JP2009149737A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオキシアルキレン鎖と水酸基を有する水酸基含有重合体(pP)と、反応性ケイ素基を有するイソシアネート基含有化合物(U)とを、ウレタン化反応させて得られる重合体(P)と、下記式(I)で表される化合物(A)を含有する硬化性組成物。式(I)中、R1、R2はそれぞれ独立に炭素数2〜20の直鎖状アルキル基を表し、Zは下記式(Ia)〜(Ic)のいずれかで表される2価基を表わす。式(Ib)中、R3は水素原子もしくは炭素数1〜40の直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。
R1―Z−R2 ・・・(I)
[化1]
【選択図】なし
Description
なかでも、ポリマー鎖がポリオキシアルキレン鎖とウレタン結合を有し、該ポリマー鎖の末端に反応性ケイ素基を有するシリル化ウレタンポリマーは、接着性や速硬化性に優れており、近年シーリング剤や接着剤の硬化成分として市場に受け入れられつつある。
シリル化ウレタンポリマーに関して、下記特許文献1には、ポリオキシアルキレン鎖端にウレタン結合を介してトリアルコキシシリル基が結合している重合体が記載されている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、シリル化ウレタンポリマーを硬化成分とし、基材に適用する際の作業性が良好である硬化性組成物を提供することを目的とする。
R1―Z−R2 ・・・(I)
(式中、R1、R2は、それぞれ独立に炭素数2〜20の直鎖状アルキル基を表し、Zは下記式(Ia)〜(Ic)のいずれかで表される2価基を表わす。)
(Si(−X1)a(−R’)3−a)−Q1−NCO ・・・(1)
(式中、X1は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R’は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(アルコキシ基を除く。)を表し、Q1は炭素数1〜20の2価の有機基を表し、aは1〜3の整数を表す。ただし、R’が複数存在するとき複数のR’は互いに同一でも異なっていてもよく、X1が複数存在するとき複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。)
前記一般式(1)におけるaが3であることがより好ましい。
前記水酸基含有重合体(pP)の、水酸基1個当りの数平均分子量が1000〜30000であることが好ましい。
<重合体(P)>
重合体(P)は、下記の水酸基含有重合体(pP)と、イソシアネート基含有化合物(U)とを、ウレタン化反応させて得られる重合体である。
本発明で用いられる水酸基含有重合体(pP)は、ポリオキシアルキレン鎖と水酸基を有する重合体である。
水酸基含有重合体(pP)におけるポリオキシアルキレン鎖は、炭素数2〜6のアルキレンオキシドの開環重合により形成されたオキシアルキレンの重合単位からなるのが好ましい。かかる重合単位は、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびヘキシレンオキシドからなる群から選ばれる1種以上のアルキレンオキシドの開環重合により形成されたオキシアルキレンの重合単位がより好ましい。特に、プロピレンオキシドの開環重合により形成されたオキシアルキレンの重合単位が好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖を構成するオキシアルキレンの重合単位は1種でもよく、2種以上でもよい。ポリオキシアルキレン鎖を構成する重合単位が2種以上である場合、該重合単位の並び方は、ブロック状であってもよくランダム状であってもよい。
水酸基含有重合体(pP)の、水酸基1個当りの数平均分子量は1000〜30000が好ましく、3000〜20000がより好ましい。本発明における数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりテトラヒドロフランを移動相として測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を意味する。
水酸基含有重合体(pP)の数平均分子量が上記範囲であると、得られる重合体(P)の分子量が、粘度および硬化物の機械物性の点で良好な範囲となる。
有機配位子は、エーテル系配位子またはアルコール系配位子が好ましい。エーテル系配位子の具体例としては、エチレングリコールジメチルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。アルコール系配位子の具体例としては、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルが挙げられる。
複合金属シアン化物錯体としては、亜鉛ヘキサシアノコバルテートが特に好ましい。
活性水素原子を有する有機化合物の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、アリルアルコール、メタリルアルコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類;ポリオキシプロピレンモノオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレンモノオール、ポリオキシエチレンジオール、およびポリオキシエチレントリオールからなる群から選ばれる重合体状アルコールが挙げられる。該重合体状アルコールの水酸基1個当りの数平均分子量は300〜1500が好ましい。
