JP5638693B2 - ペリクル、ペリクル付フォトマスク及び半導体素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、LSI、超LSI等の半導体デバイスあるいは液晶表示板等を製造する際に、マスク(フォトマスク)に異物が付着することを防止するために使用されるリソグラフィー用ペリクル等に関する。特に高解像度を必要とする露光において使用されるエキシマレーザーを使用したリソグラフィー用ペリクル等に関する。
半導体製造のフォトリソグラフィー工程において、集積回路に対応したフォトレジストパターンをウエハー上に形成するために、ステッパー(縮小投影露光装置)等の半導体製造装置が使用されている。ペリクルはペリクル枠の一端面に透明薄膜を張設したものであり、異物が回路パターンを形成するためマスク上に直接付着することを防止するものである。したがって、仮にフォトリソグラフィー工程において異物がペリクル上に付着したとしても、フォトレジストが塗布されたウエハー上にこれらの異物は結像しないため、異物の像による半導体集積回路の短絡や断線等を防ぐことができ、フォトリソグラフィー工程における歩留まりを向上させることができる。
通常、ペリクルは、ペリクル用粘着剤によって、マスク上に固定され、マスクに対して着脱可能である。粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ポリブテン系、ポリウレタン系、シリコーン系等のものが知られている(下記特許文献1参照。)。粘着剤層は、一端面にペリクル膜が張設されたペリクル枠の他端面に形成される。ペリクル膜又はマスクが汚れた場合には、マスクから一度ペリクルを剥離して、汚れを除去して、ペリクルを貼り替える必要がある。また、露光工程においてマスクからペリクルが剥がれることを防止するために、上記粘着剤には、ペリクルにある一定荷重をかけてもペリクルが剥がれない程度の粘着力(耐荷重性)が求められる。
近年、半導体装置の高集積化に伴って、フォトリソグラフィー工程に用いる露光光の短波長化が進んでいる。すなわち、ウエハー上に集積回路パターンを描写する際、より狭い線幅で微細な回路パターンを描画できる技術が要求されている。これに対応するために、例えば、フォトリソグラフィー用ステッパーの露光光として、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)よりも波長が短いKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、更にF2エキシマレーザー(波長157nm)等が用いられようとしている。
露光光の短波長化・高エネルギー化に伴い、露光に伴うペリクル膜又はマスクの汚れが発生する頻度が高くなったことで、ペリクルやマスクの取替え頻度も高くなっている。
特開平05−281711号公報 特開2006−146085号公報 特開2010−002895号公報
このような状況の下、適度で安定した粘着力を有するとともに、ペリクルの貼り替え時に糊残りが生じにくいペリクル用粘着剤が望まれている。糊残りとは、ペリクルをマスクから剥離した後に、ペリクル用粘着剤の少なくとも一部がマスクに残存する現象である。特に200nmよりも波長の短い光を用いるフォトリソグラフィー工程においては、露光の時間の経過と共に反応生成物がマスク等に付着し、ヘイズ(くもり)が発生しやすいため、ペリクルをマスクから剥離する必要が生じる場合が多い。このため、ペリクルのマスクからの剥離時に糊残りが起きにくいペリクル用粘着剤が求められている。しかしながら、現在KrFエキシマレーザー(波長248nm)を用いるフォトリソグラフィー工程において使用されているシリコーン系のペリクル用粘着剤は糊残りを起こしやすい。
糊残りを低減する方法として、上記特許文献2には凝集破断強度が20g/mm以上である粘着層を有するペリクルが開示されている。しかし、粘着剤の糊残りの抑制と耐荷重性とはトレードオフの関係にある。糊残りを起こしにくい粘着剤は耐荷重性に乏しく、このような粘着剤によって固定したペリクルは、露光中にマスクから剥がれてしまう。
上記特許文献3には、糊残りを抑制するための粘着剤が開示されている。当該粘着剤を用いた場合、パターンに照射された光の一部がペリクルの粘着剤にあたる際に、マスクと粘着剤が固着することがある。そして、露光後にペリクルをマスクから剥離するときに、粘着剤が凝集破壊を起こして糊残りが生じる場合がある(下記比較例1参照。)。
本発明は、露光後のマスクへの糊残りを低減でき、アウトガスの発生が少ない粘着剤を有するペリクル、当該ペリクルを装着したペリクル付フォトマスク、及び当該フォトマスクを用いた半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、ペリクルに使用する粘着剤自体にシラン化合物を含有させることで、露光後の糊残りを低減し、しかもイオンを含めたアウトガスの発生を抑止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
ペリクル用粘着剤にシラン化合物を添加することで、ペリクル剥離後の糊残りが低減する理由について定かではないが、シラン化合物が粘着剤とマスク界面に移行し、その結果適度な剥離力になり、糊残りが低減するものと考えられる。
また本発明者らは、ペリクルに使用する粘着剤自体にラジカル捕捉剤及び/又は紫外線吸収剤を含有させることで、シラン化合物を含有させる場合と同様に、露光後の糊残りを低減し、しかもイオンを含めたアウトガスの発生を抑止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。従来は、添加剤を極力添加しないことがアウトガス抑制やイオン低減の観点から重要であった。
第一の本発明に係るペリクルの一態様は、ペリクル枠と、ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、他端面に付着した粘着剤とを有するペリクルであって、粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体とシラン化合物とを含み、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、イソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかと反応性のある官能基を有するモノマーとの共重合体である。
上記態様によれば、露光後のマスクへの糊残り及びアウトガスの発生を低減することができる。アウトガスの発生を低減できることによりペリクルとしての寿命を長くすることができる。また、糊残りを低減することでペリクルを剥離した後のマスク洗浄工程での低減をはかることができる。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記のシラン化合物はアルキレンオキシド骨格又はエポキシ基を有することが好ましい。また、シラン化合物の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合を構成する全モノマーの合計100質量部に対して0.001〜7質量部であることが好ましい。ここで、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計」とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全ての(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びイソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかと反応性のある官能基を有するモノマー、の合計を意味する。すなわち、溶媒や添加剤等の他の成分は除外して計算する。
このようなペリクルは露光後のマスクへの糊残り及びアウトガスの発生を更に低減することができる。
第二の本発明に係るペリクルの一態様は、ペリクル枠と、ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、他端面に付着した粘着剤とを有するペリクルであって、粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体とラジカル捕捉剤及び/又は紫外線吸収剤とを含み、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、イソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかと反応性のある官能基を有するモノマーとの共重合体である。
上記態様によれば、露光後のマスクへの糊残り及びアウトガスの発生を低減することができる。アウトガスの発生を低減できることによりペリクルとしての寿命を長くすることができる。また、糊残りを低減することでペリクルを剥離した後のマスク洗浄工程の低減をはかることができる。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記のラジカル捕捉剤はヒンダードアミン系化合物又はヒンダードフェノール系化合物の少なくとも1種類を含むことが好ましい。また、ラジカル捕捉剤の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合を構成する全モノマーの合計100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましい。ここで、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計」とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全ての(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びイソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかと反応性のある官能基を有するモノマー、の合計を意味する。すなわち、溶媒や添加剤等の他の成分は除外して計算する。
