JP2007023255A - 硬化性組成物及びコンタクト型接着剤 - Google Patents

硬化性組成物及びコンタクト型接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】コンタクト型接着剤として用いられたときにコンタクト性の発現速度が十分に大きいとともに、硬化後の機械強度も十分に大きい硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)と、アクリル重合体(B)と、下記一般式(2)で表される有機シラン単量体(C)と、を含有する硬化性組成物。
SiX ・・・(2)
[式中、Xは加水分解性基を示し、Rは炭素数1〜3の1価の炭化水素基又は水素原子を示し、Rは炭素数3〜20の1価の炭化水素基を示す。ただし、複数のXは互いに同一でも異なっていてもよく、R及びRは互いに異なる。]
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物及びこれを用いたコンタクト型接着剤に関する。
コンタクト型接着剤は、被着体に接着剤を塗布した後に所定時間(オープンタイム)を経過させてから被着体を貼り合わせる接着方法において、被着体に塗布される接着剤として用いられる。このコンタクト型接着剤は、被着体に塗布後、一定のオープンタイムを経過すると、貼り合わせることによって接着することが可能ないわゆるコンタクト性を有する状態となる。コンタクト型接着剤は、一般に、被着体に塗布後、コンタクト性が発現するまでの時間が短いこと、すなわちコンタクト性の発現速度が大きいことが望ましい。
従来、コンタクト型接着剤としては、天然ゴムや合成ゴムのようなジエン系の接着剤が広く用いられていた。しかし、ジエン系の接着剤のような、溶剤の蒸発によりコンタクト性を発現する溶剤型接着剤の場合、大量の有機溶剤を用いるため、有機溶剤を蒸発除去しなければならず、労働環境、防災および公害面で改善が求められていた。また、溶剤にコストがかかるという問題もあった。
そこで、従来の溶剤型接着剤に匹敵する性能を有する接着剤として、変成シリコーン系重合体を用いた無溶剤型のコンタクト型接着剤が提案されている(特許文献1)。また、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を含有する硬化性組成物を、コンタクト型接着剤として用いることも知られている。反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を含有する硬化性組成物としては、例えば、オキシアルキレン重合体の分子量分布を1.6以下にすることにより、コンタクト性の発現速度の改善を図ったもの(特許文献2)や、1分子中に2個の官能基を有する低分子シリコン化合物を含有するもの(特許文献3)が提案されている。
特開3−263478号公報 特開7−258535号公報 特開2003−313418号公報
反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を用いた上記従来の硬化性組成物の場合、無溶剤型の接着剤でありながら、コンタクト性の発現速度の点ではある程度改善されたものを得ることが可能である。
しかしながら、本発明者らによる詳細な検討の結果、上記従来の硬化性組成物は、その硬化後において、引張り強度等の機械強度の点で必ずしも十分でないことが明らかとなった。硬化性組成物の硬化後の機械強度が不足すると、硬化性組成物と被着体との間の接着性が良好であったとしても、接着剤層の凝集破壊が起こり易くなって、接着強度の低下を招く。したがって、硬化性組成物の硬化後の機械強度は、十分に大きいものとすることが重要である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コンタクト型接着剤として用いられたときにコンタクト性の発現速度が十分に大きいとともに、硬化後の機械強度も十分に大きい硬化性組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の硬化性組成物は、下記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)と、下記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を有し(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体(B)と、下記一般式(2)で表される有機シラン単量体(C)と、を含有するものである。
−SiX 3−a ・・・(1)
式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基を示し、Xは水酸基又は加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示す。ただし、R1が複数存
在するとき複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよく、Xが複数存在するとき複
数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。
SiX ・・・(2)
式(2)中、Xは加水分解性基を示し、Rは炭素数1〜3の1価の炭化水素基又は水素原子を示し、Rは炭素数3〜20の1価の炭化水素基を示す。ただし、複数のXは互いに同一でも異なっていてもよく、R及びRは互いに異なる。
本発明の硬化性組成物は、それぞれ上記特定の構造を有するオキシアルキレン重合体、アクリル重合体及び有機シラン単量体を組み合わせたことにより、コンタクト型接着剤として用いられたときにコンタクト性の発現速度が十分に大きいとともに、硬化後の機械強度も十分に大きいものとなった。
有機シラン単量体(C)は、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン及びプロピルメチルジメトキシシランのうち少なくとも一方の化合物を含むことが好ましい。これにより、コンタクト性の発現速度及び硬化後の機械強度が特に大きく改善される。
本発明の硬化性組成物は、下記一般式(3)で表される有機シラン単量体(D)を更に含有することが好ましい。
3−bSiX ・・・(3)
式(3)中、Xは加水分解性基を示し、Rはアミノ基又はエポキシ基で置換された1価の炭化水素基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は水素原子を示し、bは1〜3の整数を示す。ただし、Rが複数存在するとき複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xが複数存在するとき複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。
有機シラン単量体(C)及び有機シラン単量体(D)を組み合わせて用いることにより、被着材料に対する接着性をより高めることができる。
オキシアルキレン重合体(A)の数平均分子量は、6000〜50000であることが好ましい。また、アクリル重合体(B)の数平均分子量は、500〜100000であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、アクリル重合体(B)を、オキシアルキレン重合体(A)及びアクリル重合体(B)の合計量100質量部に対して5〜70質量部含有することが好ましい。また、本発明の硬化性組成物は、有機シラン単量体(C)を、オキシアルキレン重合体(A)及びアクリル重合体(B)の合計量100質量部に対して0.1〜30質量部含有することが好ましい。
本発明のコンタクト型接着剤は、上記本発明の硬化性組成物からなるものである。このコンタクト型接着剤は、上記本発明の硬化性組成物を用いたことにより、コンタクト型接着剤として用いられたときにコンタクト性の発現速度が十分に大きいとともに、硬化後の機械強度も十分に大きいものとなった。
本発明の硬化性組成物によれば、上記のような効果が得られるとともに、その粘度を低くすることが可能である。硬化性組成物の粘度が低いと、被着体に効率的に塗布することが可能となるなど、作業性が改善される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の硬化性組成物は、上記一般式(1)で表される反応性ケイ素基(加水分解性シリル基)を有するオキシアルキレン重合体(A)と、上記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を有し(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体(B)と、上記一般式(2)で表される有機シラン単量体(C)と、を含有するものである。以下、各成分ごとに順に説明する。
(オキシアルキレン重合体(A))
オキシアルキレン重合体(A)とは、ポリオキシアルキレン鎖を主鎖に有する重合体である。このポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖、ポリオキシヘキシレン鎖からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ポリオキシプロピレン鎖が特に好ましい。
オキシアルキレン重合体(A)は、その側鎖又は末端における置換基として、特に好ましくは末端における置換基として、下記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を有する。この反応性ケイ素基は、ポリオキシアルキレン鎖に直接結合していてもよいし、他の有機基を介して結合していてもよい。式(1)中、aは1〜3の整数を示す。
−SiX 3−a ・・・(1)