活性水素原子を有する化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上の活性水素原子を有する化合物を用いる場合には、2個のヒドロキシ基を有する重合体状アルコールと、3個のヒドロキシ基を有する重合体状アルコールを用いるのが好ましい。
本発明で用いられるイソシアネート基含有化合物(U)は反応性ケイ素基とイソシアネート基を有する化合物であり、好ましくは、下記一般式(1)で表される化合物である。式中のaは1〜3の整数である。
(Si(−X1)a(−R’)3−a)−Q1−NCO ・・・(1)
式(1)中、R’は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基である。ただし、R’はアルコキシ基ではない。
R’は、炭素数8以下のアルキル基、炭素数8以下のフルオロアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であることがより好ましい。同一分子中にR’が複数存在するときは、それら複数のR’は互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、Q1は炭素数1〜20の2価の有機基を表す。炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、入手容易性の観点から、トリメチレン基、メチレン基がより好ましい。
(Si(−X1)3)−Q1−NCO ・・・(2)
式(2)におけるX1およびQ1は、その好ましい態様も含めて、それぞれ式(1)におけるのと同じである。
またイソシアネート基含有化合物(U)として、上式(1)におけるaが2で、かつQ1がメチレン基であるイソシアネート基含有化合物(U−2)も好ましい。
該イソシアネート基含有化合物(U−1)および/または(U−2)を用いると、速硬化性に優れたオキシアルキレン重合体(P)が得られる。
イソシアネート基含有化合物(U−2)の具体例としては、1−イソシアネートメチルジメトキシメチルシランが挙げられる。
重合体(P)は、上記水酸基含有重合体(pP)と、イソシアネート基含有化合物(U)を、ウレタン化触媒の存在下で、ウレタン化反応させる工程を経て得られる。
ウレタン化触媒は、特に限定されず、有機スズ化合物(ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート等。)、ビスマス化合物等の金属触媒、有機アミン等の塩基触媒が用いられる。
または、水酸基含有重合体(pP)にイソシアネート基含有化合物(U)を添加して攪拌した後、スズ触媒を加え、所定の反応温度に保持してウレタン化反応させてもよい。
該ウレタン化反応の反応温度は20〜200℃が好ましく、50〜150℃が特に好ましい。ウレタン化反応の反応温度が上記の範囲内であると、良好な触媒活性が得られる。
ウレタン化反応は、不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下に行うのが好ましい。
重合体(P)は、その側鎖又は末端における置換基に反応性ケイ素基を有する。末端における置換基に反応性ケイ素基を有することがより好ましい。
該「イソシアネート基/水酸基」の値が上記範囲内であると、得られるオキシアルキレン重合体(P)の貯蔵安定性がより良好となる。その理由は、「イソシアネート基/水酸基」の値が上記範囲内であると、得られたオキシアルキレン重合体(P)中に水酸基が残存しても、該水酸基とオキシアルキレン重合体(P)中の反応性ケイ素基との架橋反応が抑制され、貯蔵中の増粘が抑えられるためと考えられる。また、ウレタン化反応における副反応(アロファネート化反応、イソシアヌレート化反応等。)が抑制され、該副反応による反応性ケイ素基の生成が生じ難く、貯蔵中の増粘が生じ難いと考えられる。
化合物(A)は、前記式(I)で表される化合物である。
一般式(I)において、R1、R2はそれぞれ炭素数2〜20の直鎖状アルキル基である。1分子中に共存するR1とR2は同じであってもよく、異なっていてもよい。R1、R2は炭素数4〜12の直鎖状アルキル基であることが好ましい。好ましい例としてはメチル基、ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙られる。
製造の容易性の点からはR1とR2が異なっており、R1とR2の炭素数の差が2であることが好ましい。例えばR1とR2の一方が−C10H21であり、他方が−C8H17がであることが好ましい。
化合物(A)の好ましい例として上記式(A1)〜(A4)で表わされる化合物が挙げられる(以下、それぞれ化合物(A1)〜(A4)ということもある。)。
例えば、化合物(A1)は側鎖に炭素二重結合を1つ有する不飽和炭化水素であり、該化合物(A1)は、末端二重結合のαオレフィンを原料としエチレン低重合法を用いて製造することができる。化合物(A2)および(A4)は化合物(A1)の誘導体として得ることができる。化合物(A3)は化合物(A1)の二量体として得ることができる。
また化合物(A)は既存製品からも入手可能である。例えば出光興産(株)のリニアレンダイマーシリーズの中から、化合物(A1)として製品名:A−20、化合物(A2)として製品名:A−20H、化合物(A3)として製品名:A−2020H、化合物(A4)として製品名:A−20Eを用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、重合体(P)および化合物(A)を含有する。硬化性組成物に含まれる重合体(P)は1種でもよく2種以上でもよい。硬化性組成物に含まれる化合物(A)は1種でもよく2種以上でもよい。
