JP5556013B2 - 優れた硬化性を発現する硬化性重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
該硬化性組成物としては、ポリオキシアルキレン鎖と該ポリオキシアルキレン鎖端に−OCH2CH2CH2−基もしくは−SCH2CH2CH2−基を介して結合したトリアルコキシシリル基とを有する特定重合体、またはポリオキシアルキレン鎖と該ポリオキシアルキレン鎖端にウレタン結合を介して結合したトリアルコキシシリル基とを有する特定重合体、あるいはアミノ基とアルコキシシリル基を有する化合物を含む硬化性組成物が知られている(特許文献3、特許文献4参照)。
ポリオキシアルキレン鎖と該ポリオキシアルキレン鎖端にウレタン結合を介して結合したトリアルコキシシリル基とを有する特定の重合体は、通常イソシアネート基とトリアルコキシシリル基とを有する化合物と、鎖端にヒドロキシ基を有するポリオキシアルキレン鎖の鎖端のヒドロキシ基とを反応させて製造することができる。この時、製造中に水などの化合物が混入していると、イソシアネート基が水分と反応し、ポリオキシアルキレン鎖の鎖端のヒドロキシ基とは反応しなくなってしまう。
(1)ポリオキシアルキレン鎖及びヒドロキシ基を有し、過酸化物価POV(ポリオキシアルキレン鎖が酸化されて発生する過酸化基の含有量)が、170ppm以下である重合体(pP)と、下式(1)で表されるアルコキシシリル基及びイソシアネート基を有する化合物(U)と、をウレタン化反応させるに際し、前記重合体(pP)の水分量を120ppm以下にしてウレタン化反応させ、ウレタン結合を有する、アルコキシシリル基含有オキシアルキレン重合体(P)を製造することを特徴とする硬化性重合体の製造方法。
(X1−)a(R−)bSi−QU−NCO (1)
(式中、X1は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルコキシル基であり、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、aは2または3であり、bは0または1であり、a+bは3であり、QUは、炭素数1〜20の2価の有機基である。)
(2)前記重合体(pP)の水分量を100ppm以下にしてウレタン化反応させる上記(1)に記載の硬化性重合体の製造方法。
(3)前記重合体(pP)のヒドロキシ基の総数に対する化合物(U)のイソシアネート基の総数の比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)が0.8〜1.05である上記(1)又は(2)に記載の硬化性重合体の製造方法。
(4)前記重合体(pP)が、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドを開環重合させて得られた重合体(pP1)である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性重合体の製造方法。(5)前記重合体(pP)の過酸化物価POV(ポリオキシアルキレン鎖が酸化されて発生する過酸化基の含有量)が、170ppm以下である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性重合体の製造方法。
(6)前記ウレタン化反応を、酸化防止剤の存在下で行う上記(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性重合体の製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法で製造された硬化性重合体を含有することを特徴とする硬化性組成物。
(8)上記(7)に記載の硬化性組成物が硬化してなる硬化体。
重合体(pP)におけるポリオキシアルキレン鎖は、炭素数2〜6のアルキレンオキシドの開環重合により形成されたオキシアルキレンの重合単位からなるのが好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびヘキシレンオキシドからなる群から選ばれる1種以上のアルキレンオキシドの開環重合により形成されたオキシアルキレンの重合単位からなるのがより好ましく、プロピレンオキシドの開環重合により形成されたオキシアルキレンの重合単位からなるのが特に好ましい。ポリオキシアルキレン鎖が2種以上のオキシアルキレンの重合単位からなる場合、2種以上のオキシアルキレンの重合単位の並び方は、ブロック状であってもよくランダム状であってもよい。
重合体(pP)のヒドロキシ基あたりのMnは、1000〜18000が好ましく、3000〜15000が特に好ましい。
重合体(pP)は、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドを開環重合させて得られた重合体(pP1)であるのが好ましい。以下、それぞれ、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体をDMC錯体、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒をDMC触媒ともいう。
DMC錯体における有機配位子は、エーテル系配位子またはアルコール系配位子が好ましい。エーテル系配位子の具体例としては、エチレングリコールジメチルエーテル(グライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。アルコール系配位子の具体例としては、tert−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、iso−ペンチルアルコール、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルが挙げられる。
重合体(pP1)を重合する際の重合温度は、適宜選定すればよいが、通常80〜150℃が好ましく、100〜140℃がさらに好ましい。
本発明においては、1種の重合体(pP)を用いてもよく、2種以上の重合体(pP)を用いてもよい。
(X1−)a(R−)bSi−QU−NCO (1)
(式中、X1は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルコキシル基であり、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、aは2または3であり、bは0または1であり、a+bは3であり、QUは、炭素数1〜20の2価の有機基である。)
この2価の有機基は、炭素数1〜14のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基が特に好ましい。
2価の有機基の特に好ましいものは、トリメチレン基、又はメチレン基である。
重合体(pP)の水分量は、120ppm以下であり、特に好ましくは100ppm以下である。
なお、化合物(U)は、イソシアネート基を有しているため、水分が入らないように管理される。
また、ウレタン化反応系においては、重合体(pP)と化合物(U)が存在し、通常さらに、少量のウレタン化触媒が存在する。このウレタン化反応は水分の入らない条件で行うことが好ましい。
