JP4177016B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室温硬化性樹脂組成物に関する。とりわけ、コンタクト接着性に優れたアクリル・変成シリコーン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基(水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基であって、シロキサン結合を形成し得る基)、特にメチルジメトキシシリル基を有するオキシアルキレン系重合体をベースにした室温硬化性樹脂組成物は、例えば建築物のシーラントや無溶剤型接着剤等に利用でき、安価で優れた性能を有している。さらに上記オキシアルキレン系重合体に反応性ケイ素基を有するアクリル系コポリマーを組み合わせた、所謂アクリル・変成シリコーン系樹脂組成物も高耐候性シーリング材用ベースポリマー、1液型または2液型の常温硬化性無溶剤型接着剤用ベースポリマーとして広く市販されている。
【0003】
市販のアクリル・変成シリコーンは、上記アクリル系コポリマーを含まない市販の変成シリコーン(メチルジメトキシシリル型変成シリコーン)に比べて、初期タックに優れ、各種被着体に対する接着性、耐候性に優れた特徴を有し、接着機能及び貯蔵安定性に優れた接着剤ベースポリマーとして広く使用されているものの、溶剤型クロロプレンゴム系接着剤に比較するとコンタクト性の発現速度、コンタクト性発現強度、コンタクト性発現保持時間等の所謂コンタクト性において解決すべき技術的課題が残されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コンタクト性の発現速度、コンタクト性発現強度、コンタクト性発現保持時間等の所謂コンタクト性に優れ、接着性に優れるアクリル・変成シリコーン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明者らは、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体とシロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体について鋭意研究を重ねた結果、コンタクト性の発現速度、コンタクト性発現強度、コンタクト性発現保持時間等の所謂コンタクト性に優れ、最終接着強度に優れる、産業上有用なアクリル・変成シリコーン系樹脂組成物を見い出し、本発明に到達した。
【0006】
即ち、本発明の第1は、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、およびシロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体であって、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体の末端にのみ、かつ重合体1分子あたり1個存在する重合体(B)を含むコンタクト接着剤用硬化性組成物に関する。
【0007】
好ましい実施態様は、前記ポリオキシアルキレン系重合体(A)は、分子中に以下に示す一般式(α):
−O−CH −CH −CH −(SiR 2−b O) −SiR 3−a (α)
(式中、R およびR は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR SiO−(R は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R またはR が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。bは0、1または2を、aは0、1、2または3を、それぞれ示す。またm個の一般式(2):
−SiR 2−b O− (2)
で表される基におけるbは同一である必要はない。mは0〜19の整数を示す。但し、(bの和)+a≧1を満足するものとする。)で表される構造部分を有するものである前記のコンタクト接着剤用硬化性組成物に関する。更に好ましい実施態様としては、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有する重合体(B)が、ジアルコキシシリル基を含有する重合体とトリアルコキシシリル基を含有する重合体の混合物である前記いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物に関する。
【0009】
本発明の第3は、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体であって、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体の末端にのみ、かつ重合体1分子あたり1個存在する重合体(B)、および1分子中に2個の官能基を有する低分子量シリコン化合物(D)を含むコンタクト接着剤用硬化性組成物に関する。
【0010】
好ましい実施態様は、低分子量シリコン化合物(D)がジフェニルジメトキシシランである前記のコンタクト接着剤用硬化性組成物に関する。
【0012】
更に好ましい実施態様としては、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体(B)のアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位が、(a)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位と(b)炭素数9以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位である前記いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物に関する。
【0013】
更に好ましい実施態様としては、(A)成分であるオキシアルキレン系重合体の数平均分子量が10,000以上50,000以下であることを特徴とする前記いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物に関する。
【0014】
更に好ましい実施態様としては、(A)成分であるオキシアルキレン系重合体のMw/Mnが1.6以下であることを特徴とする前記いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物に関する。
【0016】
更に好ましい実施態様としては、(A)成分であるオキシアルキレン系重合体の反応性ケイ素基が、メチルジメトキシシリル基および/またはトリメトキシシリル基であることを特徴とする前記いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)成分であるポリオキシアルキレン系重合体における重合体主鎖を構成する単位としては、一般式:
−R−O−
