JPWO2004076555A1 - 硬化性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
耐候性および透明性に優れるとともに、取り扱い作業性が良好であり、かつ低モジュラスで伸び特性に優れる硬化性樹脂組成物、その製造方法およびその製造方法に用いる樹脂組成物を提供する。反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン系重合体(A)と、反応性ケイ素基を有し、分子鎖が実質的に炭素数1〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体(B)を含む硬化性樹脂組成物の製造方法において、前記重合体(B)を有機重合体可塑剤(C)中で重合して得た反応混合物を、前記オキシアルキレン系重合体(A)と混合することによって得る。
Description
本発明は、硬化性有機重合体を含有する硬化性組成物およびその製造方法に関する。
シロキサン結合を形成することによって架橋硬化可能なオキシアルキレン系重合体(重合体(A))とシロキサン結合を形成することによって架橋硬化可能なアクリル酸エステルおよび(または)メタアクリル酸エステル系重合体(重合体(B))を含有する硬化性組成物は、硬化して耐候性や接着性に優れる弾性体が得られるためシーリング剤や接着剤に用いられている。
従来、シロキサン結合を形成することによって架橋硬化可能なオキシアルキレン系重合体(重合体(A))とシロキサン結合を形成することによって架橋硬化可能なアクリル酸エステルおよび(または)メタアクリル酸エステル系重合体(重合体(B))を含有する硬化性組成物の製造方法としては、重合体(B)の溶液に重合体(A)を混合溶解した後溶剤を脱揮して除く方法(特開昭63−112642号)、重合体(A)中で重合体(B)を重合する方法(特開昭59−78223号、特開昭60−228517号3)、フタル酸エステルや炭化水素系可塑剤中で重合体(B)を重合し、次いで重合体(A)と混合する方法(特開昭59−122541号)等が知られている。しかしながら、重合体(A)と重合体(B)との相溶性は必ずしも充分ではなく透明な組成物を得るには重合体(B)に使用するアクリル酸エステルおよび(または)メタアクリル酸エステルモノマーの制約があった。また、重合体(A)と重合体(B)とを直接混合または重合体(A)中で重合体(B)を重合する方法は粘度が大幅に上昇するので取り扱い作業性に問題があった。また、重合体(B)を含むことによって高モジュラス低伸び化する傾向があるため、とりわけ低モジュラス高伸び特性が重要であるシーリング剤用途においては特に改善が求められていた。改善のため、重合体(B)を高分子量化することで伸びはある程度改善されるものの、粘度が大幅に上昇して取り扱い作業性が低下するので制限があった。
従来、シロキサン結合を形成することによって架橋硬化可能なオキシアルキレン系重合体(重合体(A))とシロキサン結合を形成することによって架橋硬化可能なアクリル酸エステルおよび(または)メタアクリル酸エステル系重合体(重合体(B))を含有する硬化性組成物の製造方法としては、重合体(B)の溶液に重合体(A)を混合溶解した後溶剤を脱揮して除く方法(特開昭63−112642号)、重合体(A)中で重合体(B)を重合する方法(特開昭59−78223号、特開昭60−228517号3)、フタル酸エステルや炭化水素系可塑剤中で重合体(B)を重合し、次いで重合体(A)と混合する方法(特開昭59−122541号)等が知られている。しかしながら、重合体(A)と重合体(B)との相溶性は必ずしも充分ではなく透明な組成物を得るには重合体(B)に使用するアクリル酸エステルおよび(または)メタアクリル酸エステルモノマーの制約があった。また、重合体(A)と重合体(B)とを直接混合または重合体(A)中で重合体(B)を重合する方法は粘度が大幅に上昇するので取り扱い作業性に問題があった。また、重合体(B)を含むことによって高モジュラス低伸び化する傾向があるため、とりわけ低モジュラス高伸び特性が重要であるシーリング剤用途においては特に改善が求められていた。改善のため、重合体(B)を高分子量化することで伸びはある程度改善されるものの、粘度が大幅に上昇して取り扱い作業性が低下するので制限があった。
本発明の目的は、耐候性および透明性に優れるとともに、取り扱い作業性が良好であり、かつ低モジュラスで伸び特性に優れる硬化性樹脂組成物の製造方法およびその製造方法に用いる樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、重合体(A)と重合体(B)を含有する硬化性樹脂組成物の製造方法を検討した結果、有機重合体可塑剤(C)中で重合体(B)となる単量体を重合して得られる樹脂組成物を重合体(A)に混合する方法を見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1は、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するオキシアルキレン系重合体(A)と、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖が実質的に、炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体(B)を含む硬化性樹脂組成物の製造方法において、重合体(B)となる単量体を有機重合体可塑剤(C)中で重合することにより得られる樹脂組成物を前記オキシアルキレン系重合体(A)に混合することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法である。
また、本発明の第2は、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖が実質的に炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルおよび(または)メタアクリル酸アルキルエステルからなる単量体を、有機重合体可塑剤(C)中で重合することにより得られる重合体(B)を含む反応混合物であり、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するオキシアルキレン系重合体(A)と混合されて前記硬化性組成物となる樹脂組成物である。さらに、本発明の第3は、この方法により製造された硬化性組成物である。
有機重合体可塑剤(C)の主鎖構造は、好ましくは、オキシアルキレン系重合体であり、より好ましくは、オキシアルキレン系重合体(A)と本質的に同じである。
オキシアルキレン系重合体(A)は、好ましくは、その数平均分子量が6,000以上であって、Mw/Mnが1.6以下である。
オキシアルキレン系重合体(A)の主鎖は、好ましくは、開始剤の存在下、複合金属シアン化錯体を触媒としてアルキレンオキシドを重合させて得られる主鎖構造である。
重合体(B)は、好ましくは、その数平均分子量が3,000以上である。
本発明者等は、重合体(A)と重合体(B)を含有する硬化性樹脂組成物の製造方法を検討した結果、有機重合体可塑剤(C)中で重合体(B)となる単量体を重合して得られる樹脂組成物を重合体(A)に混合する方法を見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1は、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するオキシアルキレン系重合体(A)と、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖が実質的に、炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体(B)を含む硬化性樹脂組成物の製造方法において、重合体(B)となる単量体を有機重合体可塑剤(C)中で重合することにより得られる樹脂組成物を前記オキシアルキレン系重合体(A)に混合することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法である。
また、本発明の第2は、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖が実質的に炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルおよび(または)メタアクリル酸アルキルエステルからなる単量体を、有機重合体可塑剤(C)中で重合することにより得られる重合体(B)を含む反応混合物であり、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するオキシアルキレン系重合体(A)と混合されて前記硬化性組成物となる樹脂組成物である。さらに、本発明の第3は、この方法により製造された硬化性組成物である。
有機重合体可塑剤(C)の主鎖構造は、好ましくは、オキシアルキレン系重合体であり、より好ましくは、オキシアルキレン系重合体(A)と本質的に同じである。
オキシアルキレン系重合体(A)は、好ましくは、その数平均分子量が6,000以上であって、Mw/Mnが1.6以下である。
オキシアルキレン系重合体(A)の主鎖は、好ましくは、開始剤の存在下、複合金属シアン化錯体を触媒としてアルキレンオキシドを重合させて得られる主鎖構造である。
重合体(B)は、好ましくは、その数平均分子量が3,000以上である。
本発明の(A)成分における重合主鎖を構成するオキシアルキレン系重合体としては、一般式(I):
(式中、R1は炭素数1〜4の2価のアルキレン基)で表わされる繰り返し単位のものが使用できるが、入手容易の点からオキシプロピレン重合体が好ましい。このオキシプロピレン重合体は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、あるいは、これらの混合物であってもよい。また、他の単量体単位等が含まれていてもよいが、上記式に表わされる単量体単位が、重合体中に50重量%以上、好ましくは80重量%以上存在することが好ましい。
本発明の(A)成分であるシロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基(以下、反応性ケイ素基と称する場合もある)含有オキシアルキレン系重合体は、官能基を有するオキシアルキレン系重合体に反応性ケイ素基を導入することによって得るのが好ましい。
オキシアルキレン系重合体は、粘度、作業性および硬化物の伸びの観点から高分子量でかつ分子量分布(Mw/Mn)が小さいものが好ましい。具体的には、分子量は6,000以上が好ましく、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは15,000以上である。また、分子量分布(Mw/Mn)は、1.6以下が好ましく、より好ましくは1.5以下である。
このような分子量と分子量分布を有するオキシプロピレン系重合体は、苛性アルカリを用いるアニオン重合法やこの重合体の鎖延長反応方法によって得ることは困難であるが、例えばセシウム金属触媒や、特開昭61−197631号公報、特開昭61−215622号公報、特開昭61−215623号公報および特開昭61−218632号公報等に例示されるポルフィリン/アルミ錯体触媒、特公昭46−27250号公報及び特公昭59−15336号公報等に例示される複合金属シアン化錯体触媒、特開平10−273512に例示されるポリフォスファゼン塩からなる触媒を用いた方法等により得ることができる。これらの重合方法の中では特に、着色等の問題が少ないという実用上の理由から、開始剤の存在下、複合金属シアン化錯体を触媒としてアルキレンオキシドを重合させる方法が好ましい。なお、反応性ケイ素基含有オキシアルキレン系重合体の分子量分布は、対応する反応性ケイ素基導入前の重合体の分子量分布に依存するため、導入前の重合体の分子量分布はできるだけ狭いことが好ましい。