上記の紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物又はベンゾエート系化合物の少なくとも1種類を含むことが好ましい。また、紫外線吸収剤の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合を構成する全モノマーの合計100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましい。
上記の粘着剤がラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤を含む場合には、ラジカル捕捉剤及び前記紫外線吸収剤の合計の含有量が(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合を構成する全モノマーの合計100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましい。
このようなペリクルは露光後のマスクへの糊残り及びアウトガスの発生を更に低減することができる。
上記イソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかと反応性のある官能基を有するモノマーはアクリル酸を含み、アクリル酸の含有量は前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計100質量部に対して0.1〜5質量部であることが好ましい。
上記の粘着剤は、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、イソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかの官能基を有する架橋剤との反応生成物を含み、反応生成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量部に対して、架橋剤0.05〜3質量部を反応させて得られたものであることが好ましい。
上記架橋剤は、多官能性エポキシ化合物又はイソシアネート系化合物の少なくともいずれかであることが好ましい。
上記の多官能性エポキシ化合物は、2〜4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物であることが好ましい。
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量は50万〜250万であることが好ましい。
上記の粘着剤の厚みは0.1〜3.5mmであることが好ましい。
本発明に係るペリクル付フォトマスクの一態様には、上記のペリクルが装着されている。
本発明に係る半導体素子の製造方法の一態様は、上記のペリクル付フォトマスクによって基板を露光する工程を備える。
本発明により、露光後のマスクからペリクルを剥離する際の糊残りを低減し、アウトガスの発生が少ないペリクル、当該ペリクルを装着したペリクル付フォトマスク、及び当該ペリクル付フォトマスクを用いた半導体素子の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るペリクルを示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。
以下、本発明を実施するための諸形態¥について詳細に説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明が以下の内容に限定されない。本発明は、その範囲内で適宜に変形して実施できる。
[第一の本発明の一実施形態]
<ペリクル>
図1は、第一の本発明の一実施形態(第一実施形態)に係るペリクルを示す斜視図であり、図2は、図1におけるII−II線断面図である。図1及び図2に示すように、ペリクル1は、ペリクル枠体2と、ペリクル枠体2の一端面2eに張設されたペリクル膜3と、ペリクル枠体2の他端面2fに付着した粘着剤10(粘着剤層)と、粘着剤10の表面を被覆し、この粘着剤10を保護する保護フィルムFとを備える。
<ペリクル用粘着剤>
ペリクル用粘着剤10は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、シラン化合物とを含む。なお、粘着剤10は、下記第二実施形態と同様に、ラジカル捕捉剤及び/又は紫外線吸収剤をさらに含有してもよい。該(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下「A成分」という。)と、イソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかとの反応性を有する官能基を有するモノマー(以下「B成分」という。)との少なくとも2つのモノマー成分を共重合させることによって得られる共重合体である。このような粘着剤は、マスクとの接着力が十分で、且つ、剥離後の糊残りが少ないという点で好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成するモノマーの合計100質量部に対して、A成分(アクリレート系モノマー)の全質量が99〜80質量部であることが好ましく、B成分の全質量が1〜20質量部であることが好ましい。つまり、99〜80質量部のA成分と1〜20質量部のB成分とから構成される単量体混合物から上記共重合体を合成することが好ましい。これにより、マスクへの適度な接着力が発現し易くなる。
(A成分)
A成分のモノマーを、炭素数4〜14のアルキル基が直鎖状のもの(以下「A1成分」という。)と炭素数4〜14のアルキル基が分岐状のもの(以下「A2成分」という。)に分けた場合、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、A2成分の含有割合が9〜59質量部である単量体混合物の共重合体であることが好ましい。これにより、粘着剤の粘着力が向上する。
A1成分のアクリレート系モノマーは、アルキル基の炭素数が4〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。A1成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の直鎖脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらは単独でも2種以上併せて用いてもよい。なかでも、A1成分は、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル等の炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることが好ましい。これにより、ペリクルトマスクとの適度な接着性が発現する。
A2成分のアクリレート系モノマーは、分岐状のアルキル鎖を持つものである。A2成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニルが挙げられる。これらは単独でも2種以上併せて用いてもよい。なかでも、共重合性の点から、(メタ)アクリル酸イソブチル(例えば、イソブチルアクリレート)や(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル(例えば、2−エチルヘキシルアクリレート)がA2成分として好適である。
(B成分)
B成分は、上記A成分のモノマーと共重合可能なモノマーであって、イソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかとの反応性を有する。B成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシル基含有モノマーが挙げられる。これらは単独でも2種以上併せて用いてもよい。なかでも、共重合性、汎用性等の点から、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーがB成分として好適である。特に糊残りを低減する点から、B成分としては、(メタ)アクリル酸が好ましい。(メタ)アクリル酸の含有割合は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計100質量部に対して好ましくは0.1〜5質量部であり、より好ましくは0.5〜4質量部であり、特に好ましくは0.8〜3質量部である。
((メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体)
