JP2022075060A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着力、柔軟性、及び耐候性に優れた硬化性組成物を提供する。【解決手段】(A)1分子当たり0~1.2個の架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(B)架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体、及び、(C)ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂を含み、前記成分(A)を20~80質量部、前記成分(B)を10~75質量部、前記成分(C)を5~65質量部含む(但し、前記成分(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)の合計は100質量部である)硬化性組成物。成分(A)の重量平均分子量(Mw)は1,000以上50,000以下であることが好ましく、成分(A)の粘度は25℃において1,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物に関するものであり、より詳しくは、接着力、柔軟性、及び耐候性に優れた硬化性組成物、及び当該硬化性組成物の接着剤組成物としての利用に関するものである。
近年、建築外装をタイル張りで行う場合に用いられる接着剤は、施工のしやすさ、剥落のしにくさから、無機系のモルタルから、有機系材料に取って代わられてきている。
建築外装に用いられる接着剤に求められる重要な性能は、接着力、および耐候性であるが、有機系材料は、経年劣化が問題となるケースがあり、耐候性の良い材料が求められている。特に、タイル張り接着剤の場合には、タイルとタイルの隙間があり、直接、日光、風雨にさらされることから、劣化、退色が進行し、建物の意匠性に影響を与えることもある。
一方、有機系材料は、柔軟性があることにより、地震などの衝撃、経年による膨張、収縮などによる歪を緩和することができ、剥落防止につながる。
従来、特許文献1及び2には、架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体にエポキシ樹脂を混合してなる接着力等の力学物性の高い接着剤が開示されている。また、特許文献3~6には、架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体、アクリル重合体、エポキシ樹脂からなる組成物が示されている。
国際公開第2000/056818号 特開2004-107652号公報 特開2003-226854号公報 国際公開第2012/121288号 特開2019-143014号公報 特開2019-143116号公報
しかしながら、特許文献1~3の組成物は、耐候性が不十分であった。また、特許文献4の組成物は、柔軟性に不足し、特許文献5及び6の組成物は、接着力が不十分であるという点で問題があった。
本発明の一つの目的は、接着力、柔軟性、及び耐候性に優れた硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体、アクリル重合体、及びエポキシ樹脂を含有する組成物において、これらの3成分をバランス良く配合することにより、接着力、柔軟性、耐候性の両立を実現でき、さらに、アクリル重合体中の架橋性シリル基の数を一定値以下にすることにより、柔軟性をさらに優れたものにすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、その一局面によれば、
(A)1分子当たり0~1.2個の架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
(B)架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体、及び、
(C)ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂を含み、
前記成分(A)を20~80質量部、前記成分(B)を10~75質量部、前記成分(C)を5~65質量部含む(但し、前記成分(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)の合計は100質量部である)硬化性組成物を提供する。
本発明は、更に他の局面によれば、上記本発明の硬化性組成物からなる接着剤組成物を提供する。
本発明によれば、成分(A)を20~80質量部、前記成分(B)を10~75質量部、前記成分(C)を5~65質量部の範囲で配合して組成物(但し、前記成分(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)の合計は100質量部である)を構成したので、接着力、柔軟性、及び耐候性のバランスに優れた硬化性組成物が得られる。したがって、当該硬化性組成物は、建築外装用接着剤、とりわけ、外装タイル張り用接着剤として好適に利用できる。
以下、本発明を詳しく説明する。
尚、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの何れか一方又は両方を意味し、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの何れか一方又は両方を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びメタクリロイルの何れか一方又は両方を意味する。
<(A)成分:(メタ)アクリル酸エステル共重合体>
(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)(本明細書では、「成分(A)」ということもある)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する構造単位を有する重合体であり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む単量体混合物を重合することにより得ることができる。(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル単量体の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の全構成単量体に対し、好ましくは10~100質量%の範囲であり、より好ましくは30~100質量%の範囲であり、さらに好ましくは50~100質量%の範囲である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸テトラコシル、(メタ)アクリル酸ヘキサコシル、(メタ)アクリル酸オクタコシル、(メタ)アクリル酸トリアコンチル、(メタ)アクリル酸ドトリアコンチル、(メタ)アクリル酸テトラトリアコンチル、(メタ)アクリル酸ヘキサトリアコンチル、(メタ)アクリル酸オクタトリアコンチル、(メタ)アクリル酸テトラコンチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸イソウンデシル、(メタ)アクリル酸イソラウリル、(メタ)アクリル酸イソトリデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸イソペンタデシル、(メタ)アクリル酸イソヘキサデシル、(メタ)アクリル酸イソヘプタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸イソノナデシル、(メタ)アクリル酸イソエイコシル、(メタ)アクリル酸イソヘンイコシル、(メタ)アクリル酸イソベヘニル、(メタ)アクリル酸イソテトラコシル、(メタ)アクリル酸イソヘキサコシル、(メタ)アクリル酸イソオクタコシル、(メタ)アクリル酸イソトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソドトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソテトラトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキサトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソオクタトリアコンチル、(メタ)アクリル酸イソテトラコンチル等の直鎖状若しくは分岐状脂肪族アルキル基又は脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、硬化物の機械物性の観点から炭素数1~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。