JP2019073680A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】防汚性が良好な硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】ポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位と加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を含有する加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)と、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)と、融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)を含有し、前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)におけるポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位の割合が50〜95質量%であることを特徴とする硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ケイ素原子上に水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成し得るケイ素含有基(以下、「反応性ケイ素基」又は「加水分解性シリル基」ともいう。)を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体と反応性ケイ素基を有する有機重合体を含有する硬化性組成物に関する。
反応性ケイ素基を含有するオキシプロピレン重合体は液状の重合体となり得るもので、湿分等により室温で硬化してゴム状硬化物を生じる。このため、建築物の弾性シーラントや接着剤等に用いられている。
近年、防汚性に優れた外壁ボード等が開発され、それに合わせて建築用シーラントも長期間に渡り美観を保つ必要性が生じてきており、防汚性の改善が要望されてきている。
防汚性の改善のためには、硬化したシーラント表面を親水性にすることで、付着した汚れが降雨によって洗い流される機構を利用できるため、効果が期待される。シーラント表面を親水性にするには、親水性基であるポリオキシエチレン鎖を有するアクリル系ポリマーをシーラントに添加する方法が考えられ、特許文献1、2には加水分解性シリル基を有するオキシプロピレン重合体とポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を含有する硬化性樹脂組成物が記載されている。
しかしながら近年より高い防汚性が求められるようになり、上記シーラント表面を親水性にするほかに、さらなる工夫が求められている。
特開2003−313419号公報 特開平08−067707号公報
本発明は、防汚性が良好な硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、以下の発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1).ポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位と加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を含有する加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)と、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)と、融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)を含有し、前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)におけるポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位の割合が50〜95質量%であることを特徴とする硬化性組成物、
(2).有機重合体(B)の主鎖が、ポリオキシアルキレン系重合体、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体、及び、飽和炭化水素系重合体からなる群から選択される1種以上である(1)に記載の硬化性組成物、
(3).(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を構成するポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステルを形成するアルコール残基が、末端がC1〜24のアルキル基で封鎖されたポリエチレングリコール残基である(1)または(2)に記載の硬化性組成物、
(4).(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の重量平均分子量が12,000〜20,000である(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(5).融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)が、C12〜24のアルキル基を有する(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性組成物、
(6).(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性組成物をサイディングボードの目地へ施工することを特徴とする防水工法、
(7).(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性組成物を施工した親水性の外壁、
に関する。
すなわち本発明の、ポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステルと加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体と分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体と融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを組み合わせることにより、より防汚性が良好な硬化性組成物を得ることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明における重合体とは以下の定義に準ずる。重合体とは、その重合体の製造工程によって得られる重合体成分全てを含有するものであり、分子量や構造、置換基の数、などが異なる成分を含む。重合体の同定には平均分子量や分子量分布、一分子あたりに平均して含有される置換基の導入量(平均の個数や含有率)を使用する。また、本発明の説明においては、便宜的に代表的な分子構造を記載する場合もある。
<<ポリオキシエチレン鎖と加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)>>
本発明は、ポリオキシエチレン鎖と加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を必須成分として使用する。
前記、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を構成するポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体は、一般式(1):
CH=C(R)COO(CHCHO)−R (1)
(式中、Rは、水素原子またはメチル基、Rは、水素原子または炭素原子数1から24の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素原子数6から20のアリール基、炭素原子数7から20のアラルキル基である。nは1から100の整数である)で表すことができる。Rは、炭素原子数1から24の置換あるいは非置換のアルキル基であることが好ましい。すなわち、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を構成するポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステルを形成するアルコール残基は、末端が炭素原子数1〜24のアルキル基で封鎖されたポリエチレングリコール残基であることが好ましい。
前記、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を構成する単量体合計に対するポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の割合は50〜95重量%であることが必須であり、55〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは60〜80重量%である。ポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体の割合が50重量%未満だと防汚性が低下する可能性があり、95重量%を超えると他の(メタ)アクリル酸エステルとの共重合性が悪くなり、未反応のモノマーが残ることがある。
前記、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸3,3,3−トリフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルなどが挙げられる。
前記、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を構成する加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしては特に限定されず、各種のものを用いることが出来る。例示するならば、(メタ)アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(トリメトキシシリル)エチル、(メタ)アクリル酸2−(トリエトキシシリル)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ジメトキシメチルシリル)エチル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルメチル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルメチル、(メタ)アクリル酸(ジメトキシメチルシリル)メチルなどが挙げられる。
これらのモノマーは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
前記、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の合成法としては、特に限定されず、公知の方法が挙げられ、具体的には、フリーラジカル重合法を用いることが出来る。フリーラジカル重合法としては、単量体に重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒などを加え、50〜150℃で重合を行う溶液重合法、特開2001−207157号公報に記載されているアクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、高圧で重合する連続塊状重合法などが挙げられる。
前記、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の重合温度は、60℃〜140℃であることが好ましく、より好ましくは80℃〜130℃であり、さらに好ましくは90℃〜110℃である。(A)成分の重合温度が60℃より低い場合は、分子量が大きくなり、高粘度となることがあり、140℃よりも高い場合は、合わせて高沸点の溶剤を使用する必要があり、溶剤を脱揮することが困難となる。
重合開始剤としては、通常、油溶性のラジカル開始剤を用いて反応を開始する。油溶性のラジカル開始剤の例を挙げると、アゾ系化合物及び有機過酸化物が挙げられる。
アゾ系重合開始剤としては特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などが挙げられる。
有機過酸化物としては特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、イソノナノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−1−メチルヘプチルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルジパーオキシアジペート、クミルパーオキシネオデカノエートなどのパーオキシエステル;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド;クメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。上記ラジカル重合開始剤として過酸化物を使用する場合には、これと還元剤とを組み合わせてレドックス型重合開始剤として使用してもよい。