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、上記のA1成分のアクリレート系モノマーの割合は、40〜90質量部、好ましくは45〜80質量部である。同様に、A2成分の割合は好ましくは9〜59質量部であり、より好ましくは15〜50質量部である。同様に、B成分の割合は好ましくは1〜20質量部であり、より好ましくは2〜10質量部である。つまり、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、A1成分の含有割合が40〜90質量部であり、A2成分の含有割合が9〜59質量部であり、B成分の含有割合が1〜20質量部である単量体混合物の共重合体であることがより好ましい。これにより、ペリクルの剥離後の糊残りを低減し易くなる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量は50万以上250万以下であることが好ましい。これにより、粘着剤層の凝集力、接着力が適度な大きさになり、糊残りが低減し、且つ、十分な接着力、耐荷重性が発現する。重量平均分子量は、より好ましくは70万以上230万以下であり、特に好ましくは90万以上200万以下である。重量平均分子量は、公知の方法で制御することができる。具体的には、一般に重合反応時のモノマー濃度が高いほど重量平均分子量は大きくなる傾向にあり、重合開始剤の量が少ないほど、又、重合温度が低いほど重量平均分子量は大きくなる傾向にある。よって、モノマー濃度、重合開始剤の量及び重合温度を調整することにより重量平均分子量を制御すればよい。
(メタ)アクリルエステル共重合体の重合方法は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合等の公知の方法から適宜選択すればよい。これらの重合方法によって得られる(メタ)アクリルエステル共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよい。なお、溶液重合においては、重合溶媒として、たとえば、酢酸エチル、トルエン等が用いればよい。
(重合開始剤)
溶液重合の一具体例では、窒素等の不活性ガス気流下でモノマーの混合溶液に重合開始剤を加え、50〜70℃で、8〜30時間重合反応を行う。重合開始剤の添加量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計100質量部に対して0.01〜2.0質量部である。ラジカル重合に用いられる重合開始剤は下記のものの中から適宜選択すればよい。連鎖移動剤、乳化剤等は、特に限定されず、公知のものを宜選択して使用すればよい。
好ましい重合開始剤としては、アゾ系の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリアン酸等や過酸化物系のベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
粘着剤層に残存する重合開始剤の量を低減する方法としては、粘着剤ポリマーを重合する際の重合開始剤量を低減すること、熱分解しやすい重合開始剤を使用すること、粘着剤の塗布・乾燥工程にて、粘着剤を長時間高温に加熱して、乾燥工程で重合開始剤を分解させる方法等がある。
重合開始剤の熱分解速度を表す指標に10時間半減期温度がある。半減期とは、重合開始剤の半分が分解するまでの時間である。10時間半減期温度は半減期が10時間になる温度を示す。10時間半減期温度が低いほど、重合開始剤が熱分解しやすく、粘着剤層に残存しにくい。重合開始剤の10時間半減期温度は好ましくは80℃以下であり、より好ましくは75℃以下である。
10時間半減期温度が低いアゾ系の重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(10時間半減期温度30℃)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(10時間半減期温度60℃)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(10時間半減期温度51℃)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(10時間半減期温度66℃)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(10時間半減期温度67℃)等が挙げられる。10時間半減期温度が低い過酸化物系の重合開始剤としては、ジベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期温度74℃)、ジラウロイルパーオキサイド(10時間半減期温度62℃)等が挙げられる。なお、重合開始剤はこれらに限られない。
光重合開始剤はヘイズ発生の原因となり得る。粘着剤層に残存する光重合開始剤を低減・コントロールする方法としては、加熱による熱分解、乾燥・蒸発による光重合開始剤の除去、紫外線の照射による光重合開始剤の分解、これらの方法によって分解しやすい光重合開始剤の使用等が考えられる。上記方法によって分解しやすい光重合開始剤としては、アルキルフェノン系重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤等が挙げられる。アルキルフェノン系重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
ヘイズの発生を抑制するため、粘着剤に残存する重合開始剤の全質量を、粘着剤全質量に対し8ppm以下に調整することが好ましい。特に、粘着剤が、上記A成分とB成分との共重合により得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と架橋剤との反応生成物を含む場合、粘着剤中に残存する重合開始剤の全質量を、粘着剤全質量に対し8ppm以下にすることが容易となる。
(架橋剤)
粘着剤に添加される架橋剤(硬化剤)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、反応性を有するものである限り、特に限定されない。具体的な架橋剤としては、多官能性エポキシ化合物、金属塩、金属アルコキシド、アルデヒド系化合物、非アミノ樹脂系アミノ化合物、尿素系化合物、イソシアネート系化合物、金属キレート系化合物、メラミン系化合物、アジリジン系化合物等、通常の粘着剤に使用される架橋剤を挙げることができる。中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が有する官能基成分との反応性に優れる点において、イソシアネート系化合物又は多官能性エポキシ化合物がより好ましく、多官能性エポキシ化合物が架橋剤として好適である。
イソシアネート系化合物の具体例としては、トリレンジイソシアネートが挙げられる。また、多官能性エポキシ化合物の具体例としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、N、N、N’、N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
これらの中でも2〜4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物が好ましく、4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物がより好ましい。これらのエポキシ化合物は反応性に優れている。反応性が良いエポキシ化合物を(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と混合して塗布した後、架橋反応は速やかに終了する。つまり、反応性が良いエポキシ化合物を架橋剤として含有する粘着剤は、その特性が短時間で安定するため、生産性の面で優れる。
架橋剤の含有量を調整することで、重量膨潤度を制御することが出来る。膨潤とは、溶媒分子(例えばトルエン)がポリマー(重合体)の分子間に入り込み、分子間を広げようとする力と架橋された網目の弾性とが釣り合った状態である。膨潤の程度は、溶媒とポリマーとの親和性及びポリマーの架橋度の影響を受けるので、これらを調整することで、重量膨潤度を制御することができる。一般的に、溶媒とポリマーとの親和性が高いほど重量膨潤度は高くなる。親和性の目安としてSP値(Solubility Parameter)がよく用いられる。SP値が近いもの同士の親和性は高い。「POLYMER HANDBOOK (4th edition) WILEY−INTER SCIENCE P.689−711」に様々な化合物のSP値の記載がある。トルエンのSP値は18.2(MPa1/2)、酢酸エチルのSP値は18.6(MPa1/2)であり、これらはほぼ同じ値である。したがって、ポリマーを構成するモノマー成分のSP値がトルエン又は酢酸エチルのSP値に近いほど重量膨潤度は高くなる。例えば、アクリル系粘着剤のモノマー成分であるブチルアクリレートのSP値は18.0(MPa1/2)である。イソブチルアクリレートのSP値は17.4(MPa1/2)である。ゴム系粘着剤のモノマー成分であるブタジエンのSP値は14.5(MPa1/2)である。イソブチレンのSP値は15.0(MPa1/2)である。エチレンのSP値は15.76(MPa1/2)である。ブチレンのSP値は13.7(MPa1/2)である。シリコーン粘着剤のモノマー成分であるジメチルシロキサンのSP値は10.0〜12.1(MPa1/2)である。したがって、ポリマーと溶媒の親和性が高い点において、アクリル系粘着剤が好ましい。
