JP7239691B2 - 制振部材用熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

制振部材用熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Description

本発明は、家電製品や自動車部品、スポーツ用品等の騒音・振動対策に適用される制振部材用熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を用いた制振部材及び電動機用回転子に関する。
制振部材の代表的な用途としては、例えば、エアコンやヒートポンプ式給湯器、空気清浄機等の電気機器内で、電動機や動力伝達部材の回転軸を支持するために設置される軸受部等を挙げることができ、中でもブラシレス型の電動機の回転子では、回転軸と永久磁石やフェライト磁石、電磁鋼板等を有する外コアの間に防振ゴムをはめ込むことによって、電動機から発生する音や振動を抑え、静粛性の追求と共に、振動に由来する機器全体の故障劣化を防ぐことが知られている。
特許文献1には、電動機の回転子にゴムをはめ込む代わりに、エラストマーを用いてコアと防振材を一体成形することにより、防振材のずれや抜けを防ぐことができることが開示されている。
制振性能の高い熱可塑性エラストマーとしては、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体やスチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体及びこれらの水素添加物が知られているが、これらは加硫ゴムに比べて制振性能には優れるものの圧縮永久歪が大きいという問題点がある。軸受部に用いる制振材料の圧縮永久歪が大きいと、回転軸の支持位置や回転子の外コアの位置が経時的に変動してしまい、回転伝達部品とのかみ合わせが不良となったり、回転子とケースが接触したりする恐れがあるため、改良が必要である。
特許文献2には、ポリフェニレンエーテル系樹脂、共役ジエン-アルケニル芳香族系共重合体、及びポリスチレン系樹脂とを含有し、寸法精度及び寸法安定性に優れ、制振性にも優れた熱可塑性樹脂組成物が開示されているが、ポリフェニレンエーテル系樹脂自体は満足すべき制振性能は有していないので、制振性能を向上させるためには特定の共役ジエン-アルケニル芳香族系共重合体を併用する必要があることが示唆されている。また、好ましいフィラーとして、ガラス繊維等の繊維状や、マイカ、タルク等の鱗片状フィラーが挙げられている。
特開平6-86485号公報 特開平11-080535号公報
特許文献1では、複雑な形状の回転子にエラストマーを一体成型するときに充填性が悪ければボイドを生じて回転子の重量バランスを崩してしまう恐れがあるため、用いるエラストマーには高い成形性が必要となるが、特許文献1には制振性と成形性を兼ね備えたエラストマーとしてどのようなものを用いたらよいかについての開示はない。
また、特許文献2に記載されている針状や層状のフィラーは、以前から制振材料として好ましいものであることが知られており、総称して制振フィラーと呼ばれることもあるが、一方で、フィラーを配合することで、熱可塑性組成物としての成形性は低下する傾向がある。
従って、熱可塑性エラストマー組成物として、制振性に優れた熱可塑性エラストマー組成物が知られており、制振性を向上させる制振フィラーも知られているが、さらに成形性や耐圧縮永久歪性が要求される用途に対しては問題が十分解消されておらず、解決が求められている。
本発明の課題は、制振性とともに、耐圧縮永久歪性及び成形性にも優れた制振部材用熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を用いた制振部材及び電動機用回転子を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 スチレン系重合体ブロック(S1)と共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)とからなるブロック共重合体の水素添加物であり、共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)の1,2-ビニル結合量が50質量%以上である水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと、スチレン系重合体ブロック(S2)と共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)とからなるブロック共重合体の水素添加物であり、共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)の1,2-ビニル結合量が50質量%未満である水添熱可塑性スチレン系エラストマーBとを、5/95~55/45の質量比(水添熱可塑性スチレン系エラストマーA/水添熱可塑性スチレン系エラストマーB)で含有し、該水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと該水添熱可塑性スチレン系エラストマーBの合計100質量部に対して、ポリフェニレンエーテル樹脂を10~200質量部、ゴム用軟化剤を50~1000質量部、及び重質炭酸カルシウムを10~300質量部を含有し、A硬度が50以下である、制振部材用熱可塑性エラストマー組成物、
〔2〕 重質炭酸カルシウムの、体積基準メジアン径が0.5~10μmであり、比表面積が0.3~3.0m2/gである、前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物、
〔3〕 さらに、フェノール系酸化防止剤及びヒンダードアミン系光安定剤を含有する、前記〔1〕又は〔2〕記載の熱可塑性エラストマー組成物、
〔4〕 さらに、ポリプロピレンを含有する、前記〔1〕~〔3〕いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物、
〔5〕 前記〔1〕~〔4〕いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物の成形体である、制振部材、並びに
〔6〕 前記〔5〕記載の制振部材を備えた、電動機用回転子
