の組成物は必要に応じて可塑剤を添
加してもしなくても良い。可塑剤を使用する場合の使用
量は有機重合体(A)100重量部に対して0.001
〜1000重量部が好ましい。具体的には以下の公知の
可塑剤が挙げられる。フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステ
ル類。アジピン酸ジオクチル、コハク酸ビス(2−メチ
ルノニル)、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチルな
どの脂肪族カルボン酸エステル。ペンタエリスリトール
エステルなどのアルコールエステル類。リン酸トリオク
チル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類。エ
ポキシ化大豆油、4,5−エポキシヘキサヒドロフタル
酸ジオクチル、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエ
ポキシ可塑剤。塩素化パラフィン。2塩基酸と2価のア
ルコールとを反応させてなるポリエステル類などのポリ
エステル系可塑剤。
【0093】また、シーリング材に配合したときに表面
へのブリードアウトが少ないことから好ましく使用され
る分子量が1000以上の高分子可塑剤も使用できる。
高分子可塑剤を配合した組成物から得られる硬化体上に
アルキッド塗料を塗装する際、塗膜の乾燥性(硬化性)
が良好であることからも好ましい。具体的にはポリオキ
シプロピレングリコールやそのアルキルエーテル、アル
ケニルエーテル等の誘導体などのポリエーテル類、ポリ
−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのスチレン系
のオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエンーアクリ
ロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソブチ
レン、ポリブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブ
タジエンなどのオリゴマー類などの高分子可塑剤が挙げ
られる。
【0094】中でも高分子可塑剤は有機重合体(A)と
の相溶性がよいものが好ましい。特に、高分子可塑剤が
アルキレンオキシドを重合させて得られる分子量100
0〜30000のポリエーテル、より好ましくは分子量
4000〜30000のポリエーテルであってかつ加水
分解性ケイ素基を有しない有機重合体が好ましい。この
ようなポリエーテルは、有機重合体(A)で説明した方
法で製造されることが好ましい。特に好ましくは、水酸
基含有ポリエーテルまたはその重合体から誘導される重
合体である。末端水酸基の80%以上を他の有機基に変
換してなる重合体が特に好ましい。具体的には末端水酸
基をエーテル結合、エステル結合、ウレタン結合などの
結合を介して、アルキル基、アルケニル基などの炭化水
素基で封止した重合体が特に好ましい。もっとも好まし
くはエーテル結合を介してアリル基で封止した重合体で
ある。
【0095】充填剤としては公知の充填剤が使用でき
る。充填剤の使用量は有機重合体(A)100重量部に
対して0〜1000重量部、特に50〜250重量部が
好ましい。充填剤の具体例としては以下のものが挙げら
れる。これらの充填剤は単独で用いても良く、2種類以
上併用しても良い。充填剤の具体例としては、平均粒径
1〜20ミクロンの重質炭酸カルシウム、沈降法により
製造した平均粒径1〜3ミクロンの軽質炭酸カルシウ
ム、表面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した
炭酸カルシウム、該炭酸カルシウムをさらに微粉化した
平均粒径1ミクロン以下の膠質炭酸カルシウムなどの炭
酸カルシウム類、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無
水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラック、炭酸マ
グネシウム、ケイソウ土、焼生クレー、クレー、タル
ク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸
化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、ガラスバルーンやシ
ラスバルーンなどの微小中空体、木粉、パルプ、木綿チ
ップ、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、
アルミニウム微粉末、フリント粉末などの粉体状充填
剤。石綿、ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊
維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバーなどの繊維
状充填剤などが挙げられる。
【0096】本発明の組成物に、無機微小中空体や有機
樹脂中空体等を添加すると、硬化物を軽量化することが
できる。無機微小中空体として、珪酸系バルーンにはシ
ラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、シリカバ
ルーン、フライアッシュバルーンが、非珪酸系バルーン
にはアルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボン
バルーンが例示でき、ガラスバルーンが一般的である。
【0097】有機樹脂中空体としては、熱硬化性樹脂バ
ルーンや熱可塑性樹脂バルーンがあり、熱硬化性樹脂の
バルーンにはフェノールバルーン、エポキシバルーン、
尿素バルーンが、熱可塑性樹脂バルーンにはサランバル
ーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバル
ーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレンーアク
リル系バルーン、ポリアクリロニトリルバルーンが例示
できる。有機質バルーンの表面を炭酸カルシウム、シリ
カ、酸化チタン等の無機化合物でコーティングしてある
ものも知られており、好ましく使用できる。
【0098】有機質バルーンを用いると無機質バルーン
を用いる場合に比較して、硬化物の引っ張り特性のうち
モジュラス伸びが優れたものになる。すなわち、低いモ
ジュラスで高い伸びになる。従って、有機質バルーンを
用いるのが好ましい。バルーンの使用量は、有機重合体
(A)100重量部に対し、0.01〜100重量部、
好ましくは0.1〜50重量部さらに好ましくは0.3
〜40重量部の範囲で使用できる。
【0099】本発明の有機重合体(A)へ添加可能な有
機重合体(A)以外の樹脂としては、例えばエポキシ樹
脂が挙げられる。エポキシ樹脂に加えてエポキシ樹脂硬
化剤や硬化促進剤などを併用添加してもよい。本発明の
有機重合体(A)の貯蔵安定性をさらに改良するため
に、硬化性や柔軟性に悪影響をおよぼさない範囲で少量
の脱水剤を添加できる。脱水剤の使用量は有機重合体
(A)100重量部に対して0.001〜30重量部が
好ましい。
【0100】具体的には、オルトギ酸メチル、オルトギ
酸エチルなどのオルトギ酸アルキル、オルト酢酸メチ
ル、オルト酢酸エチルなどのオルト酢酸アルキル、メチ
ルトリメチキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの加水
分解性有機シリコン化合物、加水分解性有機チタン化合
物などを使用しうる。ビニルトリメトキシシラン、テト
ラエトキシシランがコスト、効果の点から好ましい。
【0101】また垂れ性の改善のためチキソ性付与剤を
使用しても良い。このようなチキソ性付与剤としては水
添ひまし油、脂肪酸アミドなどが用いられる。また本発
明の有機重合体(A)を硬化性組成物として用いる場
合、粘度の調整、有機重合体(A)の保存安定性向上を
目的として、溶剤を添加することもできる。溶剤の使用
量は有機重合体(A)100重量部に対して0.001
〜500重量部が好ましい。
【0102】溶剤としては脂肪族炭化水素類、芳香族炭
化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケト
ン類、エステル類、エーテル類、エステルアルコール
類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール類、ケト
ンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類
を使用できる。アルコール類は、本発明の組成物を長期
に保存する場合、保存安定性が向上するので好ましい。
アルコール類としては、炭素数1〜10のアルキルアル
コールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、イソペンチルアルコール、ヘキシルアルコー
ルなどが特に好ましい。
【0103】また本発明の組成物には顔料を使用しても
よい。顔料としては酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン等
の無機顔料およびフタロシアニンブルー、フタロシアニ
ングリーン等の有機顔料が挙げられる。
【0104】
【実施例】以下に本発明の実施例をあげるが、これらに
限定されるものではない。なお、実施例中の分子量の測
定は、ゲルパーミネーションクロマトグラフにより溶媒
としてテトラヒドロフランを用いて測定した。検量線は
ポリスチレン標準サンプルを用いて作成した。また、粘
度測定は、B型粘度計を用いて測定した。
