JP2008045059A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 トリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基などの反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)、およびトリアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基などの反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B)を含有する硬化性組成物であって、オキシアルキレン重合体(A)の反応性ケイ素基中に、トリアルコキシシリル基の反応性ケイ素基(S1)を10〜100%含むことを特徴とする硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
このようなオキシアルキレン系重合体の問題点を改良する方法として、メチルジメトキシシリル基末端オキシアルキレン系重合体に反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドする方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、特許文献2の硬化性組成物においても、耐候性は改善されるが硬化速度は十分ではなかった。
すなわち、本発明は、下記式(2)で表される反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)、および下記式(2)で表される反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B)を含有する硬化性組成物であって、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)の反応性ケイ素基中に、式(1)で表される反応性ケイ素基(S1)を10〜100%含むことを特徴とする硬化性組成物を提供する。
(式中、Rは独立して炭素数1〜6の有機基である。)
−SiX1 aR1 3−a ・・・(2)
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基であり、X1は水酸基又は加水分解性基であり、aは1〜3の整数である。ただし、R1が複数存在するとき複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよく、X1が複数存在するとき複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。)
−Si(OCH3)3 ・・・(3)
また、本発明は、上記硬化性組成物において、前記反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)が、ポリオキシアルキレン鎖とヒドロキシル基を有する重合体と、式(4)で表される化合物とを、ウレタン化反応させて得られた重合体(A1)である硬化性組成物を提供する。
(式中、X1、R1は上記式(1)のX1、R1と同じである。aは1〜3の整数である。ただし、R1が複数存在するとき複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよく、X1が複数存在するとき複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。)
また、本発明は、上記硬化性組成物において、前記(メタ)アクリル重合体(B)の反応性ケイ素基中に、上記式(1)で表される反応性ケイ素基(S2)を10〜100%含む硬化性組成物を提供する。
また、本発明は、上記硬化性組成物において、前記(メタ)アクリル重合体(B)の反応性ケイ素基(S2)が、上記式(3)で表される反応性ケイ素基である硬化性組成物を提供する。
−Si(OR)3 ・・・(1)
(式中、Rは独立して炭素数1〜6の有機基である。)
−SiX1 aR1 3−a ・・・(2)
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基であり、X1は水酸基又は加水分解性基であり、aは1〜3の整数である。ただし、R1が複数存在するとき複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよく、X1が複数存在するとき複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。)
式(2)中、X1は水酸基又は加水分解性基である。ここで、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応及び/又は縮合反応によってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。この加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基、カルバモイル基、アミノ基、アミノオキシ基、ケトキシメート基が挙げられる。加水分解性基が炭素原子を有する場合、その炭素数は6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
上記式(1)は、ポリオキシアルキレン鎖端に2価連結基(炭素数1〜20の2価有機基が好ましい。)を介して結合した基であるのが好ましい。
反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)は、前記反応性ケイ素基中に、式(1)で表される反応性ケイ素基(S1)を10〜100%含むものである。
式(1)で表されるトリアルコキシシリル基が10%より少ない場合には十分な硬化速度を得ることができない。
開始剤は1種のみを用いることも2種以上を併用することもできる。
以下に説明する不飽和基へのヒドロシランまたはメルカプトシランの付加反応を用いて分子末端に反応性ケイ素基を導入する方法を用いる場合は、不飽和基を有するオキシアルキレン重合体、例えば、アリルアルコールを開始剤としてアルキレンオキシドを重合して得られるアリル末端ポリオキシプロピレンモノオールなども使用できる。
−R2 −SiR1 3−aX1 a ・・(5)
−R2 −Si(OR)3 ・・(6)