重量膨潤度はポリマーの架橋度にも依存する。架橋度が低すぎると、溶媒分子がポリマーの架橋ネットワークに取り込まれず、重量膨潤度は低くなる。また架橋度が高すぎると、溶媒分子がポリマーの架橋ネットワークに入り込めず、重量膨潤度は小さくなる。したがって、ポリマーの架橋度を適度に調整することで重量膨潤度を制御することができる。
ペリクル用粘着剤における架橋剤の含有量が、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量部に対して、0.05〜3質量部であることが好ましい。これにより、トルエン又は酢酸エチルによる重量膨潤度が5倍以上となり、ペリクルに好適な粘着剤が得られる。特に、架橋剤の含有量は0.05質量部〜0.20質量部であることが好ましい。これにより、トルエン又は酢酸エチルによる重量膨潤度が更に大きくなり、ヘイズの発生が抑止され、糊残りが発生しにくいペリクル用粘着剤が得られる。また、適度な架橋密度を有し、フォトマスクの平坦性に特に影響を与えにくい(フォトマスクの変形を特に抑止できる)粘着剤が得られる。架橋剤の含有量が0.20質量部以下であれば、架橋密度が大きくなりすぎないため、フォトマスクに掛かる応力を粘着剤が吸収し、粘着剤がフォトマスクの平坦性に及ぼす影響が緩和されると考えられる。一方で、架橋剤の含有量が0.05質量部以上であれば、架橋密度が小さくなり過ぎないため、製造工程中でのハンドリング性が維持され、フォトマスクからペリクルを剥離するときに糊残りが発生しにくいと考えられる。
粘着剤が、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と多官能性エポキシ化合物との反応生成物を含む場合、ポリマーの架橋度を適度に調整することで最大15倍程度まで重量膨潤度を制御することができる。特にトルエンによる重量膨潤度は8倍〜14倍程度であることが好ましい。これにより、吸着したトルエンや酢酸エチル等の有機ガスが粘着剤中に留まり易く、アウトガス発生量が少なくなる。これは、ポリマーの架橋ネットワークの間隔がトルエン及び酢酸エチルの捕捉に適した大きさとなる為であると考えられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体溶液と多官能性エポキシ化合物溶液を秤量し、均一に混ざるように混合・攪拌し、混合物から溶剤を加熱乾燥により除去した後に、混合物を加温することが好ましい。これにより、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と多官能性エポキシ化合物との反応が迅速に進行する。
(シラン化合物)
ペリクル用粘着剤は、シラン化合物を含有する。シラン化合物は、−(Si−O)−を主骨格に有することが好ましい。さらに、糊残りを低減し易い点において、シラン化合物がポリアルキレンオキシド骨格またはエポキシ基を有することがより好ましい。耐過重性を向上させ易い点において、シラン化合物がポリアルキレンオキシド骨格及びエポキシ基を有することが特に好ましい。中でも、シラン化合物がその側鎖(主鎖末端でない部分)に、ポリアルキレンオキシド骨格及びエポキシ基を有することが最も好ましい。
−(Si−O)−を主骨格に持つシラン化合物としては、KF−96(信越シリコーン社製、製品名)、KF−50(信越シリコーン社製、製品名)、KF−99(信越シリコーン社製、製品名)、KF−1001(信越シリコーン社製、製品名)、KF−865(信越シリコーン社製、製品名)、X−22−162c(信越シリコーン社製、製品名)、X−22−173DX(信越シリコーン社製、製品名)、SF8416(東レダウ社製、製品名)、X−22−4272(信越シリコーン社製、製品名)、SF8427(東レダウ社製、製品名)、KF−6017(信越シリコーン社製、製品名)、SH8400(東レダウ社製、製品名)、SF8421(東レダウ社製、製品名)、X−22−4741(信越シリコーン社製、製品名)、KF−1002(信越シリコーン社製、製品名)、X−22−3939A(信越シリコーン社製、製品名)及びX−22−3701E(信越シリコーン社製、製品名)等が挙げられる。
ポリアルキレンオキシド骨格を有するシラン化合物としては、X−22−4272(信越シリコーン社製、製品名)、SF8427(東レダウ社製、製品名)、KF6017(信越シリコーン社製、製品名)、SH8400(東レダウ社製、製品名)、SF8421(東レダウ社製、製品名)、X−22−4741(信越シリコーン社製、製品名)、KF−1002(信越シリコーン社製、製品名)、が挙げられる。
ポリアルキレンオキシド骨格及びエポキシ基を有するシラン化合物としては、SF8421(東レダウ社製、製品名)、X−22−4741(信越シリコーン社製、製品名)、KF−1002(信越シリコーン社製、製品名)、が挙げられる。
ポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリペンタメチレンオキシド、ポリヘキサメチレンオキシド、ポリヘプタメチレンオキシド等が挙げられる。これらのアルキレンオキシドのなかでも、エチレンオキシド、プロピレンオキシドの構造単位を有するものは、親水性が高く、アクリル粘着剤と相分離して、粘着剤とマスク表面に移行しやすいため、好適である。
エポキシ基は、アクリルポリマー中のカルボキシル基等の反応性官能基と反応することで、アクリルポリマーと化学結合するので、アウトガス発生の抑制の観点から好適である。
ペリクル用粘着剤におけるシラン化合物の含有量は、上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、好ましくは0.001〜7質量部、より好ましくは0.001〜5質量部、特に好ましくは0.005〜3質量部、最も好ましくは0.01〜1質量部である。シラン化合物の含有量が0.001質量部より多い場合、糊残りを低減する効果がより顕著になる。シラン化合物の含有量が7質量部より少ない場合、ペリクルの十分な耐荷重性が発揮され、粘着剤のBleedingに因るマスクからの剥離が起きにくく、エアーパス(空隙)及び泡の発生を抑制することができる。
シラン化合物の側鎖(主鎖末端でない部分)に、ポリアルキレンオキシド骨格及びエポキシ基を有するシラン化合物としては、下記一般式(1)及び(2)の化合物が挙げられる。また、下記一般式(3)で示される繰り返し構造単位を有する環状化合物は、−(Si−O)−を主骨格に持つ化合物の一具体例である。
Figure 0005638693
一般式(1)中、Rはアルキレン基を示し、「POA」は、ポリオキシアルキレン基を示し、X、Y、及びZは1〜100の整数を示す。アルキレン基としては、炭素数1〜6の低級アルキレン基が挙げられる。ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体からなるポリオキシ(エチレン/プロピレン)等の低級アルキレンオキシド重合体から誘導されるもの挙げられる。式(1)で表されるシラン化合物の具体例としては、日本ユニカー(株)製のMAC−2101(製品名)、東レダウコーニングシリコーン(株)製のSF−8421(製品名)等が挙げられる。
Figure 0005638693
一般式(2)中、Rはメチル基、R〜Rはアルキレン基、Rは水素原子又は一価の有機基、mは0〜100の整数、nは1〜100の整数、a及びbは、それぞれ独立に0〜100の整数を示す。a及びbが同時に0であることはない。
ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン及びこれらのブロック共重合体から誘導される基が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレン基を有するジメチルシリコン化合物としては、例えば「KF−351A」、「KF−352A」、「KF−353」、「KF−354L」、「KF−355A」、「KF−615A」、「KF−945」、「KF−640」、「KF−641」、「KF−642」、「KF−643」、「KF−6020」、「X−22−6191」、「X−22−4515」、「KF−6011」、「KF−6012」、「KF−6013」、「KF−6015」、「KF−6016」、「KF−6017」、「X−22−4741」、「KF−1002」、「X−22−4952」、「X−22−4272」、「X−22−6266」、「KF−6004」、「KP−301」、「KP−323」、「KP−354」、「KP−355」、「KP−341」、「KP−118」、「F−501」、「X−22−6191」、「X−22−3506」、「X−22−3004」、「KF−6005」、「KP−101」、「KF−889」、「KF−6003」、「X−22−4515」、「F−3031」、「X−24−1430」、「X−22−4991」、「KP−208」、「KF−6003」〔以上信越化学(株)の製品名〕、「L−720」、「L−7604」、「Y−7006」、「BY−16−201」、「FZ−77」、「FZ−2101」、「FZ−2104」、「FZ−2110」、「FZ−2118」、「FZ−2120」、「FZ−2122」、「FZ−2130」、「FZ−2161」、「FZ−2162」、「FZ−2163」、「FZ−2164」、「FZ−2166」、「FZ−2191」、「FZ−2154」、「FZ−2203」、「FZ−2207」、「FZ−2208」、「L−7001」、「L−7002」、「SF−8427」、「SF−8428」、「SH−3749」、「SH−3773M」、「SH−8400」、「FZ−5609」、「FZ−7001」、「FZ−7002」〔東レ・ダウ(株)の製品名〕、「TSF−4440」、「TSF−4441」、「TSF−4445」、「TSF−4446」、「TSF−4450」、「TSF−4452」、「TSF−4460」〔モメンィブ・パフォーマンス(株)の製品名〕、「PC−03」〔丸善油化工業(株)の製品名〕等の市販品が挙げられる。