【0105】有機重合体P1〜P4は、本発明の有機重
合体(A)に相当し、含フッ素重合体1〜3、7、8
は、(p)+(q)タイプの含フッ素共重合体(B)に
相当し、また、混合物4〜6、9〜10は含フッ素共重
合体(B)と化合物(C)との混合物に相当する。 (有機重合体P1の製造例)分子量1000のグリセリ
ン−プロピレンオキシド付加物を開始剤として亜鉛ヘキ
サシアノコバルテートグライム錯体を触媒としてプロピ
レンオキシドの重合をおこない、数平均分子量1700
0、Mw/Mn=1.4のポリオキシアルキレントリオ
ールを得た。このものをアルカリ存在下にて塩化アリル
と反応させ末端水酸基をアリルオキシ基に変換した後、
精製した。得られた精製ポリマーに塩化白金酸を触媒と
してメチルジメトキシシランを付加反応させ、1分子当
たり平均2.1個の加水分解性ケイ素基末端を有する有
機重合体P1を得た。
【0106】(有機重合体P2の合成例)有機重合体P
1と同様の方法で、分子量1000のジエチレングリコ
ーループロピレンオキシド付加物を開始剤として亜鉛ヘ
キサシアノコバルテートグライム錯体にてプロピレンオ
キシドの重合をおこない、数平均分子量17000、M
w/Mn=1.4のポリオキシアルキレンジオールを
得、末端水酸基をアリルオキシ基に変換し、さらに塩化
白金酸を触媒としてメチルジメトキシシランを付加反応
させ、1分子当たり平均1.6個の加水分解性ケイ素基
を有する有機重合体P2を得た。
【0107】(有機重合体P3の合成例)有機重合体P
1と同様の方法により、分子量1000のグリセリン−
プロピレンオキシド付加物を開始剤として亜鉛ヘキサシ
アノコバルテートグライム錯体にてプロピレンオキシド
の重合をおこない、数平均分子量20000、Mw/M
n=1.4のポリオキシアルキレントリオールを得、末
端水酸基をアリルオキシ基に変換し、さらに塩化白金酸
を触媒としてメチルジメトキシシランを付加反応させ、
1分子当たり平均1.7個の加水分解性ケイ素基を有す
る有機重合体P3を得た。
【0108】(有機重合体P4の合成例)有機重合体P
2を300g耐圧容器に仕込み、100℃に加熱攪拌し
た中に、メタクリル酸メチル80g、スチレン30g、
アクリル酸ノルマルブチル15g、メタクリル酸ステア
リル30g、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル
3g、メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.5g
およびアゾビスイソブチロニトリル3gの混合溶液を3
時間かけて滴下攪拌し、さらにアゾビスイソブチロニト
リル1gをメタノール10gに溶かした溶液を30分か
けて滴下してから、さらに1時間加熱攪拌した。減圧下
で、未反応モノマーおよび溶媒を留去して、有機重合体
P4を得た。
【0109】(高分子可塑剤PL1の合成例)分子量1
000のグリセリン−プロピレンオキシド付加物を開始
剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体を
触媒として水酸基価17.0mgKOH/gの末端に水
酸基含有のポリオキシプロピレントリオールを得た。精
製したものを高分子可塑剤PL1とた。 (高分子可塑剤PL2の合成例)KOH触媒を用いて合
成した分子量5000のグリセリン開始ポリオキシプロ
ピレントリオールをアルカリ存在下にて塩化アリルと反
応させ末端水酸基をアリルオキシ基に変換し、精製後、
末端の96%がアリル基にて封止されたポリオキシアル
キレンを得た。このものを高分子可塑剤PL2とした。
【0110】(高分子可塑剤PL3の合成例)分子量1
000のペンタエリスリトール−プロピレンオキシド付
加物を開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグラ
イム錯体を触媒として水酸基37.1mgKOH/gの
ポリオキシプロピレンヘキサオールを得た。このものを
アルカリ存在下にて塩化アリルと反応させ末端水酸基を
アリルオキシ基に変換し、精製後、末端の93%がアリ
ル基にて封止されたポリオキシアルキレンを得た。この
ものを高分子可塑剤PL3として使用した。
【0111】(含フッ素共重合体1,2,3,7,8の
合成例)3Lの圧力容器に表1に応じてアクリル酸ノル
マルブチル(以下略称nBuA)、アクリル酸エチル、
アクリル酸(2−エチルヘキシル)、またはアクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)
(以下略称HEA)およびCt 2t+1CH2 CH2 OC
OCH=CH2 (tの平均値9)(以下FA)を仕込
み、さらに溶媒としての4−メチル−2−ペンタノン
(以下MIBK)、開始剤としてのV−65(2,2′
−アゾピス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光
