JP4341110B2 - 加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体、その製造方法および硬化性組成物 - Google Patents

加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体、その製造方法および硬化性組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿分存在下で硬化できる硬化性組成物、その原料となる加水分解性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、末端に加水分解性ケイ素基を有する各種の重合体を硬化させてシーラント、接着剤等に使用する方法はよく知られており、工業的に有用な方法である。このような重合体のうち、特に主鎖がポリオキシアルキレンである重合体は、室温で液状であり、かつ硬化物が比較的低温でも柔軟性を保持し、シーラント、接着剤等に利用する場合、好ましい特性を備えている。
また、これらの重合体をエポキシ樹脂やアクリル樹脂といった他の樹脂と組み合わせて使用することで、強度や接着性、耐候性を向上させる方法も広く知られており、工業的に有用な方法となっている。
このような加水分解性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体としては、比較的高分子量の重合体が、硬化性、伸び、強度等の特性に優れているため、そのような重合体を得る方法として、入手しやすい分子量のポリオキシアルキレンポリオールを原料とし、多価ハロゲン化合物を反応させることで、分子量を増大させ、その後、末端に不飽和基を導入してから、不飽和基に加水分解性基含有水素化ケイ素化合物を反応させる方法(特開昭53−134095号公報、特開昭50−156599号公報)が知られていた。
【0003】
また、入手しやすい分子量のポリオキシアルキレンポリオールを原料として、末端基を不飽和基に変換し、不飽和基に対して当量以上の多価水素化ケイ素化合物を反応させて、分子量を増大させて、その後、残存する水素化ケイ素基を加水分解性ケイ素基に変換する方法(特開昭55−13767号公報)も提案されている。
その他に、入手しやすい分子量のポリオキシアルキレンポリオールを原料として、末端基を不飽和基に変換し、当量以下の多価水素化ケイ素化合物を反応させて、分子量を増大させて末端不飽和基を有するポリオキシアルキレン系重合体を製造する方法、およびそのようにして得られる末端不飽和基に加水分解性基含有水素化ケイ素化合物を反応させて加水分解性ケイ素基を末端に有する重合体を製造する方法(特開昭55−13768号公報、特開昭59−131625号公報および特開昭58−42691号公報)も提案されている。
さらには、入手しやすい分子量のポリオキシアルキレンポリオールを原料として、末端基を不飽和基に変換し、不飽和基の当量以下の加水分解性基含有水素化ケイ素化合物を反応させてから、多価水素化ケイ素化合物を反応させて、分子量を増大させて加水分解性ケイ素基を末端に有する重合体を製造する方法(特開昭57−158226号公報)も提案されている。
入手しやすい分子量のポリオキシアルキレングリコールを水酸化ナトリウム存在下、ブロモクロロメタンで分子量を約8000程度に増大させてから、末端をアリル基含有重合体とし、さらに、多価水素化ケイ素化合物を反応させてさらに分子量を17100まで増大させる方法(特開昭55−13768号公報)も開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上公知の方法はいずれも、入手しやすい、具体的には分子量3600以下のポリオキシプロピレングリコールを原料とし、これの分子量増大によって高分子量化した重合体を得る方法である。したがって、高分子量化したあとに得られる加水分解性ケイ素基含有有機重合体は、分子量増大されていない原料に由来する加水分解性ケイ素基含有有機重合体を多く含み、その重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、Mw/Mnの値も1.7以上の値を示す。
他方、多価ヒドロキシ化合物などの活性水素基含有化合物を開始剤として、複合金属シアン化物錯体を触媒とし、環状エーテルを開環重合させて得られるポリオキシアルキレン重合体は高分子量であって、かつ分子量分布Mw/Mnが1.5以下であり、低分子量体が少ない。したがって、当該ポリオキシアルキレン重合体を原料として、末端加水分解性ケイ素基含有有機重合体を製造すると、硬化性に優れ、かつ、重合体の粘度や弾性率が同じであれば分子量増大によって得られる重合体よりも、硬化後の破断伸度や破断時強度に優れるという特徴を有していた。
しかし、一方、このような高分子量であり、かつMw/Mnが1.5以下であるような末端加水分解性ケイ素基含有有機重合体を硬化させて得られる硬化体は、破断強度および破断時強度が大きくなることから、シーラントや接着剤などのように被着体との接着において引っ張り時に界面により大きな応力がかかることとなるため、シーラント自身の破断以前に界面での剥離が起こる欠点もあった。本発明は、低分子量の重合体を含まないことから、硬化性を悪化させず、また、引っ張り時に被着体との界面の剥離も起しにくい末端加水分解性ケイ素基含有有機重合体およびその製造方法に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、水酸基を含有し、かつMw/Mnが1.7以下であってかつ数平均分子量が5000以上であるポリオキシアルキレン系重合体に、多価ハロゲン化合物およびハロゲン含有不飽和化合物を同時または順次に反応させて不飽和基を導入し、さらに不飽和基に付加反応する官能基と加水分解性ケイ素基を有する化合物を反応させて得られることを特徴とする加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体を提供する。
また、本発明は、上記加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体において、ポリオキシアルキレン系重合体が複合金属シアン化物錯体を触媒として開始剤存在下に環状エーテルを開環重合させて得られたポリエーテル系重合体から得られるものである加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体を提供する。
【0006】
また、本発明は、上記加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体において、加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の粘度が25℃において80ポイズ以上である加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体を提供する。
また、本発明は、上記いずれかの加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体、充填剤および硬化促進剤を含有することを特徴とする硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、水酸基を含有し、かつMw/Mnが1.7以下であってかつ数平均分子量が5000以上であるポリオキシアルキレン系重合体に、多価ハロゲン化合物およびハロゲン含有不飽和化合物を同時または順次に反応させて不飽和基を導入し、さらに不飽和基に付加反応する官能基と加水分解性ケイ素基を有する化合物を反応させることを特徴とする加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法を提供する。
