JP5177131B2 - 湿気硬化性組成物、該組成物を含有する接着剤組成物及びシーリング剤組成物 - Google Patents

湿気硬化性組成物、該組成物を含有する接着剤組成物及びシーリング剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、湿気により常温硬化可能であり、貯蔵安定性が良く、硬化遅延が少なく、且つ硬化物が優れた耐候性を発揮する湿気硬化性組成物と、該組成物を含有する接着剤組成物及びシーリング剤組成物とに関する。
湿気硬化性の接着剤、シーリング剤、塗料等は、建築、土木等の分野において欠かせない材料である。これらの湿気硬化性の接着剤及びシーリング剤の成分には、湿気硬化性基材以外に、例えば充填剤、可塑剤、硬化促進剤、老化防止剤、及びチクソ性付与剤が挙げられる。可塑剤は主として作業性及びレベリング性を向上させ、可塑剤として通常はジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタル酸エステルが用いられる。今や汎用的になっている変成シリコーンを基材としたシーリング剤でも、これまでにフタル酸エステル系の可塑剤が主に用いられてきている。しかしながら、フタル酸エステル系の可塑剤は十分な耐候性及び耐久性を有していない。更に、フタル酸エステル系の可塑剤には、施工後から年月を経るとともに、例えば硬化物の表面にブリードして自己汚染及び周辺汚染を引き起こすという問題があった。
これらの欠点を改良するために、種々の高分子可塑剤を用いた室温硬化性組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。すなわち、可塑剤として100〜8,000の分子量を有するポリアルキレンエーテルポリオール、又は500〜5,000の分子量を有するポリオキシアルキレンモノエーテルを使用することにより、硬化物の表面及び硬化物に上塗りされた塗料へ可塑剤が移行することを防止し、塵埃の付着による表面汚染が防止されている。
しかし、前記組成物では、耐候性及び耐久性は十分なものではなく、さらに耐水性が低下する等の問題があった。これらの問題を解決するために、最近では、低いガラス転移温度を有するアクリル酸エステル系重合体が可塑剤として添加された変成シリコーンを基材とした硬化性組成物が提案されており、該組成物がシーリング剤として利用可能であることが知られている(例えば、特許文献3を参照)。
しかしながら、特許文献3に記載されているシーリング材組成物では、貯蔵安定性において問題が発生する場合があった。例えば、該組成物が室温雰囲気下において大気と遮断された状態で貯蔵された場合、貯蔵開始から長期間経過した後には硬化速度が低下する現象、即ち硬化遅延が起こる場合があった。このような問題を解決するために、1〜50質量%のメタクリル酸エステル単量体を有するビニル重合体を可塑剤として含有するシーリング剤組成物が提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
また、特許文献5には、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むアクリル重合体と、有機シラン単量体とを含有する硬化性組成物が開示されている。
特開昭63−108058号公報 特開平02−142850号公報 特開2001−207157号公報 特開2003−193033号公報 特開2007−023255号公報
ところで、昨今における日本の住宅の10年保証等にみられるように、市場の耐候性及び耐久性に対する要求レベルはますます高くなってきている。更に、貯蔵安定性の欠如による硬化遅延の向上についても要求レベルが高くなってきている。しかしながら、特許文献4に記載のシーリング剤組成物では、そのような要求に対して未だ十分に応えることができるものではなかった。これは以下の理由によるものと考えられる。即ち、シーリング剤組成物を構成するビニル重合体のメタクリル酸エステル単位は、1〜50質量%という少量である。そのため、メタクリル酸エステル単位が有する特性を十分に発現することができず、得られる湿気硬化性組成物の機械的物性及び貯蔵安定性が満足可能な程度にまで高められるには到っていない。
本発明の目的は、硬化物が優れた耐候性及び耐久性を有するとともに、施工時の作業性及び貯蔵安定性に優れ、且つ硬化遅延が少ない湿気硬化性組成物、該組成物を含有する接着剤組成物及びシーリング剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、耐候性、耐久性、作業性及び硬化遅延性と、湿気硬化性組成物の構成成分であるビニル重合体のメタクリル酸エステル成分との関係に着目し、鋭意検討を重ねてきた。その結果、ビニル重合体のメタクリル酸エステル基の含有量、質量平均分子量、ガラス転移温度、及び粘度が特定範囲内に規定されているビニル重合体と、湿気硬化性官能基を有する湿気硬化性基材とを含む湿気硬化性組成物が、高い耐候性及び耐久性と、優れた作業性及び貯蔵安定性とを有し、且つ硬化遅延が少ないことを見出して本発明を完成した。
前記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、湿気硬化性官能基を有する湿気硬化性基材(A)と、500〜7,000の質量平均分子量を有するとともに25℃における粘度が1〜300Pa・sであり、かつメタクリル酸エステル単位を有するビニル重合体(B)とを含有し、前記ビニル重合体(B)におけるメタクリル酸エステル単位の割合が50質量%を超えるとともに95質量%以下であり、さらに、前記メタクリル酸エステル単位において、メタクリル酸エステルを形成するアルコール残基の50質量%以上が、4以上の炭素数を有する直鎖状、分岐状、又は脂環式アルキル基であり、前記湿気硬化性基材(A)100質量部に対してビニル重合体(B)を1〜100質量部の割合で含有する。
この構成によれば、ビニル重合体(B)におけるメタクリル酸エステル単位の割合が50質量%を超えるとともに95質量%以下であることから、メタクリル酸エステル単位が有する性質に基づき湿気硬化性組成物の貯蔵安定性を高めて硬化遅延を抑えることができるとともに、湿気硬化性組成物より得られる硬化物の耐候性を高めることができる。更に、ビニル重合体(B)の質量平均分子量が500〜7,000に設定されることにより、湿気硬化性組成物より得られる硬化物の機械的物性を高めることができる。また、ビニル重合体(B)の25℃における粘度が1〜300Pa・sに設定されることにより、湿気硬化性組成物の施工時における作業性を改善することができる。従って、湿気硬化性組成物は、その硬化物が優れた耐候性及び耐久性を有するとともに、施工時及び貯蔵安定性に優れ、且つ硬化遅延を抑制することができる。さらに、湿気硬化性組成物の粘度を低下させて該組成物の取り扱い作業性を向上させることができる。