式(1)中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基を示す。Rは、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以下のフルオロアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であることがより好ましい。同一分子中にRが複数存在するときは、それら複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、Xは水酸基又は加水分解性基を示す。ここで、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応及び/又は縮合反応によってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。この加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基、カルバモイル基、アミノ基、アミノオキシ基、ケトキシメート基が挙げられる。加水分解性基が炭素原子を有する場合、その炭素数は6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。Xとしては、特に、炭素数4以下のアルコキシ基又は炭素数4以下のアルケニルオキシ基が好ましく、より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はプロペニルオキシ基が好ましい。この中でも
、Xはメトキシ基又はエトキシ基であることが特に好ましい。なお、同一分子中にXが複数存在するときは、それら複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1)で表される反応性ケイ素基は、通常、2価の有機基を介してポリオキシアルキレン鎖に対して結合している。この場合、オキシアルキレン重合体(A)は、下記一般式(4)で表される基を有するものとなる。
−R−SiX 3−a ・・・(4)
式(4)中、R、X及びaは、その好ましい態様も含めて、式(1)におけるのと同義である。また、Rは2価の有機基を示す。Rとしては、エーテル結合、ウレタン結合、エステル結合又はカーボネート結合を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基が好ましい。
オキシアルキレン重合体(A)としては、式(1)の反応性ケイ素基において、ケイ素原子にXが1、2又は3個結合しているものを用いることができる。ケイ素原子に2個以上のXが結合している場合は、それらXは同一でも異なっていてもよい。また、オキシアルキレン重合体(A)が式(1)の反応性ケイ素基を複数有する場合、それらは全てが同一でもよく、異なる2種以上の基を含んでいてもよい。
オキシアルキレン重合体(A)は、式(1)で表される反応性ケイ素基を1〜8個有することが好ましく、1.1〜5個有することがより好ましく、1.1〜3個有することが最も好ましい。反応性ケイ素基の数が8個を超えると、硬化性組成物が硬化した硬化体の伸びが低下する傾向にある。また、オキシアルキレン重合体(A)が反応性ケイ素基を有しないと、十分な硬度及び硬化性を有する硬化性組成物が得られなくなる場合がある。
オキシアルキレン重合体(A)は、例えば、ポリオキシアルキレン鎖を主鎖とするとともに、反応性ケイ素基を導入するための官能基としての水酸基、不飽和基等を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体に対して、反応性ケイ素基を導入することによって、製造することができる。
水酸基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体は、例えば、触媒及び開始剤の存在下、環状エーテル化合物を開環重合させて、得ることができる。この場合の開始剤としては、ポリエチレングリコール等の、1以上の水酸基を有するヒドロキシ化合物等が使用できる。環状エーテル化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。触媒としては、カリウム系化合物やセシウム系化合物などのアルカリ金属触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、金属ポルフィリン触媒、ホスファゼン化合物などのP=N結合を有する化合物系の触媒等が挙げられる。
水酸基を有する上記ポリオキシアルキレン鎖含有重合体は、比較的高分子量であることが好ましい。具体的には、ポリオキシアルキレン鎖含有重合体の分子量は6000〜50000であることが好ましい。このような比較的高分子量のポリオキシアルキレン鎖含有重合体は、例えば、アルカリ触媒などを用いて低分子量のポリオキシアルキレンを得、これに塩化メチレンなどのポリハロゲン化合物を反応させて多量化することにより高分子量化する方法や、複合金属シアン化物錯体触媒を用いて高分子量のポリオキシアルキレン鎖含有重合体を生成させる方法により、好適に得ることができる。高分子量のポリオキシアルキレン重合体を製造するのに適し、かつ、得られるポリオキシアルキレン鎖含有重合体のMw/Mnの制御が容易であることから、複合金属シアン化物錯体を用いる方法が特に好ましい。この場合、ポリオキシアルキレン鎖含有重合体は、複合金属シアン化物錯体を
触媒として、開始剤の存在下でアルキレンオキシドを重合させて得られる、ポリアルキレンオキシドポリオール又はこれの誘導体であることが好ましい。
複合金属シアン化物錯体としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテートを主成分とする錯体が好ましく、なかでもエーテルおよび/又はアルコール錯体が好ましい。この場合、エーテルとしてはエチレングリコールジメチルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)などが好ましく、錯体の製造時の取り扱いの点から、グライムが特に好ましい。アルコールとしてはt−ブタノールが好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖含有重合体における、反応性ケイ素基を導入するための官能基の数は2以上が好ましい。特に、硬化物の柔軟性を大きくすることを重視する場合には、この官能基の数は2又は3が好ましい。あるいは、良好な接着性や硬化性を重視する場合には、この官能基の数は3〜8が好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖含有重合体は、2〜6個の水酸基を有するポリオキシプロピレンポリオールであることが特に好ましい。そして、ポリオキシプロピレンポリオールの中でも、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオールが好ましい。また、下記(イ)や(ニ)の方法でオキシアルキレン重合体(A)を製造する場合、アリル末端ポリオキシプロピレンモノオール等、不飽和基を有するポリオキシアルキレンも好適に使用できる。
以上のようなポリオキシアルキレン鎖含有重合体を原料として、これに上記式(1)で表される反応性ケイ素基を導入する方法としては、以下の(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の方法が好ましい。
(イ):不飽和基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体に、下記一般式(5)で表されるヒドロシリル化合物を反応させる方法。
HSiX 3−a ・・・(5)
式(5)中、R、X及びaは、その好ましい態様も含めて式(1)におけるのと同義である。
不飽和基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体は、例えば、水酸基と反応する官能基及び不飽和基を有する化合物を、水酸基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体と反応させる方法で得られる。この場合、不飽和基は、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合又はカーボネート結合などを介してポリオキシアルキレン鎖に結合される。あるいは、アルキレンオキシドを重合する際に、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和基含有エポキシ化合物を共重合させることにより、側鎖に不飽和基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体を得ることもできる。
不飽和基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体とヒドロシリル化合物との反応は、白金系触媒、ロジウム系触媒、コバルト系触媒、パラジウム系触媒、ニッケル系触媒などの触媒の存在下で行うことが好ましい。これらの中でも、塩化白金酸、白金金属、塩化白金、白金オレフィン錯体などの白金系触媒が好ましい。また、この反応は、30〜150℃、好ましくは60〜120℃で数時間行うことが好ましい。
(ロ):水酸基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体に、下記一般式(6)で表されるイソシアネート化合物を反応させる方法。
OCN−R−SiX 3−a ・・・(6)
式(6)中、R、X及びaは、その好ましい態様も含めて式(1)におけるのと同義である。また、Rは炭素数1〜17の2価の炭化水素基を示す。
水酸基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体と、上記イソシアネート化合物との反応の際には、公知のウレタン化触媒を用いてもよい。また、この反応は20〜200℃、好ましくは50〜150℃で数時間行うことが好ましい。
(ハ):水酸基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体にトリレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を反応させて得られる、イソシアネート基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体に、下記一般式(7)で表されるケイ素化合物を反応させる方法。
W−R−SiX 3−a ・・・(7)