また、本発明は、上記加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法において、ポリオキシアルキレン系重合体が複合金属シアン化物錯体を触媒として開始剤存在下に環状エーテルを開環重合させて得られたポリエーテル系重合体から得られるものである加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上記加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法において、加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の粘度が25℃において80ポイズ以上である加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で使用できる水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体(以下、重合体(H)という)は、Mw/Mnが1.7以下であり、特に1.5以下であることが好ましい。重合体(H)のMw/Mnが大きいとMw/Mnが小さい原料から得られた同じ粘度の架橋性重合体に対して硬化性が劣るという欠点が生じる。
重合体(H)は、Mnが5000以上である。特に8000〜30000であることが好ましい。Mnが5000未満の場合には、低分子量のポリオキシアルキレン系重合体に由来する加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体成分が、最終的に得られる全重合体中に残存するために硬化性を悪化させる。
また、重合体(H)の粘度の上限は、制限はなく、例えば重合体(H)の粘度が25℃において100ポイズ以上のものも、特に200ポイズ以上のものも使用できる。製造工程での取り扱い上の理由から好ましくは重合体(H)の粘度が25℃において300ポイズ以下であることが好ましく、200ポイズ以下であることがより好ましく、30ポイズ以上180ポイズ以下であることが特に好ましい。
重合体(H)としては、触媒の存在下開始剤に環状エーテルなどを反応させることにより得られるポリエーテル系重合体が挙げられる。
【0008】
環状エーテルの重合のための触媒としては、カリウム系化合物やセシウム系化合物等のアルカリ金属触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、金属ポルフィリン触媒などがあげられるが、特に水酸化セシウム、複合金属シアン化物錯体触媒が好ましい。
複合金属シアン化物錯体としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテートを主成分とする錯体が好ましく、なかでもエーテルおよび/またはアルコール錯体が好ましい。その組成は本質的に特公昭46−27250号公報に記載されているものが使用できる。この場合、エーテルとしてはエチレングリコールジメチルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等が好ましく、錯体の製造時の取り扱いの点からグライムが特に好ましい。アルコールとしてはt−ブタノールが好ましく、たとえば特許第2653236号公報に記載されている。
開始剤としては、2〜10個の活性水素を有する化合物が好ましく、2〜10個の水酸基を有するポリヒドロキシ化合物がより好ましく、2〜8個、特に2〜4個の水酸基を有するポリヒドロキシ化合物がさらに好ましい。開始剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、シュクロースおよびこれらのいずれかに環状エーテルを反応させて得られる、目的物(加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体)より低分子量のポリオールなどが挙げられる。また、開始剤としては、アリルアルコールのような、不飽和基含有モノヒドロキシ化合物も使用できる。開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。環状エーテルとしては、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、テトラメチレンオキシド等が挙げられ、プロピレンオキシドが好ましい。環状エーテルは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】
重合体(H)の1分子あたりの水酸基の数は2〜10個であることが好ましく、粘度、強度と伸び等の物性のバランスから2〜8個であることがより好ましく、特に2〜4個であることがさらに好ましい。
特に好ましい重合体(H)の具体例としては、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンテトラオールなどが挙げられ、また、ポリオキシプロピレンジオールモノアリルエーテルなどの不飽和末端ポリオキシプロピレンモノオールも挙げられる。
【0010】
本発明の加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体は、従来公知である、分子量が3000程度のポリオキシアルキレン系重合体を使用して分子量を増大させて製造されるMw/Mnが1.7をこえる加水分解性ケイ素基含有有機重合体と比較して、分子量を増大させたあとの粘度が同等である場合、硬化性がより優れたものとなる。また、Mw/Mnが1.5以下の高分子量ポリオキシアルキレン系重合体から本質的に分子量を増大させることなく、末端に加水分解性ケイ素基を導入した同等粘度の硬化性重合体よりも被着体との接着界面で剥離しにくくなるという特徴が得られる。
これらの違いの生じる原因は明確ではないが、つぎのような理由によると推定される。すなわち、本質的な開始原料として分子量が3000程度の有機重合体を使用した場合には、分子量を増大するために架橋しても、最終的に分子量の非常に小さなものが残存し、それが硬化性を低下させると考えられ、本発明の加水分解性ケイ素基末端有機重合体のほうが硬化性がはるかに優れる。また、本発明の加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体と、高分子量のポリオキシアルキレン系重合体から分子量を増大させることなく製造した硬化性重合体と比較すると、粘度が同等である場合には加水分解性ケイ素基含有有機重合体を硬化させた場合の架橋点間の分子長が本発明の重合体の方が結果として短くなることから、硬化物の伸びが大きくなったときに被着体との界面での剥離よりも硬化物自身の破断がおこりやすくなるためではないかと推定される。
【0011】
本発明においては、重合体(H)は、多価ハロゲン化合物およびハロゲン含有不飽和化合物と同時または順次に反応して不飽和基を導入され、不飽和基を有するポリオキシアルキレン系重合体(以下、重合体(U)という)に変換される。
重合体(H)の多価ハロゲン化合物との反応とハロゲン含有不飽和化合物との反応は、同時に行ってもよいし、順次行ってもよい。両反応を順次に行う場合は、どちらの反応を先に行ってもよい。すなわち、(1)重合体(H)に対し、多価ハロゲン化合物およびハロゲン含有不飽和化合物とを同時に反応させるか、あるいは、(2)重合体(H)に対し、先にハロゲン含有不飽和化合物を反応させたのちに多価ハロゲン化合物を反応させるか、または(3)重合体(H)に対し、先に多価ハロゲン化合物を反応させたのちにハロゲン含有不飽和化合物を反応させることができる。また、これらの方法を段階的に組み合わせて行うことも可能である。最も好ましいのは(3)の方法であり、以下、(3)の方法について代表して説明する。
重合体(H)と多価ハロゲン化合物との反応は、重合体(H)の水酸基をアルカリ金属アルコキシドに変換し、このアルカリ金属アルコキシドと多価ハロゲン化合物を反応させるか、重合体(H)とアルカリ金属水酸化物の共存下で多価ハロゲン化合物を反応させる方法などにより行うことができる。重合体(H)の水酸基をアルカリ金属アルコキシドに変換する方法としては、重合体(H)の水酸基に対して、反応させたい多価ハロゲン化合物のハロゲン原子のモル数以上の水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、金属ナトリウム、金属カリウム等のアルカリ金属の1種または2種以上を添加し、反応させて重合体(H)のアルカリ金属アルコキシドを調整する方法、重合体(H)にナトリムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、カリウムエチラート等のアルカリ金属アルコキシドを添加し、脱アルコール反応によって重合体(H)のアルカリ金属アルコキシドを調整する方法などが挙げられる。
