JP6376300B1 - 硬化性組成物、及び接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、変成シリコーン系の重合体をベースポリマーとする硬化性組成物は、得られる硬化物の耐候性が不十分であるという課題を有することが知られている。このため、アクリル系重合体を含む硬化性組成物が提案されている。
前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、分子中に二重結合を0.01meq/g以上、1.0meq/g以下有する、硬化性組成物。
〔2〕前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、重量平均分子量が1,000以上、50,000以下である前記〔1〕に記載の硬化性組成物。
〔3〕前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、25℃における粘度が1,000mPa・s以上、300,000mPa・s以下である前記〔1〕又は〔2〕に記載の硬化性組成物。
〔4〕前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、分子中に反応性シリル基を0.1個以上、2.2個以下有する前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔5〕前記(メタ)アクリル酸系重合体(B)は、反応性シリル基としてジアルコキシシリル基を有する前記〔4〕に記載の硬化性組成物。
〔6〕前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、当該(メタ)アクリル系重合体を構成する全単量体単位中、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを5質量%以上含む前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔7〕前記オキシアルキレン系重合体(A)は、数平均分子量が22,000以上である前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔8〕前記オキシアルキレン系重合体(A)及び前記(メタ)アクリル系重合体(B)の使用量は、質量比で10〜90/90〜10である前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔9〕硬化促進剤として、錫系触媒、チタン系触媒及び3級アミン類からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含む前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔10〕前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の硬化性組成物を含有することを特徴とする接着剤組成物。
反応性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体は下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むものであれば、特に限定されない。
−O−R2− (1)
(式中、R2は、2価の炭化水素基である。)
上記一般式(1)におけるR2としては、以下のものが例示される。
(CH2)n (nは1〜10の整数)
CH(CH3)CH2
CH(C2H5)CH2
C(CH3)2CH2
上記オキシアルキレン系重合体は、上記繰り返し単位を1種又は2種以上を組み合わせて含んでもよい。これらの中でも、作業性に優れる点で、CH(CH3)CH2が好ましい。
また、上記オキシアルキレン系重合体は、直鎖状重合体又は分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
上記オキシアルキレン系重合体に含まれる反応性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
また、上記オキシアルキレン系重合体は、直鎖状重合体及び分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構造単位を有する重合体であり、例えば、(メタ)アクリル系単量体を含む単量体混合物を重合することにより得ることができる。(メタ)アクリル系単量体は、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する単量体であり、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル系単量体の使用量は、(メタ)アクリル系重合体の全構成単量体に対し、好ましくは10〜100質量%の範囲であり、より好ましくは30〜100質量%の範囲であり、さらに好ましくは50〜100質量%の範囲である。
上記(メタ)アクリル系重合体に含まれる反応性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
反応性シリル基を有するビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランン等のビニルシラン類;(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルメトキシシリルプロピル及び(メタ)アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニルエステル類等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
上記の他の単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物等の官能基含有単量体;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有オレフィン類
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族単量体;