好ましくは、前記湿気硬化性組成物が無溶剤型である。この構成によれば、前記湿気硬化性組成物の取り扱い作業性を向上させることができる。
本発明の別の態様によれば、前記湿気硬化性組成物を含有する接着剤組成物が提供される。この構成によれば、接着剤の用途において前述した湿気硬化性組成物の効果を発揮することができるとともに、上塗り塗料との密着性を向上させることができる。
本発明の更に別の態様によれば、前記湿気硬化性組成物を含有するシーリング剤組成物が提供される。この構成によれば、シーリング剤の用途において前述した湿気硬化性組成物の効果を発揮することができる。
以下、本発明を湿気硬化性組成物に具体化した最良の実施形態を詳細に説明する。本実施形態に係る湿気硬化性組成物は、湿気硬化性官能基を有する湿気硬化性基材(A)100質量部に対し、特定のビニル重合体(B)1〜100質量部を含有する。湿気硬化性基材(A)は湿気硬化性組成物より形成される硬化物の物性を担う比較的高分子量の成分であり、ビニル重合体(B)は可塑剤としての機能を発現する比較的低分子量の成分である。ビニル重合体(B)の質量平均分子量は500〜7,000であり、25℃における粘度は1〜300Pa・sである。更に、ビニル重合体(B)はメタクリル酸エステル単位を有しており、ビニル重合体(B)におけるメタクリル酸エステル単位の割合は50質量%を超えるとともに95質量%以下である。この湿気硬化性組成物は、空気中の湿気により常温(20℃)で硬化可能であり、建築及び土木の分野においてシーリング剤及び接着剤として好適に使用される。
前記湿気硬化性基材(A)は、湿気硬化(架橋)して湿気硬化性組成物の硬化物の基本的な物性を発揮する。湿気硬化性基材(A)の質量平均分子量は、好ましくは7,000を超えるとともに30,000以下である。湿気硬化性基材(A)の質量平均分子量が7,000以下である場合には、湿気硬化性基材(A)が硬化物の機械的物性を担うことが難しくなる。湿気硬化性基材(A)の質量平均分子量が30,000を超える場合には、湿気硬化性基材(A)が柔軟性に欠け、湿気硬化性組成物が接着剤組成物及びシーリング剤組成物に適さない可能性がある。
湿気硬化性基材(A)としては、公知の基材、例えば湿気硬化性官能基としての加水分解性(架橋性)シリル基又はイソシアネート基を有する硬化性基材が挙げられる。即ち、湿気硬化性官能基として、加水分解性シリル基及びイソシアネート基が挙げられ、好ましくは加水分解性シリル基である。加水分解性シリル基としては、例えばアルコキシシリル基、及びハロゲンが結合したシリル基が挙げられる。アルコキシシリル基としては、例えばトリメトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジエトキシメチルシリル基、及びジメチルエトキシシリル基が挙げられる。ハロゲンが結合したシリル基としては、例えばトリクロロシリル基が挙げられる。
加水分解性シリル基を有する硬化性基材としては、例えば変成シリコーン、及びアクリルシリコーンが挙げられる。変成シリコーンは、ポリオキシアルキレンの分子鎖の末端に加水分解性シリル基を有する重合体である。変成シリコーンの骨格となるポリオキシアルキレンとしては、例えばポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、及びポリオキシブチレンが挙げられ、好ましくはポリオキシプロピレンである。しかしながら、変性シリコーンは限定されるものではなく、変性シリコーンの分子量、分子量分布、加水分解性シリル基数、分岐構造、製造方法等が適宜に変更されてもよい。変性シリコーンとしては、例えば鐘淵化学工業(株)製のMSポリマーS203、S303、S810、SAT010、SAT030、SAT200、ESX250、SAT350、SAX710、SAX770、及び旭硝子(株)製のエクセスターES―S2410、ES−S2420、ES−S3430、ES−S3630が挙げられる。
アクリルシリコーンは、重合性不飽和結合を有するシランカップリング剤と、(メタ)アクリル酸エステル又は重合性単量体との共重合により得られる。重合性不飽和結合を有するシランカップリング剤としては、例えばγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、及びスチリルトリメトキシシランが挙げられる。シランカップリング剤と共重合する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シランカップリング剤の具体例として列挙された前記各(メタ)アクリル酸エステル以外の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらの加水分解性シリル基を有する単量体の具体例の内、一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。
前記アクリルシリコーンの製造方法としては、例えばアゾ系重合開始剤又は有機過酸化物を重合開始剤として用いる一般的なラジカル重合法、近年開発されたリビングラジカル重合法(例えば特開平11−5815号公報参照)、及びリビングアニオン重合法(例えば特開2005−307063号公報参照)が挙げられる。また、アクリル共重合体が前駆体として用いられ、後反応で加水分解性シリル基が付加されてアクリルシリコーンが製造されてもよい。例えば、リビングラジカル重合で製造されたアクリル共重合体の分子鎖の末端に加水分解性シリル基が付与されてもよい。しかしながら、アクリルシリコーンの製造方法は前述した方法に限定されない。アクリルシリコーンはその分子中に加水分解性シリル基を有していればよく、例えば加水分解性シリル基数、加水分解性シリル基の高分子鎖中における位置、主骨格の構造及び分子量、分子量分布、組成、ブロック構造、並びに分岐構造が適宜に変更されてもよい。更に、これらの物性、例えば加水分解性シリル基数が異なる複数種類のアクリルシリコーンが組み合わされて用いられてもよい。アクリルシリコーンとしては、例えば鐘淵化学工業(株)製のMA903、MSX908、MSX911、MSX943、S943、MA430、MA440、MA447、SA100S、及びOR100Sが挙げられる。湿気硬化性基材(A)は、好ましくは加水分解性シリル基を有するメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの共重合体を含む。