純薬(株)製)、ノフマーMSD(2,4−ジフェニル
−4−メチル−1−ペンテン、日本油脂(株)製)また
はノルマルドデシルメルカプタンを仕込み、撹拌下で窒
素置換を3回行い、圧力容器内を徐々に昇温し、圧力容
器内温度を60℃に保持し20時間反応させた。含フッ
素重合体1に関してはV−65を60℃での反応開始1
0時間後に同量(15.44g)再添加を行った。
【0112】つづいて、圧力容器内を30℃に降温し、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(以下BH
T)、2−エチルヘキサン酸スズ(商品名 ニッカオク
チックス、日本化学産業製)を添加し、さらに2−イソ
シアネートエチルメタクリレート(以下MOI)、イソ
ホロンジイソシアネート(以下IPDI)とアクリル酸
(2−ヒドロキシエチル)を1:1のモル比で付加させ
た化合物(以下VI−1)、または、IPDIとメタク
リル酸(2−ヒドロキシエチル)を1:1のモル比で付
加させた化合物(以下VI−2)を添加し、圧力容器内
を徐々に昇温し、40℃に維持し撹拌下で24時間反応
させた。次いで、溶媒であるMIBKを除去し、光硬化
性部位であるメタクリロイル基を有する含フッ素共重合
体1,2,3,7,8を得た。
【0113】表1に添加量、得られた含フッ素共重合体
の分子量Mn及び粘度を示す。
【0114】
【表1】
【0115】(混合物4,5,6,9,10)表2に示
すように含フッ素重合体1,2,3,7,8に対してF
Aを加えることにより表2に示す粘度を有する混合物を
得た。
【0116】
【表2】
【0117】(実施例1〜19、比較例1〜20)最初
に、スズ化合物とシラン化合物を除く組成物における、
該組成物への含フッ素共重合体、混合物、FA及びFA
以外のアクリル酸エステル(以下、併せて含フッ素共重
合体等ともいう)の分散性を評価した。すなわち、スズ
化合物、シラン化合物及び含フッ素共重合体等を除い
た、表5〜12に示す全ての化合物を表5〜12に示す
重量部混合し、プラネタリーミキサーを用いて混練し、
100℃にて脱水した後、40℃に冷却した。
【0118】得られた組成物に、表5〜12に示す含フ
ッ素共重合体等を表5〜12に示す重量部添加し、プラ
ネタリーミキサーを用いて混練し、含フッ素共重合体等
の組成物への分散性を下記の通り評価した。なお含フッ
素共重合体とFA以外のアクリル酸エステルをともに添
加する場合は、含フッ素共重合体とFA以外のアクリル
酸エステルを混合したのち、含フッ素共重合体とFA以
外のアクリル酸エステルの混合物を組成物へ添加し、そ
の分散性の評価を行った。
【0119】 ◎:容易に分散する。 ○:若干分散に時間がかかる。 △:分散しづらい。 ×:分散しない。 その後、上記組成物にさらに表5〜12に示すシラン化
合物およびスズ化合物を表5〜12に示す重量部添加し
組成物を得、次いでこの組成物を縦75mm、横140m
m、厚さ5mmのシート状に成形し、20℃、65%湿度
下にて2週間養生し、硬化体シートを得た。なお、分散
性の評価で、×と評価されたものについては、含フッ素
共重合体等を添加する際に、10重量%MIBK分散液
の状態で添加し、均一に分散させた後MIBKを脱気す
ことにより均一な組成物を得た後、さらにシラン化合物
およびスズ化合物を添加した。
【0120】各化合物については表3,4に詳細を示
す。
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】この硬化体シートを屋外に45度の傾斜を
つけて暴露し、6ケ月後の汚染性を評価した。
【0124】×:ほこりがひどく付着している。 とした。さらに、同硬化体をサンシャインカーボンアー
クウエザーメーターに250時間、500時間、750
時間暴露した後の、表面耐候性を評価した。 評価は、◎:表面にひび割れがない。
【0125】 ○:表面に微小のひび割れがある。 △:表面にひび割れがある。 ×:表面に多数のひび割れがある。
【0126】
【表5】
【0127】
【表6】
【0128】
【表7】
【0129】
【表8】
【0130】
【表9】
【0131】
【表10】
【0132】
【表11】
【0133】
【表12】
【0134】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物、すなわち有機重
合体(A)と含フッ素共重合体(B)とポリフルオロ炭
化水素基含有(メタ)アクリロイルモノマーおよびまた
はポリフルオロ炭化水素基含有オリゴマー(C)を配合
した組成物から得られる硬化体は、屋外に暴露した後表
面の耐汚染性が良好である。
【0135】また含フッ素共重合体(B)は、粘度が高
く、ハンドリングが悪いのに対し、含フッ素共重合体
(B)にポリフルオロ炭化水素基含有(メタ)アクリロ
