JP2003313418A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JP2003313418A JP2002117645A JP2002117645A JP2003313418A JP 2003313418 A JP2003313418 A JP 2003313418A JP 2002117645 A JP2002117645 A JP 2002117645A JP 2002117645 A JP2002117645 A JP 2002117645A JP 2003313418 A JP2003313418 A JP 2003313418A
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新太郎 幸光
Kazuhiko Ueda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンタクト性発現速度、コンタクト性発現強
度、コンタクト性発現保持時間等の所謂コンタクト性に
優れ、接着性に優れるアクリル・変成シリコーン系樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】シロキサン結合を形成することによって架
橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレ
ン系重合体(A)、およびシロキサン結合を形成するこ
とによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖
がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメ
タクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体
であって、シロキサン結合を形成することによって架橋
しうるケイ素含有官能基が重合体1分子あたり1個存在
する重合体(B)を含む硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温硬化性樹脂組
成物に関する。とりわけ、コンタクト接着性に優れたア
クリル・変成シリコーン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ
素基(水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子
を含むケイ素原子含有基であって、シロキサン結合を形
成し得る基)、特にメチルジメトキシシリル基を有する
オキシアルキレン系重合体をベースにした室温硬化性樹
脂組成物は、例えば建築物のシーラントや無溶剤型接着
剤等に利用でき、安価で優れた性能を有している。さら
に上記オキシアルキレン系重合体に反応性ケイ素基を有
するアクリル系コポリマーを組み合わせた、所謂アクリ
ル・変成シリコーン系樹脂組成物も高耐候性シーリング
材用ベースポリマー、1液型または2液型の常温硬化性
無溶剤型接着剤用ベースポリマーとして広く市販されて
いる。
【0003】市販のアクリル・変成シリコーンは、上記
アクリル系コポリマーを含まない市販の変成シリコーン
(メチルジメトキシシリル型変成シリコーン)に比べ
て、初期タックに優れ、各種被着体に対する接着性、耐
候性に優れた特徴を有し、接着機能及び貯蔵安定性に優
れた接着剤ベースポリマーとして広く使用されているも
のの、溶剤型クロロプレンゴム系接着剤に比較するとコ
ンタクト性の発現速度、コンタクト性発現強度、コンタ
クト性発現保持時間等の所謂コンタクト性において解決
すべき技術的課題が残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コンタクト
性の発現速度、コンタクト性発現強度、コンタクト性発
現保持時間等の所謂コンタクト性に優れ、接着性に優れ
るアクリル・変成シリコーン系樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、シロキサン
結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能
基を有するポリオキシアルキレン系重合体とシロキサン
結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能
基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体
単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単
位からなる重合体について鋭意研究を重ねた結果、コン
タクト性の発現速度、コンタクト性発現強度、コンタク
ト性発現保持時間等の所謂コンタクト性に優れ、最終接
着強度に優れる、産業上有用なアクリル・変成シリコー
ン系樹脂組成物を見い出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明の第1は、シロキサン結合を
形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有
するポリオキシアルキレン系重合体(A)、およびシロ
キサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含
有官能基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル
単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単
量体単位からなる重合体であって、シロキサン結合を形
成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が重合
体1分子あたり1個存在する重合体(B)を含む硬化性
組成物に関する。
【0007】好ましい実施態様は、シロキサン結合を形
成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有す
る重合体(B)が、ジアルコキシシリル基を含有する重
合体とトリアルコキシシリル基を含有する重合体の混合
物である前記の硬化性組成物に関する。
【0008】本発明の第2は、シロキサン結合を形成す
ることによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポ
リオキシアルキレン系重合体(A)、シロキサン結合を
形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有
し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及
び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位から
なる重合体であって、シロキサン結合を形成することに
よって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体1分子あた
り1個存在する重合体(B)、および分子鎖がアクリル
酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸
アルキルエステル単量体単位からなりかつケイ素含有官
能基を含有しない重合体(C)を含む硬化性組成物に関
する。
【0009】本発明の第3は、シロキサン結合を形成す
ることによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポ
リオキシアルキレン系重合体(A)、シロキサン結合を
形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有
し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及
び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位から
なる重合体であって、シロキサン結合を形成することに
よって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体1分子あた
り1個存在する重合体(B)、および1分子中に2個の
官能基を有する低分子量シリコン化合物(D)を含む硬
化性組成物に関する。
【0010】好ましい実施態様は、低分子量シリコン化
合物(D)がジフェニルジメトキシシランである前記の
硬化性組成物に関する。
【0011】更に好ましい実施態様としては、分子鎖が
アクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタ
クリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体
(B)が重合体の末端にのみシロキサン結合を形成する
ことによって架橋しうるケイ素含有官能基を有する前記
いずれかに記載の硬化性組成物に関する。
【0012】更に好ましい実施態様としては、分子鎖が
アクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタ
クリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体
(B)のアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/
又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位が、
(a)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸ア
ルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸
アルキルエステル単量体単位と(b)炭素数9以上のア
ルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単
位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体
単位である前記いずれかに記載の硬化性組成物に関す
る。
【0013】更に好ましい実施態様としては、(A)成
分であるオキシアルキレン系重合体の数平均分子量が1
0,000以上50,000以下であることを特徴とす
る前記いずれかに記載の硬化性組成物に関する。
【0014】更に好ましい実施態様としては、(A)成
分であるオキシアルキレン系重合体のMw/Mnが1.
