JP5070766B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
<1>:ポリオキシアルキレン鎖を有し、かつ分子末端にアルケニル基を有する重合体(V)にトリアルコキシシリル基が導入された重合体(P)を含む硬化性組成物であって、重合体(V)のアルケニル基数が1分子あたり平均して1.6〜2.5であり、重合体(V)のアルケニル基の63〜88%にトリアルコキシシリル基が導入され、かつ重合体(P)の数平均分子量が10000〜23000であることを特徴とする硬化性組成物。
<2>:重合体(V)が、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドが開環重合して形成された重合体(H)にアリル基が導入された重合体(V)である<1>に記載の硬化性組成物。
<4>:重合体(V)が、活性水素原子を2個有する化合物にアルキレンオキシドが開環重合して形成された重合体(H−2)にアリル基が導入された重合体(V−2)を含む<1>または<2>に記載の硬化性組成物。
<5>:アルキレンオキシドが、プロピレンオキシドである<2>〜<4>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<6>:前記重合体(H)が、触媒の存在下、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドを開環重合させる方法により製造された重合体であり、該触媒が有機配位子を有する亜鉛ヘキサシアノコバルテートである<2>〜<5>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<7>:前記重合体(P)におけるトリアルコキシシリル基の導入方法が、ラジカル開始剤の存在下、重合体(V)と、メルカプト基とトリアルコキシシリル基を有する化合物とを作用させ、重合体(V)のアルケニル基と該化合物中のメルカプト基とを付加反応させる方法である<1>〜<6>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<8>:アミノ基を有するシランを含む<1>〜<7>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<9>:エポキシ基を有するシランを含む<1>〜<8>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<10>:<1>〜<9>のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる接着剤。
<11>:ポリオキシアルキレン鎖を有し、かつ分子末端にアルケニル基を有する重合体(V)にトリアルコキシシリル基が導入された重合体(P)を含む硬化性組成物の製造方法であって、重合体(V)のアルケニル基数が1分子あたり平均して1.6〜2.5であり、かつ重合体(P)の数平均分子量が10000〜23000であり、重合体(V)のアルケニル基の63〜88%にトリアルコキシシリル基を導入することを特徴とする硬化性組成物の製造方法。
本発明の硬化性組成物は、ポリオキシアルキレン鎖を有し、かつ分子末端にアルケニル基を有する重合体(V)にトリアルコキシシリル基が導入された重合体(P)を含む。
ポリオキシアルキレン鎖を有する重合体とは、アルキレンオキシドの開環重合により形成されたアルキレンオキシドに由来する繰り返し単位(以下、オキシアルキレン単位ともいう。)からなる分子構造(以下、ポリオキシアルキレン構造ともいう。)を重合体が有することをいう。
アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、およびヘキシレンオキシドからなる群から選ばれる1種以上のアルキレンオキシドが好ましく、プロピレンオキシドが特に好ましい。
重合体(V)は、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドが開環重合して形成された、ポリオキシアルキレン鎖を有し、かつ分子末端にヒドロキシ基を有する重合体(H)のヒドロキシ基にアルケニル基を導入することにより製造される。
触媒は、特に限定されず、複合金属シアン化物錯体が好ましく、亜鉛ヘキサシアノコバルテートがより好ましく、有機配位子を有する亜鉛ヘキサシアノコバルテートが特に好ましい。
有機配位子は、エーテル系配位子またはアルコール系配位子が好ましい。エーテル系配位子の具体例としては、エチレングリコールジメチルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。アルコール系配位子の具体例としては、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルが挙げられる。
重合体(V)の好ましい態様としては、重合体(V−2)のみを用いる態様、重合体(V−2)と、活性水素原子を1個有する化合物にアルキレンオキシドが開環重合して形成された重合体(H−1)にアリル基が導入された重合体(V−1)または活性水素原子を3個有する化合物にアルキレンオキシドが開環重合して形成された重合体(H−3)にアリル基が導入された重合体(V−3)とを用いる態様が挙げられる。
