JP2019151694A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気中の水分等により常温で硬化し、硬化物の耐汚染性が従来よりも優れたものであるとともに、その効果が長期間に亘り持続され、かつ、耐水性、耐候性も高い硬化性組成物を提供する。【解決手段】反応性シリル基を有する重合体(ただし、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を構成単量体単位として40〜98質量%含む重合体を除く)(A)及び(メタ)アクリル系重合体(B)を含む硬化性組成物であって、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体は、構成単量体単位として、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体2〜60質量%、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体40〜98質量%、を含む硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物に関するものであり、より詳しくは、大気中などの水分により室温硬化して、優れた耐汚染性、耐候性、および、耐水性を発現する硬化物を形成し得る硬化性組成物に関するものである。
室温硬化型の反応性基を有する重合体を含む硬化性組成物としては、変成シリコーン系、ウレタン系、ポリサルファイド系及びアクリル系等の各種重合体を含む組成物が挙げられ、建築用途、電気・電子分野関連用途、自動車関連用途等における接着剤、シーリング材、塗料等として幅広く用いられている。例えば、変成シリコーン系重合体は、反応性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体をベースとする硬化性組成物であるが、作業性が良好で、破断伸びや破断強度などの機械的物性のバランスが良い材料であることから、接着剤やシーリング材のベースポリマーとして広く利用されている。
反応性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体をベースとする硬化性組成物として、特許文献1には、反応性シリコン官能基を含有するオキシアルキレン重合体と、反応性シリコン官能基を有するビニル系重合体とを含む硬化性組成物が開示されている。また、特許文献2には、反応性ケイ素基を有するビニル系重合体、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体及びアクリル成分を有する可塑剤を含有する硬化性組成物が開示されている。
一方、近年の建築物には、外壁等への意匠性及びメンテナンス性に関する注目度が高まる傾向にあり、長期の耐久性とともに、外観の保持、即ち、優れた耐汚染性が要求されることが増えている。上記特許文献1〜2に記載の各組成物から得られる硬化物は、優れた機械的物性や耐候性を示すものの、耐汚染性の点では不十分なものであった。
耐汚染性に優れるシーリング材料も幾つか提案されており、特許文献3には、エステル部分にポリオキシアルキレン基を有するアクリル酸エステル単量体を単量体単位として5〜50質量%含む特定の共重合体を配合したシーリング材組成物、特許文献4には、ビニル単量体を150〜350℃の温度で連続重合させて得られる、特定の重量平均分子量及びガラス転移温度を有するアルコキシシリル基含有ビニル重合体を含むシーリング材組成物が開示されている。また、特許文献5には、反応性ケイ素を有するビニル重合体と、含フッ素非イオン系界面活性剤と、アミン化合物とを含んでなる硬化性組成物が開示されている。さらに、特許文献6〜8には、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル系重合体を含む硬化性組成物が開示されている。
また、特許文献9には、ポリオキシエチレン鎖を有する単量体に由来する構造を持つ重合体を配合した硬化性組成物が開示されている。
特開昭59−122541号公報 特開2004−2604号公報 特開2003−129036号公報 特開2004−18748号公報 特開2008−291159号公報 特開2017−88766号公報 特開2017−88767号公報 特開2017−206610号公報 特開2003−313419号公報
しかし、特許文献3〜4に記載されたシーリング材組成物及び特許文献5〜8に記載された硬化性組成物から得られる硬化物の耐汚染性は、近年の建築物に対する長期外観維持の要求に対してはなおも改良の余地があった。加えて、特許文献5に記載された硬化性組成物は、耐汚染性効果の持続性が十分ではないという問題があった。
また、特許文献9の実施例では、ポリオキシエチレン鎖を有するメタクリル酸エステルを30〜36質量%、メタクリル酸ステアリルを20質量%、アクリル酸ブチルを37〜45質量%を単量体単位として得られた重合体と、反応性シリル基含有ポリオキシプロピレン、および、エポキシ樹脂とを併用した硬化性組成物が例示され、湿潤状態のスレート板やモルタル等の被着体に対する塗布性に優れ、また、耐水接着性に優れることが述べられているが、シーリング材としての耐汚染性やその持続性についてはなんらの知見も開示されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、得られる硬化物の耐汚染性が従来よりも優れたものであるとともに、その効果が長期間に亘り持続され、かつ、耐候性及び耐水性にも優れる硬化性組成物を提供することである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者らは、反応性シリル基を有する特定の重合体、及び、親水性のポリオキシアルキレン基と疎水性の炭素数10以上のアルキル基とを特定の比率で有する(メタ)アクリル系重合体を含む硬化性組成物によれば、上記の課題を解決できることを見出した。本発明は、当該知見に基づいて完成したものである。本明細書によれば以下の手段を提供する。
〔1〕以下の(A)、(B)を含む硬化性組成物。
(A)反応性シリル基を有する重合体(ただし、下記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として40〜98質量%含む重合体を除く)。
Figure 2019151694
(R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、R3は、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖または分岐状アルキル基を、nは、2〜25の整数を表す。)
(B)構成単量体単位として、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を2〜60質量%、および、前記一般式(1)に示される単量体を40〜98質量%含む(メタ)アクリル系重合体。
〔2〕前記(A)重合体が、反応性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体を含む前記〔1〕記載の硬化性組成物。
