JP3528942B2 - アルケニル基を有する重合体を用いた硬化性組成物 - Google Patents
アルケニル基を有する重合体を用いた硬化性組成物Info
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Description
鎖中にウレタン結合、または尿素結合を介してアルケニ
ル基を有する重合体を含む硬化性組成物に関する。
生成する硬化性組成物としては、各種のものが開発され
ている。中でも深部硬化性に優れた硬化系として、末
端、もしくは分子鎖中に、一分子当たり平均2個以上の
アルケニル基を有する重合体を、一分子当たり平均2個
以上のヒドロシリル基を有する化合物を用いて架橋させ
る硬化系(以後、シリコン付加型硬化系と称す)は、速
硬化性と深部硬化性を特徴とするとともに、生成するケ
イ素−炭素結合の安定性に由来する、耐熱性、耐候性、
耐久性などの良好な物性を有する硬化物を与えることが
知られている。しかし、これら良好な物性の一方で、ケ
イ素−炭素結合、あるいはケイ素−酸素結合が可撓性に
富むため、得られる硬化物は、通常、機械的強度が低い
という問題があった。従って、このシリコン付加型硬化
系の本来の特徴である速硬化性、深部硬化性等を損なう
ことなく、硬化物の機械的強度を向上させることが望ま
れている。
の一般的な合成法としては、分子中に水酸基を有する重
合体と、分子内にアルケニル基、および水酸基と反応す
る官能基を併せ持つ化合物を適当な条件で反応させる方
法が広く用いられてきた。この際の具体的な反応条件と
しては、塩化アリルや臭化アリルなどのハロゲン化アル
ケニル化合物と、ナトリウムメトキサイドやカリウム−
tert.−ブトキシド等の強塩基を用いる方法、アクリロ
イルクロライドなどの酸塩化物とピリジン、トリエチル
アミンなどの弱塩基を用いる方法、アリルグリシジルエ
ーテルなどのエポキシ含有化合物と塩化第二スズなどの
ルイス酸を用いる方法、ウンデシレン酸などのカルボン
酸とp−トルエンスルホン酸などの酸触媒を用いる方法
などが挙げられる。これらの合成条件は原料の重合体に
応じて、最適な方法が適宜選択されているが、いずれ
も、合成法としていくつかの問題点がある。
法は、アルケニル基の導入率が高く良好な方法である
が、強塩基に対して不安定な基を有する重合体(例え
ば、アクリル酸エステル系重合体)には適用できず、さ
らに、重合体の種類によっては、塩基との相溶性が悪
く、反応剤を大量に用いなければならないという欠点が
ある。
に不安定な基を有する重合体にも使用することができる
が、アルケニル基を有する酸塩化物は一般に高価であ
り、また、反応後に、弱塩基として通常用いられるピリ
ジン等の窒素含有化合物が重合体中に微量でも残留して
いると、その後のヒドロシリル化による硬化を著しく阻
害する。
応後にフリーな水酸基が重合体中に残り、ヒドロシリル
化による硬化の際に発泡の原因となる。また、反応に用
いるルイス酸触媒は通常除去し難く、硬化阻害を起こし
たり、硬化物の物性低下を引き起こす。さらに、カルボ
ン酸と酸触媒を用いる方法でも、触媒の残留により、硬
化阻害、あるいは、硬化物の物性低下につながるという
問題がある。
体へのアルケニル基の導入に関し、幅広い種類の重合体
に適用することができ、安価でかつ、硬化の際に問題を
生じないという条件をすべて満たす製造法は知られてい
ないというのが現状であった。本発明はかかる実状に鑑
み、これらの問題を解決して、ヒドロシリル化反応を用
いた硬化系においても機械的強度の大きい硬化物を与え
るアルケニル基含有重合体用いた硬化性組成物を提供す
るものである。
たは分子鎖中にアルケニル基を有する重合体として、ウ
レタンまたは尿素結合を介してアルケニル基を有する重
合体を用いることによって、硬化物の機械的強度が、従
来のものより大きく改良されることを見いだし、本発明
に到達した。
び(C)を必須成分とする硬化性組成物に関するもので
ある。 (A)ポリエーテル系重合体、炭化水素系重合体、ポリ
エステル系重合体およびアクリル系重合体からなる群か
ら選択される重合体の、分子末端または分子鎖中に一般
式(I)で示されるアルケニル基を有する重合体、
またはメチル、R2は2価の有機基、R3はXが酸素の場
合、なし、窒素の場合、水素、または、炭素数が1〜1
2のアルキル基、アリール基、アルケニル基、nは2以
上の整数、R4は2価以上の有機基)、(B)分子中に
少なくとも2個のヒドロシリル基を有する
アルケニル基を導入するためのアルケニル基含有活性水
素化物(後述する一般式IIIで示される化合物)の部分
骨格であり、各種のものを使用することができる。例示
するならば、
ルケニルアルコール、アルケニルアミンの入手の容易さ
から、下記のものが好ましい。 −(CH2)p− (pは1〜15の整数) −(CH2)p−O−(CH2)q− (p,qは1〜15
の整数) 式IのXが窒素の場合、R3は水素または1価の有機基
である。1価の有機基としては炭素数1〜12のアルキ