に関する。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、制振部材として、制振性とともに、耐圧縮永久歪性及び成形性にも優れるという効果を奏するものである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
スチレン系重合体ブロック(S1)と共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)とからなるブロック共重合体の水素添加物であり、共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)の1,2-ビニル結合量が50質量%以上である水添熱可塑性スチレン系エラストマーA、及び
スチレン系重合体ブロック(S2)と共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)とからなるブロック共重合体の水素添加物であり、共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)の1,2-ビニル結合量が50質量%未満である水添熱可塑性スチレン系エラストマーBと、
ポリフェニレンエーテル樹脂、ゴム用軟化剤、及び重質炭酸カルシウムを含有するものである。
熱可塑性エラストマーの特異な性質は、軟らかいゴム成分からなるソフトセグメント(軟質相)と硬い樹脂成分からなるハードセグメント(硬質相)に分離している構造に由来する。そして、ゴム用軟化剤は、ソフトセグメント部分に保持されるのであり、さらには該ソフトセグメント部分の長さに応じて保持される。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーAは、1,2-ビニル結合量が50質量%以上であり、制振性は良好であるが、水添熱可塑性スチレン系エラストマーAのみを使用すると、枝分かれの多い分子鎖ではソフトセグメント部分の長さが短くなり、このためゴム用軟化剤が保持されにくくなり、組成物にベタツキが生じる可能性がある。そこで、本発明の組成物は、1,2-ビニル結合量が50質量%未満の水添熱可塑性スチレン系エラストマーBを含有する。水添熱可塑性スチレン系エラストマーBは、枝分かれの少ない長い分子鎖を有するので、ソフトセグメント部分の長さが長くなり、ゴム用軟化剤が保持されやすい。水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと水添熱可塑性スチレン系エラストマーBとの併用により、制振性とベタツキの改善が向上する。なお、本発明において、1,2-ビニル結合量とは、1,2-ビニル結合量と3,4-ビニル結合量との合計量を意味する。共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)がポリブタジエンユニットを有する場合、1,2-ビニル結合単位と3,4-ビニル結合単位とは同じ構造のものとなるため、構造の差による効果の違いは無視でき、いずれの結合単位も1,4-ビニル結合単位に比べて側鎖が多いために制振効果が現れる。一方、共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)がイソプレンユニットを有する場合、1,2-ビニル結合単位と3,4-ビニル結合単位では側鎖の形に差があり、3,4-ビニル結合の方がより嵩高い側鎖を有するために、制振効果がより大きくなる。従って、共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)においては1,4-ビニル結合に比べて1,2-ビニル結合及び3,4-ビニル結合量の合計量が多いものの方が好ましく、さらには1,2-ビニル結合量と3,4-ビニル結合量との合計の内、3,4-ビニル結合量が多いものが好ましい。
さらに、本発明においては、重質炭酸カルシウムを含有している点に大きな特徴を有している。
一般的にフィラーとして使用される炭酸カルシウムは、石灰石を機械的に粉砕分級した天然炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム)と、石灰石を、いったん原料に溶解して化学的に合成した合成炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)の2種類に大別される。重質炭酸カルシウムは粉砕品であるため、基本的に不定形の破砕形状であり、粒子径や粒径分布も様々なものがあり得る。一方、軽質炭酸カルシウムは、溶液から化学反応によって析出するものであるため、製法によって一定の粒子形状を有するものが製造され、粒子形状が紡錘形で長径がミクロンオーダーの軽微性炭酸カルシウムと、一次粒子径がナノオーダーで立方形状のコロイド炭酸カルシウムに分類される。
軽質炭酸カルシウムは天然ゴム用の充填剤として古くから用いられており、極微粒子で比表面積の大きな軽質炭酸カルシウムを分散させたゴムは引張強さが向上することが知られているが、微粒子で表面が親水性であるという軽質炭酸カルシウムの性質から、非極性の溶融樹脂中では凝集しやすい傾向があり、樹脂中で分散させるためにはステアリン酸等の有機酸で表面処理する必要がある。
熱可塑性エラストマー組成物は、用途や性状が天然ゴムと似ているため、ゴム用の軽質炭酸カルシウムを添加剤として配合することはよくあるが、制振部材に用いられる本発明の熱可塑性エラストマー組成物では、引張強度を特に高くする必要性は低く、一方で、軽質炭酸カルシウムを配合すると成形性や耐圧縮永久歪性が悪化してしまうことを見出し、特定の粒度を有する重質炭酸カルシウムを配合することで、これらの課題を解決した。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーAは、スチレン系重合体ブロック(S1)と、共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)とからなるものであって、共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)は、一部または全部が水素添加されている。水素添加率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。本発明において、水素添加率は、ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に由来する炭素-炭素二重結合の含有量を、水素添加の前後において、1H-NMRスペクトルによって測定し、該測定値から求めることができる。