式(7)中、R、X及びaは、その好ましい態様も含めて式(1)におけるのと同義である。また、Rは炭素数1〜17の2価の炭化水素基を示し、Wは活性水素を有する置換基を示す。Wの好適な具体例としては、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基及び1級若しくは2級のアミノ基が挙げられる。この方法においては、イソシアネート基と活性水素を有する置換基との反応により、反応性ケイ素基が導入される。
(ニ):不飽和基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体に、下記一般式(8)で表されるメルカプト化合物を反応させる方法。
HS−R−SiX 3−a ・・・(8)
式(8)中、R、X及びaは、その好ましい態様も含めて式(1)におけるのと同義である。Rは炭素数1〜17の2価の炭化水素基を示す。式(8)で表されるメルカプト化合物としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
不飽和基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体と上記メルカプト化合物との反応は、ラジカル発生剤などの重合開始剤の存在下で好適に行うことができる。あるいは、重合開始剤を用いるのに代えて、放射線または熱によって反応を進行させてもよい。重合開始剤としては、例えば、パーオキシド系、アゾ系、レドックス系等の重合開始剤、及び金属化合物触媒が挙げられる。重合開始剤の好適な具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、t−アルキルパーオキシエステル、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネートが挙げられる。また上記反応は20〜200℃、好ましくは50〜150℃で数時間〜数十時間行うことが好ましい。
オキシアルキレン重合体(A)の数平均分子量(Mn)は、硬化物の破断応力および破断伸度をより高めることができる点から、6000〜50000であることが好ましく、8000〜20000であることがより好ましい。ここで、本発明において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりテトラヒドロフランを移動相として測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を意味する。また、オキシアルキレン重合体(A)のMnは、硬化前のMnを意味する。オキシアルキレン重合体(A)のMnが50000を超えると、例えば、硬化性組成物をシーラントや弾性接着剤として使用する場合において、押し出し性等の作業性が低下する傾向にある。一方、オキシアルキレン重合体(A)のMnが6000未満である場合は、組成物の硬化性が低下する傾向にある。
硬化性組成物の特性を所望のものとする方法として、オキシアルキレン重合体(A)の
Mw/Mn(分子量分布)を制御する方法を好適に採用することができる。オキシアルキレン重合体(A)のMw/Mnは、その原料としてのポリオキシアルキレン鎖含有重合体を得る際に用いる重合触媒の種類及び量の調整、環状エーテルの重合条件の適正化や、2種類以上のオキシアルキレン重合体(A)を混合して用いることなどによって、所望の値となるように調整することができる。
硬化性組成物の硬化物の強度等の特性を重視する場合には、オキシアルキレン重合体(A)のMw/Mnは小さいことが好ましい。これにより、硬化物の弾性率が同程度であっても、その破断伸度がより大きく、かつ、より高強度となる。特に、オキシアルキレン重合体は、Mw/Mnが1.6未満であることが好ましい。Mnが同一のオキシアルキレン重合体(A)同士の比較において、Mw/Mnが1.6未満のものは、Mw/Mnが1.6以上のものよりも、分子量の小さな重合体成分の含有量が少なくなるために硬化物の破断伸度及び最大応力がより大きくなるとともに、重合体自体の粘度がより低くなって、硬化性組成物の取り扱い性に優れる。同様の理由から、Mw/Mnは1.5以下であることが更に好ましく、1.4以下であることがより一層好ましい。Mw/Mnが小さなオキシアルキレン重合体(A)は、上述のように、複合金属シアン化物錯体を触媒として用いて、開始剤の存在下、環状エーテルを重合させる方法により所望のMw/Mnを有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体を得て、これの末端を変性して反応性ケイ素基を導入する方法で得られるものであることが、好ましい。
一方、硬化性組成物のスランプ性を小さくして作業性の良好な硬化性組成物を得ることを重視する場合には、オキシアルキレン重合体(A)のMw/Mnが1.6以上であることが好ましい。
(アクリル重合体(B))
アクリル重合体(B)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を必須成分として含んでいればよく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位のみを単量体単位として含む重合体であってもよいし、これ以外の不飽和基含有単量体を更に含む重合体であってもよい。ここで、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含む重合体とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる繰り返し単位を有する重合体を意味し、当該重合体は、通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必須成分とする不飽和基含有単量体を重合することにより生成する。なお、本発明において、不飽和基含有単量体とは、不飽和結合(好ましくは、炭素−炭素二重結合)を有する化合物であって重合体を形成し得る化合物のことを意味し、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルのことを意味する。
ここで、アクリル重合体(B)は、下記一般式(9)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を、単量体単位として含んでいる。
CH=CRCOOR10 ・・・(9)
式(9)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R10は炭化水素基で置換されていてもよいアルキル基を示す。R10は、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であってもよいし、シクロアルキルアルキル基等の環状構造を有するアルキル基であってもよい。また、R10はアリール基等のアルキル基以外の炭化水素基で置換されたものであってもよい。
アクリル重合体(B)は、式(9)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を単量体単位として含むものであれば、含まれる単量体単位の種類や数は制限されない。例えば、式(9)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の1種又は2種以上のみを単量体単位とするものであってもよいし、当該単量体以外の不飽和基含有単量体の1種又は2種以上を更に単量体単位として含むものであってもよい。アクリル重合体(B)全体に対して、式(9)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する単量体単位の割合は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
アクリル重合体(B)は、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と、アルキル基の炭素数が10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含む重合体であることが好ましい。または、アルキル基の炭素数が1〜2の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と、アルキル基の炭素数が3〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含む重合体であることが好ましく、アルキル基の炭素数が1〜2の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と、アルキル基の炭素数が3〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含む重合体であることが特に好ましい。すなわち、アクリル重合体(B)は、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体からなる繰り返し単位と、アルキル基の炭素数が10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体からなる繰り返し単位の両方を有しているか、または、アルキル基の炭素数が1〜2の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体からなる繰り返し単位と、アルキル基の炭素数が3〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体からなる繰り返し単位の両方を有していることが好ましい。後者の場合、アルキル基の炭素数が1〜2の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体からなる繰り返し単位と、アルキル基の炭素数が3〜6の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体からなる繰り返し単位の両方を有していることが特に好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としてこのような組み合わせを採用することにより、アクリル重合体(B)のオキシアルキレン重合体(A)に対する相溶性が向上する。これにより、硬化性組成物の硬化後の機械強度等の特性が更に向上させることができる。アルキル基の炭素数が10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、アルキル基の炭素数が10〜30の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体がより好ましく、アルキル基の炭素数が10〜22の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体がさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸−n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸エイコサニル、(メタ)アクリル酸ドコサニル、(メタ)アクリル酸ヘキサコサニルが挙げられる。
アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とアルキル基の炭素数が10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを併用する場合において、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体/アルキル基の炭素数が10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(質量比)は95/5〜40/60であることが好ましい。一方、アルキル基の炭素数が1〜2の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とアルキル基の炭素数が3〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを併用する場合においては、アルキル基の炭素数が1〜2の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体/アルキル基の炭素数が3〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(質量比)は97/3〜50/50であることが好ましい。
アクリル重合体(B)は、式(9)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の他に、例えば、下記一般式(10)で表される化合物を単量体単位として含んでいてもよい。
CH=CR11COOR12 ・・・(10)
式(10)中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は、1価の有機基(炭化水素基で置換されていてもよいアルキル基を除く)又は水素原子を示す。
12としては、ハロゲン原子、水酸基、イソシアネート基、フェノキシ基、フルフリル基、エポキシ基、ポリアルキレングリコールを含む1価の基、式(1)で表される反応性ケイ素基等で置換されたアルキル基が挙げられる。式(10)で表される化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネートアルキル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレートやテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(水添)フルフリル基を有する(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシキシアルキルアルコキシシラン;グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレンオキシドモノオールの(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
更に、アクリル重合体(B)は、上記以外の不飽和基含有単量体を含んでいてもよい。この不飽和基含有単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド等のN−置換又はN,N−置換(メタ)アクリルアミド;ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル;クロトン酸グリシジル、桂皮酸グリシジル、ビニル安息香酸グリシジル等の不飽和モノカルボン酸のグリシジルエステル;不飽和ジカルボン酸のモノアルキルモノグリシジルエステルもしくはジグリシジルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体;アクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1などのシアノ基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;オレフィン;ハロゲン化オレフィン;不飽和エステル;ビニルエーテルが挙げられる。
アクリル重合体(B)は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必須成分とする上述の不飽和基含有単量体を、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等により重合することにより、得られる。特にラジカル重合が好ましく、その形態は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、バルク重合のいずれであってもよい。
ラジカル重合によってアクリル重合体(B)を製造する場合、通常、上記不飽和基含有単量体にラジカル発生源として重合開始剤を添加する。この重合開始剤としては、不飽和基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体と上記メルカプト化合物との反応についての説明において挙げたのと同様のものが用いられる。なお、放射線や熱により活性化を行う場合は、重合開始剤は必ずしも必要ではない。また、上記反応は20〜200℃(好ましくは、50〜150℃)で数時間〜数十時間行うことが好ましい。
また、ラジカル重合においては、分子量制御等の目的で、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類や、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
上記のラジカル重合等の方法で予めアクリル重合体(B)を準備し、これを他の成分と混合して硬化性組成物を調製することができる。あるいは、これに代えて、硬化性組成物中の他の成分の存在下で不飽和基含有単量体を重合してアクリル重合体(B)を生成させてもよい。この場合には、オキシアルキレン重合体(A)の存在下で不飽和基含有単量体を重合することが好ましい。これにより、混合の工程を省略することができ、また、オキシアルキレン重合体(A)に対してアクリル重合体(B)を均一に分散させることが容易になる。更に、重合過程において、不飽和基含有単量体の一部が反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)にグラフト重合する場合もある。この場合、グラフト重合物が相溶化剤として機能して、アクリル重合体(B)の分散性がより向上する。
アクリル重合体(B)は、上記式(1)で表される反応性ケイ素基を少なくとも1個、その末端及び側鎖のうち少なくとも一方において有している。なお、硬化性組成物において、アルキレン重合体(A)における式(1)で表される反応性ケイ素基と、アクリル重合体(B)における式(1)で表される反応性ケイ素基とは、同一でも異なっていてもよい。
アクリル重合体(B)に反応性ケイ素基を導入する方法としては、例えば、以下の(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の方法が挙げられる。なお、これらの方法から選ばれる複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
(i):不飽和基含有重合体の重合によりアクリル重合体(B)を合成する際に、式(1)で表される反応性ケイ素基を有する不飽和基含有単量体を共重合する方法。
(ii):不飽和基含有重合体の重合によりアクリル重合体(B)を合成する際に、式(1)で表される反応性ケイ素基を有する連鎖移動剤を用いる方法。
(iii):不飽和基含有重合体の重合によりアクリル重合体(B)を合成する際に、式(1)で表される反応性ケイ素基を有する開始剤を用いる方法。
(iv):水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基等の官能基を有するアクリル重合体を合成し、これに、当該官能基と反応する官能基及び式(1)で表される反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法。
上記(i)の方法において用いられる、式(1)で表される反応性ケイ素基を有する不飽和基含有単量体としては、下記一般式(11)で表される化合物が好ましい。
13−SiX 3−a ・・・(11)
式(11)中、R13は不飽和基を有する1価の有機基を示す。R、X及びaは、その好ましい態様も含めて式(1)におけるものと同義である。
式(11)で表される化合物の好適な具体例としては、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン等のビニルシラン;3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシシランが挙げられる。これらの中でも、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランが特に好ましい。また、これらは1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
式(1)で表される反応性ケイ素基を有する不飽和基含有単量体の量は、アクリル重合体(B)の合成に用いられる全単量体100質量部に対して、0.01〜20質量部とすることが好ましい。
上記(ii)の方法において用いられる、式(1)で表される反応性ケイ素基を有する連鎖移動剤としては、下記一般式(12)で表される化合物、又は下記一般式(13)で表される化合物が好ましい。