重合体(V)にトリアルコキシシリル基を導入する方法は、下記方法1または下記方法2が好ましく、重合体(P)のトリアルコキシシリル基の導入率を調整しやすい観点から、下記方法2が特に好ましい。
[方法2]ラジカル開始剤の存在下、重合体(V)と、メルカプト基とトリアルコキシシリル基を有する化合物とを作用させ、重合体(V)のアルケニル基と該化合物中のメルカプト基とを付加反応させることにより重合体(P)を製造する方法。
重合体(V)のアルケニル基は、1分子あたり平均して1.8〜2.3個が好ましい。また、重合体(V)のアルケニル基の65〜85%にトリアルコキシシリル基を導入して調整されることが好ましい。さらに、重合体(P)のMnは10000〜23000であり、10000〜18000が好ましく、11000〜15000が特に好ましい。
本発明における硬化触媒は、重合体(P)のトリアルコキシシリル基の加水分解反応を触媒する化合物であれば、特に限定されない。硬化触媒の具体例としては、有機スズ化合物、スズ以外の金属を含む有機金属化合物、金属有機アルコキシド、スズ以外の金属を含む錯体、有機アミン、その他の触媒が挙げられる。
有機金属アルコキシドの具体例としては、テトライソプロピルチタネート,テトラブチルチタネート,テトラメチルチタネート,テトラ(2−エチルへキシルチタネート)等のチタンアルコキシド;アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムアルコキシド;ジルコニウム−n−プロピレート、ジルコニウム−n−ブチレート等のジルコニウムアルコキシド;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート等のチタンアルコキシドが挙げられる。
有機アミンの具体例としては、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン等の脂肪族モノアミン;エチレンジアミン,ヘキサンジアミン等の脂肪族ジアミン;トリエチルアミン,ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン;ピペリジン,ピペラジン等の複素環式アミン類;メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン;モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;エポキシ樹脂の硬化に用いられる各種変性アミンが挙げられる。
硬化触媒は、取扱性の観点からは、有機スズ化合物であるのが好ましい。速硬化性の観点からは、(n−C4H9)2Sn(acac)2、(n−C8H17)2Sn(acac)2、(n−C4H9)2Sn(OC8H17)(acac)、(n−C4H9)2Sn(etac)2、または(n−C8H17)2Sn(etac)2であるのが特に好ましい。
また、硬化触媒を適宜選択して硬化性組成物の硬化速度を制御することも可能である。たとえば、硬化触媒として活性の低い触媒を選択することにより、本発明の硬化性組成物の硬化速度を遅くすることも可能である。
本発明の硬化性組成物は、硬化触媒の1種を含んでいてもよく、硬化触媒の2種以上を含んでいてもよい。硬化触媒の2種以上を含む場合、本発明の硬化性組成物は、硬化性に優れることから、有機スズ化合物と有機アミンを含むのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、重合体(P)の100質量部に対して、硬化触媒の0.001〜10質量部を含むのが好ましい。この場合、硬化速度が速く、かつ硬化時の発泡が抑制され、さらに硬化物の耐久性が優れるという効果がある。
炭酸カルシウムは、脂肪酸または樹脂酸により表面処理された炭酸カルシウムであるのが好ましい。炭酸カルシウムは、平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、または平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウムであるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、重合体(P)の100質量部に対して、充填材の1〜1000質量部を含むのが好ましく、10〜250質量部を含むのが特に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、重合体(P)の100質量部に対して、可塑剤の1〜100質量部を含むのが好ましく、1〜50質量部を含むのが特に好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランの具体例としては、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランが挙げられる。
エポキシ基を有するシランの具体例としては、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