無水マレイン酸;マレイン酸及びフマル酸等の不飽和ジカルボン酸、並びに、これらのモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;
マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;
エチレン、プロピレン等のアルケン類;
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられるが、これらに限らない。また、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤及び単量体の種類、所望する分子量、重合条件等により適宜調整することができるが、一般的には、使用する単量体100質量部に対して0.001〜10質量部である。同じ分子量の重合体を得る場合、重合開始剤の使用量が少ないほど、得られる重合体中の二重結合濃度は高くなる傾向がある。
溶媒の使用量は、全ビニル単量体100質量部に対して、80質量部以下とすることが好ましい。80質量部以下とすることにより、短時間で高い転化率が得られる。より好ましくは、1〜50質量部である。また、オルト酢酸トリメチル、オルト蟻酸トリメチル等の脱水剤を添加することもできる。
このように未反応単量体および溶剤をリサイクルする方法は経済性の面から好ましい方法である。リサイクルする場合には、反応器内で望ましい単量体比と望ましい溶剤量を維持するように新たに供給する単量体混合物の混合比を決定する必要がある。
加熱処理の際の加熱温度は50〜130℃程度であるが、温度が低いほど二重結合濃度の低減効果は大きい。加熱温度は、好ましくは50〜110℃の範囲であり、より好ましくは50〜100℃の範囲である。
加熱処理時間は特に制限されるものではないが、残存するラジカル発生剤量が、重合体に対して1質量%未満となるよう設定することが好ましい。当業者であれば、当該残存するラジカルを、使用するラジカル発生剤の活性化エネルギー、頻度因子及び反応温度から計算することができる。
即ち、重合体反応液に均一系触媒または不均一系触媒を添加した後、系内を水素雰囲気にし、圧力を常圧〜10MPa、温度を20〜180℃程度に加熱し、2〜20時間ほど反応させる。均一系触媒の具体例としては、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム錯体、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等のルテニウム錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金等の白金錯体、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム等のイリジウム錯体等が挙げられる。一方、不均一系触媒としては、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金等の遷移金属をカーボン、シリカ、アルミナ、繊維、有機ゲル状物等に担持させた固体触媒が挙げられる。不均一系触媒の方が、ろ過等により容易に触媒が除去できるため、品質が安定する、高価な触媒が再利用できるといった点で好ましい。添加する触媒量としては、均一系触媒の場合、ビニル重合体に対して、10〜1,000ppm程度である。不均一系触媒の場合、1,000〜10,000ppm程度である。
上記の通り、本発明の硬化性組成物は、(A)成分及び(B)成分を必須成分とするものである。ここで、得られる硬化物の耐候性及び機械物性が良好となる点で、上記(A)成分及び(B)成分の割合((A)/(B))は、質量比で好ましくは10〜90/90〜10であり、より好ましくは20〜60/80〜40である。
これらの中でも、物性改善の効果が高い、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及び酸化チタンが好ましく、軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムとの混合物がより好ましい。充填剤の添加量は、(A)及び(B)成分の総量を100質量部とした場合、20〜300質量部が好ましく、より好ましくは、50〜200質量部である。上記のように軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの混合物とする場合には、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウムの質量割合が90/10〜50/50の範囲であることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、BASF社製の商品名「チヌビン571」、「チヌビン1130」、「チヌビン327」が例示される。光安定剤としては同社製の商品名「チヌビン292」、「チヌビン144」、「チヌビン123」、三共社製の商品名「サノール770」が例示される。熱安定剤としては、BASF社製の商品名「イルガノックス1135」、「イルガノックス1520」、「イルガノックス1330」が例示される。紫外線吸収剤/光安定剤/熱安定剤の混合物であるBASF社製の商品名「チヌビンB75」を使用してもよい。
錫系触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセトナート、ジオクチル錫ジラウレート等が挙げられる。具体的には、日東化成社製の商品名「ネオスタンU−28」、「ネオスタンU−100」、「ネオスタンU−200」、「ネオスタンU−220H」、「ネオスタンU−303」、「SCAT−24」等が例示される。
チタン系触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセチルアセトナート、ジブトキシチタンジアセチルアセトナート、ジイソプロポキシチタンジアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート等が挙げられる。
3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。