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行なえばよい。すなわち、例えば、以下の方法が挙げられる。なお、複合金属シアン化錯体触媒を用いて得られるオキシアルキレン系重合体の場合は例えば特開平3−72527号公報に、ポリフォスファゼン塩と活性水素を触媒として得られるオキシアルキレン系重合体の場合は例えば特開平11−60723号公報に記載されている。
(1)末端に水酸基等の官能基を有するオキシアルキレン系重合体と、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させるか、もしくは不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により、不飽和基含有オキシアルキレン系重合体を得る。次いで、得られた反応生成物に反応性ケイ素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)(1)法と同様にして得られた不飽和基含有オキシアルキレン系重合体にメルカプト基及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
(3)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基(以下、Y官能基という)を有するオキシアルキレン系重合体に、このY官能基に対して反応性を示す官能基(以下、Y′官能基という)及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
このY′官能基を有するケイ素化合物としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのようなアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのようなビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのようなイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、トリエトキシシランなどのようなハイドロシラン類などが具体的に例示されうるが、これらに限定されるものではない。
なお、本明細書でいう(A)成分の数平均分子量とは次の通りである。JISK1557の水酸基価の測定方法と、JISK0070のよう素価測定方法の原理に基づいた滴定分析により、直接的に末端基濃度を測定し、ポリエーテルオリゴマーの構造を考慮して求めた数平均分子量と定義している。また、数平均分子量の相対測定法として一般的なGPC測定により求めたポリスチレン換算分子量と上記末端基分子量の検量線を作成し、GPC分子量を末端基分子量に換算して求めることも可能である。Mw/MnはGPC測定により求めた。
本発明の(A)成分である反応性ケイ素基含有オキシアルキレン系重合体が有する反応性ケイ素基は、例えば一般式(II):
(式中、R2は異種もしくは同種の炭素数1〜24の置換もしくは非置換の1価の有機基またはトリオルガノシロキシ基から選ばれる基、Xは水酸基または異種もしくは同種の加水分解性基、aは0、1または2の整数、bは0、1、2または3の整数で(aの和)+b≧1を満足するものとする。mは0〜19の整数)で表される。
経済性等の点から好ましい反応性ケイ素基は、一般式(III):
(式中、R2、Xは前記に同じ、nは1、2、または3の整数)で表される基である。
式(II)における加水分解性基の具体例としては、例えばハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等があげられる。これらのうちでも加水分解性の緩やかさの点からメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。該加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(aの和)+bは1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
また式(II)におけるR2の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等があげられる。さらにR2はトリオルガノシロキシ基であってもよい。これらのうちではメチル基がとくに好ましい。
前記反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個程度あってもよい。
反応性ケイ素基のより具体的な例示としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、メチルジイソプロポキシシリル基が挙げられる。これらの中では、メチルジメトキシシリル基が、反応性、貯蔵安定性、硬化後の機械的特性等から特に好ましい。
本発明の(B)成分の重合体は、炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体であって、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が末端及び/または側鎖位置に結合しかつ1分子あたり少なくとも1個存在する重合体である。
この重合体における単量体単位である炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単位は、一般式(IV):
(式中R4は水素原子またはメチル基、R3は炭素数1〜24のアルキル基を示す)で表される。
前記一般式(IV)のR3としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ビフェニル基などの炭素数1〜24のアルキル基を挙げることができる。なお一般式(IV)の単量体単位で表されるモノマー種は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
アクリル酸アルキルエステル単量体としては、従来公知のものが広く使用でき、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸ビフェニル等を挙げることができる。またメタクリル酸エステル単量体単位としては、従来公知のものが広く使用でき、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ビフェニル等を挙げることができる。
重合体(B)の分子鎖は、実質的に1種または2種以上のアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキル単量体単位からなるが、ここでいう実質的に上記の単量体単位からなるとは、重合体(B)中に存在するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキル単量体単位の割合が50重量%を超えて、好ましくは70重量%以上であることを意味し、重合体(B)にはアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキル単量体単位の外に、これらと共重合性を有する単量体単位が含有されていてもよい。たとえばアクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;ポリオキシエチレンアクレレート、ポリオキシエチレンメタアクレレート等のポリオキシエチレン基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等の単量体単位などがあげられる。
重合体(B)の単量体組成は、用途、目的により選択されるが、例えば、強度を必要とする目的、用途では、ガラス転移温度が比較的高いものが望ましく、0℃以上、より好ましくは20℃以上のガラス転移温度を有する重合体(B)が得られる単量体組成を選択するのがよい。また、粘度、作業性等を重視する場合では逆にガラス転移温度が比較的低いものがよい。
重合体(B)成分の分子量は、GPCにおけるポリスチレン換算での数平均分子量が500〜100,000のものが使用可能である。重合体(B)の分子量が3,000以上の高分子量体では重合体(A)成分と重合体(B)成分との相溶性が低下する傾向にあるため、重合体(A)成分と重合体(B)成分との混合物は不透明化と高粘度体化の傾向がある。重合体(B)の分子量が5,000以上ではその傾向が強く顕在化し、重合体(B)の分子量が15,000以上ではさらにその傾向が強く顕在化する。しかしながら、本発明の方法で得られた硬化性樹脂組成物は重合体(B)の分子量が3,000以上であっても透明な組成物が得られるので、重合体(B)の分子量が3,000以上である場合には本発明の方法が特に好ましい。また、重合体(B)が炭素数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位と、炭素数7〜9のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位、とからなる重合体である場合は分子量が5,000以上ではその傾向が強く顕在化するので本発明の方法が特に好ましい。
重合体(B)は、通常のビニル重合の方法などによって得ることができる。重合反応は、例えば、有機重合体可塑剤(C)中に前記単量体およびラジカル開始剤や連鎖移動剤などを加えて50〜150℃で反応させることにより行うことができる。
前記ラジカル開始剤の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドなど、連鎖移動剤の例としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン類や含ハロゲン化合物などがあげられる。溶剤は必ずしも必要としないが、使用する場合は、例えばエーテル類、炭化水素類、エステル類のごとき非反応性の溶剤を使用するのが好ましい。
重合体(B)に反応性ケイ素基を導入する方法には種々の方法があるが、たとえば、
(i)連鎖移動剤として反応性ケイ素基を含有するメルカプタンの存在下、アクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、
(ii)連鎖移動剤としてメルカプト基と反応性官能基(ケイ素基以外、以下Y基という)を有する化合物(たとえばアクリル酸)の存在下、アクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体を重合させ、そののち生成した重合体を反応性ケイ素基およびY基と反応しうる官能基(以下Y’基という)を有する化合物(たとえばイソシアネート基と−Si(OCH3)3基を有する化合物)と反応させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、
(iii)反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物を開始剤としてアクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、
(iv)リビングラジカル重合法によってアクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、
(v)重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物をアクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体とを反応性ケイ素基が1分子あたり1個以上導入されるように単量体の使用比率、連鎖移動剤量、ラジカル開始剤量、重合温度等の重合条件を選定して共重合させる方法、などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
