JP2006037076A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主鎖がポリオキシアルキレン鎖からなり、分子末端の少なくとも一部に下記式(1): −SiXaR1 3-a (1)(式(1)中、R1は独立して炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基を表し、Xは独立して水酸基または加水分解性基を表し、aは1、2または3を表す。)で表される反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)、ならびに、前記式(1)で表される反応性ケイ素基を有し、かつ主鎖が、炭素数1〜2のアルキルアルコール、炭素数4のアルキルアルコール、および炭素数7〜9のアルキルアルコールの(メタ)アクリレートのそれぞれの少なくとも一種のモノマー単位を含む(メタ)アクリレート共重合体(B)からなる硬化性組成物。
【選択図】 なし
Description
−SiXa R1 3-a (1)
(式(1)中、R1 は独立して炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基を表し、Xは独立して水酸基または加水分解性基を表し、aは1、2または3を表す。)
で表される反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)、および、前記式(1)で表される反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリレート共重合体(B)を含有し、前記(メタ)アクリレート共重合体(B)の主鎖が、アルキル部分の炭素数が1〜2のアルキル(メタ)アクリレート(以下、C1〜2アルキル(メタ)アクリレートとも記す)のモノマー単位の少なくとも一種、アルキル部分の炭素数が4のアルキル(メタ)アクリレート(以下、C4アルキル(メタ)アクリレートとも記す)のモノマー単位の少なくとも一種、およびアルキル部分の炭素数が7〜9のアルキル(メタ)アクリレート(以下C7〜9アルキル(メタ)アクリレートとも記す)のモノマー単位の少なくとも一種を含むことを特徴とするものである。
上記オキシアルキレン重合体(A)は、主鎖が実質的にポリオキシアルキレン鎖からなり、分子末端の少なくとも一部に下記式(1):
−SiXaR1 3-a (1)
で表される反応性ケイ素基を有する。ここで上記式(1)において、R1 は独立して炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基を表し、Xは独立して水酸基または加水分解性基を表し、aは1、2または3を表す。したがって、XおよびR1は、それぞれが2個以上ある場合は同じでも異なっていてもよい。
−CH2CH(CH3)O− (2)
で表される繰り返し単位からなる主鎖を有するオキシアルキレン重合体(A)が、好ましい。「実質的に」としているのは、オキシアルキレン重合体を製造する場合の開始剤の化学構造および反応性ケイ素基との連結基等は、一般に上記繰り返し単位以外の化学構造を有するからであり、さらに他の化学構造をある程度含んでもよいからである。上記式(2)で表される繰り返し単位が、オキシアルキレン重合体(A)全体の50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
オキシアルキレン重合体(A)の製造方法はいかなる方法を用いてもよく、特に限定されないが、以下に具体例を示す。
開始剤は1種のみを用いることも2種以上を併用することもできる。
その場合、オキシアルキレン重合体(A)は、一般に下記式(3):
−R0 −SiXaR1 3-a (3)
で表される基を分子末端の少なくとも一部に有する。
上記式(3)中、R0は2価の有機基を表し、R1、X、およびaは上記式(1)における同じ記号と同じ意味を有する。
(イ)水酸基を有する原料オキシアルキレン重合体の末端に、不飽和基を導入した後、下記式(4)で表されるヒドロシリル化合物を反応させる方法。
HSiXa R1 3-a (4)
上記式(4)中、R1 、X、およびaは上記式(1)と同じ意味を有する。
原料オキシアルキレン重合体の末端に不飽和基を導入する方法としては、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合またはカーボネート結合などにより原料オキシアルキレン重合体の末端水酸基と連結しうる官能基および不飽和基を有する反応剤を、原料ポリオキシアルキレン重合体と反応させる方法が挙げられる。また、開始剤に環状エーテルを重合する際に、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和基含有エポキシ化合物を共重合させることにより原料オキシアルキレン重合体の末端の少なくとも一部に不飽和基を導入する方法も使用できる。
(イ−1)上記式(4)で表されるヒドロシリル化合物を不飽和基に付加させる、いわゆるヒドロシリル化反応を用いる方法。
白金系触媒、ロジウム系触媒、コバルト系触媒、パラジウム系触媒、およびニッケル系触媒などからなる群から選ばれる触媒の存在下、原料オキシアルキレン重合体に導入した不飽和基にヒドロシリル化合物を付加反応させることができる。用いる触媒としては、塩化白金酸、白金金属、塩化白金、および白金オレフィン錯体などの白金系触媒が好ましい。オレフィン基にヒドロシリル化合物を反応させる反応は、30〜150℃、好ましくは60〜120℃の温度で行い、一般に数時間以内の反応時間でヒドロシリル化反応が充分に進行する。