(式中、Rは炭素数1〜4の2価のアルキレン基)で表わされるものが使用できるが、入手容易の点からポリオキシプロピレン系重合体が好ましい。このポリオキシプロピレン系重合体は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、あるいは、これらの混合物であってもよい。また、他の単量体単位等が含まれていてもよいが、上記式で表わされる単位が、重合体中に50重量%以上、好ましくは80重量%以上存在することが好ましい。
【0018】
本発明の(A)成分である反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体は、官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に反応性ケイ素基を導入することによって得るのが好ましい。
【0019】
本発明の(A)成分である反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の分子構造は、使用用途や目的とする特性により相違し、特開昭63−112642号や特願平11−000644号に記載の方法等が使用できる。
【0020】
コンタクト性、最終接着性、並びに粘度、作業性の観点から、高分子量でかつMw/Mn(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比)が小さく、官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体がより好ましい。このようなポリオキシアルキレン系重合体は、通常の重合方法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)やこの重合体の鎖延長反応方法によって得ることは困難であるが、例えばセシウム金属触媒、特開昭61−197631号、特開昭61−215622号、特開昭61−215623号および特開昭61−218632号等に例示されるポルフィリン/アルミ錯体触媒、特公昭46−27250号及び特公昭59−15336号等に例示される複合金属シアン化物錯体触媒、特開平10−273512号に例示されるポリフォスファゼン塩からなる触媒を用いた方法等により得ることができる。実用上、複合金属シアン化物錯体触媒を用いる方法が好ましい。なお、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の分子量分布は、対応する反応性ケイ素基導入前の重合体の分子量分布に依存するため、反応性ケイ素基導入前の重合体の分子量分布はできるだけ狭いことが好ましい。
【0021】
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体中に含有される反応性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。代表例としては、一般式(1):
−(SiR1 2-bbO)m−SiR2 3-aa (1)
(式中、R1およびR2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR3 3SiO−(R3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR3は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。bは0、1または2を、 aは0、1、2または3を、それぞれ示す。またm個の一般式(2):
−SiR1 2-bbO− (2)
で表される基におけるbは同一である必要はない。mは0〜19の整数を示す。但し、(bの和)+a≧1を満足するものとする。)
上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
【0022】
該加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(bの和)+aは1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0023】
前記反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個程度あってもよい。
【0024】
なお、一般式(3):
−SiR2 3-aa (3)
(式中、R2,X,aは前記と同じ)で表わされる反応性ケイ素基が、入手が容易である点から好ましい。
【0025】
また上記一般式(1)、(2)、(3)におけるR1およびR2の具体例としては、たとえばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R3がメチル基、フェニル基等であるR3 3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等があげられる。これらの中ではメチル基が特に好ましい。
【0026】
反応性ケイ素基のより具体的な例示としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基が挙げられる。
【0027】
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行なえばよい。すなわち、例えば、以下の方法が挙げられる。例えば複合金属シアン化物錯体触媒を用いて得られるポリオキシアルキレン系重合体の場合は特開平3−72527号に、ポリフォスファゼン塩と活性水素を触媒として得られるポリオキシアルキレン系重合体の場合は特開平11−60723号に記載されている。
【0028】
(1)末端に水酸基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体と、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させるか、もしくは不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体を得る。次いで、得られた反応生成物に反応性ケイ素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
【0029】
(2)(1)法と同様にして得られた不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体にメルカプト基及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
【0030】
(3)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基(以下、Y官能基という)を有するポリオキシアルキレン系重合体に、このY官能基に対して反応性を示す官能基(以下、Y′官能基という)及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
【0031】