HS−R14−SiX 3−a ・・・(12)
式(12)中、R14は、単結合又は2価の有機基を示す。R、X及びaは、その好ましい態様も含めて、式(1)におけるものと同義である。
Figure 2007023255
式(13)中、R及びXは、その好ましい態様も含めて、式(1)におけるものと同義である。R15及びR16は単結合又は2価の有機基を示し、c及びdはそれぞれ独立に1〜3の整数を示す。
式(12)で表される化合物の好適な具体例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリイソプロペニルオキシシラン等の反応性ケイ素基を有するメルカプト化合物が挙げられる。式(13)で表される化合物の好適な具体例としては、(CHO)Si−S−S−Si(OCH、(CHO)Si−(CH−S−S−(CH−Si(OCHが挙げられる。
上記(iii)の方法においては、例えば、式(1)で表される反応性ケイ素基を有するアゾ化合物を開始剤として用いることができる。
上記(iv)の方法の場合、例えば、イソシアネート基を有するアクリル重合体と下記一般式(14)で表されるメルカプト化合物とを反応させる。
HS−R17−SiX 3−a ・・・(14)
式(14)中、R17は炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。また、R、X及びaは、その好ましい態様も含めて、式(1)におけるものと同義である。
アクリル重合体(B)の数平均分子量Mnは、500〜100000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましい。アクリル重合体(B)のMnが100000を超えると、作業性が低下する傾向にあり、Mnが500未満であると、コンタクト性が低下する傾向にある。
アクリル重合体(B)が有する反応性ケイ素基は、硬化性組成物が硬化する際に、オキシアルキレン重合体(A)が有する反応性ケイ素基と反応して結合を生じ、これにより、硬化後の硬化性組成物の機械強度が向上すると考えられる。また、硬化性組成物及びこれの硬化物の耐候性もより良好なものとなる。
アクリル重合体(B)は、反応性ケイ素基を末端に有することが好ましい。これにより、硬化性組成物の硬化後の伸び特性をより一層向上させることが可能になる。このような、末端に反応性ケイ素基を有するアクリル重合体(B)は、例えば、上記(ii)の方法や、上記(iii)の方法によって、得ることができる。
硬化性組成物においては、コンタクト性向上の観点から、アクリル重合体(B)を、オキシアルキレン重合体(A)及びアクリル重合体(B)の合計量100質量部に対して5〜70質量部含有することが好ましく、40〜60質量部含有することがより好ましい。オキシアルキレン重合体(A)の比率が95質量部を超えると、コンタクト性が低下する傾向にあり、30質量部未満であると、硬化性組成物の粘度が高くなって作業性が低下する傾向にある。
(有機シラン単量体(C))
有機シラン単量体(C)は、下記一般式(2)で表される化合物である。この有機シラン単量体(C)を用いることにより、硬化性組成物の硬化後の機械強度を高く維持しつつ、コンタクト性の発現速度を大きくすることができる。
SiX ・・・(2)
式(2)中、Xは加水分解性基を示す。Xの好適な具体例は、上述のXについての説明に挙げたものと同様である。
は炭素数1〜3の1価の炭化水素基又は水素原子を示し、Rは炭素数3〜20の1価の炭化水素基を示す。ただし、複数のXは互いに同一でも異なっていてもよく、R及びRは互いに異なる。
の炭素数が3未満であると、有機シラン単量体(C)同士で縮合が起こりやすくなって、コンタクト性の発現速度を十分に大きくすることができなくなる。一方、Rの炭素数が4以上、すなわちR及びRの炭素数が共に4以上であると、有機シラン単量体(C)の立体障害が大きくなることにより、その加水分解速度が小さくなって、コンタクト性の発現速度を十分に大きくすることができなくなる。
は炭素数3〜20の1価の炭化水素基であり、置換基は有しない。Rは直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であることが好ましい。Rは炭素数3〜15の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数6〜15の環状のアルキル基であることが好ましく、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数6〜8の環状のアルキル基であることがより好ましい。Rとしてはn−プロピル基又はシクロヘキシル基が好ましく、これにより硬化後の機械強度を高く維持しつつ、コンタクト性の発現速度を充分に大きくすることができる効果を特に顕著なものとすることができる。
は炭素数1〜3の1価の炭化水素基又は水素原子であり、置換基を有しない。Rが炭化水素基である場合、直鎖状、分岐状のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。Rとしては、水素原子、メチル基、エチル基、ビニル基、n−プロピル基又はイソプロピル基が好ましい。これらの中でも、コンタクト性の発現速度を特に大きくすることができる点から、Rはメチル基であることが最も好ましい。
有機シラン単量体(C)は、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、ドデシルメチルジメトキシシラン、ドデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン又はオクタデシルメチルジエトキシシランであることが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上混合して用いることができる。コンタクト性の発現速度を特に大きく改善できる点から、プロピルメチルジメトキシシラン又はシクロヘキシルメチルジメトキシシランが特に好ましい。
有機シラン単量体(C)の量は、コンタクト性の発現速度をより大きくできる点から、オキシアルキレン重合体(A)100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜15質量部であることが更に好ましい。この有機シラン単量体(C)の量が30質量部を超えると硬化物の物性が低下する傾向にあり、0.1質量部未満であるとコンタクト性の発現速度向上の効果が小さくなる傾向にある。
(有機シラン単量体(D))
硬化性組成物は、オキシアルキレン重合体(A)、アクリル重合体(B)及び有機シラン単量体(C)に加えて、下記一般式(3)で表される有機シラン単量体(D)を更に含有することが好ましい。これにより、被着材料への接着性を改善することができる。
3−bSiX ・・・(3)
式中、Xは加水分解性基を示し、Rはアミノ基又はエポキシ基で置換された1価の炭化水素基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は水素原子を示し、bは1〜3の整数を示す。ただし、同一分子中にRが複数存在するとき、それら複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、同一分子中にXが複数存在するときは、それら複数Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
の好適な具体例としては、水素基、メチル基、エチル基、ビニル基、イソプロピル基が挙げられる。Rの好適な具体例としては、アミノプロピル基、アミノエチルアミノプロピル基、グリシドキシプロピル基、エポキシシクロヘキシルエチル基が挙げられる。Xは上述のX及びXと同様の加水分解性基であるが、特にアルコキシ基であることが好ましい。
有機シラン単量体(D)は、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノメチルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも被着材料への接着性を改善できる点から、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
有機シラン単量体(D)の量は、コンタクト性の発現速度の点から、オキシアルキレン重合体(A)100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。この有機シラン単量体(D)の量が30質量部を超えると硬化物の物性が低下する傾向にあり、0.1質量部未満であると被着材料への接着性の改善効果が小さくなる傾向にある。
(その他の添加剤)
硬化性組成物は、以上のような成分の他、必要に応じて、以下に説明するような、硬化促進剤、充填剤、可塑剤、脱水剤、チキソ性付与剤、老化防止剤を含有していてもよい。更に、硬化性組成物は、これらの他にも、表面改質剤、溶剤、フェノキシトリメチルシランなど加水分解によりトリメチルシラノールを発生する化合物などのモジュラス調整剤、桐油などの空気によって硬化する化合物、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの光によって硬化する化合物、酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料およびフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料を含有していてもよい。顔料の使用は、着色のみならず耐候性の向上という目的でも効果的である。また、公知の難燃剤や防かび剤などを硬化性組成物に添加するともできる。塗料用途に使用されている艶消し剤を添加することも可能である。硬化性組成物は、これらに限らず、必要に応じて他の添加剤を含有していてもよい。
(硬化促進剤)
硬化促進剤を用いることによって、十分に大きな硬化速度を発現させることができる。この硬化促進剤としては、スズ化合物を好適に使用できる。スズ化合物としては、2−エチルヘキサン酸スズ、ナフテン酸スズ、ステアリン酸スズ等の2価スズ化合物;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズモノアセテート、ジブチルスズマレート等のジアルキルスズジカルボキシレートやジアルコキシスズモノカルボキシレートのような有機スズカルボン酸塩、ジアルキルスズビスアセチルアセトナート、ジアルキルスズモノアセチルアセトナートモノアルコキシド等のスズキレート化合物、ジアルキルスズオキシドとエステル化合物の反応物、ジアルキルスズオキシドとアルコキシシラン化合物の反応物、ジアルキルスズジアルキルスルフィド等の4価スズ化合物が挙げられる。