これらの中で、アルカリ金属アルコキシドが溶液として使用できるうえ、水素などの可燃性気体を発生しないという点から好ましい。アルカリ金属アルコキシドの溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコールを用いることができる。
アルコキシド化の反応条件については特に限定はなく、通常の温度、圧力でよいが、アルコキシド化剤としてアルカリ金属アルコキシドを用いる場合は、副生するアルコールを系外に除去するために50℃以上、好ましくは100〜200℃の高温と、50mmHg以下、好ましくは10mmHg以下の減圧下において反応を行うのが好ましい。
【0012】
本発明に使用できる多価ハロゲン化合物は、分子内にハロゲン原子を2個以上含有するものであり、分子内のハロゲン原子の数(以下、ハロゲン官能基数という)は、好ましくは2〜6個、特に好ましくは2〜4個である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子が特に好ましい。多価ハロゲン化合物中に含まれるハロゲン原子は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。多価ハロゲン化合物は、多価ハロゲン化炭化水素が好ましく、多価ハロゲン化炭化水素の炭素数は、特に制限ないが、通常1〜9が好ましく、1〜2がより好ましく、特に1が好ましい。
多価ハロゲン化合物の具体例としては、塩化メチレン、ブロモクロロメタン、臭化メチレン、沃化メチレン、1、1−ジクロル−2、2−ジメチルプロパン、塩化ベンザル、ビス(クロロメチル)ベンゼン、トリス(クロロメチル)ベンゼン、ビス(クロロメチル)エーテル、ビス(クロロメチル)チオエーテル、ビス(クロロメチル)ホルマール、テトラクロルエチレン、トリクロルエチレン、1、1−ジクロルエチレン、1、2−ジクロルエチレン、1、2−ジブロモエチレンなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。これらの中で、塩化メチレン、ブロモクロロメタン、臭化メチレンなどのハロゲン化アルキレン化合物が好ましい。
【0013】
該多価ハロゲン化合物の使用量は、多価ハロゲン化合物と反応して得られるポリオキシアルキレン系重合体の分子量、または、多価ハロゲン化合物のハロゲン官能基数により種々の割合で用いることができるが、出発原料として用いる重合体(H)の水酸基(水酸基がアルコキシドになっている場合はアルコキシド基も水酸基として計算する)の数に対するハロゲン官能基数のモル比として、重合体(H)1モルに対して0.125〜1モル未満、好ましくは0.25〜1モル未満の範囲で用いられる。重合体(H)と多価ハロゲン化合物が反応することにより、多価ハロゲン化合物の脱ハロゲン残基を介して重合体(H)の二量体以上の多量体が形成される。これにより、重合体(H)の分子量が増大することになる。重合体(H)の水酸基数に対するハロゲン官能基数のモル比が小さいほど、多価ハロゲン化合物と反応する重合体(H)が少なくなり、多価ハロゲン化合物と反応しない重合体(H)の量が多くなる。
【0014】
ハロゲン含有不飽和化合物は、多価ハロゲン化合物と反応した重合体(H)と反応して、多価ハロゲン化合物と反応した重合体(H)に不飽和基を導入するものであればよい。ハロゲン含有不飽和化合物は、多価ハロゲン化合物と反応した重合体(H)の水酸基と反応する官能基を1以上有し、かつ不飽和基を1以上有するものである。
通常、または多価ハロゲン化合物と反応した重合体(H)の水酸基をアルコキシド基に変換した後に、ハロゲン含有不飽和化合物と反応させる。
ハロゲン含有不飽和化合物の具体例としては、例えば、式(1)が例示される。
CH=C(R)―R―X (1)
式(1)中、Rは炭素数1〜20の置換または非置換の1価の有機基である。
は2価の有機基、Xはハロゲン原子である。Rにおいて2価の有機基の炭素数は、特に制限ないが、通常1〜10が好ましく、特に1が好ましい。Xにおいてハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子、臭素原子が特に好ましい。このような化合物の例としては、アリルクロライド、アリルブロマイド、ビニル(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用して用いてもよい。
ハロゲン含有不飽和化合物の使用量は、多価ハロゲン化合物と反応した重合体(H)の反応させる水酸基(水酸基がアルコキシドになっている場合はアルコキシド基も水酸基として計算する)1モルに対して0.8〜1.9モル、好ましくは0.85〜1.7モル、最も好ましくは0.9〜1.5モルである。
【0015】
重合体(H)と多価ハロゲン化合物との反応とハロゲン含有不飽和化合物との反応は、同様の条件を用いることができる。通常、反応温度が20〜160℃、好ましくは、50〜150℃、最も好ましくは70〜150℃である。反応圧力は、特に制限されるものではないが、通常大気圧下もしくは9kg/cm(882kPa)以下の加圧下で反応を行う。ポリオキシアルキレン系重合体の着色を防止する目的で、窒素、ヘリウム等の不活性ガスの存在下に反応を行うことが好ましい。
以上の方法によって分子量増大または不飽和基の導入あるいは両方を行った後に、副生する無機塩などは、公知の方法によって除去精製することが好ましい。
【0016】
本発明においては、次に、重合体(U)と不飽和基に付加反応する官能基(以下、付加反応基という)および加水分解性ケイ素基を有する化合物(以下、ケイ素基導入剤という)を反応させて加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体を製造する。
ケイ素基導入剤における付加反応基の数は、特に制限ないが、2以下が好ましく、特に1が好ましい。また、ケイ素基導入剤における加水分解性ケイ素基の数は、特に制限ないが、2または3が好ましい。
ケイ素基導入剤の具体例としては、式(2)あるいは式(3)で表される特定の構造を有したケイ素化合物などが挙げられる。
H−SiX 3−a (2)
HS−R−SiX 3−a (3)
式(2)および(3)中のRは炭素数1〜20の置換または非置換の1価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数8以下のアルキル基、フェニル基やフルオロアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等である。
式(2)および(3)中のXは水酸基または加水分解性基である。Xが2個以上存在するときは、Xは互いに異なってもよい。Xの具体例を挙げると、たとえば水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミド基、アミノ基、アミノオキシ基、ケトキシメート基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等がある。これらのうち炭素原子を有する加水分解性基の炭素数は6以下、特には4以下が好ましい。好ましいXは炭素数4以下の低級アルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが例示できる。式(2)および(3)中のaは1、2または3であり、2または3が好ましい。
【0017】