(i)記載の連鎖移動剤として使用する反応性ケイ素基を含有するメルカプタンとしては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等をあげることができる。
(ii)記載のY基およびY’基の例としては、種々の基の組み合わせがあるが、例えば、Y基としてアミノ基、水酸基、カルボン酸基を、Y’基としてイソシアネート基をあげることができる。また別の一例として、特開昭54−36395号公報や特開平01−272654号公報、特開平02−214759号公報に記載されているように、Y基としてはアリル基、Y’基としては水素化ケイ素基(H−Si)をあげることができる。この場合、VIII族遷移金属の存在下で、ヒドロシリル化反応によりY基とY’基は結合しうる。
(iii)記載の、反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物としては、特開昭60−23405号公報、特開昭62−70405号公報等に記載されている、アルコキシシリル基を含有するアゾビスニトリル化合物やアルコキシシリル基を含有するジスルフィド化合物を例としてあげることができる。
(iv)記載の方法としては、特開平09−272714号公報などに記載されている方法をあげることができる。
(v)記載の重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物としては、一般式(V):
(式中、R5は炭素数1〜6の2価のアルキレン基を示す。R2,R4,X,a,b,mは前記と同じ。)
または一般式(VI):
(式中R2,R4,X,a,b,mは前記と同じ。)
で表される単量体、たとえば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−メタクリロキシプロピルアルキルポリアルコキシシラン;γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−アクリロキシプロピルアルキルポリアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルキルポリアルコキシシランなどがあげられる。
アクリル系重合体(B)に含有される反応性ケイ素基の数は、アクリル系重合体(B)1分子中に平均して少なくとも1個以上あることが必要である。充分な硬化性を得る点からさらには1.1個以上、とくには1.5個以上が好ましい。また、結合位置は重合鎖の末端または側鎖であればよい。
アクリル系重合体(B)に含有される反応性ケイ素基の種類は、ケイ素上に1〜3個の反応性を有するケイ素基が使用可能である。
本発明の(B)成分が(A)成分のオキシプロピレン重合体との相溶性が不十分で透明性が低い場合には本発明の方法は透明性向上に好ましい効果を与える。
本発明における重合体(A)と、重合体(B)との重量比率(A)/(B)は、任意の広い範囲で製造が可能である。一般に(A)/(B)が比較的小さくなるに従い機械的強度や高耐候性が得られる。重合体(B)の分子量やガラス転移温度にもよるが、重合体(A)と重合体(B)との2成分混合物は(A)/(B)が1.5以下になると一般に粘度が高くなり、特に1.0以下では高粘度化傾向が顕著になるので取り扱いにくい。しかし本発明の方法を用いることによりそのような問題が解消できるので好ましい効果を与える。
また、本発明の方法によって得られたは硬化性樹脂組成物の硬化物の機械的特性は、従来の製造方法に比べ、低モジュラス高伸び特性を発現する。このような効果を発現する理由は明らかではないが、とりわけ低モジュラス高伸び特性が重要であるシーリング剤用途にとって好ましい効果である。
本発明においては有機重合体可塑剤(C)以外にも一般的な可塑剤を使用しうる。具体例としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートなどの非芳香族2塩基酸エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類などが挙げられる。フタル酸エステル系可塑剤が性能、経済性の点から好ましいが、フタル酸エステル系とりわけ汎用的なジ(2−エチルヘキシル)フタレートは安全衛生上の課題から使用が近年忌避される傾向にあり、安全衛生上の理由から低分子量タイプに替えて高分子量タイプの可塑剤を使用することが好ましい。高分子量タイプの可塑剤としては、たとえば2塩基酸と多価アルコールとのポリエステル類などのポリエステル系可塑剤;分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなりかつケイ素含有官能基を含有しない液状のアクリル樹脂系可塑剤;ポリプロピレングリコールやその誘導体などのポリエーテル系可塑剤;ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン系可塑剤などが挙げられる。具体的には、PPG3000(商品名:アクトコールP−23;三井武田ケミカル(株)製の分子量が約3000のポリエーテルポリオール)、エクセノール5030(旭硝子(株)製のMw約5100のポリエーテルポリオール)、両末端がアリルエーテル基で、Mn=5200、Mw/Mn=1.6のオキシプロピレン重合体、アクリル系オリゴマーであるSGO(ジョンソンポリマー、東亜合成(株)製)等が例示される。分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなりかつケイ素含有官能基を含有しない重合体は、反応性ケイ素基を含有する化合物を用いない以外はアクリル系重合体(B)と同様な方法によって容易に重合して得ることができる。アクリル樹脂系の可塑剤を用いた場合は、耐候性等の高耐久性が得られることから好ましく、中でもSGOオリゴマーは、分子量が比較的低く、低粘度で扱い易いことから特に好ましい。
本発明における可塑剤は、有機重合体可塑剤(C)の不足分を補う目的で使用するものであるので、使用してもよいし使用しなくてもよい。有機重合体可塑剤(C)及びそれ以外の可塑剤のトータルの使用量は、重合体(A)と重合体(B)の合計100重量部に対して0〜300重量部の範囲から選択可能であるが好ましくは0〜100重量部の範囲が好ましい。可塑剤は単独使用でもよいが、2種類以上を併用することも可能である。
本発明における有機重合体可塑剤(C)の主鎖構造は限定されないが、例えばオキシアルキレン系重合体、アクリル系重合体、炭化水素系重合体が挙げられる。用いる有機重合体可塑剤(C)の主鎖は用いる重合体(A)成分の主鎖構造と同じことが好ましい。すなわち、オキシアルキレン系重合体が好ましい。
オキシアルキレン系重合体の中では、オキシアルキレン系重合体(A)と本質的に主鎖構造が同じであるものが相溶性が良好になりやすいため好ましい。そして、本発明の重合体(A)としては、反応性ケイ素基含有オキシプロピレン系重合体が好ましいので、有機重合体可塑剤(C)としては、同じくオキシプロピレン系重合体可塑剤が好ましい。例えば、分子量500〜20000のPPG(ポリプロピレングリコール)またはPPT(ポリプロピレントリオール)が使用できる。分子量が5000以下のPPGまたはPPTは低粘度であるので重合体(B)重合後も取り扱い容易な粘度に収めることが容易である。この様なオキシプロピレン系重合体としてはPPG3000(商品名:アクトコールP−23;三井武田ケミカル(株)製の分子量が約3000のポリエーテルポリオール)、エクセノール5030(旭硝子(株)製のMw約5100のポリエーテルポリオール)、両末端がアリルエーテル基で、Mn=5200、Mw/Mn=1.6のオキシプロピレン重合体などが例示される。
本発明で得られる硬化性組成物には、必要に応じて、硬化促進触媒、充填剤、その他の添加剤などを加えて使用してもよい。
硬化促進触媒としては一般的なシラノール縮合触媒が使用できる。この様な硬化促進剤の例としては、有機スズ化合物、非有機のスズ化合物である金属スズの有機酸塩、もしくはアミン化合物との併用、非スズ化合物がある。有機スズ化合物を具体的に例示すれば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(アルキルマレエート)などのジブチル錫ジカルボキシレート類、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド、などのジアルキル錫のアルコキシド誘導体類、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫アセトアセテートなどのジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、ジブチル錫オキシドとエステル化合物による反応混合物、ジブチル錫オキシドとシリケート化合物による反応混合物、およびこれらジアルキル錫オキシド誘導体のオキシ誘導体などの4価ジアルキル錫オキシドの誘導体があげられるがこれらに限定されるものではない。非有機のスズ化合物を具体的に例示すれば、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸スズなどの2価錫カルボン酸塩類があげられる。これら2価錫カルボン酸塩類とアミンの併用系は、活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。非スズ系化合物の硬化促進触媒として、有機酸類、例えば有機カルボン酸、有機スルホン酸、酸性リン酸エステル類等があげられる。有機カルボン酸として、酢酸、シュウ酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、オクチル酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸があげられるが活性の点から、脂肪族カルボン酸が好ましい。有機スルホン酸として、トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等があげられる。酸性リン酸エステルとして以下に示すような有機酸性リン酸エステルがあげられる。有機酸性リン酸エステル化合物は相溶性、硬化触媒活性の点で好ましい。有機酸性リン酸エステル化合物としては、
(R−O)d−P(=O)(−OH)3−d
(式中dは1または2、Rは有機残基を示す)で表され、以下に、具体的に例示する。
(CH3O)2−P(=O)(−OH)、
(CH3O)−P(=O)(−OH)2、
(C2H5O)2−P(=O)(−OH)、
(C2H5O)−P(=O)(−OH)2、
(C3H7O)2−P(=O)(−OH)、
(C3H7O)−P(=O)(−OH)2、
(C4H9O)2−P(=O)(−OH)、
(C4H9O)−P(=O)(−OH)2、
(C8H17O)2−P(=O)(−OH)、
(C8H17O)−P(=O)(−OH)2、
(C10H21O)2−P(=O)(−OH)、
(C10H21O)−P(=O)(−OH)2、
(C13H27O)2−P(=O)(−OH)、
(C13H27O)−P(=O)(−OH)2、
(C16H33O)2−P(=O)(−OH)、
(C16H33O)−P(=O)(−OH)2、
(HO−C6H12O)2−P(=O)(−OH)、
(HO−C6H12O)−P(=O)(−OH)2、
(HO−C8H16O)−P(=O)(−OH)、
(HO−C8H16O)−P(=O)(−OH)2、
[(CH2OH)(CHOH)O]2−P(=O)(−OH)、
[(CH2OH)(CHOH)O]−P(=O)(−OH)2、
[(CH2OH)(CHOH)C2H4O]2−P(=O)(−OH)、
[(CH2OH)(CHOH)C2H4O]−P(=O)(−OH)2
などがあげられるが、上記例示物質に限定されるものではない。
これら有機酸類とアミンの併用系は、活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。有機酸とアミン併用系のなかでは、酸性リン酸エステルとアミン、有機カルボン酸とアミン、特に有機酸性リン酸エステルとアミン、脂肪族カルボン酸とアミンの併用系が活性がより高く、速硬化性の観点で好ましい。