(イ−2)不飽和基に下記式(5):
R1 3-a−SiXa −R0 −SH (5)
で表されるメルカプトシラン化合物を反応させる方法。
上記式(5)中、R1 、X、およびaは上記式(1)と同様の意味を有する。R0 は2価の有機基を表し、好ましくは炭素数1〜17の2価の炭化水素基であり、特に好ましくは、トリメチレン(−CH2CH2CH2−)基である。上記式(5)で表されるメルカプトシラン化合物としては、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、および3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
R1 3-a−SiXa −R0− NCO (6)
で表される化合物と反応させる方法。
上記式(6)中、R1 、X、およびaは上記式(1)の場合と同様である。R0 は2価の有機基を表し、好ましくは炭素数1〜17の2価の炭化水素基であり、特に好ましくは、トリメチレン基である。
R1 3-a−SiXa−R0−W (7)
で表されるケイ素化合物のW基を反応させる方法。
上記式(7)中、R1 、X、およびaは上記式(1)の場合と同じ意味である。R0 は2価の有機基を表し、好ましくは炭素数1〜17の2価の炭化水素基であり、特に好ましくは、トリメチレン基である。Wは、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、1級アミノ基、および2級アミノ基から選ばれる活性水素原子含有基を表す。
本発明の(メタ)アクリレート共重合体(B)はその主鎖に、C1〜2アルキル(メタ)アクリレートのモノマー単位の少なくとも一種、C4アルキル(メタ)アクリレートのモノマー単位の少なくとも一種、およびC7〜9アルキル(メタ)アクリレートのモノマー単位の少なくとも一種を含み、かつ、分子内に下記式(1):
−SiXa R1 3-a (1)
で表される反応性ケイ素基を有する重合体である。上記式(1)中、X、a、R1の意味は上記オキシアルキレン重合体(A)の場合と同様である。上記(メタ)アクリレート共重合体(B)の主鎖は、上記各モノマー単位に対応する重合性モノマーを共重合することによって合成できる。
C1〜2アルキル(メタ)アクリレートのモノマー単位を形成する重合性モノマー(C1〜2アルキル(メタ)アクリレートモノマー)としては炭素数1〜2のアルキルアルコールの(メタ)アクリレートが挙げられ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、およびエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、得られる硬化物が優れた接着性を有することからメチルメタクリレートが好ましい。
2−エチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2,2−ジメチル−1−イソプロピルプロピル基、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1,2,3
−テトラメチルブチル基、1,2,3,3−テトラメチルブチル基、1−エチル−1,2,2−トリメチルプロピル基などがある。
前記ノニルアクリレートにおける、ノニル基としては、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、2,2,4,4−テトラメチルペンチル基、2−イソプロピル−3,3−ジメチルブチル基、2,2,3,4−テトラメチルペンチル基、2−イソプロピル−2,3−ジメチルブチル基、2,3,4,4−テトラメチルペンチル基、2−エチル−2,3,3−トリメチルブチル基などがある。
本発明においてはさらに、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレートとしては、数種類の異性体の混合物であって、工業的にも入手可能な化合物である、イソオクチルアクリレートと呼ばれる化合物またはイソノニルアクリレートと呼ばれる化合物を使用することがより好ましい。これらイソオクチルアクリレートやイソノニルアクリレートは、そのまま異性体の混合物として使用してもよく各異性体を分離および精製して使用してもよい。コスト面から分離および精製することなくそのまま使用することが好ましい。
すなわち、C1〜2アルキル(メタ)アクリレートモノマーが3〜50質量%、C4アルキル(メタ)アクリレートモノマーが20〜70質量%、およびC7〜9アルキル(メタ)アクリレートモノマーが10〜50質量%となる割合でこれらを用いることが好ましい。C1〜2アルキル(メタ)アクリレートモノマーの使用量を3〜50質量%にすることによって接着性が優れた(メタ)アクリレート共重合体が得られ、C4アルキル(メタ)アクリレートモノマーの使用量を20〜70質量%にすることによって得られる共重合体の粘度を取り扱いやすい粘度範囲にすることができ、さらに、C7〜C9アルキル(メタ)アクリレートモノマーの使用量を10〜50質量%にすることによって、得られる(メタ)アクリレート共重合体(B)とオキシアルキレン重合体(A)との相溶性を高めることができる。