ル基、アリール基、またはアルケニル基を用いることが
できる。
ネート基を有する化合物の母核に相当する有機基であ
り、種々のものを用いることができる。例示するなら
ば、
ものが、原料の多価イソシアネート化合物が安価であり
好ましい。
るアルケニル基を有する重合体(以下、(A)成分を重
合体(A)ともいう)の主鎖骨格としては特に制限はな
く、各種主鎖骨格のものを用いることができる。具体的
に例示ずるならば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプ
ロピレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチ
レン−ポリオキシプロピレン共重合体などのポリエーテ
ル系重合体、テレフタル酸やイソフタル酸、アジピン酸
等の2塩基酸とエチレングリコール等のグリコールとの
縮合、または、ラクトン類の開環重合で得られるポリエ
ステル系重合体、エチレン−プロピレン系共重合体、ポ
リイソブチレン、イソブチレンとイソプレンとの共重合
体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンと
ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等との共重合
体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、イソプレンある
いはブタジエンとアクリロニトリル、スチレン等との共
重合物を水素添加して得られるポリオレフィン系重合
体、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチル
メタクリレートなどのモノマーとヒドロキシエチルメタ
クリレートなどの水酸基含有モノマーを共重合して得ら
れる(メタ)アクリル酸エステル系重合体、さらに上記
重合体にスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等の
ビニルモノマーを共重合したもの、ビスフェノールAの
ようなジヒドロキシ化合物とジメチルカーボネートの縮
合で得られるカーボネート系重合体などがあげられ、こ
れらは単独、または2種以上の組み合わせで用いること
ができる。
分子平均、1より大きければよいが、1.5以上である
ことが好ましい。1.5未満であると、後述する硬化が
遅くなり、硬化不良を起こす場合が多い。重合体(A)
の製造方法について説明する。この製造法としては、具
体的には分子鎖末端または分子鎖中に水酸基を有する重
合体に対し、式IIで示される、1分子内に2個以上のイ
ソシアネート基を有する化合物と、式IIIで示される、
1分子内に少なくとも1個のアルケニル基、およびイソ
シアネート基と反応する水酸基またはアミノ基を有する
化合物を反応させることが挙げられる。
の有機基、nは2以上の整数)
またはメチル、R2は2価の有機基、R3はXが酸素の場
合、なし、窒素の場合、水素、または、炭素数が1〜1
2の1価のアルキル基、アリール基、アルケニル基)分
子鎖末端または分子鎖中に水酸基を有する重合体として
は、種々の主鎖骨格のものが市販されている。
プロピレン等のポリエーテル系重合体が挙げられ、製造
法上、必然的に分子鎖末端に水酸基を有する。ポリエス
テル系の重合体については、二塩基酸とグリコールの縮
重合の際に、グリコール成分を小過剰用いることにより
両末端を水酸基とすることができる。ポリラクトン系重
合体では、エチレングリコール等の二官能開始剤により
開環重合を開始することにより、両末端を水酸基とする
ことができる。また、ポリブタジエンやポリイソプレン
等の炭化水素系重合体では水酸基イオンで重合を開始
し、エチレンオキシド等で停止させることにより、両末
端に水酸基が導入される。さらに、アクリル系重合体の
場合は、メタクリル酸ヒドロキシエチル等の水酸基含有
モノマーを共重合することにより、分子鎖中に水酸基を
導入できる。これらの水酸基含有重合体は単独で用いて
も、2種類以上を混合して用いてもよい。
ネート基を有する化合物としては、R4(母核)を有す
る化合物をすべて用いることができる。具体的に例示す
るならば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、インホロンジイソシアネー
ト、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6
−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4′,4′′−トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、チオリン酸トリス(4−イソシアネート
フェニルエステル)、水素化ジフェニルメタンジイソシ
アネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化
キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物