アミン化合物としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等があげられる。
非スズ金属塩類も使用可能であり、オクチル酸やオレイン酸、ナフテン酸、ステアリン酸などをカルボン酸成分とするカルボン酸カルシウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸鉄、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ビスマス、ビスマス−トリス(2−エチルヘキソエート)、ビスマス−トリス(ネオデカノエート)等のビスマス塩、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニウム、カルボン酸ニッケルなどのカルボン酸金属塩類があげられる。前記アミン類との併用は、カルボン酸スズと同様、活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。
有機非スズの金属系化合物として、3B族、4A族金属を含有する有機金属化合物があげられ、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ホウ素化合物等が活性の点から好ましいがこれらに限定されるものではない。
前記有機チタネート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシルチタネート)、トリエタノールアミンチタネートなどのチタンアルコキシド類、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、オクチレングリコレート、チタンラクテートなどのチタンキレート類等のキレート化合物などがあげられる。
前記有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレートなどのアルミニウムアルコキシド類、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート類等があげられる。
前記ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムテトライソプロポキサイド、ジルコニウムテトラ−nプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレートなどのジルコニウムアルコキシド類、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテートなどのジルコニウムキレート類などがあげられる。
これら有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ホウ素化合物等は、それぞれ併用も可能であるが、特に、前記アミン化合物、又は、酸性リン酸エステル化合物との併用により、活性を高めることが可能であることから触媒の使用量を低減できる観点で好ましく、高温での硬化性と常温での可使時間の調整の観点でより望ましい。
これらの硬化促進剤の使用量は、通常、目的とする用途、性能に応じて選択すればよいが、重合体(A)と重合体(B)の合計量100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、さらにはコストの点から0.05〜5重量部がより好ましい。
本発明には、必要に応じて、充填剤、その他の添加剤などを加えて使用してもよい。 前記充填剤としては、たとえば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラックなどがあげられる。充填剤を用いる場合、その使用量は重合体(A)と重合体(B)の合計量100重量部に対して5〜300重量部の範囲が好ましく、機械的物性と粘度のバランスから10〜150重量部の範囲がより好ましい。前記その他の添加剤としては、たとえば水添ヒマシ油、有機ベントナイトなどのタレ防止剤、着色剤、老化防止剤、接着付与剤などが挙げられる。また、接着性、貯蔵安定性の改良のため、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤を1種または2種以上併用して配合することができる。また、これらをあらかじめ反応させて得た反応生成物も配合することができる。更に、必要に応じてエポキシ樹脂とその硬化剤、粘性改良剤、その他添加剤等を適宜配合し得る。その他の添加剤としては、例えば顔料、各種の老化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、大気中に暴露されると水分の作用により、三次元的に網状組織を形成し、ゴム状弾性を有する固体へと硬化する。本発明の硬化性組成物は弾性シーラントとして有用であり、建造物、船舶、自動車、道路などの密封剤として使用し得る。更に、単独あるいはプライマーの助けをかりてガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物などの如き広範囲の基質に密着し得るので、種々のタイプの密封組成物および接着組成物としても使用可能である。本発明の方法で得られる硬化性組成物は、とりわけ、高耐候性のシーリング剤、接着剤またはクリヤタイプのシーリング剤、接着剤、高強度タイプのシーリング剤、接着剤に有効に使用できる。
(式中、R1は炭素数1〜4の2価のアルキレン基)で表わされる繰り返し単位のものが使用できるが、入手容易の点からオキシプロピレン重合体が好ましい。このオキシプロピレン重合体は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、あるいは、これらの混合物であってもよい。また、他の単量体単位等が含まれていてもよいが、上記式に表わされる単量体単位が、重合体中に50重量%以上、好ましくは80重量%以上存在することが好ましい。
本発明の(A)成分であるシロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基(以下、反応性ケイ素基と称する場合もある)含有オキシアルキレン系重合体は、官能基を有するオキシアルキレン系重合体に反応性ケイ素基を導入することによって得るのが好ましい。
オキシアルキレン系重合体は、粘度、作業性および硬化物の伸びの観点から高分子量でかつ分子量分布(Mw/Mn)が小さいものが好ましい。具体的には、分子量は6,000以上が好ましく、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは15,000以上である。また、分子量分布(Mw/Mn)は、1.6以下が好ましく、より好ましくは1.5以下である。
このような分子量と分子量分布を有するオキシプロピレン系重合体は、苛性アルカリを用いるアニオン重合法やこの重合体の鎖延長反応方法によって得ることは困難であるが、例えばセシウム金属触媒や、特開昭61−197631号公報、特開昭61−215622号公報、特開昭61−215623号公報および特開昭61−218632号公報等に例示されるポルフィリン/アルミ錯体触媒、特公昭46−27250号公報及び特公昭59−15336号公報等に例示される複合金属シアン化錯体触媒、特開平10−273512に例示されるポリフォスファゼン塩からなる触媒を用いた方法等により得ることができる。これらの重合方法の中では特に、着色等の問題が少ないという実用上の理由から、開始剤の存在下、複合金属シアン化錯体を触媒としてアルキレンオキシドを重合させる方法が好ましい。なお、反応性ケイ素基含有オキシアルキレン系重合体の分子量分布は、対応する反応性ケイ素基導入前の重合体の分子量分布に依存するため、導入前の重合体の分子量分布はできるだけ狭いことが好ましい。
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行なえばよい。すなわち、例えば、以下の方法が挙げられる。なお、複合金属シアン化錯体触媒を用いて得られるオキシアルキレン系重合体の場合は例えば特開平3−72527号公報に、ポリフォスファゼン塩と活性水素を触媒として得られるオキシアルキレン系重合体の場合は例えば特開平11−60723号公報に記載されている。
(1)末端に水酸基等の官能基を有するオキシアルキレン系重合体と、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させるか、もしくは不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により、不飽和基含有オキシアルキレン系重合体を得る。次いで、得られた反応生成物に反応性ケイ素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)(1)法と同様にして得られた不飽和基含有オキシアルキレン系重合体にメルカプト基及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
(3)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基(以下、Y官能基という)を有するオキシアルキレン系重合体に、このY官能基に対して反応性を示す官能基(以下、Y′官能基という)及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
このY′官能基を有するケイ素化合物としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのようなアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのようなビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのようなイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、トリエトキシシランなどのようなハイドロシラン類などが具体的に例示されうるが、これらに限定されるものではない。
なお、本明細書でいう(A)成分の数平均分子量とは次の通りである。JISK1557の水酸基価の測定方法と、JISK0070のよう素価測定方法の原理に基づいた滴定分析により、直接的に末端基濃度を測定し、ポリエーテルオリゴマーの構造を考慮して求めた数平均分子量と定義している。また、数平均分子量の相対測定法として一般的なGPC測定により求めたポリスチレン換算分子量と上記末端基分子量の検量線を作成し、GPC分子量を末端基分子量に換算して求めることも可能である。Mw/MnはGPC測定により求めた。
本発明の(A)成分である反応性ケイ素基含有オキシアルキレン系重合体が有する反応性ケイ素基は、例えば一般式(II):
(式中、R2は異種もしくは同種の炭素数1〜24の置換もしくは非置換の1価の有機基またはトリオルガノシロキシ基から選ばれる基、Xは水酸基または異種もしくは同種の加水分解性基、aは0、1または2の整数、bは0、1、2または3の整数で(aの和)+b≧1を満足するものとする。mは0〜19の整数)で表される。
経済性等の点から好ましい反応性ケイ素基は、一般式(III):
(式中、R2、Xは前記に同じ、nは1、2、または3の整数)で表される基である。
式(II)における加水分解性基の具体例としては、例えばハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等があげられる。これらのうちでも加水分解性の緩やかさの点からメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。該加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(aの和)+bは1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