なお、ウレタン化反応系に、溶剤などの他の化合物を添加してもよいが、その場合は、当該化合物中の水分量を減らすことが好ましく、さらに、ウレタン化反応系の水分量を上記範囲内にすることが好ましい。
水分量の測定は、微量の水分量を評価できる限り特に限定されず、容量滴定法が好ましく、電量滴定法による測定がより好ましい。また、電量滴定法において使用する陽極液は、試料が良好に溶解されるかぎり特に限定されず、メタノール溶媒品が好ましく、クロロホルムを溶媒として含有しているものが、試料をより良好に溶解させることからより好ましい。
また、本発明においては、ウレタン化反応させるに際し、重合体(pP)の過酸化物価(以下、POVという。)は、170ppm以下であり、60ppm以下であることがより好ましく、3ppm以下であることがさらに好ましい。ここで、重合体(pP)のPOVとは、重合体(pP)のポリオキシアルキレン鎖が酸化されて発生する過酸化基の含有量を示すものである。重合体(pP)のPOVが170ppmを超えると、ウレタン化反応が遅くなったり、硬化性組成物として硬化させようとしたとき、十分な硬度を発現しない硬化体になることがある。
また、本発明においては、ウレタン化反応させるに際し、酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤を添加すると、反応中のPOVの増大や、ポリオキシアルキレン鎖の酸化が防止されるため、ウレタン化反応における副反応や、酸などの反応を阻害する因子の発生を防ぐことができ、十分な硬度を発現する硬化体を提供する重合体を製造し易くなる。
酸化防止剤としては、特に限定されるものではなく、種々の酸化防止剤が使用できるが、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、又はヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。好ましい酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGANOX1010」)、6−メチルヘプチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGANOX1135」)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGANOX1076」)などが挙げられる。
酸化防止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤の添加量は、重合体(pP)100質量部に対して、0.001〜1質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部が特に好ましい。
活性化された状態のDMC触媒としては、例えば、DMC錯体の存在下で、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドを開環重合させたときの状態のDMC錯体や、同様な状態のDMC錯体が挙げられる。この場合、DMC錯体は、アルキレンオキシドの開環重合反応開始直後のものであってもよいし、該開環重合反応の途中のものであってもよいし、又は該開環重合反応の終了後のものであってもよい。
本発明において、重合体(pP)と化合物(U)のウレタン化反応時の触媒の使用量は、重合体(pP)に対して、5〜500ppmが好ましく、10〜200ppmがより好ましく、20〜100ppmが特に好ましい。500ppmを超えて添加すると、ポリマー自体の長期貯蔵安定性が低下し、5ppm未満の場合は、ウレタン化反応が進み難い。
ウレタン化反応時の触媒として、DMC触媒を用いる場合、DMC触媒の使用量は、ウレタン化反応できる量であればよいが、重合体(pP)の質量に対して、金属量換算で5〜500ppmが好ましく、5〜200ppmがより好ましく、8〜100ppmがさらに好ましく、10〜80ppmが特に好ましい。
(X1−)a(R−)bSi−QU−NHCOO− (2)
(式中、X1は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルコキシル基であり、Rは、炭素数1〜6のアルキル基であり、aは2または3であり、bは0または1であり、a+bは3であり、QUは、炭素数1〜20の2価の有機基である。)
ウレタン化反応により得られた重合体(P)は、ウレタン化触媒を分離除去することなく、又は分離除去して、本発明の硬化性組成物を得ることができる。
本発明の硬化性組成物は、硬化させる場合は、硬化触媒を含有させることができる。
かかる硬化触媒は、重合体(P)のアルコキシシリル基の加水分解反応による架橋反応の触媒として働く化合物であれば、特に限定されない。硬化触媒の具体例としては、有機スズ化合物、スズ以外の金属を含む有機金属化合物、金属有機アルコキシド、スズ以外の金属を含む錯体、有機アミン、その他の触媒が挙げられる。
硬化触媒は、取扱性の観点からは、有機スズ化合物であるのが好ましい。速硬化性の観点からは、(n−C4H9)2Sn(acac)2、(n−C8H17)2Sn(acac)2、(n−C4H9)2Sn(OC8H17)(acac)、(n−C4H9)2Sn(etac)2、または(n−C8H17)2Sn(etac)2であるのが特に好ましい。
活性の低い触媒の具体例としては、特定の、配位子中に硫黄原子を含む有機スズ化合物(クロンプトン社製商品名UL−29、日東化成社製商品名ネオスタンU−860等。)が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、重合体(P)の100質量部に対して、硬化触媒の0.001〜10質量部を含むのが好ましい。この場合、硬化速度が速く、かつ硬化時の発泡が抑制され、さらに硬化物の耐久性が優れるという効果がある。
本発明における充填材の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、シリカ、無水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、木炭、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ殻粉、もみ殻粉が挙げられる。充填材は、微少粉体であってもよく、微小中空体(シリカバルーン、シラスバルーン、ガラスバルーン、樹脂バルーン等。)であってもよい。本発明の硬化性組成物は、充填材の1種を含んでいてもよく、充填材の2種以上を含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物は、重合体(P)の100質量部に対して、充填材の1000質量部以下を含むのが好ましく、50〜250質量部を含むのが特に好ましい。