である。また、スミジュールN(住友バイエルウレタン
社製)の如きビュレットポリイソシアネート化合物、デ
スモジュールIL,HL(バイエルA.G.社製)、コ
ロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)製)の如き
イソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合
物、スミジュールL(住友バイエルウレタン社製)の如
きアダクトポリイソシアネート化合物も用いることがで
きる。これらのうち、2,4−および2,6−トルエン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘ
キサンジイソシアネートが安価であり好ましい。これら
は単独で使用し得るほか、2種以上を併用することもで
きる。
も1個のアルケニル基と、イソシアネート基と反応する
水酸基またはアミノ基を併せ有する化合物、即ち、アル
ケニル基含有活性水素化物としては特に制限はなく各種
のものを用いることができる。式IIIの2価の有機機
R2、およびR3については、既に説明した。これらの化
合物のうち、入手のしやすさから、式IV、または、Vで
表されるアルケニルアルコールおよび、式VIで表される
アルケニルアミンが好適に用いられる。さらに、これら
の中でもアリルアルコール、メタアリルアルコール、ウ
ンデシレニルアルコール、エチレングリコールモノアリ
ルエーテル、ホモアリルアルコール、アリルアミン、ジ
アリルアミンが特に好ましい。
〜15の整数を表す)
は1〜15の整数を表す)
〜15の整数、rは1または2、sは1または2、ただ
し、r+s=3)水酸基を有する重合体にアルケニル基
を導入する具体的な重合体(A)の製造法としては、次
のいずれかを用いることができる。水酸基含有重合体
と多価イソシアネート化合物をまず反応させたのち、ア
ルケニル基含有活性水素化物と反応させる、多価イソ
シアネート化合物とアルケニル基含有活性水素化物を予
め反応させた後、水酸基含有重合体と反応させる、こ
れら3成分を一括で仕込む。
が、水酸基含有重合体の両末端にアルケニル基を定量的
に導入するためには、イソシアネート基と重合体の水酸
基のモル比が2以上であることが好ましい。イソシアネ
ート化合物の使用量が不十分であると重合体の分子鎖延
長反応が顕著になり、非常に高粘度で取り扱いにくい重
合体が得られる。また、イソシアネート基を完全に消費
するために、アルケニル基含有活性水素化物は過剰量用
いるのが好ましく、具体的には、イソシアネート基に対
して1.5倍以上用いるのが良い。使用量が不十分で、
反応後にイソシアネート基が残留すると、後処理工程な
どで徐々に加水分解してアミノ基を生成し、シリコン付
加型硬化の際に硬化触媒を被毒して硬化阻害を起こす原
因となる。
を使用してもよい。溶媒としては、非プロトン性の溶
媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素
系の溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の
エーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化
炭素等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。
基と水酸基、またはアミノ基を反応させる際に、通常用
いられる触媒を使用しても良い。この目的のために用い
られる触媒の具体例としては、ジアザビシクロウンデセ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン系
化合物や、塩化スズ等のスズ系化合物が挙げられる。但
し、これらの化合物を反応後に重合体から除去するのが
難しい場合は、やはり、シリコン付加型硬化反応の際に
硬化阻害の原因になるため、使用しない方が好ましい。
重合体に対して安価な原料を用い、穏和な条件でアルケ
ニル基を導入することができるので、工業的な観点から
メリットが大きい。本発明は重合体(A)、分子中に2
個以上のヒドロシリル基を有する硬化剤(B)(以下、
(B)成分を硬化剤(B)ともいう)およびヒドロシリ
ル化触媒(C)を必須成分とするものである。
上を併用しても良い。
ル基を有する硬化剤としては、分子中に2個以上のアル
ケニル基を有する低分子化合物に対し、式IX
のアルキル基またはフェニル基、R 10 は炭素数1〜10
のアルキル基またはアラルキル基、dは0≦d≦8、e
は2≦e≦10、tは0≦f≦8の整数を示し、かつ3
≦d+e+t≦10である)に示したヒドロシリル基含
有化合物を、反応後にも1部のヒドロシリル基が残るよ
うにして付加反応させて得られる化合物を用いる。分子
中に2個以上のアルケニル基を有する化合物としては、
各種のものを用いることができる。例示するならば1,