イルモノマーおよびまたはポリフルオロ炭化水素基含有
オリゴマー(C)を必要量混合した混合物は低粘度化が
実現でき、ハンドリング性が改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/00 C09D 183/00 201/00 201/00 C09J 127/12 C09J 127/12 133/06 133/06 183/00 183/00 201/00 201/00 C09K 3/10 C09K 3/10 M (72)発明者 近藤 聡 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 林 朋美 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 尾川 元 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 (72)発明者 舟木 宙 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 Fターム(参考) 4H017 AA04 AA31 AB01 AB12 AB15 AC04 AC05 AC17 AC19 4J002 AC03W AC09W BB10W BB14W BB18W BD12W BD12X BD123 BD15W BE02X BE04W BF01X BG01X BG04W BG08X BG13X BQ00W CF27W CG00W CH05W CP17W EH076 GH01 GJ01 GJ02 4J038 DF011 FA112 FA232 GA12 GA15 NA05 4J040 EE011 FA132 FA232 GA03 GA31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解により架橋可能な加水分解性ケ
    イ素基を分子内に1つ以上有する有機重合体(A)、ポ
    リフルオロ炭化水素基を有する重合単位(p)および光
    硬化性官能基を有する重合単位(q)を有する含フッ素
    共重合体(B)、およびポリフルオロ炭化水素基含有
    (メタ)アクリロイルモノマーおよび/またはポリフル
    オロ炭化水素基含有オリゴマー(C)を含有する、硬化
    性組成物。
  2. 【請求項2】 加水分解により架橋可能な加水分解性ケ
    イ素基を分子内に1つ以上有する有機重合体(A)、ポ
    リフルオロ炭化水素基を有する重合単位(p)、光硬化
    性官能基を有する重合単位(q)および重合単位
    (p)、(q)以外の重合単位(r)を有する含フッ素
    共重合体(B)、およびポリフルオロ炭化水素基含有
    (メタ)アクリロイルモノマーおよび/またはポリフル
    オロ炭化水素基含有オリゴマー(C)を含有する、硬化
    性組成物。
  3. 【請求項3】 含フッ素共重合体(B)が、ポリフルオ
    ロ炭化水素基を有する重合単位(p)を少なくとも20
    モル%有する重合体である、請求項1または2に記載の
    硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 含フッ素共重合体(B)とポリフルオロ
    炭化水素基含有(メタ)アクリロイルモノマーおよび/
    またはポリフルオロ炭化水素基含有オリゴマー(C)と
    の混合物の40℃における粘度範囲が10〜10000
    cPである、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組
    成物。
  5. 【請求項5】 有機重合体(A)100重量部に対して
    ポリフルオロ炭化水素基含有の(メタ)アクリロイルモ
    ノマーおよび/またはポリフルオロ炭化水素基含有オリ
    ゴマー(C)が0.01重量部〜20重量部配合され
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 加水分解により架橋可能な加水分解性ケ
    イ素基を分子内に1つ以上有する有機重合体(A)が複
    合金属シアン化物錯体を触媒とし、開始剤の存在下、環
    状エーテルを重合させて得られる水酸基含有ポリエーテ
    ルから誘導され、式1で表される加水分解性ケイ素基を
    有する有機重合体である、請求項1〜5のいずれかに記
    載の硬化性組成物。 −SiXa 1 3-a…式1 (式(1)中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置
    換の1価の炭化水素基、Xは水酸基または1価の加水分
    解性基、aは1〜3の整数である。)
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