また式(II)におけるR2の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等があげられる。さらにR2はトリオルガノシロキシ基であってもよい。これらのうちではメチル基がとくに好ましい。
前記反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個程度あってもよい。
反応性ケイ素基のより具体的な例示としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、メチルジイソプロポキシシリル基が挙げられる。これらの中では、メチルジメトキシシリル基が、反応性、貯蔵安定性、硬化後の機械的特性等から特に好ましい。
本発明の(B)成分の重合体は、炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体であって、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が末端及び/または側鎖位置に結合しかつ1分子あたり少なくとも1個存在する重合体である。
この重合体における単量体単位である炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単位は、一般式(IV):
(式中R4は水素原子またはメチル基、R3は炭素数1〜24のアルキル基を示す)で表される。
前記一般式(IV)のR3としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ビフェニル基などの炭素数1〜24のアルキル基を挙げることができる。なお一般式(IV)の単量体単位で表されるモノマー種は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
アクリル酸アルキルエステル単量体としては、従来公知のものが広く使用でき、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸ビフェニル等を挙げることができる。またメタクリル酸エステル単量体単位としては、従来公知のものが広く使用でき、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ビフェニル等を挙げることができる。
重合体(B)の分子鎖は、実質的に1種または2種以上のアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキル単量体単位からなるが、ここでいう実質的に上記の単量体単位からなるとは、重合体(B)中に存在するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキル単量体単位の割合が50重量%を超えて、好ましくは70重量%以上であることを意味し、重合体(B)にはアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキル単量体単位の外に、これらと共重合性を有する単量体単位が含有されていてもよい。たとえばアクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;ポリオキシエチレンアクレレート、ポリオキシエチレンメタアクレレート等のポリオキシエチレン基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等の単量体単位などがあげられる。
重合体(B)の単量体組成は、用途、目的により選択されるが、例えば、強度を必要とする目的、用途では、ガラス転移温度が比較的高いものが望ましく、0℃以上、より好ましくは20℃以上のガラス転移温度を有する重合体(B)が得られる単量体組成を選択するのがよい。また、粘度、作業性等を重視する場合では逆にガラス転移温度が比較的低いものがよい。
重合体(B)成分の分子量は、GPCにおけるポリスチレン換算での数平均分子量が500〜100,000のものが使用可能である。重合体(B)の分子量が3,000以上の高分子量体では重合体(A)成分と重合体(B)成分との相溶性が低下する傾向にあるため、重合体(A)成分と重合体(B)成分との混合物は不透明化と高粘度体化の傾向がある。重合体(B)の分子量が5,000以上ではその傾向が強く顕在化し、重合体(B)の分子量が15,000以上ではさらにその傾向が強く顕在化する。しかしながら、本発明の方法で得られた硬化性樹脂組成物は重合体(B)の分子量が3,000以上であっても透明な組成物が得られるので、重合体(B)の分子量が3,000以上である場合には本発明の方法が特に好ましい。また、重合体(B)が炭素数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位と、炭素数7〜9のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位、とからなる重合体である場合は分子量が5,000以上ではその傾向が強く顕在化するので本発明の方法が特に好ましい。
重合体(B)は、通常のビニル重合の方法などによって得ることができる。重合反応は、例えば、有機重合体可塑剤(C)中に前記単量体およびラジカル開始剤や連鎖移動剤などを加えて50〜150℃で反応させることにより行うことができる。
前記ラジカル開始剤の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドなど、連鎖移動剤の例としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン類や含ハロゲン化合物などがあげられる。溶剤は必ずしも必要としないが、使用する場合は、例えばエーテル類、炭化水素類、エステル類のごとき非反応性の溶剤を使用するのが好ましい。
重合体(B)に反応性ケイ素基を導入する方法には種々の方法があるが、たとえば、
(i)連鎖移動剤として反応性ケイ素基を含有するメルカプタンの存在下、アクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、
(ii)連鎖移動剤としてメルカプト基と反応性官能基(ケイ素基以外、以下Y基という)を有する化合物(たとえばアクリル酸)の存在下、アクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体を重合させ、そののち生成した重合体を反応性ケイ素基およびY基と反応しうる官能基(以下Y’基という)を有する化合物(たとえばイソシアネート基と−Si(OCH3)3基を有する化合物)と反応させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、
(iii)反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物を開始剤としてアクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、
(iv)リビングラジカル重合法によってアクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、
(v)重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物をアクリル酸アルキルエステル単量体および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体とを反応性ケイ素基が1分子あたり1個以上導入されるように単量体の使用比率、連鎖移動剤量、ラジカル開始剤量、重合温度等の重合条件を選定して共重合させる方法、などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
(i)記載の連鎖移動剤として使用する反応性ケイ素基を含有するメルカプタンとしては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等をあげることができる。
(ii)記載のY基およびY’基の例としては、種々の基の組み合わせがあるが、例えば、Y基としてアミノ基、水酸基、カルボン酸基を、Y’基としてイソシアネート基をあげることができる。また別の一例として、特開昭54−36395号公報や特開平01−272654号公報、特開平02−214759号公報に記載されているように、Y基としてはアリル基、Y’基としては水素化ケイ素基(H−Si)をあげることができる。この場合、VIII族遷移金属の存在下で、ヒドロシリル化反応によりY基とY’基は結合しうる。
(iii)記載の、反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物としては、特開昭60−23405号公報、特開昭62−70405号公報等に記載されている、アルコキシシリル基を含有するアゾビスニトリル化合物やアルコキシシリル基を含有するジスルフィド化合物を例としてあげることができる。
(iv)記載の方法としては、特開平09−272714号公報などに記載されている方法をあげることができる。
(v)記載の重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物としては、一般式(V):
(式中、R5は炭素数1〜6の2価のアルキレン基を示す。R2,R4,X,a,b,mは前記と同じ。)
または一般式(VI):
(式中R2,R4,X,a,b,mは前記と同じ。)
で表される単量体、たとえば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−メタクリロキシプロピルアルキルポリアルコキシシラン;γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−アクリロキシプロピルアルキルポリアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルキルポリアルコキシシランなどがあげられる。
アクリル系重合体(B)に含有される反応性ケイ素基の数は、アクリル系重合体(B)1分子中に平均して少なくとも1個以上あることが必要である。充分な硬化性を得る点からさらには1.1個以上、とくには1.5個以上が好ましい。また、結合位置は重合鎖の末端または側鎖であればよい。
アクリル系重合体(B)に含有される反応性ケイ素基の種類は、ケイ素上に1〜3個の反応性を有するケイ素基が使用可能である。
本発明の(B)成分が(A)成分のオキシプロピレン重合体との相溶性が不十分で透明性が低い場合には本発明の方法は透明性向上に好ましい効果を与える。
本発明における重合体(A)と、重合体(B)との重量比率(A)/(B)は、任意の広い範囲で製造が可能である。一般に(A)/(B)が比較的小さくなるに従い機械的強度や高耐候性が得られる。重合体(B)の分子量やガラス転移温度にもよるが、重合体(A)と重合体(B)との2成分混合物は(A)/(B)が1.5以下になると一般に粘度が高くなり、特に1.0以下では高粘度化傾向が顕著になるので取り扱いにくい。しかし本発明の方法を用いることによりそのような問題が解消できるので好ましい効果を与える。
また、本発明の方法によって得られたは硬化性樹脂組成物の硬化物の機械的特性は、従来の製造方法に比べ、低モジュラス高伸び特性を発現する。このような効果を発現する理由は明らかではないが、とりわけ低モジュラス高伸び特性が重要であるシーリング剤用途にとって好ましい効果である。