ポリエーテル鎖含有モノマーとしては、例えば、ポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート(商品名:ブレンマーPPシリーズ、日本油脂株式会社製)およびポリオキシプロピレングリコールモノアクリレート(商品名:ブレンマーAPシリーズ、同社製)等を例示できる。ポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートの末端水酸基がさらにアルキルエーテル化されている(メタ)アクリレートモノマーを用いてもよく、この場合、得られる硬化性組成物が良好な貯蔵安定性を有することから好ましい。前記アルキルエーテルは特に炭素数1〜5のアルキルエーテルが好ましい。これらのポリエーテル鎖含有モノマーを使用する場合の使用量は、上述した3種の(メタ)アクリレートモノマーの合計量100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部が特に好ましい。 ポリエーテル鎖含有モノマーを使用する場合、C1〜2アルキル(メタ)アクリレートモノマーが3〜30質量%、C4アルキル(メタ)アクリレートモノマーが20〜70質量%、およびC7〜9アルキル(メタ)アクリレートモノマーが10〜50質量%となる割合であることが好ましい。
一方、ポリエーテル鎖含有モノマーを使用しない場合は、C1〜2アルキル(メタ)アクリレートモノマーの相対的割合を高めることによって、(メタ)アクリレート共重合体(B)とオキシアルキレン重合体(A)の混合物である硬化性組成物の貯蔵安定性を優れたものとできる。この場合C1〜2アルキル(メタ)アクリレートモノマーが20〜50質量%、C4アルキル(メタ)アクリレートモノマーが20〜70質量%、およびC7〜9アルキル(メタ)アクリレートモノマーが10〜50質量%となる割合であることが好ましい。
(ニ)重合性不飽和結合および反応性ケイ素基を有する化合物、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、および3−(メチルジメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレートなどから選ばれる化合物を共重合成分として用い、上述したモノマーとともに共重合する方法。
(ホ)重合性不飽和結合および反応性官能基を有する化合物を上述したモノマーとともに共重合した後、上記反応性官能基と結合が形成可能な官能基および反応性ケイ素基を有する化合物をさらに反応させる方法。
(ヘ)上述した重合性モノマーを共重合して(メタ)アクリレート共重合体の主鎖を合成する際に、連鎖移動剤として、反応性ケイ素基およびメルカプト基を有するシラン化合物を反応させる方法。
(ト)反応性ケイ素基を有するラジカル開始剤、たとえばアゾビスニトリル化合物またはジスルフィド化合物を開始剤として用い、上記重合性モノマーを共重合して(メタ)アクリレート共重合体を合成する方法。
(チ)リビングラジカル重合法によって上記重合性モノマーを共重合し、分子鎖末端に反応性ケイ素基を導入する方法。
(リ)例えば、上記(ニ)と(ヘ)を組み合わせるなど、上記(二)〜(チ)を2種以上組み合わせる方法。
CH2=CHSi(CH3)(OCH3)2、CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2、CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3、CH2=CHCOO(CH2)3Si(OC2H5)3、CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3およびCH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
本発明の硬化性組成物には、上記オキシアルキレン重合体(A)および(メタ)アクリレート共重合体(B)を任意の割合で含有させることができ、その割合は硬化性組成物の目的とする特性に応じて適宜調整することができる。一般には、オキシアルキレン重合体(A)100質量部に対し、(メタ)アクリレート共重合体(B)を5〜200質量部の範囲で用いることが好ましく、5〜50質量部の範囲で用いることがさらに好ましい。
本発明の硬化性組成物は、オキシアルキレン重合体(A)および(メタ)アクリレート共重合体(B)を含むほか、適宜所望する添加剤を含有させることができる。以下、これら添加剤について説明する。
本発明における硬化性組成物には反応性ケイ素基の加水分解および/または架橋反応を促進するための硬化触媒を用いてもよい。硬化触媒の具体例としては、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、(n−C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2、(n−C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOO(n−C4H9))2 、(n−C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2 、(n−C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOO(n−C4H9))2、および(n−C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOO(iso−C8H17))2等の有機スズカルボン酸塩;(n−C4H9)2Sn(SCH2COO)、(n−C8H17)2Sn(SCH2COO) 