〔3〕前記(A)重合体が、反応性シリル基を有する(メタ)アクリル系重合体を含む前記〔1〕または〔2〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔4〕前記(B)(メタ)アクリル系重合体が構成単量体単位として、反応性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔5〕前記(B)(メタ)アクリル系重合体が構成単量体単位として、前記一般式(1)におけるnが9〜12の整数である単量体を含む前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔6〕前記(A)重合体を100質量部に対して、前記(B)(メタ)アクリル系重合体を1〜30質量部含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔7〕さらに、可塑剤を含むことを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔8〕可塑剤が、前記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として含まず、かつ、反応性シリル基を含まない、重量平均分子量が1,000〜6,000の(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする前記〔7〕記載の硬化性組成物。
〔9〕前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の硬化性組成物を含有することを特徴とするシーリング材組成物。
本発明の硬化性組成物によれば、大気中の水分等により常温で硬化し、従来よりも優れた耐汚染性を有する硬化物が得られるとともにその効果が持続する。また、得られる硬化物は耐候性及び耐水性にも優れており、建築物の外壁等の美観を長期間に亘り保持することが可能となる。また、本発明の硬化性組成物は、適度な粘度を有することから、作業性にも優れる。
以下、本発明を詳しく説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。
本発明の硬化性組成物は、(A)成分である重合体、及び(B)成分である(メタ)アクリル系重合体を必須成分とするものである。(B)成分である(メタ)アクリル系重合体は、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)、前記一般式(1)に示される単量体(b−2)を共重合させて得られる重合体であって、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の構成単量体全体を100質量部とした場合に、(b−1)2〜60質量部、(b−2)40〜98質量部を構成単量体単位として含む重合体である。以下に、各成分の詳細を含め、本発明の硬化性組成物について説明する。
<(A)成分:重合体>
(A)成分である重合体は、反応性シリル基を有する重合体(ただし、下記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として40〜98質量%含む重合体を除く)であり、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、(メタ)アクリル系及びポリウレタン系等の各種重合体を使用することができる。これらの中でも、一液型が可能であり、硬化物の機械的物性にも優れる点で、反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体若しくは反応性シリル基を含有するオキシアルキレン重合体、又は、これらの混合物が好ましい。
(A)成分である重合体のうち、上記反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構造単位、及び反応性シリル基を有する重合体であり、例えば、(メタ)アクリル系単量体及び反応性シリル基を有するビニル系単量体を含む単量体混合物を重合することにより得ることができる。(メタ)アクリル系単量体は、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する単量体であり、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル系単量体の使用量は、反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体の全構成単量体に対し、好ましくは10〜100質量%の範囲であり、より好ましくは30〜100質量%の範囲であり、さらに好ましくは50〜100質量%の範囲である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル及び(メタ)アクリル酸イソノニル等の直鎖状若しくは分岐状脂肪族アルキル基又は脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、硬化物の機械的物性の観点から炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状脂肪族アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
反応性シリル基を有するビニル系単量体としては、分子内に反応性シリル基及び重合性ビニル基を有する化合物を用いることができる。反応性シリル基としては特に限定されず、アルコキシシリル基、ハロゲノシリル基、シラノール基等が挙げられるが、反応性を制御し易い点からアルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基の具体例としては、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基等が挙げられる。
反応性シリル基を有するビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランン等のビニルシラン類;(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルメトキシシリルプロピル及び(メタ)アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニルエステル類等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体は、上記の単量体以外にこれらと共重合可能な他の単量体を共重合してもよい。
上記の共重合可能な他の単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル等の官能基含有単量体;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル類;
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有オレフィン類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族単量体;
無水マレイン酸;マレイン酸及びフマル酸等の不飽和ジカルボン酸、並びに、これらのモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;
マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;
等が挙げられるが、これらに限らない。また、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体1分子に含まれる反応性シリル基の数の平均値は、硬化物の接着性及び引張特性等の性能の観点から、好ましくは0.05〜0.9個の範囲であり、より好ましくは0.3〜0.8個の範囲である。
上記(メタ)アクリル系重合体に含まれる反応性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
