JP2003313419A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2003313419A
JP2003313419A JP2002121735A JP2002121735A JP2003313419A JP 2003313419 A JP2003313419 A JP 2003313419A JP 2002121735 A JP2002121735 A JP 2002121735A JP 2002121735 A JP2002121735 A JP 2002121735A JP 2003313419 A JP2003313419 A JP 2003313419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
monomer unit
examples
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002121735A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Kasai
充弘 笠井
Shintarou Yukimitsu
新太郎 幸光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2002121735A priority Critical patent/JP2003313419A/ja
Publication of JP2003313419A publication Critical patent/JP2003313419A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】湿潤状態のスレート板やモルタル等の被着体に
対する塗布性に優れ、また、耐水接着性が改善された変
成シリコーン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】シロキサン結合を形成することによって架
橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレ
ン系重合体(A)、および分子鎖がアクリル酸アルキル
エステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエ
ステル単量体単位からなる重合体(B)を含む硬化性組
成物であって、重合体(B)がポリオキシエチレン鎖を
有する単量体単位を含有することを特徴とする硬化性組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温硬化性樹脂組
成物に関する。とりわけ、湿潤状態のスレート板やモル
タル等の被着体に対する塗布性に優れ、また耐水接着性
に優れた変成シリコーン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ
素基(水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子
を含むケイ素原子含有基であって、シロキサン結合を形
成し得る基)を有するオキシアルキレン系重合体をベー
スにした室温硬化性樹脂組成物(以下、変成シリコーン
系樹脂組成物ともいう。)は、例えば建築物のシーラン
トや1液型または2液型の常温硬化無溶剤型接着剤等に
利用でき、安価で優れた性能を有しているが、湿潤状態
のスレート板やモルタル等の被着体に対する塗布性およ
び耐水接着性は充分ではなく解決すべき技術的課題とし
て残されていた。このような技術的課題を解決するため
の手段として、例えば、特開平7−197551号で
は、メタノールおよび飽和ポリエステル樹脂水分散液を
配合する手段が提案されている。また、特開2001−
11422号では、アニオン系界面活性剤を配合する手
段が提案されている。しかし、上記手段では、湿潤面被
着体への塗布性は改良されるものの、依然として耐水時
の接着強度が充分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、湿潤状態の
スレート板やモルタル等の被着体に対する塗布性および
耐水接着性が改善された変成シリコーン系樹脂組成物を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、反応性ケイ素基を有するポリオキシアル
キレン系重合体(A)および分子鎖がアクリル酸アルキ
ルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキル
エステル単量体単位からなる重合体(B)を含む硬化性
組成物において、重合体(B)が特定の単量体単位を有
する重合体である場合に、湿潤状態のスレート板やモル
タル等の被着体に対する塗布性および耐水接着性が改善
されることを見い出し、本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明は、シロキサン結合を形成す
ることによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポ
リオキシアルキレン系重合体(A)、および分子鎖がア
クリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタク
リル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体
(B)を含む硬化性組成物であって、重合体(B)がポ
リオキシエチレン鎖を有する単量体単位を含有すること
を特徴とする硬化性組成物に関する。
【0006】好ましい実施態様は、重合体(B)が、シ
ロキサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素
含有官能基を有することを特徴とする前記の硬化性組成
物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の(A)成分であるポリオ
キシアルキレン系重合体における重合体主鎖を構成する
単位としては、一般式(1): −R−O− (1) (式中、Rは炭素数1〜4の2価のアルキレン基)で表
わされるものが使用できるが、入手が容易である点か
ら、オキシプロピレン系重合体がより好ましい。このオ
キシプロピレン系重合体は、直鎖状であっても分枝状で
あってもよく、あるいは、これらの混合物であってもよ
い。また、他の単量体単位等が含まれていてもよいが、
重合体(A)を適度に低粘度化できる点や硬化物に適度
な柔軟性を付与できる点から、上記式で表わされる構成
単位が、重合体(A)中に50重量%以上、好ましくは
80重量%以上存在することが好ましい。
【0008】本発明の(A)成分である反応性ケイ素基
含有ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法について
は特に制限は無いが、反応性の容易さの点から、官能基
を有するポリオキシアルキレン系重合体に反応性ケイ素
基を導入することによって得るのが好ましい。
【0009】本発明の(A)成分である反応性ケイ素基
含有ポリオキシアルキレン系重合体の分子構造は、使用
用途や目的とする特性により相違し、特開昭63−11
2642号や特願平11−000644号に記載の方法
等を使用することにより得ることができる。粘度、作業
性の観点から、高分子量でかつMw/Mn(重量平均分
子量Mwと数平均分子量Mnの比)が小さく、官能基を
有するポリオキシアルキレン系重合体がより好ましい。
このようなポリオキシアルキレン系重合体は通常の重合