式(2)の水素化ケイ素化合物としては、メチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジアセトキシシラン、ジメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン、トリクロロシランなどが挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。またこれらの化合物は単独もしくは2種以上併用しても構わない。
重合体(U)の不飽和に式(2)のケイ素導入剤とを反応させる場合には、白金系触媒、ロジウム系触媒、コバルト系触媒、パラジウム系触媒、ニッケル系触媒などの触媒を使用できる。塩化白金酸、白金金属、塩化白金、白金オレフィン錯体などの白金系触媒が好ましい。触媒の添加量は、特に制限ないが、重合体(U)に対し通常10〜100ppmであればよく、好ましくは30〜60ppmである。
また、水素化ケイ素化合物を反応させる反応は、30℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃の温度で数時間行うことが好ましい。
【0018】
式(3)の化合物メルカプト基含有ケイ素化合物としては3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有シリコン化合物が例示できる。
これらのうちクロロシラン化合物については、重合体(U)と反応後、クロル基をオルトギ酸メチルとメタノールなどと反応させることで、アルコキシ基などの他の加水分解性ケイ素基に変換することが可能である。
式(3)中、Rは炭素数1〜20の2価の有機基、R、X、aは前記に同じである。
重合体(U)の不飽和に式(3)のメルカプト基含有ケイ素導入剤とを反応させる場合には、反応の際に、ラジカル発生剤などの重合開始剤を用いてもよく、場合によっては重合開始剤を用いることなく放射線や熱によって反応させてもよい。重合開始剤としては、たとえばパーオキシド系、アゾ系、またはレドックス系の重合開始剤や金属化合物触媒などが挙げられる。重合開始剤としては具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートなどが挙げられる。重合開始剤の添加量は、特に制限ないが、重合体(U)100重量部に対し通常0.01〜2重量部であればよく、好ましくは0.1〜0.8重量部である。また、上記反応は20℃〜200℃、好ましくは50℃〜150℃で数時間〜数十時間行うことが好ましい。
【0019】
重合体(U)と反応させるケイ素基導入剤との割合は任意に変化させることが可能である。ケイ素基導入剤中の付加反応基の総数は、重合体(U)の不飽和基の総数以下であることが好ましい。ケイ素基導入剤により導入されたケイ素基数が少ないと、得られた加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体を硬化させて得られる硬化物は柔軟なものとなっていく。ケイ素基導入剤の使用割合は、硬化物の物性との兼ね合いで目的とする物性に合わせて任意に選ぶことができる。
【0020】
主鎖がポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリオレフィンなどなどのいずれかまたはその組合せから成り分子内に平均1以上の不飽和基を含有する有機重合体の1種または2種以上を重合体(U)と併用することも可能である。併用する方法としては、このような不飽和基を含有する有機重合体と重合体(U)とをあらかじめ混合しておいて、それをケイ素基導入剤と反応させればよい。
主鎖にポリエステルまたはポリカーボネートを含み分子内に不飽和基を含有する有機重合体を使用した場合は、基材との接着性が改善され、また主鎖にポリアクリレートを含む重合体を使用した場合は、基材との接着性および耐候性が改善され、主鎖にポリオレフィンを含み分子内に不飽和基を含有する有機重合体を使用した場合は耐水性が改善される。またこれらを複数組み合わせて使用することも可能である。このような分子内に不飽和基を有するポリエステル化合物の具体例としては、特開平3−163159号公報、特開平3−139558号公報、特開平3−139554号公報に例示されるような末端アリル基含有ポリエステル化合物などが挙げられる。
また、加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の粘度の上限は、制限はなく、例えば粘度が25℃において200ポイズ以上のものも、特に100ポイズ以上のものも製造できる。製造工程での取り扱い上の理由から好ましくは、粘度が25℃において300ポイズ以下であることが好ましく、200ポイズ以下であることがさらに好ましく、180ポイズ以下であることが特に好ましい。
【0021】
本発明の硬化性組成物は、上記加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体、充填剤および硬化促進剤を含有するものであり、さらに必要に応じて添加剤を任意に含有することができる。以下に硬化性組成物に使用できる充填剤、硬化促進剤、添加剤について説明する。
【0022】
(充填剤)
充填剤としては公知の充填剤が使用できる。充填剤の具体例としては、表面を脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した炭酸カルシウム、該炭酸カルシウムをさらに微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、フュームシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、シラスバルーン、ガラスバルーン、ポリスチレンやポリアクリレートの有機樹脂バルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤、石綿、ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤等が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
これらの中で最も一般的なものとしては炭酸カルシウムが挙げられる。この場合膠質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムを併用することが特に好ましい。膠質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムを併用する場合の両者の重量比は、特に制限ないが、通常10:1〜1:10であり、好ましくは3:1〜1:3である。
充填剤の使用量は加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して0〜1000重量部、特に50〜250重量部が好ましい。
【0023】
(硬化促進剤)
本発明の加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体のケイ素基は湿分の存在下に加水分解してシラノール基となり、他のシラノール基あるいは加水分解性ケイ素基との間で縮合反応をおこし、シロキサン結合によって架橋することによって硬化する。この反応は、反応を促進する化合物が存在しなくとも進行するが、反応性ケイ素基がアルコキシシリル基の場合、実用上充分な硬化速度を発現させるためには通常硬化促進剤を使用する。
具体的には、次に挙げるスズ化合物が挙げられる。
2−エチルヘキサン酸スズ、ナフテン酸スズ、ステアリン酸スズなどの2価スズの各種化合物。
【0024】
ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズモノアセテート、ジブチルスズマレート等のジアルキルスズジカルボキシレートやジアルコキシスズモノカルボキシレートのような有機スズカルボン酸塩、ジアルキルスズビスアセチルアセトナート、ジアルキルスズモノアセチルアセトナートモノアルコキシドなどのスズキレート化合物、ジアルキルスズオキシドとエステル化合物の反応物、ジアルキルスズオキシドとアルコキシシラン化合物の反応物、ジアルキルスズジアルキルスルフィドなどの4価スズの各種化合物。