これらの重合開始剤は、単独で用いても良く、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタンなどのメルカプト基含有化合物が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子鎖末端に反応性ケイ素基を導入したい場合には、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルクロロメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシメチルジメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、(メルカプトメチル)ジメトキシメチルシランなどが挙げられる。これらは1種のみを使用してもよく、2種以上を併用して使用してもかまわない。連鎖移動剤は耐候性に悪影響を与えることがあるため、使用量はモノマー全量の2%以下であることが好ましく、使用しないのが特に好ましい。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、パラジクロルベンゼン、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−ブチルなどの芳香族化合物;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素化合物;酢酸ブチル、酢酸n−プロプル、酢酸イソプロピルなどのカルボン酸エステル化合物;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン化合物;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート化合物;1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、アミルアルコールなどのアルコール化合物などを挙げることができる。これらの中では、厚生労働省指針値策定物質でないこと、臭気、環境負荷などの点から、ジアルキルカーボネート化合物、および、アルコール化合物から選択される1種以上が好ましい。さらに、沸点、GEV(ゲマインシャフト・エミッションコントリールテ・フェリーゲヴェルクシュトッフェ・エー・ヴェー)の定めるGEVスペシフィケーション・アンド・クラシフィケーション・クライテリア2001年2月14日版に記載の測定法による組成物からの全揮発性有機化合物の放散性を抑制できる点から、ジメチルカーボネート、1−プロパノ−ル、2−プロパノール、1−ブタノ−ル、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールがより好ましく、特に、2−プロパノ−ル、イソブチルアルコールが好ましい。
なお、溶媒以外では、反応性ケイ素基含有ポリエーテル系重合体やその前駆体化合物、後述の可塑剤などと共に重合することも可能である。
前記、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の重量平均分子量はGPCにおけるポリスチレン換算において4,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは8,000〜25,000であり、さらに好ましくは12,000〜20,000である。(A)成分の重量平均分子量が30,000を超えると有機重合体(B)との相溶性の低下を引き起こしたり、高粘度のため作業性の低下を引き起こすことがある。
前記、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)は一般式(2)および/または(3)に示す反応性ケイ素基を有しており、一般式(2)および/または(3)に示す反応性ケイ素基の数は、好ましくは、重合体1分子中に平均して0を超え5.0個であり、より好ましくは、0.5〜4.0個であり、さらに好ましくは1.0〜3.0個である。(A)成分の反応性ケイ素基が重合体1分子中5.0個を超えると硬化物の強度が低下し、脆くなることがある。
−SiX (2)
(式中、Xはヒドロキシ基または加水分解性基であり、3個のXは同一であっても良く、異なっていてもよい)
−SiR (3)
(Rは、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素原子数6から20のアリール基、炭素原子数7から20のアラルキル基、または、−OSiR’(R’は、それぞれ独立に炭素原子数1から20の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは前記と同じであり、2個のXは同一であっても良く、異なっていてもよい。)
重合体1分子中の反応性ケイ素基の個数は、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量と反応性ケイ素基の濃度(モル/g)の積として求められる。
<<反応性ケイ素基を有する有機重合体(B)>>
本発明は、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有する有機重合体(B)を使用する。有機重合体(B)の反応性ケイ素基は、一般式(4):
−SiR 3−a (4)
(Rは、それぞれ独立に炭素原子数1から20の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素原子数6から20のアリール基、炭素原子数7から20のアラルキル基、または、−OSiR’(R’は、それぞれ独立に炭素原子数1から20の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、それぞれ独立にヒドロキシ基または加水分解性基である。更に、aは1から3の整数である)で表される。
加水分解性基としては、特に限定されず、具体的には、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基等が挙げられる。これらの中では、ハロゲン、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基が活性が高いため好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいことからメトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。またエトキシ基やイソプロペノキシ基は、加水分解または縮合反応により脱離する化合物がそれぞれエタノール、アセトンであり、安全性の点で好ましい。
加水分解性基やヒドロキシ基は、1個のケイ素原子に1から3個の範囲で結合することができる。加水分解性基やヒドロキシ基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。
上記一般式(4)におけるaは、硬化性の点から、2または3であることが好ましく、特に速硬化性を求める場合には3であることが好ましく、貯蔵中の安定性を求める場合には2であることが好ましい。
また上記一般式(4)におけるRの具体例としては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、トリメチルシロキシ基、クロロメチル基、メトキシメチル基等が挙げられる。これらの中ではメチル基が特に好ましい。
反応性ケイ素基のより具体的な例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、トリス(2−プロペニルオキシ)シリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジエトキシシリル基、(エトキシメチル)ジメトキシシリル基が挙げられる。汎用で活性が高く良好な硬化性が得られることから、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基がより好ましく、ジメトキシメチルシリル基が特に好ましい。また、貯蔵安定性の点からはジメトキシメチルシリル基、トリエトキシシリル基が特に好ましい。クロロメチルジメトキシシリル基、メトキシメチルジメトキシシリル基は特に高い硬化性を示すため好ましい。トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などの3官能性シリル基を有する有機重合体から得られる硬化物は復元性が高くなる傾向があり、好ましい。
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行えばよい。すなわち、例えば以下の方法が挙げられる。
(I)ヒドロシリル化:先ず、有機重合体(B)の原料となる重合体(前駆重合体と記すこともある)に不飽和結合を導入し、この不飽和結合に対してヒドロシラン化合物をヒドロシリル化反応により付加させる方法である。不飽和結合の導入方法は任意の方法を利用できるが、例えば、水酸基などの官能基を有する前駆重合体に、この官能基に対して反応性を示す基および不飽和基を有する化合物を反応させ、不飽和基含有重合体を得る方法や、不飽和結合を有する重合性モノマーを共重合させる方法がある。
(II)反応性基含有重合体(前駆重合体)とシランカップリング剤との反応:水酸基、アミノ基、不飽和結合などの反応性基を有する前駆重合体と、その反応性基と反応して結合を形成し得る基および反応性ケイ素基の両方を有する化合物(シランカップリング剤とも呼ばれる)とを反応させる方法である。前駆重合体の反応性基とシランカップリング剤の反応性基の組合せとしては、水酸基とイソシアネート基、水酸基とエポキシ基、アミノ基とイソシアネート基、アミノ基とチオイソシアネート基、アミノ基とエポキシ基、アミノ基とアクリル構造、カルボン酸基とエポキシ基、不飽和結合とメルカプト基などが挙げられるがこれに限らない。
(I)の方法は、反応が簡便で、反応性ケイ素基の導入量の調整や、得られる反応性ケイ素基含有重合体の物性が安定であるため好ましい。(II)の方法は反応の選択肢が多く、反応性ケイ素基導入率を高めることが容易で好ましい。
(I)の方法において用いるヒドロシラン化合物の具体例としては、例えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、(クロロメチル)ジメトキシシラン、(メトキシメチル)ジメトキシシラン、1−[2−(トリメトキシシリル)エチル]−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリス(2−プロペニルオキシ)シランのようなアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメートシラン類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでは入手性の点でハロゲン化シラン類、アルコキシシラン類が好ましい。アルコキシシラン類は、加水分解性が穏やかで取り扱いやすいため好ましい。
(II)の方法で使用できるシランカップリング剤としては、以下の化合物が挙げられる。不飽和結合と反応する、3−メルカプトプロピル(メトキシメチル)(メトキシ)メチルシランなどのメルカプトシラン類;水酸基と反応する、3−イソシアネートプロピル(メトキシメチル)(メトキシ)メチルシランなどのイソシアネートシラン類;水酸基、アミノ基、カルボン酸基と反応する、3−グリシドキシプロピル(メトキシメチル)(メトキシ)メチルシランなどのエポキシシラン類;イソシアネート基、チオイソシアネート基と反応する、3−アミノプロピル(メトキシメチル)(メトキシ)メチルシランなどのアミノシラン類;ヒドロキシアルキルシラン類など。上記のシランカップリング剤は一例であり、類似の反応を利用または応用してシリル基を導入することができる。
反応性ケイ素基含有有機重合体(B)に含有される反応性ケイ素基は、重合体1分子中に平均して少なくとも0.5個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1.3〜4個、更に好ましくは1.5〜3個存在するのがよい。重合体1分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が平均して0.5個未満になると、硬化性が不十分になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。重合体1分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が平均して5個を超えると、硬化物が硬くなり、伸び物性が低下する傾向がある。