スチレン系重合体ブロック(S1)としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-t(ターシャリー)-ブチルスチレン、1,3-ジメチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等のスチレン系単量体の重合体ブロック等が挙げられる。
共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)としては、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン等の共役ジエン化合物の重合体ブロック等が挙げられる。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーAとしては、例えば、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレン(SIS)の水素添加物等が挙げられる。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーAの重量平均分子量は、耐圧縮永久歪性及び成形性の観点から、好ましくは50,000~500,000、より好ましくは100,000~300,000、さらに好ましくは200,000~250,000である。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーAにおけるスチレン系単量体の含有量は、耐熱性の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは20~40質量%である。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーAは、スチレン系重合体ブロック(S1)が少なくとも2個、共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)が少なくとも1個で構成されたブロック共重合体であることが好ましい。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーAにおける共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)の1,2-ビニル結合量は、50質量%以上であり、好ましくは50~80質量%である。このような水添熱可塑性スチレン系エラストマーAは、エラストマー分子鎖に枝分かれが多く、嵩高い構造を有している。このため、本発明の組成物に振動エネルギーが及ぼされた際、分子同士が衝突する確率が高くなり、振動エネルギーが熱エネルギーに効率良く変換され、本発明の組成物に良好な制振性を与える。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーBは、スチレン系重合体ブロック(S2)と共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)とからなるブロック共重合体の水素添加物であり、共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)の1,2-ビニル結合量が50質量%未満である。水素添加率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。本発明において、水素添加率は、ブロック共重合体中の共役ジエン化合物に由来する炭素-炭素二重結合の含有量を、水素添加の前後において、1H-NMRスペクトルによって測定し、該測定値から求めることができる。
共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)の1,2-ビニル結合量は、好ましくは20~45質量%、より好ましくは30~40質量%である。
スチレン系重合体ブロック(S2)及び共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)としては、スチレン系重合体ブロック(S1)及び共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)と同様のものが例示できる。
従って、水添熱可塑性スチレン系エラストマーBとしては、水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと同様に、例えば、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレン(SIS)の水素添加物等が挙げられる。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーBの重量平均分子量は、耐圧縮永久歪性及び成形性の観点から、好ましくは50,000~500,000、より好ましくは150,000~450,000、さらに好ましくは200,000~400,000である。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーBにおけるスチレン系単量体の含有量は、耐熱性の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは20~40質量%である。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーBは、スチレン系重合体ブロック(S2)が少なくとも2個、共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)が少なくとも1個で構成されたブロック共重合体であることが好ましい。
水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと水添熱可塑性スチレン系エラストマーBの質量比(水添熱可塑性スチレン系エラストマーA/水添熱可塑性スチレン系エラストマーB)は、5/95~55/45であり、好ましくは10/90~50/50、より好ましくは20/80~40/60である。
また、水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと水添熱可塑性スチレン系エラストマーBの合計含有量は、熱可塑性エラストマー組成物中、好ましくは10~40質量%、より好ましくは15~35質量%である。