炭素数1~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の全構成単量体に対し、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。なお、上限値は100質量%であり、90質量%であってもよく、80質量%であってもよく、50質量%であってもよい。
また、上記の内、炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用すると、ポリオキシアルキレン重合体との良好な相溶性が確保され、機械物性及び耐候性が良好となる点で好ましい。アルキル基の炭素数は好ましくは10~20であり、より好ましくは12~20である。炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の全構成単量体に対し、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上である。なお、上限は100質量%以下であり、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよく50質量%以下であってもよい。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、具体的には(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシヘキシル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル、(メタ)アクリル酸エトキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ブトキシメチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシブチル及び(メタ)アクリル酸ブトキシヘキシル等が挙げられ、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、硬化物の機械的物性の観点から炭素数2~8のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましく、炭素数2~4のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルがより好ましい。(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルの使用量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の全構成単量体に対し、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上である。なお、上限は100質量%以下であり、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよく、50質量%以下であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、分子中に架橋性シリル基を有していてもよい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体が架橋性シリル基を有する場合、硬化物の機械物性が良好なものとなる傾向がある。架橋性シリル基の種類は特に限定されず、アルコキシシリル基、ハロゲノシリル基、シラノール基等が挙げられるが、反応性を制御し易い点からアルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基の具体例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシエトキシシリル基及びメトキシジエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基及びエチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基;ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、ジエチルメトキシシリル基及びジエチルエトキシシリル基等のモノアルコキシシリル基が挙げられる。これらの内でも、ジアルコキシシリル基及びトリアルコキシシリル基が好ましく、トリアルコキシシリル基がより好ましく、トリメトキシシリル基が特に好ましい。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の1分子当たりの架橋性シリル基の数は0~1.2個であり、架橋性シリル基の数が0であること、すなわち、架橋性シリル基を有しないことが好ましい。なお、この架橋性シリル基の数は、成分(A)の重合体1分子に含まれる架橋性シリル基の数の平均値を意味する。
成分(A)が架橋性シリル基を有する場合、この架橋性シリル基の数が1.2個以下であることにより、硬化物の柔軟性が優れたものとなる。この架橋性シリル基の数の上限値は、好ましくは、1.0個以下であり、より好ましくは、0.8個以下であり、さらに好ましくは、0.6個以下であり、特に好ましくは0.3以下である。また、この架橋性シリル基の数は、0.05個以上であると、耐候性がより良くなり、さらに好ましくは、0.1個以上、さらより好ましくは0.02個以上である。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体に含まれる架橋性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
架橋性シリル基は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び架橋性シリル基を有するビニル系単量体を含む単量体混合物を重合することにより得ることができる。
架橋性シリル基を有するビニル系単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシランン等のビニルシラン類;(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルメトキシシリルプロピル及び(メタ)アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピル等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメトキシシリルウンデカン酸ビニル等のシリル基含有ビニルエステル類等が例示され、これらの内の1種又は2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、上記の単量体以外にこれらと共重合可能な他の単量体を共重合してもよい。