反応性ケイ素基は、有機重合体(B)の分子鎖の主鎖の末端あるいは側鎖の末端にあってもよいし、また、両方にあってもよい。特に、反応性ケイ素基が分子鎖の主鎖の末端にのみあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる有機重合体成分の有効網目長が長くなるため、高強度、高伸びを示すゴム状硬化物が得られやすくなり、好ましい。
反応性ケイ素基含有有機重合体(B)の数平均分子量は、GPCにおけるポリスチレン換算において800から50,000程度、より好ましくは1,500から40,000であり、特に好ましくは2,000から30,000である。(B)成分の数平均分子量が小さいと、反応性ケイ素基の導入量が多くなり、製造コストの点で不都合になる場合がある。一方、分子量が大きいと、高粘度となる為に作業性の点で不都合な傾向がある。
反応性ケイ素基含有有機重合体(B)の分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されないが、狭いことが好ましく、2.0未満が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましい。
本発明に用いる反応性ケイ素基含有有機重合体(B)の主鎖骨格は特に制限はなく、各種の主鎖骨格を持つものを使用することができる。
具体的には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体;エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよびスチレン等との共重合体、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;アジピン酸等の2塩基酸とグリコールとの縮合、または、ラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系重合体;エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のモノマーをラジカル重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体;(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等のモノマーをラジカル重合して得られるビニル系重合体;前記有機重合体中でビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合によるナイロン6・10、ε−アミノウンデカン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラクタムの開環重合によるナイロン12、上記のナイロンのうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポリアミド系重合体;例えばビスフェノールAと塩化カルボニルより縮重合して製造されるポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体等が例示される。
ポリイソブチレン、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン等の飽和炭化水素系重合体や、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体は比較的ガラス転移温度が低く、得られる硬化物が耐寒性に優れることからより好ましい。
反応性ケイ素基含有有機重合体(B)のガラス転移温度は、特に限定は無いが、20℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、−20℃以下であることが特に好ましい。ガラス転移温度が20℃を上回ると、冬季または寒冷地での粘度が高くなり作業性が悪くなる場合があり、また、硬化物の柔軟性が低下し、伸びが低下する場合がある。前記ガラス転移温度はDSC測定により求めることができる。
飽和炭化水素系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体などの有機重合体は、接着剤やシーリング材のベースポリマーとして使用した際に、低分子量成分の接着基材への移行などによる汚染が少なく好ましい。
また、ポリオキシアルキレン系重合体および(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、透湿性が高く1液型組成物にした場合に深部硬化性に優れ、更に接着性にも優れることから特に好ましく、ポリオキシアルキレン系重合体は最も好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体の中でも、ポリオキシプロピレン系重合体が特に好ましい。
前記ポリオキシアルキレン系重合体は、本質的に一般式(5):
−R−O− (5)
(Rは、炭素原子数1から14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基である)で示される繰り返し単位を有する重合体であり、重合体の全ての繰り返し単位中に一般式(5)で表される繰り返し単位が50重量%以上存在することが好ましい。一般式(5)におけるRは、炭素原子数1から14の、更には2から4の、直鎖状もしくは分岐アルキレン基が好ましい。一般式(5)で示される繰り返し単位の具体例としては、
−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−
等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にシーリング材等に使用される場合には、プロピレンオキシド重合体を主成分とする重合体から成るものが非晶質であることや比較的低粘度である点から好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えば、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、特開昭61−215623号に示される有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、特公昭46−27250号、特公昭59−15336号、米国特許3278457号、米国特許3278458号、米国特許3278459号、米国特許3427256号、米国特許3427334号、米国特許3427335号等に示される複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、特開平10−273512号に例示されるポリホスファゼン塩からなる触媒を用いる重合法、特開平11−060722号に例示されるホスファゼン化合物からなる触媒を用いる重合法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造方法は、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同55−13468号、同57−164123号、特公平3−2450号、米国特許3632557、米国特許4345053、米国特許4366307、米国特許4960844等の各公報に提案されているもの、また特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号、同61−218632号、特開平3−72527号、特開平3−47825号、特開平8−231707号の各公報に提案されている数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体が例示できるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
前記飽和炭化水素系重合体は芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、その骨格をなす重合体は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素原子数2から6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加するなどの方法により得ることができるが、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、分子鎖末端に官能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末端官能基の数を多くすることができるので好ましく、イソブチレン系重合体が特に好ましい。
主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体であるものは、耐熱性、耐候性、耐久性、および、湿気遮断性に優れる特徴を有する。
イソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、他単量体との共重合体でもよいが、ゴム特性の面からイソブチレンに由来する繰り返し単位を50重量%以上含有するものが好ましく、80重量%以上含有するものがより好ましく、90から99重量%含有するものが特に好ましい。
飽和炭化水素系重合体の合成法としては、従来、各種重合方法が報告されているが、特に近年多くのいわゆるリビング重合が開発されている。飽和炭化水素系重合体、特にイソブチレン系重合体の場合、Kennedyらによって見出されたイニファー重合(J.P.Kennedyら、J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed. 1977年、15巻、2869頁)を用いることにより容易に製造することが可能であり、分子量500から100,000程度を、分子量分布1.5以下で重合でき、分子鎖末端に各種官能基を導入できることが知られている。
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体の製法としては、例えば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開平1−197509号、特許公報第2539445号、特許公報第2873395号、特開平7−53882号の各明細書などに記載されているが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸(3−トリメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸(3−ジメトキシメチルシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸(2−トリメトキシシリル)エチル、(メタ)アクリル酸(2−ジメトキシメチルシリル)エチル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルメチル、(メタ)アクリル酸(ジメトキシメチルシリル)メチル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマーが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとともに、以下のビニル系モノマーを共重合することもできる。該ビニル系モノマーを例示すると、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩等のスチレン系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。
これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸系モノマーからなる共重合体が好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマーおよびメタクリル酸エステルモノマーからなる(メタ)アクリル系重合体であり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーからなるアクリル系重合体である。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の合成法としては、特に限定されず、公知の方法で行えばよい。但し、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いる通常のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得るためには、リビングラジカル重合法を用いることが好ましい。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては例えば、Matyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁などが挙げられる。
反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製法としては、例えば、特公平3−14068号公報、特公平4−55444号公報、特開平6−211922号公報等に、連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法を用いた製法が開示されている。また、特開平9−272714号公報等に、原子移動ラジカル重合法を用いた製法が開示されているが、特にこれらに限定されるものではない。上記の反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
これらの反応性ケイ素基を有する有機重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。具体的には、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体、からなる群から選択される2種以上をブレンドしてなる有機重合体も使用できる。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体の製造方法は、特開昭59−122541号、特開昭63−112642号、特開平6−172631号、特開平11−116763号公報等に提案されているが、特にこれらに限定されるものではない。好ましい具体例は、反応性ケイ素基を有し分子鎖が実質的に、下記一般式(6):
−CH−C(R)(COOR)− (6)
(Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素原子数1から8のアルキル基を示す)で表される炭素原子数1から8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記一般式(7):
−CH−C(R)(COOR)− (7)
(Rは前記に同じ、Rは炭素原子数9以上のアルキル基を示す)で表される炭素原子数9以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体に、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体をブレンドして製造する方法である。
前記一般式(6)のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素原子数1から8、好ましくは1から4、さらに好ましくは1または2のアルキル基が挙げられる。なお、Rのアルキル基は単独でもよく、2種以上混合していてもよい。
前記一般式(7)のRとしては、例えば、ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素原子数9以上、通常は10から30、好ましくは10から20の長鎖のアルキル基が挙げられる。なお、Rのアルキル基はRの場合と同様、単独でもよく、2種以上混合したものであってもよい。
該(メタ)アクリル酸エステル系重合体の分子鎖は実質的に一般式(6)および一般式(7)の単量体単位からなるが、ここでいう「実質的に」とは該共重合体中に存在する一般式(6)および一般式(6)の単量体単位の合計が50重量%を超えることを意味する。一般式(6)および一般式(7)の単量体単位の合計は好ましくは70重量%以上である。
また、一般式(6)の単量体単位と一般式(7)の単量体単位の存在比は、重量比で95:5から40:60が好ましく、90:10から60:40がさらに好ましい。
該共重合体に含有されていてもよい一般式(6)および一般式(7)以外の単量体単位としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
反応性ケイ素基を有する飽和炭化水素系重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体は、特開平1−168764号、特開2000−186176号公報等に提案されているが、特にこれらに限定されるものではない。
更に、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体の製造方法としては、他にも、反応性ケイ素基を有する有機重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合を行う方法が利用できる。この製造方法は、特開昭59−78223号、特開昭59−168014号、特開昭60−228516号、特開昭60−228517号等の各公報に具体的に開示されているが、これらに限定されるものではない。
一方、有機重合体の主鎖骨格中には本発明の効果を大きく損なわない範囲でウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。
前記ウレタン結合成分としては特に限定されないが、イソシアネート基と活性水素基との反応により生成する基(以下、アミドセグメントともいう)を挙げることができる。
前記アミドセグメントは一般式(8):
−NR−C(=O)− (8)
(Rは有機基または水素原子を表す)で表される基である。この構造は極性が比較的高いため、硬化物の強度や基材への接着性が高くなる傾向にあり望ましい。
主鎖にウレタン結合やエステル結合を含有する重合体からなる硬化性組成物を硬化させた硬化物は、熱などによりウレタン結合やエステル結合部分で主鎖が開裂する恐れがあり、硬化物の強度が著しく低下する場合がある。
本発明の重合体(B)の主鎖骨格中にアミドセグメントが多いと、重合体の粘度が高くなる傾向がある。また、貯蔵後に粘度が上昇する場合もあり、得られる組成物の作業性が低下する可能性がある。さらに、前記したように、熱などによってアミドセグメントが開裂する可能性がある。従って、貯蔵安定性や作業性の優れた組成物を得るためには、実質的にアミドセグメントを含まないことが好ましい。一方、重合体(B)の主鎖骨格中のアミドセグメントによって、硬化性が向上する傾向がある。従って、重合体(B)の主鎖骨格中にアミドセグメントを含む場合、アミドセグメントは1分子あたり平均で、1〜10個が好ましく、1.5〜5個がより好ましく、2〜3個が特に好ましい。1個よりも少ない場合には、硬化性が十分ではない場合があり、10個よりも大きい場合には、重合体が高粘度となり取り扱い難くなる可能性がある。
前記アミドセグメントとしては、具体的には、イソシアネート基とヒドロキシ基との反応により生成するウレタン基;イソシアネート基とアミノ基との反応により生成する尿素基;イソシアネート基とメルカプト基との反応により生成するチオウレタン基などを挙げることができる。また、本発明では、上記ウレタン基、尿素基、および、チオウレタン基中の活性水素が、更にイソシアネート基と反応して生成する基も、一般式(8)の基に含まれる。
アミドセグメントと反応性ケイ素基を有する有機重合体の工業的に容易な製造方法を例示すると、末端に活性水素含有基を有する有機重合体に、過剰のポリイソシアネート化合物を反応させて、ポリウレタン系主鎖の末端にイソシアネート基を有する重合体とした後、あるいは同時に、該イソシアネート基の全部または一部に一般式(9):
W−R10−SiR 3−a (9)
(R、X、aは前記と同じ。R10は2価の有機基であり、より好ましくは炭素原子数1から20の炭化水素基である。Wはヒドロキシ基、カルボキシ基、メルカプト基およびアミノ基(1級または2級)から選ばれた活性水素含有基である)で表されるケイ素化合物のW基を反応させる方法により製造されるものを挙げることができる。この製造方法に関連した、有機重合体の公知の製造法を例示すると、特公昭46−12154号(米国特許3632557号)、特開昭58−109529号(米国特許4374237号)、特開昭62−13430号(米国特許4645816号)、特開平8−53528号(EP0676403)、特開平10−204144号(EP0831108)、特表2003−508561(米国特許6197912号)、特開平6−211879号(米国特許5364955号)、特開平10−53637号(米国特許5756751号)、特開平11−100427号、特開2000−169544号、特開2000−169545号、特開2002−212415号、特許第3313360号、米国特許4067844号、米国特許3711445号、特開2001−323040号等が挙げられる。
また、末端に活性水素含有基を有する有機重合体に一般式(10):
O=C=N−R10−SiR 3−a (10)
(R10、R、X、aは前記に同じ)で示される反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物とを反応させることにより製造されるものを挙げることができる。この製造方法に関連した、有機重合体の公知の製造法を例示すると、特開平11−279249号(米国特許5990257号)、特開2000−119365号(米国特許6046270号)、特開昭58−29818号(米国特許4345053号)、特開平3−47825号(米国特許5068304号)、特開平11−60724号、特開2002−155145号、特開2002−249538号、WO03/018658、WO03/059981等が挙げられる。
末端に活性水素含有基を有する有機重合体としては、末端にヒドロキシ基を有するオキシアルキレン重合体(ポリエーテルポリオール)、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、末端にヒドロキシ基を有する飽和炭化水素系重合体(ポリオレフィンポリオール)、ポリチオール化合物、ポリアミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、および、ポリオレフィンポリオールは、得られる有機重合体のガラス転移温度が比較的低く、得られる硬化物が耐寒性に優れることから好ましい。特に、ポリエーテルポリオールは、得られる有機重合体の粘度が低く作業性が良好であり、深部硬化性および接着性が良好である為に特に好ましい。また、ポリアクリルポリオールおよび飽和炭化水素系重合体は、得られる有機重合体の硬化物の耐候性、耐熱性が良好である為により好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、いかなる製造方法において製造されたものでも使用することが出来るが、全分子平均で分子鎖末端当り少なくとも0.7個のヒドロキシ基を末端に有するものが好ましい。具体的には、従来のアルカリ金属触媒を使用して製造したオキシアルキレン重合体や、複合金属シアン化物錯体やセシウムの存在下、少なくとも2つのヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物などの開始剤に、アルキレンオキシドを反応させて製造されるオキシアルキレン重合体などが挙げられる。
上記の各重合法の中でも、複合金属シアン化物錯体を使用する重合法は、より低不飽和度で、Mw/Mnが狭く、より低粘度でかつ、高耐酸性、高耐候性のオキシアルキレン重合体を得ることが可能であるため好ましい。
前記ポリアクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体を骨格とし、かつ、分子内にヒドロキシ基を有するポリオールを挙げることができる。この重合体の合成法は、分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことからリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。また、特開2001−207157号公報に記載されているアクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、高圧で連続塊状重合によって得た、いわゆるSGOプロセスによる重合体を用いるのが好ましい。具体的には、東亞合成(株)製のアルフォンUH−2000等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートなどを挙げることができる。
一般式(9)のケイ素化合物としては特に限定はないが、具体的に例示すると、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、(N−フェニル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン等のヒドロキシ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;等が挙げられる。また、特開平6−211879号(米国特許5364955号)、特開平10−53637号(米国特許5756751号)、特開平10−204144号(EP0831108)、特開2000−169544号、特開2000−169545号に記載されている様に、各種のα,β−不飽和カルボニル化合物と一級アミノ基含有シランとのMichael付加反応物、または、各種の(メタ)アクリロイル基含有シランと一級アミノ基含有化合物とのMichael付加反応物もまた、一般式(9)のケイ素化合物として用いることができる。