、(n−C8H17)2Sn(SCH2CH2COO)、(n−C8H17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)、(n−C4H9)2Sn(SCH2COO(iso−C8H17))2、(n−C8H17)2Sn(SCH2COO(iso−C8H17))2 、(n−C8H17)2Sn(SCH2COO(n−C8H17))2、および(n−C4H9)2SnS等の含硫黄有機スズ化合物;(n−C4H9)2SnO、および(n−C8H17)2SnO などの有機スズオキシド;前記有機スズオキシドと例えばエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、およびフタル酸ジオクチル等からなる群から選ばれるエステル化合物との反応生成物;(n−C4H9)2Sn(acac)2、(n−C8H17)2Sn(acac)2、(n−C4H9)2Sn(OC8H17)(acac)、(n−C4H9)2Sn(OC(CH3)CHCO2C2H5)2、(n−C8H17)2Sn(OC(CH3)CHCO2C2H5)2、および(n−C4H9)2Sn(OC8H17)(OC(CH3)CHCO2C2H5)などのキレートスズ化合物(ただし、前記acacはアセチルアセトナト配位子を表し、OC(CH3)CHCO2C2H5はエチルアセトアセテート配位子を表す。);前記キレートスズ化合物と、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトラプロポキシシラン等からなる群から選ばれるアルコキシシランとの反応生成物;ならびに、(n−C4H9)2(CH3COO) SnOSn(OCOCH3)(n−C4H9)2、および(n−C4H9)2(CH3O) SnOSn(OCH3)(n−C4H9)2等の−SnOSn−結合含有有機スズ化合物などのスズ化合物が挙げられる。また、2−エチルヘキサン酸スズ、n−オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、およびステアリン酸スズなどの2価スズカルボン酸塩類;オクチル酸、オレイン酸、ナフテン酸、およびステアリン酸等の有機カルボン酸の錫以外の金属塩類、例えば、カルボン酸カルシウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸鉄、カルボン酸バナジウム、ビスマストリス−2−エチルヘキソエートなどのカルボン酸ビスマス、カルボン酸鉛、カルボン酸チタニウム、およびカルボン酸ニッケル等;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラメチルチタネート、およびテトラ(2−エチルへキシルチタネート)等のチタンアルコキシド類;アルミニウムイソプロピレート、およびモノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムアルコキシド類;ジルコニウム−n−プロピレート、およびジルコニウム−n−ブチレート等のジルコニウムアルコキシド類;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクチレングリコレート、およびチタンラクテート等のチタンキレート類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビスエチルアセトアセテート、およびジルコニウムアセテート等のジルコニウム化合物類;リン酸、p−トルエンスルホン酸、およびフタル酸などの酸性化合物類;ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、およびラウリルアミンなどの脂肪族モノアミン類;エチレンジアミンおよびヘキサンジアミンなどの脂肪族ジアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、およびテトラエチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン類;ピペリジンおよびピペラジンなどの複素環式アミン類;メタフェニレンジアミンなどの芳香族アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類;ならびに、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミンなどのアミン化合物類が挙げられる。これらの化合物は1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、たとえば、上記2価スズカルボン酸塩、有機スズカルボン酸塩、および有機スズオキシドとエステル化合物との反応物等の上記金属含有化合物に、脂肪族モノアミンおよびその他の上記アミン化合物を併用することが優れた硬化性が得られることから好ましい。
本発明の硬化性組成物には所望により上述した硬化触媒のほかに以下に述べる添加剤をさらに適宜用いてもよい。