上記反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう。)によるポリスチレン換算分子量で、好ましくは2,000〜50,000の範囲であり、より好ましくは8,000〜25,000である。Mwが2,000以上であれば、得られる硬化物の耐候性が良好になり、50,000以下にすることにより、硬化性組成物の作業性が良好になる。
反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体の粘度は、25℃において好ましくは500〜100,000mPa・sの範囲であり、より好ましくは5,000〜80,000mPa・sの範囲であり、さらに好ましくは20,000〜70,000mPa・sの範囲である。粘度が500mPa・s以上であれば、垂直面に塗布した際の垂れが抑制されるために好ましく、100,000mPa・s以下にすることにより、硬化性組成物の作業性が良好になる。
反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体は、通常のラジカル重合によって製造することができる。溶液重合、塊状重合、分散重合いずれの方法を採用してもよく、また、リビングラジカル重合法を利用してもよい。反応プロセスは、バッチ式、セミバッチ式、連続重合のいずれの方法でもよい。これらの中でも、150〜350℃の高温連続重合方法が好ましい。
150℃以上の重合温度であれば、高温重合のために高分子鎖からの水素引き抜き反応に始まる切断反応が起こるために、分子量制御に多量の開始剤や連鎖移動剤等の不純物を含まず容易に製造することができる。メルカプタン等の連鎖移動剤は耐候性の低下につながるため、使用しないことが好ましい。他方、350℃以下であれば、分解反応による重合液の着色や分子量低下等の虞がなくなるため好ましい。上記の温度範囲で重合することにより、適度な分子量を有し、粘度が低く、無着色で夾雑物の少ない共重合体を効率よく製造することができる。すなわち、当該重合方法によれば、極微量の重合開始剤を使用すればよく、メルカプタンのような連鎖移動剤や、重合溶剤を使用する必要がなく、純度の高い共重合体を得ることができる。
一般に、重合体中に均一に架橋性官能基が導入された場合、該重合体を含む硬化性組成物の硬化性、及び得られる硬化物の耐候性等の物性が良好となる。この点、反応器に撹拌槽型反応器を用いた場合、組成分布(架橋性官能基の分布)や分子量分布の比較的狭い(メタ)アクリル系重合体を得ることができるため好ましい。また、連続撹拌槽型反応器を用いるプロセスが組成分布、分子量分布を狭くする点でより好ましい。
高温連続重合法としては、特開昭57−502171号公報、特開昭59−6207号公報、特開昭60−215007号公報等に開示された公知の方法に従えば良い。例えば、加圧可能な反応機を溶媒で満たし、加圧下で所定温度に設定した後、各単量体、及び必要に応じて重合溶媒とからなる単量体混合物を一定の供給速度で反応器へ供給し、単量体混合物の供給量に見合う量の重合液を抜き出す方法が挙げられる。また、単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その配合する場合の配合量としては、単量体混合物100質量部に対して0.001〜2質量部であることが好ましい。圧力は、反応温度と使用する単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないが、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。単量体混合物の滞留時間は、1〜60分であることが好ましい。滞留時間が1分に満たない場合は単量体が十分に反応しない恐れがあり、未反応単量体が60分を越える場合は、生産性が悪くなってしまうことがある。好ましい滞留時間は2〜40分である。
上記(A)成分である重合体のうち、反応性シリル基を含有するポリオキシアルキレン重合体は、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含み、かつ、構成単量体単位として前記一般式(1)に示される単量体を含まないものであれば、特に限定されない。
−O−R1− (2)
(式中、R1は、2価の炭化水素基である。)
上記一般式(2)におけるR1としては、以下のものが例示される。
(CH2n (nは1〜10の整数)
CH(CH3)CH2
CH(C25)CH2
C(CH32CH2
上記ポリオキシアルキレン重合体は、上記繰り返し単位を1種又は2種以上を組み合わせて含んでもよい。これらの中でも、作業性に優れる点で、CH(CH3)CH2が好ましい。
反応性シリル基を含有するポリオキシアルキレン重合体に含まれる反応性シリル基は、上記反応性シリル基を含有するアクリル系重合体が有する反応性シリル基をそのまま適用することが出来る。
ポリオキシアルキレン重合体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば対応するエポキシ化合物又はジオールを原料として、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、遷移金属化合物−ポルフィリン錯体触媒による重合法、複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、フォスファゼンを用いた重合法等が挙げられる。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体は、直鎖状重合体又は分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
反応性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体1分子に含まれる反応性シリル基の数の平均値は、硬化物の接着性及び引張特性等の性能の観点から、好ましくは1〜4個の範囲であり、より好ましくは1.5〜3個の範囲である。
上記ポリオキシアルキレン重合体に含まれる反応性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体は、直鎖状重合体及び分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
反応性シリル基を含有するポリオキシアルキレン重合体の数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000〜60,000の範囲であり、より好ましくは4,000〜50,000の範囲であり、さらに好ましくは5,000〜40,000の範囲である。上記範囲のMnを有する場合、引張特性に優れた硬化物を得ることができる。
反応性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体の具体例として、株式会社カネカ製「MSポリマーS203」、「MSポリマーS303」、「サイリルSAT200」及び「サイリルSAT30」、並びに、旭硝子株式会社製「エクセスターES−S2410」、「エクセスターES−S2420」及び「エクセスターES−S3430」(いずれも商品名)が例示され、本発明ではこれらを用いることができる。
<(B)成分:(メタ)アクリル系重合体>