なお、スズキレート化合物としては、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビスエチルアセトアセテート、ジブチルスズビスモノアセチルアセトナートモノアルコキシドなどが挙げられる。
また、ジアルキルスズオキシドとエステル化合物の反応物としては、ジブチルスズオキシドとフタル酸ジオクチルやフタル酸ジイソノニルなどのフタル酸エステルとを加熱混合して反応させ液状にしたスズ化合物が挙げられる。この場合エステル化合物としては脂肪族、芳香族カルボン酸のエステル以外にもテトラエチルシリケートやその部分加水分解縮合物などもエステル化合物として使用できる。
また、これらのスズ化合物を低分子アルコキシシランなどと反応あるいは混合した化合物も好ましく使用できる。
【0025】
また、スズ化合物以外に使用できる硬化促進剤としては次のものが挙げられる。
アルキルチタン酸塩、有機ケイ素チタン酸塩、有機カルボン酸ビスマス塩、等の他の金属塩。
リン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)等の酸性化合物。
ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、N,N−ジメチル−オクチルアミンなどの脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン化合物、芳香族アミン化合物、アルカノールアミン、3−(2−アミノエチル)アミノ−プロピルトリメトキシシランや3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシランカップリング剤等のアミン化合物。
ビスマス化合物やスズ化合物はアミン化合物、特に一級アミン化合物と併用すると、硬化促進効果が向上するので併用が好ましい。
また、上記の酸性化合物とアミン化合物などの塩基性化合物を組み合わせることによって、とくに高温でより高い硬化促進効果を示す。
硬化促進剤は1種または2種以上を組み合わせて使用できる。硬化促進剤の使用量は、加水分解性ケイ素基末端有機重合体100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0026】
添加剤としては、可塑剤、接着性付与剤、溶剤、脱水剤、チキソ性付与剤、老化防止剤、硬化促進剤等が挙げられる。
(可塑剤)
可塑剤としては、公知の可塑剤が使用できる。可塑剤の具体例としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソノニル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン;2塩基酸と2価アルコールとを反応させてなるポリエステル類等のポリエステル系可塑剤;ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオールやその誘導体、例えばポリオキシプロピレングリコールの水酸基をアルキルエーテルで封止したようなポリエーテル類、ポリオキシプロピレントリオールの水酸基をアリル化合物で封止したようなポリエーテル類;ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエン等のオリゴマー類等の高分子可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
可塑剤の使用量は加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して0〜100重量部が好ましい。
【0027】
フタル酸エステル等の比較的低分子の可塑剤は可塑化効果が大きく、配合物の低粘度化に効果があるが、反面、接着剤として使用する場合は接着性低下が問題となる場合があり、また、硬化物の表面に塗料を塗装する場合には可塑剤が塗膜を通過することによる表面汚染の増大やアルキッド塗料で特に顕著に現れる塗装面を可塑剤が柔軟化して塗膜が硬化しない等の問題が発生することが知られており、用途によっては、低分子の可塑剤の使用が適さない場合もある。そのような場合は、可塑剤を全く使用しないかまたは高分子可塑剤として知られる移行性が少ない可塑剤を使用することが行われる。
【0028】
(接着性付与剤)
さらに接着性を改良する目的で接着性付与剤が用いられる。これらの接着性付与剤としては(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有シラン類、カルボキシル基含有シラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類としては、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
アミノ基含有シラン類としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−〔(N−ビニルベンジル)−2−アミノエチル〕−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0029】
メルカプト基含有シラン類としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
エポキシ基含有シラン類としては、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
カルボキシル基含有シラン類としては、2−カルボキシエチルトリエトキシシラン、2−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(N−カルボキシルメチル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、2種以上のシランカップリング剤を反応させて得られる反応物を用いてもよい。反応物の例としてはアミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応物、アミノ基含有シラン類と(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類との反応物、エポキシ基含有シラン類とメルカプト基含有シラン類の反応物、メルカプト基含有シラン類どうしの反応物等が挙げられる。これらの反応物は該シランカップリング剤を混合し室温〜150℃の温度範囲で撹拌することによって容易に得られる。その反応時間は特に制限ないが、通常1〜8時間であればよい。
上記の化合物は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
シランカップリング剤の使用量は加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して0〜30重量部が好ましい。
【0030】
接着性付与剤として、エポキシ樹脂を添加してもよい。また、必要に応じてさらにエポキシ樹脂硬化剤を併用してもよい。本発明の硬化性組成物に添加しうるエポキシ樹脂としては、一般のエポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂の例としては、たとえば、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA−グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等の難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA/プロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、4−グリシジルオキシ安息香酸グリシジル、フタル酸ジグリシジル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル等のジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化物等の一般に使用されているエポキシ樹脂やエポキシ基を含有するビニル系重合体等が挙げられる。