本発明においては有機重合体可塑剤(C)以外にも一般的な可塑剤を使用しうる。具体例としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートなどの非芳香族2塩基酸エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類などが挙げられる。フタル酸エステル系可塑剤が性能、経済性の点から好ましいが、フタル酸エステル系とりわけ汎用的なジ(2−エチルヘキシル)フタレートは安全衛生上の課題から使用が近年忌避される傾向にあり、安全衛生上の理由から低分子量タイプに替えて高分子量タイプの可塑剤を使用することが好ましい。高分子量タイプの可塑剤としては、たとえば2塩基酸と多価アルコールとのポリエステル類などのポリエステル系可塑剤;分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなりかつケイ素含有官能基を含有しない液状のアクリル樹脂系可塑剤;ポリプロピレングリコールやその誘導体などのポリエーテル系可塑剤;ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン系可塑剤などが挙げられる。具体的には、PPG3000(商品名:アクトコールP−23;三井武田ケミカル(株)製の分子量が約3000のポリエーテルポリオール)、エクセノール5030(旭硝子(株)製のMw約5100のポリエーテルポリオール)、両末端がアリルエーテル基で、Mn=5200、Mw/Mn=1.6のオキシプロピレン重合体、アクリル系オリゴマーであるSGO(ジョンソンポリマー、東亜合成(株)製)等が例示される。分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなりかつケイ素含有官能基を含有しない重合体は、反応性ケイ素基を含有する化合物を用いない以外はアクリル系重合体(B)と同様な方法によって容易に重合して得ることができる。アクリル樹脂系の可塑剤を用いた場合は、耐候性等の高耐久性が得られることから好ましく、中でもSGOオリゴマーは、分子量が比較的低く、低粘度で扱い易いことから特に好ましい。
本発明における可塑剤は、有機重合体可塑剤(C)の不足分を補う目的で使用するものであるので、使用してもよいし使用しなくてもよい。有機重合体可塑剤(C)及びそれ以外の可塑剤のトータルの使用量は、重合体(A)と重合体(B)の合計100重量部に対して0〜300重量部の範囲から選択可能であるが好ましくは0〜100重量部の範囲が好ましい。可塑剤は単独使用でもよいが、2種類以上を併用することも可能である。
本発明における有機重合体可塑剤(C)の主鎖構造は限定されないが、例えばオキシアルキレン系重合体、アクリル系重合体、炭化水素系重合体が挙げられる。用いる有機重合体可塑剤(C)の主鎖は用いる重合体(A)成分の主鎖構造と同じことが好ましい。すなわち、オキシアルキレン系重合体が好ましい。
オキシアルキレン系重合体の中では、オキシアルキレン系重合体(A)と本質的に主鎖構造が同じであるものが相溶性が良好になりやすいため好ましい。そして、本発明の重合体(A)としては、反応性ケイ素基含有オキシプロピレン系重合体が好ましいので、有機重合体可塑剤(C)としては、同じくオキシプロピレン系重合体可塑剤が好ましい。例えば、分子量500〜20000のPPG(ポリプロピレングリコール)またはPPT(ポリプロピレントリオール)が使用できる。分子量が5000以下のPPGまたはPPTは低粘度であるので重合体(B)重合後も取り扱い容易な粘度に収めることが容易である。この様なオキシプロピレン系重合体としてはPPG3000(商品名:アクトコールP−23;三井武田ケミカル(株)製の分子量が約3000のポリエーテルポリオール)、エクセノール5030(旭硝子(株)製のMw約5100のポリエーテルポリオール)、両末端がアリルエーテル基で、Mn=5200、Mw/Mn=1.6のオキシプロピレン重合体などが例示される。
本発明で得られる硬化性組成物には、必要に応じて、硬化促進触媒、充填剤、その他の添加剤などを加えて使用してもよい。
硬化促進触媒としては一般的なシラノール縮合触媒が使用できる。この様な硬化促進剤の例としては、有機スズ化合物、非有機のスズ化合物である金属スズの有機酸塩、もしくはアミン化合物との併用、非スズ化合物がある。有機スズ化合物を具体的に例示すれば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(アルキルマレエート)などのジブチル錫ジカルボキシレート類、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド、などのジアルキル錫のアルコキシド誘導体類、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫アセトアセテートなどのジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、ジブチル錫オキシドとエステル化合物による反応混合物、ジブチル錫オキシドとシリケート化合物による反応混合物、およびこれらジアルキル錫オキシド誘導体のオキシ誘導体などの4価ジアルキル錫オキシドの誘導体があげられるがこれらに限定されるものではない。非有機のスズ化合物を具体的に例示すれば、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸スズなどの2価錫カルボン酸塩類があげられる。これら2価錫カルボン酸塩類とアミンの併用系は、活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。非スズ系化合物の硬化促進触媒として、有機酸類、例えば有機カルボン酸、有機スルホン酸、酸性リン酸エステル類等があげられる。有機カルボン酸として、酢酸、シュウ酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、オクチル酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸があげられるが活性の点から、脂肪族カルボン酸が好ましい。有機スルホン酸として、トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等があげられる。酸性リン酸エステルとして以下に示すような有機酸性リン酸エステルがあげられる。有機酸性リン酸エステル化合物は相溶性、硬化触媒活性の点で好ましい。有機酸性リン酸エステル化合物としては、
(R−O)d−P(=O)(−OH)3−d
(式中dは1または2、Rは有機残基を示す)で表され、以下に、具体的に例示する。
(CH3O)2−P(=O)(−OH)、
(CH3O)−P(=O)(−OH)2、
(C2H5O)2−P(=O)(−OH)、
(C2H5O)−P(=O)(−OH)2、
(C3H7O)2−P(=O)(−OH)、
(C3H7O)−P(=O)(−OH)2、
(C4H9O)2−P(=O)(−OH)、
(C4H9O)−P(=O)(−OH)2、
(C8H17O)2−P(=O)(−OH)、
(C8H17O)−P(=O)(−OH)2、
(C10H21O)2−P(=O)(−OH)、
(C10H21O)−P(=O)(−OH)2、
(C13H27O)2−P(=O)(−OH)、
(C13H27O)−P(=O)(−OH)2、
(C16H33O)2−P(=O)(−OH)、
(C16H33O)−P(=O)(−OH)2、
(HO−C6H12O)2−P(=O)(−OH)、
(HO−C6H12O)−P(=O)(−OH)2、
(HO−C8H16O)−P(=O)(−OH)、
(HO−C8H16O)−P(=O)(−OH)2、
[(CH2OH)(CHOH)O]2−P(=O)(−OH)、
[(CH2OH)(CHOH)O]−P(=O)(−OH)2、
[(CH2OH)(CHOH)C2H4O]2−P(=O)(−OH)、
[(CH2OH)(CHOH)C2H4O]−P(=O)(−OH)2
などがあげられるが、上記例示物質に限定されるものではない。
これら有機酸類とアミンの併用系は、活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。有機酸とアミン併用系のなかでは、酸性リン酸エステルとアミン、有機カルボン酸とアミン、特に有機酸性リン酸エステルとアミン、脂肪族カルボン酸とアミンの併用系が活性がより高く、速硬化性の観点で好ましい。
アミン化合物としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等があげられる。
非スズ金属塩類も使用可能であり、オクチル酸やオレイン酸、ナフテン酸、ステアリン酸などをカルボン酸成分とするカルボン酸カルシウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸鉄、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ビスマス、ビスマス−トリス(2−エチルヘキソエート)、ビスマス−トリス(ネオデカノエート)等のビスマス塩、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニウム、カルボン酸ニッケルなどのカルボン酸金属塩類があげられる。前記アミン類との併用は、カルボン酸スズと同様、活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好ましい。
有機非スズの金属系化合物として、3B族、4A族金属を含有する有機金属化合物があげられ、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ホウ素化合物等が活性の点から好ましいがこれらに限定されるものではない。
前記有機チタネート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシルチタネート)、トリエタノールアミンチタネートなどのチタンアルコキシド類、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、オクチレングリコレート、チタンラクテートなどのチタンキレート類等のキレート化合物などがあげられる。
前記有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレートなどのアルミニウムアルコキシド類、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート類等があげられる。
前記ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムテトライソプロポキサイド、ジルコニウムテトラ−nプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレートなどのジルコニウムアルコキシド類、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテートなどのジルコニウムキレート類などがあげられる。
これら有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ホウ素化合物等は、それぞれ併用も可能であるが、特に、前記アミン化合物、又は、酸性リン酸エステル化合物との併用により、活性を高めることが可能であることから触媒の使用量を低減できる観点で好ましく、高温での硬化性と常温での可使時間の調整の観点でより望ましい。
これらの硬化促進剤の使用量は、通常、目的とする用途、性能に応じて選択すればよいが、重合体(A)と重合体(B)の合計量100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、さらにはコストの点から0.05〜5重量部がより好ましい。