その他にも、オルト蟻酸メチル、オルト酢酸メチル、及びビニルシラン等の脱水剤、有機溶剤等を配合してもよい。
製造例、実施例及び比較例で得られた重合体の分析方法、並びに硬化性組成物から得られた硬化物の評価方法について以下に記載する。
1H−NMRの測定により、5.5ppm付近にある二重結合に結合した水素に由来するシグナルの積分値、及び3.0〜4.5ppmにあるエステル基に隣接した炭素に結合した水素に由来するシグナルの積分値の比、並びに重合体の組成から、重合体の質量当たりの二重結合濃度を算出した。
ゲル浸透クロマトグラフ装置(型式名「HLC−8320」、東ソー社製)を用いて、下記の条件よりポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を得た。また、得られた値から分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
○測定条件
カラム:東ソー製TSKgel SuperMultiporeHZ−M×4本
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI
反応性シリル基であるアルコキシシリル基の数(平均数)f(Si)は全構成単量体を100質量部とした場合の反応性シリル基を有する単量体の質量部から、下記式を用いて算出した。
f(Si)={シリル基単量体の質量部/(シリル基単量体の分子量×100/Mn)}
TVE−20H型粘度計(塩水/平板方式、東機産業社製)を用いて、下記の条件下でE型粘度を測定した。
○測定条件
コーン形状:角度1°34′、半径24mm(10000mPa・s未満)
角度3°、半径7.7mm(10000mPa・s以上)
温度:25℃±0.5℃
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作製した。得られた硬化物をメタリングウェザーメーター(ダイプラ・ウィンテス社製「DAIPLA METAL WEATHER KU−R5NCI−A」)に入れ、促進耐候試験を行った。条件は照射63℃、70%RH、照度80mW/cm2とし、2時間に1回2分間のシャワーで試験を実施した。外観にクラック、ブリード等の異常が生じ始めた時間を記録した。
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作製した。得られた硬化物をメタリングウェザーメーター(ダイプラ・ウィンテス社製「DAIPLA METAL WEATHER KU−R5NCI−A」)に入れ、促進耐候試験を行った。条件は照射63℃、70%RH、照度80mW/cm2とし、2時間に1回2分間のシャワーの試験を1000時間実施した。1000時間後に、表面状態の目視確認(クラック発生の有無)および色差計(日本電色社製分光色彩計SE−2000)により色差(△E)を求め、退色の程度から耐候性の評価を行った。なお、色差(△E)は、分光色彩計で測定された明度(L*)、赤−緑方向の色度(a*)および黄−青方向の色度(b*)の値を下記式に代入することで求めた。
:初期のL*
:1000時間後のa*
:初期のa*
:1000時間後のb*
:初期のb*
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作成した。得られた硬化物より引張試験用ダンベル(JIS K 6251 3号型)を作成し、引張試験機(オートグラフAGS−J、島津製作所社製)を用いて、引張速度200mm/分の条件下での破断伸び及び破断強度を測定した。
JIS A5557(2006) 外装タイル張り用有機系接着剤における接着強さ試験方法に準拠して、モルタル板と外装モザイクタイルを用いて試験を行った。
モルタル板(TP技研製、10×50×50mm)に、接着剤を約5mmの厚みで塗布し、くし目ごてで引いたのち、JIS A5209の規定に適合する市販の外装モザイクタイル(45×45mm)を接着させた。23℃、50%RHの条件で4週間養生させた後、タイル側およびモルタル側に専用治具を取り付け、引張試験機(オートグラフAGS−J、島津製作所社製)を用いて、23℃条件下、引張速度3mm/分で引張試験を行うことにより、接着強さを測定した。
合成例1(オキシアルキレン系重合体A−1の製造)
オイルジャケットを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器に、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体(0.05g)、ポリプロピレングリコール(Mn:2000、50g)、プロピレングリコール(520g)を入れ、120℃に加熱し、圧力変化がなくなるまで反応させた。次いで、120℃で1時間真空加熱し、揮発成分を留去させた。その後、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液(15.2g)を加え、100℃で1時間減圧し、メタノールを留去した。次いで、塩化アリル(6.3g)を加え、100℃で2時間加熱を行った。その後、反応液を、水(300ml)で2回洗浄し、塩を除去した。100℃で2時間真空加熱による脱水を行った後、塩化白金酸6水和物(0.02g)、メチルジメトキシシラン(8.3g)を加え、4時間反応させ、ポリプロピレングリコールの両端シリル化物を得た。GPC測定の結果、Mn:19000、Mw:20700であった。
オイルジャケットを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器に、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体(0.05g)、ポリプロピレングリコール(Mn:2000、50g)、プロピレングリコール(500g)を入れ、120℃に加熱し、圧力変化がなくなるまで反応させた。次いで、120℃で1時間真空加熱し、揮発成分を留去させた。その後、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液(10.1g)を加え、100℃で1時間減圧し、メタノールを留去した。次いで、塩化アリル(4.2g)を加え、100℃で2時間加熱を行った。その後、反応液を、水(300ml)で2回洗浄し、塩を除去した。100℃で2時間真空加熱による脱水を行った後、塩化白金酸6水和物(0.02g)、メチルジメトキシシラン(5.6g)を加え、4時間反応させ、ポリプロピレングリコールの両端シリル化物を得た。GPC測定の結果、Mn:25800、Mw:29000であった。