ポリフェニレンエーテル樹脂は耐熱性や機械的強度、絶縁性等に優れた樹脂であり、それ自体が耐熱樹脂材料として用いられる他に、スチレン系樹脂との相溶性が良いためにスチレン系樹脂の耐衝撃性を向上させるために併用すること等が知られている、本発明においては、熱可塑性スチレン系エラストマーのスチレンブロックの会合を補強して耐熱性を向上させる効果があり、耐圧縮永久歪性の向上の効果もある。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、特に限定されることなく、例えば、式(A):
Figure 0007239691000001
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~7の第一級アルキル基、炭素数1~7の第二級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、及び少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される一価の基である)
で表される繰り返し単位からなる単独重合体、式(A)で表される繰り返し単位を有する共重合体等が挙げられる。
このようなポリフェニレンエーテル樹脂としては、特に限定されることなく、公知のものを用いることができる。ポリフェニレンエーテルの具体例としては、例えば、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-エチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-フェニル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2,6-ジクロロ-1,4-フェニレンエーテル)等の単独重合体;2,6-ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6-トリメチルフェノール、2-メチル-6-ブチルフェノール等)との共重合体等の共重合体等が挙げられ、これらの中では、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)がより好ましい。
ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法としては、特に限定されることなく、従来公知の方法を用いることができる。ポリフェニレンエーテルの製造方法の具体例としては、例えば、第一銅塩とアミンとのコンプレックスを触媒として用いて、例えば、2,6-キシレノールを酸化重合することによって製造する、米国特許第3306874号明細書等に記載される方法や、米国特許第3306875号明細書、米国特許第3257357号明細書、米国特許第3257358号明細書、特公昭52-17880号公報、特開昭50-51197号公報、特開昭63-152628号公報等に記載される方法等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は、溶融流動性の観点から、好ましくは5,000~40,000、より好ましくは10,000~20,000である。
本発明におけるポリフェニレンエーテル樹脂は、変性ポリフェニレンエーテル樹脂であってもよい。変性ポリフェニレンエーテルとしては、特に限定されることなく、例えば、上記のポリフェニレンエーテルに、スチレン系重合体又はその誘導体をグラフト化又は付加させたもの等が挙げられる。グラフト化又は付加による質量増加の割合は、特に限定されることなく、変性ポリフェニレンエーテル樹脂中、0.01質量%以上であることが好ましく、また、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
変性ポリフェニレンエーテルの製造方法としては、特に限定されることなく、例えば、ラジカル発生剤の存在下又は非存在下で、溶融状態、溶液状態又はスラリー状態において、80~350℃の条件下で、上記のポリフェニレンエーテルとスチレン系重合体又はその誘導体とを反応させる方法等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂の含有量は、水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと水添熱可塑性スチレン系エラストマーBの合計100質量部に対して、10~200質量部であり、好ましくは15~100質量部、より好ましくは20~80質量部である。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂の含有量は、熱可塑性エラストマー組成物中、好ましくは2~50質量%、より好ましくは5~20質量%である。
ゴム用軟化剤としては、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイル等が挙げられるが、これらのなかでは、スチレン系ブロック共重合体との親和性が良好で、ブリードが起きにくいという観点から、パラフィン系オイル及びナフテン系オイルから選択される少なくとも1種が好ましく、パラフィン系オイルがより好ましい。
ゴム用軟化剤の40℃での動粘度は、高い方が、加熱溶融時の揮発を防ぎ、耐ブリード性も良くなることから、好ましくは30mm2/s以上、より好ましくは60mm2/s以上、さらに好ましくは80mm2/s以上であり、さらに好ましくは150mm2/s以上であり、低い方が取扱いが容易であることから、好ましくは500mm2/s以下、より好ましくは450mm2/s以下、さらに好ましくは400mm2/s以下である。
ゴム用軟化剤の含有量は、軟化剤が少なすぎると組成物の柔軟性が低下し、制振性能が低下する。また、軟化剤が多すぎると、オイルブリードが生じやすい。これらの観点から、軟化剤の含有量は、水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと水添熱可塑性スチレン系エラストマーBの合計100質量部に対して、50~1000質量部であり、好ましくは60~300質量部、より好ましくは70~200質量部である。
また、ゴム用軟化剤の含有量は、熱可塑性エラストマー組成物中、好ましくは5~60質量%、より好ましくは20~50質量%である。