(B)成分は、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)、前記一般式(1)に示される単量体(b−2)を共重合させて得られる重合体であって、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の構成単量体全体を100質量部とした場合に、(b−1)2〜60質量部、および、(b−2)40〜98質量部を構成単量体単位として含む重合体である。(B)成分である(メタ)アクリル系重合体は、ランダム重合体であってもよいし、ブロック重合体またはグラフト重合体などの構造を制御された重合体であってもよい。
本発明では、(A)成分である重合体に、(B)成分である親水性基と疎水性基を特定の比率で併せ持つ(メタ)アクリル系重合体を併用することにより、硬化物の耐汚染性が向上する。すなわち、親水性基の存在により、硬化物の水に対する濡れ性が改善され、雨水等による洗浄性が向上すると考えられる。一方、疎水性基が存在することにより、硬化物の表面近傍に(B)成分である親水性基と疎水性基を併せ持つ(メタ)アクリル系重合体が濃縮されるため、濡れ性の改善が顕著になると考えられる。
また、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体が、界面活性剤などと比較して、ある一定以上の分子量を有することにより、経時的な硬化物からのブリードが遅くなるため、長期間、耐汚染性の効果が保持される。
なお、これらの作用機構は推定であり、本発明を限定するものではない。
(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の構成単量体である炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)としては、具体的には(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸テトラコシル、(メタ)アクリル酸ヘキサコシル、(メタ)アクリル酸オクタコシル、(メタ)アクリル酸トリアコンチル、(メタ)アクリル酸ドトリアコンチル、(メタ)アクリル酸テトラトリアコンチル、(メタ)アクリル酸ヘキサトリアコンチル、(メタ)アクリル酸オクタトリアコンチル、(メタ)アクリル酸テトラコンチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸イソウンデシル、(メタ)アクリル酸イソラウリル、(メタ)アクリル酸イソトリデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸イソペンタデシル、(メタ)アクリル酸イソヘキサデシル、(メタ)アクリル酸イソヘプタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸イソノナデシル、(メタ)アクリル酸イソエイコシル、(メタ)アクリル酸イソヘンイコシル、(メタ)アクリル酸イソベヘニル、(メタ)アクリル酸イソテトラコシル、(メタ)アクリル酸イソヘキサコシル、(メタ)アクリル酸イソオクタコシル、(メタ)アクリル酸イソトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソドトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソテトラトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキサトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソオクタトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソテトラコンチル等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
上記、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、アルキル基の炭素数は好ましくは10〜20であり、より好ましくは12〜18である。アルキル基の炭素数が10以上であれば、(B)成分が硬化物の表面に濃縮しやすくなり、かつ、表面の自由エネルギーが下がり、耐汚染性が向上するため好ましい。アルキル基の炭素数が20以下であれば、(B)成分たる(メタ)アクリル系重合体が結晶化しにくくなり、塗膜内で移動しやすくなるため、表面に濃縮しやすくなる。
(B)成分の構成単量体としての(b−1)の使用量は、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の構成単量体全体を100質量部とした場合に、2〜60質量部であり、好ましくは2〜45質量部、より好ましくは3〜30質量部、さらに好ましくは3〜25質量部である。(b−1)の質量比率が2質量部以上であれば、表面濃縮が進み、質量比率が60質量部以下であれば、表面の親水性が保たれる。
(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の構成単量体である前記一般式(1)に示される単量体(b−2)としては、ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート及び/またはポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノ(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの内の一種または二種以上が用いられる。ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が例示され、具体的な商品名としては、日本油脂(株)製のブレンマ−APシリーズ、AEPシリーズ、PEPシリーズ、PETシリーズを挙げることができる。また、ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノ(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノアルキルエーテルモノ(メタ)アクリレート等が例示される。
アルキルエーテルのアルキル基(R3)は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が例示される。具体的な商品名としては、日本油脂(株)製のブレンマ−PMEシリーズ、AMEシリーズ、AEEシリーズを挙げることができる。耐候性と作業性及び耐変色性の点から(ポリ)オキシエチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
前記一般式(1)中のオキシアルキレン基の繰り返し数の平均値を表すnは、2〜25であるが、好ましくは、3〜20、更に好ましくは、6〜15、一層好ましくは9〜12である。nが2以上であれば洗浄効果が得られ、nが25以下であれば、硬化物の耐水性、耐候性等の耐久性が高い。
また、前記一般式(1)中のオキシアルキレン基を表すR2には、炭素数2のエチレンが含まれていることが、良好な親水性を示すため好ましい。
(B)成分の構成単量体としての(b−2)の使用量は、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の構成単量体全体を100質量部とした場合に、40〜98質量部であり、好ましくは50〜95質量部、より好ましくは、60〜90質量部である。(b−2)の質量比率が40質量部以上であれば、水の濡れ性が高く耐汚染性が発現する、質量比率が98質量部以下であれば、硬化物の耐候性、耐水性が高い。