方法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)やこの重
合体の鎖延長反応方法によって得ることは困難である
が、例えばセシウム金属触媒、特開昭61−19763
1号、特開昭61−215622号、特開昭61−21
5623号および特開昭61−218632号等に例示
されるポルフィリン/アルミ錯体触媒、特公昭46−2
7250号及び特公昭59−15336号等に例示され
る複合金属シアン化物錯体触媒、特開平10−2735
12号に例示されるポリフォスファゼン塩からなる触媒
を用いた方法等により得ることができる。実用上、複合
金属シアン化物錯体触媒を用いる方法が好ましい。な
お、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体
の分子量分布は、対応する反応性ケイ素基導入前の重合
体の分子量分布に依存するため、反応性ケイ素基導入前
の重合体の分子量分布はできるだけ狭いことが好まし
い。
【0010】本発明に使用される(A)成分のポリオキ
シアルキレン系重合体に含有される反応性ケイ素基は特
に限定されるものではないが、代表的なものを示すと、
例えば、一般式(2)で表される基があげられる。 −(−Si(R1 2-b)Xb−O−)m−Si(R2 3-a)Xa (2) (式中、R1及びR2は、いずれも炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20
のアラルキル基または(R’)3SiO−で示されるト
リオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上
存在する時、それらは同一であってもよく、異なってい
てもよい。ここでR’は炭素数1〜20の1価の炭化水
素基であり、3個のR’は同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、
Xが2個以上存在するときは、それらは同一であっても
よく、異なっていてもよい。aは0、1、2、または3
を、bは0、1、または2をそれぞれ示す。また、m個
の一般式(3): −Si(R1 2-b)Xb−O− (3) におけるbは異なっていてもよい。mは0〜19の整数
を示す。但し、a+Σb≧1を満足するものとする。) 上記Xで示される加水分解性基は特に限定されず、従来
公知の加水分解性基であれば好適に使用できる。具体的
には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、ア
ミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基お
よびアルケニルオキシ基が好ましいが、加水分解性が穏
やかで取り扱い易いという点から、メトキシ基などのア
ルコキシ基が特に好ましい。
【0011】この加水分解性基や水酸基は1個のケイ素
原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1
〜5の範囲であることが好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素中に2個以上存在する場合には、それ
らは同一であってもよく、異なっていてもよい。反応性
ケイ素基中に、ケイ素原子は1個あってもよく、2個以
上あってもよいが、シロキサン結合などによりケイ素原
子の連結された反応性ケイ素基の場合には、20個程度
あってもよい。
【0012】加水分解性ケイ素基としては、特に制限さ
れないが、加水分解活性の高い点と加水分解性が穏やか
で取り扱い易い点から、ジメチルモノメトキシシリル
基、メチルジメトキシシリル基、トリメトキシシリル
基、エチルジエトキシシリル基、トリエトキシシリル
基、メチルジイソプロペニルオキシシリル基およびトリ
イソプロペニルオキシシリル基からなる群から選択され
る少なくとも1種であることが好ましい。
【0013】反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行な
えばよい。例えば、複合金属シアン化物錯体触媒を用い
て得られるポリオキシアルキレン系重合体の場合は、特
開平3−72527号に、ポリフォスファゼン塩と活性
水素を触媒として得られるポリオキシアルキレン系重合
体の場合は特開平11−60723号に記載されてい
る。
【0014】(1)末端に水酸基等の官能基を有するポ
リオキシアルキレン系重合体と、この官能基に対して反
応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反
応させるか、もしくは不飽和基含有エポキシ化合物との
共重合により、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重
合体を得る。次いで、得られた反応生成物に反応性ケイ
素基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化
する。
【0015】(2)(1)法と同様にして得られた不飽
和基含有ポリオキシアルキレン系重合体にメルカプト基
及び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
【0016】(3)末端に水酸基、エポキシ基やイソシ
アネート基等の官能基(以下、Y官能基という)を有す
るポリオキシアルキレン系重合体に、このY官能基に対
して反応性を示す官能基(以下、Y′官能基という)及
び反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。
【0017】このY′官能基を有するケイ素化合物とし
ては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランなどのようなアミノ基含有シラン類;γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシランなどのようなメルカ
プト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランなどのようなエポキシシ
ラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイ
ルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどのような
ビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルト
リメトキシシランなどのような塩素原子含有シラン類;
γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのよう
なイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキシシラ
ン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ト
リエトキシシランなどのようなハイドロシラン類などが
具体的に例示されうるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0018】本発明の(A)成分であるポリオキシアル
キレン系重合体は、接着特性からは数平均分子量6,0
00以上60,000以下であることが好ましく、1
0,000以上50,000以下がさらに好ましい。ま
た、作業性からはMw/Mnが小さい方が望ましく、好
ましくは1.6以下であり、さらに好ましくは1.5以
下である。