前記ビニル重合体(B)は、主に可塑剤としての機能を発揮する。このビニル重合体(B)により、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が損なわれず、該組成物の取り扱い作業性が良好になり、且つ硬化物の耐候性及び耐汚染性を高めることができる。
ビニル重合体(B)は、湿気硬化性組成物が常温で流動性を有して該組成物の作業性を良好にするために、好ましくは常温で液状である。ビニル重合体(B)のガラス転移温度は、好ましくは−70〜0℃であり、より好ましくは−70〜−10℃であり、さらに好ましくは−60〜−20℃である。ガラス転移温度は、示差走査熱量計において検出される吸熱ピークの中間点により測定される値である。ビニル重合体(B)のガラス転移温度が0℃を超える場合には、湿気硬化性組成物の粘度が著しく高くなって該組成物の作業性が悪くなる可能性がある。ビニル重合体(B)のガラス転移温度が−70℃未満の場合には、湿気硬化性組成物の硬化物の表面にタックが残り、耐汚染性が悪化する可能性がある。
ビニル重合体(B)の質量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定され、ポリスチレン換算で表される。ビニル重合体(B)の質量平均分子量は500〜7,000であり、好ましくは500〜5,000であり、さらに好ましくは1,000〜3,000である。ビニル重合体(B)の質量平均分子量が7,000を超える場合には、湿気硬化性組成物に十分な可塑性を付与することができなくなり、所期の作業性が得られない。ビニル重合体(B)の質量平均分子量が500未満の場合には、低分子の重合体が硬化物の表面にブリードして耐汚染性が不足する。ビニル重合体(B)の分子量の分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは4以下であり、より好ましくは3以下であり、特に好ましくは2.1以下である。
ビニル重合体(B)の粘度は、25℃において測定される粘度として1〜300Pa・sであり、好ましくは1〜50Pa・sであり、さらに好ましくは3〜10Pa・sである。ビニル重合体(B)の粘度が300Pa・sを超える場合には、湿気硬化性組成物の作業性が著しく悪くなる。ビニル重合体(B)の粘度が1Pa・s未満の場合には、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が悪く、硬化遅延が生じたり硬化物の耐候性が悪化したりする。
ビニル重合体(B)はメタクリル酸エステル単位を有しており、ビニル重合体(B)の全構成単量体単位を基準として、ビニル重合体(B)におけるメタクリル酸エステル単位の割合は50質量%を超えるとともに95質量%以下である。メタクリル酸エステル単位の割合が50質量%以下の場合には、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が不足し、長期間貯蔵された湿気硬化性組成物の硬化遅延、即ち硬化に要する時間が長くなることが避けられず、さらに満足可能な耐候性が得られない。メタクリル酸エステル単位の割合が95質量%を超える場合には、ビニル重合体(B)が高粘度になり、湿気硬化性組成物の作業性が悪化する。
ビニル重合体(B)の必須構成単量体単位であるメタクリル酸エステル単位を導入するためのメタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アルコキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ポリアルキレングリコール、メタクリル酸ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、メタクリル酸ジアルキルアミノアルキル、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、及びγ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシランが挙げられる。これらの具体例の内の一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。
メタクリル酸エステルはメタクリル酸とアルコールとの反応により得られ、メタクリル酸エステルの分子鎖は−COOR基を有している。この−COOR基中において符号Rで示される基は前記アルコールに由来しており、該符号Rで示される基を本願ではアルコール残基と称する。例えばメタクリル酸エステルの合成の際に複数種類のアルコールが用いられた場合には、得られたメタクリル酸エステル中には複数種類のアルコール残基が存在する。このとき、好ましくは、全ての種類のアルコール残基を基準として、メタクリル酸エステルを形成するアルコール残基の50質量%以上が、4以上の炭素数を有する直鎖状、分岐状、又は脂環式アルキル基である。アルキル基の炭素数の上限は、好ましくは18であり、より好ましくは8である。メタクリル酸エステルを形成するアルコール残基における前記アルキル基の割合の上限は特に限定されず、例えば100質量%である。
好ましくは、ビニル重合体(B)は、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの共重合体である。この場合、メタクリル酸エステルを形成するアルコール残基は、直鎖状、分岐状、又は脂環式アルキル基である。アルキル基の炭素数は、好ましくは4〜18であり、より好ましくは4〜8である。アルキル基の炭素数が18を超える場合、例えばシーリング剤組成物の対象となるシーリング基材と組成物との相溶性が悪くなる可能性がある。アルキル基の炭素数が4未満である場合、湿気硬化性組成物の硬化物の剛性が過剰に高くなり、該組成物が接着剤又はシーリング剤として用いることが困難になる可能性がある。
また、メタクリル酸エステルが不活性なアルキル基を有することにより、ビニル重合体(B)の相溶性が比較的良好であり、かつ硬化反応に対して悪影響を与えない。メタクリル酸エステルとして、好ましくはメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ラウリルである。