合成例3((メタ)アクリル系重合体B−1の製造)
○重合工程
オイルジャケットを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器の温度を265℃に保った。次いで、反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体として、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、商品名「Z6033」、以下「DMS」という。)を3.3部、アクリル酸テトラデシル(以下、「TDA」という。)を10部、アクリル酸2−エチルヘキシル(以下、「HA」という)を66.7部、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という)を20部、溶媒として、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という)を20部、重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(日油製、商品名「パーブチルD」、以下、「DTBP」という)を0.2部からなる単量体混合物を、一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給を開始し、単量体混合物の供給量に相当する反応液を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、オイルジャケットの温度を制御することにより、反応温度を264〜266℃に保持した。
単量体混合物の供給開始から温度が安定した時点を、反応液の採取開始点とし、これから25分間反応を継続した結果、1.2kgの単量体混合液を供給し、1.2kgの反応液を回収した。その後反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離して濃縮液を得た。
次いで、窒素置換したフラスコに、上記重合工程で得られた濃縮液を100部入れ、液温が90℃になるまで、窒素を流しながら加熱撹拌した。90℃になった時点でラジカル発生剤であるt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名「パーヘキシルO」)を0.5部添加し、90℃に保ちながら16時間撹拌することにより(メタ)アクリル系重合体B−1を得た。重合体の性状について、表1に示した。
合成例3の重合工程後に得られた濃縮液を使用し、後処理工程におけるラジカル発生剤(パーヘキシルO)の添加量及び処理条件を表1の通り変更した以外は合成例3と同様の操作により、(メタ)アクリル系重合体B−2〜B−6を得た。各重合体の性状について、表1に示した。
重合工程で使用する原料及び反応器内温、並びに、後処理工程におけるラジカル発生剤(パーヘキシルO)の添加量及び処理条件を表1〜3の通り変更した以外は合成例3と同様の操作により、(メタ)アクリル系重合体B−7〜B−17を得た。尚、合成例16((メタ)アクリル系重合体B−14)では、重合工程後に得られた濃縮液の後処理は実施しなかった。各重合体の性状について、表1〜3に示した。
還流冷却器のついたフラスコに、酢酸ブチル(100部)を入れ、オイルバスで内温を122℃に保ち、攪拌を行った。滴下ロートにて、DMS(3部)、BA(57部)、HA(20部)、TDA(10部)、MMA(10部)、ABN−E(4部)、の混合液を、4時間かけて滴下した。さらに122℃に保ちながら、2時間攪拌した。その後、エバポレーターにより、90℃、10mmHgの条件下、反応液の脱溶剤を行い、揮発成分を分離することにより(メタ)アクリル系重合体B−18を得た。重合体の性状について、表3に示した。
合成例3において、後処理工程前の濃縮液を(メタ)アクリル系重合体B−19とした。重合体の性状について、表3に示した。
重合工程で使用する原料及び反応器内温を表3の通り変更した以外は合成例20と同様の操作により、(メタ)アクリル系重合体B−20〜B−21を得た。各重合体の性状について、表3に示した。
BA:アクリル酸ブチル
HA:アクリル酸2−エチルヘキシル
TDA:アクリル酸トリデシル
MMA:メタクリル酸メチル
DMS:3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
TMS:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
IPA:イソプロピルアルコール
MOA:オルソ酢酸メチル
MEK:メチルエチルケトン
BAC:酢酸ブチル
DTBP:ジ−t−ブチルパーオキサイド
DTHP:ジ−t−ヘキシルパーオキシド
ABN−E:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
PHO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名「パーヘキシルO」)
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
実施例1〜26、比較例1〜3
上記合成例で得られたオキシアルキレン系重合体(A成分)及び(メタ)アクリル系重合体(B成分)、並びに市販の原料を表4〜6に示す割合で配合し、プラネタリーミキサーを用いて、温度60℃、10Torrの条件で1時間混合することにより硬化性組成物を得た。各組成物から得られた硬化物について耐候性試験(1)及び引張試験を行い、結果を表4〜表6に示した。
PPG:エクセノール2020(旭硝子株式会社製)
CCR:軽質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「白艶華CCR」)