【0019】本発明におけるアクリル系重合体である
(B)成分は、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単
量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量
体単位からなる重合体であって、ポリオキシエチレン鎖
を有する単量体単位を含有する重合体である。
【0020】望ましくは、分子鎖中のアクリル酸アルキ
ルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキル
エステル単量体単位が、実質的に(a)炭素数1〜8の
アルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単量体
単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量
体単位と(b)炭素数9以上のアルキル基を有するアク
リル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタ
クリル酸アルキルエステル単量体単位とからなる共重合
体であることが、(A)成分との相溶性および透明性の
点で優れているので好ましい。
【0021】上記共重合体(B)における単量体単位
(a)である炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリ
ル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタク
リル酸アルキルエステル単量体単位は、一般式(4): CH2=C(R3)COOR4 (4) (式中、R3は水素原子またはメチル基、R4は炭素数1
から8のアルキル基を示す)で表される。
【0022】前記一般式(4)のR4としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−
ブチル基、2ーエチルヘキシル基などの炭素数1〜8、
好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル
基を挙げることができる。なお一般式(4)で表される
単量体は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
【0023】また、単量体単位(b)である炭素数9以
上のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル単
量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル
単位は、一般式(5): CH2=C(R3)COOR5 (5) (式中、R3は前記に同じ。R5は炭素数9以上のアルキ
ル基を示す)で表される。
【0024】前記一般式(5)のR5としては、たとえ
ばノニル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ス
テアリル基、炭素数22のアルキル基、ビフェニル基な
どの炭素数9以上、通常は9〜30、好ましくは10〜
20の長鎖アルキル基が挙げられる。なお一般式(5)
で示される単量体は1種類でもよく、例えば炭素数12
と13との混合物のように、2種以上混合して用いても
よい。
【0025】本発明の(B)成分に用いるポリオキシエ
チレン鎖を有する単量体単位は、一般式(6): CH2=C(R3)COOR6 (6) (式中、R3は前記に同じ。R6はポリオキシエチレン鎖
を含有する有機基である)で表される。
【0026】前記一般式(6)で示される単量体単位を
重合体(B)中に有することにより、硬化性組成物に親
水性を付与することができる。このため、硬化性組成物
は湿潤状態のスレート板、モルタル等の被着体とのなじ
み性が向上し、塗布性および耐水接着性を向上させるこ
とができる。
【0027】前記一般式(6)の具体例としては、例え
ば、CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)9CH3
(共栄社化学製130MA)、CH2=C(CH3)CO
O(CH2CH2O)10H(日本乳化剤製MA100)等
を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0028】また前記の(a)の単量体単位と(b)の
単量体単位の割合は、重量比で95:5〜40:60が
好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。
前記割合が95:5より大きくなると(A)成分との相
溶性が低下し白濁する傾向が生じるとともに接着特性も
低下しがちになる。一方、前記割合が40:60より小
さくなるとコスト的に不利になりがちになる。
【0029】本発明の(B)成分において、分子鎖がア
クリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメ
タクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる重合体
におけるアクリル酸アルキルエステル単量体単位として
は、従来公知のものが広く使用でき、例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アク
リル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アク
リル酸ミリスチル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステ
アリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸ビフェニル等
を挙げることができる。またメタクリル酸アルキルエス
テル単量体単位としては、従来公知のものが広く使用で
き、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチ
ル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ヘプチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノ
ニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタ
クリル酸ミリスチル、メタクリル酸セチル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ビ
フェニル等を挙げることができる。
【0030】前記重合体(B)の分子鎖は、実質的に1
種または2種以上のアクリル酸アルキルエステル単量体
単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量
体単位からなるが、ここでいう実質的に上記の単量体単
位からなるとは、重合体(B)中に存在するアクリル酸
アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル
酸アルキルエステル単量体単位の割合が50重量%を超
えること、好ましくは70重量%以上であることを意味
し、重合体(B)にはアクリル酸アルキルエステル単量
体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単
量体単位の外に、これらと共重合性を有する単量体単位
が含有されていてもよい。たとえばアクリル酸、メタク
リル酸等のカルボン酸基、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロー
ルメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエ
チルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミ
ノ基を含む単量体等は、湿分硬化性、内部硬化性の点で
共重合効果が期待できる。;その他アクリロニトリル、
スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテ
ル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エ
チレン等に起因する単量体単位などがあげられる。
【0031】本発明における共重合体(B)の単量体組
成は、用途、目的により選択するのが当業者の間では一
般的であるが、例えば、強度を必要とする目的、用途で
は、ガラス転移温度が比較的高いものが望ましく、0℃
以上、より好ましくは20℃以上のガラス転移温度を有
するものがよい。また、粘度、作業性等を重視する場合
では逆にガラス転移温度が比較的低いものがよい。
【0032】共重合体(B)成分の分子量には特に制限
はないが、GPCにおけるポリスチレン換算での数平均
分子量が500から100,000であるものが重合の
際の難易度、相溶性、取り扱い粘度の点から好ましい。
さらには1,000〜30,000のものが強度、粘度
のバランスより好ましく、1,500〜20,000の
ものが、作業性等取り扱いの容易さと接着性などの点か
ら特に好ましい。
【0033】重合体(B)は、通常のビニル重合の方法
などによって得ることができる。たとえば、ラジカル反
応やリビングラジカル重合法による溶液重合法や塊重合
法などによって重合させることで得ることができるが、
特にこれらの方法に限定されるものではない。反応は、
通常前記単量体およびラジカル開始剤や連鎖移動剤、溶
剤などを加えて50〜150℃で反応させることにより
行われる。
【0034】前記ラジカル開始剤の例としては、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビス−2−メチルブチロニ
トリル、ベンゾイルパーオキサイドなど、連鎖移動剤の
例としては、n−ドデシルメルカプタン,tert−ド
デシルメルカプタン、ラウリルメルカプタンなどのメル
カプタン類や含ハロゲン化合物などがあげられる。溶剤
としては、たとえばエーテル類、炭化水素類、エステル
類のごとき非反応性の溶剤を使用するのが好ましい。
【0035】重合体(B)に反応性ケイ素基を導入する
と、縮合反応により、シロキサン結合を形成することに
よって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシ
アルキレン系重合体(A)と共に網目を形成するため、
より好ましい。
【0036】重合体(B)に反応性ケイ素基を導入する
方法には種々の方法があるが、たとえば、(i)連鎖移
動剤として反応性ケイ素基を含有するメルカプタンの存
在下、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/
またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を重合
させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、(i
i)連鎖移動剤としてメルカプト基と反応性官能基(反
応性ケイ素基以外、以下Y基という)を有する化合物
(たとえばアクリル酸)の存在下、アクリル酸アルキル
エステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキ
ルエステル単量体単位を重合させ、そののち生成した重
合体を反応性ケイ素基およびY基と反応しうる官能基
(以下Y’基という)を有する化合物(たとえばイソシ
アネート基と−Si(OCH33基を有する化合物)と
反応させて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法、
(iii)反応性ケイ素基を含有するアゾビスニトリル
化合物やジスルフィド化合物を開始剤としてアクリル酸
アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル
酸アルキルエステル単量体単位を重合させて分子末端に
反応性ケイ素基を導入する方法、(iv)リビングラジ
カル重合法によってアクリル酸アルキルエステル単量体
単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量
体単位を重合させて分子末端に反応性ケイ素基を導入す
る方法、(v)重合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有
する化合物をアクリル酸アルキルエステル単量体単位お
よび/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位
と共重合させる方法、およびこれらの組み合わせる方法
などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものでは
ない。
【0037】(i)記載の連鎖移動剤として使用する反
応性ケイ素基を含有するメルカプタンとしては、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン等をあげることができる。
【0038】(ii)記載のY基およびY’基の例とし
ては、種々の基の組み合わせがあるが、例えば、Y基と
してアミノ基、水酸基、カルボン酸基を、Y’基として
イソシアネート基をあげることができる。また別の一例
として、特開昭54−36395号公報や特開平01−
272654号公報、特開平02−214759号公報
に記載されているように、Y基としてはアリル基、Y’
基としては水素化ケイ素基(H−Si)をあげることが
できる。この場合、8族遷移金属の存在下で、ヒドロシ
リル化反応によりY基とY’基は結合しうる。
【0039】(iii)記載の、反応性ケイ素基を含有
するアゾビスニトリル化合物やジスルフィド化合物とし
ては、特開昭60−23405号公報、特開昭62−7
0405号公報等に記載されている、アルコキシシリル
基を含有するアゾビスニトリル化合物やアルコキシシリ
ル基を含有するジスルフィド化合物を例としてあげるこ
とができる。
【0040】(iv)記載の方法としては、特開平09
−272714号公報などに記載されている方法をあげ
ることができる。
【0041】(v)記載の重合性不飽和結合と反応性ケ
イ素基を有する化合物としては、一般式(7): CH2=C(R3)COOR7−[Si(R1 2-b)(Xb)O]mSi(R2 3-a)Xa (7) (式中、R3は前記に同じ。R7は炭素数1〜6の2価の
アルキレン基を示す。R 1,R2,X,a,b,mは前記
と同じ。)または一般式(8): CH2=C(R3)−[Si(R1 2-b)(Xb)O]mSi(R2 3-a)Xa (8) (式中、R3,R1,R2,X,a,b,mは前記と同
じ。)で表される単量体、例えば、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン等のγ−メタクリロキシプロピ
ルポリアルコキシシラン、γ−アクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン等のγ−アクリロキシプロピルポリアルコキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルア
ルキルポリアルコキシシランなどがあげられる。
【0042】本発明の組成物におけるポリオキシアルキ
レン系重合体(A)とアクリル系重合体(B)との使用
割合は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重
量部に対してアクリル系重合体(B)3〜300重量部
の範囲から選択可能であるが、硬化前の組成物の粘度、
硬化後の硬化物の接着強度の点から、15〜100重量
部の範囲から選択することが好ましい。通常、目的とす
る用途、性能に応じて選択され、また、アクリル系重合
体の分子量、反応性ケイ素基含量等により、最適選択範
囲が変化することは、当業者の間では良く知られてい
る。
【0043】本発明における組成物には、硬化促進触媒
として一般的なシラノール縮合触媒が使用できる。この
様な硬化促進剤の例としては、有機スズ化合物、非有機
のスズ化合物である金属スズの有機酸塩、若しくはアミ
ン化合物との併用、又は非スズ系化合物がある。
【0044】有機スズ化合物を具体的に例示すれば、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビス(アルキルマレ
ート)などのジブチル錫ジカルボキシレート類、ジブチ
ル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド、などの
ジアルキル錫のアルコキシド誘導体類、ジブチル錫ジア
セチルアセトナート、ジブチル錫アセトアセテートなど
のジアルキル錫の分子内配位性誘導体類、ジブチル錫オ
キシドとエステル化合物による反応混合物、ジブチル錫
オキシドとシリケート化合物による反応混合物、および
これらジアルキル錫オキシド誘導体のオキシ誘導体など
の4価ジアルキル錫オキシドの誘導体があげられるが、
これらに限定されるものではない。
【0045】非有機のスズ化合物である金属スズの有機
酸塩を具体的に例示すれば、オクチル酸錫、オレイン酸
錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸スズなどの2価
錫カルボン酸塩類があげられる。これら2価錫カルボン
酸塩類とアミンの併用系は、触媒活性が高くなるため、
使用量を減少できる観点でより好ましい。
【0046】非スズ系化合物の硬化促進触媒として、有
機酸類、例えば有機カルボン酸、有機スルホン酸、酸性
リン酸エステル類等があげられる。有機カルボン酸とし
て、酢酸、シュウ酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、オク
チル酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、
トリメリット酸等の芳香族カルボン酸があげられるが、
触媒活性の点から、脂肪族カルボン酸が好ましい。有機
スルホン酸として、トルエンスルホン酸、スチレンスル
ホン酸等があげられる。酸性リン酸エステルとして以下
に示すような有機酸性リン酸エステルがあげられる。有
機酸性リン酸エステル化合物は相溶性、硬化触媒活性の
点で好ましい。
【0047】有機酸性リン酸エステル化合物としては、 (Q−O)d−P(=O)(−OH)3-d (式中、dは1または2、Qは有機残基を示す。)で表
され、以下に、具体的に例示する。(CH3O)2-P(=O)
(-OH)、(CH3O) -P(=O)(-OH) 2、(C25O)2-
P(=O)(-OH)、(C25O) -P(=O)(-OH) 2、(C3
7O)2-P(=O)(-OH)、(C37O) -P(=O)(-OH)
2、(C49O)2-P(=O)(-OH)、(C49O) -P(=
O)(-OH) 2、(C817O)2-P(=O)(-OH)、 (C8
17O) -P(=O)(-OH)2、(C1021O)2-P(=O)(-O
H)、(C1021O) -P(=O)(-OH) 2、(C1327O)2
-P(=O)(-OH)、(C1327O) -P(=O)(-OH) 2
(C1633O)2-P(=O)(-OH)、(C1633O) -P(=
O)(-OH) 2、(HO-C612O)2-P(=O)(-OH)、
(HO-C612O) -P(=O)(-OH) 2、(HO-C816
O) -P(=O)(-OH)、 (HO-C816O) -P(=O)(-
OH) 2、{(CH2OH) (CHOH)O}2-P(=O)(-O
H)、{(CH2OH) (CHOH)O}-P(=O)(-O
H) 2、{(CH2OH) (CHOH) C24O}2-P(=
O)(-OH)、{(CH2OH) (CHOH)C24O}-P
(=O)(-OH) 2などがあげられるが、上記例示物質に限
定されるものではない。
【0048】これら有機酸類とアミンの併用系は、触媒
活性が高くなるため、使用量を減少できる観点でより好
ましい。有機酸とアミン併用系の中では、酸性リン酸エ
ステルとアミン、有機カルボン酸とアミン、特に有機酸
性リン酸エステルとアミン、脂肪族カルボン酸とアミン
の併用系は、触媒活性がより高く、速硬化性の観点で好
ましい。
【0049】アミン化合物としては、ブチルアミン、オ
クチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレン
ジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェ
ニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリ
ン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)
等があげられる。
【0050】非スズ金属塩類も使用可能であり、オクチ
ル酸やオレイン酸、ナフテン酸、ステアリン酸などをカ
ルボン酸成分とするカルボン酸カルシウム、カルボン酸
ジルコニウム、カルボン酸鉄、カルボン酸バナジウム、
カルボン酸ビスマス、ビスマス−トリス(2−エチルヘ
キソエート)、ビスマス−トリス(ネオデカノエート)
等のビスマス塩、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニウ
ム、カルボン酸ニッケルなどのカルボン酸金属塩類があ
げられる。前記アミン類との併用は、カルボン酸スズと
同様、触媒活性が高くなるため、使用量を減少できる観
点から、より好ましい。
【0051】有機非スズの金属系化合物として、3B
族、4A族金属を含有する有機金属化合物があげられ、
有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物、有機
ジルコニウム化合物等が活性の点から好ましいが、これ
らに限定されるものではない。
【0052】前記有機チタネート化合物としては、テト
ライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、
テトラメチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル
チタネート)、トリエタノールアミンチタネートなどの
チタンアルコキシド類、チタンテトラアセチルアセトナ
ート、チタンエチルアセトアセテート、オクチレングリ
コレート、チタンラクテートなどのチタンキレート類等
のキレート化合物などがあげられる。
【0053】前記有機アルミニウム化合物としては、ア
ルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシア
ルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−
ブチレートなどのアルミニウムアルコキシド類、アルミ
ニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリ
スエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニ
ウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレー
ト類等があげられる。
【0054】前記有機ジルコニウム化合物としては、ジ
ルコニウムテトライソプロポキサイド、ジルコニウムテ
トラ−n−プロピレート、ジルコニウムノルマルブチレ
ートなどのジルコニウムアルコキシド類、ジルコニウム
テトラアセチルアセトナート、ジルコニウムモノアセチ
ルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナー
ト、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエチルアセ
トアセテート、ジルコニウムアセテートなどのジルコニ
ウムキレート類などがあげられる。
【0055】これら有機チタネート化合物、有機アルミ
ニウム化合物、有機ジルコニウム化合物等は、それぞれ
併用も可能であるが、特に、前記アミン化合物、又は酸
性リン酸エステル化合物との併用により活性を高めるこ
とが可能であり、触媒の使用量を低減できる観点から上
記化合物と併用することが好ましく、更に高温での硬化
性と常温での可使時間の調整の観点からも望ましい。
【0056】これらの硬化促進剤の使用量は、通常、目
的とする用途、性能に応じて選択すればよいが、本発明
における(A)成分と(B)成分の合計量100重量部
に対し、0.01〜20重量部であることが好ましく、
更にはコストの点から0.1〜10重量部であることが
より好ましく、クリープ特性等の力学特性と硬化性のバ
ランスから0.25〜5重量部であることが特に好まし
い。
【0057】本発明の組成物においては、一般的な可塑
剤を使用しうる。具体例としては、ジブチルフタレー
ト、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)
フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリ
ルブチルグリコレートなどのフタル酸エステル類;ジオ
クチルアジペート、ジオクチルセバケートなどの非芳香
族2塩基酸エステル類;トリクレジルホスフェート、ト
リブチルホスフェートなどのリン酸エステル類などが挙
げられる。中でもフタル酸エステル系可塑剤が性能、経
済性の点から最も好ましい。しかし、フタル酸エステル
系とりわけ汎用的なジ(2−エチルヘキシル)フタレー
トは安全衛生上の課題から使用が近年忌避される傾向に
ある。性能だけでなく安全衛生上の理由から低分子量タ
イプに替えて高分子量タイプの可塑剤を使用しうる。高
分子量タイプの可塑剤としては、たとえば2塩基酸と多
価アルコールとのポリエステル類などのポリエステル系
可塑剤、液状のアクリル樹脂系可塑剤、ポリプロピレン
グリコールやその誘導体などのポリエーテル類、ポリ−
α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン
類などが挙げられる。具体的には、エクセノール503
0(旭硝子(株)製のMw約5,100のポリエーテル
ポリオール)、両末端がアリルエーテル基で、Mn=
5,200、Mw/Mn=1.6のオキシプロピレン重
合体、SGO(ジョンソンポリマー製アクリル重合体系
可塑剤)等が例示される。
【0058】本発明の組成物には、必要に応じて、充填
剤、その他の添加剤などを加えて使用してもよい。
【0059】前記充填剤としては、例えば、重質炭酸カ
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、
カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラッ
クなどがあげられる。充填剤を用いる場合、その使用量
は(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対し
て、5〜300重量部の範囲が好ましく、機械的物性と
粘度のバランスから10〜150重量部の範囲がより好
ましい。
【0060】前記その他の添加剤としては、たとえば水
添ヒマシ油、有機ベントナイトなどのタレ防止剤、着色
剤、老化防止剤、接着付与剤などが挙げられる。
【0061】また、本発明の硬化性樹脂組成物には、接
着性、貯蔵安定性の改良のため、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の
シランカップリング剤を1種または2種以上併用して配
合することができる。また、これらをあらかじめ反応さ
せて得た反応生成物も配合することができる。
【0062】更に、本発明の硬化性樹脂組成物には、必
要に応じてエポキシ樹脂とその硬化剤、粘性改良剤、そ
の他添加剤等を適宜配合し得る。
【0063】エポキシ樹脂としては、従来公知のものを
広く使用でき、例えばビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビ
スフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキ
シド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テト
ラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロ
フタル酸ジグリシジルエステル等のフタル酸ジグリシジ
ルエステル系エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エ
ポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹
脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹
脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシ
ジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレー
ト、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、
グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、
ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂等の不飽和重合
体のエポキシ化物等を挙げることができる。これらのエ
ポキシ樹脂の中でも、分子中にエポキシ基を少なくとも
2個含有するものが、硬化に際し反応性が高く、また硬
化物が3次元的網目を作り易い等の点から好ましい。更
に好ましいエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂及びフタル酸ジグリシジルエステ
ル系エポキシ樹脂を例示できる。
【0064】エポキシ樹脂の硬化剤としては、従来公知
のエポキシ樹脂硬化剤を広く使用でき、例えばトリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチル
アミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、
m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル等のアミン類、第3級アミン塩類、ポリアミド樹脂
類、ケチミン類、アルジミン類、エナミン類等の潜在性
硬化剤、イミダゾール類、ジシアンジアミド類、三弗化
硼素錯化合物類、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテト
ラヒドロ無水フタル酸、ドデシニル無水コハク酸、無水
ピロメリット酸、無水クロレン酸等の無水カルボン酸
類、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類等を挙
げることができる。
【0065】粘性改良剤としては、ジベンジリデンソル
ビトール、トリベンジリデンソルビトール等のゲル化
剤、アマイドワックス等の脂肪酸アミド化物を例示でき
る。
【0066】その他の添加剤としては、例えば顔料、各
種の老化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0067】本発明の硬化性組成物は、接着剤やシーリ
ング剤として有用であり、特にスレート板やモルタル等
の被着体の湿潤面接着や、耐水接着性が必要とされる用
途に有用である。本発明の硬化性組成物は、他にも、粘
着剤やコーティング剤として有用である。
【0068】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。なお、各重合体の数平均分子量は、ゲル浸
透クロマトグラフィー(GPC)法によりポリスチレン
換算で求めた値である。
【0069】
【実施例】(合成例1)数平均分子量15,000のポ
リオキシプロピレントリオール(Mw/Mn=1.3
8、粘度89ポイズ)401gに、ナトリウムメトキシ
ド19.1gを滴下し、5時間反応させた後、減圧脱気
した。その後、塩化アリル9.0gを滴下し、1.5時
間反応させた後、さらにナトリウムメトキシド5.6g
と塩化アリル2.7gを用いて、上記ポリオキシプロピ
レントリオールの末端をアリル化し、ケイ酸アルミニウ
ムで吸着処理した。このアリル末端ポリオキシプロピレ
ン系重合体270gに塩化白金酸の触媒を添加し、ジメ
トキシメチルシラン6.24gを90℃で4時間反応さ
せることにより、淡黄色の反応性ケイ素基含有ポリオキ
シアルキレン系重合体を得た。
【0070】(合成例2)数平均分子量が3,000の
ポリオキシプロピレングリコール420gと数平均分子
量が3,000のポリオキシプロピレントリオール80
gの混合物に水酸化ナトリウム40gを加え、60℃で
13時間反応させた後、ブロモクロルメタン19gを添
加し、60℃で10時間反応させた。得られた重合体の
Mw/Mnは2.1であり、粘度は385ポイズであっ
た。続いて、上記重合体に塩化アリル15gを加え36
時間反応させた後、ケイ酸アルミニウムで吸着処理し
た。この重合体500gに、塩化白金酸の触媒を添加し
た後、ジメトキシメチルシラン12gを加えて80℃で
4時間反応させることにより、淡黄色の反応性ケイ素基
含有ポリオキシアルキレン系重合体を得た。
【0071】(合成例3〜8)表1に示す重量比にて、
重合性単量体、連鎖移動剤(ノルマルドデシルメルカプ
タン)、および重合開始剤(アゾビス−2−メチルブチ
ロニトリル)の混合トルエン溶液を調製し、該溶液をバ
ス温120℃、内温100〜105℃に保持された1L
4口フラスコ中に滴下して、重合を行った。その結果、
表1に示す数平均分子量を有するアクリル系重合体のト
ルエン溶液を得た。
【0072】
【表1】 (実施例1)合成例1記載の反応性シリル基含有ポリオ
キシプロピレンと合成例3記載のアクリル系重合体のト
ルエン溶液を、固形分比で表2に記載の所定の重量部と
なるように均一に混合した後、ロータリーエバポレータ
ーを用いてトルエンを溜去し、アクリル・変成シリコー
ン樹脂を得た。このアクリル・変成シリコーン樹脂10
0重量部にエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製エピコ
ート828)30重量部、炭酸カルシウム(白石工業製
CCR)120重量部、ビニルトリメトキシシラン3重
量部、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3
重量部、ジブチル錫ジラウレート2重量部、ケチミン化
合物(油化シェルエポキシ製H−30)15重量部を加
えて混練し、硬化性組成物を得た。
【0073】湿潤面への塗布性:前記硬化性組成物を、
一晩水中に浸漬した後取り出し表面に付着している水滴
を濡れたタオルで軽く拭いた湿潤状態のコンクリート板
(300×300×60mm)の表面にヘラで擦り込ん
だ時の湿潤面への塗布性を評価した。 ◎;湿潤面へのなじみがよいため、ヘラによる1回の擦
りこみで塗工ができた。 △;湿潤面へのなじみが不十分なため、ヘラによる2〜
3回の擦り込みを必要とした。 ×;湿潤面へのなじみが悪いため、ヘラによる4回以上
の擦りこみが必要であった。
【0074】引張接着強度: 標準養生後;前記硬化性組成物を用いて、スレート板
(45×45×5mm)とモルタル板(70×70×2
0mm)との張り合わせ試験片を作製し、23℃で3日
間養生後、更に50℃で4日間養生した後の引張接着強
度を評価した。 耐水後;前記スレート板と前記モルタル板を用いて同様
に張り合わせ試験片を作製し、標準養生後さらに23℃
の水中に7日間浸漬した後、取り出して、直ちに引張接
着強度を評価した。
【0075】湿潤面に対する引張接着強度: 引張接着強度;前記硬化性組成物を用いて、前記湿潤状
態のコンクリート板と前記スレート板との張り合わせ試
験片を作製し、密閉できる容器内で、前記コンクリート
板の厚さの半分を水に浸漬する状態(飽和湿潤状態)で
室温にて7日間養生した後、取り出して、直ちに引張接
着強度を評価した。
【0076】なお、前記の引張接着強度、湿潤面接着性
の評価において、破壊状態が、被着体(コンクリート
板またはモルタル板)の接着面と硬化した前記硬化性組
成物との界面で剥がれた場合を界面破壊としてAFと表
記し、スレート板が割れた場合をスレート破壊として
Bと表記した。
【0077】(実施例2〜5)合成例3のアクリル系重
合体のトルエン溶液を用いる代わりに合成例4〜6のア
クリル系重合体のトルエン溶液を用いる以外は、実施例
1に記載と同様の操作により得た硬化性樹脂組成物を用
いて、前記と同様の評価を実施した。
【0078】(実施例6)合成例2の反応性ケイ素基含
有ポリオキシプロピレンと合成例4のアクリル系重合体
のトルエン溶液を用いる以外は、実施例1に記載と同様
の操作により得た硬化性樹脂組成物を用いて、前記と同
様の評価を実施した。
【0079】(比較例1〜3)表2に記載した配合によ
り、実施例1と同様の操作によって得た硬化性樹脂組成
物を用いて、前記と同様の評価を実施した。
【0080】
【表2】 実施例1〜6に示される本発明の硬化性組成物は、比較
例1〜3に示される硬化性組成物に比べて、湿潤面に対
する塗布性に優れ、また湿潤面に対する引張接着強度が
向上している。また、実施例1〜3、実施例5、および
実施例6に示される本発明の硬化性組成物は、比較例1
〜3に示される硬化性組成物に比べて、耐水後の引張接
着強度、及びその強度保持率が共に向上している。実施
例4に示される本発明の硬化性組成物は、比較例1〜3
に示される硬化性組成物に比べて、耐水後の引張接着強
度が向上し、更に破壊状態が改善している。
【0081】