このY′官能基を有するケイ素化合物としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのようなアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのようなビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのようなイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、トリエトキシシランなどのようなハイドロシラン類などが具体的に例示されうるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
本発明の(A)成分であるポリオキシアルキレン系重合体は、接着特性からは、数平均分子量6,000以上60,000以下が好ましく、10,000以上50,000以下がさらに好ましい。また、作業性からはMw/Mnが小さい方が望ましく、好ましくは1.6以下であり、さらに好ましくは1.5以下である。
【0033】
本発明におけるアクリル系重合体成分(B)は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位とからなる重合体であり、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体の末端にのみ結合しかつ1分子あたり1個存在することが望ましい。
【0034】
(B)成分の分子鎖は、実質的に(a)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位と(b)炭素数9以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位とからなるアクリル系共重合体であることが、(A)成分との相溶性、透明性の観点で優れているので好ましい。
【0035】
上記共重合体における単量体単位(a)である炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位は、一般式(4):
CH2=C(R4)COOR5 (4)
(式中、R4は水素原子またはメチル基、R5は炭素数1から8のアルキル基を示す)で表される。
【0036】
前記一般式(4)のR5としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基などの炭素数1〜8、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基を挙げることができる。なお一般式(4)で表される単量体は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
【0037】
また、前記単量体単位(b)である炭素数9以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位は、一般式(5):
CH2=C(R4)COOR6 (5)
(式中、R4は前記に同じ。R6は炭素数9以上のアルキル基を示す)で表される。
【0038】
前記一般式(5)のR6としては、たとえばノニル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、炭素数22のアルキル基、ビフェニル基などの炭素数9以上、通常は9〜30、好ましくは10〜20の長鎖アルキル基が挙げられる。なお一般式(5)で示される単量体は1種類でもよく、例えば炭素数12と13との混合物のように、2種以上混合して用いてもよい。
【0039】
また(a)の単量体単位と(b)の単量体単位の割合は、重量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。前記割合が95:5より大きくなると(A)成分との相溶性が低下し白濁する傾向が生じるとともに接着特性も低下しがちになる。40:60より小さくなるとコスト的に不利になりがちになる。
【0040】
本発明に用いる(B)成分である、分子鎖が実質的に1種または2種以上のアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体におけるアクリル酸アルキルエステル単量体単位としては、従来公知のものが広く使用でき、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ミリスチル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸ビフェニル等を挙げることができる。またメタクリル酸エステル単量体単位としては、従来公知のものが広く使用でき、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ビフェニル等を挙げることができる。
【0041】
重合体(B)の分子鎖は、実質的に1種または2種以上のアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなるが、ここでいう実質的に上記の単量体単位からなるとは、重合体(B)中に存在するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位の割合が50重量%を超えること、好ましくは70重量%以上であることを意味し、共重合体(B)にはアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位の外に、これらと共重合性を有する単量体単位が含有されていてもよい。たとえばアクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸基、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;ポリオキシエチレンアクリレート、ポリオキシエチレンメタクリレート等は、湿分硬化性、内部硬化性の点で共重合効果が期待できる。;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位などがあげられる。
【0042】
本発明における重合体(B)の単量体組成は、用途、目的により選択するのが当業者の間では一般的であるが、例えば、強度を必要とする目的、用途では、ガラス転移温度が比較的高いものが望ましく、0℃以上、より好ましくは20℃以上のガラス転移温度を有するものがよい。また、粘度、作業性等を重視する場合では逆にガラス転移温度が比較的低いものがよい。
【0043】
重合体(B)成分の分子量には特に制限はないが、GPCにおけるポリスチレン換算での数平均分子量が500から100,000であるものが重合時の難易度、相溶性、取り扱い粘度の点から好ましい。さらには1,000〜30,000のものが強度、粘度のバランスより好ましく、1,500〜20,000のものが、作業性等取り扱いの容易さと接着性などの点から、特に好ましい。
【0044】