ビニル重合体(B)のメタクリル酸エステル単位以外の構成単量体単位としては、アクリル酸エステル単位、及びその他のビニル単量体単位が挙げられる。アクリル酸エステル単位を形成するアクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸セカンダリーブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アルコキシアルキル、アクリル酸ヒドロキシアルキル、アクリル酸ポリアルキレングリコール、アクリル酸ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、及びγ−アクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシランが挙げられる。これらの具体例の内の一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。
アクリル酸エステルはアクリル酸とアルコールとの反応により得られ、前述したメタクリル酸エステルと同様にアルコール残基を有している。メタクリル酸エステルと同様の理由により、アルコール残基は、好ましくは1〜18の炭素数を有する直鎖状、分岐状又は脂環式アルキル基である。アクリル酸エステルとしては、好ましくはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、及びアクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。その他のビニル単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、α−オレフィン類、ビニルピロリドン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルビニルエステル、及びビニルエーテルが挙げられる。
ビニル重合体(B)は、好ましくは加水分解性シリル基を有するメタクリル酸エステル単位を有しており、ビニル重合体(B)における、加水分解性シリル基を有するメタクリル酸エステル単位の割合は、好ましくは0.1〜25質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%であり、さらに好ましくは1〜3質量%である。ビニル重合体(B)が加水分解性シリル基を有することにより、湿気硬化した湿気硬化性基材(A)の硬化物に加水分解性シリル基が結合する。その結果、硬化物の耐候性及び耐久性が高まり、硬化遅延が抑制され、且つビニル重合体(B)がブリードしにくくなって硬化物の表面の非汚染性を向上させることができる。更に、湿気硬化した湿気硬化性基材(A)の硬化物の破断伸びも向上させることができる。加水分解性シリル基を有するメタクリル酸エステル単位の含有量が0.1質量%未満の場合には、ブリードを抑制したり耐候性を向上させたりする効果が小さくなる可能性がある。加水分解性シリル基を有するメタクリル酸エステル単位の含有量が25質量%を超える場合には、架橋基が過剰に存在して硬化物の破断伸びが著しく低下する可能性がある。
ビニル重合体(B)は、好ましくは水酸基を有していない。ビニル重合体(B)が水酸基を有する場合には、湿気硬化性組成物が空気中の水分に強い親和性を示し、貯蔵安定性が悪くなることがある。具体的には、製造後から長期間経過した湿気硬化性組成物が例えばシーリング剤として施工された後、タックフリーとなるために要する時間が長くなり、すなわち硬化性が悪くなることがある。
ビニル重合体(B)は、通常のラジカル重合により製造可能である。重合条件に依存して、ラジカル重合開始剤が用いられてもよいし用いられなくてもよい。ラジカル重合開始剤が使用される場合には、該ラジカル重合開始剤として、例えば過酸化物、アゾ化合物、及び無機過酸化物が挙げられる。過酸化物として、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、及びジターシャリーブチルパーオキサイドが挙げられる。アゾ化合物として、例えばアゾビスイソブチロニトリル、及びアゾビスイソバレロニトリルが挙げられる。無機過酸化物として、例えば過硫酸アンモニウム、及び過硫酸カリウムが挙げられる。重合開始剤の使用量は、重合に供される単量体全量100質量部に対して、好ましくは5質量部以下であり、さらに好ましくは3質量部以下であり、最も好ましくは2質量部以下である。重合開始剤の使用量が過剰に多いと、不純物が多く発生し、湿気硬化性組成物の硬化物の耐候性が低下する可能性がある。また、メルカプタン及びハロゲン化合物等に代表される連鎖移動剤は硬化物の耐候性を著しく低下させることから、できるだけ用いられないことが好ましい。連鎖移動剤の使用量は、重合に供される単量体全量100質量部に対して、好ましくは1質量部以下であり、さらに好ましくは0.3質量部以下であり、最も好ましくは0質量部である。
ビニル重合体(B)を得るための重合方法としては、通常のラジカル重合法、及びリビングラジカル重合法が挙げられる。通常のラジカル重合法としては、例えば水性媒体中での懸濁重合法及び乳化重合法、有機溶剤中での溶液重合法、並びに塊状重合法が挙げられる。溶液重合法の場合、有機溶媒としては通常溶媒として用いられるものが挙げられ、例えば環状エーテル、芳香族炭化水素化合物、エステル、ケトン、及びアルコールが挙げられる。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、及びジオキサンが挙げられる。芳香族炭化水素化合物としては、例えばベンゼン、トルエン、及びキシレンが挙げられる。エステルとしては、例えば酢酸エチル、及び酢酸ブチルが挙げられる。ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノンが挙げられる。アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、及びイソプロパノールが挙げられる。これらの具体例の内の一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。重合条件としては、重合温度が20〜300℃であり、圧力が0.1(常圧)〜10MPaであり、加圧の場合には耐圧オートクレーブが用いられ、反応時間は5分〜20時間である。