一般式(10)の反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物としては特に限定はないが、具体的に例示すると、γ−トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−メチルジメトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−メチルジエトキシシリルプロピルイソシアネート、トリメトキシシリルメチルイソシアネート、トリエトキシメチルシリルメチルイソシアネート、ジメトキシメチルシリルメチルイソシアネート、ジエトキシメチルシリルメチルイソシアネート等が挙げられる。また、特開2000−119365号(米国特許6046270号)に記載されている様に、一般式(9)のケイ素化合物と、過剰の前記ポリイソシアネート化合物を反応させて得られる化合物もまた、一般式(10)の反応性ケイ素基含有イソシアネート化合物として用いることができる。
硬化性組成物中の(A)成分と(B)成分の総重量に対する(A)成分の重量%が5〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは、30〜70重量%である。5重量%未満であれば、防汚性が悪くなる傾向があり、90重量%を超える場合は、硬化物の伸び物性が低下したりすることがある。
<<融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)>>
融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)は、次のようなものが例として挙げられるが、これらに限定されるわけではない。第1級アミンとしては、モノアミンとして、ラウリルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、ステアリルアミン、ノナデシルアミン、などを挙げることができ、中でもラウリルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミンが好ましい。ジアミンとしては、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、1,21−ジアミノヘンティコサン、1,22−ジアミノドコサン、1,23−ジアミノトリコサン、1,24−ジアミノテトラコサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、フェニレンジアミン、3,4−キシリジンなどを挙げることができ、中でも1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタンが好ましい。上記融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンはC12〜24のアルキル基を有することが防汚性や入手性から好ましい。
第2級アミンとしては、ジラウリルアミン、ジステアリルアミンなどのモノアミンなどを挙げることができる。その他のアミンとしては、N−ラウリルプロピレンジアミン、N−ステアリルプロピレンジアミンなどを挙げることができる。
融点が20℃未満のものは、耐熱性が乏しく、特に夏期の高温で軟化し易く、また蒸発して表面艶消し能力や埃付着抑制効果が発揮されにくいので、第1級及び/又は第2級アミンの融点は20℃以上である必要がある。また融点が100℃を超えるものはシーリング材表面が固く、脆くなり易く、シーリング材の基本特性である弾性を損ね易い。本発明の第1級及び/又は第2級アミンの融点は、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは30〜80℃、最も好ましくは30〜60℃である。
また、本発明における融点が20℃以上の第1級アミン及び/又は第2級アミンには、水と反応して融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物も含まれる。この場合、水と反応して生成した第1級及び/又は第2級アミンの融点は、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは30〜80℃、最も好ましくは30〜60℃である。
融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)の配合量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して0.1〜20重量部、特に0.5〜5重量部使用するのが好ましい。融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)の配合量が0.1重量部未満と少ない場合、硬化物表面が艶消しになりかつ残留タックが消失するのに時間がかかり、埃付着性改善の効果が小さくなる。一方、配合量が20重量部より多い場合には、硬化時間が速くなって施工できる時間が短くなったり、貯蔵中の粘度上昇が見られ、好ましくない。
本発明においては、水と反応して融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物を使用することができる。第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物を使用した場合と同様に、水と反応して融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物は、硬化物の表面光沢度を低下させ、表面艶消し能力が大きいため、該化合物を含む本発明の硬化性組成物を、表面艶消しをした外壁材のシーリングに使用すると、シーリングの目地が目立たず、外壁材の美観を損なわない利点がある。具体的には、原料の入手容易性、貯蔵安定性、水との反応性などの点から、第1級及び/又は第2級アミンのケチミン化合物、エナミン化合物、及び/又はアルジミン化合物を好適に例示することができる。これらのケチミン化合物、エナミン化合物、アルジミン化合物はそれぞれ、ケトン類あるいはアルデヒド類と前記第1級及び/又は第2級アミンとの脱水反応により得ることができる。このケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−t−ブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類、アセト酢酸エチル等のβ−ジカルボニル化合物等が挙げられ、アルデヒド類としては、例えば、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記と同様の点から、このうち4−メチル−2−ペンタノンが好ましい。水と反応して融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物は、脱水した状態(そのままの状態)で硬化性組成物に使用できる。硬化性組成物を密閉された容器から出して空気中に曝露された場合に、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)の加水分解性シリル基が空気中の水分と反応してシラノール基になり、シラノール基同士、あるいはシラノール基と加水分解性シリル基が縮合して硬化物となる。これと同時に、水と反応してアミンを生成する化合物は、空気中等にある水分と反応して融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを生じる。水と反応して融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物は、1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合して使用しても良いし、第1級及び/又は第2級アミンと併用しても良い。
水と反応して融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物の配合量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して0.1〜20重量部、特に0.5〜5重量部使用するのが好ましい。水と反応して融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物の配合量が、0.1重量部未満と少ない場合、硬化物表面が艶消しになりかつ残留タックが消失するのに時間がかかり、埃付着性改善の効果が小さくなる。一方、配合量が20重量部より多いと硬化時間が速くなって施工できる時間が短くなったり、貯蔵中の粘度上昇が見られ、好ましくない。
<<その他の添加剤>>
本発明の組成物には、添加剤として、シラノール縮合触媒、充填剤、接着性付与剤、可塑剤、溶剤、希釈剤、タレ防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、物性調整剤、粘着付与樹脂、エポキシ基を含有する化合物、光硬化性物質、酸素硬化性物質、エポキシ樹脂、その他の樹脂、を添加しても良い。また、本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、表面性改良剤、発泡剤、硬化性調整剤、難燃剤、シリケート、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、防かび剤などが挙げられる。
<シラノール縮合触媒>
本発明では、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)の加水分解性シリル基を加水分解・縮合させる反応を促進し、重合体を鎖延長または架橋させる目的で、シラノール縮合触媒を使用しても良い。
シラノール縮合触媒としては、例えば有機錫化合物、カルボン酸金属塩、アミン化合物、カルボン酸、アルコキシ金属、などが挙げられる。
有機錫化合物の具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジオクチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジオクチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物などが挙げられる。
カルボン酸金属塩の具体例としては、カルボン酸錫、カルボン酸ビスマス、カルボン酸チタン、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸鉄、などが挙げられる。カルボン酸基としては下記のカルボン酸と各種金属を組み合わせることができる。
アミン化合物の具体例としては、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、などのアミン類;ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)、などの含窒素複素環式化合物;グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類;ブチルビグアニド、1−o−トリルビグアニドや1−フェニルビグアニドなどのビグアニド類;アミノ基含有シランカップリング剤;ケチミン化合物などが挙げられる。
カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸などが挙げられる。
アルコキシ金属の具体例としては、テトラブチルチタネートチタンテトラキス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトセテート)などのチタン化合物や、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウム化合物類、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物類が挙げられる。
その他のシラノール縮合触媒として、フッ素アニオン含有化合物、光酸発生剤や光塩基発生剤も使用できる。
シラノール縮合触媒は、1種類のみを使用してもよいし、異なる2種類以上の触媒を併用して使用してもよい。
シラノール縮合触媒の使用量としては、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、0.001〜20重量部が好ましく、更には0.01〜15重量部がより好ましく、0.01〜10重量部が特に好ましい。
<充填剤>
本発明の組成物には、種々の充填剤を配合することができる。充填剤としては、重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、クレー、タルク、酸化チタン、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、PVC粉末、PMMA粉末、ガラス繊維およびフィラメント等が挙げられる。
充填剤の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、1〜300重量部が好ましく、特に10〜250重量部が好ましい。