上記の他の単量体としては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2-アミノエチル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物等の官能基含有単量体;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸芳香族エステル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2-トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキサデシルエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有オレフィン類
スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族単量体;
無水マレイン酸;マレイン酸及びフマル酸等の不飽和ジカルボン酸、並びに、これらのモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;
マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;
エチレン、プロピレン等のアルケン類;
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられるが、これらに限らない。また、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう。)によるポリスチレン換算分子量で、硬化物の耐候性の観点から、好ましくは1,000以上であり、より好ましくは2,000以上であり、さらに好ましくは3,000以上である。一方、作業性(低粘度)の観点から、Mwの上限値は好ましくは50,000以下であり、より好ましくは30,000以下であり、さらに好ましくは20,000以下であり、一層好ましくは10,000以下である。Mwの範囲は、上記の上限値及び下限値を組み合せて設定することができるが、例えば、1,000以上50,000以下であり、2,000以上30,000以下であってもよく、3,000以上20,000以下であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量分布は、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)として算出される。Mw/Mnは、引張物性と作業性とのバランスの観点から好ましくは5.0以下であり、より好ましくは4.0以下であり、さらに好ましくは3.0以下であり、一層好ましくは2.5以下である。尚、Mw/Mnの下限値は通常1.0である。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の粘度は、25℃において好ましくは1,000mPa・s以上であり、より好ましくは2,000mPa・s以上である。粘度は3,000mPa・s以上であってもよく、5,000mPa・s以上であってもよく、10,000mPa・s以上であってもよい。粘度の上限は、好ましくは300,000mPa・s以下であり、より好ましくは180,000mPa・s以下であり、さらに好ましくは100,000以下であり、一層好ましくは60,000mPa・s以下である。粘度が1,000mPa・s以上であれば、垂直面に塗布した際の垂れが抑制されるために好ましく、300,000mPa・s以下にすることにより、硬化性組成物の作業性が良好になる。粘度の範囲は、上記の上限値及び下限値を組み合せて設定することができるが、例えば、1,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であり、2,000mPa・s以上180,000mPa・s以下であってもよく、3,000mPa・s以上60,000mPa・s以下であってもよい。
本発明では、(メタ)アクリル酸エステル共重合体は分子中に二重結合を有してもよい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体が適当量の二重結合を有すると、例えば硬化物が屋外等に暴露されている期間中に当該二重結合が反応し、適度に高分子量化するため、耐候性が向上する。このため、本発明では、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の粘度を抑制して作業性を確保しつつ、その硬化物は優れた耐候性を示すことができる。尚、上記メカニズムは推察であり、本発明の範囲を限定するものではない。
二重結合の導入方法には特別の制限はなく、当業者に公知の方法を採用することができる。例えば、分子中に二重結合を複数有する単量体を共重合する方法や、官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を製造した後、当該官能基と反応し得る官能基及び二重結合を有する化合物と反応する方法等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸系重合体の製造を高温条件下で行うことによっても二重結合を導入することができる。例えば、100℃以上の重合温度であれば、高温重合のために高分子鎖からの水素引き抜き反応に始まる切断反応が起こるため、分子末端に下記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和結合を有する重合体が得られる。重合温度は好ましくは120℃以上であり、より好ましくは150℃以上である。重合温度は高い方が重合体中の二重結合濃度が高くなる傾向がある。上記方法によれば、簡便かつ生産性良く二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得ることができる。さらに、分子量制御に多量の開始剤や連鎖移動剤等の不純物を含まず容易に製造することが可能となる。メルカプタン等の連鎖移動剤は耐候性の低下につながるため、使用しないことが好ましい。一方、分解反応による重合液の着色や分子量低下等の虞がなくなる点から、重合温度の上限は350℃以下とすることが好ましい。上記の温度範囲で重合することにより、適度な分子量を有し、粘度が低く、無着色で夾雑物の少ない共重合体を効率よく製造することができる。すなわち、当該重合方法によれば、極微量の重合開始剤を使用すればよく、メルカプタンのような連鎖移動剤や、重合溶剤を使用する必要がなく、純度の高い共重合体を得ることができる。
Figure 2022075060000001

〔式中、Mは単量体単位を表し、nは重合度を表す自然数である。R1は一価の有機基を表す。〕
上記一般式(1)におけるR1としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、その他の置換基を有していてもよいアルキル基、フェニル基、ベンジル基、ポリアルキレングリコール基、ジアルキルアミノアルキル基、トリアルコキシシリルアルキル基、アルキルジアルコキシシリルアルキル基又は水素原子である。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、通常のラジカル重合によって製造することができる。溶液重合、塊状重合、分散重合いずれの方法を採用してもよく、また、リビングラジカル重合法を利用してもよい。反応プロセスは、バッチ式、セミバッチ式、連続重合のいずれの方法でもよい。これらの中でも、100~350℃の高温連続重合方法が好ましい。