スズキレート化合物としては、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビスエチルアセトアセテート、ジブチルスズモノアセチルアセトナートモノアルコキシド等が挙げられる。また、ジアルキルスズオキシドとエステル化合物の反応物としては、ジブチルスズオキシドとフタル酸ジオクチルやフタル酸ジイソノニル等のフタル酸エステルとを加熱混合して反応させ液状にしたスズ化合物が挙げられる。この場合、エステル化合物としてはフタル酸エステル以外の脂肪族、芳香族カルボン酸のエステル、テトラエチルシリケートやその部分加水分解縮合物なども使用できる。また、これらのスズ化合物を低分子アルコキシシランなどと反応あるいは混合した化合物も好ましく使用できる。
スズ化合物の他、硬化促進剤としては、有機カルボン酸ビスマス塩など2価ビスマス化合物;リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、リン酸ジ−2−エチルヘキシル等の酸性化合物;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、N,N−ジメチル−オクチルアミンなどの脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン化合物、芳香族アミン化合物、アルカノールアミン等のアミン化合物、有機チタネート化合物が挙げられる。
2価スズ化合物や2価ビスマス化合物は、硬化促進効果を向上するため、1級アミン化合物と併用することが好ましい。硬化促進剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用することも可能である。硬化促進剤を使用する場合の硬化促進剤の量は、オキシアルキレン重合体(A)及びアクリル重合体(B)の合計量100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
(充填剤)
充填剤の具体例としては、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、表面を脂肪酸や樹脂酸系有機物で表面処理した膠質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム;フュームドシリカ;沈降性シリカ;表面シリコーン処理シリカ微粉体;無水ケイ酸;含水ケイ酸;カーボンブラック;炭酸マグネシウム;ケイソウ土;焼成クレー;クレー;タルク;酸化チタン;ベントナイト;酸化第二鉄;酸化亜鉛;活性亜鉛華;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーン等の無機質の中空体;フェノール樹脂バルーン、エポキシ樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、ポリ塩化ビニリデン樹脂バルーン、ポリ塩化ビニリデン−アクリル樹脂バルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン−アクリル系樹脂バルーン、ポリアクリロニトリルバルーン等の有機樹脂中空体;樹脂ビーズ、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤;ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、炭酸カルシウムが好ましく、重質炭酸カルシウム及び膠質炭酸カルシウムを併用することが特に好ましい。
また、硬化性組成物およびその硬化物を軽量化することができる点から、中空体を用いることが好ましい。また、中空体を用いることにより、組成物の糸引き性を改善して作業性を向上させることができる。中空体は単独で用いてもよいが、炭酸カルシウム等のその他の充填剤と組み合わせて用いてもよい。
(可塑剤)
可塑剤としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸イソノニル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;ペンタエリスリトールエステルなどのアルコールエステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン;2塩基酸と2価アルコールとを反応させてなるポリエステル類などのポリエステル系可塑剤;ポリオキシプロピレングリコールやその誘導体、例えばポリオキシプロピレングリコールの水酸基をアルキルエーテルで封止したようなポリエーテル類、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエン等のオリゴマー類等の高分子可塑剤が挙げられる。これら可塑剤は、例えば、フタル酸エステルとエポキシ可塑剤等の異なる種類の2種以上の併用も可能である。
(脱水剤)
硬化性組成物は、貯蔵安定性をさらに改良するために、硬化性や柔軟性に悪影響を及ぼさない範囲で少量の脱水剤を添加することできる。脱水剤としては、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルトギ酸アルキル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等のオルト酢酸アルキル、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解性有機シリコン化合物、加水分解性有機チタン化合物等が挙げられる。これらの中でも、ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランがコスト及び効果の点から特に好ましい。特に、硬化性組成物が、硬化促進剤を含有した状態で防湿容器に充填された1液配合タイプとして知られる製品として取り扱われる場合、この脱水剤を用いることが有効である。
(チキソ性付与剤)
チキソ性付与剤を含有することにより、硬化性組成物の垂れ性が改善される。このチキソ性付与剤としては、水添ひまし油、脂肪酸アミド等が挙げられ、これらの任意の量が使用される。
(老化防止剤)
老化防止剤として、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤が適宜用いることができる。具体的には、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系の各化合物を老化防止剤として適宜使用できる。特に、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤から2つ又はすべてを組み合わせて使用することが、それぞれの特徴を生かして全体として効果できるため、好ましい。具体的には、3級は2級のヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系および又はホスファイト系酸化防止剤を組み合わせることが好ましい。
以上説明したような硬化性組成物は、コンタクト性の発現速度が速く、引張強度等の物性を維持したまま、粘度が低く作業性に優れた硬化性組成物を提供できる。本発明は、弾性接着剤などのコンタクト型接着剤として、一般用、建築用、電子部材用等として有用な硬化性組成物を提供できる。
本明細書においてコンタクト型接着剤とは、被着体に接着剤を塗布した後に所定時間(オープンタイム)を経過させてから被着体を貼り合わせる接着方法において、被着体に塗布される接着剤を意味する。例えば、このコンタクト型接着剤を接着しようとする双方の被着体に塗布し、オープンタイム経過後、圧力をかけないか又は軽い圧力をかけて貼り合わせることにより被着体を接着することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(製造例)
オキシアルキレン重合体(A)及びアクリル重合体(B)を、以下のようにして製造した。なお、以下の製造例においては、窒素導入管および撹拌装置を備え、内温調節が可能な耐圧反応容器を用いて合成反応を行った。
(製造例1:オキシアルキレン重合体(A)の製造)
プロピレンオキシド(以下「PO」という)を、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、Mnが1000のポリオキシプロピレントリオールを開始剤として反応させて、Mnが17000、Mw/Mnが1.4のポリオキシプロピレントリオールを得た。このポリオキシプロピレントリオールに、ポリオキシプロピレントリオール中の水酸基1モルに対して1.05モルとなる量のナトリウムメトキシドを含有するメタノール溶液を添加した。そして、減圧下120℃に加熱してメタノールを留去することにより、ポリオキシプロピレントリオールの水酸基をナトリウムアルコキシドとした後、添加したナトリウムメトキシドに対して1.05倍モルの塩化アリルを添加して反応させた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去して、粘度が7.0Pa・s(25℃)のアリル基末端のポリプロピレンオキシドを得た。
さらに、このアリル基末端のポリプロプレンオキシドを、白金触媒の存在下、メチルジメトキシシランと反応させて、末端にメチルジメトキシシリル基を有するオキシプロピレン重合体(A)(以下、「オキシアルキレン重合体A1」という)を得た。
得られたオキシアルキレン重合体A1の粘度は9.0Pa・s(25℃)、Mnは17000であり、Mw/Mnは1.4であった。
(製造例2:オキシアルキレン重合体(A)の製造)