本発明における接着性付与剤の具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシラン、アミノ基を有するシラン、エポキシ基を有するシラン、カルボキシル基を有するシラン等の有機シランカップリング剤;イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)プロピルトリメトキシチタネート、3−メルカプトプロピルトリメトキチタネート等の有機金属カップリング剤;エポキシ樹脂が挙げられる。
アミノ基を有するシランの具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(N−ビニルベンジル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
カルボキシル基含有シラン類の具体例としては、2−カルボキシエチルトリエトキシシラン、2−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(N−カルボキシルメチル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
本発明における脱水剤の具体例としては、オルトぎ酸トリメチル、オルトぎ酸トリエチル、オルトぎ酸トリプロピル、オルトぎ酸トリブチル等のオルトぎ酸トリアルキル;オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリプロピル、オルト酢酸トリブチル等のオルト酢酸トリアルキルが挙げられる。
本発明におけるチキソ性付与剤の具体例としては、水添ひまし油、脂肪酸アミドが挙げられる。
本発明における顔料の具体例としては、酸化鉄,酸化クロム,酸化チタン等の無機顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料が挙げられる。
重合体(pP)のヒドロキシ基の総量に対する化合物(U)のイソシアネート基の総量の比をNCO/OHという。重合体(pP)のヒドロキシ基の総量は、JIS K1557 6.4に準拠して測定した水酸基価(mgKOH/g)より算出した。
分子量と分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標品:ポリスチレン)により測定した。
水分量測定では、三菱化成社製(現ダイアインスツルメンツ社)電量滴定式水分測定装置(CA−06型/Ver5.0)を使用した。陽極液にはアクアミクロンAS(エーピーアイコーポレーション社製)を使用し、陰極液にはアクアミクロンCXU(エーピーアイコーポレーション社製)を使用した。測定時の試料採取量は、試料の含水量に応じて調整し、0.1g〜10gの範囲で適正な量を用いた。測定は5回行い、最大値および最小値を除いた3点の平均値を測定値とした。
POVの測定は、300mLのヨウ素フラスコに試料を10g秤量し、イソプロピルアルコールを50mL入れ、試料を溶解した。ヨウ化カリウム1gを添加し、酢酸と水の質量比が1対1の混合液を2mL加えた。ヨウ素フラスコに栓をして、イソプロピルアルコールでシールした。100℃で20分間加熱し、過酸化物とヨウ化カリウムを反応させ、ヨウ素を遊離させた。チオ硫酸ナトリウム(200N)にて滴定することにより、過酸化物価を測定した。
硬度の測定は、得られた硬化体の硬度を硬度計(高分子計器社製DD2−C2型)を用いて測定した。硬度測定は5点行い最大値および最小値を除いた3点の平均値とした。
反応時間は、反応器内に原料を投入してから反応の終結が確認できるまでの時間(hr)とした。
[1]重合体(P−1)の製造
配位子がグライムである亜鉛ヘキサシアノコバルテート960mgの存在下、ポリオキシプロピレンジオール(Mn1000)300gにプロピレンオキシド4500gを開環重合させてポリオキシアルキレンジオール(Mn16000、水酸基価7.4)(重合体(pP−1))を得た。この重合体(pP−1)に酸化防止剤としてブチル化ヒドロキシトルエン(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールともいう。以下、BHTと略す。)を500ppm添加したもの3000gを、耐圧反応器(内容積5L)に入れ、内温を110℃に保持しながら水分が112ppmになるまで減圧脱水した。なお、この段階で測定した重合体(pP−1)のPOVを表1に示す。残存複合金属シアン化物錯体の触媒量は、亜鉛が21.5ppmであり、コバルトが9.2ppmであった。
上記[1]で得られた重合体(P−1)30gに、ジオクチルフタレート20g、イオン交換水0.15g、重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB:白石カルシウム社製)10g、有機錫触媒(No918:三共有機合成社製)0.75gをよく混合し、硬化性組成物を得た。次いで、ステンレス製の型に投入し、窒素気流で泡抜きした後100℃で30分間養生して厚さ9mmの硬化体(C−1)を得た。
[1]重合体(P−2)の製造
水分71ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−2)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=18000、Mw/Mn= 1.5)(重合体(P−2))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−2)を得た。
[1]重合体(P−3)の製造
水分22ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−3)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=19000、Mw/Mn=1.4)(重合体(P−3))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−3)を得た。
[1]重合体(P−4)の製造
水分9ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−4)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=18000、Mw/Mn=1.4)(重合体(P−4))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−4)を得た。
[1]重合体(P−5)の製造
水分195ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−5)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=17000、Mw/Mn=1.4)(重合体(P−5))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−5)を得た。
実施例1〜4及び比較例1における重合体の製造条件、及び、得られた硬化体の硬度を表1に示す。
一方、比較例1に示すように、水分量が150ppmを超えて製造した重合体(P−5)を使用して硬化体を作成すると、著しく硬度の低い硬化体となった。これは、イソシアナトプロピルトリメトキシシランのイソシアネート基が反応系中の水分と反応し、失活してしまい、ポリオキシアルキレンポリマーにトリメトキシシリル基が充分に導入されていないことを示している。