Figure 0005638693
一般式(3)中、R及びRはそれぞれ独立に一価の有機基を示す。
上記一般式(3)で示される繰り返し構造単位を有する環状のシラン化合物としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン、が挙げられる。
上記のシラン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
シラン化合物をペリクル用粘着剤に添加することで、ペリクルをマスクから剥離した後においてマスク表面における糊残りが低減する理由について定かではない。シラン化合物が粘着剤とマスク界面に移行し、その結果粘着剤の粘着力が適度に低減され、粘着剤がマスクから剥離し易くあり、糊残りが低減するものと考えられる。
(添加剤)
また、粘着剤は、必要に応じて、充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種類又は2種以上を使用することが可能である。ただし、所望する物性が得られるように、添加量は適時設定することが好ましい。
[第二の本発明の一実施形態]
以下では、第二の本発明の一実施形態(第二実施形態)と第一実施形態との相違点についてのみ説明する。第二実施系形態は、下記の事項を除いて第一実施形態と同じであり、第一実施形態と同様の効果を奏するものである。
第二実施形態に係るペリクル用粘着剤は、シラン化合物の代わりに、ラジカル捕捉剤及び/又は紫外線吸収剤を含有する。
ペリクル用粘着剤が光の照射によって分解してラジカルが発生したとしても、ペリクル用粘着剤中のラジカル捕捉剤がラジカルを捕集し、粘着剤の分解を抑制する。そのため、ペリクルをマスクから剥離した後の糊残りが低減するものと考えられる。また、ペリクル用粘着剤中の紫外線吸収剤自体が光を吸収するため、粘着剤への光の影響が抑制され、粘着剤の劣化が抑制されペリクルをマスクから剥離した後の糊残りが低減するものと考えられる。
ラジカル捕捉剤は、特にヒンダードアミン系化合物又はヒンダードフェノール系化合物の少なくとも1種類を含むことが好ましい。また、紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物又はベンゾエート系化合物の少なくとも1種類を含むことが好ましい。特に露光光の波長が短い場合、劣化等の観点からラジカル捕捉剤の方がより好ましい。
ヒンダードアミン系化合物としては、特に2,2’−5,5’テトラメチルピペリジン誘導体を含んだ化合物が好ましい。このような化合物の具体例としては、TINUVIN(BASFジャパン株式会社製、登録商標)、アデカスタブLAシリーズ(株式会社ADEKA製、登録商標)、CHIMASSORB(BASFジャパン株式会社製、登録商標)、Hostavin(Clariant製、登録商標)等が挙げられる。また、ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、アデカスタブAOシリーズ(株式会社ADEKA製、登録商標)、IRGANOX(BASFジャパン株式会社製、登録商標)が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、アデカスタブLAシリーズ(株式会社ADEKA製、登録商標)、CHIMASSORB(BASFジャパン株式会社製、登録商標)、SUMISORB(住友化学株式会社製、登録商標)、CYASORB UVシリーズ(CYTEC株式会社製、登録商標)、TINUVIN(BASFジャパン株式会社製、登録商標)が挙げられる。
ラジカル捕捉剤と紫外線吸収剤との組み合わせ、複数種類のラジカル捕捉剤の組み合わせ、又は複数種類の紫外線吸収剤の組み合わせによって、これらの相乗的効果が得られる。
ペリクル用粘着剤におけるジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤の合計の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.005〜3質量部、特に好ましくは0.01〜1質量部である。含有量が0.001質量部より多い場合、糊残りを低減する効果が顕著になる。含有量が5質量部より少ない場合、ペリクルの十分な耐荷重性が発揮され、粘着剤のBleedingに因るマスクからの剥離が起きにくく、エアーパス(空隙)及び泡の発生を抑制することができる。また、含有量が上記範囲内である場合、アウトガスの発生も抑制される。
[ペリクルの製造方法の一実施形態]
上記実施形態に係るペリクルは、例えば以下の方法で好適に製造することができる。
第一に、上述の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の溶液と、シラン化合物と、架橋剤と、を混合し、粘着剤の前駆体を調製する。粘着剤の前駆体は、シラン化合物の代わりに、ラジカル捕捉剤及び/又は紫外線吸収剤を含有してもよい。粘着剤の前駆体は、シラン化合物と、ラジカル捕捉剤及び/又は紫外線吸収剤とを含有してもよい。粘着剤を、ペリクル枠の端面に塗布して所定の厚み・幅を有するマスク粘着剤層に成形するために、粘着剤の前駆体を更に溶媒で希釈し、前駆体の粘度を調整する。希釈のための溶媒は、その前駆体の溶解性、蒸発速度等を考慮して、選択される。好ましい溶媒の具体例としては、アセトン、酢酸エチル、トルエンがあげられる。溶媒はこれらに限定されるものではない。
第二に、粘着剤の前駆体を、ペリクル枠の一方の端面に塗布する。ペリクル枠の他方の端面にはペリクル膜が接着される。前駆体の塗布方法は、特に限定されるものではないが、ディスペンサーを用いて前駆体をペリクル枠に塗布することが好ましい。粘着剤の前駆体の粘度は、特に限定はされないが、好ましくは50P以下、より好ましくは10〜40P、更に好ましくは20〜30P程度である。これらの粘度は、粘着剤の前駆体の温度が25℃であるときの粘度であり、B型粘度計によって測定される。ディスペンサーでの塗布工程において前駆体を溶媒で希釈することによって、塗布液(前駆体の溶液)の糸引きが抑制され、安定した幅・厚みに調整することが容易となる。
ペリクル枠に塗布された粘着剤(粘着剤層)の厚みは、好ましくは0.1〜3.5mm、より好ましくは0.5〜3.0mm、特に好ましくは0.8〜2.8mmである。厚みが上記範囲内である場合、ペリクルの平坦性を維持したまま、ペリクルをマスクに貼り付けることが可能であり、ペリクルの耐荷重性も良好である。
第三に、塗布した粘着剤層を加熱乾燥することにより、溶媒及び/又は残存モノマーを粘着剤層から除去する。(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が有する官能基と、イソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかを有する架橋剤とは、加熱により反応して、粘着剤層中で架橋構造が形成される。この反応により、粘着剤層がペリクル枠表面に密着し、ペリクル枠と粘着剤層とが一体化する。
粘着剤層を加熱乾燥する際の温度は、溶媒および残存モノマーの沸点、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分解温度を考慮し、50〜200℃であることが好ましく、60〜190℃であることがより好ましい。下記アウトガス試験によって測定される粘着剤中の溶媒の含有量が50ppb以下となるように、粘着剤を十分に乾燥させた後で、ペリクルを使用することが好ましい。
加熱乾燥後(架橋反応後)、粘着剤層に保護フィルムを貼ってもよい。保護フィルムとしては、厚さが30〜200μm程度であり、ポリエステル等からなるフィルムを用いればよい。また、粘着剤層から保護フィルムを剥がす際の剥離力が大きいと、剥がす際に粘着剤が変形する恐れがある。よって、剥離力を適切な程度に低減するために、粘着剤層と接する保護フィルムの表面に対して、シリコーンやフッ素等による離型処理を行っても良い。
保護フィルムの貼り付け後、粘着剤層に加重をかけて、粘着剤層の表面を略平坦に成型しても良い。
[ペリクル付フォトマスクの一実施形態]
本実施形態に係るペリクル付フォトマスクには、上記第一実施形態又は第二実施形態のペリクルが装着されている。
[半導体素子の製造方法の一実施形態]
本実施形態に係る半導体素子の製造方法は、上記のペリクル付フォトマスクによって基板を露光する工程を備える。半導体素子の製造工程の一つであるフォトリソグラフィー工程において、集積回路に対応したフォトレジストパターンをウエハー(基板)上に形成するために、ステッパーに上記のペリクル付フォトマスクを設置して露光する。これにより、仮にフォトリソグラフィー工程において異物がペリクル上に付着したとしても、フォトレジストが塗布されたウエハー上にこれらの異物は結像しないため、異物の像による半導体集積回路の短絡や断線等を防ぐことができる。よって、ペリクル付フォトマスクの使用により、フォトリソグラフィー工程における歩留まりを向上させることができる。