上記式(5)中、R1、X1及びaは上記(2)と同じであり、式(6)中、Rは上記式(1)のRと同じである。R2
は2価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜17の2価の炭化水素基であり、特に好ましくは、トリメチレン基(−CH2CH2CH2−)である。
(イ−1)上記不飽和基に白金化合物などの触媒の存在下、下記式(7)で表されるヒドロシリル化合物を反応させる、いわゆるヒドロシリル化反応を用いる方法。
HSiR1 3−aX1 a ・・(7)
上記式(7)中、R1、X1及びaは上記(2)と同じである。
R1 3−aX1 aSi−R2 −SH ・・(8)
上記式(8)中、R1、X1及びaは上記(2)と同じである。R2 は炭素数1〜20の2価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜17の2価の炭化水素基であり、特に好ましくは、トリメチレン基(−CH2CH2CH2−)である。
上記式(8)で表されるメルカプトシラン化合物としては、例えば3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリイソプロペニルオキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルモノメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
R1 3−aX1 aSi−R2− NCO ・・(9)
上記式(9)中、R1、X1及びaは上記(2)と同じである。R2 は2価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜17の2価の炭化水素基であり、特に好ましくは、トリメチレン基である。式(9)で表される化合物としては、1−イソシアネートメチルトリメトキシシラン、1−イソシアネートメチルトリエトキシシラン、1−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、1−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、1−イソシアネートメチルメチルジメトキシシラン、1−イソシアネートメチルジメチルモノメトキシシラン、1−イソシアネートメチルメチルジエトキシシラン、1−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、1−イソシアネートプロピルジメチルモノメトキシシラン、1−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルジメチルモノメトキシシラン、および3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランなどのイソシアネートシラン系化合物が例示できる。この中で、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、1−イソシアネートメチルメチルジメトキシシランがさらに好ましく、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
さらに好ましいNCO基とOH基の比率は、NCO/OH(モル比)=0.85〜1.00である。NCO比率が少ない場合には、残ったOH基とアルコキシシリル基との反応等が起こり、貯蔵安定性が好ましくない。そのような場合には、新たにイソシアネートシラン化合物かもしくはモノイソシアネート化合物を反応させ、過剰のOH基を消費し、所定のシリル化率に調整することが好ましい。
(ハ)分子末端に水酸基を有するオキシアルキレン重合体にイソシアネート基過剰の条件でポリイソシアネート化合物を反応させて末端の少なくとも一部にイソシアネート基を有するオキシアルキレン重合体を製造し、さらに前記イソシアネート基に下記式(10)で表されるケイ素化合物のW基を反応させる方法。
R1 3−aX1 aSi−R2−W ・・(10)
原料オキシアルキレン重合体の水酸基と上記式(10)の化合物とを反応させる際には、公知のウレタン化反応触媒を用いてもよい。ウレタン化反応触媒の使用の有無および使用量によって反応温度および反応が完結するまでに要する反応時間は異なるが、一般に20〜200℃、好ましくは50〜150℃の温度で数時間反応を行うことが好ましい。
−SiX1 a R1 3-a (2)
上記式(2)中、X1、a、R1は上記オキシアルキレン重合体(A)の場合と同様である。上記主鎖は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位のみを単量体単位として含む重合体であってもよいし、これ以外の不飽和基含有単量体を更に含む重合体であってもよい。
−Si(OR)3 ・・・(1)
上記式(1)中、Rは上記オキシアルキレン重合体(A)の場合と同様である。
前記(メタ)アクリル重合体(B)の反応性ケイ素基(S2)が、下記式(3)で表される反応性ケイ素基であることをことがさらに好ましい。
−Si(OCH3)3 ・・・(3)
CH2=CR4COOR5 ・・・(11)
式(11)中、R4は水素原子又はメチル基であり、R5は炭化水素基で置換されていてもよいアルキル基である。R5は、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であってもよいし、シクロアルキルアルキル基等の環状構造を有するアルキル基であってもよい。また、R5はアリール基等のアルキル基以外の炭化水素基で置換されたものであってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としてこのような組み合わせを採用することにより、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体のオキシアルキレン重合体(A)に対する相溶性が向上する。これにより、硬化性組成物の硬化後の機械強度等の特性が更に向上させることができる。
一方、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とアルキル基の炭素数が9以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを併用する場合において、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体/アルキル基の炭素数が9以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(質量比)は95/5〜40/60であることが好ましい。