本発明には、必要に応じて、充填剤、その他の添加剤などを加えて使用してもよい。 前記充填剤としては、たとえば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラックなどがあげられる。充填剤を用いる場合、その使用量は重合体(A)と重合体(B)の合計量100重量部に対して5〜300重量部の範囲が好ましく、機械的物性と粘度のバランスから10〜150重量部の範囲がより好ましい。前記その他の添加剤としては、たとえば水添ヒマシ油、有機ベントナイトなどのタレ防止剤、着色剤、老化防止剤、接着付与剤などが挙げられる。また、接着性、貯蔵安定性の改良のため、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤を1種または2種以上併用して配合することができる。また、これらをあらかじめ反応させて得た反応生成物も配合することができる。更に、必要に応じてエポキシ樹脂とその硬化剤、粘性改良剤、その他添加剤等を適宜配合し得る。その他の添加剤としては、例えば顔料、各種の老化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、大気中に暴露されると水分の作用により、三次元的に網状組織を形成し、ゴム状弾性を有する固体へと硬化する。本発明の硬化性組成物は弾性シーラントとして有用であり、建造物、船舶、自動車、道路などの密封剤として使用し得る。更に、単独あるいはプライマーの助けをかりてガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物などの如き広範囲の基質に密着し得るので、種々のタイプの密封組成物および接着組成物としても使用可能である。本発明の方法で得られる硬化性組成物は、とりわけ、高耐候性のシーリング剤、接着剤またはクリヤタイプのシーリング剤、接着剤、高強度タイプのシーリング剤、接着剤に有効に使用できる。
本発明をより一層明らかにするために、以下具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
窒素雰囲気で105℃に加熱したPPG3000(商品名:アクトコールP−23;三井武田ケミカル(株)製の分子量が約3000のポリエーテルポリオール)183g中に、アクリル酸ブチル68.5g、メタクリル酸メチル14.5g、メタクリル酸ステアリル15g、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン2g、和光純薬製V−59 0.5gとトルエン15gとの溶液を4時間かけて滴下することにより、数平均分子量が約18,000のアクリル重合体を得た。不揮発性成分から得られた重合転化率は99%であった。(不揮発性成分測定条件:120℃×1時間)。次いで、減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去して無色透明の無溶剤ポリマー組成物(PPG3000:アクリル重合体=55:30重量比)を得た。23℃の粘度は30Pa・sであった。(ポリマー組成物A)
(実施例2)窒素雰囲気で105℃に加熱したPPG3000 183g中に、アクリル酸ブチル55.5g、アクリル酸2−エチルヘキシル25g、メタクリル酸メチル15g、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン4.5g、和光純薬製V−59 2.2gとトルエン15gとの溶液を4時間かけて滴下することにより、数平均分子量が約8,000のアクリル重合体を得た。不揮発性成分から得られた重合転化率は99%であった。(不揮発性成分測定条件:120℃×1時間)。次いで、減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去して無色透明の無溶剤ポリマー組成物(PPG3000:アクリル重合体=55:30重量比)を得た。23℃の粘度は2.1Pa・sであった。(ポリマー組成物B)
(合成例1) 分子量約2000のポリオキシプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、末端基分析による平均分子量20,000のポリオキシプロピレングリコールを得た。続いてこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次に、ヘキサンと水を加えて塩類を抽出除去し、ヘキサン溶液層からヘキサンを減圧脱揮して精製アリル末端ポリオキシプロピレンを得た。これに対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)30μlを加え、撹拌しながら、DMS(ジメトキシメチルシラン)をゆっくりと滴下し、90℃で2時間反応させて淡黄色透明の反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体の1H−NMR分析より、末端への反応性ケイ素基導入率は77%であることを確認した。得られたポリマーのMw/Mnは1.2であった。粘度は、23℃で45.0Pa・sであった。(ポリマーA)
(合成例2)
ポリプロピレングリコール(数平均分子量2,500)とポリプロピレントリオール(数平均分子量3,000)の混合物を出発原料とし、ナトリウムメトキシドで処理した後、塩化メチレンを使用して分子量ジャンプ反応を行ったのち、塩化アリルを反応させ、末端水酸基を不飽和基に変換した。このアリル基末端ポリオキシアルキレンに、塩化白金酸のイソプロパノール溶液存在下、アリル基の数に対し等モルのメチルジメトキシシランを反応させ、黄色透明な液状のポリマーを得た。得られた重合体のIR分析と1H−NMR分析より、末端のアリル基が消失し、かつ反応性ケイ素基が導入されていることを確認した。得られたポリマーのMw/Mnは2.3、粘度は、23℃で20Pa・sであった。(ポリマーB)
(比較合成例1)実施例1におけるPPG3000の183g使用に代えて、トルエン60gを用いた以外は実施例1と同様に重合を行うことにより、数平均分子量が約18,000のアクリル重合体(ポリマーC)のトルエン溶液を得た。この溶液に、ポリマーAを、ポリマーAとアクリル重合体(ポリマーC)の重量比が70:30になるように溶解し、次いで減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去して淡黄色透明な無溶剤ポリマー組成物を得た(ポリマー組成物C)。ポリマー組成物Cの23℃における粘度は70Pa・sであった。
(比較合成例2)実施例2におけるPPG3000の183g使用に代えて、トルエン60gを用いた以外は実施例2と同様に重合を行うことにより、数平均分子量が約8,000のアクリル重合体(ポリマーD)のトルエン溶液を得た。この溶液に、ポリマーBを、ポリマーBとアクリル重合体(ポリマーD)の重量比が70:30になるように溶解し、次いで減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去したところ不透明な無溶剤ポリマー組成物を得た。23℃の粘度は27Pa・sであった。(ポリマー組成物D)。
(実施例3)合成例1で得られたポリマーA 70重量部に対して、実施例1で得たポリマー組成物A 85重量部を混合したところ透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。次いで、炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:白艶華 CCR)120重量部、酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:タイペーク R−820)20重量部、チクソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン6500)2重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン327)1重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(三共(株)製、商品名:サノールLS770)1重量部を計量、混合して充分混練りした後、小型3本ペイントロールに3回通した。この後、ビニルトリメトキシシラン2重量部、アミノシラン化合物(日本ユニカー(株)製、商品名:A−1120)3重量部、硬化促進剤(日東化成(株)製、商品名:ネオスタン U−220)2重量部を加えて混練し、厚さ3mmのシート状にして23℃3日+50℃4日養生した後、引張試験用ダンベル(JIS 3号形)を作製した。
(実施例4)実施例3における、合成例1のポリマーAの70重量部および実施例1のポリマー組成物Aの85重量部使用に代えて、合成例2のポリマーB 70重量部と実施例2のポリマー組成物B 85重量部を用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。それ以外は実施例3と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
(比較例1)実施例3における、合成例1のポリマーAの70重量部および実施例1のポリマー組成物Aの85重量部使用に代えて、比較合成例1で得たポリマー組成物C 100重量部と、有機重合体可塑剤(C)としてPPG3000 55重量部を用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は粘度が高いので良好ではなかった。それ以外は実施例3と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
(比較例2)比較例1におけるポリマー組成物Cのかわりに、比較合成例2で得たポリマー組成物Dを用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。それ以外は比較例1と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
(比較例3)比較合成例1のアクリル重合体(ポリマーC)のトルエン溶液に、有機重合体可塑剤(C)としてPPG3000を、PPG3000とアクリル重合体(ポリマーC)の重量比が55:30になるように溶解し、次いで減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去して無溶剤のポリマー組成物を得た(ポリマー組成物E)。次いで、実施例3におけるポリマー組成物Aのかわりに、ポリマー組成物Eを用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。それ以外は実施例3と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
(比較例4)比較合成例2のアクリル重合体(ポリマーD)のトルエン溶液に、有機重合体可塑剤(C)としてPPG3000を、PPG3000とアクリル重合体(ポリマーD)の重量比が55:30になるように溶解し、次いで減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去して無溶剤のポリマー組成物を得た(ポリマー組成物F)。次いで、比較例3におけるポリマー組成物Eのかわりに、ポリマー組成物Fを用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。それ以外は比較例3と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
(実施例2)窒素雰囲気で105℃に加熱したPPG3000 183g中に、アクリル酸ブチル55.5g、アクリル酸2−エチルヘキシル25g、メタクリル酸メチル15g、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン4.5g、和光純薬製V−59 2.2gとトルエン15gとの溶液を4時間かけて滴下することにより、数平均分子量が約8,000のアクリル重合体を得た。不揮発性成分から得られた重合転化率は99%であった。(不揮発性成分測定条件:120℃×1時間)。次いで、減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去して無色透明の無溶剤ポリマー組成物(PPG3000:アクリル重合体=55:30重量比)を得た。23℃の粘度は2.1Pa・sであった。(ポリマー組成物B)