6以下であることを特徴とする前記いずれかに記載の硬
化性組成物に関する。
【0015】更に好ましい実施態様としては、(A)成
分であるオキシアルキレン系重合体の反応性ケイ素基
が、メチルジメトキシシリル基、トリメトキシシリル
基、メチルジイソプロペニルオキシ基、トリイソプロペ
ニルオキシ基からなる群から選択される少なくとも1種
であることを特徴とする前記いずれかに記載の硬化性組
成物に関する。
【0016】更に好ましい実施態様としては、(A)成
分であるオキシアルキレン系重合体の反応性ケイ素基
が、メチルジメトキシシリル基および/またはトリメト
キシシリル基であることを特徴とする前記いずれかに記
載の硬化性組成物に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の(A)成分であるポリオ
キシアルキレン系重合体における重合体主鎖を構成する
単位としては、一般式: −R−O− (式中、Rは炭素数1〜4の2価のアルキレン基)で表
わされるものが使用できるが、入手容易の点からポリオ
キシプロピレン系重合体が好ましい。このポリオキシプ
ロピレン系重合体は、直鎖状であっても分枝状であって
もよく、あるいは、これらの混合物であってもよい。ま
た、他の単量体単位等が含まれていてもよいが、上記式
で表わされる単位が、重合体中に50重量%以上、好ま
しくは80重量%以上存在することが好ましい。
【0018】本発明の(A)成分である反応性ケイ素基
含有ポリオキシアルキレン系重合体は、官能基を有する
ポリオキシアルキレン系重合体に反応性ケイ素基を導入
することによって得るのが好ましい。
【0019】本発明の(A)成分である反応性ケイ素基
含有ポリオキシアルキレン系重合体の分子構造は、使用
用途や目的とする特性により相違し、特開昭63−11
2642号や特願平11−000644号に記載の方法
等が使用できる。
【0020】コンタクト性、最終接着性、並びに粘度、
作業性の観点から、高分子量でかつMw/Mn(重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnの比)が小さく、官能
基を有するポリオキシアルキレン系重合体がより好まし
い。このようなポリオキシアルキレン系重合体は、通常
の重合方法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)や
この重合体の鎖延長反応方法によって得ることは困難で
あるが、例えばセシウム金属触媒、特開昭61−197
631号、特開昭61−215622号、特開昭61−
215623号および特開昭61−218632号等に
例示されるポルフィリン/アルミ錯体触媒、特公昭46
−27250号及び特公昭59−15336号等に例示
される複合金属シアン化物錯体触媒、特開平10−27
3512号に例示されるポリフォスファゼン塩からなる
触媒を用いた方法等により得ることができる。実用上、
複合金属シアン化物錯体触媒を用いる方法が好ましい。
なお、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合
体の分子量分布は、対応する反応性ケイ素基導入前の重
合体の分子量分布に依存するため、反応性ケイ素基導入
前の重合体の分子量分布はできるだけ狭いことが好まし
い。
【0021】反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキ
レン系重合体中に含有される反応性ケイ素基は、ケイ素
原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有しシロキサ
ン結合を形成することにより架橋しうる基である。代表
例としては、一般式(1): −(SiR1 2-bbO)m−SiR2 3-aa (1) (式中、R1およびR2は、いずれも炭素数1〜20のア
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜2
0のアラルキル基またはR3 3SiO−(R3は炭素数1
〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR3は同一で
あってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオ
ルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在
するとき、それらは同一であってもよく、異なっていて
もよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2
個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異
なっていてもよい。bは0、1または2を、 aは0、
1、2または3を、それぞれ示す。またm個の一般式
(2): −SiR1 2-bbO− (2) で表される基におけるbは同一である必要はない。mは
0〜19の整数を示す。但し、(bの和)+a≧1を満
足するものとする。) 上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定され
ず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的に
は、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ア
シルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド
基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アル
ケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素
原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が
穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特
に好ましい。
【0022】該加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(bの和)
+aは1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基
が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それ
らは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0023】前記反応性ケイ素基を形成するケイ素原子
は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサ
ン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20
個程度あってもよい。
【0024】なお、一般式(3): −SiR2 3-aa (3) (式中、R2,X,aは前記と同じ)で表わされる反応
性ケイ素基が、入手が容易である点から好ましい。
【0025】また上記一般式(1)、(2)、(3)に
おけるR1およびR2の具体例としては、たとえばメチル
基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシ
クロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル
基等のアラルキル基や、R3がメチル基、フェニル基等
であるR3 3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基
等があげられる。これらの中ではメチル基が特に好まし
い。
【0026】反応性ケイ素基のより具体的な例示として
は、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ト
リイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル
基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチ
ルシリル基が挙げられる。
【0027】反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行な
えばよい。すなわち、例えば、以下の方法が挙げられ
る。例えば複合金属シアン化物錯体触媒を用いて得られ
るポリオキシアルキレン系重合体の場合は特開平3−7
2527号に、ポリフォスファゼン塩と活性水素を触媒
として得られるポリオキシアルキレン系重合体の場合は
特開平11−60723号に記載されている。
【0028】(1)末端に水酸基等の官能基を有するポ
リオキシアルキレン系重合体と、この官能基に対して反