一般に、重合体中に均一に架橋性官能基が導入された場合、該重合体を含む硬化性組成物の硬化性、及び得られる硬化物の耐候性等の物性が良好となる。この点、反応器に撹拌槽型反応器を用いた場合、組成分布(架橋性官能基の分布)や分子量分布の比較的狭い(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得ることができるため好ましい。また、連続撹拌槽型反応器を用いるプロセスが組成分布、分子量分布を狭くする点でより好ましい。
高温連続重合法としては、特開昭57-502171号公報、特開昭59-6207号公報、特開昭60-215007号公報等に開示された公知の方法に従えば良い。例えば、加圧可能な反応機を溶媒で満たし、加圧下で所定温度に設定した後、各単量体、及び必要に応じて重合溶媒とからなる単量体混合物を一定の供給速度で反応器へ供給し、単量体混合物の供給量に見合う量の重合液を抜き出す方法が挙げられる。また、単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その配合する場合の配合量としては、単量体混合物100質量部に対して0.001~2質量部であることが好ましい。圧力は、反応温度と使用する単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないが、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。単量体混合物の滞留時間は、1~60分であることが好ましい。滞留時間が1分に満たない場合は単量体が十分に反応しない恐れがあり、未反応単量体が60分を越える場合は、生産性が悪くなってしまうことがある。好ましい滞留時間は2~40分である。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得るために用いる重合開始剤の例としては、所定の反応温度でラジカルを発生する開始剤であれば何でもよい。具体的には、ジ-t-ブチルパーオキシド、ジ-t-ヘキシルパーオキシド、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、クメンハイドロパーオキシド、t-ブチルハイドロパーオキシド等の有機過酸化物、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、4,4'-アゾビス(4-シアノバレリックアシッド)などのアゾ系化合物が挙げられる。重合開始剤はこれらの内の1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤として水素引き抜き能が高いものを使用した場合、得られる重合体の二重結合濃度が高くなる傾向がある。例えば、アゾ系化合物よりも有機過酸化物を使用した方が、二重結合濃度の高い重合体が得られる傾向がある。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤及び単量体の種類、所望する分子量、重合条件等により適宜調整することができるが、一般的には、使用する単量体100質量部に対して0.001~10質量部である。同じ分子量の重合体を得る場合、重合開始剤の使用量が少ないほど、得られる重合体中の二重結合濃度は高くなる傾向がある。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造に有機溶媒を用いる場合、有機炭化水素系化合物が適当であり、テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化合物、酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類等、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類が例示され、これらの1種または2種以上を用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル共重合体をよく溶解しない溶剤では、反応器の壁にスケールが成長しやすく洗浄工程等で生産上の問題がおきやすい。また、例えばイソプロパノール等の連鎖移動能の高い有機溶媒を使用した場合、得られる重合体中の二重結合濃度は低くなる傾向がある。
溶媒の使用量は、全ビニル単量体100質量部に対して、80質量部以下とすることが好ましい。80質量部以下とすることにより、短時間で高い転化率が得られる。より好ましくは、1~50質量部である。また、オルト酢酸トリメチル、オルト蟻酸トリメチル等の脱水剤を添加することもできる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造には、公知の連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤を使用した場合、得られる重合体中の二重結合濃度は低くなる傾向がある。また、一般に、連鎖移動剤の使用量を増加することにより二重結合濃度は低下する。
反応器から抜き出された反応液は、そのまま次の工程に進むか、あるいは蒸留等により未反応単量体、溶剤、および低分子量オリゴマー等の揮発性成分を留去することによって重合体を単離することができる。反応液から留去した未反応単量体、溶剤、および低分子量オリゴマーなどの揮発性成分の一部を原料タンクに戻すかまたは直接反応器に戻し、再度重合反応に利用することもできる。
このように未反応単量体および溶剤をリサイクルする方法は経済性の面から好ましい方法である。リサイクルする場合には、反応器内で望ましい単量体比と望ましい溶剤量を維持するように新たに供給する単量体混合物の混合比を決定する必要がある。
重合体中に導入された二重結合は、ラジカル発生剤を添加して加熱条件下にて後処理することによりその量を低減することができる。ラジカル発生剤の添加量は、重合体100質量部に対して0.1~10質量部程度であるが、当該添加量が多いほど、二重結合濃度の低減効果は大きい。
加熱処理の際の加熱温度は50~130℃程度であるが、温度が低いほど二重結合濃度の低減効果は大きい。加熱温度は、好ましくは50~110℃の範囲であり、より好ましくは50~100℃の範囲である。
加熱処理時間は特に制限されるものではないが、残存するラジカル発生剤量が、重合体に対して1質量%未満となるよう設定することが好ましい。当業者であれば、当該残存するラジカルを、使用するラジカル発生剤の活性化エネルギー、頻度因子及び反応温度から計算することができる。
二重結合濃度は、後処理として(メタ)アクリル酸エステル共重合体に水素付加を行うことによっても低減することができる。水素付加は、従来公知の方法を採用することができる。
即ち、重合体反応液に均一系触媒または不均一系触媒を添加した後、系内を水素雰囲気にし、圧力を常圧~10MPa、温度を20~180℃程度に加熱し、2~20時間ほど反応させる。均一系触媒の具体例としては、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム錯体、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等のルテニウム錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金等の白金錯体、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム等のイリジウム錯体等が挙げられる。一方、不均一系触媒としては、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、白金等の遷移金属をカーボン、シリカ、アルミナ、繊維、有機ゲル状物等に担持させた固体触媒が挙げられる。不均一系触媒の方が、ろ過等により容易に触媒が除去できるため、品質が安定する、高価な触媒が再利用できるといった点で好ましい。添加する触媒量としては、均一系触媒の場合、ビニル重合体に対して、10~1,000ppm程度である。不均一系触媒の場合、1,000~10,000ppm程度である。