充填剤としては公知の充填剤が使用でき、特に限定されない。充填剤の使用量はオキシアルキレン重合体(A)および(メタ)アクリレート共重合体(B)の合計100質量部に対して0.01〜1000質量部、特に50〜250質量部が好ましい。充填剤の具体例としては、例えば、炭酸カルシウム類、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスバルーン、プラスチックバルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、およびフリント粉末などの粉体充填剤;石綿、ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、およびポリエチレンファイバーなどの繊維状充填剤が挙げられる。上記炭酸カルシウム類には、脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した炭酸カルシウム、前記炭酸カルシウムをさらに微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、および平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウムなどが含まれる。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。なお、上記充填剤のうち、プラスチックバルーン等の中空体は本発明の硬化性組成物の比重を小さくする軽量化剤としても有効である。
本発明の硬化性組成物には可塑剤を含有させてもさせなくてもよい。可塑剤は特に限定されないが、以下のものが例示できる。例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、およびフタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ビス(2−メチルノニル)、セバシン酸ジブチル、およびオレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類;ペンタエリスリトールエステルなどのアルコールエステル類;リン酸トリオクチル、およびリン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、およびエポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤類;塩素化パラフィン;2塩基酸と2価アルコールとを縮合させて得られるポリエステル類;ポリオキシプロピレングリコールおよびその誘導体などのポリエーテル類;ポリ−α−メチルスチレンおよびポリスチレンなどのスチレン系オリゴマー類;特開平2000−178456号公報等に開示されているリビングラジカル重合法を用いて製造した分子量分布(Mw/Mn)が1.8以下の反応性ケイ素基を有しない(メタ)アクリル酸エステル系重合体;「工業材料」1998年8月号110頁に記載された東亜合成株式会社製のSGOポリマー等のアクリル重合体;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水添ポリブテン、およびエポキシ化ポリブタジエンなどのオリゴマー類が挙げられる。これらは1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。本発明の硬化性組成物に可塑剤を含有させる場合は、オキシアルキレン重合体(A)および(メタ)アクリレート共重合体(B)の合計量100質量部に対して可塑剤の量が1000質量部以下であることが好ましい。
本発明の硬化組成物には、被着体への接着性を向上させる目的で接着性付与剤を用いてもよい。接着性付与剤としては例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、および3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(N−ビニルベンジル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、および3−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シラン類;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、および3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどのメルカプト基含有シラン類;3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、および3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有シラン類;ならびに、2−カルボキシエチルトリエトキシシラン、2−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、およびN−(N−カルボキシルメチル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのカルボキシル基含有シラン類、などのシランカップリング剤が挙げられる。また、これらのシランカップリング剤の2種以上を反応させて得られる反応物を接着性付与剤として用いることもできる。そのような反応物としては、例えば、アミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類と(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類との反応物、エポキシ基含有シラン類とメルカプト基含有シラン類の反応物、およびメルカプト基含有シラン類どうしの反応物などが挙げられる。これらの反応物は原料のシランカップリング剤を混合し、室温〜150℃の範囲の温度で1〜8時間撹拌することによって容易に得られる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。本発明の硬化性組成物に接着性付与剤としてシランカップリング剤を用いる場合の使用量は、オキシアルキレン重合体(A)および(メタ)アクリレート共重合体(B)の合計100質量部に対して30質量部以下が好ましい。30質量部を超えると硬化物が硬くなりすぎる場合がある。