4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘ
プタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエ
ン、1,9−デカジエン等の炭化水素系化合物、O,
O′−ジアリルビスフェノールA、3,3′−ジアリル
ビスフェノールA等のビスフェノールA系化合物、ジア
リルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリル
トリメリテート、テトラアリルピロメリテート等のエス
テル系化合物、ジエチレングリコールジアリルカーボネ
ート等のカーボネート系化合物が挙げられる。
化合物に対し、ヒドロシリル化触媒の存在下、上に挙げ
たアルケニル基含有化合物をゆっくり滴下することによ
り該化合物を得ることができる。このような化合物のう
ち、原料の入手の容易さ、過剰に用いたシロキサンの除
去のしやすさ、さらには(A)成分の重合体への相溶性
等を考慮して、下記のものが好ましい。
で混合することができるが、硬化性の面から、アルケニ
ル基とヒドロシリル基のモル比が5から0.2の範囲に
あることが好ましく、さらに、2.5〜0.4であるこ
とが特に好ましい。モル比が5以上になると硬化が不十
分でべとつきのある強度の小さい硬化物しか得られず、
また、0.2より小さいと、硬化後も硬化物中に活性な
ヒドロシリル基が大量に残るので、クラック、ボイドが
発生し、均一で強度のある硬化物が得られない。
は、2成分を混合して加熱する事により進行するが、反
応をより迅速に進めるために通常はヒドロシリル化触媒
((C)成分)、好ましくは遷移金属触媒が添加され
る。このような遷移金属触媒としては公知のもの、例え
ば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等
の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化
白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、
白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH2=CH2)2(PP
h3)2、Pt(CH2=CH2)Cl2)、白金(0)−ジビニルテトラ
メチルジシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体(例え
ば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4)、白金−ホスファイト錯体
(例えば、Pt[P(OPh)3]4、Pt[P(OBu)3]4) 、ジカルボニ
ルジクロロ白金、また、Ashbyの米国特許第31596
01および3159662号明細書中に記載された白金
−炭化水素複合体、並びにLamoreauxの米国特許322
0972号明細書中に記載された白金アルコラート錯体
も挙げられる。さらに、Modicの米国特許第35169
46号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合
体も本発明において有用である。
は、RhCl(PPh3)3、RhCl3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlC
l3、PdCl2・H2O、NiCl2、TiCl4等が挙げられる。これら
の触媒は単独で用いても良く、2種以上併用しても構わ
ない。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分の
アルケニル基1molに対して10-1〜10-8molの
範囲で用いるのがよく、好ましくは10-3〜10-6mo
lの範囲で用いるのがよい。10-8molより少ないと
硬化が十分に進行しない。またヒドロシリル化触媒は高
価であるため10-1mol以上用いないのが好ましい。
混合し硬化させれば、発泡等の現象を伴うことなく、深
部硬化性に優れた均一な硬化物が得られる。硬化条件に
ついては特に制限はないが、一般に0℃〜200℃、好
ましくは30〜150℃で10秒〜4時間硬化するのが
よい。特に80〜150℃の高温では10秒〜1時間程
度の短時間で硬化するものも得られる。硬化物の性状は
用いる(A)成分の重合体および(B)成分の硬化剤の
主鎖骨格や分子量等に依存するが、ゴム状のものから樹
脂状のものまで幅広く作成することができる。特に本発
明の硬化系は、シリコン付加型硬化系の本来の特徴であ
る速硬化性、深部硬化性を保持しつつ、重合体中のウレ
タンまたは尿素結合の凝集力により、従来のシリコン付
加型硬化物に比較して機械的強度が大きく改良された硬
化物を与えるのが特徴である。
(B)、(C)の必須3成分の他に、その使用目的に応
じて溶剤、接着性改良剤、保存安定性改良剤、可塑剤、
充填材、老化防止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、