<(B)成分:架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体>
架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体(B)(本明細書では、「成分(B)」ということもある)は下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含むものであれば、特に限定されない。
-O-R2- (2)
(式中、R2は、2価の炭化水素基である。)
上記一般式(2)におけるR2としては、以下のものが例示される。
(CH2n (nは1~10の整数)
CH(CH3)CH2
CH(C25)CH2
C(CH32CH2
上記ポリオキシアルキレン重合体は、上記繰り返し単位を1種又は2種以上を組み合わせて含んでもよい。これらの中でも、作業性に優れる点で、CH(CH3)CH2が好ましい。
架橋性シリル基を含有するポリオキシアルキレン重合体に含まれる架橋性シリル基は特に限定されず、アルコキシシリル基、ハロゲノシリル基、シラノール基等が挙げられるが、反応性を制御し易い点からアルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基の具体例としては、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン重合体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば対応するエポキシ化合物又はジオールを原料として、KOHのようなアルカリ触媒による重合法、遷移金属化合物-ポルフィリン錯体触媒による重合法、複合金属シアン化物錯体触媒による重合法、フォスファゼンを用いた重合法等が挙げられる。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体は、直鎖状重合体又は分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
ポリオキシアルキレン重合体1分子に含まれる架橋性シリル基の数の平均値は、硬化物の接着性及び引張特性等の性能の観点から、好ましくは1~4個の範囲であり、より好ましくは1.5~3個の範囲である。
上記ポリオキシアルキレン重合体に含まれる架橋性シリル基の位置は、特に限定されるものではなく、重合体の側鎖及び/又は末端とすることができる。
また、上記ポリオキシアルキレン重合体は、直鎖状重合体及び分岐状重合体のいずれでもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体の数平均分子量(Mn)は、機械物性の観点から好ましくは5,000以上であり、より好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは15,000以上である。したがって、Mnは、18,000であってもよく、22,000であってもよく、25,000であってもよい。Mnの上限値は硬化性組成物の塗工時の作業性(粘度)の観点から好ましくは60,000以下であり、より好ましくは50,000以下であり、さらに好ましくは40,000以下であり、特に好ましくは25,000以下である。Mnの範囲は、上記の上限値及び下限値を組み合せて設定することができるが、例えば、5,000以上60,000以下であり、15,000以上60,000以下であってもよく、15,000以上50,000以下であってもよく、15,000以上25,000以下であってもよい。
架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体として市販品を使用してもよい。具体例としては、株式会社カネカ製「MSポリマーS203」、「MSポリマーS303」、「MSポリマーS810」、「サイリルSAT200」、「サイリルSAT350」、「サイリルEST280」及び「サイリルSAT30」、並びに、旭硝子株式会社製「エクセスターES-S2410」、「エクセスターES-S2420」及び「エクセスターES-S3430」(いずれも商品名)が例示される。
<(C)成分:ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂>
ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂(C)(本明細書では、「成分(C)」ということもある)としては、例えばエピクロルヒドリン-ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン-ビスフェノールF型エポキシ樹脂が例示される。エピクロルヒドリン-ビスフェノールA型エポキシ樹脂として市販品を使用してもよく、具体例としては、jER825、827、828、828EL、828US、834、1001、1003、1007(三菱ケミカル社製)、エピクロン840、840-S、850、850-S、860、1050、1055、3050、4050、7050(DIC社製)、アデカレジンEP-4100、4100TX、4400(ADEKA社製)が挙げられる。同様に、エピクロルヒドリン-ビスフェノールF型エポキシ樹脂として市販品を使用してもよく、具体例としては、jER806、806H、807(三菱ケミカル社製)、エピクロン830、830-S、835(DIC社製)、アデカレジンEP-4901(ADEKA社製)が挙げられる。
本発明では、上記ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂(C)に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂を併用することができる。かかる他のエポキシ樹脂としては、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、グリセリンなどのごとき多価アルコールのグリシジルエーテル、石油樹脂などのごとき不飽和重合体のエポキシ化物等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
成分(C)は、エポキシ樹脂の硬化剤と併用することが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N-アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、m-キシレンジアミン、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の1級アミン、(CH32N(CH2nN(CH32(式中nは1~10の整数)で示される直鎖状ジアミン、(CH32-N(CH2n-CH3(式中nは0~10の整数)で示される直鎖第3級アミン、テトラメチルグアニジン、N{(CH2)nCH33(式中nは1~10の整数)で示されるアルキル第3級モノアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、N,N'-ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、ジアザビシクロウンデセン、ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、BASF社製ラミロンC-260、CIBA社製Araldit HY-964およびロームアンドハース社製メンセンジアミン等の第2級または第3級アミン、1,2-エチレンビス(イソペンチリデンイミン)、1,2-ヘキシレンビス(イソペンチリデンイミン)、1,2-プロピレンビス(イソペンチリデンイミン)、p,p′-ビフェニレンビス(イソペンチリデンイミン)、1,2-エチレンビス(イソプロピリデンイミン)、1,3-プロピレンビス(イソプロピリデンイミン)、p-フェニレンビス(イソペンチリデンイミン)等のケチミン、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の酸無水物、各種ポリアミド樹脂、ジシアンジアミドおよびその誘導体および各種イミダゾール類等が例示される。特に、本発明の硬化性組成物が1成分型硬化性組成物である場合は、潜在性硬化剤であるケチミン化合物を使うことができる。ケチミン化合物の具体例としては、jERキュアH3、H30(三菱ケミカル社製)などが挙げられ、また、ケチミンシラン化合物であるサイラエースS340(JNC社製)なども挙げられる。かかる硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対し、5質量部~100質量部が好ましい。