重合体(B)は、制御されたビニル重合の方法などによって得ることができる。たとえば、連鎖移動剤法、リビングラジカル重合法等によって、溶液重合法や塊重合法などを行い得ることができるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。連鎖移動剤法は、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこなうことにより末端に官能基を有するケイ素含有官能基重合体が得られる。リビングラジカル重合法は、重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる。連鎖移動剤法は、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないが、リビングラジカル重合法は、停止反応が起こりにくいため分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)、粘度が低い重合体を得ることができ、特定の官能基を有する単量体を重合体のほぼ任意の位置に導入することができるので好ましい。反応は、通常前記単量体およびラジカル開始剤や連鎖移動剤、溶剤などを加えて50〜150℃で反応させることにより行われる。
【0045】
前記ラジカル開始剤の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドなど、連鎖移動剤の例としては、n−ドデシルメルカプタン,t−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン類や含ハロゲン化合物などがあげられる。溶剤としては、たとえばエーテル類、炭化水素類、エステル類のごとき非反応性の溶剤を使用するのが好ましい。
【0046】
重合体(B)に反応性ケイ素基を導入する方法には種々の方法があるが、たとえば、(i)連鎖移動剤として反応性ケイ素基を含有するメルカプタンの存在下、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、(ii)連鎖移動剤としてメルカプト基と反応性官能基(ケイ素基以外、以下Y基という)を有する化合物(たとえばアクリル酸)の存在下、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を重合させ、そののち生成した共重合体を反応性ケイ素基およびY基と反応しうる官能基(以下Y’基という)を有する化合物(たとえばイソシアネート基と−Si(OCH33基を有する化合物)と反応させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、(iii)反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物を開始剤としてアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、(iv)リビングラジカル重合法によってアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、(v)重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物をアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位とを反応性ケイ素基が1分子あたり1個導入されるように単量体単位の使用比率、連鎖移動剤量、ラジカル開始剤量、重合温度等の重合条件を選定して共重合させる方法、などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0047】
(i)記載の連鎖移動剤として使用する反応性ケイ素基を含有するメルカプタンとしては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等をあげることができる。
【0048】
(ii)記載のY基およびY’基の例としては、種々の基の組み合わせがあるが、例えば、Y基としてアミノ基、水酸基、カルボン酸基を、Y’基としてイソシアネート基をあげることができる。また別の一例として、特開昭54−36395号公報や特開平01−272654号公報、特開平02−214759号公報に記載されているように、Y基としてはアリル基、Y’基としては水素化ケイ素基(H−Si)をあげることができる。この場合、VIII族遷移金属の存在下で、ヒドロシリル化反応によりY基とY’基は結合しうる。
【0049】
(iii)記載の、反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物としては、特開昭60−23405号公報、特開昭62−70405号公報等に記載されている、アルコキシシリル基を含有するアゾビスニトリル化合物やアルコキシシリル基を含有するジスルフィド化合物を例としてあげることができる。
【0050】
(iv)記載の方法としては、特開平09−272714号公報などに記載されている方法をあげることができる。
【0051】
(v)記載の重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物としては、一般式(6):
CH2=C(R4)COOR7−[Si(R1 2-b)(Xb)O]mSi(R2 3-a)Xa(6)
(式中、R4は前記に同じ。R7は炭素数1〜6の2価のアルキレン基を示す。R1,R2,X,a,b,mは前記と同じ。)
または一般式(7):
CH2=C(R4)−[Si(R1 2-b)(Xb)O]mSi(R2 3-a)Xa (7)
(式中、R4,R1,R2,X, a,b,mは前記と同じ。)で表される単量体、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−メタクリロキシプロピルアルキルポリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のγ−アクリロキシプロピルアルキルポリアルコキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルキルポリアルコキシシランなどがあげられる。
【0052】
本発明におけるアクリル系重合体(B)に含有される反応性ケイ素基の数は、アクリル系重合体(B)1分子中に1個であることが必要である。また、結合位置は重合鎖の末端に1分子あたり1個を有していることがコンタクト性、最終接着強度の観点からさらに好ましい。その理由から、重合体(B)に反応性ケイ素基を導入する方法は前記の(i)〜(iv)が好ましい。また、中でも製造が容易である理由で(i)の方法がより好ましい。
【0053】