ラジカル重合における、ビニル重合体(B)を得るための重合条件として、好ましくは重合温度が150〜300℃である。この高温重合によれば、高分子鎖からの水素の引き抜き反応に始まる切断反応が起こることから、分子量の制御のために多量の重合開始剤、連鎖移動剤等の不純物がビニル重合体(B)中に含まれず、該重合体(B)を容易に製造することができる。この重合温度は、より好ましくは170〜250℃であり、さらに好ましくは190〜230℃である。重合温度が150℃未満では、分子量を低下させるために多量の重合開始剤及び連鎖移動剤が必要となり、結果的に性能に悪影響を与える可能性がある。また、分子量の割に粘度が高くなる現象が生じる。重合温度が300℃を超えると、メタクリル酸エステルの解重合によって重合転化率が小さくなり、生産性が著しく悪くなる可能性がある。重合時間は、好ましくは5分〜60分であり、より好ましくは7分〜20分である。重合時間が5分未満の場合には、重合転化率が低くて生産性が低下する可能性がある。重合時間が60分を超えると、湿気硬化性組成物の着色、分解等が生じる可能性がある。
重合プロセスは、ラジカル重合プロセスに用いられるプロセスであれば特に限定されない。重合プロセスとして、例えばバッチ式重合法、原料が連続的にフィードされるセミバッチ式重合法、管式連続重合法、及び連続攪拌槽型重合法(CSTR法)が挙げられる。これらの具体例の中でも特に好ましいのは連続攪拌槽型重合法(CSTR法)である。この重合法は、温度制御を一定に保つことが容易であり、組成分布、分子量分布も狭く、均一な重合体を製造可能である点で優れている。
重合プロセスは、具体的には特公表57−502171号公報、特開昭59−6207号公報、及び特開昭60−215007号公報に開示された公知の方法に従って行われる。公知の方法として例えば以下の方法が挙げられる。即ち、加圧可能な反応器内が加圧下で所定温度に設定された後、各ビニル系単量体、及び必要に応じて重合溶媒からなるビニル系単量体混合物が一定の供給速度で反応器に供給される。そして、ビニル系単量体混合物の供給量に見合う量の重合液が、反応器内の液面を一定に保つように反応器から抜き出される。ビニル系単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤が配合されてもよい。重合開始剤の配合量としては、ビニル系単量体混合物100質量部に対して好ましくは0.001〜5質量部である。
湿気硬化性組成物は、前記湿気硬化性基材(A)100質量部に対してビニル重合体(B)を1〜100質量部の割合で含有する。ビニル重合体(B)の含有量は、好ましくは10〜90質量部であり、さらに好ましくは30〜80質量部である。ビニル重合体(B)の含有量が1質量部未満の場合には、ビニル重合体(B)の可塑剤としての効果が不十分であり、得られる湿気硬化性組成物の作業性の不十分であるとともに硬化物の耐候性も向上しない。ビニル重合体(B)の含有量が100質量部を超える場合には、例えば施工されたシーリング剤の表面上にブリードが起きて耐汚染性が悪くなるとともに、破断伸び、破断強度等の機械的物性も著しく悪化する。
湿気硬化性組成物は、前記湿気硬化性基材(A)及びビニル重合体(B)以外の成分として、例えば硬化促進剤及び充填剤を含有してもよい。硬化促進剤としては、例えば有機錫化合物、有機鉛化合物、有機チタン化合物、これら以外の有機金属化合物、アミン系化合物、及び有機酸化合物が挙げられが、硬化速度の観点から好ましくは有機錫化合物である。有機錫化合物としては、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫、及びジオクチル錫ジマレエートが挙げられる。有機鉛化合物としては、例えばオクチル酸鉛が挙げられる。有機チタン化合物として、例えばテトラブチルチタネート、及びテトラプロピルチタネートが挙げられる。前記有機金属化合物として、例えば有機ビスマス化合物、有機鉄化合物、有機コバルト化合物、及び有機ジルコニウム化合物が挙げられる。アミン系化合物として、例えばトリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジンジアザビシクロオクタン、及びジアザビシクロウンデセンが挙げられる。有機酸化合物として、例えばp−トルエンスルホン酸が挙げられる。
湿気硬化性組成物中における硬化促進剤の含有量は、湿気硬化性基材(A)100質量部に対して、好ましくは0.1部〜10質量部であり、より好ましくは0.2〜7質量部であり、最も好ましくは0.5〜5質量部である。硬化促進剤の含有量が0.1質量部未満の場合には、硬化が不十分になる可能性がある。硬化促進剤の含有量が10質量部を超える場合には、湿気硬化性組成物の耐候性が低下するとともに、硬化が速くなって作業性が悪くなる場合がある。
充填剤としては、0.02〜2.0μm程度の平均粒径を有する軽質炭酸カルシウム、1.0〜5.0μm程度の平均粒径を有する重質炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、合成ケイ酸、珪藻土、シラスバルーン、ガラス繊維、タルク、ゼオライト、マイカ、シリカ、焼成クレー、カオリン、ベントナイト、水酸化アルミニウム、及び硫酸バリウムが挙げられる。充填剤の含有量は、湿気硬化性基材(A)100質量部に対して、好ましくは10〜300質量部であり、より好ましくは20〜250質量部である。
湿気硬化性組成物は、必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、垂れ防止剤、脱水剤、密着増強剤、着色剤、及び有機溶剤を更に含有してもよい。紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、及び蓚酸アニリド系化合物が挙げられる。光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系化合物が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系化合物が挙げられる。垂れ防止剤としては、例えば水添ひまし油が挙げられる。脱水剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、オルト蟻酸メチル、及びオルト酢酸メチルが挙げられる。密着増強剤としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルイソブチルケトイミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及び3−ウレイドプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