本発明の硬化性組成物は、室温条件下で空気中の湿気により、重合体(P)中の反応性ケイ素基の加水分解および架橋反応が生じて硬化する。特に、イソシアネート基含有化合物(U)として、上式(1)におけるaが3であるイソシアネート基含有化合物化合物(U−1)を用いて得られたオキシアルキレン重合体(P)を含有する硬化性組成物は、速硬化性に優れている。
また化合物(A)を含有させることにより、硬化性組成物の未硬化の状態における粘度およびチクソ性が改善され、基材に適用する際の作業性が向上する。
化合物(A)の含有量は、重合体(P)の100質量部に対して、1〜70質量部が好ましく、10〜60質量部がより好ましい。1質量部以上であると化合物(A)の充分な添加効果が得られやすく、70質量部以下であると硬化物からのブリードアウトが抑えられやすい。
硬化性組成物は、重合体(P)および化合物(A)のほかに、硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着性付与剤、脱水剤、物性調整剤、タレ防止剤、溶剤、老化防止剤等を適宜含有してもよい。
硬化性組成物は、予め硬化触媒を含有させて脱水条件で保存し、硬化時に大気中の湿分と反応させる一液型であってもよく、また、硬化させる直前に硬化触媒を混合して、配合中及び大気中の水分により硬化させる二液型であってもよい。
硬化触媒は、重合体(P)の反応性ケイ素基における加水分解反応および/または架橋反応を促進する化合物である。
具体例としては、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート等の有機スズ(IV)カルボン酸塩;(n−C4H9)2Sn(SCH2COO)2、(n−C8H17)2Sn(SCH2COO)2、(n−C8H17)2Sn(SCH2CH2COO)2、(n−C8H17)2Sn(SCH2COOCH2CH2OCOCH2S)2、(n−C4H9)2Sn(SCH2COO(iso−C8H17))2、(n−C8H17)2Sn(SCH2COO(iso−C8H17))2、(n−C8H17)2Sn(SCH2COO(n−C8H17))2、および(n−C4H9)2SnS等の含硫黄有機スズ化合物;(n−C4H9)2SnO、および(n−C8H17)2SnO等の有機スズオキシド;前記有機スズオキシドと例えばエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、およびフタル酸ジオクチル等からなる群から選ばれるエステル化合物との反応生成物;(n−C4H9)2Sn(acac)2、(n−C8H17)2Sn(acac)2、(n−C4H9)2Sn(OC8H17)(acac)、(n−C4H9)2Sn(OC(CH3)CHCO2C2H5)2、(n−C8H17)2Sn(OC(CH3)CHCO2C2H5)2、(n−C4H9)2Sn(OC8H17)(OC(CH3)CHCO2C2H5)等のキレートスズ化合物(ただし、前記acacはアセチルアセトナト配位子を表し、OC(CH3)CHCO2C2H5はエチルアセトアセテート配位子を表す。);前記キレートスズ化合物と、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトラプロポキシシラン等からなる群から選ばれるアルコキシシランとの反応生成物;ならびに、(n−C4H9)2(CH3COO)SnOSn(OCOCH3)(n−C4H9)2、および(n−C4H9)2(CH3O)SnOSn(OCH3)(n−C4H9)2等の−SnOSn−結合含有有機スズ化合物等の4価のスズ化合物が挙げられる。
硬化触媒の使用量は、重合体(P)の100質量部に対して0.001〜10質量部が好ましい。硬化触媒の使用量を0.001質量部以上にすることにより硬化性組成物の硬化速度を有効に促進でき、10質量部以下にすることにより機械物性や耐候性の低下を良好に防止できる。
なお、硬化性組成物に、重合体(P)以外の、反応性ケイ素基を有する他の硬化成分が含まれる場合、硬化触媒の使用量は、オキシアルキレン重合体(P)と他の硬化成分の合計100質量部に対して上記の範囲とすることが好ましい。
充填剤としては、例えば、脂肪酸または樹脂酸系有機物で表面処理した炭酸カルシウム、前記炭酸カルシウムをさらに微粉末化した平均粒径1μm以下の膠質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム、その他の炭酸カルシウム類、フュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、無機系バルーン、有機樹脂バルーン、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、およびフリント粉末等の粉体状充填剤;ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、およびポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤等が挙げられる。
無機微小中空体としては、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン等の珪酸系バルーン;およびアルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーン等の非珪酸系バルーンが挙げられる。ガラスバルーンが一般的である。