アクリル系重合体(B)に含有される反応性ケイ素基の種類は、ケイ素上に1〜3個の反応性基を有するケイ素基が使用可能であるが、コンタクト性から、反応性基が2個結合したケイ素基を保有するアクリル系重合体と反応性基が3個結合したケイ素基を保有するアクリル系重合体を併用するのがさらに好ましい。このような具体例としては、ジアルコキシシリル基を保有するアクリル系重合体とトリアルコキシシリル基を保有するアクリル系重合体の混合物等が例示される。反応性基が2個結合したケイ素基を保有するアクリル系重合体/反応性基が3個結合したケイ素基を保有するアクリル系重合体の併用比率は、任意の割合で使用できるが、1/0〜1/2の範囲で使用されるのが好ましい。
【0054】
本発明の組成物におけるポリオキシアルキレン系重合体(A)とアクリル系重合体(B)との使用割合は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対してアクリル系重合体(B)3〜300重量部の範囲から選択可能であるが、好ましくは15〜100重量部の範囲がコンタクト性、最終接着強度の観点から好ましい。通常、目的とする用途、性能に応じて選択されることは、当業者の間では良く知られている。
【0055】
本発明に用いる(C)成分である分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなりかつケイ素含有官能基を含有しない重合体は、反応性ケイ素基を含有する化合物を合成に用いない以外はアクリル系重合体(B)と同様な方法によって容易に得ることができる。本発明の組成物におけるポリオキシアルキレン系重合体(A)とアクリル系重合体(C)との使用割合は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対してアクリル系重合体(C)3〜300重量部の範囲から選択可能であるが、好ましくは15〜100重量部の範囲がコンタクト性、最終接着強度の観点から好ましい。またアクリル系重合体(B)/アクリル系重合体(C)の併用割合は、コンタクト性の点から、1/0〜1/4の範囲が好ましい。
【0056】
本発明に用いる(D)成分である、1分子中に2個の官能基を有する低分子量シリコン化合物は、本発明の硬化性組成物に添加することによりコンタクト性が向上する効果を有する。前記(D)成分における官能基とは、例えば、メトキシ基が挙げられる。このような化合物としては、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン等が例示されるが、コンタクト性の発現速度の点から、ジフェニルジメトキシシランが特に好ましい。(D)成分の添加量は、コンタクト性の発現速度の点から、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して0.5〜3重量部が好ましい。
【0057】
本発明の組成物には、硬化促進触媒として一般的なシラノール縮合触媒を使用できる。この様な硬化促進剤の例としては、有機スズ化合物、非有機のスズ化合物である金属スズの有機酸塩若しくはアミン化合物との併用、又は非スズ系化合物がある。有機スズ化合物を具体的に例示すれば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(アルキルマレエート)などのジブチル錫ジカルボキシレート類、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド、などのジアルキル錫のアルコキシド誘導体類、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫アセトアセテートなどのジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、ジブチル錫オキシドとエステル化合物による反応混合物、ジブチル錫オキシドとシリケート化合物による反応混合物、およびこれらの部分加水分解縮合物などの4価ジアルキル錫オキシドの誘導体があげられるが、これらに限定されるものではない。非有機のスズ化合物である金属スズの有機酸塩を具体的に例示すれば、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸スズなどの2価錫カルボン酸塩類があげられる。これら2価錫カルボン酸塩類とアミンの併用系は、触媒活性が高くなるため、使用量を減少できる観点から、より好ましい。非スズ系化合物の硬化促進触媒として、有機酸類、例えば有機カルボン酸、有機スルホン酸、酸性リン酸エステル類等があげられる。有機カルボン酸として、酢酸、シュウ酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、オクチル酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸があげられるが、触媒活性の点から、脂肪族カルボン酸が好ましい。有機スルホン酸として、トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等があげられる。酸性リン酸エステルとして以下に示すような有機酸性リン酸エステルがあげられる。有機酸性リン酸エステル化合物は相溶性、硬化触媒活性の点で好ましい。有機酸性リン酸エステル化合物としては、
(Q−O)d−P(=O)(−OH)3-d (式中、dは1または2、Qは有機残基を示す。)で表され、以下に、具体的に例示する。
(CH3O)2−P(=O)(−OH)、(CH3O)−P(=O)(−OH)2、(C2H5O)2−P(=O)(−OH)、(C25O)−P(=O)(−OH)2、(C37O)2−P(=O)(−OH)、(C37O)−P(=O)(−OH)2、(C49O)2−P(=O)(−OH)、(C49O)−P(=O)(−OH)2、(C817O)2−P(=O)(−OH)、(C817O)−P(=O)(−OH)2、(C1021O)2−P(=O)(−OH)、(C1021O)−P(=O)(−OH)2、(C1327O)2−P(=O)(−OH)、(C1327O)−P(=O)(−OH)2、(C1633O)2−P(=O)(−OH)、(C1633O)−P(=O)(−OH)2、(HO−C612O)2−P(=O)(−OH)、(HO−C612O)−P(=O)(−OH)2、(HO−C816O)−P(=O)(−OH)、(HO−C816O)−P(=O)(−OH)2、{(CH2OH)(CHOH)O}2−P(=O)(−OH)、{(CH2OH)(CHOH)O}−P(=O)(−OH)2、{(CH2OH)(CHOH)C24O}2−P(=O)(−OH)、{(CH2OH)(CHOH)C24O}−P(=O)(−OH)2などがあげられるが、上記例示物質に限定されるものではない。
【0058】
これら有機酸類とアミンの併用系は、触媒活性が高くなるため、使用量を減少できる観点から、より好ましい。有機酸とアミン併用系の中では、酸性リン酸エステルとアミン、有機カルボン酸とアミン、特に有機酸性リン酸エステルとアミン、脂肪族カルボン酸とアミンの併用系が触媒活性がより高く、速硬化性の観点から好ましい。
【0059】
アミン化合物としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等があげられる。