また、湿気硬化性組成物はタック防止剤を含有してもよい。タック防止剤として、例えば光硬化性化合物、及び空気硬化性化合物が挙げられる。光硬化性化合物としては、例えばアロニックスM6100、M7100、M8060、M8100(いずれも東亞合成(株)製のポリエステルアクリレート)、及び多官能アクリルオリゴマーが挙げられる。多官能アクリルオリゴマーとしては、例えばトリメチロールプロパンが挙げられる。空気硬化性化合物としては、例えば桐油、亜麻仁油、ポリブタジエン、及び不飽和ポリエステルが挙げられる。これらの具体例の内、一種のみが単独で用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。これらの具体例の中でも、優れたタック防止効果を発揮することから、好ましくは多官能アクリルオリゴマーである。多官能アクリルオリゴマーが使用される場合には、該多官能アクリルオリゴマーと光重合開始剤とが併用されることが好ましい。この場合には、多官能アクリルオリゴマーの効果をより効果的に発揮することができる。
好ましくは、湿気硬化性組成物は無溶剤型である。湿気硬化性組成物は、シーリング剤用途、及び接着剤用途に適している。シーリング剤用途では、戸建て住宅及びマンション等で10年以上を保証する高い耐候性、及び耐久性が求められており、湿気硬化性組成物はその要求を満たすことができる。また、接着剤用途の中でも建材用の接着剤分野では10年以上を保障する高い耐候性、及び耐久性が求められており、湿気硬化性組成物はその要求を満足することができる。特に外壁のタイル接着等では外観と接着性の維持とが長期に渡って求められており、湿気硬化性組成物はその要求に応ずることができる。シーリング剤組成物及び接着剤組成物はいずれも前述の湿気硬化性組成物を含有しており、必要に応じてその他の成分が常法に従って配合される。
本実施形態は以下の利点を有する。
本実施形態に係る湿気硬化性組成物は、湿気硬化性官能基を有する湿気硬化性基材(A)100質量部に対し、特定のビニル重合体(B)1〜100質量部を含有する。この湿気硬化性組成物が湿気により硬化し、湿気硬化性基材(A)の硬化物にビニル重合体(B)による可塑剤が分散された構造が形成されると考えられる。さらに、湿気硬化性基材(A)及びビニル重合体(B)に含まれる加水分解性シリル基等の湿気硬化性官能基が加水分解してシロキサン結合が形成され、架橋構造が形成されると考えられる。この場合、ビニル重合体(B)は、主成分として50質量%を超えるとともに95質量%以下の割合でメタクリル酸エステル単位を有している。そのため、ビニル重合体(B)は、メタクリル酸エステル単位が有する性質に基づいて、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性を高めて硬化遅延を抑えることができるとともに、湿気硬化性組成物より得られる硬化物の耐候性を高めることができる。
さらに、ビニル重合体(B)の質量平均分子量が500〜7,000に設定されていることから、湿気硬化性組成物より得られる硬化物の機械的物性を高めることができる。加えて、ビニル重合体(B)の25℃における粘度が1〜300Pa・sに設定されていることから、湿気硬化性組成物の施工時における作業性を改善することができる。従って、湿気硬化性組成物の硬化物が優れた耐候性及び耐久性を発揮することができるとともに、湿気硬化性組成物の施工時の作業性及び貯蔵安定性に優れており、且つ硬化遅延を抑制することができる。
好ましくは、ビニル重合体(B)が常温で液状である。この場合、湿気硬化性組成物が常温で流動性を有しており、該組成物の作業性を良好にすることができる。
好ましくは、前記ビニル重合体(B)が水酸基を有していない。この場合、水酸基が水分と親和性を示すころにより湿気硬化性組成物の貯蔵安定性及び硬化性が低下することを抑制することができる。
好ましくは、前記湿気硬化性基材(A)の湿気硬化性官能基が加水分解性シリル基である。この場合、加水分解性シリル基の加水分解により架橋構造が形成され、湿気硬化性組成物より形成される硬化物の機械的物性を向上させることができる。
好ましくは、ビニル重合体(B)が、加水分解性シリル基を有するメタクリル酸エステル単位を0.1〜25質量%の割合で有する。この場合、湿気硬化した硬化物にビニル重合体(B)の加水分解性シリル基が結合し、硬化物の機械的物性、耐候性及び耐久性の向上と、硬化遅延の抑制とを図ることができる。更に、硬化物表面の非汚染性も向上させることができる。
好ましくは、ビニル重合体(B)が、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの共重合体である。そして、メタクリル酸エステルを形成するアルコール残基が、4〜8の炭素数を有する直鎖状、分岐状、又は脂環式アルキル基である。この場合、ビニル重合体(B)と湿気硬化性基材(A)との相溶性を高めて硬化物の機械的物性及び耐久性を向上させることができる。
好ましくは、ビニル重合体(B)の質量平均分子量が500〜5,000であり、25℃における粘度が1〜50Pa・sである。この場合、湿気硬化性組成物より得られる硬化物の機械的物性、及び湿気硬化性組成物の施工時における作業性を一層向上させることができる。
好ましくは、ビニル重合体(B)が、ビニル単量体の150〜300℃の温度におけるラジカル重合により得られる。この場合、高分子鎖からの水素引き抜き反応に始まる切断反応が起こることから、多量の重合開始剤及び連鎖移動剤を用いることなく分子量の制御を容易に行うことができる。
好ましくは、湿気硬化性基材(A)、が加水分解性シリル基を有するメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの共重合体を含む。この場合、湿気硬化性基材(A)の物性を、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルとの種類及び組成により容易に調整することができる。
好ましくは、前記ビニル重合体(B)が連続重合によって得られる。この場合、重合開始剤及び連鎖移動剤等の不純物を含まず、且つ組成分布及び分子量分布が比較的狭いビニル重合体(B)を容易に得ることができる。
好ましくは、前記メタクリル酸エステル単位において、メタクリル酸エステルを形成するアルコール残基の50質量%以上が、4以上の炭素数を有する直鎖状、分岐状、又は脂環式アルキル基である。この場合、湿気硬化性組成物の粘度が低下し易い。そのため、湿気硬化性組成物が無溶剤型である場合、即ち有機溶剤を含有しない場合にも、該組成物の取り扱い作業性を向上させることができる。3以下の炭素数を有するアルキル基がアルコール残基の50質量%を超える場合には、湿気硬化性組成物の粘度が高くなって該組成物が固形状となり易く、該組成物の作業性が悪化するおそれがある。