応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反
応させるか、もしくは不飽和基含有エポキシ化合物との
共重合により、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重
合体を得る。次いで、得られた反応生成物に反応性ケイ
素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化
する。
【0029】(2)(1)法と同様にして得られた不飽
和基含有ポリオキシアルキレン系重合体にメルカプト基
及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
【0030】(3)末端に水酸基、エポキシ基やイソシ
アネート基等の官能基(以下、Y官能基という)を有す
るポリオキシアルキレン系重合体に、このY官能基に対
して反応性を示す官能基(以下、Y′官能基という)及
び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
【0031】このY′官能基を有するケイ素化合物とし
ては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランなどのようなアミノ基含有シラン類;γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカ
プト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシ
ラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイ
ルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのような
ビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルト
リメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;
γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのよう
なイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキシシラ
ン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ト
リエトキシシランなどのようなハイドロシラン類などが
具体的に例示されうるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0032】本発明の(A)成分であるポリオキシアル
キレン系重合体は、接着特性からは、数平均分子量6,
000以上60,000以下が好ましく、10,000
以上50,000以下がさらに好ましい。また、作業性
からはMw/Mnが小さい方が望ましく、好ましくは
1.6以下であり、さらに好ましくは1.5以下であ
る。
【0033】本発明におけるアクリル系重合体成分
(B)は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位およ
び/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位と
からなる重合体であり、シロキサン結合を形成すること
によって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体の末端に
のみ結合しかつ1分子あたり1個存在することが望まし
い。
【0034】(B)成分の分子鎖は、実質的に(a)炭
素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエ
ステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキル
エステル単量体単位と(b)炭素数9以上のアルキル基
を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および
/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位とか
らなるアクリル系共重合体であることが、(A)成分と
の相溶性、透明性の観点で優れているので好ましい。
【0035】上記共重合体における単量体単位(a)で
ある炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アル
キルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸ア
ルキルエステル単量体単位は、一般式(4): CH2=C(R4)COOR5 (4) (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5は炭素数1
から8のアルキル基を示す)で表される。
【0036】前記一般式(4)のR5としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−
ブチル基、2−エチルヘキシル基などの炭素数1〜8、
好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル
基を挙げることができる。なお一般式(4)で表される
単量体は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
【0037】また、前記単量体単位(b)である炭素数
9以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステ
ル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエス
テル単量体単位は、一般式(5): CH2=C(R4)COOR6 (5) (式中、R4は前記に同じ。R6は炭素数9以上のアルキ
ル基を示す)で表される。
【0038】前記一般式(5)のR6としては、たとえ
ばノニル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ス
テアリル基、炭素数22のアルキル基、ビフェニル基な
どの炭素数9以上、通常は9〜30、好ましくは10〜
20の長鎖アルキル基が挙げられる。なお一般式(5)
で示される単量体は1種類でもよく、例えば炭素数12
と13との混合物のように、2種以上混合して用いても
よい。
【0039】また(a)の単量体単位と(b)の単量体
単位の割合は、重量比で95:5〜40:60が好まし
く、90:10〜60:40がさらに好ましい。前記割
合が95:5より大きくなると(A)成分との相溶性が
低下し白濁する傾向が生じるとともに接着特性も低下し
がちになる。40:60より小さくなるとコスト的に不
利になりがちになる。
【0040】本発明に用いる(B)成分である、分子鎖
が実質的に1種または2種以上のアクリル酸アルキルエ
ステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキル
エステル単量体単位からなる重合体におけるアクリル酸
アルキルエステル単量体単位としては、従来公知のもの
が広く使用でき、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチ
ル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アク
リル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウ
リル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ミリスチル、
アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸
ベヘニル、アクリル酸ビフェニル等を挙げることができ
る。またメタクリル酸エステル単量体単位としては、従
来公知のものが広く使用でき、例えばメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシ
ル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メ
タクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタク
リル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリ
ル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベ
ヘニル、メタクリル酸ビフェニル等を挙げることができ
る。
【0041】重合体(B)の分子鎖は、実質的に1種ま
たは2種以上のアクリル酸アルキルエステル単量体単位