組成物の軽量化(低比重化)の目的で、有機バルーン、無機バルーンを添加してもよい。バルーンは、球状体充填剤で内部が中空のものであり、このバルーンの材料としては、ガラス、シラス、シリカなどの無機系の材料、および、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレン、サランなどの有機系の材料があげられる。
バルーンの使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、0.1〜100重量部が好ましく、特に1〜20重量部が好ましい。
<接着性付与剤>
本発明の組成物には、接着性付与剤を添加することができる。
接着性付与剤としては、シランカップリング剤、シランカップリング剤の反応物を添加することができる。
シランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、α−イソシアネートメチルトリメトキシシラン、α−イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類、が挙げられる。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。また、各種シランカップリング剤の反応物も使用できる。
接着性付与剤の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、特に0.5〜10重量部が好ましい。
<可塑剤>
本発明の組成物には、可塑剤を添加することができる。可塑剤の具体例としては、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル化合物;ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボキシレートなどのテレフタル酸エステル化合物;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステルなどの非フタル酸エステル化合物;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジイソデシル、アセチルクエン酸トリブチルなどの脂肪族多価カルボン酸エステル化合物;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチルなどの不飽和脂肪酸エステル化合物;アルキルスルホン酸フェニルエステル;リン酸エステル化合物;トリメリット酸エステル化合物;塩素化パラフィン;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油;プロセスオイル;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤、などをあげることができる。
また、高分子可塑剤を使用することができる。高分子可塑剤の具体例としては、ビニル系重合体;ポリエステル系可塑剤;数平均分子量500以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、これらポリエーテルポリオールのヒドロキシ基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体等のポリエーテル類;ポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン等があげられる。ビニル系重合体の中でもアクリル系重合体および/またはメタクリル系重合体が好ましく、ポリアクリル酸アルキルエステルなどアクリル系重合体が更に好ましい。この重合体の合成法は、分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことからリビングラジカル重合法が好ましく、原子移動ラジカル重合法が更に好ましい。また、特開2001−207157号公報に記載されているアクリル酸アルキルエステル系単量体を高温、高圧で連続塊状重合によって得た、いわゆるSGOプロセスによる重合体を用いるのが好ましい。この可塑剤は、東亞合成株式会社からアルフォンという商品名で販売されている。
可塑剤の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、5〜150重量部が好ましく、10〜120重量部がより好ましく、特に20〜100重量部が好ましい。5重量部未満では可塑剤としての効果が発現しなくなり、150重量部を超えると硬化物の機械強度が不足する。可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には溶剤または希釈剤を添加することができる。溶剤及び希釈剤としては、特に限定されないが、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、エステル、ケトン、エーテルなどを使用することができる。溶剤または希釈剤を使用する場合、組成物を屋内で使用した時の空気への汚染の問題から、溶剤の沸点は、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、250℃以上が特に好ましい。上記溶剤または希釈剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<タレ防止剤>
本発明の組成物には、必要に応じてタレを防止し、作業性を良くするためにタレ防止剤を添加しても良い。また、タレ防止剤としては特に限定されないが、例えば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。これらタレ防止剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
タレ防止剤の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましい。
<酸化防止剤(老化防止剤)>
本発明の組成物には、酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると硬化物の耐候性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系が例示できる。酸化防止剤の具体例は特開平4−283259号公報や特開平9−194731号公報にも記載されている。
酸化防止剤の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、特に0.2〜5重量部が好ましい。
<光安定剤>
本発明の組成物には、光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としてベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できるが、特にヒンダードアミン系が好ましい。
光安定剤の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、特に0.2〜5重量部が好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明の組成物には、紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置換トリル系及び金属キレート系化合物等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系が好ましく、市販名チヌビンP、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン329、チヌビン571(以上、BASF製)が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、特に0.2〜5重量部が好ましい。
<物性調整剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添加しても良い。物性調整剤としては特に限定されないが、例えば、フェノキシトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどのアリールアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン;トリス(トリメチルシリル)ボレート、トリス(トリエチルシリル)ボレートなどのトリアルキルシリルボレート類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。前記物性調整剤を用いることにより、本発明の組成物を硬化させた時の硬度を上げたり、逆に硬度を下げ、破断伸びを出したりし得る。上記物性調整剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
特に、加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物は硬化物の表面のべたつきを悪化させずに硬化物のモジュラスを低下させる作用を有する。特にトリメチルシラノールを生成する化合物が好ましい。加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物としては、ヘキサノール、オクタノール、フェノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどのアルコールの誘導体であって加水分解によりシランモノオールを生成するシリコン化合物を挙げることができる。
物性調整剤の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、特に0.5〜5重量部が好ましい。
<粘着付与樹脂>
本発明には、基材への接着性や密着性を高める目的、あるいはその他必要に応じて粘着付与樹脂を添加できる。粘着付与樹脂としては、特に制限はなく通常使用されているものを使うことが出来る。
具体例としては、テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、キシレン−フェノール樹脂、シクロペンタジエン−フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、スチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物、石油樹脂(例えば、C5炭化水素樹脂、C9炭化水素樹脂、C5C9炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、DCPD樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
粘着付与樹脂の使用量は分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して2〜100重量部が好ましく、5〜50重量部であることがより好ましく、5〜30重量部であることがさらに好ましい。2重量部より少ないと基材への接着、密着効果が得られにくく、また100重量部を超えると組成物の粘度が高くなりすぎ取扱いが困難となる場合がある。
<エポキシ基を含有する化合物>
本発明の組成物においてはエポキシ基を含有する化合物を使用できる。エポキシ基を有する化合物を使用すると硬化物の復元性を高めることができる。エポキシ基を有する化合物としてはエポキシ化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、脂環族エポキシ化合物類、エピクロルヒドリン誘導体に示す化合物及びそれらの混合物等が例示できる。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、ビス(2−エチルヘキシル)−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカーボキシレート(E−PS)、エポキシオクチルステアレ−ト、エポキシブチルステアレ−ト等があげられる。エポキシ基を含有する化合物は分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して0.5〜50重量部の範囲で使用するのがよい。
<光硬化性物質>
本発明の組成物には光硬化性物質を使用できる。光硬化性物質を使用すると硬化物表面に光硬化性物質の皮膜が形成され、硬化物のべたつきや硬化物の耐候性を改善できる。この種の化合物には有機単量体、オリゴマー、樹脂或いはそれらを含む組成物等多くのものが知られており、代表的なものとしては、アクリル系又はメタクリル系不飽和基を1ないし数個有するモノマー、オリゴマー或いはそれ等の混合物である不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂等が使用できる。
光硬化性物質は分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲で使用するのがよく、0.1重量部以下では耐候性を高める効果はなく、20重量部以上では硬化物が硬くなりすぎて、ヒビ割れを生じる傾向がある。