好ましくは、前記湿気硬化性組成物が無溶剤型である。この構成によれば、溶剤を用いることなく湿気硬化性組成物と取り扱うことができることから、該組成物の取り扱い作業性を向上させることができる。
接着剤組成物は前記湿気硬化性組成物を含有する。そのため、接着剤の用途において前記湿気硬化性組成物の効果を発揮することができるとともに、上塗り塗料との密着性を向上させることができる。
シーリング剤組成物は前記湿気硬化性組成物を含有する。そのため、シーリング剤の用途において前記湿気硬化性組成物の効果を発揮することができる。
前記実施形態は、次のように変更して具体化されてもよい。
ビニル重合体(B)として、ガラス転移温度、質量平均分子量、粘度等が異なる複数種類のビニル重合体(B)が調製され、それらが適宜に組み合わされて使用されてもよい。
湿気硬化性組成物は、前記ビニル重合体(B)以外の低分子量の可塑剤を含有してもよい。
ビニル重合体(B)を形成するメタクリル酸エステルとして、複数のメタクリル酸アルキルエステルが適宜に組み合わされて使用されてもよい。
湿気硬化性組成物は、難燃剤、架橋剤等を含有してもよい。
以下に、合成例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。以下の説明において、「%」は特に断らない限り質量%を示す。また、下記の表1及び表2において、成分を示す欄の数値の単位は質量部である。
〔ビニル重合体(B)の合成例〕
(重合体Aの製造方法)
オイルジャケットを備えるとともに1リットルの容量を有する加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を220℃に保持した。次いで、メタクリル酸ブチル(BMA)70質量部、アクリル酸ブチル(BA)30質量部、及びメチルエチルケトン10質量部からなる単量体混合液に、重合開始剤としてのジターシャリーブチルパーオキサイド(DTBP)1質量部を混合した後、該混合液を原料タンクに仕込んだ。そして、一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから単量体混合液を反応器に連続供給し、反応器内の混合液の質量が580gで一定になるように重合物を反応器出口から連続的に抜き出した。このとき、反応器内温を所望の220℃に保持した。さらに、抜き出した反応物から、20kPaの減圧度、及び250℃の温度に保持した薄膜蒸発器を用いて揮発成分を連続的に分離し、該揮発成分をほとんど含まない重合体を回収した。
単量体混合液の供給開始後に反応器内部の温度が安定してから36分経過した後に反応がほぼ平衡状態に達したと判断し、当該時間を薄膜蒸発後の重合体の回収開始点とした。そして、重合体の回収開始点から約180分間、単量体混合液の供給を継続した結果、約6kgの重合体Aを回収した。
GPCより求めたポリスチレン換算による重合体Aの質量平均分子量(Mw)は2,600であり、数平均分子量(Mn)は1,400であり、分子量分布Mw/Mnは1.86であった。また、加熱残分による重合体Aの固形分は99%であった。重合体Aは常温で流動性を有しており、液状であった。重合体Aの25℃における粘度をE型粘度計で測定したところ、4.8Pa・sであった。さらに、重合体Aを目視で確認したところ、黄変等の問題もなく、優れた色調を有していた。
(重合体B〜Iの製造方法)
重合体B〜Iを、表1に示すビニル系単量体組成を用いた以外は重合体Aの製造方法と同様の方法により得た。各重合体B〜IのMw及び粘度を表1に示す。また、各重合体B〜Iの色調について、黄変等の不具合は認められなかった。
(重合体Jの製造方法)
攪拌機、温度計、送液ポンプ、窒素導入管、及びコンデンサーを備えた2リットル4つ口フラスコに酢酸ブチル(BAc)200質量部を入れ、窒素雰囲気下でフラスコ内を100℃に保持した。次いで、メタクリル酸ブチル(BMA)80質量部、及びアクリル酸ブチル(BA)20質量部からなる単量体混合液に、重合開始剤としてのアゾビスイソバレロニトリル(AIVN)3質量部、及び連鎖移動剤ドデシルメルカプタン(DM)4質量部を混合した後、該混合液を原料タンクに仕込んだ。そして、一定の供給速度(3.6g/分、時間:300分)で原料タンクから単量体混合液を反応器に連続供給し、反応器内の反応温度を100℃で一定に保つように外温度を制御した。同温度で送液終了後、反応物を1時間熟成した。その後、溶媒と残存単量体等の揮発成分とを除去するために減圧脱溶媒を4時間行い、揮発成分をほとんど含まない重合体J約1kgを回収した。
GPCより求めたポリスチレン換算による重合体JのMwは5,000であり、Mnは2,200であり、分子量分布Mw/Mnは2.27であった。また、加熱残分による重合体Jの固形分は99%であった。重合体Jは常温で流動性を有しており、液状であった。重合体Jの25℃における粘度をE型粘度計で測定したところ、200Pa・sであった。
(重合体K〜Nの製造方法)
重合体K〜Nを、表1に示すビニル系単量体組成を用いた以外は重合体Aの製造方法と同様の方法により得た。各重合体K〜NのMw及び粘度を表1に示す。また、各重合体K〜Nの色調について、黄変等の不具合は認められなかった。
(重合体O(アクリルシリコーン)の製造方法)
オイルジャケットを備えるとともに1リットルの容量を有する加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を180℃に保持した。次いで、メタクリル酸メチル(MMA)10質量部、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(SiM)1.4質量部、アクリル酸ブチル(BA)68.6質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(HA)21質量部、イソプロピルアルコール(IPA)12質量部、メチルエチルケトン(MEK)10質量部、オルト酢酸メチル(MOA)8質量部、及び重合開始剤としてジターシャリーヘキシルパーオキサイド(DTHP)0.2質量部からなる単量体混合液を、一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給した。そして、単量体混合液の供給量に相当する反応液を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に一旦反応温度が低下し、その後に重合熱による温度上昇が認められたが、オイルジャケット温度を制御することにより、反応温度を180〜182℃に保持した。さらに、抜き出した反応物から、20kPaの減圧度、及び250℃の温度に保持した薄膜蒸発器を用いて揮発成分を連続的に分離し、揮発成分をほとんど含まない重合体を回収した。