本発明における重質炭酸カルシウムは、軽質炭酸カルシウムに比べて粒径が大きく、比表面積が小さいもの、即ち微小粒子の割合が低いものが好ましい。このような本発明において好ましく用いられる重質炭酸カルシウムは、組成物にしたときの溶融流動性に優れ、組成物の硬度に影響を及ぼしにくく、成形品の耐圧縮永久歪性が優れるという予想外の特性を発揮する。この理由としては、無孔質で微小粒子の含有量が少ないために組成物の溶融粘度が低い一方で、不定形で略球状の形状であるため、樹脂との密着性が良く、樹脂組成物の溶融流動性を損ねないことが推察される。
以上の観点から、重質炭酸カルシウムの体積基準メジアン径は、好ましくは0.5~10μm、より好ましくは0.7~8.0μm、さらに好ましくは1.0~5.0μm、さらに好ましくは1.0~3.0μmである。
また、重質炭酸カルシウムの比表面積は、好ましくは0.1~8.0m2/g、より好ましくは0.3~3.0m2/g、さらに好ましくは0.5~2.4m2/g、さらに好ましくは0.7~1.7m2/gである。
重質炭酸カルシウムの製造方法は、特に限定されず、無孔質で不定形の略球状となることは、天然石を粉砕して製造する重質炭酸カルシウムの一般的な特性であるが、例えば、結晶質石灰石を定法により、ジョークラッシャー、ハンマークラッシャー等で粗・中粉砕し、ハンマーミル、竪型ローラーミル、振動ボールミル等で微粉砕し、ターボクラシファイア、ターボプレックス等で気流分級操作を行う方法により、所望の粒度分布のものを得ることができる。
例えば、微小粒子の含有量が少ないものは、天然炭酸カルシウムの粉砕混合品の中から特定粒径の粒子を分級することで得られる。平均粒径が同じ値でも、単に粉砕工程を強力にして平均粒径を下げただけの物には微小粒子や粗大粒子が多量に含まれるが、振動篩や気流分級等の方法で、特定の粒径のものを集めることにより、微小粒子や粗大粒子の割合を低くすることができる。
本発明においては、特定の粒度分布を有する重質炭酸カルシウムが、成形性及び圧縮永久歪特性等の向上に有効であることを特徴とするものである。粒度の測定方法として、最も一般的なレーザー回折式粒度分布計は、粒径分布の広がりや代表値としてのメジアン径を容易に特定できる点で優れているが、測定できる下限値は0.1μm程度であるので、それ以下の微小粒子の含有量は正確に測定できない。一方、いわゆるBET法として知られるガス吸着法で測定される比表面積は、微小粒子の影響を強く表す測定方法であると言える。特に、無孔性で細孔容積のない重質炭酸カルシウムの測定においては、有効である。そこで、本発明において好ましい重質炭酸カルシウムは、レーザー回折式粒度分布計による粒度測定と、ガス吸着法で測定される比表面積とを組み合わせることによって好ましく特定することができる。
本発明における重質炭酸カルシウムは、表面処理されていてもよい。表面処理の方法としては、ステアリン酸等の有機酸を用いる方法や、シランカップリング剤を用いる方法等が知られており、表面処理によって分散性向上や樹脂成分との密着性向上等の効果が知られているが、重質炭酸カルシウムについていえば、もともと鉱物の粉砕品であるので必然的に粒子形状は不定形であり、例えば真球状の充填剤に比べて樹脂との密着性には優れており、また比較的大粒径であることから分散性に優れているので必ずしも表面処理は必要ない。
重質炭酸カルシウムの含有量は、水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと水添熱可塑性スチレン系エラストマーBの合計100質量部に対して、10~300質量部であり、好ましくは15~200質量部、より好ましくは20~100質量部である。
また、重質炭酸カルシウムの含有量は、熱可塑性エラストマー組成物中、好ましくは3~50質量%、より好ましくは10~30質量%である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成形性の観点から、さらにポリプロピレンを含有することが好ましい。
ポリプロピレンは、プロピレン単独重合体であるホモポリプロピレンであっても、ブロックポリプロピレンやランダムポリプロピレン等であってもよいが、耐熱性、制振性の観点から、ホモポリプロピレンが好ましい。
ポリプロピレンの230℃、公称荷重21Nでのメルトマスフローレイトは、成形性の観点から、好ましくは0.1~100g/10min、より好ましくは0.5~80g/10min、さらに好ましくは1~50g/10min、さらに好ましくは1~20g/10minである。
ポリプロピレンの曲げ弾性率は、制振性と柔軟性の観点から、好ましくは50~2000MPa、より好ましくは100~1850MPa、さらに好ましくは200~1700MPa、さらに好ましくは800~1700MPaである。
ポリプロピレンの含有量は、水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと水添熱可塑性スチレン系エラストマーBの合計100質量部に対して、好ましくは1~50質量部、より好ましくは3~30質量部、さらに好ましくは5~20質量部である。
また、ポリプロピレンの含有量は、熱可塑性エラストマー組成物中、好ましくは0.2~30質量%、より好ましくは1~10質量%である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。本発明の熱可塑性エラストマー組成物が含有するポリフェニレンエーテル樹脂は、軟化温度が高いために、組成物を溶融混錬する際の温度を高くすることが好ましく、その場合、焦げや変色が起きやすい。溶融混錬時の熱変色に対しては、酸化防止剤を併用することが技術常識であり、酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジtert-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジtert-ブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-tert-ブチルフェノール、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジtert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9ビス{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ-5,5-ウンデカン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。このうちフェノール系酸化防止剤、及びホスファイト系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤がより好ましい。
酸化防止剤の含有量は、熱可塑性エラストマー組成物中、好ましくは0.1~5.0質量%、より好ましくは0.15~2.0質量%である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、フェノール系酸化防止剤とともにヒンダードアミン系光安定剤を含有することが好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤は、通常、光劣化による変色を防ぐためのものであるが、本発明においてフェノール系酸化防止剤と併用すると、ポリフェニレンエーテル樹脂を溶融させるための高温条件でも、熱変色を防ぐ効果が顕著に高くなる。さらに、制振フィラーとして知られるタルク等の、比表面積の大きな充填剤を用いると、ヒンダードアミン系光安定剤が吸着されてしまうためか熱変色を防ぐ効果は減弱するが、本発明のように重質炭酸カルシウムと併用する場合には、このような現象が起きないという当業者にも意外な効果が奏されることを見出した。
本発明におけるヒンダードアミン系光安定剤としては、通常HALS(Hindered Amine Light Stabilizers)と略称されるものであり、分子内に2,2,6,6-テトラメチルピペリジン骨格をもつ化合物が好ましい。HALSは市販されているが、中でも分子内にヒンダードフェノール構造を有するものは耐熱変色に対する効果が大きく、フェノール系酸化防止剤と併用する場合に、より好ましい。分子内にヒンダードフェノール構造を有するヒンダードアミン系光安定剤としては、BASFジャパン社のチヌビン 144や、三共ライフテック社製のsanol LS-2626等がある。
フェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤の質量比(フェノール系酸化防止剤/ヒンダードアミン系光安定剤)は、好ましくは0.2~10、より好ましくは0.5~5、さらに好ましくは1~3である。
また、ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、熱可塑性エラストマー組成物中、好ましくは0.01~1質量%、より好ましくは0.05~0.5質量%である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、さらに、ブロッキング防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、発泡剤、着色剤等の添加剤を含有していてもよい。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを含有していてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、水添熱可塑性スチレン系エラストマーA、水添熱可塑性スチレン系エラストマーB、ポリフェニレンエーテル樹脂、ゴム用軟化剤、及び重質炭酸カルシウムと、さらに必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、ポリプロピレン等の添加剤を適宜混合し、冷却により固化させて得られる。
本発明でいう「混合」とは、各種原料が良好に混合される方法であれば特に限定されず、各種原料を溶解可能な有機溶媒中に溶解させて混合してもよいし、溶融混練によって混合してもよいが、原料の混合は、各原料が溶融する条件下で行うことが好ましい。
溶融混練する場合には、一般的な押出機を用いることができ、混練状態の向上のため、二軸の押出機を使用することが好ましい。押出機への供給は、予めヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて各種成分を混合したものを一つのホッパーから供してもよいし、二つのホッパーにそれぞれの成分を仕込みホッパー下のスクリュー等で定量しながら供してもよい。
熱可塑性エラストマー組成物を構成する原料を混合して得られる生成物は、用途に応じて、ペレット、粉体、シート等の形状とすることができる。例えば、押出機によって溶融混練してストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって円柱状や米粒状等のペレットに切断される。得られたペレットは、通常、射出成形、押出成形によって所定のシート状成形品や金型成形品とする。また、溶融混練物をルーダー等でペレットにし成形加工原料とすることもできる。シート状の熱可塑性エラストマー組成物に、台紙等を貼付した中間製品としてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物のA硬度は、制振性の観点から、50以下であり、好ましくは20~48、より好ましくは30~45である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の200℃、公称荷重49Nでのメルトマスフローレイトは、流動性及び成形性の観点から、好ましくは0.5~6.0g/10min、より好ましくは1.3~3.5g/10min、さらに好ましくは1.5~2.5g/10minである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を、常法に従って、適宜加熱成形することにより、成形体が得られる。成形体の製造に用いられる装置には、成形材料を溶融できる任意の成形機を用いることができ、例えば、ニーダー、押出成形機、射出成形機、プレス成形機、ブロー成形機、ミキシングロール等が挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、制振性に優れているため、その成形体は制振部材として用いられる。また、制振性と共に耐圧縮永久歪性に優れ、成形性にも優れていることから、電動機の回転軸受として用いることで、振動や騒音を長期間安定して抑えることができるものである。
従って、本発明ではさらに、本発明の制振部材を備えた、電動機用回転子を提供する。
電動機用回転子としては、ブラシレス型のものが好ましく、一般的なブラシレスタイプの電動機用回転子は、主要な部品として、回転子の軸と、軸を固定する内周部と、回転子の外周部となる電磁鋼板や永久磁石等の磁力体と、内周部と外周部を連結する締結部材の4つ部品から構成されており、これらの部品の他、必要に応じて、外周部の表面に、さらに磁石部品による外層等を有していてもよい。回転子において、本発明の制振部材は締結部材として使用し、内周部と外周部の間に充填され、一体成形されていても、他の部材と別部品として成形し、組み立てにより内周部と外周部の間にはめ込まれていてもよい。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。実施例及び比較例で使用した原料の各種物性は、以下の方法により測定した。