および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単
位からなるが、ここでいう実質的に上記の単量体単位か
らなるとは、重合体(B)中に存在するアクリル酸アル
キルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸ア
ルキルエステル単量体単位の割合が50重量%を超える
こと、好ましくは70重量%以上であることを意味し、
共重合体(B)にはアクリル酸アルキルエステル単量体
単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量
体単位の外に、これらと共重合性を有する単量体単位が
含有されていてもよい。たとえばアクリル酸、メタクリ
ル酸等のカルボン酸基、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロール
メタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチ
ルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメ
タクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ
基を含む単量体;ポリオキシエチレンアクリレート、ポ
リオキシエチレンメタクリレート等は、湿分硬化性、内
部硬化性の点で共重合効果が期待できる。;その他アク
リロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキ
ルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位などがあ
げられる。
【0042】本発明における重合体(B)の単量体組成
は、用途、目的により選択するのが当業者の間では一般
的であるが、例えば、強度を必要とする目的、用途で
は、ガラス転移温度が比較的高いものが望ましく、0℃
以上、より好ましくは20℃以上のガラス転移温度を有
するものがよい。また、粘度、作業性等を重視する場合
では逆にガラス転移温度が比較的低いものがよい。
【0043】重合体(B)成分の分子量には特に制限は
ないが、GPCにおけるポリスチレン換算での数平均分
子量が500から100,000であるものが重合時の
難易度、相溶性、取り扱い粘度の点から好ましい。さら
には1,000〜30,000のものが強度、粘度のバ
ランスより好ましく、1,500〜20,000のもの
が、作業性等取り扱いの容易さと接着性などの点から、
特に好ましい。
【0044】重合体(B)は、制御されたビニル重合の
方法などによって得ることができる。たとえば、連鎖移
動剤法、リビングラジカル重合法等によって、溶液重合
法や塊重合法などを行い得ることができるが、特にこれ
らの方法に限定されるものではない。連鎖移動剤法は、
特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこな
うことにより末端に官能基を有するケイ素含有官能基重
合体が得られる。リビングラジカル重合法は、重合生長
末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほ
ぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる。連鎖移動剤
法は、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広
く、粘度の高い重合体しか得られないが、リビングラジ
カル重合法は、停止反応が起こりにくいため分子量分布
の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)、粘度が低
い重合体を得ることができ、特定の官能基を有する単量
体を重合体のほぼ任意の位置に導入することができるの
で好ましい。反応は、通常前記単量体およびラジカル開
始剤や連鎖移動剤、溶剤などを加えて50〜150℃で
反応させることにより行われる。
【0045】前記ラジカル開始剤の例としては、アゾビ
スイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドな
ど、連鎖移動剤の例としては、n−ドデシルメルカプタ
ン,t−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン
などのメルカプタン類や含ハロゲン化合物などがあげら
れる。溶剤としては、たとえばエーテル類、炭化水素
類、エステル類のごとき非反応性の溶剤を使用するのが
好ましい。
【0046】重合体(B)に反応性ケイ素基を導入する
方法には種々の方法があるが、たとえば、(i)連鎖移
動剤として反応性ケイ素基を含有するメルカプタンの存
在下、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/
またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を重合
させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、(i
i)連鎖移動剤としてメルカプト基と反応性官能基(ケ
イ素基以外、以下Y基という)を有する化合物(たとえ
ばアクリル酸)の存在下、アクリル酸アルキルエステル
単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステ
ル単量体単位を重合させ、そののち生成した共重合体を
反応性ケイ素基およびY基と反応しうる官能基(以下
Y’基という)を有する化合物(たとえばイソシアネー
ト基と−Si(OCH33基を有する化合物)と反応さ
せて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、(ii
i)反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル化合物
やジスルフィド化合物を開始剤としてアクリル酸アルキ
ルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アル
キルエステル単量体単位を重合させて分子末端に反応性
ケイ素基を導入する方法、(iv)リビングラジカル重
合法によってアクリル酸アルキルエステル単量体単位お
よび/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位
を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方
法、(v)重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する
化合物をアクリル酸アルキルエステル単量体単位および
/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位とを
反応性ケイ素基が1分子あたり1個導入されるように単
量体単位の使用比率、連鎖移動剤量、ラジカル開始剤
量、重合温度等の重合条件を選定して共重合させる方
法、などが挙げられるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。
【0047】(i)記載の連鎖移動剤として使用する反
応性ケイ素基を含有するメルカプタンとしては、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン等をあげることができる。
【0048】(ii)記載のY基およびY’基の例とし
ては、種々の基の組み合わせがあるが、例えば、Y基と
してアミノ基、水酸基、カルボン酸基を、Y’基として
イソシアネート基をあげることができる。また別の一例
として、特開昭54−36395号公報や特開平01−
272654号公報、特開平02−214759号公報
に記載されているように、Y基としてはアリル基、Y’
基としては水素化ケイ素基(H−Si)をあげることが
できる。この場合、VIII族遷移金属の存在下で、ヒ
ドロシリル化反応によりY基とY’基は結合しうる。
【0049】(iii)記載の、反応性ケイ素基を含有
するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物とし
ては、特開昭60−23405号公報、特開昭62−7
0405号公報等に記載されている、アルコキシシリル
基を含有するアゾビスニトリル化合物やアルコキシシリ
ル基を含有するジスルフィド化合物を例としてあげるこ
とができる。
【0050】(iv)記載の方法としては、特開平09
−272714号公報などに記載されている方法をあげ
ることができる。
【0051】(v)記載の重合性不飽和結合と反応性ケ
イ素基を有する化合物としては、一般式(6): CH2=C(R4)COOR7−[Si(R1 2-b)(Xb)O]mSi(R2 3-a)Xa (6) (式中、R4は前記に同じ。R7は炭素数1〜6の2価の