単量体混合液の供給開始後に反応器内部の温度が安定してから36分経過した後に反応がほぼ平衡状態に達したと判断し、当該時間を薄膜蒸発後の重合体の回収開始点とした。そして、重合体の回収開始点から約120分間、単量体混合液の供給を継続した結果、約4kgの重合体Oを回収した。GPCで測定したポリスチレン換算による重合体OのMnは4,000であり、Mwは13,000であった。また、重合体Jの1分子当たりの加水分解性シリル基の数は0.23個であった。
(実施例1〜11及び比較例1〜5)
シーリング剤組成物を想定し、下記の表2に示す割合に従って各成分を配合して湿気硬化性組成物を調製した。そして、得られた湿気硬化性組成物からその硬化物としての1mmの厚さを有するシートを作製し、常温で14日間の養生を行った。シートから1号ダンベル試験片を打ち抜き、引張物性として50%破断時の強度(M50)、破断時の強度(Ts)及び伸度(El)、作業性、耐候性、並びに硬化遅延を下記に示す方法で測定又は評価した。それらの結果を表3に示す。また、表2中における略号の意味を以下に示す。
変成シリコーン:旭硝子(株)製のエクセスターESS2420、質量平均分子量(Mw)は25,000であり、数平均分子量(Mn)は18,000であり、重合体1分子あたりの加水分解性シリル基の数は1.9個である;
アクリルシリコーン:重合体O;
老化防止剤:チバスペシャリティー(株)製のチヌビンB75;
炭酸カルシウム:白石カルシウム(株)製の白艶華CCR;
アミノシラン:日本ユニカー(株)製のA1120;
ビニルシラン:日本ユニカー(株)製のA171;
硬化触媒:ジブチル錫ジラウレート;及び
黒色トナー:カーボンブラックペースト。
(1)引張物性の測定
各湿気硬化性組成物を基板に厚さ2mmで塗布し、23℃、50%RH(相対湿度)の条件下で1週間養生して該組成物を硬化させてシートを作成した。得られたシートより引張り試験用ダンベルを作製し、引張り試験機((株)東洋精機製作所製、テンシロン200)により測定した。引張り試験用ダンベルの形状は、日本工業規格であるJIS K 6251(国際規格であるISO37)の3号形に基づいている。具体的には、温度23℃、湿度50%の環境下における引張速度5cm/分の条件にて、50%破断時の強度(M50、単位MPa)、破断時の強度(Ts、単位MPa)、及び伸度(El、単位%)を測定した。
(2)作業性の測定
各湿気硬化性組成物をコテにより基板に塗布し、該組成物の塗布のし易さを評価した。表3の“作業性”欄において、“○○”は湿気硬化性組成物の塗布性が極めて良好であることを示し、“○”は湿気硬化性組成物の塗布性が良好であることを示し、“△”は湿気硬化性組成物の塗布性がやや不良であることを示す。
(3)耐候性試験
各湿気硬化性組成物を基板に厚さ2mmで塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間養生して該組成物を硬化させてシートを作製した。メタリングウェザーメーター(DAIPLA METAL WEATHER KU-R5NCI-A、ダイプラ・ウィンテス社製)でシートの促進耐候性試験を行い、100時間毎に、目視にてシートにおけるクラックとチョーキングとの発生を観察した。表3の“耐候性”欄において、“初期”は促進耐候性試験の開始時の結果を示し、例えば“100hr”は促進耐候性試験の開始時から100時間経過したときの結果を示す。また、“耐候性”欄において、“○”クラックとチョーキングとが観察されなかったことを示し、“△”はクラックとチョーキングとが一部に発生したことを示し、“×”はクラックとチョーキングとがシートの全面にわたって発生したことを示し、“−”はシートの観察が行われなかったことを示す。
(4)硬化遅延の測定
各湿気硬化性組成物の各成分の配合直後に該組成物を硬化させて作成したシートと、該組成物を50℃で1ヶ月間貯蔵した後に硬化させて作成したシートとについて、JIS A 1439に基づいて、タックフリー試験を行った。具体的には、指触によりタックフリーと認められるまでに要する時間を測定した。50℃で1ヶ月間貯蔵後のシートにおいてタックフリーに要する時間(hr)と、各成分の配合直後のシートにおいてタックフリーに要する時間(hr)との差は湿気硬化性組成物の硬化遅延を示す。そのため、前記差が大きいことは、湿気硬化性組成物の貯蔵安定性が悪いことを意味する。
表3に示すように、実施例1〜11においては、湿気硬化性基材(A)及びビニル重合体(B)として本発明で規定されたものが使用され、湿気硬化性基材(A)100質量部当たりビニル重合体(B)1〜100質量部となるように配合されている。その結果、湿気硬化性組成物の硬化物は引張物性等の機械的物性に優れるとともに、耐候性に優れていた。しかも、湿気硬化性組成物の作業性は良好であり、貯蔵安定性が良くて硬化遅延を抑制することができ、耐久性に優れていることが明らかとなった。
これに対して、比較例1〜5では、特にビニル重合体として、アクリル酸エステルを主成分とする重合体が使用されていることから、硬化物の耐候性及び貯蔵安定性が悪く、且つ硬化遅延が生じていた。

Claims (4)

  1. 湿気硬化性官能基を有する湿気硬化性基材(A)と、
    500〜7,000の質量平均分子量を有するとともに25℃における粘度が1〜300Pa・sであり、かつメタクリル酸エステル単位を有するビニル重合体(B)とを含有し、
    前記ビニル重合体(B)におけるメタクリル酸エステル単位の割合が50質量%を超えるとともに95質量%以下であり、
    さらに、前記メタクリル酸エステル単位において、メタクリル酸エステルを形成するアルコール残基の50質量%以上が、4以上の炭素数を有する直鎖状、分岐状、又は脂環式アルキル基であり、
    前記湿気硬化性基材(A)100質量部に対してビニル重合体(B)を1〜100質量部の割合で含有することを特徴とする湿気硬化性組成物。
  2. 前記湿気硬化性組成物が無溶剤型であることを特徴とする請求項に記載の湿気硬化性組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の湿気硬化性組成物を含有することを特徴とする接着剤組成物。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の湿気硬化性組成物を含有することを特徴とするシーリング剤組成物。
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