【発明の効果】本発明によるアクリル・変成シリコーン
系の硬化性樹脂組成物は、湿潤状態のスレート板やモル
タル等の被着体に対する塗布性に優れ、また、耐水接着
性に優れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シロキサン結合を形成することによって架
    橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキレ
    ン系重合体(A)、および分子鎖がアクリル酸アルキル
    エステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエ
    ステル単量体単位からなる重合体(B)を含む硬化性組
    成物であって、重合体(B)がポリオキシエチレン鎖を
    有する単量体単位を含有することを特徴とする硬化性組
    成物。
  2. 【請求項2】重合体(B)が、シロキサン結合を形成す
    ることによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
JP2002121735A 2002-04-24 2002-04-24 硬化性樹脂組成物 Pending JP2003313419A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002121735A JP2003313419A (ja) 2002-04-24 2002-04-24 硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002121735A JP2003313419A (ja) 2002-04-24 2002-04-24 硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003313419A true JP2003313419A (ja) 2003-11-06

Family

ID=29537550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002121735A Pending JP2003313419A (ja) 2002-04-24 2002-04-24 硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003313419A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006037076A (ja) * 2004-06-22 2006-02-09 Asahi Glass Co Ltd 硬化性組成物
JP2006161010A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Asahi Glass Co Ltd 硬化性組成物
JP2009286863A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Toagosei Co Ltd 接着剤用硬化性組成物
JP2019073680A (ja) * 2017-10-11 2019-05-16 株式会社カネカ 硬化性組成物
JP2019151694A (ja) * 2018-03-01 2019-09-12 東亞合成株式会社 硬化性組成物
WO2024056473A1 (en) 2022-09-16 2024-03-21 Wacker Chemie Ag Moisture-curable composition and adhesive containing the composition

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006037076A (ja) * 2004-06-22 2006-02-09 Asahi Glass Co Ltd 硬化性組成物
JP2006161010A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Asahi Glass Co Ltd 硬化性組成物
JP2009286863A (ja) * 2008-05-28 2009-12-10 Toagosei Co Ltd 接着剤用硬化性組成物
JP2019073680A (ja) * 2017-10-11 2019-05-16 株式会社カネカ 硬化性組成物
JP7224131B2 (ja) 2017-10-11 2023-02-17 株式会社カネカ 硬化性組成物
JP2019151694A (ja) * 2018-03-01 2019-09-12 東亞合成株式会社 硬化性組成物
JP7172057B2 (ja) 2018-03-01 2022-11-16 東亞合成株式会社 硬化性組成物
WO2024056473A1 (en) 2022-09-16 2024-03-21 Wacker Chemie Ag Moisture-curable composition and adhesive containing the composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1285946B1 (en) Curable resin composition
JP5785283B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP5036320B2 (ja) 硬化性組成物
JP4141198B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP5036312B2 (ja) 硬化性組成物
JPH06172631A (ja) 硬化性組成物
JPH05117521A (ja) 硬化性組成物
WO2009133811A1 (ja) 室温硬化性組成物およびその硬化物
JPH0565404A (ja) 硬化性組成物
JP4177016B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2019182885A (ja) 硬化性組成物
JP2995309B2 (ja) 硬化性組成物
JP2024009271A (ja) ポリオキシアルキレン系重合体及び硬化性組成物
EP0531972B1 (en) Curable sealant or adhesive oxypropylene polymer composition
JP2003313419A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP7127302B2 (ja) オキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物、シーリング材用のオキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物、及び硬化物
JP4405745B2 (ja) 硬化性接着剤組成物
JPWO2004076555A1 (ja) 硬化性樹脂組成物およびその製造方法
WO2018199270A1 (ja) 硬化性組成物
JP4866608B2 (ja) 反応性改質剤
WO2021200342A1 (ja) ポリオキシアルキレン系重合体の混合物及び硬化性組成物
JP4398123B2 (ja) 硬化性組成物
JP2004277690A (ja) 硬化性組成物およびその製造方法
JP2004083895A6 (ja) 硬化性組成物の製造方法
JP2004083895A (ja) 硬化性組成物の製造方法