また、2種以上のシランカップリング剤を反応させて得た反応物を用いてもよい。該反応物としては、アミノ基を有するシランとエポキシ基を有するシランを反応させて得た反応物、アミノ基を有するシランと(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランを反応させて得た反応物、エポキシ基を有するシランとメルカプト基を有するシランを反応させて得た反応物、異なるメルカプト基を有するシランの反応物が挙げられる。
本発明における溶剤の具体例としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、エステルアルコール、ケトンアルコール、エーテルアルコール、ケトンエーテル、ケトンエステル、エステルエーテルが挙げられる。アルコールを用いた場合には、硬化性組成物の保存安定性が向上する。アルコールは、炭素数1〜10のアルキルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソペンチルアルコール、またはヘキシルアルコールがより好ましく、メタノールまたはエタノールが特に好ましい。
本発明における脱水剤の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オルトケイ酸テトラメチル(テトラメトキシシランないしはメチルシリケート)、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラプロピル、オルトケイ酸テトラブチル等のシラン類;オルトぎ酸トリメチル,オルトぎ酸トリエチル,オルトぎ酸トリプロピル,オルトぎ酸トリブチル等のオルトぎ酸トリアルキル;オルト酢酸トリメチル,オルト酢酸トリエチル,オルト酢酸トリプロピル,オルト酢酸トリブチル等のオルト酢酸酸トリアルキルが挙げられる。
本発明の硬化性組成物が溶剤を含む場合、重合体(P)の100質量部に対して、脱水剤の0.001〜30質量部を含むのが好ましい。
本発明におけるチキソ性付与剤の具体例としては、水添ひまし油、脂肪酸アミドが挙げられる。
本発明における老化防止剤の具体例としては、ポリウレタン樹脂用の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤が挙げられる。老化防止剤の具体例としては、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエ−ト系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、または硫黄系の老化防止剤が挙げられる。
本発明の硬化性組成物の製造方法は、特に限定されない。本発明の硬化性組成物が他の成分(前記硬化触媒、前記充填剤、前記接着性付与剤、前記溶剤、前記チキソ性付与剤、前記老化防止剤、前記脱水剤、前記顔料等。)(以下、他の成分という。)を含む場合の他の成分を配合する順序は、特に限定されず、本発明の硬化性組成物と硬化触媒以外の他の成分とを混合した後に、硬化触媒を混合するのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、硬化性と貯蔵安定性が高く、かつ良好な機械物性を有する硬化物を形成可能である。本発明の硬化性組成物は、被覆・密封用の硬化組成物として、建築用シーラント、防水材、接着剤、コーティング剤として有用であり、特に接着剤として有用である。
本発明の硬化性組成物からなる接着剤の好ましい使用態様としては、本発明の硬化性組成物と所望の他の成分とを配合密封して保存し、使用に際しては空気中の湿気により接着剤を硬化させる1液硬化型接着剤、本発明の硬化性組成物と所望の他の成分とを使用に際して混合して硬化させる2液硬化型接着剤が挙げられる。
ポリオキシアルキレン鎖を有し、かつ分子末端にアリル基を有する重合体(v)の1分子あたり平均のアリル基数は、重合体(v)の不飽和基価(以下、USVという。)と重合体(v)のMnとから算出した(USVとMnの積)。なお、オキシアルキレン重合体中に存在する水酸基は、JIS K1557に準拠した水酸基価の測定法で分析した。また、重合体(v)のUSVは、不飽和基価測定法(Wijs法)に準拠して行った。すなわち、重合体(v)(約2g)を三角フラスコに入れ、それを正確に秤量し、クロロホルム40mlを入れて溶解した。ウイス試薬を20mlホールピペットを用いて正確に量り加えた後、フラスコを冷暗所に1時間放置した。ヨウ化カリウム(2g)を100mlの水に溶かしたヨウ化カリウム水溶液にでんぷん溶液を数滴加えたものをフラスコ中に加えた後、撹拌しながらN/10チオ硫酸ナトリウムを滴下し、フラスコ中の溶液が無色透明になった時点を終点とした。終点により、下記式により不飽和基価を求めた。
Mw、MnおよびMw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(以下、GPC法ともいう。)を用いて測定した。GPC法においては、Multipore HxL(東ソー株式会社製、商品名)を2本直列につないだカラムを用い、テトラヒドロフランを移動相に用いた。また、ポリスチレン(Polymer Laboratories社製、商品名:PS−2)を標準試料に用いた。GPC法の測定温度は40℃に保持した。
重合体(v)にトリメトキシシリル基が導入された重合体(p)における、重合体(v)のアリル基に導入されたトリメトキシシリル基の割合(以下、シリル化率という。)は、1H−NMR分析法を用いて測定した。