ラジカル重合によって(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を製造する場合、通常、上記不飽和基含有単量体にラジカル発生源として重合開始剤を添加する。この重合開始剤としては、不飽和基を有するポリオキシアルキレン鎖含有重合体と上記メルカプト化合物との反応についての説明において挙げたのと同様のものが用いられる。なお、放射線や熱により活性化を行う場合は、重合開始剤は必ずしも必要ではない。また、上記反応は20〜200℃(好ましくは、50〜150℃)で数時間〜数十時間行うことが好ましい。
連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類や、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
上記のラジカル重合等の方法で予め(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を準備し、これを他の成分と混合して硬化性組成物を調製することができる。あるいは、これに代えて、硬化性組成物中の他の成分の存在下で不飽和基含有単量体を重合して(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を生成させてもよい。この場合には、オキシアルキレン重合体(A)の存在下で不飽和基含有単量体を重合することが好ましい。これにより、混合の工程を省略することができ、また、オキシアルキレン重合体(A)に対して(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を均一に分散させることが容易になる。更に、重合過程において、不飽和基含有単量体の一部が反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)にグラフト重合する場合もある。この場合、グラフト重合物が相溶化剤として機能して、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分散性がより向上する。
(i):不飽和基含有重合体の重合により(メタ)アクリル重合体を合成する際に、式(2)で表される反応性ケイ素基を有する不飽和基含有単量体を共重合する方法。
(ii):不飽和基含有重合体の重合により(メタ)アクリル重合体を合成する際に、式(2)で表される反応性ケイ素基を有する連鎖移動剤を用いる方法。
(iii):不飽和基含有重合体の重合により(メタ)アクリル重合体を合成する際に、式(2)で表される反応性ケイ素基を有する開始剤を用いる方法。
(iv):水酸基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基等の官能基を有する(メタ)アクリル重合体を合成し、これに、当該官能基と反応する官能基及び式(2)で表される反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法。
上記(ii)の方法において用いられる、反応性ケイ素基を有する連鎖移動剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリイソプロペニルオキシシラン等の反応性ケイ素基を有するメルカプト化合物、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH3)3、(CH3O)3Si−(CH2)3−S−S−(CH2)3−Si(OCH3)3が挙げられる。
本発明において、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B)の数平均分子量Mnは、GPC法によるポリスチレン換算数平均分子量で500〜100000であることが好ましく、1000〜30000であることがより好ましい。反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B)のMnが100000を超えると、作業性が低下する傾向にあり、Mnが500未満であると、硬化性組成物の物性が低下する傾向にある。
本発明において、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B)は、反応性ケイ素基を末端に有することが好ましい。これにより、硬化性組成物の硬化後の伸び特性をより一層向上させることが可能になる。このような、末端に反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体(B)は、例えば、上記(ii)の方法や、上記(iii)の方法によって、得ることができる。
本発明における反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B)の比率が10質量部未満であると、硬化性組成物の物性が低下する傾向にあり、70質量部を超えると硬化性組成物の粘度が高くなって作業性が低下する傾向にある。
硬化触媒としては、2−エチルヘキサン酸スズ、ナフテン酸スズ、ステアリン酸スズ等の2価スズ化合物;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズモノアセテート、ジブチルスズマレート等のジアルキルスズジカルボキシレートやジアルコキシスズモノカルボキシレートのような有機スズカルボン酸塩、ジアルキルスズビスアセチルアセトナート、ジアルキルスズモノアセチルアセトナートモノアルコキシド等のスズキレート化合物、ジアルキルスズオキシドとエステル化合物の反応物、ジアルキルスズオキシドとアルコキシシラン化合物の反応物、ジアルキルスズジアルキルスルフィド等の4価スズ化合物が挙げられる。
上記の化合物は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。シランカップリング剤の使用量は重合体の100質量部に対して0〜30質量部が好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤を用いる場合の使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、300質量部以下が好ましい。