(合成例1) 分子量約2000のポリオキシプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、末端基分析による平均分子量20,000のポリオキシプロピレングリコールを得た。続いてこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次に、ヘキサンと水を加えて塩類を抽出除去し、ヘキサン溶液層からヘキサンを減圧脱揮して精製アリル末端ポリオキシプロピレンを得た。これに対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)30μlを加え、撹拌しながら、DMS(ジメトキシメチルシラン)をゆっくりと滴下し、90℃で2時間反応させて淡黄色透明の反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体の1H−NMR分析より、末端への反応性ケイ素基導入率は77%であることを確認した。得られたポリマーのMw/Mnは1.2であった。粘度は、23℃で45.0Pa・sであった。(ポリマーA)
(合成例2)
ポリプロピレングリコール(数平均分子量2,500)とポリプロピレントリオール(数平均分子量3,000)の混合物を出発原料とし、ナトリウムメトキシドで処理した後、塩化メチレンを使用して分子量ジャンプ反応を行ったのち、塩化アリルを反応させ、末端水酸基を不飽和基に変換した。このアリル基末端ポリオキシアルキレンに、塩化白金酸のイソプロパノール溶液存在下、アリル基の数に対し等モルのメチルジメトキシシランを反応させ、黄色透明な液状のポリマーを得た。得られた重合体のIR分析と1H−NMR分析より、末端のアリル基が消失し、かつ反応性ケイ素基が導入されていることを確認した。得られたポリマーのMw/Mnは2.3、粘度は、23℃で20Pa・sであった。(ポリマーB)
(比較合成例1)実施例1におけるPPG3000の183g使用に代えて、トルエン60gを用いた以外は実施例1と同様に重合を行うことにより、数平均分子量が約18,000のアクリル重合体(ポリマーC)のトルエン溶液を得た。この溶液に、ポリマーAを、ポリマーAとアクリル重合体(ポリマーC)の重量比が70:30になるように溶解し、次いで減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去して淡黄色透明な無溶剤ポリマー組成物を得た(ポリマー組成物C)。ポリマー組成物Cの23℃における粘度は70Pa・sであった。
(比較合成例2)実施例2におけるPPG3000の183g使用に代えて、トルエン60gを用いた以外は実施例2と同様に重合を行うことにより、数平均分子量が約8,000のアクリル重合体(ポリマーD)のトルエン溶液を得た。この溶液に、ポリマーBを、ポリマーBとアクリル重合体(ポリマーD)の重量比が70:30になるように溶解し、次いで減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去したところ不透明な無溶剤ポリマー組成物を得た。23℃の粘度は27Pa・sであった。(ポリマー組成物D)。
(実施例3)合成例1で得られたポリマーA 70重量部に対して、実施例1で得たポリマー組成物A 85重量部を混合したところ透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。次いで、炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:白艶華 CCR)120重量部、酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:タイペーク R−820)20重量部、チクソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン6500)2重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン327)1重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(三共(株)製、商品名:サノールLS770)1重量部を計量、混合して充分混練りした後、小型3本ペイントロールに3回通した。この後、ビニルトリメトキシシラン2重量部、アミノシラン化合物(日本ユニカー(株)製、商品名:A−1120)3重量部、硬化促進剤(日東化成(株)製、商品名:ネオスタン U−220)2重量部を加えて混練し、厚さ3mmのシート状にして23℃3日+50℃4日養生した後、引張試験用ダンベル(JIS 3号形)を作製した。
(実施例4)実施例3における、合成例1のポリマーAの70重量部および実施例1のポリマー組成物Aの85重量部使用に代えて、合成例2のポリマーB 70重量部と実施例2のポリマー組成物B 85重量部を用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。それ以外は実施例3と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
(比較例1)実施例3における、合成例1のポリマーAの70重量部および実施例1のポリマー組成物Aの85重量部使用に代えて、比較合成例1で得たポリマー組成物C 100重量部と、有機重合体可塑剤(C)としてPPG3000 55重量部を用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は粘度が高いので良好ではなかった。それ以外は実施例3と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
(比較例2)比較例1におけるポリマー組成物Cのかわりに、比較合成例2で得たポリマー組成物Dを用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。それ以外は比較例1と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
(比較例3)比較合成例1のアクリル重合体(ポリマーC)のトルエン溶液に、有機重合体可塑剤(C)としてPPG3000を、PPG3000とアクリル重合体(ポリマーC)の重量比が55:30になるように溶解し、次いで減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去して無溶剤のポリマー組成物を得た(ポリマー組成物E)。次いで、実施例3におけるポリマー組成物Aのかわりに、ポリマー組成物Eを用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。それ以外は実施例3と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
(比較例4)比較合成例2のアクリル重合体(ポリマーD)のトルエン溶液に、有機重合体可塑剤(C)としてPPG3000を、PPG3000とアクリル重合体(ポリマーD)の重量比が55:30になるように溶解し、次いで減圧脱揮(120℃×2時間)して完全に溶剤を留去して無溶剤のポリマー組成物を得た(ポリマー組成物F)。次いで、比較例3におけるポリマー組成物Eのかわりに、ポリマー組成物Fを用いたところ混合物は透明であった。混合時の取り扱い作業性は低粘度で良好であった。それ以外は比較例3と同様にして引張試験用ダンベルを作製した。
本発明の方法は、取り扱い作業性、透明性、耐候性に優れ、かつ柔軟で伸び特性に優れる硬化性樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
Claims (11)
- シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するオキシアルキレン系重合体(A)と、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖が実質的に炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体(B)を含む硬化性樹脂組成物の製造方法において、前記重合体(B)となる前記単量体を有機重合体可塑剤(C)中で重合して得た反応混合物を、前記オキシアルキレン系重合体(A)に混合することによって得ることを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 有機重合体可塑剤(C)の主鎖構造が、オキシアルキレン系重合体である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物の製造方法。
- オキシアルキレン系重合体(A)と有機重合体可塑剤(C)が本質的に主鎖構造が同じである請求項2に記載の硬化性樹脂組成物の製造方法。
- オキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量が6,000以上であって、Mw/Mnが1.6以下である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の製造方法。
- オキシアルキレン系重合体(A)の主鎖が開始剤の存在下、複合金属シアン化錯体を触媒としてアルキレンオキシドを重合させて得られる主鎖構造である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 重合体(B)の数平均分子量が3,000以上である請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 重合体(B)が(1)炭素数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位と、(2)炭素数7〜9のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および(または)メタアクリル酸アルキルエステル単量体単位、とからなる共重合体である請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物の製造方法。
- シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖が実質的に炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルおよび(または)メタアクリル酸アルキルエステルからなる単量体を重合して得た重合体(B)を含有する反応混合物であり、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するオキシアルキレン系重合体(A)混合用である樹脂組成物。
- 有機重合体可塑剤(C)の主鎖構造が、オキシアルキレン系重合体である、請求項8に記載のオキシアルキレン系重合体(A)混合用樹脂組成物。
- オキシアルキレン系重合体(A)と有機重合体可塑剤(C)が本質的に主鎖構造が同じである請求項9に記載のオキシアルキレン系重合体(A)混合用樹脂組成物。
- シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖が実質的に炭素数1〜24のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルおよび(または)メタアクリル酸アルキルエステルからなる単量体を重合して得た重合体(B)を含有する反応混合物と、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するオキシアルキレン系重合体(A)とを混合してなる硬化性樹脂組成物。
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