JP2019151694A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
反応性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体をベースとする硬化性組成物として、特許文献1には、反応性シリコン官能基を含有するオキシアルキレン重合体と、反応性シリコン官能基を有するビニル系重合体とを含む硬化性組成物が開示されている。また、特許文献2には、反応性ケイ素基を有するビニル系重合体、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体及びアクリル成分を有する可塑剤を含有する硬化性組成物が開示されている。
耐汚染性に優れるシーリング材料も幾つか提案されており、特許文献3には、エステル部分にポリオキシアルキレン基を有するアクリル酸エステル単量体を単量体単位として5〜50質量%含む特定の共重合体を配合したシーリング材組成物、特許文献4には、ビニル単量体を150〜350℃の温度で連続重合させて得られる、特定の重量平均分子量及びガラス転移温度を有するアルコキシシリル基含有ビニル重合体を含むシーリング材組成物が開示されている。また、特許文献5には、反応性ケイ素を有するビニル重合体と、含フッ素非イオン系界面活性剤と、アミン化合物とを含んでなる硬化性組成物が開示されている。さらに、特許文献6〜8には、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル系重合体を含む硬化性組成物が開示されている。
また、特許文献9には、ポリオキシエチレン鎖を有する単量体に由来する構造を持つ重合体を配合した硬化性組成物が開示されている。
また、特許文献9の実施例では、ポリオキシエチレン鎖を有するメタクリル酸エステルを30〜36質量%、メタクリル酸ステアリルを20質量%、アクリル酸ブチルを37〜45質量%を単量体単位として得られた重合体と、反応性シリル基含有ポリオキシプロピレン、および、エポキシ樹脂とを併用した硬化性組成物が例示され、湿潤状態のスレート板やモルタル等の被着体に対する塗布性に優れ、また、耐水接着性に優れることが述べられているが、シーリング材としての耐汚染性やその持続性についてはなんらの知見も開示されていない。
(A)反応性シリル基を有する重合体(ただし、下記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として40〜98質量%含む重合体を除く)。
(B)構成単量体単位として、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を2〜60質量%、および、前記一般式(1)に示される単量体を40〜98質量%含む(メタ)アクリル系重合体。
〔2〕前記(A)重合体が、反応性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体を含む前記〔1〕記載の硬化性組成物。
〔3〕前記(A)重合体が、反応性シリル基を有する(メタ)アクリル系重合体を含む前記〔1〕または〔2〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔4〕前記(B)(メタ)アクリル系重合体が構成単量体単位として、反応性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔5〕前記(B)(メタ)アクリル系重合体が構成単量体単位として、前記一般式(1)におけるnが9〜12の整数である単量体を含む前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔6〕前記(A)重合体を100質量部に対して、前記(B)(メタ)アクリル系重合体を1〜30質量部含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔7〕さらに、可塑剤を含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔8〕可塑剤が、前記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として含まず、かつ、反応性シリル基を含まない、重量平均分子量が1,000〜6,000の(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする前記〔7〕記載の硬化性組成物。
〔9〕前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の硬化性組成物を含有することを特徴とするシーリング材組成物。
(A)成分である重合体は、反応性シリル基を有する重合体(ただし、下記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として40〜98質量%含む重合体を除く)であり、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、(メタ)アクリル系及びポリウレタン系等の各種重合体を使用することができる。これらの中でも、一液型が可能であり、硬化物の機械的物性にも優れる点で、反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体若しくは反応性シリル基を含有するオキシアルキレン重合体、又は、これらの混合物が好ましい。
反応性シリル基を有するビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランン等のビニルシラン類;(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルメトキシシリルプロピル及び(メタ)アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニルエステル類等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
上記の共重合可能な他の単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル等の官能基含有単量体;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル類;
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有オレフィン類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族単量体;
無水マレイン酸;マレイン酸及びフマル酸等の不飽和ジカルボン酸、並びに、これらのモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;
マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;
等が挙げられるが、これらに限らない。また、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
上記(メタ)アクリル系重合体に含まれる反応性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