本発明で提供される接着剤組成物は架橋性シリル基を有するため、架橋性シリル基とエポキシ基の両方に反応可能な基を有する化合物を添加することにより硬化した接着剤組成物の強度を向上させることもできる。架橋性シリル基とエポキシ基の両方に反応可能な基を有する化合物の具体例としては、例えばN-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシランおよびγ-アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
<硬化性組成物>
上記の通り、本発明の硬化性組成物は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を必須成分とするものである。ここで、得られる硬化物の接着力、柔軟性、及び耐候性のバランスが良好となる点で、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計を100質量部として、成分(A)を20~80質量部、成分(B)を10~75質量部、成分(C)を5~65質量部の範囲で配合することが必要である。本発明の硬化性組成物は、成分(A)が20質量部以上であることにより優れた耐候性を示し、80質量部以下であることにより優れた接着力を示す。また、成分(B)が10質量部以上であることにより優れた柔軟性(硬化物の伸び)を示し、80質量部以下であることにより優れた耐候性及び接着力を示す。また、成分(C)が5質量部以上であることにより優れた接着力を示し、65質量部以下であることにより優れた柔軟性及び耐候性を示す。本発明の硬化性組成物における上記三成分の配合量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計を100質量部として、好ましくは、成分(A)を20~75質量部、成分(B)を20~75質量部、成分(C)を5~60質量部であり、より好ましくは、成分(A)を30~70質量部、成分(B)を20~60質量部、成分(C)を5~40質量部であり、更により好ましくは、成分(A)を45~65質量部、成分(B)を25~50質量部、成分(C)を5~20質量部である。
本発明の硬化性組成物は、本発明により奏される効果を妨げない限りにおいて、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)以外の成分を含むことができる。係る成分には、充填材、可塑剤、老化防止剤、硬化促進剤、タック防止剤、密着性付与剤等が含まれる。
充填材としては平均粒径0.02~2.0μm程度の軽質炭酸カルシウム、平均粒径1.0~5.0μm程度の重質炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、合成ケイ酸、タルク、ゼオライト、マイカ、シリカ、焼成クレー、カオリン、ベントナイト、水酸化アルミニウム及び硫酸バリウム、ガラスバルーン、シリカバルーン、ポリメタクリル酸メチルバルーンが例示される。これら充填材により、硬化物の機械的な性質が改善され、強度や伸度を向上させることができる。
これらの中でも、物性改善の効果が高い、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム及び酸化チタンが好ましく、軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムとの混合物がより好ましい。充填剤の添加量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の総量を100質量部とした場合、20~300質量部が好ましく、より好ましくは、50~200質量部である。上記のように軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの混合物とする場合には、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウムの質量割合が90/10~30/70の範囲であることが好ましい。
可塑剤としては、液状ポリウレタン樹脂、ジカルボン酸とジオールとから得られたポリエステル系可塑剤;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのエーテル化物あるいはエステル化物;スクロース等の糖類多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合した後、エーテル化又はエステル化して得られた糖類系ポリエーテル等のポリエーテル系可塑剤;ポリ-α-メチルスチレン等のポリスチレン系可塑剤;架橋性官能基を有さないポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの内、架橋性官能基を有さないポリ(メタ)アクリレートが硬化物の耐候性等の耐久性の点で好ましい。中でも、Mwが1,000~7,000の範囲であり、且つ、ガラス転移温度が-30℃以下のものがより好ましい。
硬化性組成物における可塑剤の使用量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含めた総量を100質量部とした場合、好ましくは0~100質量部の範囲であり、0~80質量部の範囲であってもよく、0~50質量部の範囲であってもよい。
老化防止剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及びシュウ酸アニリド系化合物などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物などの光安定剤、ヒンダードフェノール系などの酸化防止剤、熱安定剤、またはこれらの混合物である老化防止剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、BASF社製の商品名「チヌビン571」、「チヌビン1130」、「チヌビン327」が例示される。光安定剤としては同社製の商品名「チヌビン292」、「チヌビン144」、「チヌビン123」、三共社製の商品名「サノール770」が例示される。熱安定剤としては、BASF社製の商品名「イルガノックス1135」、「イルガノックス1520」、「イルガノックス1330」が例示される。紫外線吸収剤/光安定剤/熱安定剤の混合物であるBASF社製の商品名「チヌビンB75」を使用してもよい。
硬化促進剤としては、錫系触媒、チタン系触媒及び3級アミン類等の公知の化合物を使用することができる。
錫系触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセトナート、ジオクチル錫ジラウレート等が挙げられる。具体的には、日東化成社製の商品名「ネオスタンU-28」、「ネオスタンU-100」、「ネオスタンU-200」、「ネオスタンU-220H」、「ネオスタンU-303」、「SCAT-24」等が例示される。