【0060】
非スズ金属塩類も使用可能であり、オクチル酸、オレイン酸、ナフテン酸、ステアリン酸などをカルボン酸成分とする、カルボン酸カルシウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸鉄、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ビスマス、ビスマス−トリス(2−エチルヘキソエート)、ビスマス−トリス(ネオデカノエート)等のビスマス塩、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニウム、カルボン酸ニッケルなどのカルボン酸金属塩類があげられる。前記アミン類との併用は、カルボン酸スズと同様、活性が高くなるため、使用量を減少できる観点から、より好ましい。
【0061】
有機非スズの金属系化合物として、3B族、4A族金属を含有する有機金属化合物があげられ、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ホウ素化合物等が触媒活性の点から好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0062】
前記有機チタネート化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシルチタネート)、トリエタノールアミンチタネートなどのチタンアルコキシド類、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、オクチレングリコレート、チタンラクテートなどのチタンキレート類等のキレート化合物などがあげられる。
【0063】
前記有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレートなどのアルミニウムアルコキシド類、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート類等があげられる。
【0064】
前記ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムテトライソプロポキサイド、ジルコニウムテトラノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレートなどのジルコニウムアルコキシド類、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテートなどのジルコニウムキレート類などがあげられる。
【0065】
これら有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ホウ素化合物等は、それぞれ併用も可能であるが、特に、前記アミン化合物、又は、酸性リン酸エステル化合物との併用により、触媒活性を高めることが可能であることから、触媒の使用量を低減できる観点で好ましく、高温での硬化性と常温での可使時間の調整の観点から、併用するのがより望ましい。
【0066】
これらの硬化促進剤の使用量は、通常、目的とする用途、性能に応じて選択すればよいが、(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対し、0.01〜20重量部が好ましく、さらにはコストの点から0.1〜10重量部がより好ましく、クリープ特性等力学特性と硬化性のバランスから0.25〜5重量部が最も好ましい。
【0067】
本発明の組成物においては、一般的な可塑剤を使用しうる。具体例としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートなどの非芳香族2塩基酸エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類などが挙げられる。中でもフタル酸エステル系可塑剤が性能、経済性の点で最も好ましい。しかし、フタル酸エステル系可塑剤とりわけ汎用的なジ(2−エチルヘキシル)フタレートは安全衛生上の課題から使用が近年忌避される傾向にある。性能だけでなく安全衛生上の理由から低分子量タイプに替えて高分子量タイプの可塑剤を使用しうる。高分子量タイプの可塑剤としては、たとえば2塩基酸と多価アルコールとのポリエステル類などのポリエステル系可塑剤、液状のアクリル樹脂系可塑剤;ポリプロピレングリコールやその誘導体などのポリエーテル類;ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン類などが挙げられる。具体的には、エクセノール5030(旭硝子(株)製の分子量が約5,100のポリエーテルポリオール)、両末端がアリルエーテル基で、Mn=5,200、Mw/Mn=1.6のオキシプロピレン重合体、SGO(ジョンソンポリマー)等が例示される。
【0068】
本発明の組成物には、必要に応じて、充填剤、その他の添加剤などを加えて使用してもよい。
【0069】
前記充填剤としては、たとえば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラックなどがあげられる。充填剤を用いる場合、その使用量は(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して5〜300重量部の範囲が好ましく、機械的物性と粘度のバランスから、10〜150重量部の範囲がより好ましい。
【0070】
前記その他の添加剤としては、たとえば水添ヒマシ油、有機ベントナイトなどのタレ防止剤、着色剤、老化防止剤、接着付与剤などが挙げられる。
【0071】
また、本発明の硬化性組成物には、接着性、貯蔵安定性の改良のため、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤を1種または2種以上併用して配合することができる。また、これらをあらかじめ反応させて得た反応生成物も配合することができる。
【0072】
更に、本発明の硬化性組成物には、必要に応じてエポキシ樹脂とその硬化剤、粘性改良剤、その他添加剤等を適宜配合し得る。
【0073】
エポキシ樹脂としては、従来公知のものを広く使用でき、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ジグリシジル−ρ−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のフタル酸ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−ο−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化物等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂の中でも、分子中にエポキシ基を少なくとも2個含有するものが、硬化に際し反応性が高く、また硬化物が3次元的網目を作り易い等の点から好ましい。更に好ましいエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂を例示できる。