1H−NMR分析は、FT−NMR装置(日本電子株式会社製、JMTC−300/54/SS)を用い、測定温度23℃、積算回数64回、待ち時間30秒にて行った。また、テトラメチルシラン由来のピークを化学シフトの基準とし、マレイン酸ジメチル由来のピークを6.27ppmと、アリル基由来のピークを5.13〜5.32ppmと、トリメトキシシリル基由来のピークを0.63ppmと、した。
n−ブタノールにプロピレンオキシド(以下、POという)を反応して得られるMn800(水酸基価70)のポリオキシプロピレンモノオール800gを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒(以下、DMC触媒という)1.4gの存在下で、POの6510gを重合させてポリオキシプロピレンモノオールを得た。
得られたモノオールの水酸基に対して1.05当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、加熱減圧下でメタノールを留去した後、モノオールに対して、1.20当量の塩化アリルを加えて反応させた。反応後、未反応の塩化アリルを減圧して除去し、さらに精製しし、片末端がアリル基でもう一方の末端がブトキシ基を有するオキシアルキレン重合体(p1)を得た。USVは0.17ミリ当量でMnは7000であった。1分子当たりのアリル基数は平均1.19であった。
この重合体のMnは7200であり、Mw/Mnは1.12であり、NMRによるシリル化率は64.8%であった。
また、プロパンジオールにPOを開環付加して得られたMnが3200のポリオキシジオール1000gを開始剤として用い、DMC触媒1.6gの存在下で、POの58000gを重合させ、ポリオキシアルキレンジオールを得た。このジオールを用い、上記と同様の方法により、両末端にアリル基を有するオキシアルキレン重合体(p2)を得た。USVは0.16ミリ当量であり、Mnは12500であった。1分子当たりのアリル基数は平均2.00であった。
上記重合体(sp1)および(sp2)を、質量比2:8の割合で混合し、1分子当りのアリル基数が平均1.8の重合体(v)にシリル化率65%でトリアルコキシシリル基を導入したオキシアルキレン重合体(ポリマー1)を得た。この重合体のMnは、11700であった。
製造例1で得られた1分子当たりのアリル基数が平均2.00の重合体(p2)1000gを用い、MPTMSの22.0gおよびABMBNの2.5gを用い、上記と同様の方法により、両末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(sp3)を得た。この重合体のMnは12900であり、Mw/Mnは1.32であり、NMRによるシリル化率は69.6%であった。この重合体を(ポリマー2)とした。
製造例1で得られた1分子当たりのアリル基基数が平均2.00の重合体(p2)1000gを用い、MPTMSの26.7gおよびABMBNの3.8gを用い、上記と同様の方法により、両末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(sp4)を得た。この重合体のMnは13000であり、Mw/Mnは1.36であり、NMRによるシリル化率は84.9%であった。
また、グリセリンにPOを反応して得られるMn3000のトリオール1000gを開始剤として用い、DMC触媒0.26gの存在下でPOの7650gを重合させて、ポリオキシアルキレントリオールを得た。このトリオールを用い、上記と同様の方法により、末端にアリル基を有するオキシアルキレン重合体(p3)を得た。USVは0.18ミリ当量であり、Mnは16000であった。1分子当たりのアリル基数は平均2.90であった。
上記重合体(sp4)および(sp5)を、質量比7:3の割合で混合し、1分子当たりのアリル基数が平均2.3の重合体(v)にシリル化率85%でトリアルコキシシリル基を導入したオキシアルキレン重合体(ポリマー3)を得た。この重合体のMnは、14100であった。
製造例1で得られた1分子当たりのアルケニル基数が平均2.00の重合体(p2)1000gを用い、MPTMSの28.2gおよびABMBNの4.0gを用い、上記と同様の方法により、末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(sp6)を得た。この重合体のMnは13100であり、Mw/Mnは、1.38であり、NMRによるシリル化率は89.0%であった。
また、製造例3で得られた1分子当たりのアルケニル基数が平均2.90の重合体(p3)1000gを用い、MPTMSの31.7gおよびABMBNの4.4gを用い、上記と同様の方法により、末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(sp7)を得た。この重合体のMnは16700であり、Mw/Mnは1.50であり、NMRによるシリル化率は90.5%であった。
上記重合体(sp6)および重合体(sp7)を、質量比5:5の割合で混合し、1分子当たりのアリル基数が平均2.5の重合体(v)にシリル化率90%でトリアルコキシシリル基を導入したオキシアルキレン重合体(ポリマー4)を得た。この重合体のMnは14900であった。