チタン系触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラn-ブチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセチルアセトナート、ジブトキシチタンジアセチルアセトナート、ジイソプロポキシチタンジアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート等が挙げられる。
3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8-ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン-7(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン等が挙げられる。
硬化促進剤の使用量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100質量に対し、好ましくは0.1~5質量部であり、より好ましくは0.5~2質量部である。
タック防止剤としては、アクリル系オリゴマーである東亞合成社製の商品名「アロニックスM8030」、「M8100」,「M309」、または光重合開始剤との混合物、桐油、亜麻仁油などの飽和脂肪酸油、出光石油社製の商品名「R15HT」、日本曹達社製の商品名「PBB3000」、日本合成化学者製の商品名「ゴーセラック500B」などが例示される。
密着性付与剤としては、信越シリコーン社製の商品名「KBM602」、「KBM603」、「KBE602」、「KBE603」、「KBM902」、「KBM903」などのアミノシラン類等が例示される。
その他にも、オルト蟻酸メチル、オルト酢酸メチル、及びビニルシラン等の脱水剤、有機溶剤等を配合してもよい。
前記硬化性組成物は、接着剤に好適に利用できる。建材用の接着剤分野では10年以上を保障する高い耐候性、耐久性が求められ、本発明の接着剤組成物はその要求を満足することができる。特に外壁のタイル接着等では外観と接着性の維持が長期に渡って求められ、その要求に応ずることができる。本発明の接着剤組成物は、前記硬化性組成物を含有するものであり、必要によりその他の成分が常法に従って配合される。
本発明で提供される接着剤組成物は、前記硬化性組成物を含有する。そのため、接着剤の用途において前記硬化性組成物の効果を発揮することができるとともに、上塗り塗料との密着性を向上させることができる。また、特に、外装用タイル接着剤において、前記硬化性組成物の効果を高く発揮することができる。
本発明の硬化性組成物は、全ての配合成分を予め配合密封保存し、塗布後空気中の湿分を吸収することにより硬化する1成分型として調製することが可能である。また、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と重合組成物を使用前に混合する2成分型として調製することもできる。取扱いが容易で、塗布時の調合混合の間違いも少ない1成分型がより好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。尚、以下において「部」及び「%」は、特に断らない限り質量部及び質量%を意味する。
製造例、実施例及び比較例で得られた重合体の分析方法、並びに硬化性組成物から得られた硬化物の評価方法について以下に記載する。
<分子量測定>
ゲル浸透クロマトグラフ装置(型式名「HLC-8320」、東ソー社製)を用いて、下記の条件よりポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を得た。また、得られた値から分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
○測定条件
カラム:東ソー製TSKgel SuperMultiporeHZ-M×4本
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI
<粘度測定>
TVE-20H型粘度計(塩水/平板方式、東機産業社製)を用いて、下記の条件下でE型粘度を測定した。
○測定条件
コーン形状:角度1°34′、半径24mm(10000mPa・s未満)
角度3°、半径7.7mm(10000mPa・s以上)
温度:25℃±0.5℃
<成分(A)1分子中に含まれる架橋性シリル基の平均数>
架橋性シリル基であるアルコキシシリル基の数(平均数)fはポリマー組成全体を100質量部とした場合の架橋性シリル基を有する単量体の質量部から、下記数式を用いて算出した。
f=(シリル基単量体の質量部)/(シリル基単量体の分子量)/100×Mn
(式中、Mnは成分(A)の数平均分子量である。)
<耐候性試験>
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作製した。得られた硬化物をメタルウェザーメーター(ダイプラ・ウィンテス社製「DAIPLA METAL WEATHER KU-R5NCI-A」)に入れ、促進耐候試験を行った。照射条件は63℃、70%RH、照度80mW/cm2とし、2時間に1回2分間のシャワーの試験を1500時間実施した。1500時間後に、表面状態の目視確認(クラック発生の有無)および色差計(日本電色社製分光色彩計SE-2000)により色差(△E)を求め、退色の程度から耐候性の評価を行った。なお、色差(△E)は、分光色彩計で測定された明度(L*)、赤-緑方向の色度(a*)および黄-青方向の色度(b*)の値を下記数式に代入することで求めた。
Figure 2022075060000002

(式中、
L* 1500:1500時間目のL*
L* 0:初期のL*
a* 1500:1500時間目のa*
a* 0:初期のa*
b* 1500:1500時間目のb*
b* 0:初期のb*
<引張試験>
各硬化性組成物を厚さ2mmでテフロン(登録商標)のシートに塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して硬化シートを作成した。得られた硬化物より引張試験用ダンベル(JIS K 6251 3号型)を作成し、引張試験機(オートグラフAGS-J、島津製作所社製)を用いて、引張速度200mm/分の条件下での破断伸び及び破断強度を測定した。
<接着強度試験>
JIS A5557(2006) 外装タイル張り用有機系接着剤における接着強さ試験方法に準拠して、モルタル板と外装モザイクタイルを用いて試験を行った。
モルタル板(TP技研製、10×50×50mm)に、硬化性組成物を約5mmの厚みで塗布し、くし目ごてで引いたのち、JIS A5209の規定に適合する市販の外装モザイクタイル(45×45mm)を接着させた。23℃、50%RHの条件で4週間養生させた後、タイル側およびモルタル側に専用治具を取り付け、引張試験機(オートグラフAGS-J、島津製作所社製)を用いて、23℃条件下、引張速度3mm/分で引張試験を行うことにより、接着強さを測定した。
<(A)成分:(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造>
(合成例1) (メタ)アクリル酸エステル共重合体A-1の製造