(B)成分である(メタ)アクリル系重合体は、構成単量体としてその他の共重合可能な単量体を含んでも良い。かかる単量体としては(b−1)、(b−2)と共重合可能な単量体であれば、特に制限はなく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、反応性シリル基を有するビニル系単量体等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル及び(メタ)アクリル酸イソノニル等の直鎖状若しくは分岐状脂肪族アルキル基又は脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、硬化物の機械的物性の観点から炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状脂肪族アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
反応性シリル基を有するビニル系単量体としては、分子内に反応性シリル基及び重合性ビニル基を有する化合物を用いることができる。反応性シリル基としては特に限定されず、アルコキシシリル基、ハロゲノシリル基、シラノール基等が挙げられるが、反応性を制御し易い点からアルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基の具体例としては、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基等が挙げられる。
反応性シリル基を有するビニル系単量体の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランン等のビニルシラン類;(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルメトキシシリルプロピル及び(メタ)アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニルエステル類等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/または反応性シリル基を有するビニル系単量体以外にも、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル等の官能基含有単量体;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル類;
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有オレフィン類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族単量体;
無水マレイン酸;マレイン酸及びフマル酸等の不飽和ジカルボン酸、並びに、これらのモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;
マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;
等が挙げられるが、これらに限らない。また、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
また、共重合可能な単量体として、反応性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を用いる場合、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の構成単量体全体を100質量部として、好ましくは0.1〜14質量部、さらに好ましくは0.5〜7質量部、一層好ましくは1.0〜3.5質量部用いることができる。シリル基を有する単量体の量が0.1質量部以上の場合、曝露中に、硬化物から(B)成分である(メタ)アクリル系重合体が抜け出しにくくなり、耐汚染性の長期保持という観点で有利である。一方、シリル基を有する単量体の量が14質量部以下であれば、硬化過程で、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体が表面濃縮する前に硬化物中で反応し固定化されてしまうことが少なく、表面濃縮が進行し、耐汚染性が発現する。
(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は、好ましくは、2,000〜25,000の範囲である。2,000以上にすることにより、良好な耐候性を示し、かつ、長期間、硬化物中に保持されるため耐汚染性の効果が維持される。一方、25,000以下にすることにより、(B)成分が硬化物内で移動しやすくなり、表面に濃縮しやすくなる。より好ましくは、2,500〜10,000の範囲であり、更に好ましくは、3,000〜7,000の範囲である。
(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の粘度は、25℃において好ましくは100〜25,000mPa・sの範囲であり、より好ましくは100〜10,000mPa・sの範囲であり、さらに好ましくは200〜5,000mPa・sの範囲である。粘度が100mPa・s以上であれば、垂直面に塗布した際の垂れが抑制されるために好ましく、25,000mPa・s以下にすることにより、硬化性組成物の作業性が良好になる。
(B)成分である(メタ)アクリル系重合体の製造方法は、前記(A)成分である重合体が反応性シリル基を含有する(メタ)アクリル系重合体である場合について説明した製造方法を適用することができる。
<硬化性組成物>
上記の通り、本発明の硬化性組成物は、(A)成分である重合体、及び(B)成分である(メタ)アクリル系重合体を必須成分とするものである。
(B)成分の使用量は、(A)成分の使用量を100質量部とした場合、好ましくは、1〜30重量部、より好ましくは、2〜20重量部、更に好ましくは、2〜10重量部である。(B)成分の使用量が1質量部以上であれば耐汚染性が高く、30質量部以下の場合は耐候性が高い。
本発明の硬化性組成物において、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体は、主として可塑剤として機能するが、(B)成分以外の可塑剤を併用することが好ましい。(B)成分以外の可塑剤を併用することにより、耐候性、耐水性等が向上する場合がある。
本発明の硬化性組成物に配合可能な(B)成分以外の可塑剤としては、分子量が100〜600のフタル酸エステル類、分子量が100〜600のエポキシ基含有化合物、重量平均分子量が1,000〜15,000であり、かつ、反応性シリル基を含有しないポリアルキレングリコール類、および前記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として含まず、かつ、反応性シリル基を含まない、重量平均分子量が1,000〜6,000の(メタ)アクリル系重合体などが挙げられる。これらは2種以上が併用されてもよい。
分子量が100〜600のフタル酸エステル類の具体例としては、フタル酸ジ−オクチル、フタル酸ジ−2エチルヘキシル、フタル酸イソプロピル、フタル酸ジ−ドデシル等が挙げられる。分子量が100〜600のエポキシ基含有化合物としては、エポキシ化ヘキサヒドロフタル酸ジー2エチルヘキシル等のエポキシ基含有化合物が例示される。
重量平均分子量が1,000〜15,000であり、かつ、反応性シリル基を含有しないポリアルキレングリコール類の具体例としては、旭硝子株式会社製「プレミノール4010」、「プレミノール5005」、「プレミノール3010」、日本油脂株式会社製「ユニオールD4000」、「ユニオールTG4000」などが挙げられる。