プロパンジオールにPOを反応させて得られたMn1000のジオール1000gを開始剤として用い、DMC触媒0.23gの存在下でPOの8680gを重合させ、ポリオキシアルキレンジオールを得た。このジオールを用い、上記と同様の方法により、両末端にアリル基を有するオキシアルキレン重合体(p4)を得た。USVは0.27ミリ当量であり、Mnは7400であった。1分子当たりのアリル基数は平均2.00であった。
この重合体(p4)1000gを用い、MPTMSの45.0gおよびABMBNの6.1gを用い、上記と同様の方法により末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(sp8)を得た。この重合体のMnは7800であり、Mw/Mnは1.10であり、NMRによるシリル化率は84.4%であった。この重合体を(ポリマー5)とした。
プロパンジオールにPOを開環付加して得られたMn1000のジオール700gを開始剤として用い、DMC触媒0.20gの存在下でPOの7812gを重合させ、ポリオキシアルキレンジオールを得た。このジオールを用い、上記と同様の方法により、両末端にアリル基を有するオキシアルキレン重合体(p5)を得た。USVは0.23ミリ当量であり、Mnは8700であった。1分子当たりのアリル基数は平均2.00であった。
この重合体(p5)1000gを用い、MPTMSの36.1gおよびABMBNの4.9gを用い、上記と同様の方法により末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン(sp9)を得た。この重合体のMnは9100であり、Mw/Mnは1.12であり、NMRによるシリル化率は85.4%であった。この重合体を(ポリマー6)とした。
プロパンジオールにPOを反応させて得られたMn3200のジオール600gを開始剤として用い、DMC触媒0.18gの存在下でPOの8424gを重合させて、ポリオキシアルキレンジオールを得た。このジオールを用い、上記と同様の方法により、両末端にアリル基を有するオキシアルキレン重合体(p6)を得た。USVは0.08ミリ当量であり、Mnは25000であった。1分子当たりのアリル基数は平均2.00であった。
この重合体(p6)1000gを用い、MPTMSの12.5gおよびABMBNの1.7gを用い、上記と同様の方法により末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(sp10)を得た。この重合体のMnは25500であり、Mw/Mnは1.24であり、NMRによるシリル化率は83.2%であった。この重合体を(ポリマー7)とした。
実施例3で製造した末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(sp5)を(ポリマー8)とした。
製造例1で得られた1分子当たりのアルケニル基数が平均2.00の重合体(p2)1000gを用い、MPTMSの28.2gおよびABMBNの3.0gを用い、上記と同様の方法により両末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(sp11)を得た。この重合体のMnは13000であり、Mw/Mnは1.34であり、NMRによるシリル化率は89.7%であった。この重合体(sp11)を(ポリマー9)とした。
上記の方法で得られた反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体の性状を表1に示した。
重合体の100質量部に対し、表面処理炭酸カルシウム(白石カルシウム社製 白艶化CCR)50質量部と、重質炭酸カルシウム(日東粉化工業社製 NS−400)30質量部とを加え、遊星式攪拌器(クラボウ社製)にて攪拌した。混合物の温度を室温まで下げ、ビニルトリメトキシシラン(信越化学社製 KBM−1003)5質量部加えて攪拌を行った後、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製 KBM−603)3質量部と、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製 KBM−403)1質量部を加え、撹拌後に、硬化触媒としてジブチルスズモノアセテートを2質量部加え、攪拌し、それぞれの硬化性組成物を得た。
下記の方法で、引張りせん断強度とT字剥離強度を測定し、結果を表2に示した(実施例1〜3および比較例1〜6)。また、ポリマー2、3、9については、下記の方法により、シーリング材の評価に用いられるH型試験体による物性測定も実施した(実施例4〜5、比較例7)。結果を表3に示す。
上述の硬化性組成物を用い、JIS K6850の試験法に準拠して物性測定用試験体を作成した。各試験体は、23℃、50%の湿度条件下で3日硬化養生した後、スペーサーをはずし、50℃、65%の湿度条件下で6日間養生し、養生装置から各試験体を取り出した後、24時間以上23℃、50%湿度条件下に放置した後、テンシロン試験機を使用して、引張りせん断試験を行った。Tmax(N/mm2)は最大引張応力であり、E(mm)は最大応力時の伸びである。