ジプロピレングリコールを開始剤としてPOを開環重合させて得られたMn=3000のポリオキシプロピレンジオール(以下、「ジオールA」という)120gと、グリセリンを開始剤としてPOを開環重合させて得られたMn=5000のポリオキシプロピレントリオール(以下、「トリオールB」という)200gとの混合物を開始剤とし、これを入れた反応容器内に、1.2gの亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒存在下、2480gのPOを少しずつ添加しながら120℃に加熱して重合反応を行い、POの全量を添加した後、反応容器内圧が下がらなくなるまで更に反応を進行させた。続いて、120gのジオールAおよび200gのトリオールBを反応容器内に投入し、上記と同様にして1680gのPOを少しずつ添加した後、反応容器内圧が下がらなくなるまで反応を進行させた。さらに、120gのジオールAおよび200gのトリオールBを反応容器内に投入し、上記と同様にして1280gのPOを少しずつ添加した後、反応容器内圧が下がらなくなるまで反応を進行させた。さらに、80gのジオールAおよび130gのトリオールBを反応容器内に投入し、上記と同様にして590gのPOを少しずつ加えた後、反応容器内圧が下がらなくなるまで反応を進行させた。さらに、60gのジオールAおよび100gのトリオールBを添加し、上記と同様にして240gのPOを少しずつ加えた後、反応容器内圧が下がらなくなるまで反応を進行させた。最後に、75gのジオールAおよび125gのトリオールBを添加し、上記と同様にして200gのPOを少しずつ加えた後、反応容器内圧が下がらなくなるまで反応を進行させた。以上の操作により、Mnが17000、Mw/Mnが1.8、粘度が19.5Pa・s(25℃)のポリオキシプロピレンポリオールを得た。
得られたポリオキシプロピレンポリオールに、その水酸基に対して1.05倍モルの量のナトリウムメトキシドを含有するメタノール溶液を添加し、減圧下加熱することによりメタノールを留去して、ポリオキシプロピレンポリオールの末端水酸基をナトリウムアルコキシドに変換した。次に、これに塩化アリルを反応させてから、未反応の塩化アリルを除去し、副生した塩を除去して、末端にアリル基を有するポリオキシプロピレンを得た。さらに、この末端にアリル基を有するポリオキシプロピレンを、白金触媒の存在下、メチルジメトキシシランと反応させて、末端にメチルジメトキシシリル基を有するオキシプロピレン重合体(以下、「オキシアルキレン重合体A2」という)を得た。
得られたオキシアルキレン重合体A2の粘度は20.0Pa・s(25℃)、Mnは17000であり、Mw/Mnは1.8であった。
(製造例3:アクリル重合体(B)の製造)
攪拌機付きの耐圧反応容器にメチルエチルケトンを200g入れ、約67℃に昇温した。反応容器内の温度を約67℃に保ち、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メタクリル酸メチル75g、アクリル酸−n−ブチル5.7g、メタクリル酸−n−ヘキシル8.2g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン10g、及びn−ドデシルメルカプタン10gをモノマーとして、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名「V65」、和光純薬株式会社製)7.5gをラジカル重合開始剤として含有するメチルエチルケトン溶液を反応容器内のメチルエチルケトンに8時間かけて滴下することにより重合を進行させて、Mnが2600で、反応性ケイ素基としてメチルジメトキシシリル基を有するアクリル重合体(以下、「アクリル重合体B1」という)の溶液を得た。
(製造例4:アクリル重合体(B)の製造)
攪拌機付きの耐圧反応容器にメチルエチルケトンを200g入れ、約67℃に昇温した。反応容器内の温度を約67℃に保ち、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メタクリル酸メチル60g、アクリル酸−n−ブチル22g、メタクリル酸オクタデシル8.0g、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン10g、及びn−ドデシルメルカプタン5.9gをモノマーとして、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名「V65」、和光純薬株式会社製)7.2gをラジカル重合開始剤として含有するメチルエチルケトン溶液を反応容器内のメチルエチルケトンに8時間かけて滴下することにより重合を進行させて、Mnが4000で、反応性ケイ素基としてメチルジメトキシシリル基を有するアクリル重合体(以下、「アクリル重合体B2」という)を得た。
(製造例5:アクリル重合体(B)の製造)
攪拌機付きの耐圧反応容器にオキシアルキレン重合体A1を140g入れ、約67℃に昇温した。反応容器内の温度を約67℃に保ち、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メタクリル酸メチル60g、アクリル酸−n−ブチル22g、メタクリル酸オクタデシル8.0g、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン10g及びn−ドデシルメルカプタン5.9gをモノマーとして、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名:V65、和光純薬株式会社製)7.2gを開始剤として含有する溶液を、反応容器内のオキシアルキレン重合体A1に8時間かけて滴下することにより重合を行い、反応性ケイ素基を有するアクリル重合体(以下、「アクリル重合体B3」という)を、オキシアルキレン重合体A1との重合体混合物として得た。この重合体混合物をヘキサンに加えて遠心分離を行い、反応性ケイ素基を有するアクリル重合体B3のみを抽出し、その数平均分子量(Mn)を測定したところ、4000であった。なお、この重合体混合物において、アクリル重合体B3の比率は、アクリル重合体B3及びオキシアルキレン重合体A1の合計量100質量部に対して80質量部であった。
(製造例6:アクリル重合体(B)の製造)
攪拌機付きの耐圧反応器にオキシアルキレン重合体A1を140g入れ、約67℃に昇温した。反応容器内の温度を約67℃に保ち、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メタクリル酸メチル72g、アクリル酸−n―ブチル6.5g、メタクリル酸−n−ブチル29.0g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン15.0g及びn−ドデシルメルカプタン14.0gをモノマーとして、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名:V65、和光純薬株式会社製)2.5gを開始剤として含有する溶液を、反応容器内のオキシアルキレン重合体A1に8時間かけて滴下することにより重合を行い、反応性ケイ素基を有するアクリル重合体(以下、「アクリル重合体B4」という)を、オキシアルキレン重合体A1との重合体混合物として得た。この重合体混合物をヘキサンに加えて遠心分離を行い、反応性ケイ素基を有するアクリル重合体B4のみ抽出し、その数平均分子量(Mn)を測定したところ、4000であった。
(製造例7:アクリル重合体(B)の製造)
攪拌機付きの耐圧反応器にオキシアルキレン重合体A1を140g入れ、約67℃に昇温した。反応容器内温を約67℃に保ち、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メタクリル酸メチル75g、アクリル酸−n−ブチル5.7g、メタクリル酸−n−ヘキシル8.2g、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン10g及びn−ドデシルメルカプタン10gをモノマーとして、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名:V65、和光純薬株式会社製)5.0gを開始剤として含有する溶液を、反応容器内のオキシアルキレン重合体A1に8時間かけて滴下することにより重合を行い、反応性ケイ素基を有するアクリル重合体(以下、「アクリル重合体B5」という)を、オキシアルキレン重合体A1との重合体混合物として得た。この重合体混合物をヘキサンに加えて遠心分離を行い、反応性ケイ素基を有するアクリル重合体B5のみを抽出し、その数平均分子量(Mn)を測定したところ、3000であった。
(実施例1)
製造例3で得たアクリル重合体B1の溶液に、製造例1で得たオキシアルキレン重合体A1を加え、均一に混合した後、減圧下の加熱(120℃)によりメチルエチルケトンを留去して、それぞれの重合体を表1に示す質量比で含有する重合体混合物を得た。この重合体混合物100質量部に対して、有機シラン単量体(C)としてのシクロヘキシルメチルジメトキシシランを5質量部、有機シラン単量体(D)としてのN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名「KBM−602」、信越化学工業社製)を1.5質量部、膠質炭酸カルシウム(商品名「白艶華CCR」、白石カルシウム社製)を50質量部、重質炭酸カルシウム(商品名「NS−400」、東新化成社製)を30質量部、((CSnOCOCHOで表されるビス(ジブチルスズアセテート)オキシドからなる硬化促進剤2質量部を添加し、均一に混合して、硬化性組成物を調製した。なお、膠質炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウムは、予め120℃で12時間加熱して乾燥させたものを用いた。
(実施例2)
有機シラン単量体(C)としてのシクロヘキシルメチルジメトキシシランの量を10質量部とした他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(実施例3)
有機シラン単量体(C)として、シクロヘキシルメチルジメトキシシランに代えてプロピルメチルジメトキシシランを用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(実施例4)
オキシアルキレン重合体A1に代えて、オキシアルキレン重合体A2を用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(実施例5)