エポキシ樹脂の使用量は加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して0〜100重量部が好ましい。
【0031】
また、本発明の硬化性組成物に上記エポキシ樹脂の硬化剤(または硬化触媒)を併用してもよい。このような硬化剤としては一般に用いられるエポキシ樹脂用硬化剤が挙げられる。エポキシ樹脂用硬化剤の具体例としては、たとえば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類またはそれらの塩類、またはケチミン化合物等のブロックドアミン類、ポリアミド樹脂、イミダゾール類、ジシアンジアミド類、三フッ化ホウ素錯化合物類、無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ピロメリット酸無水物等のカルボン酸無水物、フェノキシ樹脂、カルボン酸類、アルコール類等、エポキシ基と反応しうる基を平均して分子内に少なくとも1つ有するポリオキシアルキレン系重合体(末端アミノ化ポリオキシプロピレングリコール、末端カルボキシル化ポリオキシプロピレングリコール等) 、末端が水酸基、カルボキシル基、アミノ基等で修飾されたポリブタジエン、水添ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル系重合体等の液状末端官能基含有重合体、ケチミン化合物等が挙げられる。エポキシ樹脂用硬化剤の使用量はエポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜300重量部が好ましい。
【0032】
(溶剤)
また、本発明の硬化性組成物に、粘度の調整、組成物の保存安定性向上を目的として、溶剤を添加することもできる。
かかる溶剤としては脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、エステルアルコール類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類を使用できる。アルコール類が好ましい。アルコール類を用いた場合、本発明の硬化性組成物を長期に保存する場合、保存安定性が向上するので好ましい。アルコール類としては、炭素数1〜10のアルキルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール等が特に好ましい。
溶剤の使用量は加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して0〜500重量部が好ましい。
【0033】
(脱水剤)
また、本発明の硬化性組成物の貯蔵安定性をさらに改良するために、硬化性や柔軟性に悪影響を及ぼさない範囲で少量の脱水剤を添加できる。
脱水剤の具体例としては、たとえば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルトギ酸アルキル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等のオルト酢酸アルキル、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解性有機ケイ素化合物、加水分解性有機チタン化合物等を使用しうる。ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランがコスト、効果の点から特に好ましい。このような脱水剤は特に一液配合として知られる、硬化触媒を配合物に添加して防湿容器に充填したかたちの製品で特に有効である。
(チキソ性付与剤)
また、垂れ性の改善のためチキソ性付与剤を使用してもよい。このようなチキソ性付与剤としては、有機酸処理炭酸カルシウム、水添ひまし油、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、微粉末シリカ、脂肪酸アミド等が用いられる。チキソ性付与剤の使用量は加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部で使用されることが一般的であり、好ましくは2〜6重量部である。
【0034】
(老化防止剤)
また、老化防止剤としては、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤が適宜用いられる。ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系の各化合物を適宜使用できる。特に、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤から2またはすべてを組み合わせて使用することにより、それぞれの特徴を生かして全体として効果を向上させる場合があることから、好ましい方法である。具体的には、3級または2級のヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系およびまたはホスファイト系酸化防止剤をくみあわせることが特に効果的である。酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤の使用量は加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対してそれぞれ0.1〜10重量部の範囲であることがこのましい。0.1重量部未満では耐候性の改善の効果が少なく、5重量部を越えると、効果に大差がなく経済的に不利である。
【0035】
(その他)
また、塗料の密着性や表面タックを長期にわたり改善する目的で、空気酸化硬化性化合物や光硬化性化合物を添加することできる。
このような空気酸化硬化性化合物としては桐油、アマニ油等に代表される乾性油や、該化合物を変性して得られる各種アルキッド樹脂、乾性油により変性されたアクリル系重合体、シリコーン樹脂、ポリブタジエン、炭素数5〜8のジエンの重合体や共重合体等のジエン系重合体、さらには該重合体や共重合体の各種変性物(マレイン化変性、ボイル油変性等)等が挙げられる。光硬化性化合物としては、トリメチロールプロパン等の多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等のヒドロキシ化合物とアクリル酸やメタクリル酸を反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を含有する化合物が使用されている。典型的にはトリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。空気酸化硬化性化合物と光硬化性化合物を併用することもできる。
空気酸化硬化性化合物の使用量は、加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して0〜50重量部が好ましく、光硬化性化合物の使用量は加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して0〜50重量部が好ましい。
また、物性調整のためと表面のべたつき低減のために、加水分解によってトリメチルシラノールを発生する化合物を添加することもできる。この化合物はその添加によって、2価スズカルボン酸と有機一級アミン化合物を硬化促進剤とした場合の硬化物のモジュラスを低減し、かつ表面のべたつきを低減する効果がある。トリメチルシラノールを発生する化合物としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコールなどのトリメチルシリルエーテルが一般に使用でき、アルコールの酸性が強いほど硬化を遅くする効果がある。アルコールの種類を任意に変えることで、硬化性の調整も可能であり、その目的に複数のアルコールのトリメチルシリルエーテルを同時に使用することもできる。
加水分解によってトリメチルシラノールを発生する化合物の使用量は、加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して0〜50重量部が好ましい。
【0036】