【0074】
エポキシ樹脂の硬化剤としては、従来公知のエポキシ樹脂硬化剤を広く使用でき、例えばトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類、第3級アミン塩類、ポリアミド樹脂類、ケチミン類、アルジミン類、エナミン類等の潜伏性硬化剤、イミダゾール類、ジシアンジアミド類、三弗化硼素錯化合物類、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデシニル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、無水クロレン酸等の無水カルボン酸類、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類等を挙げることができる。
【0075】
粘性改良剤としては、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール等のゲル化剤、アマイドワックス等の脂肪酸アミド化物を例示できる。
【0076】
その他の添加剤としては、例えば顔料、各種の老化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0077】
本発明の組成物は、コンタクト接着剤として特に有用である。本発明の組成物は、コンタクト接着剤の他にも、一般用接着剤、粘着剤、シーリング剤としても有用である。
【0078】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0079】
なお、各重合体の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によりポリスチレン換算で求めた値である。
【0080】
【実施例】
(合成例1)
複合金属シアン化物錯体触媒を用いてプロピレンオキサイドの重合を行って得た分子量15,000のポリオキシプロピレントリオール(Mw/Mn=1.38、粘度89ポイズ)401gに、ナトリウムメトキシド19.1gを滴下し、5時間反応させた後、減圧脱気した。その後、塩化アリル9.0gを滴下し、1.5時間反応させた後、さらにナトリウムメトキシド5.6gと塩化アリル2.7gを用いてトリオールの末端をアリル化し、ケイ酸アルミニウムで吸着処理した。このアリル末端ポリオキシプロピレン系重合体270gに塩化白金酸の触媒を添加し、ジメトキシメチルシラン6.24gを90℃で4時間反応させることにより、淡黄色の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を得た。
【0081】
(合成例2)
数平均分子量が3,000のポリオキシプロピレングリコール420gと数平均分子量が3,000のポリオキシプロピレントリオール80gの混合物に水酸化ナトリウム40gを加え、60℃で13時間反応させた後、ブロモクロルメタン19gを添加し、60℃で10時間反応させた。得られた重合体のMw/Mnは2.1であり、粘度は385ポイズであった。続いて、上記重合体に塩化アリル15gを加え36時間反応させた後、ケイ酸アルミニウムで吸着処理した。この重合体500gに、塩化白金酸の触媒を添加した後、ジメトキシメチルシラン12gを加えて80℃で4時間反応させることにより、淡黄色の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を得た。
【0082】
(合成例3)
還流管および攪拌機付きの1Lセパラブルフラスコに、トルエン260gを入れ、反応容器内を窒素置換した。内温100〜105℃にて、メタクリル酸メチル(80g)、メタクリル酸ステアリル(20g)、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(2.25g)、ノルマルドデシルメルカプタン(6.75g)およびアゾビス−2−メチルブチロニトリル(2.8g)のトルエン混合溶液を5時間かけて滴下して重合を行い、数平均分子量1,800、片末端に反応性ケイ素基を含有するアクリル系重合体を得た。
【0083】
(合成例4〜9)
表1に示す化合物を規定重量(g)用いて、合成例3と同様な操作を行い、表1に示すアクリル系重合体を得た。
【0084】
(合成例10)
還流管および攪拌機付きの300mLの3つ口フラスコに、CuBr(7.38g)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル(8.9mL)を加え、オイルバス中70℃で30分間攪拌した。これにメタクリル酸メチル(16g)、アクリル酸ステアリル(4g)、2−ブロモプロピオン酸メチル(4.8mL)、ペンタメチルジエチレントリアミン(0.53mL、これ以降トリアミンと表す)を加え、反応を開始した。70℃で加熱攪拌しながら、メタクリル酸メチル(64g)、アクリル酸ステアリル(16g)を90分かけて連続的に滴下し、更に30分間加熱攪拌した。重合の終期にトリアミンと1,7−オクタジエンを添加し、重合体の片末端にアルケニル基を導入した。この反応混合物を精製した後、30mLの耐圧反応容器に、重合体(10.0g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(2.25mL)、オルトぎ酸メチル(0.17mL)、および0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を仕込み、100℃で1時間加熱した。反応溶液を濃縮することにより、片末端にシリル基を有する共重合体を得た。数平均分子量は2,500、分子量分布Mw/Mnは1.2であった。この共重合体をトルエンに溶解し片末端に反応性ケイ素基を含有するアクリル系重合体を得た。
【0085】
【表1】
Figure 0004177016
【0086】
(実施例1)
合成例3のアクリル系重合体溶液に、合成1の反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン系重合体を分割して加え、固形分で表2に示す所定の重量比になるように均一に混合した後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去した。以上により得た重合体混合物100重量部に対し、膠質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製CCR)を50重量部、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランを2重量部、ジフェニルジメトキシシランを2重量部、硬化触媒U-220(日東化成社製)2重量部を添加し、均一に混合して硬化性組成物を作成した。
【0087】