本発明の硬化性組成物には、粘度の調整および組成物の保存安定性向上等を目的として、溶剤を添加することもできる。溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、エステルアルコール類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、およびエステルエーテル類が挙げられる。アルコール類は、本発明の硬化性組成物を長期に保存する場合に保存安定性を向上できる場合があり、好ましい。アルコール類としては、炭素数1〜10のアルキルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソペンチルアルコール、およびヘキシルアルコールなどが特に好ましい。本発明の硬化性組成物に溶剤を用いる場合、その添加量はオキシアルキレン重合体(A)および(メタ)アクリレート共重合体(B)の合計100質量部に対して、500質量部以下が好ましい。
本発明の硬化性組成物の貯蔵安定性をさらに改良するために脱水剤を用いてもよい。脱水剤としては、例えば、オルトギ酸メチルおよびオルトギ酸エチルなどのオルトギ酸アルキル;オルト酢酸メチルおよびオルト酢酸エチルなどのオルト酢酸アルキル;メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、およびテトラエトキシシランなどの加水分解性ケイ素化合物;加水分解性有機チタン化合物などが挙げられる。脱水剤としては、ビニルトリメトキシシランおよびテトラエトキシシランが低コストおよび優れた脱水効果の点から特に好ましい。脱水剤は1種のみ用いても、または2種以上を併用してもよい。 本発明の硬化性組成物への脱水剤の添加量は、組成物の硬化性や硬化物の柔軟性に悪影響を及ぼさない範囲であることが好ましい。脱水剤を本発明の硬化性組成物に添加する場合、その使用量はオキシアルキレン重合体(A)および(メタ)アクリレート共重合体(B)の合計100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物の垂れ性を小さくするためにチキソ性付与剤を用いてもよい。チキソ性付与剤としては、水添ひまし油、および脂肪酸アミドなどが挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、所望により老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、および光安定剤から適宜選択でき、また所望によりこれらを組み合わせて用いることができる。例えば、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエ−ト系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、および硫黄系の公知の老化防止剤を用いることができる。
本発明の硬化性組成物には顔料を添加してもよい。顔料は特に限定されないが、例えば、酸化鉄、酸化クロム、および酸化チタンなどの無機顔料、ならびにフタロシアニンブルー、およびフタロシアニングリーンなどの有機顔料がともに使用できる。
本発明の硬化性組成物には上記以外にも所望により適宜その他の添加剤を所望する量添加することができる。その他の添加剤としては、例えば、硬化物の耐候性を向上させるための光硬化性化合物、防かび剤、および発泡剤等が挙げられ、これらの添加剤についても所望によりそれぞれについて1種のみまたは2種以上を用いてもよい。
なお、以下の実施例および比較例における各種重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した値である。具体的には、GPCのカラムとしてMultiporeHxL(東ソー株式会社製)を2本直列につないだものを用い、移動相にテトラヒドロフランを使用し、温度は40℃で測定を行った。また、分子量既知のポリスチレン標準試料(Polymer Laboratories社製PS−2)を用いて作成した検量線を使用し、ポリスチレン換算分子量としてMw、MnおよびMw/Mnの値を求めた。
(製造例1:オキシアルキレン重合体(A1)の製造)
ジプロピレングリコールにプロピレンオキシド(PO)を開環重合させて得られたMn=3000のポリオキシプロピレンジオール(以下、ジオールAという)120gおよびグリセリンにPOを開環重合させて得られたMn=5000のポリオキシプロピレントリオール(以下、トリオールBという)200gの混合物を開始剤として用い、1.2gの亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒存在下、2480gのPOを反応容器内に少しずつ添加しながら120℃の条件下で重合反応を行い、POの全量を添加したのち反応容器内圧が下がらなくなるまで反応させた。続いて、120gのジオールAおよび200gのトリオールBを反応容器内に投入し、上記同様にして1680gのPOを少しずつ加えたのち反応容器内圧が下がらなくなるまで反応させた。さらに、120gのジオールAおよび200gのトリオールBを反応容器内に投入し、上記同様にして1280gのPOを少しずつ加えたのち反応容器内圧が下がらなくなるまで反応させた。さらに、80gのジオールAおよび130gのトリオールBを反応容器内に投入し、さらに上記同様にして590gのPOを少しずつ加え、反応容器内圧が下がらなくなるまで反応させた。