<酸素硬化性物質>
本発明の組成物には酸素硬化性物質を使用することができる。酸素硬化性物質には空気中の酸素と反応し得る不飽和化合物を例示でき、空気中の酸素と反応して硬化物の表面付近に硬化皮膜を形成し表面のべたつきや硬化物表面へのゴミやホコリの付着を防止するなどの作用をする。酸素硬化性物質の具体例には、キリ油、アマニ油などで代表される乾性油や、該化合物を変性して得られる各種アルキッド樹脂;乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂;ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどのジエン系化合物を重合または共重合させて得られる1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、C5〜C8ジエンの重合体などの液状重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
酸素硬化性物質の使用量は、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で使用するのがよく、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。前記使用量が0.1重量部未満になると汚染性の改善が充分でなくなり、20重量部を超えると硬化物の引張り特性などが損なわれる傾向が生ずる。特開平3−160053号公報に記載されているように酸素硬化性物質は光硬化性物質と併用して使用するのがよい。
<エポキシ樹脂>
本発明の組成物にはエポキシ樹脂を併用することができる。エポキシ樹脂を添加した組成物は特に接着剤、殊に外壁タイル用接着剤として好ましい。エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂類またはノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらのエポキシ樹脂と、分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)の使用割合は、重量比で(B)/エポキシ樹脂=100/1〜1/100の範囲である。(B)/エポキシ樹脂の割合が1/100未満になると、硬化物の衝撃強度や強靱性の改良効果が得られがたくなり、(B)/エポキシ樹脂の割合が100/1を超えると、硬化物の強度が不十分となる。
エポキシ樹脂を添加する場合、本発明の組成物には、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤を併用できる。使用し得るエポキシ樹脂硬化剤としては、特に制限はなく、一般に使用されているエポキシ樹脂硬化剤を使用できる。
エポキシ樹脂の硬化剤を使用する場合、その使用量はエポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜300重量部の範囲である。
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製することも可能であり、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と有機重合体組成物を使用前に混合する2成分型として調製することもできる。作業性の点からは、1成分型が好ましい。
前記硬化性組成物が1成分型の場合、すべての配合成分が予め配合されるため、水分を含有する配合成分は予め脱水乾燥してから使用するか、または、配合混練中に減圧などにより脱水するのが好ましい。また、脱水乾燥法に加えてn−プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物を添加することにより、さらに貯蔵安定性は向上する。
脱水剤、特にビニルトリメトキシシランなどの水と反応し得るケイ素化合物の使用量は分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
前記硬化性組成物が2成分型の場合、反応性ケイ素基を有する重合体を含有する主剤に硬化触媒を配合する必要がないので配合剤中には若干の水分が含有されていてもゲル化の心配は少ないが、長期間の貯蔵安定性を必要とする場合には脱水乾燥するのが好ましい。脱水乾燥方法としては、粉状などの固状物の場合は加熱乾燥法または減圧脱水法、液状物の場合は減圧脱水法または合成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、生石灰、酸化マグネシウムなどを使用した脱水法が好適である。かかる脱水乾燥法に加えて、n−プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケート、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物を添加し、水と反応させて脱水してもよい。また、3−エチル−2−メチル−2−(3−メチルブチル)−1,3−オキサゾリジンなどのオキサゾリジン化合物を配合して水と反応させて脱水してもよい。また、イソシアネート化合物を少量配合してイソシアネート基と水とを反応させて脱水してもよい。アルコキシシラン化合物やオキサゾリジン化合物、および、イソシアネート化合物の添加により、貯蔵安定性が向上する。
脱水剤、特にビニルトリメトキシシランなどの水と反応し得るケイ素化合物の使用量は、(B)成分100重量部に対して、0.1から20重量部、好ましくは0.5から10重量部の範囲が好ましい。
本発明の硬化性組成物の調製法には特に限定はなく、例えば上記した成分を配合し、ミキサーやロールやニーダーなどを用いて常温または加熱下で混練したり、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合したりするなどの通常の方法が採用されうる。
本発明の硬化性組成物は、大気中に暴露されると水分の作用により、三次元的に網状組織を形成し、ゴム状弾性を有する固体へと硬化する。
<<用途>>
本発明の硬化性組成物は、粘着剤、建造物・船舶・自動車・道路などのシーリング材、接着剤、型取剤、防振材、制振材、防音材、発泡材料、塗料、吹付材などに使用できる。本発明の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は、柔軟性および接着性に優れることから、これらの中でも、シーリング材または接着剤として用いることがより好ましい。
また、太陽電池裏面封止材などの電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電気絶縁材料、弾性接着剤、コンタクト型接着剤、スプレー型シール材、クラック補修材、タイル張り用接着剤、粉体塗料、注型材料、医療用ゴム材料、医療用粘着剤、医療機器シール材、食品包装材、サイディングボード等の外装材の目地用シーリング材、コーティング材、プライマー、電磁波遮蔽用導電性材料、熱伝導性材料、ホットメルト材料、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、各種成形材料、および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤等の様々な用途に利用可能である。更に、単独あるいはプライマーの助けをかりてガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物などの如き広範囲の基質に密着しうるので、種々のタイプの密封組成物および接着組成物としても使用可能である。また、本発明の硬化性組成物は、内装パネル用接着剤、外装パネル用接着剤、タイル張り用接着剤、石材張り用接着剤、天井仕上げ用接着剤、床仕上げ用接着剤、壁仕上げ用接着剤、車両パネル用接着剤、電気・電子・精密機器組立用接着剤、ダイレクトグレージング用シーリング材、複層ガラス用シーリング材、SSG工法用シーリング材、または、建築物のワーキングジョイント用シーリング材、としても使用可能である。
本発明の硬化性組成物は親水性のサイディングボードの目地へ施工でき、それにより壁全体が水との接触角が低い親水性の外壁となり、長期間にわたり美観を維持できる。
つぎに実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例中の数平均分子量および重量平均分子量は以下の条件で測定したGPC分子量である。
送液システム:東ソー製HLC−8120GPC
カラム:東ソー製TSK−GEL Hタイプ
溶媒:THF
分子量:ポリスチレン換算
測定温度:40℃
実施例に示す重合体(B)の重合体1分子あたりへのシリル基の平均導入数はNMR測定により算出した。
(合成例1〜5、8、9)
フラスコに、イソブタノールを添加し105℃に加熱し、窒素置換を行った後、攪拌しながら、窒素雰囲気下で、表1に示すアクリル酸エステル系単量体と重合開始剤とイソブタノールの溶液を5時間かけて滴下し、その後1時間後重合を行った。得られたポリアクリル系重合体のイソブタノール溶液から、加熱減圧下でイソブタノールを除去することにより、透明で粘稠な液体を得た。以上により、表1に示す分子量と粘度(東京計器(株)製RE80形粘度計を用い、測定温度23.0℃、3°×R14ローターで測定)の反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得た。
表1における、アクリル酸エステル系単量体と溶剤の略号、重合開始剤の詳細は以下の通りである。
NKエステルM−90G:メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール#400(新中村化学工業(株)製)
NKエステル S−20E:ポリエチレングリコール#880メタクリルステアリルエーテル(新中村化学工業(株)製)
BA:アクリル酸ブチル
DSMA:メタクリル酸3−(メチルジメトキシシリル)プロピル
TSMA:メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル
SMA:メタクリル酸ステアリル
IBA:イソブタノール
V−59:2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)
Figure 2019073680
(合成例6)
数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、両末端に水酸基を有する数平均分子量17,000のポリオキシプロピレンを得た。続いてこの水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n−ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、末端部位にアリル基を有する、GPCでのポリスチレン換算の数平均分子量が約17,000であるポリオキシプロピレン重合体を得た。得られたアリル基を有するポリオキシプロピレン重合体100重量部に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%のイソプロパノール溶液36ppmを触媒として、ジメトキシメチルシラン1.3重量部と90℃で2時間反応させ、重合体1分子中に平均約1.2個のジメトキシメチルシリル基を分子鎖末端に有するポリオキシプロピレン系重合体(ポリマーB−1)を得た。
(合成例7)
数平均分子量14,600(上記と同じ方法にて測定)のポリオキシプロピレングリコールとn−ブタノールをそれぞれ重量比で10:1の割合で混合したものを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキシドの重合を行い、数平均分子量7,700のポリプロピレンオキシドの混合物を得た(数平均分子量6,500のポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテルと、数平均分子量18,000のポリオキシプロピレングリコール(重量比は9:1))。続いて、この水酸基を有するポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル基を有するポリプロピレンオキシド100重量部に対し、n−ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、片末端にのみアリル基が導入された成分が主成分であり、GPCでのポリスチレン換算の数平均分子量が約7,700であるポリオキシプロピレン重合体の混合物を得た。得られたアリル基を有するポリオキシプロピレン重合体100重量部に対し、白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%のイソプロパノール溶液36ppmを触媒として、ジメトキシメチルシラン1.9重量部と90℃で2時間反応させ、重合体1分子中に平均約0.9個のジメトキシメチルシリル基を分子鎖末端に有するポリオキシプロピレン系重合体(ポリマーB−2)を得た。