150℃以上の重合温度であれば、高温重合のために高分子鎖からの水素引き抜き反応に始まる切断反応が起こるために、分子量制御に多量の開始剤や連鎖移動剤等の不純物を含まず容易に製造することができる。メルカプタン等の連鎖移動剤は耐候性の低下につながるため、使用しないことが好ましい。他方、350℃以下であれば、分解反応による重合液の着色や分子量低下等の虞がなくなるため好ましい。上記の温度範囲で重合することにより、適度な分子量を有し、粘度が低く、無着色で夾雑物の少ない共重合体を効率よく製造することができる。すなわち、当該重合方法によれば、極微量の重合開始剤を使用すればよく、メルカプタンのような連鎖移動剤や、重合溶剤を使用する必要がなく、純度の高い共重合体を得ることができる。
−O−R1− (2)
(式中、R1は、2価の炭化水素基である。)
上記一般式(2)におけるR1としては、以下のものが例示される。
(CH2)n (nは1〜10の整数)
CH(CH3)CH2
CH(C2H5)CH2
C(CH3)2CH2
上記ポリオキシアルキレン重合体は、上記繰り返し単位を1種又は2種以上を組み合わせて含んでもよい。これらの中でも、作業性に優れる点で、CH(CH3)CH2が好ましい。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体は、直鎖状重合体又は分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
上記ポリオキシアルキレン重合体に含まれる反応性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体は、直鎖状重合体及び分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
(B)成分は、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)、前記一般式(1)に示される単量体(b−2)を共重合させて得られる重合体であって、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の構成単量体全体を100質量部とした場合に、(b−1)2〜60質量部、および、(b−2)40〜98質量部を構成単量体単位として含む重合体である。(B)成分である(メタ)アクリル系重合体は、ランダム重合体であってもよいし、ブロック重合体またはグラフト重合体などの構造を制御された重合体であってもよい。
また、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体が、界面活性剤などと比較して、ある一定以上の分子量を有することにより、経時的な硬化物からのブリードが遅くなるため、長期間、耐汚染性の効果が保持される。
なお、これらの作用機構は推定であり、本発明を限定するものではない。
アルキルエーテルのアルキル基(R3)は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が例示される。具体的な商品名としては、日本油脂(株)製のブレンマ−PMEシリーズ、AMEシリーズ、AEEシリーズを挙げることができる。耐候性と作業性及び耐変色性の点から(ポリ)オキシエチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、前記一般式(1)中のオキシアルキレン基を表すR2には、炭素数2のエチレンが含まれていることが、良好な親水性を示すため好ましい。
反応性シリル基を有するビニル系単量体の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランン等のビニルシラン類;(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルメトキシシリルプロピル及び(メタ)アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニルエステル類等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル類;
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有オレフィン類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族単量体;
無水マレイン酸;マレイン酸及びフマル酸等の不飽和ジカルボン酸、並びに、これらのモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;
マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;
等が挙げられるが、これらに限らない。また、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
上記の通り、本発明の硬化性組成物は、(A)成分である重合体、及び(B)成分である(メタ)アクリル系重合体を必須成分とするものである。
重量平均分子量が1,000〜15,000であり、かつ、反応性シリル基を含有しないポリアルキレングリコール類の具体例としては、旭硝子株式会社製「プレミノール4010」、「プレミノール5005」、「プレミノール3010」、日本油脂株式会社製「ユニオールD4000」、「ユニオールTG4000」などが挙げられる。
前記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として含まず、かつ、反応性シリル基を含まない、重量平均分子量が1,000〜6,000の(メタ)アクリル系重合体は、アクリル酸エステルを主成分とする単量体を150〜350℃の重合温度で連続ラジカル重合させて得られたものであっても良い。かかる化合物の具体例としては、東亞合成株式会社製「ARUFON UP1000」、「ARUFON UP1010」、「ARUFON UP1020」、「ARUFON UP1080」、「ARUFON UP1110」、「ARUFON UP1120」、「ARUFON UH2032」、「ARUFON UH2041」、「ARUFON UH2130」(以上、商品名。「ARUFON」は東亞合成株式会社の登録商標である。)等が例示される。
これらの中でも、物性改善の効果が高い、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及び酸化チタンが好ましく、軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムとの混合物がより好ましい。充填剤の添加量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部とした場合、20〜300質量部が好ましく、より好ましくは、50〜200質量部である。上記のように軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの混合物とする場合には、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウムの質量割合が90/10〜50/50の範囲であることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、BASF社製の商品名「チヌビン571」、「チヌビン1130」、「チヌビン327」が例示される。光安定剤としては同社製の商品名「チヌビン292」、「チヌビン144」、「チヌビン123」、三共社製の商品名「サノール770」が例示される。熱安定剤としては、BASF社製の商品名「イルガノックス1135」、「イルガノックス1520」、「イルガノックス1330」が例示される。紫外線吸収剤/光安定剤/熱安定剤の混合物であるBASF社製の商品名「チヌビンB75」を使用してもよい。