有機樹脂中空体としては、熱硬化性樹脂バルーンや熱可塑性樹脂バルーンがある。熱硬化性樹脂のバルーンとしては、フェノールバルーン、エポキシバルーン、尿素バルーン等が例示できる。熱可塑性樹脂バルーンとしては、サランバルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン−アクリル系バルーン、ポリアクリロニトリルバルーン等が例示できる。有機質バルーンの表面を炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の無機化合物でコーティングしてあるものも知られており、好ましく使用できる。
有機質バルーンを用いると無機質バルーンを用いる場合に比較して、硬化物の引っ張り特性のうちモジュラス伸びが優れたものになる。すなわち、低いモジュラスで高い伸びになる。従って、有機質バルーンを用いるのが好ましい。
充填剤の使用量は、重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)100質量部に対して、1000質量部以下が好ましく、特に50〜250質量部が好ましい。
上記微小中空体を使用する場合、その使用量は重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)の100質量部に対して、0.01〜100質量部が好ましく、0.1〜50質量部がより好ましく、0.3〜40質量部がさらに好ましい。
本発明の硬化性組成物には、化合物(A)の他に、化合物(A)の効果を阻害しない範囲で可塑剤を含有させることができる。
該可塑剤の例としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、およびフタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ビス(2−メチルノニル)、セバシン酸ジブチル、およびオレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類;リン酸トリオクチルおよびリン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、4,5−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、およびエポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ系可塑剤;塩素化パラフィン;2塩基酸と2価アルコールを反応させて得られるポリエステル類等のポリエステル系可塑剤等が挙げられる。
かかる高分子可塑剤の具体例としては、ポリオキシプロピレングリコールやそのアルキルエーテル、アルケニルエーテル等の誘導体などのポリエーテル類;ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのスチレン系のオリゴマー類;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、水添ポリブテン、エポキシ化ポリブタジエンなどのオリゴマー類;などが挙げられる。
アクリル系可塑剤としては特に限定されないが、従来からの溶液重合で得られるものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げることができる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使用せず高温連続重合法(USP4414370、特開昭59−6207、特公平5−58005、特開平1−313522、USP5010166)にて作製されるため本発明の目的にはより好ましい。その例としては特に限定されないが東亞合成品UPシリーズ等が挙げられる(工業材料1999年10月号参照)。
可塑剤を用いる場合、その使用量は、重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)100質量部に対して、(A)成分と可塑剤の合計量が1000質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましい。可塑剤の含有量が多いほど硬化物からのブリードアウト量(液状成分)が多くなる傾向がある。また可塑剤の添加効果を良好に得るためには110質量部以上が好ましい。
硬化性組成物に接着性付与剤を含有させることにより、硬化性組成物と基材との接着性を改良することができる。
接着性付与剤としてはγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。
接着性付与剤を用いる場合、その使用量は重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)100質量部に対して、30質量部以下が好ましい。接着性付与剤の使用量が30質量部以下であると、硬化物が硬くなりすぎず、良好な柔軟性が得られやすい。また接着性付与剤の添加効果を良好に得るためには0.1質量部以上が好ましい。
硬化性組成物に脱水剤を含有させることにより、硬化性組成物の貯蔵安定性を高めることができる。特に硬化性組成物をいわゆる1液型配合、すなわち密封容器から大気中に出しただけで大気中の湿分により硬化成分が硬化する配合とした場合には、脱水剤を用いることが好ましい。
脱水剤としては、オルトギ酸アルキル類;オルト酢酸アルキル類;メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、およびテトラエトキシシラン等の加水分解性有機シリコン化合物;加水分解性有機チタン化合物等が挙げられる。