アルキレン基を示す。R 1,R2,X,a,b,mは前記
と同じ。)または一般式(7): CH2=C(R4)−[Si(R1 2-b)(Xb)O]mSi(R2 3-a)Xa (7) (式中、R4,R1,R2,X, a,b,mは前記と同
じ。)で表される単量体、例えば、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン等のγ−メタクリロキシプロピ
ルアルキルポリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルト
リエトキシシラン等のγ−アクリロキシプロピルアルキ
ルポリアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン等のビニルアルキルポリアルコキシシランなどがあ
げられる。
【0052】本発明におけるアクリル系重合体(B)に
含有される反応性ケイ素基の数は、アクリル系重合体
(B)1分子中に1個であることが必要である。また、
結合位置は重合鎖の末端に1分子あたり1個を有してい
ることがコンタクト性、最終接着強度の観点からさらに
好ましい。その理由から、重合体(B)に反応性ケイ素
基を導入する方法は前記の(i)〜(iv)が好まし
い。また、中でも製造が容易である理由で(i)の方法
がより好ましい。
【0053】アクリル系重合体(B)に含有される反応
性ケイ素基の種類は、ケイ素上に1〜3個の反応性基を
有するケイ素基が使用可能であるが、コンタクト性か
ら、反応性基が2個結合したケイ素基を保有するアクリ
ル系重合体と反応性基が3個結合したケイ素基を保有す
るアクリル系重合体を併用するのがさらに好ましい。こ
のような具体例としては、ジアルコキシシリル基を保有
するアクリル系重合体とトリアルコキシシリル基を保有
するアクリル系重合体の混合物等が例示される。反応性
基が2個結合したケイ素基を保有するアクリル系重合体
/反応性基が3個結合したケイ素基を保有するアクリル
系重合体の併用比率は、任意の割合で使用できるが、1
/0〜1/2の範囲で使用されるのが好ましい。
【0054】本発明の組成物におけるポリオキシアルキ
レン系重合体(A)とアクリル系重合体(B)との使用
割合は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重
量部に対してアクリル系重合体(B)3〜300重量部
の範囲から選択可能であるが、好ましくは15〜100
重量部の範囲がコンタクト性、最終接着強度の観点から
好ましい。通常、目的とする用途、性能に応じて選択さ
れることは、当業者の間では良く知られている。
【0055】本発明に用いる(C)成分である分子鎖が
アクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタ
クリル酸アルキルエステル単量体単位からなりかつケイ
素含有官能基を含有しない重合体は、反応性ケイ素基を
含有する化合物を合成に用いない以外はアクリル系重合
体(B)と同様な方法によって容易に得ることができ
る。本発明の組成物におけるポリオキシアルキレン系重
合体(A)とアクリル系重合体(C)との使用割合は、
ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対
してアクリル系重合体(C)3〜300重量部の範囲か
ら選択可能であるが、好ましくは15〜100重量部の
範囲がコンタクト性、最終接着強度の観点から好まし
い。またアクリル系重合体(B)/アクリル系重合体
(C)の併用割合は、コンタクト性の点から、1/0〜
1/4の範囲が好ましい。
【0056】本発明に用いる(D)成分である、1分子
中に2個の官能基を有する低分子量シリコン化合物は、
本発明の硬化性組成物に添加することによりコンタクト
性が向上する効果を有する。前記(D)成分における官
能基とは、例えば、メトキシ基が挙げられる。このよう
な化合物としては、ジフェニルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン等が例示
されるが、コンタクト性の発現速度の点から、ジフェニ
ルジメトキシシランが特に好ましい。(D)成分の添加
量は、コンタクト性の発現速度の点から、ポリオキシア
ルキレン系重合体(A)100重量部に対して0.5〜
3重量部が好ましい。
【0057】本発明の組成物には、硬化促進触媒として
一般的なシラノール縮合触媒を使用できる。この様な硬
化促進剤の例としては、有機スズ化合物、非有機のスズ
化合物である金属スズの有機酸塩若しくはアミン化合物
との併用、又は非スズ系化合物がある。有機スズ化合物
を具体的に例示すれば、ジブチル錫ジラウレート、ジブ
チル錫ビス(アルキルマレエート)などのジブチル錫ジ
カルボキシレート類、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチ
ル錫ジフェノキシド、などのジアルキル錫のアルコキシ
ド誘導体類、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブ
チル錫アセトアセテートなどのジアルキル錫の分子内配
位性誘導体類、ジブチル錫オキシドとエステル化合物に
よる反応混合物、ジブチル錫オキシドとシリケート化合
物による反応混合物、およびこれらの部分加水分解縮合
物などの4価ジアルキル錫オキシドの誘導体があげられ
るが、これらに限定されるものではない。非有機のスズ
化合物である金属スズの有機酸塩を具体的に例示すれ
ば、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ステアリン酸錫、フ
ェルザチック酸スズなどの2価錫カルボン酸塩類があげ
られる。これら2価錫カルボン酸塩類とアミンの併用系
は、触媒活性が高くなるため、使用量を減少できる観点
から、より好ましい。非スズ系化合物の硬化促進触媒と
して、有機酸類、例えば有機カルボン酸、有機スルホン
酸、酸性リン酸エステル類等があげられる。有機カルボ
ン酸として、酢酸、シュウ酸、酪酸、酒石酸、マレイン
酸、オクチル酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸、フ
タル酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸があげら
れるが、触媒活性の点から、脂肪族カルボン酸が好まし
い。有機スルホン酸として、トルエンスルホン酸、スチ
レンスルホン酸等があげられる。酸性リン酸エステルと
して以下に示すような有機酸性リン酸エステルがあげら
れる。有機酸性リン酸エステル化合物は相溶性、硬化触
媒活性の点で好ましい。有機酸性リン酸エステル化合物
としては、(Q−O)d−P(=O)(−OH)3-d
(式中、dは1または2、Qは有機残基を示す。)で表
され、以下に、具体的に例示する。(CH3O)2−P
(=O)(−OH)、(CH3O)−P(=O)(−O
H)2、(C2H5O)2−P(=O)(−OH)、(C2
5O)−P(=O)(−OH)2、(C37O)2−P
(=O)(−OH)、(C37O)−P(=O)(−O
H)2、(C49O)2−P(=O)(−OH)、(C4
9O)−P(=O)(−OH)2、(C817O)2−P
(=O)(−OH)、(C817O)−P(=O)(−
OH)2、(C1021O)2−P(=O)(−OH)、
(C1021O)−P(=O)(−OH)2、(C1327
O)2−P(=O)(−OH)、(C1327O)−P
(=O)(−OH)2、(C1633O)2−P(=O)
(−OH)、(C1633O)−P(=O)(−O
H)2、(HO−C612O)2−P(=O)(−O
H)、(HO−C612O)−P(=O)(−OH)2
(HO−C816O)−P(=O)(−OH)、(HO
−C816O)−P(=O)(−OH)2、{(CH2
H)(CHOH)O}2−P(=O)(−OH)、
{(CH2OH)(CHOH)O}−P(=O)(−O
H)2、{(CH2OH)(CHOH)C24O}2−P
(=O)(−OH)、{(CH2OH)(CHOH)C2
4O}−P(=O)(−OH)2などがあげられるが、
上記例示物質に限定されるものではない。
【0058】これら有機酸類とアミンの併用系は、触媒
活性が高くなるため、使用量を減少できる観点から、よ
り好ましい。有機酸とアミン併用系の中では、酸性リン
酸エステルとアミン、有機カルボン酸とアミン、特に有
機酸性リン酸エステルとアミン、脂肪族カルボン酸とア
ミンの併用系が触媒活性がより高く、速硬化性の観点か
ら好ましい。
【0059】アミン化合物としては、ブチルアミン、オ
クチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレン
ジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェ
ニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリ
ン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)
等があげられる。
【0060】非スズ金属塩類も使用可能であり、オクチ
ル酸、オレイン酸、ナフテン酸、ステアリン酸などをカ
ルボン酸成分とする、カルボン酸カルシウム、カルボン
酸ジルコニウム、カルボン酸鉄、カルボン酸バナジウ
ム、カルボン酸ビスマス、ビスマス−トリス(2−エチ
ルヘキソエート)、ビスマス−トリス(ネオデカノエー
ト)等のビスマス塩、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニ
ウム、カルボン酸ニッケルなどのカルボン酸金属塩類が
あげられる。前記アミン類との併用は、カルボン酸スズ
と同様、活性が高くなるため、使用量を減少できる観点
から、より好ましい。
【0061】有機非スズの金属系化合物として、3B
族、4A族金属を含有する有機金属化合物があげられ、
有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機
ジルコニウム化合物、有機ホウ素化合物等が触媒活性の
点から好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0062】前記有機チタネート化合物としては、テト
ライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、
テトラメチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル
チタネート)、トリエタノールアミンチタネートなどの
チタンアルコキシド類、チタンテトラアセチルアセトナ
ート、チタンエチルアセトアセテート、オクチレングリ
コレート、チタンラクテートなどのチタンキレート類等
のキレート化合物などがあげられる。
【0063】前記有機アルミニウム化合物としては、ア
ルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシア
ルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−
ブチレートなどのアルミニウムアルコキシド類、アルミ
ニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリ
スエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニ
ウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレー
ト類等があげられる。
【0064】前記ジルコニウム化合物としては、ジルコ
ニウムテトライソプロポキサイド、ジルコニウムテトラ
ノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレー
トなどのジルコニウムアルコキシド類、ジルコニウムテ
トラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチル
アセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナー
ト、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエチルアセ
トアセテート、ジルコニウムアセテートなどのジルコニ
ウムキレート類などがあげられる。
【0065】これら有機チタネート化合物、有機アルミ
ニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ホウ素化
合物等は、それぞれ併用も可能であるが、特に、前記ア
ミン化合物、又は、酸性リン酸エステル化合物との併用
により、触媒活性を高めることが可能であることから、
触媒の使用量を低減できる観点で好ましく、高温での硬
化性と常温での可使時間の調整の観点から、併用するの
がより望ましい。
【0066】これらの硬化促進剤の使用量は、通常、目
的とする用途、性能に応じて選択すればよいが、(A)
成分および(B)成分の合計量100重量部に対し、
0.01〜20重量部が好ましく、さらにはコストの点
から0.1〜10重量部がより好ましく、クリープ特性
等力学特性と硬化性のバランスから0.25〜5重量部
が最も好ましい。
【0067】本発明の組成物においては、一般的な可塑
剤を使用しうる。具体例としては、ジブチルフタレー
ト、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)
フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリ
ルブチルグリコレートなどのフタル酸エステル類;ジオ
クチルアジペート、ジオクチルセバケートなどの非芳香
族2塩基酸エステル類;トリクレジルホスフェート、ト
リブチルホスフェートなどのリン酸エステル類などが挙
げられる。中でもフタル酸エステル系可塑剤が性能、経
済性の点で最も好ましい。しかし、フタル酸エステル系
可塑剤とりわけ汎用的なジ(2−エチルヘキシル)フタ
レートは安全衛生上の課題から使用が近年忌避される傾
向にある。性能だけでなく安全衛生上の理由から低分子
量タイプに替えて高分子量タイプの可塑剤を使用しう
る。高分子量タイプの可塑剤としては、たとえば2塩基
酸と多価アルコールとのポリエステル類などのポリエス
テル系可塑剤、液状のアクリル樹脂系可塑剤;ポリプロ
ピレングリコールやその誘導体などのポリエーテル類;
ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリス
チレン類などが挙げられる。具体的には、エクセノール
5030(旭硝子(株)製の分子量が約5,100のポ
リエーテルポリオール)、両末端がアリルエーテル基
で、Mn=5,200、Mw/Mn=1.6のオキシプ
ロピレン重合体、SGO(ジョンソンポリマー)等が例
示される。
【0068】本発明の組成物には、必要に応じて、充填
剤、その他の添加剤などを加えて使用してもよい。
【0069】前記充填剤としては、たとえば重質炭酸カ
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、
カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラッ
クなどがあげられる。充填剤を用いる場合、その使用量
は(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に
対して5〜300重量部の範囲が好ましく、機械的物性
と粘度のバランスから、10〜150重量部の範囲がよ
り好ましい。
【0070】前記その他の添加剤としては、たとえば水
添ヒマシ油、有機ベントナイトなどのタレ防止剤、着色
剤、老化防止剤、接着付与剤などが挙げられる。
【0071】また、本発明の硬化性組成物には、接着
性、貯蔵安定性の改良のため、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、
γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン等の
シランカップリング剤を1種または2種以上併用して配
合することができる。また、これらをあらかじめ反応さ
せて得た反応生成物も配合することができる。
【0072】更に、本発明の硬化性組成物には、必要に
応じてエポキシ樹脂とその硬化剤、粘性改良剤、その他
添加剤等を適宜配合し得る。
【0073】エポキシ樹脂としては、従来公知のものを
広く使用でき、例えばビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビ
スフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキ
シド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ジグ
リシジル−ρ−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、
テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステル等のフタル酸ジグリ
シジルエステル系エポキシ樹脂、m−アミノフェノール
系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ
樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ
樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリ
シジル−ο−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレ
ート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテ
ル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂等の不飽和
重合体のエポキシ化物等を挙げることができる。これら
のエポキシ樹脂の中でも、分子中にエポキシ基を少なく
とも2個含有するものが、硬化に際し反応性が高く、ま
た硬化物が3次元的網目を作り易い等の点から好まし
い。更に好ましいエポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸ジグリシジ
ルエステル系エポキシ樹脂を例示できる。
【0074】エポキシ樹脂の硬化剤としては、従来公知
のエポキシ樹脂硬化剤を広く使用でき、例えばトリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチル
アミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、
m−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジ
アミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチ
ルアミノメチル)フェノール等のアミン類、第3級アミ
ン塩類、ポリアミド樹脂類、ケチミン類、アルジミン
類、エナミン類等の潜伏性硬化剤、イミダゾール類、ジ
シアンジアミド類、三弗化硼素錯化合物類、無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデ
シニル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、無水クロレ
ン酸等の無水カルボン酸類、アルコール類、フェノール
類、カルボン酸類等を挙げることができる。
【0075】粘性改良剤としては、ジベンジリデンソル
ビトール、トリベンジリデンソルビトール等のゲル化
剤、アマイドワックス等の脂肪酸アミド化物を例示でき
る。
【0076】その他の添加剤としては、例えば顔料、各
種の老化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0077】本発明の組成物は、コンタクト接着剤とし
て特に有用である。本発明の組成物は、コンタクト接着
剤の他にも、一般用接着剤、粘着剤、シーリング剤とし
ても有用である。
【0078】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0079】なお、各重合体の数平均分子量は、ゲル浸
透クロマトグラフィー(GPC)法によりポリスチレン
換算で求めた値である。
【0080】
【実施例】(合成例1)複合金属シアン化物錯体触媒を
用いてプロピレンオキサイドの重合を行って得た分子量
15,000のポリオキシプロピレントリオール(Mw
/Mn=1.38、粘度89ポイズ)401gに、ナト
リウムメトキシド19.1gを滴下し、5時間反応させ
た後、減圧脱気した。その後、塩化アリル9.0gを滴
下し、1.5時間反応させた後、さらにナトリウムメト
キシド5.6gと塩化アリル2.7gを用いてトリオー
ルの末端をアリル化し、ケイ酸アルミニウムで吸着処理
した。このアリル末端ポリオキシプロピレン系重合体2
70gに塩化白金酸の触媒を添加し、ジメトキシメチル
シラン6.24gを90℃で4時間反応させることによ
り、淡黄色の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン
系重合体を得た。
【0081】(合成例2)数平均分子量が3,000の
ポリオキシプロピレングリコール420gと数平均分子
量が3,000のポリオキシプロピレントリオール80
gの混合物に水酸化ナトリウム40gを加え、60℃で
13時間反応させた後、ブロモクロルメタン19gを添
加し、60℃で10時間反応させた。得られた重合体の
Mw/Mnは2.1であり、粘度は385ポイズであっ
た。続いて、上記重合体に塩化アリル15gを加え36
時間反応させた後、ケイ酸アルミニウムで吸着処理し
た。この重合体500gに、塩化白金酸の触媒を添加し
た後、ジメトキシメチルシラン12gを加えて80℃で
4時間反応させることにより、淡黄色の反応性ケイ素基
含有ポリオキシアルキレン系重合体を得た。
【0082】(合成例3)還流管および攪拌機付きの1
Lセパラブルフラスコに、トルエン260gを入れ、反
応容器内を窒素置換した。内温100〜105℃にて、
メタクリル酸メチル(80g)、メタクリル酸ステアリ
ル(20g)、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン(2.25g)、ノルマルドデシルメルカプタン
(6.75g)およびアゾビス−2−メチルブチロニト
リル(2.8g)のトルエン混合溶液を5時間かけて滴
下して重合を行い、数平均分子量1,800、片末端に
反応性ケイ素基を含有するアクリル系重合体を得た。
【0083】(合成例4〜9)表1に示す化合物を規定
重量(g)用いて、合成例3と同様な操作を行い、表1
に示すアクリル系重合体を得た。
【0084】(合成例10)還流管および攪拌機付きの
300mLの3つ口フラスコに、CuBr(7.38
g)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニト
リル(8.9mL)を加え、オイルバス中70℃で30
分間攪拌した。これにメタクリル酸メチル(16g)、
アクリル酸ステアリル(4g)、2−ブロモプロピオン
酸メチル(4.8mL)、ペンタメチルジエチレントリ
アミン(0.53mL、これ以降トリアミンと表す)を
加え、反応を開始した。70℃で加熱攪拌しながら、メ
タクリル酸メチル(64g)、アクリル酸ステアリル
(16g)を90分かけて連続的に滴下し、更に30分
間加熱攪拌した。重合の終期にトリアミンと1,7−オ
クタジエンを添加し、重合体の片末端にアルケニル基を
導入した。この反応混合物を精製した後、30mLの耐
圧反応容器に、重合体(10.0g)、ジメトキシメチ
ルヒドロシラン(2.25mL)、オルトぎ酸メチル
(0.17mL)、および0価白金の1,1,3,3−
テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を仕
込み、100℃で1時間加熱した。反応溶液を濃縮する
ことにより、片末端にシリル基を有する共重合体を得
た。数平均分子量は2,500、分子量分布Mw/Mn
は1.2であった。この共重合体をトルエンに溶解し片
末端に反応性ケイ素基を含有するアクリル系重合体を得
た。
【0085】
【表1】
【0086】(実施例1)合成例3のアクリル系重合体
溶液に、合成1の反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピ
レン系重合体を分割して加え、固形分で表2に示す所定
の重量比になるように均一に混合した後、ロータリーエ
バポレーターでトルエンを留去した。以上により得た重
合体混合物100重量部に対し、膠質炭酸カルシウム
(白石カルシウム社製CCR)を50重量部、N-(β-
アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
を2重量部、ジフェニルジメトキシシランを2重量部、
硬化触媒U-220(日東化成社製)2重量部を添加
し、均一に混合して硬化性組成物を作成した。
【0087】コンタクト性試験方法としては、アルミ基
材2枚にセロハンテープ(ニチバン製)厚にて塗布し、
それぞれ異なるオープンタイムをとった後に5kgロー
ラー荷重にて5回圧着し、直ちに200mm/分の引っ
張り速度にてT字剥離接着強度を測定した。コンタクト
性の発現速度はT字剥離接着強度の立ち上がるまでの時
間、コンタクト性発現強度は発現したT字剥離接着強度
の大きさ、コンタクト性発現保持時間はT字剥離接着強
度が発現して持続する時間の長さを意味する。
【0088】最終接着強度の試験方法は、アルミ基材2
枚にセロハンテープ(ニチバン製)厚にて塗布し、5k
gローラー荷重にて5回圧着し、23℃2日+50℃3
日の養生を行った後、200mm/分の引っ張り速度に
てT字剥離接着強度を測定した。
【0089】(実施例2〜7)合成例2,4〜7、及び
合成例10で得た重合体を用いる以外は実施例1と同様
の操作を行い、硬化性組成物を作成した。
【0090】(比較例1〜3)合成例7〜9で得たアク
リル系重合体を用いる以外は実施例1と同様の操作を行
い、硬化性組成物を作成した。
【0091】
【表2】 以上に示したように、シロキサン結合を形成することに
よって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシ
アルキレン系重合体(A)、およびシロキサン結合を形
成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有
し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及
び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位から
なる重合体であって、シロキサン結合を形成することに
よって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体1分子あた
り1個存在する重合体(B)を含む硬化性組成物は、コ
ンタクト性に優れ、かつ最終接着強度に優れる。すなわ
ち、実施例1〜7の硬化性組成物は、コンタクト性の発
現速度、発現強度、発現保持時間の全てにおいて優れ、
かつ高い最終接着強度を有する。一方、シロキサン結合
を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を
有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、およびシ
ロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素
含有官能基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステ
ル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル
単量体単位からなる重合体であって、シロキサン結合を
形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が重
合体1分子あたり0個または1個を超えて存在する重合
体を含む硬化性組成物である比較例1〜3の硬化性組成
物は、コンタクト性の発現速度、発現強度、発現保持時
間、最終接着強度の何れかの特性が不十分で劣ってい
る。
【0092】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、コンタク
ト性の発現速度、コンタクト性発現強度、コンタクト性
発現保持時間等の所謂コンタクト性に優れ、最終接着強
度に優れる。また耐候性に関しても優れた性能特性が提
供される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シロキサン結合を形成することによって架
    橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレ
    ン系重合体(A)、およびシロキサン結合を形成するこ
    とによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖
    がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメ
    タクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体
    であって、シロキサン結合を形成することによって架橋
    しうるケイ素含有官能基が重合体1分子あたり1個存在
    する重合体(B)を含む硬化性組成物。
  2. 【請求項2】シロキサン結合を形成することによって架
    橋しうるケイ素含有官能基を有する重合体(B)が、ジ
    アルコキシシリル基を含有する重合体とトリアルコキシ
    シリル基を含有する重合体の混合物であることを特徴と
    する請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】シロキサン結合を形成することによって架
    橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレ
    ン系重合体(A)、シロキサン結合を形成することによ
    って架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖がアク
    リル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリ
    ル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体であっ
    て、シロキサン結合を形成することによって架橋しうる
    ケイ素含有官能基が重合体1分子あたり1個存在する重
    合体(B)、および分子鎖がアクリル酸アルキルエステ
    ル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル
    単量体単位からなりかつケイ素含有官能基を含有しない
    重合体(C)を含む硬化性組成物。
  4. 【請求項4】シロキサン結合を形成することによって架
    橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレ
    ン系重合体(A)、シロキサン結合を形成することによ
    って架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖がアク
    リル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリ
    ル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体であっ
    て、シロキサン結合を形成することによって架橋しうる
    ケイ素含有官能基が重合体1分子あたり1個存在する重
    合体(B)、および1分子中に2個の官能基を有する低
    分子量シリコン化合物(D)を含む硬化性組成物。
  5. 【請求項5】低分子量シリコン化合物(D)がジフェニ
    ルジメトキシシランである請求項4記載の硬化性組成
    物。
  6. 【請求項6】分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量
    体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体
    単位からなる重合体(B)が重合体の末端にのみシロキ
    サン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有
    官能基を有する請求項1〜5記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量
    体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体
    単位からなる重合体(B)のアクリル酸アルキルエステ
    ル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル
    単量体単位が、(a)炭素数1〜8のアルキル基を有す
    るアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/また
    はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位と(b)炭
    素数9以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエ
    ステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキル
    エステル単量体単位である請求項1〜6記載の硬化性組
    成物。
  8. 【請求項8】(A)成分であるオキシアルキレン系重合
    体の数平均分子量が10,000以上50,000以下
    であることを特徴とする請求項1〜7記載の硬化性組成
    物。
  9. 【請求項9】(A)成分であるオキシアルキレン系重合
    体のMw/Mnが1.6以下であることを特徴とする請
    求項1〜8記載の硬化性組成物。
  10. 【請求項10】(A)成分であるオキシアルキレン系重
    合体の反応性ケイ素基が、メチルジメトキシシリル基、
    トリメトキシシリル基、メチルジイソプロペニルオキシ
    基、トリイソプロペニルオキシ基からなる群から選択さ
    れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜
    9記載の硬化性組成物。
  11. 【請求項11】(A)成分であるオキシアルキレン系重
    合体の反応性ケイ素基が、メチルジメトキシシリル基お
    よび/またはトリメトキシシリル基であることを特徴と
    する請求項1〜10記載の硬化性組成物。
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