その他、顔料には酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料およびフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料が使用できる。顔料の使用は着色のみならず耐候性の向上という目的でも効果的である。
また、特にシーリング材としての意匠性を持たせる目的で、組成物に対して、その組成物の色と異なる色の微小体を添加することで、花崗岩や御影石のような表面外観をもった硬化物となるようにすることもできる。
また、公知の難燃剤や防かび剤等の添加を行うことも任意である。
また、塗料用途に使用されている艶消し剤を添加することも可能である。
本発明の硬化性組成物は、加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体、充填剤および硬化促進剤を配合し、さらに必要に応じて添加剤を任意に配合することにより得ることができる。
本発明の硬化性組成物は、湿気により硬化させることができる。硬化温度は、種々の温度にすることができ、室温程度の低温から高温までの広い範囲にすることができる。通常、0〜35℃の範囲で硬化させることが好ましく、特に20〜25℃の範囲で硬化させることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、シーラント、防水材、接着剤、コーティング剤等に使用でき、特に硬化物自体の充分な凝集力と被着体への動的追従性が要求される用途に好適である。
【0037】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお本実施例中の分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して測定したポリスチレン換算分子量をもとにした値である。また原料となる水酸基含有ポリオキシアルキレン系重合体の分子量は各重合体を製造する際に使用した開始剤の官能基数と重合体の水酸基当たりの分子量の積で計算した水酸基価換算分子量である。
【0038】
(実施例1)
Mnが1000のプロピレングリコール−プロピレンオキシド付加物を開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが8000で、Mw/Mnが1.3で、25℃での粘度が20ポイズのポリオキシプロピレンジオール(A)を得た。このポリプロピレンジオールの水酸基1モルに対して1.0モルのナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、加熱減圧下でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコキシドとし、添加したナトリウムメトキシド1モルに対して0.25モルのブロモクロルメタンを添加して反応させた。続いて、0.55モルの塩化アリルを添加して反応させた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、アリル基末端のポリオキシプロピレン重合体を得た。
この重合体500gを窒素置換された反応容器に仕込み、1,1,3,3−テトラメチルジビニルシロキサン白金錯体(以下VTS錯体と表す)を白金が2ppmになるように添加して、さらに30分攪拌した。次に、ジメトキシメチルシラン5.3gを加えて70℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すると25℃における粘度が200ポイズの淡黄色透明な重合体(P−1)500gを得た。
【0039】
(実施例2)
Mnが1000のグリセリン−プロピレンオキシド付加物を開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが10000で、Mw/Mnが1.3で、25℃での粘度が30ポイズのポリオキシプロピレントリオール(B)を得た。このポリプロピレントリオールの水酸基1モルに対して1.0モルのナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、120℃加熱減圧下でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコキシドとし、添加したナトリウムメトキシド1モルに対して0.15モルのブロモクロロメタンを添加して反応させた。続いて、0.74モルの塩化アリルを添加して反応させた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、アリル基末端のポリオキシプロピレン重合体を得た。
この重合体500gを窒素置換された反応容器に仕込み、以下VTS錯体を白金が2ppmになるように添加して、さらに30分攪拌した。次に、ジメトキシメチルシラン8.4gを加えて70℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すると25℃における粘度が170ポイズの淡黄色透明な重合体(p−2)500gを得た。
【0040】
(実施例3)
実施例1で得られたMnが8000でMw/Mnが1.3、25℃での粘度が20ポイズのポリオキシプロピレンジオール(A)500gと実施例2で得られたMnが10000で、Mw/Mnが1.3で、25℃での粘度が30ポイズのポリオキシプロピレントリオール(B)を500gとを、窒素置換された反応容器に仕込んだ。このポリプロピレン重合体の水酸基1モルに対して1.0モルのナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、120℃加熱減圧下でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコキシドとし、添加したナトリウムメトキシド1モルに対して0.2モルの塩化メチレンと0.4モルの塩化アリルを同時に添加して6時間反応させた。続いて、0.25モルの塩化アリルを添加して反応させた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、アリル基末端のポリオキシプロピレン重合体を得た。
この重合体500gを窒素置換された反応容器に仕込み、VTS錯体を白金が2ppmになるように添加して、さらに30分攪拌した。次に、ジメトキシメチルシラン7.3gを加えて70℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すると25℃における粘度が140ポイズの淡黄色透明な重合体(P−3)500gを得た。
【0041】
(実施例4)
Mnが1000のグリセリン−プロピレンオキシド付加物を開始剤として亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが20000で、Mw/Mnが1.4で、25℃での粘度が150ポイズのポリプロピレントリオールを得た。このポリプロピレントリオールの水酸基1モルに対して1、05モルのナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、120℃加熱減圧下でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコキシドとし、添加したナトリウムメトキシド1モルに対して1.05モルの塩化アリルを添加して反応させた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、25℃における粘度が150ポイズのアリル基末端のポリオキシプロピレン重合体を得た。
この重合体500gを窒素置換された反応容器に仕込み、 VTS錯体を白金が2ppmになるように添加して、さらに30分攪拌した。次に、ジメトキシメチルシラン7.7gを加えて70℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すると25℃における粘度が160ポイズの淡黄色透明な重合体(P−4)500gを得た。
【0042】
(実施例5)