平均粒径1〜20μmの重質炭酸カルシウム、沈降法により製造した平均粒径1〜3μmの軽質炭酸カルシウム、表面を脂肪酸や樹脂酸系有機物で表面処理した膠質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム;フュームドシリカ;沈降性シリカ;表面シリコーン処理シリカ微粉体;無水ケイ酸;含水ケイ酸;カーボンブラック;炭酸マグネシウム;ケイソウ土;焼成クレー;クレー;タルク;酸化チタン;ベントナイト;酸化第二鉄;酸化亜鉛;活性亜鉛華;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーン等の無機質の中空体;フェノール樹脂バルーン、エポキシ樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、サランバルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン−アクリル系樹脂バルーン、ポリアクリロニトリルバルーン等の有機樹脂中空体;樹脂ビーズ、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、くるみ穀粉、もみ穀粉、グラファイト、アルミニウム微粉末、フリント粉末等の粉体状充填剤;ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填剤が挙げられる。
本発明においては、老化防止剤として、一般に用いられている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤が適宜用いることができる。ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、アクリレート系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系の各化合物を適宜使用できる。特に、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤から2つまたはすべてを組み合わせて使用することにより、それぞれの特徴を生かして全体として効果を向上させる場合があることから、好ましい方法である。具体的には、3級は2級のヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系およびまたはホスファイト系酸化防止剤をくみあわせることが特に効果的である。
また、本発明の硬化性組成物の硬化方法は、特に限定されず、本発明の硬化性組成物と所望の他の成分とを混合密封して保存し、使用に際して空気中の湿気により硬化性組成物を硬化させる1液型硬化組成物の硬化方法、本発明の硬化性組成物と所望の他の成分とを使用に際して混合して、適宜硬化させる2液型硬化組成物の硬化方法を使用するのが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、硬化性と貯蔵安定性が高く、かつ良好な機械物性を有する硬化物を形成可能である。本発明の硬化性組成物は、被覆・密封用の硬化組成物として、建築用シーラント、防水材、接着剤、コーティング剤として有用であり、特に建築用シーラントまたは接着剤として有用である。
本発明の硬化性組成物からなる建築用シーラントまたは接着剤の好ましい使用態様としては、本発明の硬化性組成物と所望の他の成分とを配合密封して保存し、使用に際しては空気中の湿気により接着剤を硬化させる1液硬化型接着剤、本発明の硬化性組成物と所望の他の成分とを使用に際して混合して硬化させる2液硬化型接着剤が挙げられる。
なお、以下の実施例および比較例における各種重合体の質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した値である。具体的には、GPCのカラムとしてMultiporeHxL(東ソー株式会社製)を2本直列につないだものを用い、移動相にテトラヒドロフランを使用し、温度は40℃で測定を行った。また、分子量既知のポリスチレン標準試料(Polymer Laboratories社製PS−2)を用いて作成した検量線を使用し、ポリスチレン換算分子量としてMw、MnおよびMw/Mnの値を求めた。
反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)及び反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B)を、以下のようにして製造した。なお、以下の製造例においては、窒素導入管および撹拌装置を備え、内温調節が可能な耐圧反応容器を用いて合成反応を行った。
亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、ポリオキシプロピレンジオール(Mn1000)にプロピレンオキシドを開環重合させてポリオキシプロピレンジオール(Mn16000、水酸基価7.7)(重合体(P−1))を得た。耐圧反応器(内容積5L)に重合体(P−1)の3000gを入れ、内温を110℃に保持しながら減圧脱水した。つぎに、反応器内雰囲気を窒素ガスに置換し、内温を50℃に保持しながら、NCO/OHが0.97となるように、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(純度95%)の86.1gを投入した。つづいて、内温を80℃に8時間保持して、重合体(P−1)と3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランをウレタン化反応させて、末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(A1)を得た。
得られたオキシアルキレン重合体(A1)の粘度は20.0Pa・s(25℃)、Mnは16100であり、Mw/Mnは1.38であった。