脱水剤は1種のみを使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
脱水剤を硬化性組成物に添加する場合、その使用量は重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)100質量部に対して30質量部以下が好ましい。脱水剤の使用量が多すぎると硬化性組成物の硬化が遅くなりすぎるおそれがある。また脱水剤の添加効果を良好に得るためには1.0質量部以上が好ましい。
物性調整剤としては特に限定されないが、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。
物性調整剤は1種のみを使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
物性調整剤を硬化性組成物に添加することにより、得られる硬化物における硬度の調整ができ、例えば硬度を上げたり、あるいは硬度を下げ、伸びを出したりすることができる。物性調製剤の種類および使用量は得ようとする物性に応じて適宜設定できる。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じてタレ防止剤を含有させることができる。
タレ防止剤としては、例えば、水素添加ひまし油、および脂肪酸アミド、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。
タレ防止剤は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
タレ防止剤の使用量は、重合体(P)(他の硬化成分を含む場合はそれを併せた合計)100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。タレ防止剤の含有量が多すぎると粘度が高くなり、作業性が悪くなるおそれがある。またタレ防止剤の添加効果を良好に得るためには1質量部以上が好ましい。
溶剤としては脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、エステルアルコール類、ケトンアルコール類、エーテルアルコール類、ケトンエーテル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類を使用できる。
特にアルコール類は、硬化性組成物を長期に保存する場合の保存安定性が向上する点で好ましい。アルコール類としては、炭素数1〜10のアルキルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソペンチルアルコール、ヘキシルアルコールなどが特に好ましい。
老化防止剤を添加することにより、耐候性および耐光性を高めることができる。老化防止剤は特に限定されず、一般にポリウレタン樹脂等に添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、および光安定剤等からなる群から選ばれる添加剤を用いることができる。
具体的には、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエ−ト系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、および硫黄系の各種老化防止剤が知られており、これらの中から適宜好ましい化合物を選択して本発明の硬化性組成物に添加できる。
硬化性組成物に、必要に応じて光硬化性物質を添加してもよい。ここでの光硬化性物質とは、光の作用によって短時間に、分子構造が化学変化をおこし、硬化し得る物質である。代表的な光硬化性物質は、例えば室内の日の当たる位置(窓付近)に1日間、室温で静置することにより硬化させることができる物質である。
光硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともいう)を低減できる。
かかる光硬化性物質として、有機単量体、オリゴマー、樹脂あるいはそれらを含む組成物など多くのものが知られており、その種類は特に限定されず、いずれに使用可能である。具体例としては不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂等が挙げられる。
光硬化性物質を用いる場合、その使用量は、重合体(P)100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましい。0.01質量部未満では効果が小さく、また20質量部を越えると物性への悪影響が出ることがある。
硬化性組成物に、必要に応じて空気酸化硬化性物質を添加してもよい。空気酸化硬化性物質としては、例えば、桐油、アマニ油等の乾性油;これら乾性油を変性して得られる各種アルキッド樹脂;乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、またはシリコーン樹脂;1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、C5〜C8ジエンの重合体や共重合体等のジエン系重合体;、該ジレン系重合体の各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)などが具体例として挙げられる。これらのうちでは桐油、ジエン系重合体のうちの液状物(液状ジエン系重合体)やその変性物が特に好ましい。