ジプロピレングリコールを開始剤として水酸化カリウムを触媒として使用し、プロピレンオキシドを反応させて、Mnが3200で、Mw/Mnが1.3で、25℃での粘度が5.9ポイズのポリプロピレンジオールを得た。このポリプロピレンジオールの水酸基1モルに対して1.0モルのナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、120℃加熱減圧下でメタノールを留去して水酸基をナトリウムアルコキシドとし、原料ポリプロピレンジオールの水酸基モル数の61%が反応する量のクロロブロモメタンを添加して反応させた。さらに続いて0.41モルの塩化アリルを添加して反応させた。未反応の塩化アリルを除去後、副生した無機塩を除去精製して、25℃における粘度が160ポイズでMn8200でMw/Mnが1.9のアリル基末端のポリオキシプロピレン重合体を得た。耐圧反応器に重合体を500g仕込み窒素置換した。これを70℃に加温撹拌し、VTS錯体を白金が2ppmの濃度になるように添加して、さらに30分撹拌した。次ぎに、ジメトキシメチルシラン8.3gを加えて70℃で5時間反応させた。反応終了後、減圧にして揮発性物質を除去すると25℃における粘度が200ポイズの淡黄色透明な重合体(P−5)430gを得た。
実施例1、2、3、4および5で得られた重合体の数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)をGPCにより分析した。
その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004341110
【0044】
(実施例6〜17)
表2および表4に示す重合体、充填材、添加剤などを室温(25℃)で加えて硬化性組成物を作製し、被着体としてのアルミニウム板を用いて、JIS A1439の建築用シーリング材の試験方法に準拠して引張り試験を行い、物性および接着強度を測定した。表2に示した硬化性組成物については被着体に市販のシラン系プライマーを塗布、乾燥してからサンプルを作製した。表4に示した硬化性組成物についてはプライマーの塗布は行っていない。
また、深部の硬化性を調べる目的で、直径3cm深さ4cmのカップに硬化性組成物を入れ、25℃65%湿度条件下で硬化させ、6時間経過後に表面の硬化している部分をははがしとり、硬化部分の厚みを測定した。
(比較例1〜4)
表3および表4に示す重合体、充填材、添加剤などを加えてコンパウンドを作製し、実施例6と同様にしてサンプルを作成し、また、硬化部分の厚みを測定した。
【0045】
【表2】
Figure 0004341110
【0046】
表中のP−1〜P−5、充填剤、添加剤の数字は、重量部である。以下の表3においても同様である。
表中の添数字は、以下のものを示す。
*1:ネオライトSP‐T(竹原化学工業(株)製)
*2:ホワイトンSB(白石カルシウム工業(株)製)
*3:ポリオキシプロピレントリオール(Mn10000,Mw/Mn1.3)
*4:ポリオキシプロピレントリオール(Mn10000,Mw/Mn1.3)の末端トリアリルエーテル
*5:3−(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
*6:3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン
*7:ジブチルスズオキサイド/ジオクチルフタレート反応物(三共有機合成(株)製)
*8:ジブチルスズビスアセチルアセトナート(日東化成工業(株)製)
*9:引張り試験後、凝集破壊した部分の面積の割合
*10:表面からの硬化部分を剥がして厚みを測定した。
また、表中の添加剤の名称は以下のものを示す。
アロニクスM309:アクリル系特殊モノマー・オリゴマー、東亜合成株式会社製
アロニクスM8060:アクリル系特殊モノマー・オリゴマー、東亜合成株式会社製
チヌビン327:紫外線吸収剤、日本チバガイギー株式会社製
イルガノックス1010:酸化防止剤、日本チバガイギー株式会社製
アデカスタブLA62:安定剤、旭電化工業株式会社製
アデカスタブLA67:安定剤、旭電化工業株式会社製
【0047】
【表3】
Figure 0004341110
【0048】
【表4】
Figure 0004341110
【0049】
表中の添字は、以下のものを示す。
*1:ネオライトSP−T(竹原化学工業(株)製)
*2:ホワイトンSB(白石カルシウム工業(株)製)
*3:ポリプロピレンジオール(Mn8000、Mw/Mn=1.3)
*4:3,4-エポキシシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシルエステル
*5:2-エチルヘキシルオキシトリメチルシラン
*6:ビスフェノールジグリシジルエーテル(エピコート828 昭和シェル石油(株)製)
*7:硬化物の1日後および7日後のゴム硬度の値の比。なおゴム硬度はフォームなどの柔軟なものが測定可能な市販の装置を使用した。
【0050】
【発明の効果】
本発明の加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体は、高分子量で分子量分布の狭いポリオキシアルキレン系重合体などの重合体から製造された、高分子量で分子量分布の狭い加水分解性ケイ素基を含有するポリオキシアルキレン系重合体と比較して、硬化性の大きな低下をもたらすことなく、かつ、被着体との接着面での剥離をおこしにくい硬化物を与えることができる。

Claims (7)

  1. 水酸基を含有し、かつ重量平均分子量/ 数平均分子量の比が1.7以下であってかつ数平均分子量が5000以上であるポリオキシアルキレン系重合体に、多価ハロゲン化合物およびハロゲン含有不飽和化合物を同時または順次に反応させて不飽和基を導入し、さらに不飽和基に付加反応する官能基と加水分解性ケイ素基を有する化合物を反応させて得られることを特徴とする加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体。
  2. ポリオキシアルキレン系重合体が複合金属シアン化物錯体を触媒として開始剤存在下に環状エーテルを開環重合させて得られたポリエーテル系重合体から得られるものである請求項1記載の加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体。
  3. 加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の粘度が25℃において80ポイズ以上である請求項1または2記載の加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体、充填剤および硬化促進剤を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  5. 水酸基を含有し、かつ重量平均分子量/ 数平均分子量の比が1.7以下であってかつ数平均分子量が5000以上であるポリオキシアルキレン系重合体に、多価ハロゲン化合物およびハロゲン含有不飽和化合物を同時または順次に反応させて不飽和基を導入し、さらに不飽和基に付加反応する官能基と加水分解性ケイ素基を有する化合物を反応させることを特徴とする加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  6. ポリオキシアルキレン系重合体が複合金属シアン化物錯体を触媒として開始剤存在下に環状エーテルを開環重合させて得られたポリエーテル系重合体から得られるものである請求項5記載の加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
  7. 加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の粘度が25℃において80ポイズ以上である請求項5または6記載の加水分解性ケイ素基末端ポリオキシアルキレン系重合体の製造方法。
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