オイルジャケットを備えた容量1000mLの加圧式攪拌槽型反応器の温度を255℃に保った。次いで、反応器の圧力を一定に保ちながら、アクリル酸n-ブチル(以下、「BA」という)85部、アクリル酸テトラデシル(以下、「TDA」という。)10部、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5部、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という)10部、重合開始剤としてジ-t-ブチルパーオキサイド(日油製、商品名「パーブチルD」、以下、「DTBP」という)2部からなる単量体混合物を、一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給を開始し、単量体混合物の供給量に相当する反応液を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、オイルジャケットの温度を制御することにより、反応温度を254~256℃に保持した。
単量体混合物の供給開始から温度が安定した時点を、反応液の採取開始点とし、これから25分間反応を継続した結果、1.2kgの単量体混合液を供給し、1.2kgの反応液を回収した。その後反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離して、ビニル共重合体A-1を得た。ビニル共重合体A-1の物性値を表1に示した。
(合成例2~14、比較合成例1)
表1又は表2のように変更した以外は、合成例1と同様の方法で合成した。得られたビニル共重合体の物性値を表1又は表2に示した。
Figure 2022075060000003
Figure 2022075060000004
表1~2に示された略号の意味は以下の通り。
BA:アクリル酸n-ブチル
HA:アクリル酸2-エチルヘキシル
TDA:アクリル酸テトラデシル
MMA:メタクリル酸メチル
TMS:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
DMS:3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
IPA:イソプロピルアルコール
MOA:オルソ酢酸メチル
MEK:メチルエチルケトン
DTBP:ジ-t-ブチルパーオキシド
DTHP:ジ-t-ヘキシルパーオキシド
≪硬化性組成物の調製及び評価≫
実施例1~25、比較例1~3
上記合成例で得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体(成分(A))、ポリオキシアルキレン重合体(成分(B))、エポキシ樹脂(成分(C))及びその他原料を表3又は表4に示す割合で配合し、プラネタリーミキサーを用いて、温度60℃、10Torrの条件で1時間混合することにより硬化性組成物を得た。各組成物から得られた硬化物について引張試験、耐候性試験および接着強度試験を行い、結果を表3又は表4に示した。
Figure 2022075060000005
Figure 2022075060000006
表3~4に示された略号の意味は以下の通り。
ES-S3430:エクセスターES-S3430(分岐構造のポリプロピレンオキサイド主鎖及び分岐鎖の各末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリアルキレンオキサイドの商品名、数平均分子量:16,000、AGC社製)
ES-S2420:エクセスターES-S2420(直鎖構造のポリプロピレンオキサイドの各末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリアルキレンオキサイドの商品名、数平均分子量:20,000、AGC社製)
jER828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂の商品名(三菱ケミカル社製)
jER806:ビスフェノールF型エポキシ樹脂の商品名(三菱ケミカル社製)
jERキュアH30:潜在性エポキシ硬化剤の商品名(三菱ケミカル社製)
CCR:白艶華CCR(軽質炭酸カルシウムの商品名、白石カルシウム社製)
スーパーSS:重質炭酸カルシウムの商品名、丸尾カルシウム社製
#45:カーボンブラックの商品名、三菱ケミカル社製
R820:タイペークR820(酸化チタンの商品名、石原産業社製)
チヌビンB75:老化防止剤の商品名(BASFジャパン社製)
U220H:ネオスタンU220H(ジブチルスズジアセチルアセトナートの商品名、日東化成社製)
S340:サイラエースS340(ケチミン系シランカップリング剤の商品名、JNC社製)
SZ6300:ビニルトリメトキシシランの商品名(ダウ・東レ社製)
<結果の解釈>
実施例9~13と比較例1との対比から、成分(A)の1分子当たりのSi数が多くなるほど、接着強度が上がる傾向が認められるが、伸び率が低下していくことから柔軟性が低下していることが分かる。したがって、成分(A)として、1分子当たりのSi数が1.2個以下のものを用いることにより、接着性と柔軟性とのバランスに優れた硬化性組成物が得られることが分かる。
なお、実施例1~7から、成分(A)の分子量が高くなるほど、耐候性試験における退色が抑えられ、耐候性が改善される一方で、成分(A)の分子量が低いほど、粘度が低く、作業性が良くなることが分かる。したがって、成分(A)として、重量平均分子量が1,000以上50,000以下のものを用いることにより、耐候性に加えて、作業性にも優れた硬化性組成物が得られることが分かる。
実施例17~19、22及び23と、比較例2との対比から、成分(A)の配合量が多くなると、耐候性試験における退色が抑えられ、耐候性が改善される一方、引張物性(破断強度、伸び率)がやや低下することから柔軟性が低下することが分かる。したがって、成分(A)の配合量を20~80質量部及び成分(B)の配合量を10~75質量部(但し、成分(A)、(B)及び(C)合計100質量部)とすることにより、耐候性と柔軟性のバランスに優れた硬化性組成物が得られることが分かる。
実施例17及び20~22と、比較例3との対比から、成分(C)の配合量が多くなると、接着強度は高くなる一方、柔軟性、耐候性がやや低下することがわかる。したがって、成分(C)の配合量を5~65質量部(但し、成分(A)、(B)及び(C)合計100質量部)とすることにより、接着性、柔軟性、及び耐候性のバランスに優れた硬化性組成物が得られることが分かる。
本発明の硬化性組成物は、大気中の水分等により常温で硬化し、優れた接着力、柔軟性、及び耐候性を有する硬化物が得られる。また、適度な粘度を有することから、作業性にも優れる。よって、外装タイル用接着剤などの接着に向けた硬化性組成物として好適である。

Claims (4)

  1. (A)1分子当たり0~1.2個の架橋性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
    (B)架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体、及び、
    (C)ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂を含み、
    前記成分(A)を20~80質量部、前記成分(B)を10~75質量部、前記成分(C)を5~65質量部含む(但し、前記成分(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)の合計は100質量部である)硬化性組成物。
  2. 前記成分(A)の重量平均分子量(Mw)が1,000以上50,000以下である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記成分(A)の粘度が25℃において1,000mPa・s以上300,000mPa・s以下である、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載の硬化性組成物からなる接着剤組成物。
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