上記液状ジエン系重合体の具体例としては、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等のジエン系化合物を重合又は共重合させて得られる液状重合体;これらジエン系化合物と、共重合性を有するアクリロニトリル、スチレンなどの単量体とを、ジエン系化合物が主体となるように共重合させて得られるNBR,SBR等の共重合体やそれらの各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)などが挙げられる。これら液状ジエン系化合物のうちでは液状ポリブタジエンが好ましい。
また空気酸化硬化性物質を添加するとともに、酸化硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーを併用すると効果を高められる場合がある。これらの触媒や金属ドライヤーとしては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム等の金属塩やアミン化合物等が例示される。
空気酸化硬化性物質を用いる場合、その使用量は、重合体(P)100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましい。0.01質量部未満では効果が小さく、20質量部を越えると物性への悪影響が出ることがある。
硬化性組成物に、エポキシ樹脂、さらに必要に応じてエポキシ樹脂用硬化剤を配合してもよい。これを配合することにより硬化物の接着力を向上させることができる。
エポキシ樹脂としては、従来公知のものを広く使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂やこれらに水添したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂を用いる場合、任意の配合割合で使用できるが、弾性接着剤用途向け等、硬化後において弾性体の性質を維持したまま用いる場合は、重合体(P)の100質量部に対して10〜80質量部が好ましく、20〜70質量部がより好ましい。10質量部以上であると充分な接着強度や耐水性が得られやすく、80質量部以下であると剥離強度の低下等が起こり難い。
エポキシ樹脂用硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂の配合量にもよるが、重合体(P)の100質量部に対し、1〜60質量が好ましく、2〜50質量部がより好ましい。1質量部以上であるとエポキシ樹脂が充分に硬化して良好な接着強度向上効果が得られやすい。60質量部以下であると界面へのブリード等が起こりにくい。
硬化性組成物には、上述した添加剤の他にも所望する添加剤を適宜添加することができる。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、光硬化性樹脂、酸化鉄、酸化クロム、および酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニンブルーおよびフタロシアニングリーン等の有機顔料、防かび剤、ならびに発泡剤等があげられる。これらの各種添加剤はそれぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、被覆・密封用の硬化組成物として好適であり、具体的には建築用シーラント剤、防水材、接着剤、コーティング剤として有用である。
配位子がグライムである亜鉛ヘキサシアノコバルテート触媒960mgの存在下、ポリオキシプロピレンジオール(水酸基1個当りの数平均分子量が500)300gにプロピレンオキシド4500gを開環重合させてポリオキシアルキレンジオール(水酸基1個当りの数平均分子量が8000、水酸基価7.4mgKOH/g)(以下、水酸基含有重合体(pP−1)という。)を得た。
この水酸基含有重合体(pP−1)に、酸化防止剤としてブチル化ヒドロキシトルエン(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールともいう。以下、BHTと略記する。)を500ppm添加した混合物3000gを、耐圧反応器(内容積5L)に入れ、内温を110℃に保持しながら水分が112ppmになるまで減圧脱水した。残存する亜鉛ヘキサシアノコバルテート触媒中のコバルト原子の量は9.2ppm、亜鉛原子の量は21.5ppmであった。
つぎに、反応器内を窒素ガスで置換し、内温を50℃に保持しながら、NCO/OHが0.97となるように、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(純度95%)の82.8gを投入した。80℃で加熱撹拌し、フーリエ変換赤外分光光度計にて分析し、ヒドロキシ基とイソシアネート基の反応の終結が確認されるまで反応させた。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合とオキシプロピレン鎖とトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(P1)の生成が確認された。該オキシアルキレン重合体(P1)はポリオキシプロピレン鎖の末端にウレタン結合を介してトリメトキシシリル基を有するポリマーであり、その数平均分子量(Mn)は16000、分子量分布(Mw/Mn)は1.3であった。
製造例1で製造した重合体(P1)を用い、表1に示す配合で硬化性組成物を調製した。表に記載の各成分は下記の通りである。表中の配合量の単位は質量部である。