錫系触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセトナート、ジオクチル錫ジラウレート等が挙げられる。具体的には、日東化成社製の商品名「ネオスタンU−28」、「ネオスタンU−100」、「ネオスタンU−200」、「ネオスタンU−220H」、「ネオスタンU−303」、「SCAT−24」等が例示される。
チタン系触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセチルアセトナート、ジブトキシチタンジアセチルアセトナート、ジイソプロポキシチタンジアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート等が挙げられる。
3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。
その他にも、オルト蟻酸メチル、オルト酢酸メチル、及びビニルシラン等の脱水剤、有機溶剤等を配合してもよい。
合成例で得られた重合体の分析方法、並びに、実施例および比較例の硬化性組成物から得られた硬化物の評価方法について以下に記載する。
ゲル浸透クロマトグラフ装置(型式名「HLC−8320」、東ソー社製)を用いて、下記の条件よりポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を得た。また、得られた値から分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
○測定条件
カラム:東ソー社製TSKgel SuperMultiporeHZ−M×4本
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI
E型粘度計(東機産業社製、TVE−20H型粘度計)を用いて、温度25℃±0.5℃の条件で測定した。ローターは、(メタ)アクリル系重合体の粘度が10,000mPas未満の時はNo.1を使用し、10,000mPas以上の時は、No.7を使用した。
反応性シリル基であるアルコキシシリル基の数(平均数)f(Si)は全構成単量体を100質量部とした場合の反応性シリル基を有する単量体の質量部から、下記式を用いて算出した。
f(Si)={シリル基単量体の質量部/(シリル基単量体の分子量×100/Mn)}
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作成した。得られた硬化物より引張試験用ダンベル(JIS K 6251 3号型)を作成し、引張試験機(オートグラフAGS−J、島津製作所社製)を用いて、引張速度200mm/分の条件下での破断伸び率及び破断強度を測定した。
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作成した。得られた硬化物を、23℃の水に1週間浸漬させた。取り出した硬化物を、23℃、50%RHの条件下で1日静置後、前記の引張試験を行い、破断強度及び破断伸びの保持率をそれぞれ、下記式から求めた。
破断強度の保持率(%)=(浸漬後の破断強度)/(標準養生後の破断強度)×100
標準養生後の破断強度 = 表2に示した前記引張試験における破断強度
破断伸び率の保持率(%)=(浸漬後の破断伸び率)/(標準養生後の破断伸び率)×100
標準養生後の破断伸び率 = 表2に示した前記引張試験における破断伸び率
各硬化性組成物を厚さ3mmでスレート板に塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作成した。得られた硬化物を200メッシュ金網に通した汚染粉(試験用ダスト8種(日本紛体工業技術協会製)9g、新オーカ(ホルベイン工業社製)27g、試験用ダスト3種(日本紛体工業技術協会製)2gの混合物)を振りかけ、5分静置後、粉を払い落とした(エアーブロー、水洗い)。その後、日本電色社製分光色彩計SE−2000を用いて測定された値から、下記式により黄色度(YI)を求めた。養生直後のYI(=YI0)との差である黄変度(△YI)の大きさにより、耐汚染性を評価した。これを汚染試験1回目の△YIとして、表3及び4に示した。
YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
式中、Yは分光色彩計で測定された反射率を示す。XおよびZは、分光色彩計で測定された反射率Yおよび座標値xおよびyを下記式に代入して求めた値を示す。
X=(Y/y)× x
Z=(Y/y)×(1−x-y)
汚染試験のYIを測定後、70℃、3時間、引き続き、23℃1時間、硬化物を放置し、上記同様に汚染粉を振りかけてから、次のYIを測定するまでの工程を1サイクルとして、合計4サイクル繰り返した。汚染試験1回目を加えて合計5サイクル目の試験後に得られたYIと養生直後のYI(=YI0)との差を汚染試験5回目の△YIとして、表3及び4に示した。
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作製した。得られた硬化物をメタリングウェザーメーター(ダイプラ・ウィンテス社製「DAIPLA METAL WEATHER KU−R5NCI−A」)に入れ、促進耐候試験を行った。条件は照射63℃、70%RH、照度80mW/cm2とし、2時間に1回2分間のシャワーで試験を実施した。外観にクラックが生じ始めた時間を記録した。
合成例1(重合体A−2の製造)
オイルジャケットを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器の温度を180℃に保った。次いで、反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体として、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z6033」、以下「DMS」という。)を2.8部、アクリル酸n−ブチル(以下、「BA」という。)を60.2部、アクリル酸2−エチルヘキシル(以下、「HA」という)を20部、アクリル酸n−テトラドデシル(以下、「TDA」という。)を10部、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という)を7部、溶媒として、イソプロピルアルコール(以下、「IPA」という。)を10部、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という)を5部、オルソ酢酸メチル(以下、「MOA」という。)を5部、重合開始剤としてジ−t−ヘキシルパーオキサイド(日油製、商品名「パーヘキシルD」、以下、「DTHP」という)を0.1部からなる単量体混合物を、一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給を開始し、単量体混合物の供給量に相当する反応液を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、オイルジャケットの温度を制御することにより、反応温度を183〜185℃に保持した。