<成分A及び成分B(水添熱可塑性スチレン系エラストマー)>
〔スチレン系単量体の含有量〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)によって、プロトンNMR測定を行い、スチレンの特性基の定量を行うことによってスチレン及び/又はスチレン誘導体の含有量を決定する。他の単量体単位の含有量もプロトンNMR測定により求めることができる。
〔重量平均分子量(Mw)〕
以下の測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。
測定装置
・ポンプ:JASCO(日本分光(株))製、PU-980
・カラムオーブン:昭和電工(株)製、AO-50
・検出器:日立製、RI(示差屈折計)検出器 L-3300
・カラム種類:昭和電工(株)製「K-805L(8.0×300mm)」及び「K-804L(8.0×300mm)」各1本を直列使用
・カラム温度:40℃
・ガードカラム:K-G(4.6×10mm)
・溶離液:クロロホルム
・溶離液流量:1.0ml/min
・試料濃度:約1mg/ml
・試料溶液ろ過:ポリテトラフルオロエチレン製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルタ
・検量線用標準試料:昭和電工(株)製ポリスチレン
〔共役ジエン化合物重合体ブロックにおける1,2-ビニル結合量〕
水素添加前のブロック共重合体をCDCl3に溶解して1H-NMRスペクトルを測定[装置:JNM-Lambda 500(日本電子(株)製)、測定温度:50℃]し、共役ジエン化合物由来の構造単位の全ピーク面積と、イソプレン単位における1,2-ビニル結合単位及び3,4-ビニル結合単位、ブタジエン単位における1,2-ビニル結合単位、またイソプレンとブタジエンの混合物の場合にはそれぞれの前記結合単位に対応するピーク面積の比から、1,2-ビニル結合量又は1,2-ビニル結合量と3,4-ビニル結合量の合計を算出する。
<成分C(ポリフェニレンエーテル樹脂)>
〔数平均分子量(Mn)〕
成分A及びBの重量平均分子量と同様の方法により、分子量を測定し、数平均分子量を算出する。
<成分D(ゴム用軟化剤)>
〔動粘度〕
JIS Z 8803に従って、40℃の温度で測定する。
<成分E(重質炭酸カルシウム等)>
〔体積基準メジアン径〕
JIS M8511に定めるレーザー回折・散乱法に準じて、試料0.1gを10mLの脱イオン水に分散させ、70wの超音波で30秒間分散させたスラリーを、マルバーン社製「マスターサイザー2000」によりで粒度分布を測定し、体積基準の積算分率における50%値を体積基準メジアン径とする。
〔比表面積〕
比表面積はJIS Z8830「気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準じて測定する。具体的には、ガス吸着量の絶対値が装置の測定可能範囲に入るように適量に加減した試料をガラスセルに秤量し、マルバーン社製「AUTOSORB-1」によって窒素吸着量を測定し、比表面積を算出する。これはいわゆるBET法比表面積であり、微小粒子が多くなるほど比表面積は大きくなる。
<成分F(ポリプロピレン)>
〔メルトマスフローレイト(MFR)〕
ASTM D1238に準拠して、230℃、公称荷重21.2Nの条件で測定する。
〔曲げ弾性率〕
JIS K7171に準拠した方法により測定する。
重質炭酸カルシウムの製造例
白色結晶質石灰石を、ハンマークラッシャーにより粗粉砕し、目開き10mmの振動篩を通過する粗粉砕物を得た。次に、この粗粉砕物をジルコニアボールと共にバッチ式振動ボールミルにて微粉砕し、表1に示す粒度を有する重質炭酸カルシウムa~cを製造した。
さらに、炭酸カルシウムa~cを、気流式分級機(日清エンジニアリング社製、TC-15)を用いて分級し、表1に示す分級微粉、分級中粒粉、及び分級粗大粉の3種類に選別した。
Figure 0007239691000002
実施例1~12及び比較例1~4
(1)熱可塑性エラストマー組成物(ペレット)の作製
軟化剤以外の表9に示す材料をドライブレンドした後、これに軟化剤を含浸させて混合物を作製した。その後、混合物を下記の条件で、押出機で溶融混練して、ストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって、直径3mm程度、厚さ3mm程度に切断し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
〔溶融混練条件〕
押出機:KZW32TW-60MG-NH(商品名、(株)テクノベル製)
シリンダー温度:180~220℃
スクリュー回転数:300r/min
実施例及び比較例で使用した表9に記載の原料の詳細は以下の通り。
Figure 0007239691000003
Figure 0007239691000004
Figure 0007239691000005
Figure 0007239691000006
Figure 0007239691000007
Figure 0007239691000008
Figure 0007239691000009
(2) 熱可塑性エラストマー組成物の成形体の作製
ペレットを、下記の条件で射出成形し、幅125mm×長さ125mm×厚さ2mmのプレートを作製した。
〔射出成形条件〕
射出成形機:100MSIII-10E(商品名、三菱重工業(株)製)
射出成形温度:200℃
射出圧力:30%
射出時間:10sec
金型温度:40℃
実施例及び比較例で得られた熱可塑性エラストマー組成物について、前記ペレット又はプレートを用い、下記の評価を行った。結果を表9に示す。
〔柔軟性(A硬度)〕
プレートを用い、JIS K 6253-3 タイプAにて測定する。
〔成形性〕
(1) メルトマスフローレイト(MFR)
ペレットを用い、ASTM D1238に準拠して、200℃、公称荷重49Nの条件で測定した。
(2) 成形体の表面性状
プレートの表面性状を目視にて観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