[1]重合体(P−6)の製造
水分12ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−6)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=18000、Mw/Mn=1.3)(重合体(P−6))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−6)を得た。
[1]重合体(P−7)の製造
BHTをIRGANOX1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の1000ppmに変え、水分31ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−7)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=18000、Mw/Mn=1.5)(重合体(P−7))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−7)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−7)を得た。
[1]重合体(P−8)の製造
BHTをIRGANOX1135(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の1000ppmに変え、水分26ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−8)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=19000、Mw/Mn=1.4)(重合体(P−8))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−8)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−8)を得た。
[1]重合体(P−9)の製造
BHTをIRGANOX1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)の1000ppmに変え、水分42ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−9)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=19000、Mw/Mn=1.4)(重合体(P−9))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−9)を得た。
[1]重合体(P−10)の製造
BHTを添加せず、水分20ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−10)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=17000、Mw/Mn=1.5)(重合体(P−10))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−10)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−10)を得た。
[1]重合体(P−11)の製造
BHTを添加せず、水分21ppmになるまで減圧脱水した以外は実施例1と同様にして重合体(P−11)を得た。反応器内容物を分析した結果、ウレタン結合およびポリオキシプロピレン鎖、そしてトリメトキシシリル基を有する重合体(Mn=17000、Mw/Mn=1.5)(重合体(P−11))の生成を確認した。
[2]硬化性組成物及び硬化体の製造
上記[1]で得られた重合体(P−11)を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物及び硬化体(C−11)を得た。
実施例5〜10における重合体の製造条件、及び、得られた硬化体の硬度を表2に示す。
なお、2006年6月30日に出願された日本特許出願2006−182001号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として取り入れるものである。
Claims (8)
- ポリオキシアルキレン鎖及びヒドロキシ基を有し、過酸化物価POV(ポリオキシアルキレン鎖が酸化されて発生する過酸化基の含有量)が、170ppm以下である重合体(pP)と、下式(1)で表されるアルコキシシリル基及びイソシアネート基を有する化合物(U)と、をウレタン化反応させるに際し、前記重合体(pP)の水分量を120ppm以下にしてウレタン化反応させ、ウレタン結合を有する、アルコキシシリル基含有オキシアルキレン重合体(P)を製造することを特徴とする硬化性重合体の製造方法。
(X1−)a(R−)bSi−QU−NCO (1)
(式中、X1は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルコキシル基であり、Rは、炭素数
1〜6のアルキル基であり、aは2または3であり、bは0または1であり、a+bは3であり、QUは、炭素数1〜20の2価の有機基である。) - 前記重合体(pP)の水分量を100ppm以下にしてウレタン化反応させる請求項1に記載の硬化性重合体の製造方法。
- 前記重合体(pP)のヒドロキシ基の総数に対する化合物(U)のイソシアネート基の総数の比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)が0.8〜1.05である請求項1または2に記載の硬化性重合体の製造方法。
- 前記重合体(pP)が、有機配位子を有する複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、活性水素原子を有する化合物にアルキレンオキシドを開環重合させて得られた重合体(pP1)である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性重合体の製造方法。
- 前記重合体(pP)の過酸化物価POV(ポリオキシアルキレン鎖が酸化されて発生する過酸化基の含有量)が、60ppm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性重合体の製造方法。
- 前記ウレタン化反応を、酸化防止剤の存在下で行う請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性重合体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で製造された硬化性重合体を含有することを特徴とする硬化性組成物。
- 請求項7に記載の硬化性組成物が硬化してなる硬化体。
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