さらに60gのジオールAおよび100gのトリオールBを添加し、さらに上記同様にして240gのPOを少しずつ加えたのち反応容器内圧が下がらなくなるまで反応させた。
最後に75gのジオールAおよび125gのトリオールBを添加し、上記同様にして200gのPOを少しずつ加えたのち反応容器内圧が下がらなくなるまで反応させた。この操作により、Mnが17000、Mw/Mnが1.76、かつ粘度が19.5Pa・s(25℃)のポリオキシプロピレンポリオールを得た。
得られた重合体A1のMnは17000であり、Mw/Mnは1.79であった。
プロピレングリコールを開始剤として用い、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを開環重合させて、Mnが17000であり、Mw/Mnが1.3であるポリオキシプロピレンジオールを得た。このジオールに対し、水酸基の1.05当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、加熱減圧下でメタノールを留去してポリオキシプロピレンジオールの末端水酸基をナトリウムアルコキシドに変換した。次にこれに塩化アリルを反応させた後、未反応の塩化アリルを減圧下留去し、さらに副生した塩を精製して除去し、末端アリル基を有するポリオキシプロピレンを得た。さらにこれにメチルジメトキシシランを白金触媒の存在下で反応させて、末端にメチルジメトキシシリル基を有するオキシプロピレン重合体(以下、重合体A2という)を得た。得られた重合体A2のMnは20000であり、Mw/Mnは1.35であった。
(重合体B1〜B7の製造)
各モノマー、ラジカル開始剤、および溶媒を表1に記載した量で用いて、重合体B1〜B7を製造した。なお、表1中、各成分量を表す数値は質量部を表す。
攪拌機付きの耐圧反応器に表1に従って酢酸エチルもしくはヘキサンを所定量入れて、約67℃に昇温した。反応容器内温を約67℃に保ち、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート(商品名:AIN、日本触媒社製)、ポリオキシプロピレングリコールモノアクリレート、3−(メチルジメトキシシリル)プロピルメタクリレート、から選ばれるモノマーの所定量、および3―メルカプトプロピルメチルジメトキシシランならびに2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名:V65、和光純薬株式会社製)の所定量を混合した溶液を前記溶媒中に3時間かけて滴下した。滴下終了後さらに約67℃で20時間加熱攪拌した。その後、0.1gのV65を溶解した酢酸エチル溶液10gを30分かけてさらに滴下した後、さらに約67℃で3時間加熱攪拌し、表1の重合体B1〜B7を含む溶液を調製した。
(重合体B8〜B22の製造)
各モノマー、ラジカル開始剤、および溶媒を表1及び表2に記載した量で用いて、重合体B8〜B22を製造した。なお、表1及び表2中、各成分量を表す数値は質量部を表す。
攪拌機付きの耐圧反応器に表1及び表2に従って酢酸エチルもしくはヘキサンを所定量入れて、約67℃に昇温した。反応容器を80℃に加温し、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ポリオキシプロピレングリコールモノアクリレート、3−(メチルジメトキシシリル)プロピルメタクリレートから選ばれるモノマーの所定量、および3―メルカプトプロピルメチルジメトキシシランならびに2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名:V65、和光純薬株式会社製)の所定量を混合した溶液を前記溶媒中に2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに約80℃で5時間加熱攪拌し、表1及び表2の重合体B8〜B22を固形分約33質量パーセント含有する溶液を得た。得られた重合体B8〜B22の数平均分子量(Mn)および、分子量分布(Mw/Mn)を表1及び表2に示した。
(実施例1〜6および比較例1〜2)
表3に示す組み合わせにしたがって、上記の重合体B1〜B7のいずれかを含む溶液100gと77gの上記重合体A1またはA2とを混合し、得られた混合物から溶媒を減圧留去した後120℃で5時間真空脱揮して、(メタ)アクリレート共重合体とオキシアルキレン重合体との混合物を得た。得られた重合体混合物をガラス瓶に100g入れ、23℃で3ヶ月間貯蔵し、貯蔵安定性を評価した。貯蔵安定性の評価は、外観を目視で観察し、オキシアルキレン重合体と(メタ)アクリレート共重合体が分離してそれぞれの層に分かれていない状態を○、それぞれが分離し始めた状態を△、それぞれが明らかに分離した状態を×とした。得られた結果を表3に示した。本発明の重合体混合物は、3ヶ月経過後も貯蔵安定性が良好であることがわかる。
(実施例7〜21)