コンタクト性試験方法としては、アルミ基材2枚にセロハンテープ(ニチバン製)厚にて塗布し、それぞれ異なるオープンタイムをとった後に5kgローラー荷重にて5回圧着し、直ちに200mm/分の引っ張り速度にてT字剥離接着強度を測定した。コンタクト性の発現速度はT字剥離接着強度の立ち上がるまでの時間、コンタクト性発現強度は発現したT字剥離接着強度の大きさ、コンタクト性発現保持時間はT字剥離接着強度が発現して持続する時間の長さを意味する。
【0088】
最終接着強度の試験方法は、アルミ基材2枚にセロハンテープ(ニチバン製)厚にて塗布し、5kgローラー荷重にて5回圧着し、23℃2日+50℃3日の養生を行った後、200mm/分の引っ張り速度にてT字剥離接着強度を測定した。
【0089】
(実施例2〜7)
合成例2,4〜7、及び合成例10で得た重合体を用いる以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化性組成物を作成した。
【0090】
(比較例1〜3)
合成例7〜9で得たアクリル系重合体を用いる以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化性組成物を作成した。
【0091】
【表2】
Figure 0004177016
以上に示したように、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、およびシロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体であって、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体1分子あたり1個存在する重合体(B)を含む硬化性組成物は、コンタクト性に優れ、かつ最終接着強度に優れる。すなわち、実施例1〜7の硬化性組成物は、コンタクト性の発現速度、発現強度、発現保持時間の全てにおいて優れ、かつ高い最終接着強度を有する。一方、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、およびシロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体であって、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体1分子あたり0個または1個を超えて存在する重合体を含む硬化性組成物である比較例1〜3の硬化性組成物は、コンタクト性の発現速度、発現強度、発現保持時間、最終接着強度の何れかの特性が不十分で劣っている。
【0092】
【発明の効果】
本発明の硬化性樹脂組成物は、コンタクト性の発現速度、コンタクト性発現強度、コンタクト性発現保持時間等の所謂コンタクト性に優れ、最終接着強度に優れる。また耐候性に関しても優れた性能特性が提供される。

Claims (9)

  1. シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、およびシロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体であって、シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基が重合体の末端にのみ、かつ重合体1分子あたり1個存在する重合体(B)を含むコンタクト接着剤用硬化性組成物。
  2. 前記ポリオキシアルキレン系重合体(A)は、分子中に以下に示す一般式(α):
    −O−CH −CH −CH −(SiR 2−b O) −SiR 3−a (α)
    (式中、R およびR は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR SiO−(R は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R またはR が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。bは0、1または2を、aは0、1、2または3を、それぞれ示す。またm個の一般式(2):
    −SiR 2−b O− (2)
    で表される基におけるbは同一である必要はない。mは0〜19の整数を示す。但し、(bの和)+a≧1を満足するものとする。)で表される構造部分を有するものである請求項1記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物。
  3. シロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を有する重合体(B)が、ジアルコキシシリル基を含有する重合体とトリアルコキシシリル基を含有する重合体の混合物であることを特徴とする請求項1または2記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物。
  4. さらに、1分子中に2個の官能基を有する低分子量シリコン化合物(D)を含む請求項1〜3いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物。
  5. 低分子量シリコン化合物(D)がジフェニルジメトキシシランである請求項記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物。
  6. 分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体(B)のアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位が、(a)炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位と(b)炭素数9以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位である請求項1〜5いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物。
  7. (A)成分であるオキシアルキレン系重合体の数平均分子量が10,000以上50,000以下であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物。
  8. (A)成分であるオキシアルキレン系重合体のMw/Mnが1.6以下であることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物。
  9. (A)成分であるオキシアルキレン系重合体の反応性ケイ素基が、メチルジメトキシシリル基および/またはトリメトキシシリル基であることを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載のコンタクト接着剤用硬化性組成物。
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