上記実施形態に係るペリクル付フォトマスクは、適度で且つ安定した粘着力を有するため、ペリクルをフォトマスクから剥がすときに糊残りが生じにくい。よって、上記実施形態に係るペリクル付フォトマスクの使用によって半導体素子の製造効率を高めることができる。また、上記実施形態に係るペリクル用粘着剤からのアウトガスの発生量は少ないため、上記実施形態に係るペリクル用粘着剤の寿命は長い。また、上記実施形態によれば、糊残りが低減されるため、ペリクルの剥離後のマスク洗浄工程においてマスク上の糊残りをより確実に除去することができる。
以下、実施例および比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されない。
[第一の本発明の実施例1〜21]
<実施例1>
(粘着剤の調製)
以下の方法で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1を調製した。攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に酢酸エチル(30質量部)を入れた。さらに、イソブチルアクリレート(A2成分)/ブチルアクリレート(A1成分)/アクリル酸(B成分)/2−ヒドロキシエチルアクリレート(B成分)/2、2’−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)の混合物(32質量部)を反応容器仕込んで、反応溶液を調製した。イソブチルアクリレート(A2成分)、ブチルアクリレート(A1成分)、アクリル酸(B成分)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(B成分)、及び2、2’−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)の質量比は、48:48:1.5:2.5:0.5に調整した。
窒素雰囲気下、上記反応溶液を所定の温度で加熱しながら還流することにより、反応容器内で重合反応を8時間進行させた。反応終了後、反応溶液にトルエン(38質量部)を添加して、不揮発分の濃度が32質量%である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1の溶液を得た。(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1の重量平均分子量は120万であった。重量平均分子量は、後述する方法により測定した。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1の溶液に、多官能性エポキシ化合物(架橋剤)の溶液及びシラン化合物を添加した後、溶液を攪拌混合して、実施例1のペリクル用粘着剤を得た。
架橋剤の溶液は、架橋剤として、多官能性エポキシ化合物である1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを含むものであった。架橋剤の溶媒としてはトルエンを用いた。架橋剤の溶液中の不揮発分の濃度は5質量%であった。
架橋剤の添加量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、0.25質量部に調整した。
シラン化合物としては、エポキシ変性シリコーンオイル(東レダウ製:SF8421)を用いた。シラン化合物の添加量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、0.1質量部に調整した。
(ペリクルの作製)
その後、アルミ合金製のペリクル枠の一方の端面に、上記のペリクル用粘着剤をディスペンサーで塗布した。ペリクル枠の他方の端面には、枠全体を覆うようにペリクル膜が接着されていた。ペリクル枠の外径は113mm×149mmであり、内径は109mm×145mmであり、高さは4.8mmであった。
ペリクル枠に塗布したペリクル用粘着剤の加熱乾燥・キュア(curing)を2段階に分けて行った。加熱乾燥・キュアの1段階目では、ペリクル用粘着剤を100℃で8分加熱した。加熱乾燥・キュアの2段階目では、ペリクル用粘着剤を180℃で8分加熱した。加熱後のペリクル用粘着剤(粘着剤層)の厚みは0.2mmであった。
保護フィルムとして、ポリエステルフィルムを用いた。保護フィルムの厚みは100μmであった。保護フィルムの表面にはシリコーンを用いた離型処理が施されていた。保護フィルムの離型処理が施された側の表面を、粘着剤層の表面に貼り合わせ、粘着剤層を室温(20±3℃)にて3日間養生(cure)し、粘着剤層の粘着力を安定化させた。以上の工程を経て、実施例1のペリクルを完成させた。
<実施例2>
架橋剤の添加量を0.1質量部に調整した点以外は実施例1と同様の方法で、実施例2のペリクルを作製した。
<実施例3>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、0.1質量部のエポキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン社製:X−22−4741)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例3のペリクルを作製した。
<実施例4>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、0.1質量部のエポキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF−1002)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例4のペリクルを作製した。
<実施例5>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、1.0質量部のエポキシ変性シリコーンオイル(東レダウ製:SF8421)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例5のペリクルを作製した。
<実施例6>
(粘着剤の調製)
以下の方法で、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体2を調製した。攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に酢酸エチル(30質量部)を入れた。さらにブチルアクリレート(A1成分)/アクリル酸(B成分)の混合物(32質量部)を反応容器に仕込んで、反応溶液を調製した。ブチルアクリレート(A1成分)とアクリル酸(B成分)との質量比は、99:1に調整した。
窒素雰囲気下、上記反応溶液を60℃で8時間加熱して、反応容器内で重合反応を進行させた。反応終了後、反応溶液にトルエン(38質量部)を添加して、不揮発分の濃度が32質量%である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体2の溶液を得た。(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体2の重量平均分子量は180万であった。重量平均分子量は、後述する方法により測定した。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体2の溶液に、多官能性エポキシ化合物(架橋剤)の溶液及びシラン化合物を添加した後、溶液を攪拌混合して、実施例6のペリクル用粘着剤を得た。
架橋剤の溶液は、架橋剤として、多官能性エポキシ化合物である1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを含むものであった。架橋剤の溶媒としてはトルエンを用いた。架橋剤の溶液中の不揮発分の濃度は5質量%であった。
架橋剤の添加量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体2を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、0.18質量部に調整した。
シラン化合物としては、エポキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF−1002)を用いた。シラン化合物の添加量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体2を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、0.1質量部に調整した。
実施例1のペリクル用粘着剤の代わりに、実施例6のペリクル用粘着剤を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例6のペリクルを作製した。
<実施例7>
シラン化合物であるSF8421の添加量を7.0質量部に調整した点以外は実施例1と同様の方法で、実施例7のペリクルを作製した。
<実施例8>
実施例8では、架橋剤として、(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンの代わりに、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物を用いた。実施例8では、架橋剤の添加量を0.25質量部に調整した。これらの点以外は実施例1と同様の方法で、実施例8のペリクルを作製した。