オキシアルキレン重合体A1に代えて、オキシアルキレン重合体A2を用い、更に、アクリル重合体B1に代えてアクリル重合体B2を用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(実施例6)
オキシアルキレン重合体A1及びアクリル重合体B1を用いるのに代えて、製造例5で得た重合体混合物を用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(実施例7)
有機シラン単量体(D)としてのN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−602)を用いなかった他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を作成した。
(実施例8)
有機シラン単量体(D)として、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製KBM−602)に代えて、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を作成した。
(実施例9)
オキシアルキレン重合体A1及びアクリル重合体B1を用いるのに代えて、製造例6で得た重合体混合物を用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(実施例10)
オキシアルキレン重合体A1及びアクリル重合体B1を用いるのに代えて、製造例7で得た重合体混合物を用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(比較例1)
有機シラン単量体(C)としてのシクロヘキシルメチルジメトキシシランを用いなかった他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(比較例2)
シクロヘキシルメチルジメトキシシランに代えてジシクロペンチルジメトキシシランを用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(比較例3)
シクロヘキシルメチルジメトキシシランに代えてジフェニルジメトキシシランを用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(比較例4)
シクロヘキシルメチルジメトキシシランに代えてジフェニルジメトキシシランを用いた他は実施例2と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(比較例5)
シクロヘキシルメチルジメトキシシランに代えてフェニルメチルジメトキシシランを用いた他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(比較例6)
オキシアルキレン重合体A1及びアクリル重合体B1を用いるのに代えて、製造例6で得た重合体混合物を用い、有機シラン単量体(C)としてのシクロヘキシルメチルジメトキシシランを用いなかった他は実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(硬化性組成物の評価)
(コンタクト性試験)
2枚のアルミニウム基材それぞれに、セロハンテープ(商品名、ニチバン製)の厚さ(約0.16mm)になるように硬化性組成物を塗布し、所定の時間(オープンタイム)放置後、硬化性組成物の側が向き合うように貼り合わせ、全体を5kgローラーで5回加圧することにより圧着した。圧着後、T字剥離接着強度を測定した。T字剥離試験は、テンシロン万能試験機(型番:RTA−1T)を用い、200mm/分の引張り速度にて行った。30〜600分の間でオープンタイムを変えたいくつかの試験片について同様の測定を行うことにより、T字剥離接着強度のオープンタイムの長さによる変化を評価した。
そして、T字剥離接着強度が10N/25mmを初めて上回ったときのオープンタイム(分)をコンタクト性の発現時間とし、T字剥離接着強度が最大となったオープンタイム(分)をコンタクト性の最大点時間とした。また、T字剥離接着強度が10N/25mmを初めて上回った時点から、次にT字剥離接着強度が10N/25mmを下回った時点までの時間の長さを、コンタクト性発現保持時間とした。
(ダンベル試験)
十分に混練した硬化性組成物を厚さ約2mmの型枠に塗布し、23℃、50%RHの環境で7日間、さらに、50℃、65%RHの環境で7日間養生して硬化物を得た後、硬化物のシートからJIS K6301に準拠した3号のサイズのダンベルを打ち抜き、これを試験片として200mm/分の引張り速度にてダンベル試験を行った。このときの引張り応力の最大値を、最大点強度とした。
(被着材料への接着性)
上記のコンタクト性試験において、T字剥離接着強度が10N/25mmを上回ったときの剥離後の試験片の状態を観察し、接着剤層の凝集破壊又は接着剤層同士の界面破壊により剥離していた場合は「A」とし、アルミ基材と接着剤の界面剥離が認められたときには「B」とした。従って、アルミ基材に対する接着性は「A」のほうが「B」よりも相対的に大きい。
(粘度)
オキシアルキレン重合体(A)、アクリル重合体(B)及び有機シラン単量体の混合物の25℃における粘度を、ビスメトロン型B型粘度計を用いて測定した。
Figure 2007023255
Figure 2007023255
表1に示されるように、実施例1〜8の硬化性組成物は、コンタクト性の発現時間が小さく、且つ、ダンベル試験における最大点強度が十分に大きかった。これに対して、表2に示されるように、有機シラン単量体(C)以外の有機シラン単量体を用いた比較例1、2、5の硬化性組成物はコンタクト性の発現時間が大きかった。比較例3の硬化性組成物は、コンタクト性の発現時間は小さかったものの、発現保持時間が短く、また、ダンベル試験における最大点強度が低かった。比較例4の硬化性組成物は、有機シラン単量体の含有量が多いために硬化不良となったのに対して、有機シラン単量体(C)を比較例4と同様の量で含有する実施例2の硬化性組成物は正常に硬化して、良好な機械強度を示した。
更に、実施例1〜8の硬化性組成物は、有機シラン単量体を含有しない比較例1の硬化性組成物と比較して粘度が下がっており、作業性が改善された。また、実施例1〜6及び8の硬化性組成物は、有機シラン単量体(D)を含有しない実施例7の硬化性組成物よりも、被着体としてのアルミ基材に対する接着性が改善された。
本発明の硬化性組成物は、一般用、建築用、電子部材用等のコンタクト型接着剤として好適に利用できる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)と、
    下記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を有し(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体(B)と、
    下記一般式(2)で表される有機シラン単量体(C)と、
    を含有する硬化性組成物。
    −SiX 3−a ・・・(1)
    [式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基を示し、Xは水酸基又は加水分解性基を示し、aは1〜3の整数を示す。ただし、R1が複数存在するとき複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよく、Xが複数存在するとき複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。]
    SiX ・・・(2)
    [式中、Xは加水分解性基を示し、Rは炭素数1〜3の1価の炭化水素基又は水素原子を示し、Rは炭素数3〜20の1価の炭化水素基を示す。ただし、複数のXは互いに同一でも異なっていてもよく、R及びRは互いに異なる。]
  2. 前記有機シラン単量体(C)が、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン及びプロピルメチルジメトキシシランのうち少なくとも一方の化合物を含む、請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 下記一般式(3)で表される有機シラン単量体(D)を更に含有する、請求項1又は2記載の硬化性組成物。
    3−bSiX ・・・(3)
    [式中、Xは加水分解性基を示し、Rはアミノ基又はエポキシ基で置換された1価の炭化水素基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜6の1価の炭化水素基又は水素原子を示し、bは1〜3の整数を示す。ただし、Rが複数存在するとき複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、Xが複数存在するとき複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。]
  4. 前記オキシアルキレン重合体(A)の数平均分子量が6000〜50000である、請求項1〜3の何れか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記アクリル重合体(B)の数平均分子量が500〜100000である、請求項1〜4の何れか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記アクリル重合体(B)を、前記オキシアルキレン重合体(A)及び前記アクリル重合体(B)の合計量100質量部に対して5〜70質量部含有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記有機シラン単量体(C)を、前記オキシアルキレン重合体(A)及び前記アクリル重合体(B)の合計量100質量部に対して0.1〜30質量部含有する、請求項1〜6の何れか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の硬化性組成物からなるコンタクト型接着剤。
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