ポリオキシプロピレンジオール(Mn3200)1000gを開始剤として用い、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒1.6gの存在下で、プロピレンオキシド4000gを重合させた。得られたポリオキシプロピレンジオールの水酸基に対して1.05当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加し、加熱減圧下でメタノールを留去してポリオキシアルキレンジオールの末端水酸基をナトリウムメトキシドに変換した。次に1.20当量の塩化アリルを加えて反応させた。反応後、未反応の塩化アリルを減圧して除去し、さらに精製して副生した塩を除去し、アリル基末端オキシアルキレン重合体を得た。この重合体1000gに対して、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン17.6gおよび2、2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)2.5gを加えて、70℃で12時間加熱して反応させ、重合体末端にトリメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(A2−1)を得た。この重合体の数平均分子量(Mn)は16000であり、Mw/Mnは1.2であった。
上記重合体(A2−1)および(A2−2)を、質量比7:3の割合で混合し、平均官能基数が2.3の反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A2)を得た。この重合体の数平均分子量は17200であった。
プロピレンオキシドを、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、ポリオキシプロピレントリオール(Mn1000)を開始剤として反応させて、Mnが17000、Mw/Mnが1.4のポリオキシプロピレントリオールを得た。このポリオキシプロピレントリオールを用い、製造例2と同様にして、粘度が7.0Pa・s(25℃)のアリル基末端のポリオキシアルキレン重合体を得た。
さらに、この重合体を、白金触媒の存在下、メチルジメトキシシランと反応させて、末端にメチルジメトキシシリル基を有するオキシアルキレン重合体(A3)を得た。
得られたオキシアルキレン重合体(A3)の粘度は9.0Pa・s(25℃)、Mnは17000であり、Mw/Mnは1.4であった。
攪拌機付きの耐圧反応器にオキシアルキレン重合体(A1)を140g入れて、約67℃に昇温した。反応容器内温を約67℃に保ち、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メタクリル酸メチル72g、アクリル酸−n―ブチル6.5g、メタクリル酸−n−ブチル29.0g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン15.0g、およびノルマルドデシルメルカプタン14.0gから選ばれるモノマーの所定量、ならびに2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名「V65」和光純薬株式会社製)2.5gの混合溶液を前記オキシアルキレン重合体(A1)中に8時間かけて滴下して重合を行い、オキシアルキレン重合体(A1)を含む反応性ケイ素基を含有する(メタ)アクリル重合体(B1)を得た。また、得られた重合体を、ヘキサン中で溶解させた後、遠心分離を行い、抽出し、(メタ)アクリル重合体(B1)の数平均分子量(Mn)を測定した。この(メタ)アクリル重合体(B1)の数平均分子量(Mn)は4000であった。
攪拌機付きの耐圧反応器に反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A1)を140g入れて、約67℃に昇温した。反応容器内温を約67℃に保ち、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メタクリル酸メチル72g、アクリル酸ブチル6.5g、メタクリル酸ブチル29.0g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン12.7g、およびノルマルドデシルメルカプタン14.0gから選ばれるモノマーの所定量、ならびに2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名「V65」和光純薬株式会社製)2.5gの混合溶液を前記反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A1)中に8時間かけて滴下して重合を行い、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A1)を含む反応性ケイ素基を有し(メタ)アクリル重合体(B2)を得た。また、得られた重合体を、ヘキサン中で溶解させた後、遠心分離を行い、抽出し、(メタ)アクリル重合体(B2)の数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)を測定した。この(メタ)アクリル重合体(B2)の数平均分子量(Mn)は4000であった。
オキシアルキレン重合体(A1)をオキシアルキレン重合体(A2)に変更した以外は製造例5と同様の操作を行い、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A2)を含む反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B3)を得た。
オキシアルキレン重合体(A1)をオキシアルキレン重合体(A3)に変更した以外は製造例4と同様の操作を行い、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A3)を含む反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B4)を得た。
攪拌機付きの耐圧反応器にオキシアルキレン重合体(A1)を140g入れて、約67℃に昇温した。反応容器内温を約67℃に保ち、窒素雰囲気下、攪拌しながら、メタクリル酸メチル72g、アクリル酸−n―ブチル6.5g、メタクリル酸−n−ブチル29.0g、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン12.0g、およびノルマルドデシルメルカプタン14.0gから選ばれるモノマーの所定量、ならびに2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名「V65」和光純薬株式会社製)2.5gの混合溶液を前記オキシアルキレン重合体(A1)中に8時間かけて滴下して重合を行い、オキシアルキレン重合体(A1)を含む反応性ケイ素基を含有するアクリル系重合体(B5)を得た。また、得られた重合体を、ヘキサン中で溶解させた後、遠心分離を行い、抽出し、(メタ)アクリル重合体(B5)の数平均分子量(Mn)を測定した。この(メタ)アクリル重合体(B5)の数平均分子量(Mn)は4000であった。