表3及び表4に示す組み合わせにしたがって、上記の重合体B8〜B22のいずれかを含む溶液の100gと上記重合体A1またはA2の67gとを混合し、得られた混合物から溶媒を減圧留去した後120℃で5時間真空脱揮して、(メタ)アクリレート共重合体とオキシアルキレン重合体との混合物を得た。得られた重合体混合物をガラス瓶に100g入れ、23℃で3ヶ月間貯蔵し、貯蔵安定性を評価した。貯蔵安定性の評価は、外観を目視で観察し、オキシアルキレン重合体と(メタ)アクリレート共重合体が分離してそれぞれの層に分かれていない状態を○、それぞれが分離し始めた状態を△、それぞれが明らかに分離した状態を×とした。得られた結果を表3及び表4に示した。本発明の重合体混合物は、3ヶ月経過後も貯蔵安定性が良好であることがわかる。
表5の実施例1、2、および比較例2で調製したオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリレート共重合体との混合物を用いた。この混合物に、表5に示した充填剤、チキソ性付与剤、可塑剤、接着性付与剤、脱水剤、老化防止剤、および着色剤を加え、スパチュラで全体を軽く攪拌したのち、遊星式攪拌装置(倉敷紡績株式会社製)を使用して混練して配合物を得た。これにさらに表5に示した軽量化剤および触媒を所定量添加してよく混ぜて硬化性組成物を得た。次に、縦5cm×横5cmのサイディングボード(商品名:ほんばん、旭硝子(株)製)の表面に前記硬化性組成物を0.2mmの厚さに塗った。これを温度23℃および湿度60%の条件下、1週間養生して耐侯性試験サンプルとした。耐侯性促進試験機であるサンシャインウェザオメーターを使用して前記サンプルの耐侯性を評価した。試験時間が500、1000、および1500時間経過時の各サンプルの表面状態を目視で観察し、耐候性試験サンプルの表面が退色(白化)し始めたものを△、表面の色が完全に退色したものを×、サンプル表面の色が試験開始前の状態と変わらないものを○、とした。得られた結果を表5に示した。実施例22〜実施例29のサンプルは、1500時間の耐候性試験後でも表面に明らかな変化が見られず、耐候性が良好であることがわかった。なお、表5中に示した各種原料の詳細な内容は表6に示したとおりである。
Claims (6)
- 主鎖が実質的にポリオキシアルキレン鎖からなり、分子末端の少なくとも一部に下記式(1):
−SiXa R1 3-a (1)
(式(1)中、R1 は独立して炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基を表し、Xは独立して水酸基または加水分解性基を表し、aは1、2または3を表す。)
で表される反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)、および、前記式(1)で表される反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリレート共重合体(B)を含有する硬化性樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート共重合体(B)の主鎖が、アルキル部分の炭素数が1〜2のアルキル(メタ)アクリレートのモノマー単位の少なくとも一種、アルキル部分の炭素数が4のアルキル(メタ)アクリレートのモノマー単位の少なくとも一種、およびアルキル部分の炭素数が7〜9のアルキル(メタ)アクリレートのモノマー単位の少なくとも一種を含むことを特徴とする硬化性組成物。 - 前記オキシアルキレン重合体(A)の数平均分子量(Mn)が6000以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.6未満であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
- 前記オキシアルキレン重合体(A)の数平均分子量(Mn)が6000以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.6以上であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
- 前記オキシアルキレン重合体(A)のポリオキシアルキレン鎖が、複合金属シアン化物錯体、セシウム化合物、およびP=N結合を有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を触媒として用い、開始剤の存在下に環状エーテルを重合させることにより形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記(メタ)アクリレート共重合体(B)の主鎖が、ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートのモノマー単位およびポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノ(メタ)アクリレートのモノマー単位からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマー単位をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- アルキル部分の炭素数が7〜9のアルキル(メタ)アクリレートのモノマー単位が、ノニルアクリレートのモノマー単位である請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
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