<実施例9>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン製:KF−96)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例9のペリクルを作製した。
<実施例10>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーン製:KF−50)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例10のペリクルを作製した。
<実施例11>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(信越シリコーン製:KF−99)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例11のペリクルを作製した。
<実施例12>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、エポキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン製:KF−1001)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例12のペリクルを作製した。
<実施例13>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、ジメチルシリコーンオイル(信越シリコーン製:X−22−173DX)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例13のペリクルを作製した。
<実施例14>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越シリコーン製:X−22−4272)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例14のペリクルを作製した。
<実施例15>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越シリコーン製:KF−6017)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例15のペリクルを作製した。
<実施例16>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、アルキル変性シリコーンオイル(東レダウ製:SF−8416)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例16のペリクルを作製した。
<実施例17>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レダウ製:SF−8427)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例17のペリクルを作製した。
<実施例18>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レダウ製:SH−8400)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例18のペリクルを作製した。
<実施例19>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、モノアミン変性シリコーンオイル(信越シリコーン製:KF−865)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例19のペリクルを作製した。
<実施例20>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越シリコーン製:X−22−3939A)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例20のペリクルを作製した。
<実施例21>
シラン化合物として、SF8421の代わりに、ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越シリコーン製:X−22−3701E)を用いた点以外は実施例1と同様の方法で、実施例21のペリクルを作製した。
<比較例1>
シラン化合物を用いなかった点以外は実施例1と同様の方法で、比較例1のペリクルを作製した。なお、比較例1の粘着剤は、ラジカル捕捉剤及び紫外線吸収剤も含有しないものであった。
[第二の本発明の実施例31〜38]
<実施例31>
実施例31のペリクル用粘着剤の調製では、シラン化合物の代わりに、ラジカル捕捉剤を用いた。ラジカル捕捉剤としては、TINUVIN770DF(ヒンダードアミン、BASFジャパン株式会社製)を用いた。ラジカル捕捉剤の添加量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、3.0質量部に調整した。これらの点以外は実施例1と同様の方法で、実施例31のペリクルを作製した。
<実施例32>
ラジカル捕捉剤として、TINUVIN770DFの代わりに、1.0質量部のTINUVIN123(ヒンダードアミン、BASFジャパン株式会社製)を用いた点以外は実施例31と同様の方法で、実施例32のペリクルを作製した。
<実施例33>
ラジカル捕捉剤として、TINUVIN770DFの代わりに、4.5質量部のTINUVIN292(ヒンダードアミン、BASFジャパン株式会社製)を用いた点以外は実施例31と同様の方法で、実施例33のペリクルを作製した。
<実施例34>
実施例34のペリクル用粘着剤の調製では、ラジカル捕捉剤として、TINUVIN770DFの代わりに、2.0質量部のTINUVIN123(ヒンダードアミン、BASFジャパン株式会社製)を用いた。また実施例34では、架橋剤の添加量を0.1質量部に調整した。これらの点以外は実施例31と同様の方法で、実施例34のペリクルを作製した。
<実施例35>
実施例35のペリクル用粘着剤の調製では、ラジカル捕捉剤の代わりに、紫外線吸収剤を用いた。紫外線吸収剤としては、TINUVIN120(ベンゾエート系化合物、BASFジャパン株式会社製)を用いた。紫外線吸収剤の添加量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、3.0質量部に調整した。これらの点以外は実施例31と同様の方法で、実施例35のペリクルを作製した。
<実施例36>
実施例36のペリクル用粘着剤の調製では、シラン化合物の代わりに、ラジカル捕捉剤を用いた。ラジカル捕捉剤としては、IRGANOX1076(ヒンダードフェノール系化合物、BASFジャパン株式会社製)を用いた。ラジカル捕捉剤の添加量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体2を構成する全モノマーの合計100質量部に対して、3.0質量部に調整した。これらの点以外は実施例6と同様の方法で、実施例36のペリクルを作製した。
<実施例37>
実施例37では、架橋剤として、(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンの代わりに、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物を用いた。実施例37では、架橋剤の添加量を0.45質量部に調整した。これらの点以外は実施例31と同様の方法で、実施例37のペリクルを作製した。
<実施例38>
ラジカル捕捉剤として、TINUVIN770DFの代わりに、10.0質量部のTINUVIN292(ヒンダードアミン、BASFジャパン株式会社製)を用いた点以外は実施例31と同様の方法で、実施例38のペリクルを作製した。
得られた実施例及び比較例のペリクルを、以下の方法で評価した。
[分子量測定]
重合体の溶液を真空乾燥し、溶剤を除去した。重合体に溶媒を加えて、重合体の溶解液を調製した。溶解液中の重合体の濃度は1.0mg/mLに調整した。溶解液を孔径が0.5ミクロンであるフィルターでろ過し、ろ液をGPC(Gel Permeation Chromatography)で分析することにより、重合体の重量平均分子量を測定した。GPCの条件は次の通りであった。
GPC データ処理:東ソー GPC−8020
装置:東ソー HLC−8220GPC
カラム:TSKgel SuperHZN−M
(4.6mm I.D.×15cm) 1本+
TSKgel SuperHZ2000
(4.6mm I.D.×15cm)1本
オーブン:40℃
溶離液:0.35mL/分 CHCl
試料量:50μl(1.0mg/mL)
検出器:RI
較正曲線:ポリスチレン
[糊残り]
保護フィルムを剥がしたペリクルに加重を掛けて、6025クロム付きマスクブランクス基材にペリクルを貼付した。貼付には簡易型マウンターを用いた。加重は30Kgfであり、加重時間は60secであった。