<評価基準>
◎:プレートにヒケ・フローマークがなく、鏡面性も良好。
○:プレート表面にわずかなくもりがあるが、ヒケ・フローマークはない。
△:プレートにヒケ・フローマークのいずれかが発生。
×:プレートにヒケ・フローマークの両方が発生。
〔ベタツキ〕
プレートの表面を指触して、明らかなベタツキの有無を判断し、以下の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:表面はサラサラで、ベタツキは一切感じない。
○:指に追従してこないが、若干のベタツキを感じる。
×:指触した際に指に追従してくるレベル。
〔耐熱変色性〕
プレートを120℃のギヤオーブンで500時間加熱した。加熱前のプレートと加熱後のプレートの色差を目視で比較し、以下の評価基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:並べてみても目視で色差が感じられない。
○:離して比べると差が分からないが、並べてみると色差が感じられる程度の変色がある。
×:明らかに加熱変色している。
〔制振性(損失正接(tanδ))〕
TAインスツルメント社製のARES G-2に、幅12mmに切断したプレートを試験片としてセットし、長さ25mm間でのトーションモード(ねじり)で、昇温速度5℃/minで-60℃~200℃まで30Hzにて粘弾性を測定し、20℃における損失正接(tanδ)を算出した。
〔耐圧縮永久歪性〕
円盤状成形体を試験片として用い、JIS K6262に規定される圧縮永久歪試験によって測定した。具体的には、プレートを円盤状に打ち抜いて7枚重ね、熱プレスによって試験片の直径及び厚さがそれぞれ、29.0±0.5mm(直径)、12.5mm±0.5mm(厚さ)である測定片を作製し、標準温度(23.2±2℃)において初期寸法を測定した。厚さ9.3~9.4mmのスペーサをかませた圧縮板に試験片を挟んで、25体積%圧縮の条件で、70℃で24時間保持した後、標準温度で圧縮板を外して30分放置した後の試験片中央部の厚さを測定し、圧縮永久歪の値を算出した。
Figure 0007239691000010
以上の結果より、実施例1~12の組成物は、制振性とともに、耐圧縮永久歪性及び成形性にも優れており、柔軟性に優れ、ベタツキや熱変色も抑制されていることが分かる。なかでも、実施例1、2、4と実施例6、7の対比から、重質炭酸カルシウムの粒度を調整することで、上記特性がより高いレベルで維持されることが分かる。
これに対し、軽質炭酸カルシウムを用いた比較例1では、組成物が硬くなり、制振性が低下しており、タルクを用いた比較例2では、制振性と耐圧縮永久歪性は良好であるものの、ベタツキ、熱変色が生じ、成形性にも欠けている。また、ポリフェニレンエーテル樹脂を用いていない比較例3と充填剤を用いていない比較例4では、流動性は良好であるものの、耐圧縮永久歪性に欠けている。
〔騒音測定〕
ブラシレス型の回転子を備えた市販の家庭用ルームエアコンの室外機からファンモーターを取り外し、モーターのケースを分解して回転子を取り出した。回転子内の軸の周りに締結部材としてはめ込まれた防振材を取り外し、実施例1又は比較例1の熱可塑性エラストマー組成物を用いて同じ形に成形した防振材をはめ込んで、実施例1又は比較例1の熱可塑性エラストマー組成物を用いた回転子を再構成し、ファンモーターに戻して室外機にセットした。
室外機を70℃の恒温室内におき、ファンモーターが1000rpmの一定回転速度で回転するようにして3000時間連続運転し、運転開始時と連続運転後のA特性音圧を、カスタム社製のデジタル騒音計「MRS-1」を用いて、JIS Z8731に準拠した方法により測定した。結果を表10に示す。
Figure 0007239691000011
騒音測定の結果より、実施例1では、比較例1と対比して、連続運転後も騒音の上昇が抑制されていることが分かる。
本発明の制振部材用熱可塑性エラストマー組成物は、家電製品や自動車部品、スポーツ用品等の騒音・振動対策に適用される制振部材に用いられる。

Claims (6)

  1. スチレン系重合体ブロック(S1)と共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)とからなるブロック共重合体の水素添加物であり、共役ジエン化合物重合体ブロック(B1)の1,2-ビニル結合量が50質量%以上である水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと、スチレン系重合体ブロック(S2)と共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)とからなるブロック共重合体の水素添加物であり、共役ジエン化合物重合体ブロック(B2)の1,2-ビニル結合量が50質量%未満である水添熱可塑性スチレン系エラストマーBとを、5/95~50/50の質量比(水添熱可塑性スチレン系エラストマーA/水添熱可塑性スチレン系エラストマーB)で含有し、該水添熱可塑性スチレン系エラストマーAと該水添熱可塑性スチレン系エラストマーBの合計100質量部に対して、ポリフェニレンエーテル樹脂を10~200質量部、ゴム用軟化剤を50~1000質量部、及び重質炭酸カルシウムを10~300質量部を含有し、A硬度が50以下である、制振部材用熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 重質炭酸カルシウムの、体積基準メジアン径が0.5~10μmであり、比表面積が0.3~3.0m2/gである、請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. さらに、フェノール系酸化防止剤及びヒンダードアミン系光安定剤を含有する、請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. さらに、ポリプロピレンを含有する、請求項1~3いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 請求項1~4いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物の成形体である、制振部材。
  6. 請求項5記載の制振部材を備えた、電動機用回転子。
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