前記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として含まず、かつ、反応性シリル基を含まない、重量平均分子量が1,000〜6,000の(メタ)アクリル系重合体は、アクリル酸エステルを主成分とする単量体を150〜350℃の重合温度で連続ラジカル重合させて得られたものであっても良い。かかる化合物の具体例としては、東亞合成株式会社製「ARUFON UP1000」、「ARUFON UP1010」、「ARUFON UP1020」、「ARUFON UP1080」、「ARUFON UP1110」、「ARUFON UP1120」、「ARUFON UH2032」、「ARUFON UH2041」、「ARUFON UH2130」(以上、商品名。「ARUFON」は東亞合成株式会社の登録商標である。)等が例示される。
可塑剤の使用量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部とした場合、好ましくは0〜100質量部の範囲であり、0〜80質量部の範囲であってもよく、0〜50質量部の範囲であってもよい。
本発明の硬化性組成物は、本発明により奏される効果を妨げない限りにおいて、(A)成分および(B)成分以外の成分を含むことができる。係る成分には、前記可塑剤の他、充填材、老化防止剤、硬化促進剤、タック防止剤、密着性付与剤等が含まれる。
充填材としては平均粒径0.02〜2.0μm程度の軽質炭酸カルシウム、平均粒径1.0〜5.0μm程度の重質炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、合成ケイ酸、タルク、ゼオライト、マイカ、シリカ、焼成クレー、カオリン、ベントナイト、水酸化アルミニウム及び硫酸バリウム、ガラスバルーン、シリカバルーン、ポリメタクリル酸メチルバルーンが例示される。これら充填材により、硬化物の機械的な性質が改善され、強度や伸度を向上させることができる。
これらの中でも、物性改善の効果が高い、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及び酸化チタンが好ましく、軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムとの混合物がより好ましい。充填剤の添加量は、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部とした場合、20〜300質量部が好ましく、より好ましくは、50〜200質量部である。上記のように軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの混合物とする場合には、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウムの質量割合が90/10〜50/50の範囲であることが好ましい。
老化防止剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及びシュウ酸アニリド系化合物などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物などの光安定剤、ヒンダードフェノール系などの酸化防止剤、熱安定剤、またはこれらの混合物である老化防止剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、BASF社製の商品名「チヌビン571」、「チヌビン1130」、「チヌビン327」が例示される。光安定剤としては同社製の商品名「チヌビン292」、「チヌビン144」、「チヌビン123」、三共社製の商品名「サノール770」が例示される。熱安定剤としては、BASF社製の商品名「イルガノックス1135」、「イルガノックス1520」、「イルガノックス1330」が例示される。紫外線吸収剤/光安定剤/熱安定剤の混合物であるBASF社製の商品名「チヌビンB75」を使用してもよい。
硬化促進剤としては、錫系触媒、チタン系触媒及び3級アミン類等の公知の化合物を使用することができる。
錫系触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセトナート、ジオクチル錫ジラウレート等が挙げられる。具体的には、日東化成社製の商品名「ネオスタンU−28」、「ネオスタンU−100」、「ネオスタンU−200」、「ネオスタンU−220H」、「ネオスタンU−303」、「SCAT−24」等が例示される。
チタン系触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセチルアセトナート、ジブトキシチタンジアセチルアセトナート、ジイソプロポキシチタンジアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート等が挙げられる。
3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。
硬化促進剤の使用量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量に対し、好ましくは0.1〜5質量部であり、より好ましくは0.5〜2質量部である。
タック防止剤としては、アクリル系オリゴマーである東亞合成社製の商品名「アロニックスM8030」、「M8100」,「M309」、または光重合開始剤との混合物、桐油、亜麻仁油などの飽和脂肪酸油、出光石油社製の商品名「R15HT」、日本曹達社製の商品名「PBB3000」、日本合成化学者製の商品名「ゴーセラック500B」などが例示される。
密着性付与剤としては、信越シリコーン社製の商品名「KBM602」、「KBM603」、「KBE602」、「KBE603」、「KBM902」、「KBM903」などのアミノシラン類等が例示される。
その他にも、オルト蟻酸メチル、オルト酢酸メチル、及びビニルシラン等の脱水剤、有機溶剤等を配合してもよい。
本発明の硬化性組成物は、全ての配合成分を予め配合密封保存し、塗布後空気中の湿分を吸収することにより硬化する1成分型として調製することが可能である。また、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と重合組成物を使用前に混合する2成分型として調製することもできる。取扱いが容易で、塗布時の調合混合の間違いも少ない1成分型がより好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。尚、以下において「部」及び「%」は、特に断らない限り質量部及び質量%を意味する。
合成例で得られた重合体の分析方法、並びに、実施例および比較例の硬化性組成物から得られた硬化物の評価方法について以下に記載する。
<分子量測定>
ゲル浸透クロマトグラフ装置(型式名「HLC−8320」、東ソー社製)を用いて、下記の条件よりポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を得た。また、得られた値から分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
○測定条件
カラム:東ソー社製TSKgel SuperMultiporeHZ−M×4本
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI
<(メタ)アクリル系重合体の粘度>
E型粘度計(東機産業社製、TVE−20H型粘度計)を用いて、温度25℃±0.5℃の条件で測定した。ローターは、(メタ)アクリル系重合体の粘度が10,000mPas未満の時はNo.1を使用し、10,000mPas以上の時は、No.7を使用した。