オゾン劣化防止剤、光安定剤、アミン系ラジカル連鎖禁
止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤等の
各種添加剤を適宜添加できる。
化物は種々の用途に用いることができる。例を挙げるな
らば、接着剤、粘着剤、シーリング材、塗料、発泡体、
エラストマー、人工大理石等である。
と併せて説明するが、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。 −実施例1− 滴下ロート、撹拌捧を備えた500mLの4つ口フラス
コを窒素置換し、両末端水酸基封鎖ポリプロピレングリ
コール(日本油脂(株)製:ユニオール2000,分子
量Mn=3200,99.8g)およびTHF(50m
L)を加えた。反応器を50℃に加熱し、2,4−トル
エンジイソシアネート(17.4g、99.8mmo
l)のTHF溶液(50mL)を滴下し、そのままの温
度で3時間撹拌を続けた。アリルアルコール(10.2
mL,150mmo1)を添加し、さらに同じ温度で2
時間撹拌を続けた。揮発分を減圧下留去し、末端がアリ
ル基で封鎖されたPPGオリゴマー(重合体1)を10
5.3g得た。オリゴマーの分子量は、GPC測定(ポ
リスチレン換算)によりMn=6200、アリル化率は
1H−NMRより82%であった。
リルエーテルを用いる以外は実施例1とまったく同様な
手法により、末端がアリル基で封鎖されたPPGオリゴ
マー(重合体2)を得た。オリゴマーの分子量は、GP
C測定(ポリスチレン換算)によりMn6100,アリ
ル化率は1H−NMRより80%であった。
コを窒素置換し、両末端水酸基封鎖ポリプロピレングリ
コール(日本油脂(株)製:ユニオール2000,分子
量Mn=3200,94.1g)およびトルエン(50
mL)を加えた。反応器を50℃に加熱し、カリウム−
t−ブトキシド(15.8g,141mmol)のトル
エン懸濁液(50mL)を添加した。反応器をさらにl
00℃まで加熱し、3時間撹拌を続けた。温度を60℃
まで下げ、塩化アリル(13.8mL,169mmo
1)をゆっくり滴下し、そのままの温度で2時間撹拌し
た。反応器を80℃に加熱し、ケイ酸アルミ(20g)
を加え、2時間撹拌した。冷却後、固形分を濾別し、濾
液を減圧下濃縮し、両末端がアリル基で封鎖されたPP
Gオリゴマー(重合体3)を90.4g得た。オリゴマ
ーの分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により、
Mn=3200,アリル化率は1H−NMRより99%
であった。
末端にアリル基を有するポリプロピレングリコールを得
た。すなわち、平均分子量3000であるポリプロピレ
ングリコールと水酸化ナトリウムを加えて60℃で撹拌
し、ブロモクロロメタンを加えて反応させ、分子量を増
大させた。次に塩化アリルを加えて110℃で2時間反
応させた。ケイ酸アルミにより処理し、目的とする両末
端アリル化ポリプロピレングリコール(重合体3)を得
た。オリゴマーの分子量はGPCにより14400、ア
リル化率は92%であった。−実施例3−滴下ロート、
撹拌捧を備えた500mLの4つ口フラスコを窒素置換
し、両末端水酸基封鎖水添ポリイソプレン(出光石油製
エポール、分子量Mn=4200、97.8g)および
THF(50mL)を加えた。2,4−トルエンジイソ
シアネート(15.3g,88mmol)のTHF溶液
(50mL)を滴下し、そのままの温度で3時間撹拌を
続けた。アリルアルコール(9mL,132mmol)
を滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。揮発分を減圧下
留去し、生成物をアセトンより再沈することにより、両
末端アリル基封鎖水添ポリイソプレン(重合体4)を1
05g得た。オリゴマーの分子量はGPC測定(ポリス
チレン換算)によりMn=9400、アリル化率は1H
−NMRより81%であった。
リルエーテルを用いる以外は実施例3とまったく同様な
手法を用いることにより、末端がアルケニル基で封鎖さ
れた水添ポリイソプレン(重合体5)を得た。分子量は
GPC測定により9100、アリル化率は1H−NMR
より84%であった。
ール、分子量Mn=4200、159g)、カリウム−
t−ブトキシド(27.3g,243mmol)、塩化
アリル(26.4mL,324mmol)、およびトル
エン(150mL)を用い、比較例1に示した方法に従
い、両末端アリル化水添ポリイソプレン(重合体6)を
得た。分子量はMn=4400,アリル化率は99%で
あった。
4つ口フラスコを窒素置換し、両末端水酸基封鎖ポリカ
プロラクトン(ダイセル社製PLACCELH1P、分
子量Mn=10000、100g)およびTHF(10
0mL)を加え、50℃に加熱した。2,4−トルエン
ジイソシアネート(3.48g,20mmol)のTH
F溶液(5mL)を滴下し、そのままの温度で3時間撹
拌した。エチレングリコールモノアリルエーテル(3.