単量体混合物の供給開始から温度が安定した時点を、反応液の採取開始点とし、これから25分間反応を継続した結果、1.2kgの単量体混合液を供給し、1.2kgの反応液を回収した。その後反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離して重合体A−2を得た。A−2の重量平均分子量は、18,900、数平均分子量は、4,900、粘度は、39,000mPas、1分子当たりのシリル基数は、0.59個であった。
合成例2〜20、比較合成例1〜2
表1及び表2に示したように、単量体、溶媒、重合開始剤の種類および使用量、並びに、反応器内温度を変更した以外は、合成例1と同様に重合を行い、合成例として(メタ)アクリル系重合体B−1〜B−19、並びに、比較合成例として重合体B−20およびB−21を得た。各重合体の性状について、表1及び表2に示した。
PME−200:ブレンマー PME−200(日本油脂社製、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコール鎖の繰り返し数 n=約4)
PME−400:ブレンマー PME−400(日本油脂社製、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコール鎖の繰り返し数 n=約9)
PME−1000:ブレンマー PME−1000(日本油脂社製、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコール鎖の繰り返し数 n=約23)
DTBP:パーブチルD(日本油脂社製、ジ-t-ブチルパーオキシド)
TDA:テトラデシルアクリレート
SA:ステアリルアクリレート
LA:ラウリルアクリレート
DMS:3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
TMS:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
実施例1〜27、比較例1〜6
上記合成例1で得られた重合体(A−2)、(メタ)アクリル系重合体(B成分)、並びに市販の原料を表3及び4に示す割合で配合し、プラネタリーミキサーを用いて、温度60℃、10Torrの条件で1時間混合することにより硬化性組成物を得た。各組成物から得られた硬化物について引張試験、耐水性試験、耐汚染性試験、及び耐候性試験を行い、結果を表3及び表4に示した。
A−1:エクセスターES−S2420(旭硝子社製、変成シリコーン)
UP−1110:ARUFON UP−1110(東亞合成社製、(メタ)アクリル系重合体)
CCR:軽質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「白艶華CCR」)
スーパーSS:重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名「スーパーSS」)
R820:酸化チタン(石原産業社製)
チヌビンB75:老化防止剤(BASFジャパン社製)
U220H:ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製)
SH6020:3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製)
SZ6030:ビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製)
一方、比較例1および2は、本発明の硬化性組成物の必須成分である(B)成分((メタ)アクリル系重合体)を含まない組成物を用いた結果であり、初期及び長期の耐汚染性がいずれも不十分であった。
また、比較例3および5は、ポリオキシアルキレン基を有する単量体(b−2)が単量体単位として36質量%しか含まれない(メタ)アクリル系重合体を配合した組成物から得られる硬化物に関する評価結果であり、初期の耐汚染性は高いものの、長期間にわたる耐汚染性はいずれも不十分であった。一方、実施例6の結果により、ポリオキシアルキレン基を有する単量体(b−2)が単量体単位として43質量%含まれる(メタ)アクリル系重合体を用いた本発明の硬化性組成物から得られる硬化物については、初期及び長期間にわたる耐汚染性が高いことが示された。
また、比較例4および6は、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)が単量体単位として含まれない(メタ)アクリル系重合体を配合した組成物から得られる硬化物に関する評価結果であり、初期の耐汚染性は高いものの、長期間にわたる耐汚染性はいずれも不十分であった。
これらの結果から、硬化物が良好な耐水性および耐候性、並びに、高い耐汚染性およびその持続性を示すためには、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体が疎水性基と親水性基とを、本発明で示される特定の比率で有することが重要であると理解される。
Claims (9)
- 前記(A)重合体が、反応性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体を含む請求項1記載の硬化性組成物。
- 前記(A)重合体が、反応性シリル基を有する(メタ)アクリル系重合体を含む請求項1または2のいずれか1項記載の硬化性組成物。
- 前記(B)(メタ)アクリル系重合体が構成単量体単位として、反応性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 前記(B)(メタ)アクリル系重合体が構成単量体単位として、前記一般式(1)におけるnが9〜12の整数である単量体を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 前記(A)重合体を100質量部に対して、前記(B)(メタ)アクリル系重合体を1〜30質量部含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- さらに、可塑剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 可塑剤が、前記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として含まず、かつ、反応性シリル基を含まない、重量平均分子量が1,000〜6,000の(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項7記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物を含有することを特徴とするシーリング材組成物。
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