<(メタ)アクリル系重合体に含まれる反応性シリル基の平均数>
反応性シリル基であるアルコキシシリル基の数(平均数)f(Si)は全構成単量体を100質量部とした場合の反応性シリル基を有する単量体の質量部から、下記式を用いて算出した。
f(Si)={シリル基単量体の質量部/(シリル基単量体の分子量×100/Mn)}
<引張試験>
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作成した。得られた硬化物より引張試験用ダンベル(JIS K 6251 3号型)を作成し、引張試験機(オートグラフAGS−J、島津製作所社製)を用いて、引張速度200mm/分の条件下での破断伸び率及び破断強度を測定した。
<耐水性試験>
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作成した。得られた硬化物を、23℃の水に1週間浸漬させた。取り出した硬化物を、23℃、50%RHの条件下で1日静置後、前記の引張試験を行い、破断強度及び破断伸びの保持率をそれぞれ、下記式から求めた。
破断強度の保持率(%)=(浸漬後の破断強度)/(標準養生後の破断強度)×100
標準養生後の破断強度 = 表2に示した前記引張試験における破断強度
破断伸び率の保持率(%)=(浸漬後の破断伸び率)/(標準養生後の破断伸び率)×100
標準養生後の破断伸び率 = 表2に示した前記引張試験における破断伸び率
<耐汚染性試験>
各硬化性組成物を厚さ3mmでスレート板に塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作成した。得られた硬化物を200メッシュ金網に通した汚染粉(試験用ダスト8種(日本紛体工業技術協会製)9g、新オーカ(ホルベイン工業社製)27g、試験用ダスト3種(日本紛体工業技術協会製)2gの混合物)を振りかけ、5分静置後、粉を払い落とした(エアーブロー、水洗い)。その後、日本電色社製分光色彩計SE−2000を用いて測定された値から、下記式により黄色度(YI)を求めた。養生直後のYI(=YI0)との差である黄変度(△YI)の大きさにより、耐汚染性を評価した。これを汚染試験1回目の△YIとして、表3及び4に示した。
YI=100(1.28X−1.06Z)/Y
式中、Yは分光色彩計で測定された反射率を示す。XおよびZは、分光色彩計で測定された反射率Yおよび座標値xおよびyを下記式に代入して求めた値を示す。
X=(Y/y)× x
Z=(Y/y)×(1−x-y)
汚染試験のYIを測定後、70℃、3時間、引き続き、23℃1時間、硬化物を放置し、上記同様に汚染粉を振りかけてから、次のYIを測定するまでの工程を1サイクルとして、合計4サイクル繰り返した。汚染試験1回目を加えて合計5サイクル目の試験後に得られたYIと養生直後のYI(=YI0)との差を汚染試験5回目の△YIとして、表3及び4に示した。
<耐候性試験>
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作製した。得られた硬化物をメタリングウェザーメーター(ダイプラ・ウィンテス社製「DAIPLA METAL WEATHER KU−R5NCI−A」)に入れ、促進耐候試験を行った。条件は照射63℃、70%RH、照度80mW/cm2とし、2時間に1回2分間のシャワーで試験を実施した。外観にクラックが生じ始めた時間を記録した。
≪(A)成分:重合体の製造≫
合成例1(重合体A−2の製造)
オイルジャケットを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器の温度を180℃に保った。次いで、反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体として、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z6033」、以下「DMS」という。)を2.8部、アクリル酸n−ブチル(以下、「BA」という。)を60.2部、アクリル酸2−エチルヘキシル(以下、「HA」という)を20部、アクリル酸n−テトラドデシル(以下、「TDA」という。)を10部、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という)を7部、溶媒として、イソプロピルアルコール(以下、「IPA」という。)を10部、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という)を5部、オルソ酢酸メチル(以下、「MOA」という。)を5部、重合開始剤としてジ−t−ヘキシルパーオキサイド(日油製、商品名「パーヘキシルD」、以下、「DTHP」という)を0.1部からなる単量体混合物を、一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給を開始し、単量体混合物の供給量に相当する反応液を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、オイルジャケットの温度を制御することにより、反応温度を183〜185℃に保持した。
単量体混合物の供給開始から温度が安定した時点を、反応液の採取開始点とし、これから25分間反応を継続した結果、1.2kgの単量体混合液を供給し、1.2kgの反応液を回収した。その後反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離して重合体A−2を得た。A−2の重量平均分子量は、18,900、数平均分子量は、4,900、粘度は、39,000mPas、1分子当たりのシリル基数は、0.59個であった。
≪(B)成分:(メタ)アクリル系重合体の製造≫
合成例2〜20、比較合成例1〜2
表1及び表2に示したように、単量体、溶媒、重合開始剤の種類および使用量、並びに、反応器内温度を変更した以外は、合成例1と同様に重合を行い、合成例として(メタ)アクリル系重合体B−1〜B−19、並びに、比較合成例として重合体B−20およびB−21を得た。各重合体の性状について、表1及び表2に示した。
Figure 2019151694
Figure 2019151694
表1及び表2に示した化合物の詳細は以下の通り。
PME−200:ブレンマー PME−200(日本油脂社製、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコール鎖の繰り返し数 n=約4)
PME−400:ブレンマー PME−400(日本油脂社製、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコール鎖の繰り返し数 n=約9)
PME−1000:ブレンマー PME−1000(日本油脂社製、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコール鎖の繰り返し数 n=約23)
DTBP:パーブチルD(日本油脂社製、ジ-t-ブチルパーオキシド)
TDA:テトラデシルアクリレート
SA:ステアリルアクリレート
LA:ラウリルアクリレート
DMS:3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
TMS:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
≪硬化性組成物の調製及び評価≫
実施例1〜27、比較例1〜6