06g,30mmol)を滴下し、さらに2時間撹拌を
続けた。揮発分を減圧下留去し、生成物をメタノールよ
り再沈することにより、両末端アリル基封鎖ポリカプロ
ラクトン(重合体7)を得た(102.1g)。オリゴ
マーの分子量はGPCにより37000,アリル化率は
84%であった。
フラスコを窒素置換し、両末端水酸基封鎖ポリカプロラ
クトン(ダイセル社製PLACCEL H1P,分子量
Mn=10000、400g)、トルエン(200m
L)を加え、80℃にて1時間共沸脱水した。窒素で置
換した後、トルエン(350mL)、THF(100m
L)、ピリジン(24.3mL,300mmol)を加
えた。ウンデセン酸クロライド(42.95mL、20
0mmol)を滴下ロートより、内温が60℃を越えな
いように、約20分で滴下した。反応器を85℃まで加
熱し、13時間撹拌して反応を停止した。反応溶液をセ
ライトを用いて濾過し、ピリジン塩酸塩を除去した後、
濾液を希塩酸で洗浄した。共沸脱水の後、ケイ酸アルミ
(50g)で3時間処理した。固形分を濾別し、メタノ
ールおよびヘキサンより再沈殿することにより、両末端
にアルケニル基を有するポリカプロラクトン(重合体
8)を白色固体として得た(323g)。分子量はGP
Cより21000、アリル化率は91%であった。
0mL4つ口フラスコを窒素置換した。セプタムラバー
よりトルエン(80mL)を加え、内温を90℃に保っ
た。アクリル酸ブチル(91.8mL、0.64mmo
l)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(13.8mL,
0.11mol)、ドデシルメルカプタン(5.75m
L,0.024mol)、2,2´−アゾビスイソブチ
ロニトリ ル(AIBN)(4.17g,0.024mo
l)、およびトルエン(40mL)の混合物を、シリン
ジポンプにより、セプタムラバーから4時間かけて滴下
した。滴下終了後、転化率の向上のために、ドデシルメ
ルカプタン(0.49g)、AIBN(0.5g)のト
ルエン溶液(12mL)を更に1時間かけて添加した。
反応液をヘキサンより再沈澱し、減圧乾燥器で90℃、
5時間乾燥し、74.6gのオリゴマー(アクリル酸ブ
チル−メタクリル酸ヒドロキシエチル(BA−HEM
A)共重合体)を得た。
(20mL)を4つ口フラスコに秤り取り、窒素置換し
た。反応器を50℃に加熱し、2,4−トルエンジイソ
シアネート(19.3g,111mmol)を加え、そ
のままの温度で3時間撹拌を続けた。エチレングリコー
ルモノアリルエーテル(17.0g,167mmol)
を滴下し、さらに同じ温度で2時間撹拌を続けた。揮発
分を減圧下留去し、得られたオリゴマーをヘキサンから
再沈することにより分子鎖中にアルケニル基を有するB
A−HEMA共重合体(重合体9)を得た。分子量はG
PCより11700,アリル化率は84%であった。
EMA共重合体(12.8g)にトルエン(50mL)
を加え,ポリマーを溶解後、アリルグリシジルエーテル
(2.96mL,25mmol)、SnCl4(18
7.2μl,1.6mmo1)を加え、110℃で4時
間撹拌した。反応液をヘキサン中に滴下して再沈澱し、
分子鎖中にアルケニル基を有するアクリル系共重合体
(重合体10)を12g得た。分子量はGPCより64
00、アリル化率は74%であった。
下式1または2で表されるヒドロシリル基含有化合物、
および、白金−1,1,3,3−テトラメチル−1,3
−ジビニルジシロキサン錯体(キシレン溶液)を所定量
秤り取り、よく混合した後、遠心分離器を用いて脱泡し
た。3成分の所定量とは、ヒドロシリル基含有化合物の
ヒドロシリル基とアルケニル基含有重合体のアルケニル
基がモル比で1.2となる量、また、白金触媒がアルケ
ニル基に対して5.0×10-4当量となる量である。
ットプレート上で爪楊枝で撹拌しつつゲル化するまでの