スーパーSS:重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名「スーパーSS」)
R820:酸化チタン(石原産業社製)
チヌビンB75:老化防止剤(BASFジャパン社製)
U220H:ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製)
ナーセムチタン:ジブトキシチタンジアセチルアセトナート(日本化学産業社製、商品名「ナーセムチタン」)
DBU:1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7
SH6020:3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製)
SZ6030:ビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製)
一方、比較例1〜3は、(メタ)アクリル系重合体の二重結合濃度が本発明で規定する範囲外である硬化性組成物についての実験例である。二重結合濃度の高い(メタ)アクリル系重合体(比較例1)、二重結合濃度の低い(メタ)アクリル系重合体(比較例2及び3)ともに、得られる硬化物の耐候性は十分なものではなかった。
実施例27〜30、比較例4〜5
オキシアルキレン系重合体(A成分)として旭硝子社製エクセスターS−3430を用い、上記合成例で得られた(メタ)アクリル系重合体(B成分)、並びに市販の原料を表7に示す割合で配合し、プラネタリーミキサーを用いて、温度60℃、10Torrの条件で1時間混合することにより接着剤組成物を得た。各組成物について耐候性試験(2)及び接着強度試験を行い、結果を表7に示した。
PPG:エクセノール2020(旭硝子株式会社製)
jER828:エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製)
jERキュアH30:エポキシ硬化剤(三菱ケミカル社製)
CCR:軽質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「白艶華CCR」)
スーパーSS:重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、商品名「スーパーSS」)
#45:カーボンブラック(三菱ケミカル社製)
R820:酸化チタン(石原産業社製)
チヌビンB75:老化防止剤(BASFジャパン社製)
U220H:ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製)
S340:ケチミン系シランカップリング剤 サイラエース (JNC社製)
SZ6030:ビニルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製)
一方、耐候性試験(2)の結果、(メタ)アクリル系重合体(B成分)が分子中に適度な量の二重結合を有する実施例27〜30は、表面状態の変化がなく、色差(△E)も小
さいことが分かった。これに対して、過度な量の二重結合を含む(メタ)アクリル系重合体(B成分)を用いた比較例4では、表面にクラックが発生し、耐候性が不十分となることが分かった。一つの理由として、二重結合の反応が適量を超えて進行したため、表面の柔軟性が失われたこと等が推定される。また、二重結合を持たない(メタ)アクリル系重合体(B成分)を用いた比較例5は、退色が顕著であり、耐候性が不十分となることが分かった。一つの理由として、二重結合の反応による分子量の上昇がないため、炭酸カルシウムを接着剤内部に保持する力が不足し、炭酸カルシウムが接着剤表面でむき出しになることで退色(白化)が進むこと等が推定される。
接着強度試験および耐候性試験(2)の結果より、本発明で提供される接着剤組成物は、接着強度、耐候性、並びに、作業性に優れることが理解される。
Claims (8)
- 反応性シリル基を有するオキシアルキレン系重合体(A)、及び(メタ)アクリル系重合体(B)を含む硬化性組成物であって、
前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、分子中に二重結合を0.01meq/g以上、1.0meq/g以下有し、かつ、分子中に反応性シリル基を0.1個以上、2.2個以下有する、硬化性組成物を含有することを特徴とする接着剤組成物。 - 前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、重量平均分子量が1,000以上、50,000以下である請求項1に記載の接着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、25℃における粘度が1,000mPa・s以上、300,000mPa・s以下である請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル酸系重合体(B)は、反応性シリル基としてジアルコキシシリル基を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、当該(メタ)アクリル系重合体を構成する全単量体単位中、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを5質量%以上含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記オキシアルキレン系重合体(A)は、数平均分子量が22,000以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記オキシアルキレン系重合体(A)及び前記(メタ)アクリル系重合体(B)の使用量は、質量比で10〜90/90〜10である請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 硬化促進剤として、錫系触媒、チタン系触媒及び3級アミン類からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
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