(合成例10)
数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、両末端に水酸基を有する数平均分子量27,900(上記と同じ方法にて測定)、分子量分布Mw/Mn=1.21のポリプロピレンオキシドを得た。続いてこの水酸基末端ポリプロピレンオキシドの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、更に塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルは減圧脱揮により除去した。得られた未精製のアリル基を有するポリプロピレンオキシド100重量部に対し、n−ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、末端部位にアリル基を有する数平均分子量27,900(上記と同じ方法にて測定)、分子量分布Mw/Mn=1.21のポリプロピレンオキシドを得た。得られたアリル基を有するポリプロピレンオキシド100重量部に対して白金ビニルシロキサン錯体の白金含量3wt%のイソプロパノール溶液36ppmを触媒として、ジメトキシメチルシラン0.9重量部と90℃で2時間反応させ、重合体1分子中に平均約1.6個のジメトキシメチルシリル基を分子鎖末端に有するポリオキシプロピレン系重合体(ポリマーB−3)を得た。
(合成例11)
攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅1.07g、アクリル酸n−ブチル14.1g、アクリル酸エチル2.2g、アクリル酸ステアリル3.7gを仕込み、加熱攪拌した。重合反応溶媒としてアセトニトリル8.95g、開始剤として2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル1.07gを添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミンを添加し、重合反応を開始した。アクリル酸n−ブチル56.5g、アクリル酸エチル8.6g、アクリル酸ステアリル14.9gの混合物を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜ペンタメチルジエチレントリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したペンタメチルジエチレントリアミンの総量は0.14gであった。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整した。単量体転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で未反応の単量体及び重合用アセトニトリルを減圧脱揮して除去し、重合体濃縮物を得た。
上記濃縮物に1,7−オクタジエン20.0g、アセトニトリル36.0gを添加し、ペンタメチルジエチレントリアミン0.31gを追加し、内温を約80℃〜約90℃に調節しながら数時間加熱攪拌させて、重合体末端に1,7−オクタジエンを反応させた。
反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入し、内温を約80℃〜約90℃に保ちながら反応液を数時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応の1,7−オクタジエンを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。
重合体濃縮物100重量部に対して100〜150重量部程度の酢酸ブチルで濃縮物を希釈し、ろ過助剤を添加して攪拌した後、不溶な触媒成分をろ過除去した。
ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤としてアルミニウムシリケート(キョーワード700SEN:協和化学製)、ハイドロタルサイト(キョーワード500SH:協和化学製)を添加した。気相部に酸素−窒素混合ガスを導入して約100℃で1時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。ろ液を濃縮し、重合体粗精製物を得た。
重合体粗精製物、熱安定剤(スミライザーGS:住友化学(株)製)、キョーワード700SEN、キョーワード500SHを添加し、減圧脱揮、加熱攪拌しながら昇温し、約170℃〜約200℃の高温状態で数時間程度加熱攪拌、減圧脱揮を行ない、重合体中のハロゲン基の脱離、吸着精製を実施した。キョーワード700SEN、キョーワード500SHを追加し、希釈溶媒として重合体に対して約10重量部の酢酸ブチルを添加し、気相部を酸素−窒素混合ガス雰囲気にし、約170℃〜約200℃の高温状態で更に数時間程度加熱攪拌し、吸着精製を継続した。処理液を更に重合体に対して90重量部の酢酸ブチルで希釈し、ろ過して吸着剤を除去した。ろ液を濃縮し、両末端にアルケニル基を有する重合体を得た。
両末端にアルケニル基を有する重合体100重量部に対して、メチルジメトキシシラン1.9重量部、オルト蟻酸メチル0.5重量部、白金ビニルシロキサン錯体を白金として0.001重量部となるように混合し、約100℃に加熱攪拌した。1時間程度加熱攪拌後、揮発分を減圧留去し、重合体1分子中に平均約2.0個のジメトキシメチルシリル基を分子鎖末端に有し、数平均分子量約40000、分子量分布Mw/Mn=1.3の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(ポリマーB−4)を得た。
(実施例1〜5)(比較例1〜12)
表2〜5に示す(A)成分、(B)成分、表面処理膠質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:白艶華CCR)、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)商品名;ホワイトンSB)、酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:タイペークR−820)、チクソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン6500)、光安定剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン770)、紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン326)を計量、混合して充分混練りした後、小型3本ペイントロールに3回通した。この後、120℃で2時間減圧脱水を実施、50℃以下に冷却後、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名:Silquest A−171)、接着性付与剤としてγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名:Silquest A−1120)、硬化触媒としてジブチル錫ビスアセチルアセトネート(日東化成工業(株)製、商品名:ネオスタンU−220H)、(C)成分であるラウリルアミン(和光純薬工業(株)製)をフタル酸エステル系可塑剤(ジェイ・プラス(株)製、商品名:DIDP)に溶解させたものを加えて混練し、硬化性組成物を得た。
(汚染性評価)
上記硬化性組成物を厚さ10mmのシート状試験体にして、23℃、50%RHの条件で7日間硬化させた。硬化させたシート状試験体をミノルタ(株)製測色計CR−300を使用し、曝露開始前と各曝露期間でL*、a*、b*値を測定し、表に記載の曝露期間でのL*と曝露開始前のL*から明度差(ΔL)を算出した。ΔLの絶対値が小さい(0に近い)ほど汚染物質の付着による色相変化が小さく、耐汚染性に優れることを示す。表4では12ヶ月屋外曝露を行ったことからΔLが大きくなったため、目視による官能評価も実施した。官能評価の結果は○が一番良好で、汚れが少なく、△、×の順で美観が悪く、汚れが大きくなることを意味する。
Figure 2019073680
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表2の結果から、(B)成分に対して(C)成分を配合するだけでも防汚性は向上する(比較例1に対し比較例2)が、(B)成分に対して(A)成分と(C)成分を組み合わせて配合することで、さらに防汚性が向上する(比較例2に対し実施例1及び2)ことが分かる。
表3の実施例3は、実施例1及び実施例2よりも(A)成分の配合量を増やした例である。この場合、3ヶ月の屋外曝露でも防汚性の評価結果に差が出ている(比較例3に対し実施例3)ことから、(A)成分と(C)成分を組み合わせることによる防汚性の向上効果がさらに高まっていることが分かる。
表4では(C)成分を配合していない比較例4〜6を示しているが、(A)成分中のポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位の割合が40%と低い合成例4で得た(A)成分を用いた比較例4は、同(メタ)アクリル酸エステル単位の割合が50%以上の合成例5で得た(A)成分を用いた比較例6と比べて、ΔLの絶対値が大きく、且つ、官能評価においても汚れが大きい結果となったため、(A)成分中のポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位の割合が低い場合には、防汚性の向上効果は小さいといえる。
同様に、表5において、(A)成分中のポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位の割合が40%と低い合成例9で得たものを用いた比較例9及び12は、同(メタ)アクリル酸エステル単位の割合が50%以上の合成例8で得た(A)成分を用いた実施例4及び5と比べて、ΔLの絶対値が大きくなっており、更に、(A)成分を全く配合していない比較例8及び11と比べても、ΔLの絶対値が同等か又は大きい結果となっている。このことより、ポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位の割合が40%と低い(A)成分には、防汚性の向上効果がほぼ無いといえる。

Claims (7)

  1. ポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位と加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位を含有する加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)と、
    分子鎖末端に加水分解性シリル基を有する有機重合体(B)と、
    融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)を含有し、
    前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)におけるポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位の割合が50〜95質量%であることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 有機重合体(B)の主鎖が、ポリオキシアルキレン系重合体、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体、及び、飽和炭化水素系重合体からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. (メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)を構成するポリオキシエチレン鎖を含有する(メタ)アクリル酸エステルを形成するアルコール残基が、末端がC1〜24のアルキル基で封鎖されたポリエチレングリコール残基である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. (メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の重量平均分子量が12,000〜20,000である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 融点が20℃以上の第1級及び/又は第2級アミン(C)が、C12〜24のアルキル基を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物をサイディングボードの目地へ施工することを特徴とする防水工法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を施工した親水性の外壁。
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