時間を測定した。結果を表1に示す。残った組成物を厚
さ3mmの型枠に流し込み減圧乾燥器で再び脱泡した。
なお、実施例5で得られたポリカプロラクトンは常温で
固体であるためトルエン溶液として均一に混合し、型枠
に流し込んで、減圧脱泡の際にトルエンを留去した。こ
れらを100℃で1時間硬化させ、いずれの場合も厚さ
約3mmの均一な硬化物が得られた。
に準拠した3号ダンベルを打ち抜き、引張速度200m
m/minで引張試験を行った。結果を表1に示した。
TBは最大破断応力、M100 は100%モジュラス、E
B は破断伸びを示す。
用い、実施例7〜12と全く同様にして、ゲル化時間、
および、硬化物の引張試験を行った。結果を表1に併記
した。
タンまたは尿素結合を介してアルケニル基を有する重合
体を用いれば、シリコン付加型硬化系の本来の特徴であ
る速硬化性、深部硬化性を保持しつつ、従来に比較して
機械物性が大きく改良された硬化物を得ることができ
る。また、該アルケニル基含有重合体は、安価な原料を
用い、穏和な条件で種々の主鎖骨格を有する水酸基含有
重合体に適用することで容易に製造することができる。
このアルケニル基含有重合体は、従来の重合体の比較例
1〜5に示したように、主鎖によって最適な方法をそれ
ぞれ選択する必要がないので工業的に有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記の成分(A),(B),および
(C)を必須成分とする硬化性組成物; (A)ポリエーテル系重合体、炭化水素系重合体、ポリ
エステル系重合体およびアクリル系重合体からなる群か
ら選択される重合体の、分子末端または分子鎖中に一般
式(I)で示されるアルケニル基を有する重合体、 【化1】 (式中、Xは酸素または窒素、R1は水素またはメチ
ル、R2は2価の有機基、R3はXが酸素の場合、なし、
窒素の場合、水素、または、炭素数が1〜12のアルキ
ル基、アリール基、アルケニル基、nは2以上の整数、
R4は2価以上の有機基)、(B)分子中に少なくとも
2個のヒドロシリル基を有する 【化2】 からなる群より選ばれる硬化剤、 (C)ヒドロシリル化触媒。 - 【請求項2】 式Iの2価の有機基R2が−(CH2)p−
(pは1〜15の整数) −(CH2)p−O−(CH2)q− (p,qは1〜15
の整数) よりなる群から選ばれる少なくとも1つの基である請求
項1記載の硬化性組成物。 - 【請求項3】 式Iの有機基R4が 【化3】 よりなる群より選ばれる少なくとも1つの基である請求
項1記載の硬化性組成物。 - 【請求項4】 (A)成分のアルケニル基と(B)成分
のヒドロシリル基のモル比が0.4〜2.5の範囲であ
る請求項1記載の硬化性組成物。
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JP09592495A JP3528942B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | アルケニル基を有する重合体を用いた硬化性組成物 |
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JPH08269333A JPH08269333A (ja) | 1996-10-15 |
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JP5070766B2 (ja) * | 2006-08-25 | 2012-11-14 | 旭硝子株式会社 | 硬化性組成物 |
-
1995
- 1995-03-30 JP JP09592495A patent/JP3528942B2/ja not_active Expired - Fee Related
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