同様に、上記各硬化性組成物を用いて、JIS K6854−3の試験法に準拠してT字剥離試験を行った。23℃、50%の湿度条件下で、長さ100mm、幅25mm、厚さ0.5mmの脱脂した2枚のアルミニウム基材のそれぞれの片面に1.0mm厚のテフロンテープ(テフロンは登録商標)をスペーサーとして硬化性組成物を塗布し、硬化性組成物の塗布面を張り合わせて、23℃、50%の湿度条件下で3日硬化養生後、スペーサーをはずし、50℃、65%の湿度条件下で6日間養生し、養生装置から各試験体を取り出した後、24時間以上23℃、50%湿度条件下に放置した後、100mm/分の引張り速度でT字剥離強度を測定した。
H型試験体の試験方法は、JIS A1439の試験法に準拠して行った。すなわち、重合体の100質量部に対し、表面処理炭酸カルシウム(白石カルシウム社製 白艶化CCR)100質量部、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製 ホワイトンSB)20質量部、チキソ性付与剤として楠本化成社製ディスパロン#305を3部、ジオクチルフタレート50部および酸化防止剤としてチバスペシャリティケミカル社製 イルガノックス1010を1部を加え、遊星式攪拌器(クラボウ社製)にて攪拌した。混合物の温度を室温まで下げ、ビニルトリメトキシシラン(信越化学社製 KBM−1003)5質量部加えて攪拌を行った後、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製 KBM−603)3質量部と、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製 KBM−403)1質量部を加え、撹拌後に、硬化触媒としてジオクチル錫/ラウリルアミン=3/1混合物を4質量部加え、攪拌し、それぞれの硬化性組成物を得た。50%モジュラスと伸びの値を測定した。
表3に示すように、比較例7に比べて、実施例4、5では、伸び物性が改善されていることが分かる。
Claims (11)
- ポリオキシアルキレン鎖を有し、かつ分子末端にアルケニル基を有する重合体(V)にトリアルコキシシリル基が導入された重合体(P)を含む硬化性組成物であって、重合体(V)のアルケニル基数が1分子あたり平均して1.6〜2.5であり、重合体(V)のアルケニル基の63〜88%にトリアルコキシシリル基が導入され、かつ重合体(P)の数平均分子量が10000〜23000であることを特徴とする硬化性組成物。
- 重合体(V)が、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドが開環重合して形成された重合体(H)にアリル基が導入された重合体(V)である請求項1に記載の硬化性組成物。
- 重合体(V)が、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドが開環重合して形成された重合体(H)にアリル基が導入された重合体(V)であって、かつヒドロキシ基を有さない重合体である請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 重合体(V)が、活性水素原子を2個有する化合物にアルキレンオキシドが開環重合して形成された重合体(H−2)にアリル基が導入された重合体(V−2)を含む請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- アルキレンオキシドが、プロピレンオキシドである請求項2〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 前記重合体(H)が、触媒の存在下、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドを開環重合させる方法により製造された重合体であり、該触媒が有機配位子を有する亜鉛ヘキサシアノコバルテートである請求項2〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 前記重合体(P)におけるトリアルコキシシリル基の導入方法が、ラジカル開始剤の存在下、重合体(V)と、メルカプト基とトリアルコキシシリル基を有する化合物とを作用させ、重合体(V)のアルケニル基と該化合物中のメルカプト基とを付加反応させる方法である請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
- アミノ基を有するシランを含む請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
- エポキシ基を有するシランを含む請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる接着剤。
- ポリオキシアルキレン鎖を有し、かつ分子末端にアルケニル基を有する重合体(V)にトリアルコキシシリル基が導入された重合体(P)を含む硬化性組成物の製造方法であって、重合体(V)のアルケニル基数が1分子あたり平均して1.6〜2.5であり、かつ重合体(P)の数平均分子量が10000〜23000であり、重合体(V)のアルケニル基の63〜88%にトリアルコキシシリル基を導入することを特徴とする硬化性組成物の製造方法。
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