上記合成例1で得られた重合体(A−2)、(メタ)アクリル系重合体(B成分)、並びに市販の原料を表3及び4に示す割合で配合し、プラネタリーミキサーを用いて、温度60℃、10Torrの条件で1時間混合することにより硬化性組成物を得た。各組成物から得られた硬化物について引張試験、耐水性試験、耐汚染性試験、及び耐候性試験を行い、結果を表3及び表4に示した。
Figure 2019151694
Figure 2019151694
表3及び表4に示した化合物の詳細は以下の通り。
A−1:エクセスターES−S2420(旭硝子社製、変成シリコーン)
UP−1110:ARUFON UP−1110(東亞合成社製、(メタ)アクリル系重合体)
CCR:軽質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「白艶華CCR」)
スーパーSS:重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名「スーパーSS」)
R820:酸化チタン(石原産業社製)
チヌビンB75:老化防止剤(BASFジャパン社製)
U220H:ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製)
SH6020:3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製)
SZ6030:ビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製)
実施例1〜27は本発明の硬化性組成物に関する評価である。表3及び表4に示した耐汚染性試験1回目の黄変度(ΔYI)は、初期の耐汚染性の程度を示すものである。すべての実施例で、本発明の硬化性組成物から得られる硬化物は、初期の耐汚染性が高いことが示された。また、表3及び表4に示した耐汚染性試験5回目の黄変度(ΔYI)は、合計5サイクルの耐汚染性試験を繰り返すことにより、耐汚染性が長期間にわたって高く維持されることを確認した結果であり、いずれの実施例でもその効果は満足できるものであった。
一方、比較例1および2は、本発明の硬化性組成物の必須成分である(B)成分((メタ)アクリル系重合体)を含まない組成物を用いた結果であり、初期及び長期の耐汚染性がいずれも不十分であった。
また、比較例3および5は、ポリオキシアルキレン基を有する単量体(b−2)が単量体単位として36質量%しか含まれない(メタ)アクリル系重合体を配合した組成物から得られる硬化物に関する評価結果であり、初期の耐汚染性は高いものの、長期間にわたる耐汚染性はいずれも不十分であった。一方、実施例6の結果により、ポリオキシアルキレン基を有する単量体(b−2)が単量体単位として43質量%含まれる(メタ)アクリル系重合体を用いた本発明の硬化性組成物から得られる硬化物については、初期及び長期間にわたる耐汚染性が高いことが示された。
また、比較例4および6は、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)が単量体単位として含まれない(メタ)アクリル系重合体を配合した組成物から得られる硬化物に関する評価結果であり、初期の耐汚染性は高いものの、長期間にわたる耐汚染性はいずれも不十分であった。
引っ張り試験、耐水性試験、及び耐候性試験において、各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布した際の作業性(塗布しやすさ)は、実施例1〜27いずれも良好であった。また、耐汚染性試験において、各硬化性組成物を厚さ3mmでスレート板に塗布した際の作業性(塗布しやすさ)は、実施例1〜27いずれも良好であった。また、引っ張り試験、耐水性試験、及び耐候性試験で得られた結果は、実施例1〜27いずれも、本発明の硬化性組成物がシーリング材等に向けた硬化性組成物として好適に利用できることを示すものであった。本発明の硬化性組成物から得られる硬化物はポリオキシエチレン鎖を高濃度に有するメタアクリル系重合体を含むにもかかわらず、耐水性および耐候性は高いものであった。また、実施例3の硬化性組成物は、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を5質量%しか含まない(メタ)アクリル系重合体を用いた場合であるが、その硬化物の耐汚染性は高いものであった。
これらの結果から、硬化物が良好な耐水性および耐候性、並びに、高い耐汚染性およびその持続性を示すためには、(B)成分である(メタ)アクリル系重合体が疎水性基と親水性基とを、本発明で示される特定の比率で有することが重要であると理解される。
本発明の硬化性組成物は、大気中の水分等により常温で硬化し、従来よりも優れた耐汚染性を有する硬化物が得られるとともにその効果が持続する。また、硬化物の耐水性および耐候性は高い。さらに、本発明の硬化性組成物は、適度な粘度を有することから、作業性にも優れる。よって、建築分野におけるシーリング材等に向けた硬化性組成物として好適である。

Claims (9)

  1. 以下の(A)、(B)を含む硬化性組成物。
    (A)反応性シリル基を有する重合体(ただし、下記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として40〜98質量%含む重合体を除く)。
    Figure 2019151694
    (R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜4のアルキレン基、R3は、水素原子又は炭素数1〜8の直鎖または分岐状アルキル基を、nは、2〜25の整数を表す。)
    (B)構成単量体単位として、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する単位2〜60質量%、および、前記一般式(1)に示される単量体に由来する単位40〜98質量%を含む(メタ)アクリル系重合体。
  2. 前記(A)重合体が、反応性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体を含む請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 前記(A)重合体が、反応性シリル基を有する(メタ)アクリル系重合体を含む請求項1または2のいずれか1項記載の硬化性組成物。
  4. 前記(B)(メタ)アクリル系重合体が構成単量体単位として、反応性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記(B)(メタ)アクリル系重合体が構成単量体単位として、前記一般式(1)におけるnが9〜12の整数である単量体を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記(A)重合体を100質量部に対して、前記(B)(メタ)アクリル系重合体を1〜30質量部含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. さらに、可塑剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 可塑剤が、前記一般式(1)に示される単量体を構成単量体単位として含まず、かつ、反応性シリル基を含まない、重量平均分子量が1,000〜6,000の(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項7記載の硬化性組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物を含有することを特徴とするシーリング材組成物。
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