ペリクルを貼り付けた基材を、室温(20±3℃)にて2ヶ月間放置した。放置後の基材を水平に固定し、ペリクルのひとつの角を引張試験機により、マスク面に対し垂直に5mm/minの速度で引き上げ、ペリクルを基材から剥離した。基材表面の様子を観察し、残存したペリクル用粘着剤によって被覆されている部分の面積(糊残り面積)を測定した。糊残り面積に基づき、各ペリクルの糊残り量を以下の基準で評価した。評価結果を表1〜3に示す。なお、下記の「全体の貼付け面積」とは、ペリクルを基材から剥離する前に基材表面においてペリクルと密着していた部分の面積である。
A:糊残り面積が全体の貼付け面積の0〜5%である。
B:糊残り面積が全体の貼付け面積の6〜20%である。
C:糊残り面積が全体の貼付け面積の21〜100%である。
[アウトガス試験]
50mL/分のヘリウム気流下、ペリクルを50℃で30分加熱した。加熱中にペリクルから発生したアウトガス(トルエン)を、吸着剤を充填した吸着管で捕集した。吸着剤にはTENAX TA(GLサイエンス製)を用いた。ヘッドスペースサンプラーを用いて、吸着管をGC装置へ導入した。吸着管を250℃で10分加熱してアウトガスを熱脱着させ、発生したアウトガスをGC(Gas Chromatography)/MS(Mass Spectrometry)により分析した。GC/MSの条件は次の通りであった。
GC装置:Agilent Technologies
7890A GC System
カラム:Agilent Technologies 19091J−413
HP−5(30m×0.320mm×0.25μm)
温度条件:30〜280℃(10℃/min)
MS装置:JEOL Jms−Q1000GC K9
イオン化:70eV
スキャン範囲:m/z=10〜500
絶対検量線により求めたトルエンの質量をペリクル1枚の質量で割って、ペリクル1枚当たりのアウトガス量(単位:ppb)を算出した。アウトガス量を以下の基準で評価した。評価結果を表1〜3に示す。
A:10ppb以下
B:10ppb超50ppb以下
C:51ppb以上
[耐加重試験]
保護フィルムを剥がしたペリクルに加重を掛けて、6025石英ブランクス基材および6025クロム付きマスクブランクス基材にペリクルを貼付した。貼付には簡易型マウンターを用いた。加重は30Kgfであり、加重時間は60secであった。
基材に貼り付けられたペリクルに1Kgの錘をつけ、基材を室温で放置した。基材からペリクルが剥離するまでの時間を測定した。測定された時間に基づき、ペリクルの耐加重性を以下の基準で評価した。評価結果を表1〜3に示す。
A:3日経過してもエアーパスが形成されない。
B:1日経過後にペリクルが基材から落下する。
C:3時間経過後にペリクルが基材から落下する。
実施例及び比較例のペリクル用粘着剤の組成及び評価結果を表1〜3にまとめた。表中、「A成分」は炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを意味する。「B成分」はイソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかと反応性のある官能基を有するモノマーを意味する。「架橋剤」はイソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかの官能基を有する架橋剤を意味する。「分子量」は粘着剤に含まれる(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量を意味する。「i−BA」はイソブチルアクリレートを意味する。「BA」はブチルアクリレートを意味する。「AA」はアクリル酸を意味する。「HEA」は2−ヒドロキシエチルアクリレートを意味する。表2に示す全実施例のペリクル用粘着剤の組成は、シラン化合物の種類を除いて、実施例1と同じである。
Figure 0005638693
Figure 0005638693
Figure 0005638693
本発明に係るペリクル、当該ペリクル用粘着剤、当該ペリクルを装着したペリクル付フォトマスク、及び当該ペリクル付フォトマスクを用いた半導体素子の製造方法によれば、露光後のマスクへの糊残りを低減でき、アウトガスの発生量を低減することができる。また本発明に係るペリクルは有機ガスの吸着性能に優れる。よって、本発明は、IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)、TFT型LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等のリソグラフィー工程において好適に用いることができる。本発明に係るペリクルは、特に波長が200nm以下である紫外光による露光を行うリソグラフィーに適している。
1・・・ペリクル、2・・・ペリクル枠体、2e,2f・・・ペリクル枠の端面、3・・・ペリクル膜、10・・・ペリクル用粘着剤(粘着剤層)、F・・・保護フィルム。

Claims (16)

  1. ペリクル枠と、該ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、他端面に付着した粘着剤とを有するペリクルであって、
    前記粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体とシラン化合物とを含み、
    前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、イソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかと反応性のある官能基を有するモノマーとの共重合体である、
    ペリクル。
  2. 前記シラン化合物はアルキレンオキシド骨格を有する、請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記シラン化合物はエポキシ基を有する、請求項1又は2に記載のペリクル。
  4. 前記シラン化合物の含有量は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計100質量部に対して0.001〜7質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペリクル。
  5. ペリクル枠と、該ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、他端面に付着した粘着剤とを有するペリクルであって、
    前記粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、ラジカル捕捉剤及び/又は紫外線吸収剤とを含み、
    前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、イソシアネート基又はエポキシ基の少なくともいずれかと反応性のある官能基を有するモノマーとの共重合体である、
    ペリクル。
  6. 前記ラジカル捕捉剤は、ヒンダードアミン系化合物又はヒンダードフェノール系化合物の少なくとも1種類を含む、請求項5に記載のペリクル。
  7. 前記紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物又はベンゾエート系化合物の少なくとも1種類を含む、請求項5又は6に記載のペリクル。
  8. 前記ラジカル捕捉剤及び前記紫外線吸収剤の合計の含有量は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計100質量部に対して0.001〜5質量部である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のペリクル。
  9. 前記モノマーはアクリル酸を含み、当該アクリル酸の含有量は前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーの合計100質量部に対して0.1〜5質量部である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のペリクル。
  10. 前記粘着剤は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量部と、架橋剤0.05〜3質量部との反応生成物を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のペリクル。
  11. 前記架橋剤は、多官能性エポキシ化合物又はイソシアネート系化合物の少なくともいずれかである、請求項10に記載のペリクル。
  12. 前記多官能性エポキシ化合物は、2〜4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物である、請求項11に記載のペリクル。
  13. 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量は50万〜250万である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のペリクル。
  14. 前記粘着剤の厚みは、0.1〜3.5mmである、請求項1〜13のいずれか一項に記載のペリクル。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載のペリクルが装着されている、ペリクル付フォトマスク。
  16. 請求項15に記載のペリクル付フォトマスクによって基板を露光する工程を備える、
    半導体素子の製造方法
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