オキシアルキレン重合体(A1)をオキシアルキレン重合体(A3)に変更した以外は製造例8と同様の操作を行い、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A3)を含む反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B6)を得た。
製造例4で得たオキシアルキレン重合体(A1)を含む反応性ケイ素基を含有する(メタ)アクリル重合体(B1)100質量部に対し、120度で12時間乾燥させた膠質炭酸カルシウム(商品名「白艶華CCR」、白石カルシウム社製)50質量部、120度で12時間乾燥させた重質炭酸カルシウム(商品名「NS−400」、東新化成社製)30質量部を加え遊星式攪拌器(クラボウ社製)を使用して攪拌・混合した。得られた混合物の温度を室温まで下げてから、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(商品名「KBM−1003」、信越化学社製)5質量部加えて攪拌・混合した後、さらに接着性付与剤としてN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−603」、信越化学社製)3質量部、および3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−403」、信越化学社製)1質量部を加えて攪拌・混合し、最後に硬化触媒としてNo.918(三共有機合成社製)を2質量部加え、均一に混合して硬化性組成物を作成した。
表1及び表2に示す組成とする以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物を調製した。
(硬化性組成物の表面タック試験)
実施例1〜6、および比較例1〜4のそれぞれに関して表面タック試験を行った。表面タック試験は、JIS A1439に準拠して行った。具体的には、調合組成物を硬化させて得た硬化物の表面を指触した際に、該硬化物が指に付着しなくなる時間をタックフリー時間(分)として測定した。
表1の実施例1〜6、および表2の比較例1〜4で調製したオキシアルキレン重合体と(メタ)アクリル重合体と充填剤、シランカップリング剤、硬化触媒の混合物を用いた。この混合物を、スパチュラで全体を軽く攪拌したのち、遊星式攪拌装置(倉敷紡績株式会社製)を使用して混練して硬化性組成物を得た。次に、縦5cm×横5cmのサイディングボード(商品名:ほんばん、旭硝子(株)製)の表面に前記硬化性組成物を5.0mmの厚さに塗った。これを温度23℃および湿度60%の条件下、1週間養生して耐侯性試験サンプルとした。耐侯性促進試験機であるサンシャインウェザオメーターを使用して前記サンプルの耐侯性を評価した。試験時間が500、1000、および1500時間経過時の各サンプルの表面状態を目視で観察し、耐候性試験サンプルの表面が退色(白化)し始めたものを△、表面の色が完全に退色したものを×、サンプル表面の色が試験開始前の状態と変わらないものを○、とした。
Claims (5)
- 下記式(2)で表される反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)、および下記式(2)で表される反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル重合体(B)を含有する硬化性組成物であって、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)の反応性ケイ素基中に、式(1)で表される反応性ケイ素基(S1)を10〜100%含むことを特徴とする硬化性組成物。
−Si(OR)3 ・・・(1)
(式中、Rは独立して炭素数1〜6の有機基である。)
−SiX1 aR1 3−a ・・・(2)
(式中、R1は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の有機基であり、X1は水酸基又は加水分解性基であり、aは1〜3の整数である。ただし、R1が複数存在するとき複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよく、X1が複数存在するとき複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。) - 前記反応性ケイ素基(S1)が、下記式(3)で表される反応性ケイ素基である請求項1に記載の硬化性組成物。
−Si(OCH3)3 ・・・(3) - 前記反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(A)が、ポリオキシアルキレン鎖とヒドロキシル基を有する重合体と、式(4)で表される化合物とを、ウレタン化反応させて得られた重合体(A1)である請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
X1 aR1 3−aSi−R2−NCO ・・(4)
(式中、X1、R1は上記式(1)のX1、R1と同じである。aは1〜3の整数である。ただし、R1が複数存在するとき複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよく、X1が複数存在するとき複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよい。) - 前記(メタ)アクリル重合体(B)の反応性ケイ素基中に、上記式(1)で表される反応性ケイ素基(S2)を10〜100%含む請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
- 前記(メタ)アクリル重合体(B)の反応性ケイ素基(S2)が、前記式(3)で表される反応性ケイ素基である請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
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