具体的には、表に記載の配合成分のうち、触媒を除く成分を3本ロールで均一に混合し、得られた混合物に触媒を加えて撹拌混合して硬化性組成物を調製した。
得られた硬化性組成物について下記の評価方法で粘度およびチクソ比を評価した。その結果を表1に示す。
化合物(A)として、出光興産(株)のリニアレンダイマーシリーズの製品名:A−20(化合物(A1))、製品名:A−20H(化合物(A2)、製品名:A−2020H(化合物(A3))、製品名:A−20E(化合物(A4))を用いた。
[可塑剤]
DINP:花王社製、製品名:ビニタイザー90、フタル酸ジイソノニル。
可塑剤a:両末端が水酸基であるポリオキシプロピレン重合体、水酸基1個当りの数平均分子量:1000。
可塑剤b:下記の方法で調製した、片末端にメチルジメトキシシリル基を有するポリオキシプロピレン重合体。
まずKOH触媒を用いて、ブタノールにプロピレンオキシドを開環重合し、分子量700のポリオールを得た。その後、DMC触媒を添加して、更にプロピレンオキシドを付加させ、分子量5000のポリオキシプロピレン重合体(I)を得た。重合体(I)にナトリウムメトキサイドを反応させた後、塩化アリルを添加して反応させ、重合体(I)のOH末端をアリル基にした。その後、中性白金を50ppm添加し、メチルジメトキシシランを反応させることにより、ポリオキシプロピレン鎖を有し、かつ、分子末端に1分子あたり平均して0より大きく1個以下のメチルジメトキシシリル基を有する重合体(可塑剤b)を得た。
CCR:白石工業社製、製品名:白艶華CCR、表面処理炭酸カルシウム。
ホワイトンSB:白石カルシウム社製、製品名:WhitonSB、重質炭酸カルシウム。
[タレ防止剤]
DP:楠本化成社製、製品名:ディスパロン#6500、脂肪酸アマイド。
[脱水剤]
KBM1003(製品名):信越化学工業社製、ビニルトリメトキシシラン。
[接着性付与剤]
KBM603(製品名):信越化学工業社製、アミノシランカップリング剤(N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)。
KBM403(製品名):信越化学工業社製、エポキシシランカップリング剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)。
[触媒]
U−860(製品名):日東化成社製、ジ−n−オクチル酸ビス(メルカプト酢酸イソオクチルエステル)。
以下の方法で粘度(単位;Pa・s)を測定した。
表1に示す配合で得られた硬化性組成物を23℃にて5時間貯蔵し、その後B8U型粘度計にて6号ローターを用い、6rpmの速度にて1分間回転させることによって粘度測定を行った。
一般に、硬化性組成物を基材に塗布する際の作業性の点で好ましい該粘度の範囲は5rpmで100〜1000Pa・sであり、より好ましい範囲は200〜900Pa・sである。
以下の方法でチクソ比を測定した。
上記粘度測定法と同じ方法を用い、1rpmおよび10rpmにて、1分間ローターを回転させ、得られた粘度の値を用いて1rpm/10rpmの値によって得られた値をチクソ比とした。
液体において該チクソ比が高いほどタレが生じ難い。一般に、硬化性組成物を基材に塗布する際の作業性の点で好ましいチクソ比の範囲は4.0〜8.0Pa・sであり、より好ましい範囲は5.0〜7.0Pa・sである。
参考例1〜3は、化合物(A)に代えて、変成シリコーンポリマーを含有する従来の硬化性組成物における可塑剤として公知の化合物を用いた例である。
実施例1〜4と参考例1〜3とを比べると、シリル化ウレタンポリマーを硬化成分とする硬化性組成物の低粘度化および/またはチクソ性の向上において、化合物(A)は従来の可塑剤よりも優れた効果を発揮できることがわかる。
Claims (7)
- 前記重合体(P)の100質量部に対して、前記化合物(A)を1〜70質量部含有する、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 前記イソシアネート基含有化合物(U)が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
(Si(−X1)a(−R’)3−a)−Q1−NCO ・・・(1)
(式中、X1は炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R’は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基(アルコキシ基を除く。)を表し、Q1は炭素数1〜20の2価の有機基を表し、aは1〜3の整数を表す。ただし、R’が複数存在するとき複数のR’は互いに同一でも異なっていてもよく、X1が複数存在するとき複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。) - 前記一般式(1)におけるaが3である、請求項4に記載の硬化性組成物。
- 前記ウレタン化反応に用いられる、前記水酸基含有重合体(pP)の水酸基の総数に対する前記イソシアネート基含有化合物(U)のイソシアネート基の総数のモル比(イソシアネート基/水酸基)が0.80〜1.10である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記水酸基含有重合体(pP)の、水酸基1個当りの数平均分子量が1000〜30000である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
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